子供の遊びや生活の流れに添 う音楽教育
―導入時 の保育者 の関わ りを中心 に一
〇n Music IEducation that rrakes Advantage of the Flow of Children's Play and Daily Activities:
Focusing on the lnstruetOr's IRole at its lntroduction
武 田 道 子 Michiko TAKEDA
(平成11年10月4日 受理)
I
序論幼稚園教育要領 も平成2年の施行か らそろそろ10年 を迎 えようとしている。環境 による教育、
こどもの自主的・ 主体的な活動な ど、音楽教育の立場か ら眺めてみると、現場 にあってはその とり扱いについて翻弄 されてきたかのような観が実在するのである。
つ まり、音楽教育 は一斉・ 設定保育だ という解釈で、音楽の苦手な保育者 は全 くといって良 い程 にこどもへの音楽的関わ りを放棄 してしまっている現状が見 られるのである。一方、今な お強 く技術向上 を目指すいわゆる一斉的な音楽教育が行なわれている現状 もあるのである。
筆者 は、 これ まで子供の遊びや生活の中で自然 に発生す る音楽的行動 について研究 を進めて きた。その過程で、幼稚園教育要領の表現の内容 にある「音楽 に親 しみ、歌 を歌 った り簡単な 楽器 を使 った りす ることを楽 しむ。」という体験が本当になされているのか ということに疑間を 感 じたのである。 この体験 は、子供 の自主的・ 主体的活動 を待 って という単純 な姿勢の中だけ ではなかなかに生れに くかった と言わざるを得ない。
歌 を歌 う喜び、楽器 を弾 くことの楽 しみを体験出来 ない ということは、子供か ら 楽 しさを 味わ う自由"を奪 ったに等 しい。
本論では、子供 の遊 びや生活の流れを生か した本当の意味での自主的・ 主体的な音楽活動 と は何か、そしてその楽 しさを味わわせ る保育者の関わ りとは何であるかを追及 しようとするも のである。
方法的には、音楽遊 びの誘発 を促す事例 (子供の遊 びに結び、子供の主体的な活動への保育 者の働 きかけの事例)を分析〜考察する。
事例 は、1997年 か ら1999年 の5月〜6月 と9月の教育実習期間に実験者=筆者が参観中に参 画・ 蒐集 した ものである。
なお、筆者 は一参観者の立場である。 自由遊 び時 に保育者の保育 を妨 げることのないような 配慮の下 に、筆者 に自らかかわって きた子供 (4歳児 を中心)のみを対象 としての実験である。
つ まり、 ここでの実験 は、音楽遊 びの極 く初期の段階〜その導入部分が中心である。
しか し、 この導入があれば、以降 この種子 を開花 にまで導 く手1贋はやさしい。 しか も、 この
武 田 道 子
導入 は子供の主体的活動 に結 ばれた楽 しい体験か ら出発 した ものであるだけに、本当の意味の 音楽教育 として結実するのではないか と確信するものである。
以上、 この誘発か ら開花 までの道筋 を明 らかにすることで、 自由遊びの中での保育者のかか わ りについて考究 してい く。
Ⅱ
本論〜「実験事例 と考察」
1.遊びに結んで
(1)事例の主題「ねんどあそび」(参考楽詔 1)P。 318参 照)
*遊びの発生要因
N子が3輪車 に乗 って、段差のある坂で立往生 をしている。側 にいた筆者 に「ねえ、押 して」 と助 けを求めて くる。私 は「足 を地面 に付 けて踏ん張つてごらん」 とい うと、N子
は試みるが失敗。押 してあげると「 これあげる」 と手 に握 っていた粘上 を半分 にして私 に くれる。不 自然なハ ンドルの握 り方 をしていた原因はこれであった。わた しは、「 あら
あ りが とう。一緒 に粘土で何か作 ろう」 と誘 った。
N子は先 に立 って、園庭の古タイヤを利用 して作 った椅子 に私 を連れていった。
*展開
先ず私 は「 え― と、何 を作 ろうかな」と言いなが ら、 ころころころころ粘土
くね くね くね くね粘土
直子ちゃんの̀こ'の字が出来ちゃった。"と 歌いなが ら、タイヤの上 に̀こ' の字の粘土 を置いた。そして「次 は直子ちゃんの番 よ。何 を作 る?」 と言 う私の間に「直 子、3ならで きる」。すかさずt私は歌で応援 をした。 ころころころころ粘土
にょろにょ
ろに ょろにょろ粘土
数字の3がで きちゃった"〜私 の歌 に誘 われてに こに こしなが ら
̀3'を作 り上 げた。す ぐに、N子の日か ら歌が こぼれた。それか らかわ りばん こに にょろ に ょろへびさん"・ かわいい うさちゃん"を作 って遊 んだ。N子は、 もうすっか り歌 を覚 え、歌 と粘土 をこねるリズムを楽 しみなが ら粘土遊びに興 じた。
その後、N子が再度兎 を作 ったので、私 も兎 を作 り、二人でピョン太君 とピョン子ちゃ ん と名前 を付 け、劇遊びに移 っていつた。
*発展への見通 し
。N子との楽 しかつた粘土遊 びを、クイズ形式で̀N子の作 った もの、私の作 った もの
'を
、 歌いなが ら他の子供たちに紹介する。「僕 も作れる」〜「私 も出来 る」の声が出て くるであろう。
0劇遊 びでは、粘土その もので遊ぶ より、被 りものを作 った リペープサー トで遊 んだ りの 方が盛 り上が るだろう。造形的表現活動への発展が考 えられる。
*考察
・ もし、歌なしの粘土遊びであった とした ら15分 も続かなかったであろうと思 う。N子の 歌 と粘土 をこねる動 き、そしてその心地良 さに浸 っている表情か らこの事が伺 える。歌 に
よってイメージ豊かな表現 と遊びへの集中力が増 した ということが出来 よう。
・ さらに、場所の設定(N子が決めた場所である。)が、非常 に良かったのではなかろうか。
つまり、 ここは園庭の裏側 に位置 してお り、大勢の子供の出入 りが少ない場所であった。
その為、誰 にも邪魔 されずにしか も他の事 に目を奪われ ることもな く、2人だけで粘土遊 びの楽 しさを共有出来たのだ と思 う。
・ 教材曲は、粘土 をこねて遊びなが ら歌 えるよう作 られた ものである。擬態 。擬音のこと ばはもちろんその時 に思い描 いたイメージに合わせて言葉 を入れ替 えるだけである。現 に
N子の日か ら「ペタペタ」。「 トン トン」等、実際に聞 こえる音で表現する場面 も見 られた のである。遊 びの発展 に結ぶ教材 は、 この様 な要素が必要であることがわかった。
・ 筆者 は、子供 との楽 しさの共有、そして遊 びの始めか ら終 りまで通 して歌での援助 を加 えている。 この歌の援助 なしでは、 この遊 び も成立 しなかったであろう。
(2)事例の主題「かわいいな」(参考楽譜(1)P.40参照)
*遊びの発生要因
中2階のあるコーナーで、女児2人と男児2人が、それぞればらばらにいわゆる平行遊 びをしている。 このコーナーは、壁や道具箱 な どで3方向が囲 まれていて落着いた場所 に なっている。筆者 は座 り込んで道具箱 と道具箱の間か ら、中の子供たちの様子 を眺めてい た。
まもな くして、一人の男児がプラスチ ックのような もので出来ている果物やケーキを、
道具箱の間か ら私 に手渡 してきた。早速私 は、「 あらおい しそう
パ クパクパ ク」と、おい しそうに食べ る真似 をした。す ると、次 ぎ次 ぎにいろいろな御馳走が運 ばれてきた。
その様子 を見ていた女児が、中2階にあるままごと道具の中か ら木製 のお皿や茶碗 を 持 って、私の所 にやってきた。私 は「あ ら
あ りが とう。ではこのケーキはこのお皿 にの せて頂 きましょう」〜「本当においしかったわ
ごちそうさま」 とい うや りとりがあった。
その うち、女児が外 に回ってきて、私の手 を取 リコーナーの中に招 き入れた。そして、
うさぎのぬい ぐるみを私 に見せた。
*展開
私 は、うさぎのぬい ぐるみを受 け取 ると優 しく撫でなが ら ピョンピョンうさちゃん
か わいいな"と歌 つてか ら、女児 にぬい ぐるみを手渡 した。その子 は、さっきよりもっ ともっ
と大事 そうにぬい ぐるみを抱 っこした。
この歌 を聞いて、 もう一人の男児が熊のぬい ぐるみを持 ってきて私に手渡 した。わた し は同 じように モコモコ くまちゃん
かわいいね"と熊の頭 を撫でなが ら歌 った。 そして 男児 に熊のぬい ぐるみを手渡す と優 しく抱 っこした。
そばにいた残 りの男児 と女児 も狸 と象のぬい ぐるみを持 ってきて、私が歌 を歌 うことを 催促 した。それぞれ ポンポコたぬき
かわいいね"〜 大 きなぞ うさん
かわいいね"〜 と 心か ら̀かわいい
かわいい'とい う表情 で歌 ってか ら、ぬい ぐるみを一人ずつ手渡 して いった。
す ると驚いた ことに、 コーナーの外でブロック遊びをしていた男児が、別のぬい ぐるみ を持 うて私 に寄 ってきたのである。同様 に歌 ってあげると満足 したようにぬい ぐるみを抱 いた。
それ までは別々な遊 びをしていた子供たちが、ぬい ぐるみを寝かせた り抱 っこした りし て、共同のお うちごっこの遊 びを展開 していったのである。
*発展への見通 し
・ この まま歌遊びで終 って良い と思 う。更 に、いろいろな場面で優 しい気持で他の生 き物 に対 して接することが出来 るよう見守 っていきたい。
武 田 道 子
・ ここで の特 記 すべ き出来 事 は、遊 び の発 展 にあ った と思 う。 単 な る平行遊 びか ら、共 同
の遊びへ展開 した ことである。音楽の持つ力 を感 じずにはい られない。*考察
・ 場所 は、4歳児の教室 にあ り、中2階の上 と下 を自由に往来でき、 しか も三方が黒板や 壁、そして道具箱等で囲 まれている。数人で遊ぶのにもって こいの広 さである。この日は、
空いているもう一方の入口にもダンボール作 りの ドアが置かれてあった。私 は、その ドア を通 って招 き入れ られたのである。 このような場所であったか ら、歌遊び も生れたのだ と 思 う。
0単なるお もちゃで しかなかったぬい ぐるみに、歌が入 った ことにより大事 そうに抱 え優 しい気持 を投影 させて、その表情 もやわ らか く、本当に生 きた動物 に接するようであった。
また、ぬい ぐるみを寝かせ る時 も、ハ ンカチを掛布団の代わ りにしていた。男児 は、女児 の様子 を見なが らそばにある布 をかけた りして、実に活発 な動 きをしていた。
優 しい気持 は、 さらに男児 までが女児の真似 をして、スカー トを履 くとい う微笑 ましい 光景 を見 るまでにいたったのである。
・ 教材曲は、落着いた優 しい気持 にさせ る下降の旋律線で、簡単な1楽節で まとめられて いる。歌詞かえが容易であ り、端的にその ものを歌い込むことができる特性 を持 っている。
・ 筆者の歌いかけやその仕草 また表情が、ぬい ぐるみに命 を与 える働 きをしている。つ ま り、優 しさや思いや りの心 を育てるための この教材の扱いについては、保育者の表現力豊 かな関わ りが大 きな鍵 になっているとい うことである。
(3)事例の主題「ち ょうち ょう」(参考楽譜(1)P.576参照)
*遊びの発生要因
実習生が子供の腕 に紐 を回 し背中にち ょうち ょうの羽 を付 けてあげていた。色 とりどり のセロハ ン用紙 な どを使 って とて も大 き く美 しい羽である。
羽 を付 けて もらった一人の女児が嬉 しそうに飛び回わ りなが ら、筆者 に見せ にきた。
*展開
わた しは「 まあ
かわいいち ょうち ょうさん!」 と歓声 をあげなが ら、 ち ょうち ょう ち ょうち ょう
菜のはにとまれ〜"と身体 を揺 らし羽 をはばたかせなが ら歌 った。女児 も ち ょうち ょうにな りきって、両手 をはばたかせなが ら一緒 に回ずさんでいる。
私 は、両手でお花 を作 り、ち ょうち ょうになった女児 に向って揺 らしなが らしゃがんだ。
す ると、私の周 りを嬉 しそうに飛び回つた。
*発展への見通 し
・ もし、筆者であった ら次の様 に発展 させたい。
ち ょうち ょうの大好 きなお花 を子供たち といつぱい作 る。そして、ち ょうち よう役 とお 花役 に分かれて、歌 に合わせて遊ぶ。歌の最後の所でち ょうち ょうがお花 に とまり、 とま
られたお花が今度 はち ょうち ょう役 と交代する。遊 びが盛 り上がった所で、私 はきっとピ アノで応援するだろう。
・ 更 に、お花 を想定 して楽器 を選び、 フレーズ毎の分担奏 を楽 しませたい。
ち ょうち ょうが止 って くれ るようにきれいな音色で好 きないろいろな楽器 を鳴 らすので ある。
*考察
・ 場所 は教室内であ り、動 き回るには格好 な広が りがある。
・ ち ょうち ょうの羽 を付 けて もらった事で、その ものにな りきれ、「ち ょうち ょう」の歌遊 び も自然 に受 け入れ られたのであろう。歌 と踊 りを伴 って楽 しさが倍加 された と思われる。
この子の とて もきれいな歌声 と優 しい表情 は、本当に印象的であ り、忘れることが出来な
・ 教材曲は、子供が知 っている歌であ り、イメージが捉 らえやすい。遊びをつなげるには い くらか長いような気 もした。 しか し、筆者の歌やお花の応援があったか らこそ、具体的 なイメージが広が り遊 び も成 り立 ったのであろうと思 う。
以上、遊 びの流れに結ぶ3事例への考察では、子供の遊 びの流れを生か しつつ、そのタ イ ミングを捉 らえての保育者の援助がいかに大切であるか ということがわかる。歌の応援 だけで、子供の遊びが輝 き出すのである。つ まり音楽教育のね らいである
Dい
を育てる保 育」が達成で きるのである。2.生活に結んで
(1)事例の主題「 はなかみしゅん」(参考楽訓1)P.225参照)
*遊びの発生要因
2人の女児が、モールや折 り紙 を使 って何や ら輪 にした ものを作 っている。色 とりどり のモール と折 り紙 を惜 しげもな く使い、飽 きもせず同 じ形の ものをい くつ も作 っている。
その ことに筆者 は目を奪われ、「何 を作 っているの?」と思わず声 をかけてしまった。「輪 投 げを作 ってるの」 と女児。「 これで どうやって遊ぶの?」 と私。「お うちに持 っていって 輪投 げをす るの」 と女児。そして、 また同 じものを作 り始めた。
そこで私 は「輪投 げをやってみない」といって、箱 に穴 をあけてそこにサインペ ンをポー ルのように立て、輪投げ遊びの小道具 を作 った。早速、3人で輪投 げ遊びを楽 しんだ。
*展開
3人での遊びに入 って まもな く一人の女児が鼻水 を出 していることに気づいた。
す ぐに私 は、その子 に向って はなかみシュン
じょうずにシュン
かんだ紙 なら籠の 中ヘポイ"と歌いなが ら、鼻かみを促 した。その子 は、す ぐポケ ッ トか らテ ィッシュペー パーを取 り出した。そこでまた私 は はなかみシュン
じょうずにシュン
かんでさっぱ
りして こっち向いてウフン"と歌い、その子の顔 を撫でた。
その時、 もう一人の女児の目を見張 るような不思議 そうな顔が、私の目の前にあった。
*発展への見通 し
今回はこの2人の子供だけであったが、 この歌が契機 となって、はなかみ もその後始末 もかわい らしい生活習慣の一つ として根づいて くれれば と思っている。
*考察
・ 場所 は、教室の中の作業 コーナーである。道具箱 には折 り紙やモールやはさみ、そして 糊な ど、何時で もす ぐに使 えるようになっている。床 にはジュウタンが敷かれ、落着いた 気持で、座 って作業が出来 る環境である。同 じ場所で、別の子供が絵 を描いていた。
・ 2人は輪投 げの道具 を作 っているだけで、それを使 って遊ぶ というところまではいって
武 田 道 子
いなかった。本格的な輪投 げ遊び というより、ポールに手作 りの輪 をただ通 して遊ぶだけ であったのである。 しか し私が加わることによって、3人で顔 を合わせて笑 う機会が多 く 出来た。
・ 鼻かみの動作 を促す歌 は、その子自身にとって も心地好かった様で、にこにこしなが ら、
また照れなが らも嬉 しそうであった。更 にその子以上 に、側 にいた もう一人の女児が この 歌 に聞 き入 り、歌い終わるまで私か ら目を離 さなかった。思いがけず歌 に触れた という印 象であった。用事があって、私がその場 を離れなければならな くなった時、その子が私の 手 を握 って「す ぐ返 ってきて くれる?」 と約束 させ られたのであった。
(2)事例の主題「おへそ」(参考楽訓 1)P。 174参 照)
*遊びの発生要因
6月 といって もこの日は大変暖か くむ しろ暑い くらいであった。子供たちは待ち切れず に水遊 びを始め、その うち裸 にな りだ した。子供たちの表情 は嬉 しさでいっぱいだ。その 後、服 を着替 えて教室 に戻 ってきた。一人の男児が私の所へやって きた時、 シャツの下か
らおへそが見 えていた。
*展開
それ を見て、私が おへその中には何がある
ピッピッ
おへその中にはごまがある
ド ン ドン〜''と その子のおへそを指差 しなが ら歌 うと、 にこにこして もっとよく見 えるよう におへそを出 してきた。その子 に対する私の歌が終 るか終 らない うちに、4人のおへそが 眼の前 に並んだのには、私 もびっ くりした。
一人ずつ、歌いなが ら「おへそはとて も大事な ところだか らしっか りしまってお こうね。」
と、順番 に服 を下 げていった。
*発展への見通 し
・ これを契機 に、子供たちのおへそ〜健康への関心に一層配慮する。
。この教材曲は、ピアノの伴奏の中にその楽 しさを倍加 させる曲趣が刻み込 まれている。
大変 リズ ミカルでつい身体が動いてしまう様 な伴奏である。私 はいろいろな機会 を捉 えて 歌いなが らピアノを弾 こうと思 う。その過程の中で子供が ピアノの周 りに集 って くれれば、
一人一人の顔 を見つめなが ら何回 も弾 き歌いをしたい。やがて、メロディーを覚 えて歌い 出す子が出て くるまで、チャンスを捉 らえて弾 き歌いを続 ける。
0さ て ここか らは楽器遊びへの発展である。
楽 しさを倍増するために歌 を覚 える過程で、 ピッピッ"や ドン ドン"の部分 に合 う音
(例えばお もちゃの トンカチ また太鼓 な ど)を入れて盛 り上 げる。
更 に、ほかの部分 にいろいろの楽器 を入れて遊ぶ。
a.a'oboa'の
形式 を生か して楽器で素朴な配色 をす る。例 えば、a〜a'の部分 は レララ"の音型 (オスティナー ト)
で鉄琴 または鍵盤ハーモニカを、bの部分 はウッドブロックな どを入れてみると面 白 くな るであろう。簡単な楽器遊 びであるので、子供たちはす ぐに楽 しく遊べると思 う。
*考察
・ 場所 は教室の入 口近 くである。ち ょうど同 じ水遊びをしていた子供たちがかた まってい た。子供たちにとって私の歌 は、水遊びを十分楽 しんだ後のおまけだったのか もしれない。
・ この曲の もつ ピッピッ" ドン ドン"の擬音が、 とて も気 に入った ようで この部分が く
るとにこにこが増 して くるようだ。特 に、私が指 をユーモラスに動かすので、身体 を くね くねさせなが ら聞 き入 っていた。
・ 実習中はお帰 りの時 にみんなが集 って遊 び歌的な ものを歌 ったのを聞 くくらいで、 日常 の保育の中で、私 は子供たちが歌 を歌 う場面 に出会 った ことがない。 この時 も、私の歌 う 歌 を聞 きなが ら楽 しんだが、子供たちが一緒 に歌 うとい うことはないままであった。 どう
した らよいであろうか。保育の担当者の猛省 を促 したい。
(3)事例の主題「おやつ」(実験者 による即興題材)
*遊びの発生要因
砂場で数人の子供が遊んでいた。実習生のおやつの知 らせ に、 さっと立ち上がって教室 に戻 っていった。実習生 は他の場所 にいる子供たちにも知 らせ る為、砂場 を離れて行 った。
さてそこに、実習生の声が全然耳 に入 らないのか、 まだ遊びに熱中 していつ まで も砂場 を離れない子が2人残 っていた。他の友達が「おやつだ よ」 と知 らせて も知 らないふ りを している。
*展開
そこで私 は、貝日興で「おやつの歌」 を歌 ってみることにした。
おやつだ よ
おやつだよった ら
おやつだ よ
今 日のおやつはね
ほん とにおいしい よ
は―や く食べたいなあ
食べたい食べたい食―べたい"〜今 まで反応がなかった2人
が同時 に私の顔 を見た。「変なの」と言 う顔 をしたので、私 はか まわず もう1度歌いなが ら、
スキップをしてその場 を立ち去 った。す ると、2人は立ち上が り教室 に向ってかけ出 した のである。
教室 に着いた2人は手 を洗い、何事 もなかった ように友達 とおやつに向っていた。
*発展への見通 し
いろいろな生活場面での保育者 による即興的な歌いかけの試みである。 この様 な経験の 積み重ねにより、やがては子供 による生気 に温れた即興遊 びへの展開が期待で きるのでは ないか と思 う。
*考察
・ 砂場 とい う場所で、 しか もみんなはおやつに呼ばれて教室 に立 ち去った後である。言葉 で促 して も腰 を上 げなかった2人の男児が、思いがけない歌の出現 にあっけに とられ、極
く自然な形で遊びにふん切 りをつけたのか もしれない。
・ 教材 は、筆者の即興 による歌である。 これによって、子供が 自分 自身の意志でみんな と 一緒のおやつに参加す ることが出来た。 これは、言 うなれば音楽の用的な機能発現の一例 で もある。
その要点 をまとめると次のようになる。
その
1
音楽の生活化の本姿 は、先ず歌 うたの しさ、そして醸 し出される身体の動 きの 心地 よさの中で望 ましい行動 に結 ばれることその
2
生活 に結んだいろいろな教材の用意その
3
保育者のタイ ミングのよい即興の関わ り、拍の流れにのった動 きや優 しい表情 の中での表現力・ 関連 して
武 田 ・道 子
「おやつの音楽」0「お帰 りの音楽」等々、単 に条件反射的反応への合図に終止 しかねな い音楽 に対する警戒 と配慮、そしてそれへの具体的な指導の くふ う
3事例 とも、保育の場では おはなが出てるよ"・ おへそしまお うね"・ おやつだよ
あ つ まれ"の一言で、対応 してしまいがちである。その言葉がけの代わ りに歌 を活用 したの である。 コミニュケーション手段 としての言葉 と音楽の分離がはじまる3歳児、そして明 確 に自己表現手段 としての言葉 と音楽が分離する4歳児 にとって、歌 による言葉表現 は発 達的にも叶った ものであると思 う。
3.音楽遊びに結んで
(1)事例の主題「 自己紹介の歌」(参考楽譜(1)P.55参照)
*遊びの発生要因
教室の出入 り口に続 くベ ランダで、保育参観 をしていた筆者 に一人の女児が話 しかけて きた。「誰のお母 さん?」〜「お兄 さん とお姉 さん先生の先生 よ」〜「 どこか ら来たの?」〜「大 学か ら来たのよ」〜「 う―ん」な どのようなや りとりがあった。
*展開
その子が私か ら離れなかったので「私の名前教 えてあげるね」 といって みかんのみ チーズのち
ことりのこ
全部合わせてみ
ち
こ
私の名前 はみ
ち
こ
宜 しくね"
と表情たっぷ りに動 きを付 けなが ら、歌 って聞かせた。
そしてすかさず「あやかちゃんの歌 も出来 るよ」 と言って、す ぐに アイスク リームの あ
や くそ くのや
かわいいのか
全部合わせてあ
や
か
私の名前 はあ
や
か
宜
しくね"と歌 ってか らあやかちゃん と握手 をした。
その後 あやかちゃんは私の前か らいな くな り、 まもな く3人の友達 を連れてきた。
他の友達の歌 も歌 って もらいたかったのである。「 この子 はまゆちゃん」とあやかちゃん が私 に紹介 した。すると、周 りの子 も私 に胸の名本
Lが
見 えるようにしている。歌 って もらっ た子が また別の子供 を連れてきて、結局私の周 りに男児 も合わせて10人 ほどの輪が出来た。途中か らは、「 さのつ くもの?」「 とのつ くもの?」「 しのつ くもの?」等、子供たち と話 し合いをしなが らの自己紹介遊 びになっていった。
*発展への見通 し
事例 のように、言葉遊びを楽 しみなが ら少 しずつクラス全員の子供 に対 して扱 うとよい であろう。 さらに、入園式など行事への関連 も考 えられ る。
*考察
・ 場所 は教室か ら外へ続 くベ ランダで、そこには丸い机 と椅子が4〜 5脚置いてあった。
私 は、その椅子 にかけて教室の中の実習生の様子 を参観 していたのであった。 ぐるっ と輪 になっての歌遊 びは、 この丸テーブルをはさんでの展開であった。言葉遊び と順番 を待 っ ての自己紹介遊びでは、 この丸テーブルが大 きな役割 を果 していた ような気がする。
・ 本教材 は、「 自己紹介の歌」であ り、当然 自分 をアピールするために作 られた ものである。
自分の名前が素敵 に飾 られて歌 となって とび出 して くる。 自分だけの歌、そして友達の歌 で もある。あやかちゃんや他の子供が自分の歌が終 った後、別の友達 を連れてきた ことも その楽 しさを伝 えたい とい う証拠であろう。子供たちの微笑みの表情 に嬉 しさとち ょび り
照れた様 な心地 よさが滲みでているような気が した。
・ 言葉 をいろいろ使 えるようになるこの時期の子供たちに とって格好の教材である。
この扱いについては、子供たちの言葉集めを取 り入れての歌詞替 え0リ ズムの工夫など、
最初の うちは保育者のにこにことした表情たつぶ りな歌での援助が必要であろう。特 に、
「 まゆ」「 じゅん」「だいすけ」等、名前の リズムの違いを歌い分 けるのは、保育者の援助 無 しには成 り立たないのである。
(2)事例の主題「すみれ とたんぽぽ」(参考楽譜(2)P。 105参 照)
*遊びの発生要因
教室の中で、実習生 と女児2人が、それぞれ トライアングル と鈴 とカスタネ ッ トを持 っ て遊 んでいた。私 は、 どの様 な展開があるのか とじっ と見ていると、ただ好 きなように打 ちな らしているだけであつた。そ こで、思わず仲間入 りが した くなった。
このクラス名 はすみれ組であ り、隣のクラスがたんぽぽ組であることを活用 して「すみ れ」 と「たんぽぽ」 に分れて、楽器遊びに発展 させ ようと考 えたか らである。
*展開
教材の歌詞 は すみれのお花が咲 きました.たんぽぽの花 も咲 きました。
すみれ とた んぽぽポ
ポ
ポ "〜 である。 この歌 を使 い、鈴 を持つ子供 はすみれ組、カスタネ ッ トの 子 はたんぽぽ組、 トライアングルを持 っていた実習生 はすみれ とたんぽぽに声 をかける役
とい うことにした。
第 1フレーズの̀咲きました
'の
所 を3つ打 ちの リズムで鈴、第2フレーズの̀咲きまし た'の
所 はこれ も3つ打 ちでカスタネ ッ ト、第3フ レーズの̀ポポ
ポ
'は
鈴 とカスタ ネ ッ トー緒 に3つ打ち というように分担 した。子供の分担以外の所 は、実習生の トライア ングルで呼びかけることにした。私の手拍子の動 きに合わせてす ぐに遊ぶ ことが出来た。更 に、実習生の トライアングルは、第10第 2フレーズの子供が3つ打ちをする所 に ト レモロ奏 を、第3フレーズの最後 は子供 と同じ様 に3つ打 ちを加 える事 にした。
少 しずつ音楽的にまとまって くると、̀も う1回 !'の 子供の声が聞 こえた。更 に「今度 わた し鈴や りたい」 と言 うことで、楽器 を交代 しなが ら遊びが盛 り上がった。
*発展への見通 し
・ 最終的に7つ打 ちの リズムパ ター ンを含む合奏遊 びまで発展 したのであるが、 もし近 く に他の子供で もいた とした ら、楽器の数 を増やす ことが出来た と思 う。そうす ることで、
友達 との音遊びの楽 しさが さらに倍増 したであろう。
・ ここでは、実習生 を含 めて3人であったので、その後の発展 として1対2ま た1対 1で の楽器 によるリズム間答 も可能である。多様 な リズムを保育者が示 してやることで、その 面 白さに浸 らせ即興遊び も盛 り上が ることであろう。
*考察
・ 展開の過程 は、極 めて自然で楽 しい合奏遊 び として成功 した ように思 う。
その要因 を次の様 におさえることが出来 よう。
題材・ クラス名・ 分担楽器の役柄 などの相関、簡易な原曲の旋律構成・ リズム構成か ら 導かれる配色の面 白さなど
0特に、分担楽器の役柄〜 それへの納得 こそが指導上重要である。
武 田 道 子
(3)事例 の主題「あ りさんのおはなし」(参考楽譜(1)P.479参照)
*遊びの発生要因
5歳児女児が3人でかた まって、 ピアノを弾 いていた。 ね こふんじゃった"を含め、 ピ アノのお稽古で習 つた曲であろうか、交代 しなが ら楽 しんでいた。筆者が子供たちの演奏 に聞 き入 ってい る と、子供たちは私 をかな り意識 しなが ら競 い合 って弾いているようで あった。
そこで「私 も入れて!」 と言 うと、一人の子が「 うん
いいよね」 と友達の顔 を見て頷
い アこ 。
*展開
私の弾 く順番が来たので あ りさんのおはなし"を弾 くことにした。一人の子が「私 こ の歌知 ってるよ」と言った。「ああ
よかった」と私 はいいなが ら、す ぐに明るい声で弾 き 歌いをした。2番まで、一人一人の顔 を見つめなが ら、3拍子の軽やかさを伝 えられるよ
う留意 しなが らの弾 き歌いを心掛 けた。
この楽 しさを、3人の子が感 じ取 つて くれたのであろう。す ぐの交代 を忘れ、私の次ぎ の誘 いに乗 ってきた。
ピアノの右手伴奏部 に現われる各 フレーズ最終小節の装飾的擬声音 (F音)を子供 に分 担 させ るというものである。始めに、私が「 あ りさんのお話 きいたかね
ピッピッ〜〜"
とい うように入れ るのよ」 と念 を押す と、3人が並んで私の弾 き歌いに合わせて 1フ レー ズ毎 に交代で ピッピッ"を入れた。待ち構 えていて、 リズ ミカルに巧 く入れ られた こと が とて も嬉 しかった らしい。
1度弾 き終わった ところで、一人の子供が素晴 しい発見 をした。「 ここにも同 じ音がある よ」 と1オクターブ上のF音を弾いたのである。すると他の子 も「 ここにも」 と言いなが ら、低音部のF音を弾いた。
それか らは、子供の リー ドで遊 びが続いた。「私 はこっちで弾 く」〜「わた しはこっちJ
と言いなが ら、私 を挟んで両脇 に分れたのである。そしてこの遊びは、1回で終わ らなかっ た。つ まり、3人で交代 しなが ら、ひ とりひ とりが鍵盤上 にあるすべてのF音を弾 き終 る
まで続いたのである。
子供たちの遊 びの波 にのって、2人組 になっての手合わせ遊 びをというところまで続 け たかったが、 クラスの保育の流れの中でやむな く打ち切 らざるをえなかった。
*発展への見通 し
次の様 な展開を考 えていたのである。
・ 第1段階〜両手の人差 し指 をあ りの触覚 に見たてる。
3拍子の リズムにのって、̀タ ンチ ョンチ ョン'のタンは手拍子、チ ョンチ ョンは自分の 両手の人差 し指 を打 ち合せ る。 さらに先程遊 んだ̀ピッピッ
'は
、友達の両手人差 し指の触 覚 と自分の両手人差 し指の触覚 を打ち合せ る。・ 第2段階〜手合わせ遊びを楽 しんだ後 に̀ピッピッ'に合 う楽器、さらに̀タ ンチ ョンチ ョ ン
'の
3拍子 を飾 る楽器の選択 とい うことになる。低〜高〜高低〜高〜高の軽快 な リズム の表現が可能 な ものを選ぶ。
・ 楽 しい軽快な合奏遊びの開幕 となる。
*考察
0各教室 に1台ずつピアノが置かれている。子供たちは何時で も自由に弾 くことが出来 る。
時々、子供が ピアノを弾いている場面 に出会 う。良 く聞 く曲が、 ね こふん じゃった"で ある。子供の弾 き方 を観察 していると、 とにか くテンポがだんだん速 くなってい く傾向が ある。今回 も競い合 って弾 くうちに、テンポや曲想表現 といった音楽的内容か らは程遠 く なってい く感 じであった。
・ この日の主教材「 あ りさんのおはなしJは、大変 リズ ミカルな3拍子の曲である。特 に、
ピアノ伴奏 に現われ るフレーズの区切 りが明快で、子供 に受 け入れ られやす くしか も1音 で統一 されている。 そこが この様 な音楽遊 びの展開に結んだね らいめになったのである。
・ 筆者 によるピアノ伴奏 と歌 によって、テンポや曲想が遊びを通 して貫かれていた。 この 事が、子供たちの音楽的感性 を刺激 したのだ と考 えられ る。
。この事例 は、5歳児であった。子供たちは、結局鍵盤上のF音をすべてク リアー したの であるが、 この事 は筆者 にとって驚 きであった。大人であれば、1回やれば同 じことと思 うか らである。かな り長い時間の集中力の持続 そして遊びの工夫など、5歳児 とい う発達 的特徴 と教材曲の もつ面 白さに負 うところが大 きかった と思 う。
以上、音楽遊 びに結ぶ3つの事例では、子供 自身が音楽の もつ面白さ・ 楽 しさを享受す ることによって、 さらに意欲的な表現の育 ちが不動の ものになることを痛感 した。
さらに、教材選択への配慮 も楽 しい遊びの為 に大切な要因 となっていることを特記 したい。
Ⅲ
結論
本研究 は、 自由遊びの流れの中で子供 と共 に遊 び込んだ保育の実際事例 を基に、音楽遊びへ の方法論〜その導入時の保育者の関わ りについて精査 しようとした ものであった。
そして、今回の実験・調査 に関わる目立 った環境条件 としては、次の事項がおさえられ、テー マ究明の視点に照 らして一応 は格好の ものであった と考 えられる。
*
遊びへの媒介 となる用具・ 教便物〜例 えば粘土やぬい ぐるみ、楽器 な どの活用*
遊 びや動 きを誘発する多様 な用的要素 を含み持つ教材曲の用意なお、 この うち後者のいうなれば 教材の調理"〜保育の くふ うに関わるところでは、特 に ユニークな扱いへの着想 に見合 うべ く、次の様 な具体面の検討が当然のこと大切である。
新鮮 にして魅力的な題材・ 曲想の ものであることを前提 にして一―一―
・ 題材・ 歌詞への着眼
遊び・ 生活 に直結す るもの
擬声・ 擬音・ リズ ミカルな言葉・ 問答〜 その他描写的な要素な どを含む もの
。曲の構成への着眼
簡易な リズム構成の もの
無理のない音域で簡易な旋律構成の もの O統合的活動への着眼
動 きに発展 しやすい もの 楽器遊 びに展開 しやすい もの
また、実験事例「
3
音楽遊びに結んで」 に表われた音楽的色彩がほんのち ょっ とだけほの296 武 田 道 子
みえてきた3例では、以降発達 に即 して選曲にそれな りの配慮が必要である。つまり教材曲が もつ美的
。質的内容の側面にも徐々に着眼 して ということである。歌遊びと楽器遊びの統合などもだん だんにより積極的に行 なわれて くることになろう。
以上、環境の視点か ら、子供が育つ 教材曲の用意"に向けた考察である。 これが第1点。 第2点は、教師自身が幼児の素朴な遊びにどう関わって歌遊 び・ 楽器 (手拍子0手合わせな ど身体楽器 を含む)遊びを構成 してい くかの視点で、今回の研究の主軸 をなす側面である。保 育者の力量〜 その全域が問われ るところであって、狭い意味合いでのいわゆる保育技術の問題
として片付 けられるものではない。
すなわち、私たちの一 日一 日の実践 は、「 あ くまで も子供一人一人の全人的・円満な育 ちを願 う姿勢の中で一」を不動の前提 として、音楽的に微笑 ましい育 ちを指向するとい うことである。
要するに問題 は、挙 げて保育者の研鑽・ 資質 ということに帰結・ 集約す るのであるが、今回 は特 に主題 に見合 うべ く焦点化 された もの として、次の様 な具体の指摘 となったのである。
教師の歌 う力・ ひ く力 (楽器遊 びの編成楽器の一切 を含む)・ ひき歌いの力・作 る力 (発達 に 留意 した初歩の編曲技法 を含む)な ど実技の能力 を基底 に
*即興の力…… 説話・ 歌・ 楽器0動きな ど
*統合的扱い
。遊び と題材曲統合への魅力的な着想・ アイディア
・ 歌遊び と楽器遊 びの統合
・ 遊戯化、舞踊化 な ど動 きへの統合
*劇化への着眼
以上、幼児期の音楽教育 は、正 に真のモデル としての保育者の人格 を抜 きにしては論 じ得な いのである。子供 は、歌わないのではな く、歌 う喜びを知 らされなかったのである。心 を結び 合 う楽器 によるリズム遊びの楽 しさも知 らされなかったのである。
この意味 において、問題 は、やは り教師論の一点 に帰結するのである。その為 に、 この論が 本道 に叶 った一つの示唆 になって くれれば と願 っている。
参考文献
(1)武田道子 1984 「子供の生活 にみ られる音楽的行動」
静岡大学教育学部研究報告 (教 科教育学篇)第16号
(2)武田道子 1996 「現代 ふ しことば"論一その教育的意義 と楽理的検証一」
静岡大学 教育学部研究報告 (教科教育学篇)第28号
(3)武田道子 1995 「幼児の音楽教育への一考察〜 自由保育 に於 ける遊 びの分析 を手がか り に」
静岡大学研究報告 (教科教育学篇)第27号
に)文部省小学校課・ 幼稚園課編集 1998 「時代の変化 に対応 した今後の幼稚園教育の在 り 方について (最終報告)」『幼稚園教育年鑑』
東洋館出版
参考楽譜
(D 飯田秀一・ 武田道子共篇 1991 『20世紀 に翔 く子 どもの うた百科』全音楽譜
(2)飯田秀一・ 武田道子著 1979 『幼児音楽一指導実技篇』同文書院