昭 和13年9月30日
發 行
OKAYAMA-IGAKKAI-ZASSHI
Jg. 50. Nr. 9. September 1938.99.
612-3甲 蟹(Limulus)ノ
消
化
ニ
就
テ
岡山 醫科 大學 生理學 教室(主 任生沼 教授)河
合
忠
[昭 和12年4月26日 受 稿]Aus dem Physiologischen Institut der Medizinischen Fakultat Okayama.
(Vorstand: Prof. Dr. S. Oinuma)
Uber
die Verdauungsvorgange
von Limulus.
Von
Tadasi Kawai.
Eingegangen am 26. April 1937.
Schon am 1935 Schlottke machte eine Mitteilung uber die Verdauung von Limulus.
Der Verfasser pruft seinen Versuch nach und kommt zum folgenden Resultat.
1) Magendarmextrakt
enthalt
Amylase, Lipase und proteolytisches
Ferment,
welche in der alkalischen Losung wirksam sind.
2)
Mitteldarmdrusenextrakt
enthalt Amylase, Lipase und proteolytisches Ferment,
welche in der alkalischen Losung wirksam sind.
3)
Der Magendarmsaft
ist schwach alkalisch, aber ist der Saft in der
Mitteldarm-druse und im Leberausfuhrungsgang
schwach sauer.
4) Magendarmwand
besteht
vorzugsweise aus mehrschichtiger
Zylinderepithel,
Bindegewebsschicht und Muskelschicht. Der Muskel ist quergestreifter Muskel.
Diese
Querstreifung
sind
nicht
optische
Erscheinung,
sondern
ein
substantiellerGitter, so dehnen diese Querstreifung manchmal jenseits von Muskelfaser aus.
5)
Mitteldarmdruse stellt das Bild des einfachen Follikels dar, der ein Lumen umfasst.An dem Lumenwand
findet man die Drusenzellen.
(Autoreferat)
内 容 目 次
第1章 緒 言
第2章 實 驗 材 料
第3章 Magendarm, Lebergang, Mitteldarm
druse内 容 液 ノ酸 度 竝 ニ内 容 物 ニ 就 テ 第1節 酸 度 測 定 法 第2節 實 驗 成 績 第3節 内 容 物 ニ就 テ 第4章 Magendarm中 ニ 含 有 サ ル ル 諸 種 酵 素 ニ 就 テ 第1節 Amylase定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第2節 蛋 白 消 化 酵 素 定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第3節 蛋 白 消 化 酵 素 ニ 依 ルTryptophan-Reaktionニ 就 テ 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第4節 Lipase定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第5章 Mitteldarmdruse中 ニ 含 有 サ ル ル 諸 種 酵 素 ニ就 テ 第1節 Amylase定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第2節 蛋 白 消 化 酵 素 定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第3節 蛋 白 消 化 酵 素 ニ 依 ルTryptophan Reaktionニ 就 テ 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第4節 Lipase定 量 第1項 實 驗 方 法 第2項 實 驗 成 績 第6章 組 織 標 本 第1節 Magendarm 第1項 Hamatoxylin-Eosin染 色 第2項 Vangieson染 色 第3項 Sudan染 色 第2節 Mitteldarmdrusen 第1項 Hamatoxylin-Eosin染 色 第2項 Sudan染 色 第7章 總 括 及 ビ考 案 第8章 結 論 文 獻 附 圖 説 明 附 圖 第1章 緒 言 甲 蟹(Limulus)ノ 消 化 作 用 ニ 關 シ1934年 Schlottke1)ガ 研 究 報 告 ヲ 成 シ 又1935年 Schlottke2)ハ 之 ヲ 追 試 シ 詳 細 ナ ル 報 告 ヲ ナ
セ リ.之 ニ 依 レ バ 甲 蟹 ハ 消 化 器 ト シ テ 一 般 節
足 動 物ニ 於 ケ ル 如 ク 口,食 道,Kropf,
Kau-magen, Valvula, Magendarm,
Mitteldarm-druse(或 ハLeber), (Zimmer8)ハ 之
ヲHe-patopankreas又 ハLeberト モ 云
フ).End-darm, Anusヨ リ成 立 シ(第1圖參 照… …Schlottke1)ニ 依 ル 消 化 管 ノ縱斷 模 型 圖). Mitteldarmdruse即 チ 一 名 肝臟 ハ2對 ノ
第1圖
甲蟹消 化器模 型圖(縱斷 面)
Lebergangニ ヨ リMagendarmト 交 通 シ且 無數 ニ分 枝 セ ル細 管 ヨ リ成 ル.即 チ 此 動 物ハ 四肢 ノ末 端 ニ存 ス ル鋏 ニ テ 食 物 ヲ掴 ミ之 ヲ強 キ齒 ヲ備 ヘ タルGangbeimノCoxenニ 持參 シ此Coxenハ 口 腔 ノ周圍 ニ存 在 シ食 物 ヲ咽 頭 ニ押 シ込 ムモ ノニ シテ 此 際 貝殼 等 ハ 多 少破 碎 セ ラル ル モ,筋 肉 等 ハ 其 ノマ マKropfニ到 達 シ,次 ニKaumagenガ 在 リ此Kaumagen ノ内 部 ニ ハ 強 ク且 鋭 キ 突 起 ガ有 リ之 ガ齒 牙 ノ 作 用 ヲ成 スモノニ テ食 物 ハ此處ニ 於 テ機 械的 ニ破碎 セ ラ レ,此 時 酵素 ハ恐 ラ ク作 用 セ ズ, 此Kaumagenカ ラ次 ノ廣 イMagendarmニ 到 ル境 界ニ 漏 斗 状 ノ瓣 ガ有 リ此瓣 ヲ通 過 シ テ 食 物 ガMagendarmニ 入 リ タ ル 時Mittel-darmdruseヨ リ産 出 スル 強 力 ナ ルTrypsin 樣 蛋 白 消 化 酵 素 及 ビCarboxypolypeptidaseAmylase, Lipase等 ヲ 含 有 セ ル 液體
ガMagen-darmヘ 流 レ 込 ミ,斯 ク シ テ 主 ナ ル 消 化 ハ Magendarmニ 於 テ遂 行 セ ラ レ更 ニMagen-darm中 ノNahrungsdreiハMitteldarmdruse ノ末 梢 迄 運 バ レ此處 ニ 於 テ 消 化 ハ 完 成 セ ラ レ タ ル 後 不 消 化 物 ハ 再 ビMitteldarmdruseヨ リ逆 ニMagendarmニ 逆 行 シ,糞 便 トナ リ テ 排 泄 セ ラ ル ト云 フ.即 チMagendarmハ 脊 椎 動 物 ノ 胃ニ 相 當 シ 多 少 十 二 指 腸ニ モ 一 致 ス ル 點 ガ 有 リ,Mitteldarmdruseハ 小 腸ニ 相 當 ス 可 キ 者 ト云 ヘ リ.余 ハ 此處 ニ 於 テ 之 ヲ 追 試 ス ル 爲ニMagendarm, Mitteldarmdruse及 ビ Lebergangノ 内 容 液 ノ酸 度 ヲ 測 定 シ 更 ニ 酵 素 ノ定 量 及 ビ組 織檢 索 ヲ行 ヒ タ リ.
第2章 實 驗 材 料 實 驗 動 物 ト シテ 瀬 戸 内 海 沿 岸 ニ 樓 息 セ ル 甲 蟹 ヲ 使 用 シ其 ノ頭 胸 部 及 ビ腹 部 ノ堅 固 ナ ル 甲 殼 ヲ鋸 ニ テ 切 斷 シ之 ヲ除 去 ス レ バ 先 ヅ 心 臟 ガ 存 在 ス ル 故 之 ヲ剥 離 除 去 シ 更 ニ深 部 ニ 進 メバ 太 キMagendarm 及 ビ之 ニ 開 口 スルLebergang及 ビ コ ノ連 續 タル Mitteldarmdruseヲ 認 メ得.之 ヲ周 圍 組 織 ヨ リ剥 離 シ得 タル 者 ニ 就 テ 實 驗 セ リ. 第3章 Magendarm, Mitteldarmdruse (Lebergangヲ 含 ム)容 液 ノ 酸 度 測 定 第1節 酸 度 測 定 法 Magendarm内 容 液 測 定 ハ3箇 所 ニ 於 テ 測 定 セ リ.即 チ 上 部(Kropfヨ リLebergangノ 開 口 部 ニ 至 ル).中 間 部(Lebergangノ 開 口部 ヨ リ下 方 即 チ Magendarmノ 略 ボ 中 央 部)及 ビ末 端 部 ニ於 テ 測 定 ス ル 爲 ニ夫 々 ノ部 位 ニ 於 ケル 内 容 液 ノ混 合 セ ザ ル 樣 所 々 ニ絹 絲 ノ結 紮 ヲ 成 シ タ リ.又 酸 度 測 定 ニ ハ 酸 度 測 定 試 驗 紙 ニ依 レ リ. 第2節 實 驗 成 績 Magendarmニ テ ハ 初 部,中 間 部,末 端 部 何 レ ニ 於 テ モ總 テ 「弱 ア ル カ リ性 」 ニ シ テLebergang 内 容 液 ハMitteldarmdruse内 容 液 ト略 ボ 同 樣 ニ 弱 酸 性 ナ リ(第1表 參 照). Schlottke2)ニ ヨ レ バ 食 物 攝 取 後5日 ニ シ テ 殺 シ タ ル 者 ニ テ ハMagensaftノpHハ8.02ニ シ テ10 分 後 ニ7.9, 20分 後 ニ7.7ト ナ リMitteldarmdruse ニ テ ハpHハ7.3ニ シ テ20分 後 ニ テ モ 變 化 セ ザ リ シ ト云 フ.
第1表 Magendarm, Lebergang, Mitteldarmdruse内 溶 液 ノ酸 度
第3節 内 容 物 ニ 就 テ 食 後24時 間 頃 ニ 殺 セ ル 者 ニ テ ハKaumagen中 ニ 貝 殼 及 ビ 藻 草 存 在 シMagendarmノ 初 部 及 ヒ 中 部 ニ ハ 黄 褐 色 透 明 ノ液 體 ト共 ニ 肉 類 ト思 ハ ル ル 者 存 シ,後 部 ニ ハ 粘 液 ニ 包 マ レ タ ル 糞 便 ア リ.糞 便 ハ 小 サ キ 魚 骨 及 ビ 貝 殼 ト纎 維 状 トナ レル 肉 類 樣 ノ 者 カ ラ 成 立 セ リ.又Lebergang及 ビMitteldarm-druse中 ニ ハ透 明 ナ ル 液 體 ガ 多 少 存 在 セ リ.食 後 10囘 頃 ノ者 ニテ ハMagendarm中 ニ ハ 少 量 ノ黄 褐 色 透 明 ノ液 ガ 存 在 シ其 ノ初 部 ニ ハ 肉 類 ノ如 キ 者 ガ 纎 維 状 トナ リテ 存 シ,後 部 ニ ハ 矢 張 リ粘 液 ニ包 マ レ タ ル 糞 便 存 在 シ,Lebergang及 ビMitteldarm druse中 ノ液 體 ハ 略 ボ 透 明 ナ ル 者 少 量 存 在 シ 居 レ リ. 第4章 Magendarm中 ニ 含 有 サ ル ル 消 化 酵 素 第1節 Amylase定 量
第1項 實 驗 方 法 甲 蟹 ヨ リ得 タル 新 鮮 ナ ルMagendarm内 容 物 ヲ除 去 シ 吸 取 紙 ニ テ 内 容 液 ヲ2囘 吸 ヒ取 リ タル 後 Magendarmヲ 乳 鉢 ニ テ 充 分 擦 リ潰 シ10% Gly cerin-Extraktト シテ 室 温 ニ2日 間 放 置 後 遠 心 沈 澱 シ 更 ニ「 ガ ー ゼ 」2枚 ニ テ 濾 過 シ 其 ノ濾 液 ヲ使 用 セ リ.定 量 方 法 ハWohlgemuth3)氏 法 ニ依 ル 倍 量 稀 釋 法 ヲ用 ヒ タ リ.即 チ 各 種pH毎 ニ 直 徑5分 長 サ3寸 ノ試 驗 管10本 宛 ヲ用 意 シ 第2ヨ リ第10本 目迄 ノ試 驗 管 内 ニ蒸 溜 水0.5cc宛 入 レ次 ニ第1及 ビ第2ノ 試 驗 管 内 ニGlycerin-Extrakt 0.5cc宛 入 レ第2管 ノ内 容 ヲPipettニ テ 充 分 混 合 セ ル 後 此 内 ヨ リ0.5ccヲ 第3管 ニ 入 レ順 次 斯 ク ノ如 ク シ テ 第10管 ヨ リハ 最 後 ニ0.5ccヲ 捨 テ タ リ.次 ニ 各 管 内ニ1% Kahlbaum製 可 溶 性 澱 粉 液(蒸 溜 水 ニテ1%ニ セ ル 澱 粉 液 ヲ90℃ 20分 間 熱 シ 充 分 溶 解 セ シ メ タル 者 ヲ使 用 ス)1ccヲ 入 レ 更 ニ 各 管 ニ Sorensen4)氏 法 ニ ヨ リテ 作 リ タ ルPufferlosung 0.5cc宛 ヲ入 レ更 ニ 各 管 ニ 「 トル オ ー ル 」2滴 宛 入 レ37℃ ノ電 氣 恒 温 器 中 ニ24時 間 放 置 後 之 ヲ取 リ 出 〓 各 〓 ニ 〓 〓 沃 度 液2滴 宛 注 加 〓 ヨ ク 振 盪 混 和 セ シ メタ ル 後 其 ノ呈 色 反 應 ヲ檢 シ 各 種pH毎 ニ 淡 赤 褐 色 ヲ呈 セ ル 管 ヲ陽 性 ト シ此 管 ヨ リ可 檢 酵 素 液 ノ糖 化 力 ヲ求 メ タ リ.此 時 試 驗 管 内 ノ酸 度 ハ4.6 ヨ リ9迄 ノ間 ニ於 テ 實 驗 セ リ.此 時 可 檢 酵 素 液 ノ 糖 化 力 算 出 法 トシ テ ハ 次 ノ如 キ算 出 法 ヲ用 ヒ タ リ 即 チpH 5.5ニ 於 ケル 試 驗 管 ニ 於 テ 第1ノ 管 ハ 黄 色 ナ リシ モ 第2ノ 管 ガ淡 赤 褐 色 ナ リシ 爲 メ,此 時 ハ 第2ノ 管 ヨ リ酵 素 ノ糖 化 力 ヲ求 メ タ リ.即 チ 第 2ノ 管 ニ ハ酵 素 液0.25cc存 在 シ此 中 ニ 含 マ ル ル 酵 素 ガ1%澱 粉 液1ccヲ 分 解 シ テ「デ キ ス ト リ ン」ニ 變 化 セ シ メ ル モ ノ ナ リ.故 ニ酵 素 液1ccニ 依 リ テ 分 解 サ ル ル1%澱 粉 液 ノ量 ハ0.25:1=1:xヨ リ xノ 値 ヲ求 ム レ バx=4ト ナ リ コ レ 即 チpH5.5ノ 時 酵 素 液1ccニ ヨ リテ 分 解 サ ル ル1%澱 粉 液 ノ量 ナ リ.以 下 同 樣 ニ シ テ 各 種pHニ 於 ケル 酵 素 液 ノ 糖 化 力 ヲ 求 メ シ ニpH 8.2ニ 於 テ 糖 化 力 最 モ 強 キ 事 ヲ知 レ リ.仍 ツ テ 各pH毎 ニ酵 素 ノ糖 化 力 ヲ求 メ之 ヲ 坐標 上 ニ示 セ バ 第2圖 ノ如 ク ナ ル.尚 ホ對 照 實 驗 ニ ハGlycerin-Extraktヲ100℃ 〓5分 間 熱 シ タル モ ノ ヲ使 用 セ リ.
第2圖
5第2項 實 驗 成 績 第2圖 ニ 示 ス如 クpH 8.2ニ 於 テAmylaseノ 至 適 酸 度 ナ ル 事 ヲ知 ルSchlottke2)ハMichaelis氏 法 ニ テ定 量 シAmylaseニ 對 スル 至 適 酸 度 ハ5.9乃 至6.4ナ リシ ト云 フ. 第2節 蛋 白 質 分 解 酵 素 ニ 就 テ 第1項 實 驗 方 法 本 實 驗 ハGrutzner5)ニ 從 ヒ牛 血 ヨ リ作 レ ル 纎 維 素 ヲ使 用 セ リ.併 シ此 纎 維 素 ノ消 化 強 弱 ヲ比 色 ス ル ニ標 準 液 トシテ 別 ニ作 レ ル 種 々 ノ濃 度 ノPepton ノBiuret-Reaktionノ 色 ニ比 較 シ タ リ.即 チ 屠 殺 場 ヨ リ想 タル 牛 血 中 ノ纎 維 素 ヲ流 水 ニ テ洗 滌 シ 附 着 セ ル 血 液 ヲ全 ク除 去 シ 白 色 トナ リタ ル 纎 維 素 ヲ 壓 搾 シ吸 取 紙 ニ テ 水 分 ヲ去 リGlycerin中 ニ貯 ヘ 使 用 時 水 道 水 ニ テ 先 ヅ 洗 ヒ次 ニ1%醋 酸 液 ニ テ 洗 ヒGlycerinヲ 除 ク.次 ニ 之 ニ 數 倍 量 ノ0.1%鹽 酸 ヲ加 ヘ5分 間 放 置 シ テ 纎 維 素 ヲ膨 脹 セ シ メ之 ヲ刻 ミテ 水 洗 シ吸 取 紙 ニ テ 壓 シ水 分 ヲ去 リタ ル 者 ヲ用 フ.即 チ 同 ジ大 サ ノ 試 驗 管9本 ヲ 用 ヒ 各 管 ニ ハ 10% Glycerin-Extraktト ナ セ ル 酵 素 液1cc及 ビ Puffer 1cc纎 維 素0.35g「 トル オ ール 」2滴 ヲ加 ヘ 後 蒸 溜 水 ヲ 加 ヘ8ccト ナ シ此 時 試 驗 管 内 容 ハpH 1.4乃 至9.2ト ナ シ タ リ.斯 ク シ タ ル 後37℃ ノ電 氣 恒 温 器 中 ニ 入 レ20時 間 後 各 試 驗 管 中 ノ 液 ヲ濾 紙 ニ テ 濾 過 後 更 ニ 遠 心 沈 澱 ヲナ シ 其 ノ透 明 液3cc 中 ニ40% NaOH 1cc及 ビ1%硫 酸 銅 液2滴 ヲ加 ヘ Biuret-Reaktionヲ 起 サ シ メ タ ル モ ノ ヲ,上 記 ノ如 ク 別 ニWitte-Peptonニ ヨ リ種 々 ノ濃 度 ノBiuret 反 應 ヲ 呈 セ シ メ タ ル 標 準 色 ニ比 色 シ 定 量 實 驗 ヲ 行 ヒ タ リ.此 時 對 照 試 驗 ハ2ツ 行 ヒ第1對 照 ニ テ ハ 纎 維 素 ヲ使 用 セ ズ,第2對 照 ニ テ ハGlycerin-Extraktノ 代 リニGlycerinヲ 用 ヒ タ リ. 第2項 實 驗 成 績 Magendarmノ 「グ リセ リ ン エ キ ス」ヲ以 テ 種 々 ノpHニ 於 ケル 消 化 試 驗 ヲ試 ム ル ニpH 1乃 至3 ニ テ 既 ニ 著 シ キBiuret反 應 ヲ呈 セ リ.之 ハ 酸 性 強 キ 爲 メ其 ノ酸 ノ轉 化 作 用 ニ ヨ リテBiuretヲ 生 ジ タル モ ノ ト信 ズ.pH 4乃 至5ニ 至 レ バ 著 シ ク Biuret反 應 ヲ減 ズ.然 レ 共 之 ヲ纎 維 素 ヲ加 ヘ ザ ル 第3圖 Magendarm中 ノ蛋 白 質 分 解 酵 素 定 量
試 驗 例B及 ビ 「エ キ ス」 ヲ加 ヘ ザ ル 試 驗 例Cニ 比 ス レ バ 尚 ホ 著 シ ク 多 量 ノ」ビ ウ レ ツ ト反 應 」ヲ呈 ス ル ヲ以 テ 視 レ バ 此 酵 素 ハ 既 ニpH 4乃 至5ニ 於 テ 蛋 白 消 化 作 用 ヲ 發 揮 セ リ ト云 ハ ザ ル 可 カ ラ ズ.pH 8乃 至9ニ 於 テ ハ 更 ニ 著 シ キ 「ビ ウ レ ツ ト反 應 」ヲ 呈 セ リ ト雖 モ 此 酸 度 ニ 於 テ ハAトBト ノ差 漸 次 少 ク行 ク ヲ以 テ 之 ヲ纎 維 素 ノ消 化 ト云 フ ヲ得 ズ.即 チMagendarm中 ニ ハ 酸 性 ニ於 テ 作 用 ス ル 蛋 白 消 化 酵 素 存 在 ス(第3圖 參 照). 第3節 蛋 白 消 化 酵 素 ニ ヨ ルTryptophan-Reaktionニ 就 テ 第1項 實 驗 方 法 Magendarm内 容 物 ヲ 除 去 セ ル モ ノ10gヲ 乳 鉢 中 ニ テ 充 分 擦 リ潰 シ タ ル 後 ニ97% Amyl-Alkohol 10cc及 ビ蒸 溜 水30ccヲ 加 ヘ,2日 間 室 温 ニ放置 後 「ガ ー ゼ 」デ 濾 過 セ ル モ ノ ヲ用 ヒ,此 濾 液2cc Puffer 1.5cc Fibrin 0.7g「 トル オ ール 」10滴 及 ビ 蒸 溜 水2ccヲ 加 ヘ タル 者 ヲ37℃ ノ電 氣 恒 温 器 中 ニ 入 レ タ ル 者 ニ テ45時 間 後,55時 間 後,75時 間 後 ニ 於 テ 各 被 檢 液1ccニ 就 キCole6)ニ 從 ヒ10% Bromwasser 1滴 ヲ加 ヘTryptophan-Reaktionヲ 檢 シ タ リ.尚 ホ實 驗 中 試 驗 管 内 容 液 ハpH 4.6ト ナ シ タ リ. 第2項 實 績 成 驗 數 囘 ノ實 驗 ニ テTryptophan-Rハ 何 レ モ 陰 性 ナ リキ. 第4節 Lipaseノ 定 量 第1項 實 驗 方 法 Cole7)ノ 方 法 ニ 從 ヒ脂 肪 乳 劑 ヲ作 リ之 ヲ 消 化 ス ルMagendarm-Extrakt中 ノLipaseヲ 定 量 シ タ リ.即 チ 脂 肪 乳 劑 ト シ テ ハ「オ リー ブ 油 」100cc 1% Phenolphtalein-Alkohol (97%)溶 液10滴N/10 NaOH 48ccヲ 混 ジ微 力 ナル 淡 紅 色 ヲ呈 シ タル 者 ヲ使 用 セ リ.次 ニ試 驗 管2本 ヲ用 意 シ第1試 驗 管 中 ニ ハMagendarmノ10% Glycerin-Extrakt 2cc蒸 溜 水1cc Puffer 1ccヲ 加 ヘ タ リ.次 ニ 脂 肪 乳劑2ccヲ 附 加 シpH 7.4ト ナ シ之 ヲ40℃ ノ 電 氣 恒 温 器 中 ニ 入 レ75分 間 後 ニ 試 驗 管 中 ノ 溶 液 ヲ97% Alkohol 15ccニ テ 良 ク洗 ヒ 「ビ ー カ ー 」中 ニ 入 レ タル 者 ヲ0.1% Normal NaOHニ テ 滴 定 セ リ.對 照 試 驗 ニ ハ100℃ 〓5分 間 熱 シ タ ルExtraktヲ 使 用 セ リ. 第2項 實 驗 成 績 滴 定ニ 使 用 セ ルN/10 NaOH使 用 量 ハ 對 照 ニ比 シ テ 常 ニ 多 量 ナ リ(第2表 參 照).即 チ 脂 酸 ヲ 中 和 ス ル ニ要 シ タ ル モ ノニ シ テMagendarm-Extrakt 中 ニ ハLipaseノ 存 在 ヲ知 ル. 第2表 脂 酸 中 和 ニ要 ス ルN/10 NaOH消 費 量 第5章 Mitteldarmdruse中 ノ 諸 種 酵 素 定 量 實 驗 材 料 新 鮮 ナ ル 甲 蟹 ノMitteldarmdruseヲ 集 メ 之 ヲ 乳 鉢 ニテ 充 分 擦 リ潰 シ タ ル 後10% Glycerin-Extrakt ト シ テ2日 間 室 温 ニ 放 置 後 「ガー ゼ 」2枚 ニ テ 濾 過 セ ル モ ノ ヲ 使 用 ス. 第1節 Amylase定 量 第1項 實 驗 方 法 第4章 第1節 第1項 ト全 ク同 ジ. 第2項 實 驗 成 績 第4圖 ニ示 ス如 クAmylateノ 存 在 ス ル 事 ヲ知 7
ル.而 シテ 至 適 酸 度 ハ 略 ボ8.0ナ リ.Schlottie2) ハpH Optimumハ5.7乃 至6 .8ナ リ シ ト云 フ.
第4圖
第2節 蛋 白 消 化酵素 定 量 第1項 實驗 方 法 Mitteldarmdruseハ 之 ヲ其ノ 儘 乳 鉢ニ テ 充 分 擦 リ潰 シ10% Glycerin-Extraktトナシ2日 間 室 温 ニ 放 置 後 之 ヲ「ガ ー ゼ 」ニ テ 濾 過 セ ル 後 使 用 シ, 其 ノ他 實驗 方 法 ハ第4章 第2節 第1項 ニ 於 ケル ト 全 ク同樣 ナ リ. 第2項 實驗 成 績 pH 1.4ヨ リ9.2迄 ノ間 ニ テ 實驗 セ ルpH 5ヨ リ pH 9.2迄 ノ間ニ 於 テ對 照 ニ 比 シ 蛋 白 消 化 作 用 甚 シ ク強 キ ヲ知 ル.殊 ニ「ア ル カ リ性 」ニ於 テ 消 化 作 用 益 々強 シ.即 チMitteldarmdruse中ニ ハ 蛋 白消 化 酵 素 トシテ 特 ニ「ア ル カ リ性 」ニ於 テ 作 用 ス ル 者 有 ル ヲ 認 ム(第5圖參 照). 第5節 Lipaseノ 定 量 第1項 實驗 方 法 Mitteldarmdruseヲ 使 用 シ第4章 第4節 第1項 ト 全 ク同樣 ノ方 法 ヲ行 ヘ リ. 第5圖 Mitteldarmdruse中 ノ蛋 白 消 化 酵 素 定 量 8第2項 實 驗 成 績 脂酸 定量 ノ際 對照 ヨ リモN/10 NaOH使 用量多 量ナル ヲ知 ル.即 チLipaseノ 存在 セル 爲 ナ リ(第 3表 參 照). 第3表 脂 酸 中 和 ニ要 ス ルN/10 NaOH消 費 量 第6節 蛋 白 消 化 酵 素 ニ ヨ ルTryptophan-Reaktionニ 就 テ 第1項 實 驗 方 法 Mitteldarmdruseヲ 使 用 シ第4章 第3節 第1項 ト全 ク同 樣 ノ方 法 ニ ヨル. 第2項 實 驗 成 績 4.5時 間 後 ニ於 テTryptophan-ReaktionハpH 8.0ニ 於 テ 陽 性 ニ 表 レ,而 モ對 照 トセ ルGlycerin-Extraktヲ100℃ 〓5分 間 熱 セ ル モ ノ ヲ使 用 セ ル 者 ニ テ ハ 陰 性 ナ リ.即 チMitteldarmdruse中 ニ ハ 蛋 白 質 ヲAmino酸 迄 分 解 ス ル 酵 素 ノ存 在 ス ル ヲ 知 ル. 第6章 組 織 標 本 第1節 Magendarm 第1項 Hamatoxylin-Eosin染 色 粘 膜 上 皮 ニ於 テ ハ 狹 キCuticula-Saumヲ 認 メ粘 膜 圓 柱 上 皮 ハ 多 數 竝 ビ其 ノ細 胞 核 ハ 細 胞體 ノ基 底 部 ニ近 ク存 ス.又 其 ノ核 ハ 紡 錘 形 ヲ呈 シCromatin 質 ニ 富 ミHsmatoxylinニ 濃 染 ス.粘 膜 上 皮 層 ノ 基 底 部 ニ ハ 薄 キ粘 膜 固 有 層 ヲ認 メ粘 膜 下 組 織 ハ 高 等 動 物 ニ 於 ケル 如 ク筋 層 ト ノ境 界 不 明 瞭 ニ シ テ 結 締 織 性 ノ鬆 粗 ノ網 状 組 織 ヨ リ成 リ其 ノ内 ニ細 カ キ 分 枝 ヲ有 ス ル 横 紋 筋 纎 維 縱 横 ニ走 ル.結 締 織 性 細 胞 核 ハ 稍 々 淡 染 シテ 橢 圓 形 ヲ呈 ス.尚 ホ 散 在 性 ニ 少 數 ノEosin嗜 好 性 顆 粒 ヲ有 セ ル 圓 形 細 胞 ア リテ 其 ノ核 ハ 比 較 的 小 サ ク甚 シ ク濃 染 ス.筋 纎 維 ノ多 數 ノ分 枝 ハ 互 ニ 紛 合 シ テ 網 状 ノ構 造 ヲ 有 ス.其 ノ 横 紋 ハ 甚 ダ 著 明 ニ シ テ 筋 纎 維 漿 ヲ 認 メ得 ズ.從 ツ テ 結 締 織 ト ノ境 界 ハ 明 瞭 ナ ラ ズ シ テ 横 紋 ノ兩 端 ハ 細 カキ 纎 維 状 ニ 表 レ結 締 織 纎 維 ト相 交 錯 セ ル ガ如 シ.鬆 粗 ナ ル 結 締 織 中 ニ ハ 特 別 ナ ル 内 被 細 胞 ヲ 有 セ ザ ル ガ如 キ裂 隙 状 ノ大 小 ノ脈 管 組 織 ア リテ,内
ニEosinニ 濃 染 ス ルColloid状 ノPlasmaヲ 出 ス
(附 圖1參 照). 第2項 Vangieson染 色 粘 膜 固 有 層 ハ 明 瞭 ナ ル 紅 色 ヲ呈 シ粘 膜 下結 締 織 ハ 黄 紅 色 ヲ呈 シ筋 肉 ハ 黄 色 ヲ呈 ス(附 圖2參 照). 第3項 Sudan染 色 粘 膜 圓 柱 上 皮 細 胞 中 ニ淡 褐 色 ヲ 呈 ス ル 小 滴 状 物 ヲ認 メ,其 ノ他 粘 膜 下 組 織 ノ深 層 ニ於 テ 組 織 間 隙 ニ 多 數 ノ大 小 ノ橙 黄 色 ノ脂 肪 滴 ヲ認 ム(附 圖3參 照). 第2節 Mitteldarmdruse 第1項 Hamatoxylin-Eosin染 色 腺 組 織 ハ 單 純 ノFollikel状 ヲ呈 シ腺 腔 ヲ圍 ミテ 腺 細 胞 ノ配 列 ア リ.腺 細 胞 ノProtoplasmaハ 境 界 不 明 瞭 ニ シテ 大 部 分 ハ 空 泡 ヨ リ成 ル.其 ノ内 ニ 5「 ミ ク ロ ン」前 後 ノ滴 状 ノ顆 粒 ヲ多 數 有 シ 其 ノ一 部 ハ 黄 褐 色 ヲ呈 シ一 部 ハ 紅 色 ヲ呈 ス.腺 細 胞 ノ核 ハ基 底 部 ニ存 シCromatinニ 比 較 的 富 ム.腺 上 皮 ノ直 下 ニ ハ 薄 キ固 有 膜 ヲ認 ム.其 ノ腺 組 織 ノ間 ニ ハ 甚 ダ 廣 キ網 状 組 織 ア リテ 其 ノ網 眼 中 ニ ハ5乃 至 20「 ミ ク ロ ン」ノ滴 状 ノ顆 粒 無 數 ニ認 メ ラル.此 顆 粒 ハ 光 輝 ア ル 紅 色 ヲ 呈 ス.網 状 組 織 中 ニハ 橢 圓 形
ヲ呈 シ比 較 的 淡 染 ス ル 結 締 織 性 ノ細 胞 核 ヲ 散 在 性 ニ見 ル.又Druseヲ 圍 ム 間 質 組 織 中 ニ ハLymph-follikel-Apparatア リ(第4附 圖 參 照). 第2項 Sudan染 色 腺 組 織 中 ノ顆 粒 ノ一 部 ハ 黄 褐 色 ヲ呈 シ 腺 間 ノ網 状 組 織 ハ 橙 黄 色 ニ染 色 セ ル 脂 肪 物 質 ニ テ 充 滿 サ ル. 第7章 總 括 及 ビ考 案 以 上 ノ實 驗 成 績 ヨ リ總 括 ス ルニ 甲 蟹 ノ攝 取 セ ル 食 物 ハ 四 肢 ニ依 リ多 少 破 碎 セ ラ レ タル後 咽 頭 ニ送 ラ レ,次 ノKaumagenデ 機 械 的 ニ破 碎 セ ラ レ,次 ノMagendarmニ 到 ル ト Mitteldarmdruseヨ リ來 ルAmylase, Lipase
ノ蛋 白 消 化 素 ト共 ニMagendarm中 ノPepsin 樣 酵 素 等 ニ ヨ リ食 物 ハ 消 化 セ ラル ル モ ノナ ラ ン.而 シテ 不 消 化 物 質 ハMagendarmノ 後 部 ニ 集 リ遂 ニ排 泄 セ ラル ナ リ. 第8章 結 論 1. LimulusノMagendarm中 ニ ハAmy-lase, Lipase及 ビ 酸 性 ニ於 テ 作 用 ス ル 蛋 白 消 化 酵 素 ア リ. 2. Mitteldarmdruse 中 ニ ハAmylase, Lipase存 在 シ 且 「ア ル カ リ 性 」 ニ 於 テ 作 用 ス ル 蛋 白 消 化 酵 素 ア リ. 3. Magendarm内 容 液 ハ 「弱 ア ル カ リ性 」 ニ シ テLebergang及 ビMitteldarmdruse内 容 液 ハ 弱 酸 性 ナ リ. 4. Magendarmハ 主 ト シ テ 粘 膜 層,結 締 織 層,筋 肉 層 ヨ リ成 ル. 5. Mitteldarmdruseハ 單 純 ナ ルFollikel 状 ヲ 呈 シ 腺 腔 ヲ 圍 ミテ 腺 細 胞 ノ配 列 ア リ. 本 論 文 ノ要 旨 ハ 第15囘 日本 生 理 學 總 會 ニ 表 セ リ. 終 リ ニ臨 ミ恩 師 生 沼 教 授 ノ御 懇 篤 ナ ル 御 指 導 ト御 校 閲 ニ對 シ滿 腔 ノ謝 意 ヲ表 ス.
文
獻
1) Schlottke,
Zeit. f. Mikroskopisch-Anat. Forsch.,
Bd. 35, 1934.
2) Schlottke,
Zeit.
f. Vergl. Physiol.,
Bd. 22, Ht. 3, 1935.
3) Wohlgemuth, Die Ferment Methoden, 1933.
4) Sorensen,
Bioch. Zeit.,
Bd. 21, 1909.
5) Grutzner, Arch. ges. Physiol.,
Bd. 8, 1874.
6) Cole, Practicel
Physiological Chemistry, S. 140, 1928.
7) Cole, Ebenda, S. 202.
8) Zimmer, Handbuch der Zoologie gegrundet von Willy Kukenthal, S. 888, Bd. III, 1 Halfte.
附 圖 説 明
Fig. 1. H.E.染 色 甲 蟹Magendarm所 見. 擴 大Zeiss Objekt. 20. Ocul. 7. Fig. 2. Vangieson染 色 Magendarm
擴 大 同 上.
Fig. 3. Sudan染 色 Magendarm 擴 大Objekt. 10. Ocul. 1. Fig. 4. H.E.染 色 Mitteldarmdruse. 擴 大Objekt. 20. Ocul. 7.
Fig.1. Fig.2.
