算 ■数 科 数理から感じる魅力を味わっていく
子どもたちは数・量・図形・数量関係などの事象に出会うと、事象に内在する数理(数学の理論)
と自分の数理に関わる認識(これまでの生痕経験や学習体験で培ってきた、数理に関わる事象に対す る見方、感じ方、考え方)との間にずれを感じる。「どうしてだろう」「おかしいな」「おもしろそう だな」などとずれを感じた子どもたちは、知的好奇心からそう感じるわけを明らかにしたいと、これ までの生活経験や学習体験で培ってきた自分の見方、感じ方からその子らしい思いをいだき、それを 大切にしながら数学的な考え方を自分なりに活用し事象に働きかけていく。
自分の見方や感じ方から「正しく確実な方法で考えていこう」「より速く簡単に処理しよう」「多様 な視点から考えよう」「自分の方法を大切にしよう」と子どもたちは思いをいだく。その思いをもと に、具体的な操作から得た結果を積み重ねるという数学的な考え方や、これまでの生活経験や学習体 験をもとに発想・類推するという数学的な考え方、抽象的な念頭操作から出てきた結果をもとに筋道 を立てるという数学的な考え方を活用していく。子どもたちは自分の見方、感じ方から、その子らし い思いをいだき、数学的な考え方を自分なりに活用して、自分の考えを生み出していく・。
考えを生み出していく過程では、数学的な考え方を活用して出てきた結果に満足し自分の考えに自 信をもち始める子がいる。また、自分の思いをもとに数学的な考え方を活用するが、出てきた結果に 満足できず自分の考えに納得できない子もいる。「どうしてだろう」「一体どうしたら明らかになるの だろう」と、数学的な考え方をどう活用していいのか見通しがもてずに悩む子もいる。教師は数学的 な考え方をどう活用していいのか戸惑っている子には、その子の事象に対する思いに寄り添い、事象 に働きかけるきっかけがもてるように認知的な支援をしていく。こうして感じたずれに向き合い、自 分の考えを生み出した子どもたちは、自分の考えを知らせ認めてもらいたい、考えの唆味な部分が不 安だから確かめたいと友達や教師を求めていく。
友達の考えに出会うと、自分とは違った数学的な考え方の活用の仕方にふれ、疑問を感じると反発 したり、わかりやすいと感じると共感したりする。友達がその数学的な考え方を活用しているのはど うしてなのか、なぜその考え方がよいと感じたのかと友達と話し合う中で、正確さや速さ、簡単さ、
多様さを求めるといった友達の思いにふれる。子どもたちは、友達の考えのもとになっている思いを 感じながら「自分の考えを大切にしたい」と自分の考えのよさを強めていったり「友達の考えからも よさを感じるな」と自分の考えが揺れたりする。そこでは、出てきた結果は同じでも、自分の思いと の差異を感じ反発することもある。逆に出てきた結果が違っていても、友達の思いに共感していくこ ともある。子どもたちは感じたずれに惹かれ、数学的な考え方を自分なりに活用し出てきた結果を自 分の認識と照らし合わせ、数学的な考え方をどう活用していけば自分が感じているずれに改めて向き 合っていくことになるのかと、考えを吟味していく。
教師は数学的な考え方のその子の活用の仕方にどんな思いがあるのかを感じ、とらえていきたい。
考えに迷いがある子にはその子が感じているずれがはっきりするような友達の考えに出会わせること で支えていく。また、教師の感じている魅力や数理に一致する事象に出会わせることで、子どもを立 ち止まらせることもある。
こうして知的好奇心から事象に働きかけた子どもたちは、自分の見方、感じ方を発揮し、その子ら しい思いをいだき、数学的な考え方を自分なりに活用して出てきた結果と、友達の考えから感じたこ とを自分の認識と照らし合わせていく。その中で、感じていたずれに、おもしろさ、美しさ、便利さ、
不思議さと\いった魅力を味わい、自分の考えを変容させる。それは自分の認識を強めたり、広げたり していること、つまり、数理から感じる魅力を味わっている姿である。そこに算数科における学びが ある。
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