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情報処理過程における

プライミング刺激と選択的注意及び 行動との関係に関する理論的考察

閔 庚 炫

本稿では,先行研究で提示されている暗黙的情報処理理論に依拠しつつ,

当該過程のメカニズムを支えるプライミング効果による選択的注意及び成果 行動の操作可能性を探索すると共に,当該過程の類型的特徴をより明確に示 すための理論的考察を行うことで,今後の関連研究におけるモデリング及び 検証作業に貢献する理論的根拠の抽出を試みる。特に,現在初期段階にある と言われている非認知的情報処理過程に関する諸議論にプライミング刺激と 意識的知覚の統制範囲に関する分析フレームを追加することで,当該情報処 理過程におけるプライミング効果と選択的注意及び成果行動との関係に関す る理解を深めるための探索的考察を行う。

Ⅰ はじめに−問題提起

購買情報処理を行う際,行動主体に知覚される諸情報に対する意識的な処理 が,選択手続きに伴われる当該情報への注意の範囲に依存するということに関 しては,学会及び業界において一定の合意が得られており,そのような選択的 注意(Duncan, )を特定のブランドや属性,意図されたメッセージなどと いったターゲット情報へいかに誘導するかという問題は,マーケティング戦略 の立案過程における重要な課題の一つとして注目されている。特に,露出情報 の量が行動主体の情報処理能力を上回る水準となっている場合,いわゆる情報

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過負荷の状態の下では,最終的な選択行動を主導する情報がインプットされた 諸情報の一部に限定され,当該選択手続きの整合性判断が阻害されることが生 じやすくなる(Jacoby, Speller & Kohn, )。このような情報過負荷状態及 び選択的注意により提示情報への誘引効果が制限される傾向は実際の購買環境 において比較的容易に観測されており,オーディエンスへの情報投下量を策定 する際に一種の制約条件としてみなされている。

一方,近年の研究では,意識体系の有無が必ずしも特定の成果行動の整合性 の質を左右する条件ではないことを明らかにするとともに,当該行動を牽引 した諸要因を自省的方法により探索することは困難であることを指摘すること で,特定の選択手続きにおける意識体系の欠落が最終的な選択行動の整合性 の質を低下させるという従来の主張に対する代案的知見が多く得られている

(例えば,Bargh,

; Loewenstein, ; Dijksterhuis,

)。このように,

観測された成果行動に関連する特定の選択手続きにおいて行動主体に知覚され る情報への選択的注意の活性化は意識体系を前提にしていないがゆえに,多分 に閾下的(非認知的)側面を有するといえる。また,意識体系の有無が当該選 択手続き及び最終的な選択行動の整合性を阻害する要因にはならないという見 地からすると,情報過負荷状態による選別知覚の水準の相違に影響を与える要 因の一部は閾下的側面の範疇内に帰属されることとなる。

しかし,行動主体にインプットされる情報に対する選択的注意の非認知的側 面が明示的に存在することと,そのような選択的注意の対象として選別された 情報が最終的な成果行動の誘因に収斂されるか否かという問題は明確に区別す るべきものでもある。先行研究では既に,選択的注意の対象となった特定の情 報処理の成果として見出された代案が行動を促すのに十分な整合性条件や行動 主体の選好水準を満たしていない場合,当該選択行動が遅延されるか情報処理 の成果そのものが棄却される可能性に関する知見が提示されている(Ratchford,

; Urbany,

)。そのため,後続研究は選択的注意により選別され選択

手続きに移行される情報と最終的な成果行動との関連性に焦点を当てたもの

(Tversky & Shafir,

; Dhar,

)に加え,当該情報に対する選択的注意

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を誘発した情報の類型的特徴及びそのメカニズムに注目するもの(Loewenstein

& Thaler, ; Bettman, Luce & Payne,

)に分類され行われてきた。さ らに後者は,閾上下の両水準で調整された情報が選択的注意の誘発に与える影 響に関する研究へ拡張され,そのうち,とりわけ閾下水準で提示される情報に より発現する選択的注意の非認知的側面に関する研究が近年活発に行われてき

ている(

Chaiken & Trope,

)。このような研究は,いずれも二重プロセス

理論に基づいている。二重プロセス理論によると,行動主体が行う情報処理は,

行動主体により意識的に統制された状態で行われる認知的情報処理と,閾下水 準で自動的に行われる非認知的情報処理の二つの形態に分類され,そのうち後 者は閾下で提示される情報のプライミング効果により活性化されると規定され ている。プライミング効果とは,行動主体が選択行動に直接関連する中心情報 に接触する前に,当該情報への選択的注意を促すと想定される情報を閾上下の 水準で提示することで,中心情報に関する解釈および整合性判断が行動主体の 意識的情報処理の有無とは関係なく影響されることである(

Wyer,

)。

既存の研究では,当該効果を牽引した閾下情報を自省的に探索し特定するこ とが困難であるがゆえに,提示情報がいかに処理されたかという活性化メカニ ズムに関する分析を看過しつつ,最終的成果行動の観測のみにより両者の因果 関係を説明している。しかし,提示情報の効果のもつ規則的側面が十分な頻度 で保障されていないという問題が,当該効果に関する予測性を低下させる結果 につながっていることも共に指摘されている。例えば,特定の条件の観測され た同一情報によるプライミング効果が他の条件において希釈された場合,その 条件とメカニズムの相違がいかなるものかという問題に関しては的確な理論的 根拠を有する説明がなされていない。当該効果がマーケティングの現場におい て未だ十分に活用されていない現状はこのような限界に起因しており,今後の 研究においては,閾下水準で提示された特定の情報が最終的な成果行動の誘因 となる中心情報に対する選択的注意をいかにして活性化させるかという過程上 の構造的条件を明らかにすることが重要な課題となっている。

そこで本稿では,先行研究で提示されている非認知的情報処理理論に関する

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知見に依拠しつつ,当該過程のメカニズムを支えるプライミング効果による選 択的注意及び成果行動の操作可能性を探索すると共に,当該過程の類型的特徴 をより明確に示すための理論的考察を行うことで,今後の関連研究におけるモ デリング及び検証作業に有効活用される理論的根拠を見出すための予備的考察 を行う。

Ⅱ 先行研究の考察

暗黙的情報処理モデルに関する基本概念

先述したように,閾下で提示された情報による中心情報への選択的注意と 成果行動の活性化に関しては,既に多くの先行研究において確認されている

(例えば,Chaiken & Trope,

; Bargh, ; Kahneman, ; Dijksterhuis,

; Wyer,

)。それぞれの研究が示している結果は,いずれも前述した

非認知的情報処理モデルに収斂されており,当該情報処理過程を誘発するプラ イミング効果を検証するべく,閾下水準で提示される情報(プライミング刺激)

と当該情報を行動主体に露出させるための事前装置(プライミングタスク)を 設定した上で,最終的な成果行動の誘因となる中心情報への選択的注意と成果 行動の水準を操作対象とし測定することで検証を行っている。このような「刺 激・反応」フレームに基づいた検証方法は,概ね意図通りの結果の観測につな がってはいるものの,プライミング効果による行動化メカニズムが主に自動的 な反応の結果としてみなされており,その詳細が精巧に規定されていないがゆ えに,結果の再現性が安定的な水準で保証されない点に問題があるとの指摘が なされてきたのも事実である。しかしながら,情報処理の非認知的・潜在的側 面に関する考察を行うことで,それまで看過されてきた閾下水準での情報操作 が注意と行動に影響を与えることを究明し,既存の情報処理モデルの拡張に貢 献した点において評価されている。

先行研究では,情報のインプットによる成果行動の発現過程を,非認知的情 報処理により作動するシステム と,認知的情報処理により支配されるシステ ム でそれぞれ分類した(Kahneman & Frederick,

; Kahneman,

)(図

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システム 2(認知的情報処理)

システム 1(非認知的情報処理)

閾上 情報探索 評価

(代案) 態度形成

閾下

インプット 成果行動

自動化過程 自動的反応

)。システム は,意識的で,遅く,慎重に行われる認知的ルールにより支 配される情報処理過程を示しており,複雑な計算過程が随伴される知的処理 に,しかるべき注意(選択的注意)が割り当てられることで作動する。当該シ ステムの働きは,行動主体・選択手続き・関与・集中など,主観的経験と関連 付けられることが多い。

一方,システム は,自動的・消極的・連想的・盲目的で,行動への自己統 制が介入せず高速で行われる情報処理過程を示しており,通念や既知情報など 過去の経験に基づいた記憶体系に影響され発現することもあれば,感覚受容器 へインプットされるプライミング刺激により瞬時に触発されることがある。

その他,一連の研究において示された見解から導出された結論は,それまで 関連分野における一般的な合意とは異なるもので,システム におけるプライ ミング刺激による自動的反応が,意識体系を基盤とするシステム に比べ,行 動主体の選択手続きや最終的な選択行動においてより重要な役割を果たすとい うことである。例えば,先行研究では,行動主体に知覚される複数の情報はそ の直後から比較的短時間で選別・分類されており,その諸過程は意識的な情報 処理に先行するという見解(Bargh,

; Loewenstein,

)や,閾下水準の プライミング刺激によるシステム は選択手続きや成果行動の質を向上させる

「Kahneman D. & Frederick S.( )」に基づき筆者作成。

二重プロセス理論に基づいた二つの情報処理

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役割を果たしているという見解が示されている(Dijksterhuis, )。

しかし,注意するべき点は,プライミング刺激による自動的反応が成果行動 を主導する主たる誘因になるという見解が,刺激と反応,換言すると,選択手 続きにおける情報処理から成果行動に至るまでの広い範囲の中での発現メカニ ズムの詳細が十分明確に規定されていないものになっていることにある。たと えシステム と の間に条件ごとの優劣関係が成り立つことを認めるとして も,システム が単独で,あるいはシステム より優先される条件がいかなる ものであるかに関する十分な説明が欠落されている現状のもとでは,意図され た成果行動を見出すためのプライミング刺激を特定し選別することも,当該刺 激を行動主体にインプットするためのプライミングタスクを予測力の高いもの として設計することも困難となる。このような限界を克服するべく,以下で は,非認知的情報処理(システム )を牽引するプライミング効果に関連する これまでの研究の概要を整理した上で,そこから抽出された課題を中心に後続 研究の方向性と検証モデル設計上の代案的方法論に関する考察を行う。

プライミング刺激による一致・同化的効果

通常,特定の情報がインプットされると,行動主体は当該情報と関連する 既知情報を活用しその意味を推論することで解釈を行う。その際,活用される 既知情報は記憶体系に保存されている諸情報の一部のみに限定されるため,イ ンプットされた閾上下の情報による成果行動の活性化過程は,特定の既知情報 への接近性,いわゆる選択的注意の水準に依存する(Higgins, )。例えば,

先行研究では,普段ピーナッツバターの購入頻度も選好水準も低かった行動主 体が当該商品を購入した理由が,店内を走り回る子供の存在がピーナッツバタ ー好きの甥子を連想させたことにあると説明されている(Dijksterhuis, )。

この場合,店内を走り回る子供がプライミング刺激であり,ピーナッツバター 好きの甥子に関する記憶が既知情報であるが,前者が成果行動へ反映される可 能性は,後者を既知情報として保有しているという事実だけではなく,行動主 体の選択的注意が当該情報へ向けられる可能性,すなわち既知情報への接近性

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に依存している。このようなプライミング効果を意図通りに具現するためのプ ライミングタスクを特定するには,当該行動主体の既知情報の詳細を把握する ことが求められる。

しかし,インプットするプライミング刺激が特殊な既知情報を必要としない 場合は,既知情報への接近性による制約が緩和されると予測できる。先行研究 では,面談を待っている被験者を「無礼さ」という概念に関連するプライミン グ刺激に露出させた場合,他の被験者の面談を中止させるまでの時間が統制条 件の被験者より顕著に短いことが確認されている。また,老人に関するプライ ミング刺激に閾下水準で露出された被験者の歩行速度が統制条件の被験者より 遅くなることも確認されている(Bargh et al., )。このような結果は,い ずれもプライミング刺激が成果行動に一致・同化的に働いたことを示してい る。同様の結果が導出された実験としては,店舗内の

BGM(プライミング

刺激)とワインの販売量(成果行動)との相関関係を実証したもの(North,

Hargreaves & McKendrik,

)や,洗剤の匂い(プライミング刺激)と掃除

に関連する成果行動との関係に関するもの(Holland, Hendriks, Aarts, )な どが挙げられる。いずれの実験においてもプライミング刺激が比較的一般的な 経験と関連しており,既知情報への接近性による制約が緩和されているため,

当該刺激と一致・同化的な形態で成果行動が導出されている。これらの実験結 果からすると,プライミング刺激は特定の目的追求に関連する既知情報だけで はなく,成果行動そのものにまで一致・同化的影響を与えると推論することが できる。これはすなわち,行動主体が閾下水準で調整されたプライミング刺激 により,既知情報に対する選択的注意だけではなく,単に当該刺激に関連する 成果行動を刺激順応的に行う可能性があることを示している。特に注目するべ きなのは,少なくとも後者においては,成果行動に対するプライミング刺激の 閾下的影響がその他の環境的要因からなる諸情報に関する意識的(システム ) 情報処理の介入に影響されることなく維持される点にある。

さらに,このような成果行動に対するプライミング効果の恒常性に関連する 研究としては,至極単純な模倣行動からなるプライミング刺激が成果行動を

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強化させることを究明したものが挙げられる(Baaren, Holland, Steenaert &

Knippenberg, ; Tanner, Chartrand,

)。

しかし,既知情報と成果行動に対するプライミング刺激の一致・同化的影響 は,当該刺激が顕著にネガティブなものになっている場合,重要な矛盾を生じ させることになる。たとえ顕著にネガティブなプライミング刺激が特定の既知 情報に対する選択的注意を活性化させたとしても,当該刺激と関連する既知情 報が「顕著にネガティブな」成果行動を連想させるものであるとすれば,行動 主体はプライミング刺激と一致する成果行動を保留するか,場合によっては 成果行動を棄却し当該刺激と対照的な行動を行う可能性も容易に想定できる。

システム はいずれも閾下で提示されるプライミング刺激に強く影響されてお り,当該情報に対する具体的な探索・評価過程を通らず,行動主体が自省的な 方法によりそれらの存在を正確に認識することもできないため,プライミング 刺激と既知情報との相互作用が成果行動に対して一致・同化的効果をもたらす か,それとも対照的効果をもたらすかを事前に予測することは困難である。次 節では,既存に提示されているプライミング刺激による対照的効果に関する知 見を整理した上で,本稿における主たる争点の所在を明確にするための考察を 行う。

プライミング刺激による対照的効果

選択的注意と成果行動に対するプライミング刺激の対照的効果に関する先行 研究は,主に当該効果がいかなる条件のもとで生じるかという問題に焦点を 当て行われてきた。先行研究では,閾下水準で調整されたプライミング刺激 が評価対象に対する意思決定に影響を与えたことが閾上において顕在化され た場合に,行動主体が当該意思決定の結果を修正することが確認されている

(Moskowitz et al., )。また,プライミング刺激が,それが示す概念や意味 に関する具体的な事例として提示されることで,想定される成果行動の比較 対象となった場合においても対照的効果が観測されている(Stapel & Koomen,

)。さらに,プライミング刺激の強度が閾下を超える水準や極端な概念と

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なっており,成果行動への反映が顕著に阻害される場合もプライミング刺激の 対照的効果が高い頻度で現れることが確認されている(Raghunathan & Irwin,

)。これらの先行研究は,いずれもプライミング刺激の対照的効果が,行 動主体がプライミングタスクの成果行動への影響を認識することに起因してい ることを示すものとなっている。それに加え,プライミング刺激の示す特定の 概念に多様な解釈の余地が含まれている可能性も示唆している。例えば,訴求 対象となる商品の属性上のメリットを「効率が良い」と規定し,それに関連す るプライミング刺激を行動主体に提示した場合,成果行動の整合性判断にポジ ティブに作用することもあれば,「デザイン性に欠ける」「性能を犠牲にした」

などといったネガティブな評価に収斂されるケースも生じ得る。したがって,

プライミング刺激の対照的効果が発現する条件を正確に再現するためには,当 該刺激に対する既知情報の調整的役割に焦点を当てる必要がある。要するに,

特定のプライミング刺激を用いて単一概念を提示したとしても,当該刺激が成 果行動に符合する可能性は,それに関連づけられる既知情報により伸縮すると いうことである。

このようなプライミング刺激の対照的効果は,一般的に一致・同化的効果へ 収斂されるとされている目的追求型の情報処理においても現れることがある。

先行研究では,被験者に「楽しむ」という概念からなるプライミング刺激を 提示し,その後,「面白い」レストランと「格式高い」レストランのうち一つ を選択させる実験を行った。その結果,プライミング刺激を提示された被験者 は統制グループの被験者に比べ面白いレストランをより多く選ぶ傾向を見せて いた。しかし,「 ヶ月後に予約する」という条件のもとでは,プライミング 刺激を提示された被験者の多くが行動目的と符合しない格式高いレストランを 選んでいた(Laran, Janiszewski & Cunha, )。このような結果は,たとえ 行動主体が特定の目的を暗示するプライミング刺激に露出されたとしても,選 択条件が希少な状況となっている場合は,当該刺激と対照的な目的が活性化さ れる可能性があることを示唆している。そこで考察するべきなのは,単一刺激 がいかなる場合に成果行動の目的と符合する(符合しない)結果を誘導するか,

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そしてそのような効果をいかなる方法で予測し検証するかという問題である。

以上を踏まえると,後続研究において取り組むべき主たる研究課題は特定の プライミング刺激が既知情報に対する選択的注意と成果行動につながる構造的 条件を明らかにすることである。次章では,プライミング刺激とそれに関連づ けられる既知情報への選択的注意の水準がいかにして成果行動へ移行されるか という問題に焦点を当てつつ,プライミング効果の各局面を再現し検証するた めの条件設定に関する考察を行う。

Ⅲ プライミング効果の操作に関する分析的考察

プライミング効果における刺激情報の遮蔽性

前述の通り,行動主体にインプットされる多種多様な情報は行動主体の情報 処理能力の限界により,情報処理の目的追求的傾向と成果行動への予測力を高 めるべく,諸情報から必要なものを瞬時に選別するメカニズムが必要となる。

その結果見出されたメカニズムが選択的注意である(Duncan, )。選択的 注意は行動主体の意識体系を基盤とするものと閾下で活性化されるものの二つ の形態に分類される(Jonides, )。前者は行動主体の既知情報や目的追求 の傾向によりトップダウン型の演繹的情報処理の結果として顕在化されるのに 対して,後者は閾上において知覚されるのに十分な強度を持つ情報によりボト ムアップ型の帰納的情報処理の結果として作動す る(Srull & Wyer,

; Posner et al., ; Mulckhuyse & Theuwess,

)。両過程は行動主体の反応 形態と遮蔽情報の所在の相違により区分されるが,前者はインプットされる情 報が遮蔽され,それと関連する既知情報が成果行動の目的と能動的に符合され 行われるのに対して,後者は閾上で知覚される情報によりその後の成果行動が 受動的に行われ,その際,両者を関連づける行動目的は遮蔽されることとなる。

例えば,店内に設置されている点滅する

LED

は来店者の選択的注意を受動的 に促すことを狙ったもので,BGMや照度,空間設計,嗅覚情報などの操作は 来店客の行動目的に符合する感覚情報を活用した一種の訴求装置であるとい える。

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しかし,感覚情報を活用したプライミング刺激の有効性,すなわち,成果行 動に対する影響力は,当該情報の遮蔽性が完全に統制されていることを前提に する。また,当該情報の遮蔽性を検証するためには,閾上下に調整された単一 情報を少なくとも二つの条件に分類し提示することで,それぞれの条件におけ る当該情報の成果行動への効果を比較・照合する必要がある。

さらに,プライミング刺激となる情報から誘導された選択的注意と意識体系 との関係を明らかにするためには,諸情報に対する意識的知覚に関する追加的 分析が求められることになる。また,行動主体に提示されたプライミング刺激 が成果行動に関連づけられるためには,当該情報と行動目的との関係をトップ ダウン型で演繹的に規定する既知情報の活用が先行される必要があり,その 際,プライミング刺激と既知情報との関連性に対する意識的知覚が作動した場 合,最終的な成果行動に結び付けられることとなる。

以上を踏まえると,行動目的に関連する既知情報に対する意識的知覚が遮蔽 刺激によるプライミング効果を阻害する可能性が想定できる。すなわち,行動 主体に遮蔽された刺激(情報)によるプライミング効果が作動する構造的条件 は「提示されたプライミング刺激に関連する既知情報が閾下の水準で統制され ている場合」「提示されたプライミング刺激による既知情報への選択的注意が 閾下の水準で統制されている場合」の二つの側面に分類される。ただし,その 両者がそれぞれ行動主体の既知情報や目的追求の傾向により受動的に活性化さ れる情報処理の結果と,閾上において知覚されるのに十分な強度を持つ情報に より帰納的に活性化される情報処理の結果のいずれの形態に帰属されるかは明 確に識別し難い側面がある。

このようなプライミング効果の両側面に関する概念をより精巧に規定すると ともに,当該効果の有効性を定量的に検証するための理論的根拠を導出するべ く,以下では,プライミング刺激の操作形態による注意誘導の類型的分類を整 理した上で,両者の操作範囲及び効果測定に関する方法論的観点を明らかにす るための考察を行う。

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刺激強化による注意誘導

前述の通り,プライミング刺激による選択的注意及び成果行動への相互対照 的効果は,インプットされる遮蔽情報の強度が閾下領域を超える水準に強化さ れることで発生する(Raghunathan & Irwin, )。先行研究で行われた検証 方法は,トップダウン型で演繹的に規定される既知情報を,行動主体に提示す る刺激に対する情報処理上の前提条件として想定していたために,常に意識的 に知覚される刺激情報を閾下水準で調整された情報とともに提示するものと なっており,被験者から当該刺激の存在を遮蔽すると同時に被験者の既知情報 を完全に統制するための模索装置は別途設けてはいなかった。このような既知 情報の相違がプライミング効果によるシステム の遂行を阻害する要因になり 得るという制約条件を諸過程から排除するためには,刺激の強度を閾上の水準 にまで強化するとともに,当該刺激の成果行動への予測力を容易に推論できる 追加的情報を被験者に提示する必要がある。すなわち,既知情報の相違の影響 を排除するのに十分な強度を持つプライミング刺激を提示する前に,当該刺激 と成果行動との関係に関する推論を促すためのプライミングタスクを被験者に 閾下水準で事前に遂行させる必要があるということである。

このような事前作業によるプライミング刺激の操作が,一部のより高度の情 報処理過程から意識体系を排除させる効果を有することに関する研究結果が近 年報告されている(Sklar et al.,

; Hassin,

)。これらの研究結果は,

十分な強度を持つプライミング刺激を被験者に提示する前に,当該刺激が示す 中心情報に対する選択的注意を閾下の水準で誘導するべく,それに完全には一 致しない類似情報に関する事前タスクを閾下の水準に調整し遂行させる必要が あることを示唆している。例えば,プライミング刺激がある国を代弁する音楽 からなる

BGM

であり,成果行動におけるターゲットがその国の商品である場 合,プライミング刺激の強化による効果を最大化させるには,その国の音楽に 関するタスク(完全一致条件)よりは食べ物や歴史などに関するタスク(不完 全一致・不一致条件)を提示した方が,被験者の持つ既知情報の意識的介入を 排除するのにより有効である。

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しかし,このようなプライミング刺激と既知情報に対する選択的注意との関 連性における意識的知覚を緩和・排除するためのプライミングタスクの設計を 行う際は,成果行動への予測性の質を向上させるために,プライミング刺激と の類似性を必要以上に高めることや,プライミング刺激の強度を希釈させるほ どノイズ化されたものとして調整することがないように注意する必要がある。

このような類似性の調整に関する問題以外に,プライミングタスクの遂行とプ ライミング刺激の提示の間に十分なタイムラグを持たせることも両者間の関連 性に対する被験者の意識的知覚を除外させる方法の一つになり得る。

以上の考察からは,プライミング刺激を強化することで既知情報への選択的 注意を誘導する際,刺激と既知情報との関連性に対する意識的知覚を相殺する プライミングタスク,タスクと刺激間の類似性を閾下水準で操作する必要があ るということが見出されている。それに加え,プライミング効果に関するもう 一つの局面である,閾下水準で提示されたプライミング刺激による既知情報へ の接近性の操作に関する問題を考慮する必要がある。

プライミング刺激と評価難易度の問題

プライミング刺激による選択的注意と成果行動の操作を行う際,追加的に考 慮するべき問題として当該刺激に対する評価難易度が挙げられる。このような 評価難易度の問題は,一般的には認知的情報処理(システム )が非認知的情 報処理(システム )過程に移行する理由を説明する際に頻繁にとりあげられ るものである。先行研究では,通常,選択行動を行う際,行動主体はそれぞれ の選択肢とその属性間の優劣関係を考慮し,その結果に基づいて最終的な選択 を行うが,全ての場合において精巧な情報処理を行うわけではなく,とりわけ 評価難易度が高く,自己統制水準が低い場合は,特定の特徴的情報に順応的に 反応する傾向を見せると説明されている(Klayman, )。このような見解は,

前述した行動主体にインプットされる情報の量と行動主体の情報処理能力との 不均衡により活性化される選択的注意の必要性に関する理論的合意と類似して いる。これはすなわち,提示された情報の評価難易度が後続変数に影響を与え

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るという問題が,認知的情報処理(システム )だけではなく,非認知的情報 処理(システム )におけるプライミング効果の水準にも影響を与えることを 示唆するものである。

評価難易度によりプライミング効果が伸縮する問題について先行研究では

「流暢性効果」によるものであると規定している(Schwarz et al., )。この 研究で行われた実験では,被験者にある料理のレシピを提示し,その料理を作 るのに投下される労力を予測してもらうとともに,帰宅してからその料理を実 際に作る意向を測定している。提示されたプライミング刺激はレシピの文字の フォントであり,容易に識別できるもの(読みやすいもの)と識別し難いもの

(読みにくいもの)の二つの条件がいずれも遮蔽された状態で設定されていた。

すなわち,プライミング刺激の識別(評価)難易度を低い条件と高い条件に調 整していた。その結果,識別難易度の高い条件に属する被験者はもう一方の条 件に属する被験者に比べ,レシピで示された料理を作るのに投下される労力が より大きいと評価しており,帰宅してからの調理意向も相対的に低い水準にと どまっていた(Schwarz et al., )。この結果は,概念的には同一のプライミ ング刺激の効果が,当該刺激の識別(評価)難易度により伸縮する可能性があ ることを示唆している。すなわち,プライミング刺激が,十分な効果が予想さ れる遮蔽情報として提示された場合においても,当該刺激の識別難易度により 行動への移行過程が阻害されることが生じ得るということである。

さらに,この問題は成果行動に直接関連する中心情報に対する接近性を低下 させるものに拡張される可能性がある。例えば,プライミング刺激を用いて,

期待される成果行動を促すための広告メッセージ(中心情報)への選択的注意 を強化させる際,当該刺激の提示形態が刺激に対する評価難易度を向上させる ものになっている場合は広告メッセージへの接近性が低下し,広告回避のよう な負の効果につながる行動形態が顕在化される可能性が生じてくる。ここで注 意するべきなのは,プライミング刺激に対する評価難易度の調整はあくまで閾 下水準の範囲内でとどめる必要があるという点である。

このようなプライミング刺激に対する評価難易度を許容範囲内に調整し,当

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該刺激の効果を検証するためには,提示刺激に含まれる概念の表現及び伝達方 式が中心情報を阻害するものになっていないかを考慮するとともに,提示刺激 を中心情報と空間的に近いところに配置するなど,中心情報の探索に投下され る行動主体の労力を緩和させることが求められる。また,この問題はプライミ ング刺激と既知情報との関連性に基づいた演繹的情報処理において発生する可 能性が高いことにも注意が必要である。

Ⅳ 総括及び今後の課題

本稿では,先行研究で提示されている非認知的情報処理理論に関する知見に 依拠しつつ,当該過程のメカニズムを支えるプライミング効果による選択的注 意及び成果行動の操作可能性を探索すると共に,その類型的特徴をより明確に 示すための理論的考察を行うことで,今後の関連研究におけるモデリング及び 検証作業に貢献する理論的根拠を見出すための探索的考察を行った。本稿にお ける諸論議の結果が示す理論上の意義は,未だ初期段階にあると言われている 非認知的情報処理過程に関する分析フレームにプライミング刺激と意識的知覚 の統制範囲に関する考察を追加したことで,当該情報処理過程におけるプライ ミング効果と選択的注意及び成果行動との関係に関する理解を深めるための基 礎資料を提供したことにある。

ここまで抽出された知見をまとめると,「行動目的に関連する既知情報に対 する意識的知覚が遮蔽刺激によるプライミング効果を阻害する」「既知情報の 相違がプライミング効果による非認知的情報処理の遂行を阻害する可能性を排 除するためには,プライミング刺激の強度を閾上の水準にまで強化させるとと もに,当該刺激の成果行動への関連性を推論できるプライミングタスクを提示 する必要がある」「プライミング刺激の効果を検証するためには当該刺激に対 する評価難易度を許容範囲内に調整するとともに,中心情報の探索に投下され る行動主体の労力を低下させ,中心情報への接近性を向上させる必要がある」

となる。特に,閾下の水準で調整されたプライミング刺激の最終的な成果行動 に対する影響力に関しては認めつつも,その予測性は意識的に知覚される行動

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誘因に比べ相対的に劣るという既存の観点に対し,本稿では,プライミング刺 激と既知情報,そしてそれに対する選択的注意が相互依存関係にあることを推 論し,当該刺激の成果行動に対する予測力が向上される可能性を示したこと で,行動操作に関する集団的争点を非認知的情報処理過程に再び移している。

しかし,本稿において示されている,プライミング刺激を操作することにより 既知情報に対する選択的注意の範囲を統制することができるという見解は,閾 上下水準におけるプライミング刺激の提示形態及び刺激に対する評価難易度に 基づいた理論的考察を行うだけでは十分な説得力を有するとは言い難い側面が ある。そのため,プライミング刺激の示す概念や行動目的が不明な形態になっ ている条件のもとで,行動主体が当該刺激と既知情報及び成果行動との関連性 を学習する過程が非認知的情報処理の範疇内において行われる可能性があるか に関する追加的考察を行っていく必要がある。

今後,本稿において示された知見に注意しつつ検証モデル及び検証方法の設 計を行い,それに基づいた実証分析を重ねていくことができれば,これまで多 様な理論や変数を用いてなされてきた研究結果を包括する統合モデルを提案す ることが可能になると考えられる。

Ⅴ お わ り に

消費者が日常的に行う選択行動は,主にそれに投下される金銭的・非金銭的 費用や評価,便益などといった認知的要素から構成されているため,一般的に は常に意識的情報処理が随伴されると認識されており,当該行動を牽引する選 択手続きの閾下的側面は諸状況においていかなる役割も果たしていないかのよ うに見えがちである。しかし,本稿における考察結果で示されているように,

個々の消費者には非認知的な準拠フレームが内在しており,そのフレームに 沿ってほぼ自動的に反応し選択行動を行うことが観測される事実として存在し ている。このような事実は,それまで消費者の行動誘因を主に自省的手法を採 用し探索してきたマーケティング戦略の立案主体にとって重要な意味を示すも のとなっている。消費者の非認知的情報処理の作動メカニズムをより深く理解

(17)

することで,戦略の妥当性を確認し,点検し,改善するために行う諸作業の精 度をより一層高めることができるようになる。ただし,本稿での論議を含めこ れまでの研究から示されている知見を現場において活用するには,単一刺激に よるプライミング効果が消費者の行動メカニズムの諸局面においてどの程度相 違しているかを検証しつつ,諸結果の比較・照合を通じて新たな方法論的観点 の抽出を促す知見を蓄積していくことが求められる。

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図 二重プロセス理論に基づいた二つの情報処理

参照

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