平成29年度:北海道経済産業局の
「⾷」分野における重点取組について
~「輸出促進」と「生産性向上」~
平成29年6⽉
経済産業省北海道経済産業局
農商⼯連携課
(1)北海道経済産業局は、平成29年度(2017年度)の「⾷」分野における重点取組
について、
「輸出促進」、「⽣産性向上」
に関する事業を中⼼に実施します。
(2)今後、国内の⼈⼝が減少していく中、
需要⾯では国内の⾷市場は縮⼩
します。
また、供給⾯では、担い⼿不⾜の中、GDP(国内総⽣産)を増加させるためには、
⽣産性の向上
が必要となります。
(3)当局では、このような状況に対応するために、1つ⽬の柱として、
拡⼤する世界の⾷市
場を攻める
ために、地域における「経済波及効果」の⼤きい
「地域中核企業」
が実施する
「輸出促進」プロジェクト
を⽀援します。
(4)2つ⽬の柱として、⾷の⽣産性の向上のために、関連事業者の
付加価値向上(新商
品開発、販路開拓、国際規格認証の取得)、省⼒化(IT・機械導⼊)、⼈材育成
などの取組を⽀援します。
(5)当局では、以上の取組により、
道内の「⾷」関連産業の「稼ぐ⼒」を強化
し、政府⽬標
である「農林⽔産物・⾷品輸出額:1兆円(2019年)」等につなげてまいります。
1.要 旨
1
2
2.関連データ
⼈ ⼝
2015年
2050年
(推計)⽇ 本
1億2,709万⼈
1億192万⼈
世 界
73億⼈
97億⼈
●今後、国内⼈⼝減少に伴い、国内の⾷需要は縮⼩。
●⼀⽅、海外では⼈⼝増もあり、⾷需要が拡⼤すると⾒込まれている。
需要面
※日本の人口:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」より ※世界人口:国連「世界人口白書2015」より世界の
⾷市場規模
2009年
2020年
(推計)世 界
340兆円
680兆円
アジア
82兆円
229兆円
※農林水産省:平成26年9月「日本食・食文化の海外普及について」より全国
北海道
⾷料品製造業
全製造業
⾷料品製造業
全製造業
付加価値率
(付加価値額/製造品出荷額等)34.7%
30.9%
27.0%
24.2%
労働⽣産性
(付加価値率/従業者数)782万円/⼈
1,218万円/⼈ 682万円/⼈
931万円/⼈
●国内の⼈⼝減少社会においてGDPを拡⼤させるためには労働⽣産性の向上が必要。
●⽇本の労働⽣産性は世界的に低位(OECD加盟35か国中22位)。
●国内では、⾷料品製造業について、付加価値率は全製造業を上回るものの、
労働⽣産性は下回る(⼈⼿が掛かっている)。
供給面
※農林水産省北海道農政事務所「北海道の農業2016」より3
3.戦略コンセプト
需要⾯
課 題
国内需要減
解決⽅法
海外展開(輸出増、インバウンド需要獲得)
戦略1
⾷の輸出促進
供給⾯
課 題
担い⼿不⾜、⽣産性が低い
解決⽅法
●付加価値の向上
(新商品開発、加⼯度アップ、販路開拓など)
●効率性の向上(IT・機械導⼊、⼈材育成など)
戦略2
⾷の⽣産性の向上
4
324 531 613 689 586 18 23 25 38 42 17 21 25 46 75 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 2012 2013 2014 2015 2016 (億円) (年) その他加工食品 農畜産物・農畜産加工品 水産物・水産加工品
【北海道の輸出の現状】
5
⽇本の農林⽔産物・⾷品の輸出額は2016年に
7,502億円
となり、過去最⾼を記録。
うち、北海道内の⾷料品輸出額は
702億円
であり、輸出額の83.5%を「⽔産物及び⽔産加⼯
品」が占めている。
政府⽬標である「⽇本の農林⽔産物・⾷品の輸出額を2019年までに1兆円規模へ拡⼤」に向け、
道内の輸出⼒をさらに強化していく。
道産⾷品の輸出額の推移(品⽬別)
出展:北海道「北海道⾷の輸出拡⼤戦略推進状況報告書」 702 773 663 576 359主要品⽬の輸出額の推移
出展:北海道「北海道⾷の輸出拡⼤戦略推進状況報告書」 品 ⽬ 2012年 2015年 2016年 2012年⽐ ⽔産物・⽔産加⼯品 32,424 68,873 58,574 +80.7% ホタテガイ 10,776 44,336 38,676 +258.9% サケ・マス 5,415 6,132 5,888 +8.7% 農畜産物・農畜産加⼯品 1,774 3,794 4,153 +134.1% ながいも 1,199 1,852 1,834 +53.0% たまねぎ 1 566 880 +780.0% その他加⼯⾷品 1,698 4,598 7,484 +340.8% スイーツ 926 3,196 5,472 +490.9% パスタ・麺類 112 116 121 +8.0 (百万円)【戦略1】 ⾷の輸出促進 - 地域中核企業⽀援
6●北海道の⾷の輸出促進のために、「地域中核企業」が関係企業・機関とともに実施する以下の
6プロジェクトを⽀援。
●北海道産の「⾷材」、「原料」を多様な「⽣産者」、「加⼯事業者」などから仕⼊れ、「地域商社機能
の強化」や「付加価値向上」の取組により、アジアを中⼼に輸出を積極的に展開。
地域中核企業
商材
輸出等対象国
地域中核企業(概要)
地 域 商 社 (株)キョクイチ (旭川市) ⽔・農産物 加⼯品 ⾹港、台湾、タイ、 シンガポール ⽔産物、農産物、加⼯品を多品⽬・⼤ロットで取り扱う道内 最⼤規模の⾷品卸。「地域商社」機能を強化。 (株)いずみホール ディングス(札幌市) ⽔・農・畜 産物 マレーシア ITを活⽤し、全国の産地から「⽣中継競り」を⾏い、全国 の1万件の取引先に卸す。海外展開事業を強化。 (株)Wakka Japan (札幌市) 農産物 (⽶) ⾹港、台湾、 シンガポール、タイ、 ⽶国(NY、ハワイ) 国内100以上の⽣産者から調達した国産⽶を⽞⽶で輸出、 現地精⽶⼠が顧客ニーズに合わせて精⽶・提供。 付 加 価 値 向 上 (株)もりもと (千歳市) 菓⼦・パン インバウンド誘致 台湾、ロシア 和・洋菓⼦、パン等400種類以上の商品を製造。道産原料 にこだわった商品開発を実施。インバウンド誘致を積極実施。 (株)BAKE (札幌市) 菓⼦ ⾹港、中国(上 海)、台湾、タイ、 シンガポール、韓国 「焼きたてチーズタルト」を中⼼に国内外に出店を加速するス イーツベンチャー。道産原料にこだわった商品開発を実施。 ⻄⼭製麺(株) (札幌市) ラーメン ⽶国、UAE 「本物の札幌ラーメン」、「⽇本の⾷⽂化」を輸出する取組を 実施。海外でのラーメン店開業者⽀援など⼈材育成も実施。【参考】⽀援メニュー
⾷のハブ機能を活かした海外新市場開拓事業
(1)(株)キョクイチは、⿂菜卸売市場を運営し、
全国の産地や市場から仕⼊れた⼤量の⽣鮮品
を取扱う
北海道最⼤規模の⽣鮮⾷品卸売企業。
仕⼊先の多くは北海道。グループ全体の売上は1,000億円
。
(2)海外コーディネーター等との連携により、⽣鮮品や加⼯品の輸出拡⼤を図るため以下の取組を実施。
●海外輸出先パートナーのニーズを踏まえ、通年輸出が可能な加⼯品の取扱を増やすため、
商談会や個別マッ
チング
により道内⾷品加⼯メーカーとのネットワークを拡げ、
「地域商社」としての機能を強化
。
●産地と協働し、
輸出向けを想定した商品の企画⽣産体制
を確⽴。
●
海外の⼤⼿流通企業のバイヤーを招聘
し、市場 to 市場へ⼤ロットで輸出可能と考えられる戦略品⽬を選
定し、
テストマーケティング
を実施。
1.事業の概要
【地域中核企業】(株)キョクイチ(北海道旭川市)
2.事業スキーム
輸出 海外コーディネーター <輸出・販路開拓⽀援> 取引 サポート 海 外 北海道⼆⼗⼀世紀 総合研究所 <事業統括> 資本⾦:3千万円 売上⾼:475億円 従業員:100名 地域中核企業 (株)キョクイチ ◆商流・物流の結節点 ・⿂菜・卸売市場を運営 ・地元物産協会の牽引役 全道農協・漁協 農業⽣産法⼈ <農⽔産物の供給> ⾷品加⼯業者 <通年輸出可能な商材 の供給> 国内コーディネーター <サプライヤーとの繋ぎ> (販売先) ⻘果市場、⼤⼿スーパー、⼤⼿コンビニ アジアへの定常的 な輸出の実現! 香港 台湾 シンガポール タイ サプライヤーネットワークの構築 8マレーシアをゲートウェイとしたアジアへの⾷品輸出拡⼤事業
(1)(株)いずみホールディングスは、
全国約600の仕⼊先をもち、⽣産者や産地、中央卸売市場、メーカー
な
どから仕⼊れた⽣鮮品を
全国の約70ヶ所の中央卸売市場や1万店舗以上の飲⾷店
に直接⼜はインター
ネット上の仮想市場(⽇本卸売市場)を通じて販売。
仕⼊先の約7割は北海道
。
(2)⾷品輸出⽀援を⾏うノーザンランド(株)が関係を有する
マレーシアのネットワークとの連携により
、⽣鮮品
や加⼯品の輸出、道内⾷関連企業・飲⾷店の海外展開を促進させるため、以下の取組を実施。
●北海道の⾷関連企業と連携し、
マレーシアで開催される北海道フェアにおいて、北海道の⾷材・商材PR
を
⾏うほか、商談会やテストマーケティングの実施、北海道へのバイヤー招聘により具体的な取引に繋げていく。
●
国内飲⾷店の海外出店を⽀援
するため、マレーシアへのビジネスツアー等を実施。
●マレーシアへの⾷品流通システムを構築し、将来的にはマレーシアからASEAN各国への輸出拡⼤を⽬指す。
1.事業の概要
【地域中核企業】(株)いずみホールディングス(北海道札幌市)
2.事業スキーム
資本⾦:1千万円 従業員:70名 地域中核企業 (株)いずみホールディングス ◆商流・物流の結節点 ・受発注システム構築 ・物流システム構築 600の⽣産者・産地・中央卸売 市場・メーカー <農⽔畜産物等の供給> マレーシア 輸出 コーディネーター <輸出・販路開拓⽀援> 70の中央卸売市場 10,000店の飲⾷店 <商品提供> 取引 ㈱井原⽔産、出塚⽔産㈱、 ㈱北海道⽶菓フーズ、 ㈱五洋物産、㈱とかち製菓等 <商品開発・販路開拓> サポート 取引 ASEAN 各国 海 外 (販売先) ⽇本⾷レストラン ⽇本外⾷チェーン店 ⾼級和⾷料理店 ローカルレストラン 個⼈消費者 【⽇本卸売市場で競りライブ中継】 ノーザンランド <事業統括> 9 マレーシアを ゲートウェイに アジアへ!世界各地で精⽶したてのお⽶を販売
〜⾼鮮度・⾼付加価値化による⽇本国産⽶の輸出拡⼤〜
(1)(株)Wakka Japanは、
100か所以上の⽣産者から調達した国産⽶を⽞⽶のまま輸出
。
同社は海外4カ所に海外販売法⼈を持ち、
精⽶⼠が顧客ニーズに合った品種や分づきを選択し、
現地精⽶
する独⾃のビジネスモデルを確⽴。
(2)平成28年の売上⾼は2億7,400万円と、
⽇本のコメ輸出額の約1割
を占める。
仕⼊数量約1,000トンのうち半数が北海道産⽶
。
(3)
品質の向上、海外販売法⼈数の増加と各国マーケティング強化
のため、以下の取組を実施。
●「⽣産性」と「品質」の向上を図り、海外で価格競争⼒を持つ北海道産⽶の供給体制を整備するために、北海
道の産地、IT企業と連携し、
ドローンを活⽤した精密農業
を推進。
●⽣産者とともに道産⽶や和⾷の魅⼒を海外に発信し、
和⾷⽂化の普及と輸出拡⼤を⽬指す
。
【地域中核企業】(株)Wakka Japan(北海道札幌市)
資本⾦:800万円 売 上:274百万円 従業員:4名 地域中核企業 (株)Wakka Japan ◆積極的な販路拡⼤により、 北海道産⽶の輸出を牽引 香港 全道⽣産者、農業⽣産 法⼈、農協、⾃社圃場 <国産⽶の供給> 輸出 道内⾷品加⼯業者 <和⾷コンテンツ商材の 供給> 国内コーディネーター <技術⽀援> (既存販路) ⽇本⾷レストラン ⾼級和⾷料理店 個⼈消費者 サポート シンガポール 台湾 ハワイ タイ ニューヨーク (新規販路) ⽇本外⾷チェーン店 ローカルレストラン 海外販売法人 新規ターゲット 販売マーケットの拡大 札幌 サポート 101.事業の概要
2.事業スキーム
北海道⼆⼗⼀世紀 総合研究所 <事業統括> 精⽶⼠による現地精⽶ 拡⼤農産物⽣産から菓⼦製造まで国際標準化の推進による輸出拡⼤事業
1.事業の概要
(1)(株)もりもとは、
和菓⼦、洋菓⼦、パンなど幅広い商品開発⼒
を有し、
400種類以上の商品
を製造販売
する企業。
⽣産者や農協、加⼯、流通等100社以上の企業(うち8割が道内)
との裾野の広い取引関係
を形成。北海道の産地や特産に精通し、
北海道産原材料の魅⼒を際⽴たせた商品を開発
している。
(2)道外・海外観光客の需要獲得を図るため、
「北海道100%商品」、「賞味期限延⻑技術」の開発
、
「新千歳空港に近接する⾃社⼯場に観光的要素を付加」
する取組を実施する。
(3)また、⽣産者や加⼯業者等と連携し、
商品のサプライチェーンの国際標準化を推進
する取組を実施し、
2020年東京オリンピックパラリンピックへの商品供給や海外への輸出拡⼤を⽬指す。
【地域中核企業】(株)もりもと(北海道千歳市)
台湾 ロシア 輸出拡大 コーディネーター <インバウンド誘客> <商品プロデュース> <技術⽀援> ホクレン 道⽴総合研究機構 <商品の共同開発> 公設研究機関 <技術開発⽀援> 千歳市、仁⽊町 (包括連携協定締結) <商品開発・観光企画> インバウンド誘客2.事業スキーム
千歳 新千歳空港 資本⾦:1千万円 売上⾼:55億円 従業員:774名 地域中核企業 (株)もりもと ◆和菓⼦、洋菓⼦、パン、 常時400種類以上の商品 を製造販売 ⽣産者・加⼯業者・パッ ケージ会社・機器メーカー <幅広い域内取引> 道銀地域総合 研究所 <事業統括> (販売先)⼤⼿⾷品グループ ホテル・レストラン 新市場獲得 北海道100%商品 11 観光型・体験型工場 商品の国際標準化北海道産にこだわった海外市場獲得型スイーツブランド構築事業
(1)
スイーツベンチャー
の(株)BAKEは、北海道産原材料にこだわった
「焼き⽴てチーズタルト」
を中⼼に
海外
店舗を初出店から2年で21店出店するなど急成⻑
。製造拠点を札幌に構え
仕⼊先の8割は北海道
。
(2)海外市場を継続的に獲得できる体制を強化し、北海道スイーツの輸出を拡⼤するため、以下の取組を実施。
●
原材料の調達先拡⼤や、店舗⼈材育成の仕組み作り
など、⽣産基盤を強化。
●製品課題を科学的に分析し、ロス率低減に向けた⽅策を検討。
●おいしさを科学的に分析するとともに、製品やパッケージをデザインした新商品ブランドを構築。
●北海道産原材料の魅⼒を発信する海外プロモーションを強化。
1.事業の概要
【地域中核企業】(株)BAKE
(製造拠点:北海道札幌市/本社:東京都)
シンガポール 韓国 コーディネーター <原料調達確保> <⼈材育成> <新商品デザイン> 道⽴総合研究機構 <商品の品質安定化> 新ブランド構築 プロモーション2.事業スキーム
札幌 資本⾦:900万円 売上⾼:37億円 従業員:556名 地域中核企業 (株)BAKE ◆北海道産原料にこだわっ たスイーツを海外約20店 舗で販売。 ⽣産者・加⼯業者・パッ ケージ会社・機器メーカー <幅広い域内取引> 海外市場獲得 香港 タイ 上海 台湾 ⼤学 <おいしさの科学分析> 輸出 12 道銀地域総合 研究所 <事業統括>海外開業コンサルティングによるラーメン輸出拡⼤事業
(1)⻄⼭製麺(株)は、
60年以上札幌ラーメンを製造
している製麺会社。ラーメン店を再現した開業研修施
設や海外現地法⼈を有し、ラーメン店開業者の海外出店をサポートしつつ製品輸出を拡⼤。仕⼊先の9割は
北海道。
(2)
本物志向のラーメン⽂化を世界に拡げ、麺製品や関連する⾷材の輸出を拡⼤
するため、以下を実施。
●国ごとに異なるラーメン⽂化の成熟度や実情に合ったラーメンフェアの開催。
●海外との調理師交流により⾷⽂化の相互理解を深め、⾃国⾷材を活⽤した相⼿国で売れる新商品を開発。
●海外向けの⽣産体制を強化するため、製造⼯場の国際標準規格の認証取得を⽀援。
1.事業の概要
【地域中核企業】⻄⼭製麺(株)(北海道札幌市)
米国 UAE コーディネーター <⼈材育成> <供給体制強化> <販路開拓> 海外調理師 <商品開発・輸⼊> <⾷⽂化発信>国内調理師 ラーメン文化拡大 食材輸出拡大2.事業スキーム
札幌 資本⾦:9千万円 売上⾼:30億円 従業員:187名 地域中核企業 ⻄⼭製麺(株) ◆200種以上の製品を⽣産。 社内の開業⽀援施設でラーメン 店開業者をトータルサポート。 ⽣産者・たれ業者・パッ ケージ会社・機器メーカー <幅広い域内取引> 北海道⼆⼗⼀世紀 総合研究所 <事業統括> ラーメン店の 海外進出 成熟度 ポ テ ン シ ル Ramen市場 現地化 志向 本物 志向 獲得 輸出 1314
【戦略2】
⾷の⽣産性の向上
【戦略2】 ⾷の⽣産性の向上 (1)農商⼯等連携促進法
15●農商⼯等連携促進法に基づき、
農林漁業者と商⼯業者
等が、お互いの強みを活かして売れる
新商品・
新サービスの開発を⾏い、需要の開拓
を⾏う取組を⽀援。
●法認定事業計画には、「専⾨家による事業計画作成及び販路開拓等のサポート」、「補助⾦」、「低利融資」
「信⽤保証の特例」といった⽀援メニューを提供。
【補助⾦制度概要】 平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦
(低未利⽤資源活⽤等農商⼯等連携⽀援事業)法認定事業計画に基づく、新商品・新サービスの開発、販路開拓などの経費の⼀部を補助(複数年度交付可)
(補助⾦額)50万円〜500万円/件 ※機械化・IT化事業は、初回に限り1,000万円を上限
(補助率) 1/2〜2/3以内
※補助率は、補助⾦利⽤回数により変動
平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦
(低未利⽤資源活⽤等農商⼯等連携⽀援事業)(採択8事業)
16 補助申請者 事業概要 新 商 品 開 発 ・ 販 路 開 拓 (株)名寄振興公社 (名寄市) 名寄産もち⽶と農産物を使⽤した⼀⼝サイズのもちもちスイーツの試作品開発及び販路開拓。 (株)ディームファクトリー (帯広市) ⽣クリームやバターの製造過程で発⽣する副産物(脱脂乳)を使⽤したフローズンヨーグルトソフト の試作品開発。 北建建設(有) (鷹栖町) エゾ⿅の熟成⾁及びフルーツトマトを使⽤した熟成⾁⽤ソース等の試作品開発並びに⾼糖度フ ルーツトマトの試験栽培。 北宝堂(株) (⼩樽市) メロンやイチゴ等の農産物を北海道からシンガポールへ直接輸送し、⽔産物との混載による輸送実 証及びマーティング調査。 浜塚製菓(株) (札幌市) (有)⼤塚農場が⽣産する⼩⻨「ゆめちから」を使⽤し、柔らかくサクサクしたかりんとうの試作品開発。 機 械 化 ・ I T 化 (有)阿吽 (⽩⽼町) ICタグとRFIDリーダーを⽤いて、クラウド上で⽜の在庫確認及び個体管理情報の⼀括管理 を実現するシステムの開発。 (株)ビィーシステム (札幌市) 農林業の⽣産性向上・省⼒化に貢献するオルソ化画像解析システムの開発、ドローンテスト⾶⾏ によるシステムの効果検証。 (株)サングリン太陽園 (札幌市) 農業の⽣産性向上・労働⼒対策として、農薬散布⽀援システムの改良、作付け管理・⽣育記録 システムの開発及び実証試験。⾷の⽣産性向上を図るために、付加価値向上(新商品開発・販路開拓)や省⼒化(機械化・
IT化)の取組を重点的に⽀援。平成29年度の補助⾦活⽤事例は以下の8事業。
17
平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦:採択8事業の紹介
●事業名:⽣産量⽇本⼀ 名寄産もち⽶の産地ブランド化に 向けた新商品開発、製造、販路開拓事業 ●連携体: (農林漁業者)道北なよろ農業協同組合(農業) (中⼩企業者)(株)名寄振興公社(宿泊業) (連携参加者)(有)サンフーズ(⾷料品卸売業)・名寄市 役所・ (⼀財)北海道⾷品開発流通地興 ●事業内容: ・道北なよろ農業協同組合は⽣産量⽇本⼀の“もち⽶”を名寄振 興公社のニーズに応じた⽅法で原材料として供給。 ・同公社は、これまで培ってきたネットワークや地域間連携商品の 企画・開発のノウハウを活かした、産地のブランド化に繋がる 新商品の開発・販売を⾏う。 函館産イカと名寄産もち米100% 「もっちりいかめし」 名寄産もち米で作られた美凛(本味醂) を使用したアイスクリーム新商品開発・販路開拓
●事業名:副産物を活⽤した道内初のブラウンスイス乳 フローズンヨーグルトソフトの製造事業 ●連携体: (農林漁業者)橋本 晃明(農業) (中⼩企業者)(株)ディームファクトリー(⾷料品製造業) ●事業内容: ・橋本牧場が、⼗勝の気候⾵⼟で飼育したブラウンスイス⽜のストーリー 性と希少性を活かし、ディームファクトリーが、脱脂乳の特徴を最⼤限に 引き出した道内初となる「ブラウンスイス乳フローズンヨーグルトソフト」を 開発。同社の既存の販売チャネルを通じて販路開拓を⾏う。 ・脱脂乳の有効活⽤により⽣クリームやバターの増産が可能となり⽣産性 の向上が図られるほか、橋本牧場のブラウンスイス⽣乳の供給量拡⼤ による売上⾼増加やブラウンスイス⽜の更なる増頭につなげていく。新商品開発・販路開拓
18
平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦:採択8事業の紹介
●事業名:⼭恵の⿅⾁と鷹栖町産フルーツトマトを使⽤した 加⼯品の開発、製造及び販売 ●連携体: (農林漁業者)相澤 勇(農業) (中⼩企業者)北建建設(有)(⾷料品製造業) (連携参加者)鷹栖町役場 ●事業内容: ・北建建設は、⾼品質なエゾ⿅⾁の安定供給及び「⼭恵」が有する エゾ⿅⾁料理、加⼯品の調理、開発技術、ノウハウを活かし、地元農 産物を活⽤した新メニュー開発及び、加⼯商品の製造、販売を⾏う。 ・相澤勇は、これまでに培った営農技術、設備、ノウハウを活⽤し、フルー ツトマトの安定供給及び、より⾼糖度のフルーツトマトを⽣産するための 試験栽培、効果検証を実施する。 ・エゾ⿅⾁とフルーツトマトを活⽤したトマトバタークリームカレーや熟成⿅⾁ は⾃店舗及び、北建建設が有する北海道、東京のレストラン、ホテル、 居酒屋向けに販路開拓を⾏っていくほか、レトルト商品化し、個⼈客へ の販売や鷹栖町役場と連携し、ふるさと納税返礼品として取扱を⾏う。 ●事業名:新たな物流と商流の構築による北海道産農産物 の輸出事業 ●連携体: (農林漁業者)とまこまい広域農業協同組合(農業) (中⼩企業者)北宝堂(株)(各種商品卸売業) (連携参加者)Marukawa Trading(S)Pte.Ltd. (飲⾷料品卸売業) ●事業内容: ・とまこまい広域農業協同組合が、シンガポールで⼈気の⾼いメロン、 アスパラ、イチゴ等を北宝堂に供給。 ・同社が、これらの商材と鮮⿂等を混載してシンガポールに輸出し、 シンガポールでの販売はマルカワトレーディングの協⼒を得て、主に ⽇本⾷レストラン等の飲⾷店に販売する。 ・通年で安定した輸出量ロットを確保するための商材の組み合わせ、 鮮度保持輸送、現地マーケット調査等の実証を通じて輸出サービス の開発を進めるとともに、現地プロモーションイベントの開催や展⽰会 出展等を通じて北海道産農産物のブランド化と販路拡⼤を図っていく。新商品開発・販路開拓
新商品開発・販路開拓(シンガポール)
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平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦:採択8事業の紹介
●事業名:北海道産⼩⻨を活⽤した新しい「かりんとう」の 開発・製造及び販売 ●連携体: (農林漁業者)(有)⼤塚農場(農業) (中⼩企業者)浜塚製菓(株)(⾷料品製造業) (連携参加者)池⽥⾷品(株)(⾷料品製造業) ●事業内容: ・浜塚製菓は、⼤塚農場が輪作の⼀環で栽培する北海道産⼩⻨「ゆめ ちから」を買取り、かりんとうのソフト化技術を活かした新しい商品開発 及び⾼級菓⼦市場開拓のための商品企画を⾏う。 ・連携参加者の池⽥⾷品は、かりんとうの味付け⽤の野菜、果実等パウ ダーの乾燥、粉体化のノウハウ及び販路開拓に協⼒する。 ・⼤塚農場は、池⽥⾷品が⼤⾖栽培の契約先であることに加え、浜塚 製菓が⼩⻨を買取ることにより、圃場維持のための輪作体系を考慮 した、北海道型の持続可能農業経営の「連携モデル」実現を⽬指す。 ●事業名:いわさきファームが肥育するブランド和⽜「⽩⽼⽜」 の⽣産性向上のためのクラウド型肥育管理シス テムの開発・販売 ●連携体: (農林漁業者)(同)いわさきファーム(農業) (中⼩企業者)(有)阿吽(あうん)(その他卸売業) (連携参加者)(株)ファムライク(情報サービス業) ●事業内容: ・阿吽は、同社が有する畜産農業のコンサルタント実務能⼒を 活かし、⽣年⽉⽇、性別、治療歴等の⽜の個体管理情報を クラウド上で⼀括管理する。⼩規模肥育農家でも導⼊可能な 安価なシステムを開発。 ・いわさきファームの牧場にて、システムの現場試験、効果検証を 実施。開発したシステムは、阿吽が有する畜産農業者とのネット ワーク等を通じて販路開拓を⾏っていく。新商品開発・販路開拓
IT導⼊
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平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦:採択8事業の紹介
●事業名:ドローン撮影による空中写真化と農地・森林調査 ⽤画像解析システム開発事業 ●連携体: (農林漁業者)森本 隆志(農業)・そらち森林組合 (中⼩企業者)(株)ビィーシステム(技術サービス業) ●事業内容: ・ドローンで空撮した画像データに⼟地の所有者情報や作物の栽培 データ等を付与した管理システムの構築をベースに、以下を実施。 (1)ドローンの⾃動航⾏ (2)ドローンによる農薬、肥料散布の履歴と⽣育状況の管理 (3)画像解析による森林の林種、本数の計測をシステム化 ・農林業への⽣産性向上を効果検証し、システムの販売を展開 するとともに、農林業の新たなニーズに応じたシステム改良を継続 的に実施。 ●事業名:⼩型無⼈航空機と地理情報システムを活⽤した 農業サービスの開発・販売事業 ●連携体: (農林漁業者)(有)無限樹・苫前町農業協同組合 (中⼩企業者)(株)サングリン太陽園(卸売業) (連携参加者)(株)ウォーターセル・(株)ヒューネス(情報サービ ス業)・(株)北⽇本スカイテック(卸売業) ●事業内容: ・各地でスマート農業の実現に向けた実証試験が取り組まれている なか、本事業は社会実装を⽬指すもの。 ・GISデータをベースに散布地域の障害物情報、⾶⾏軌跡、 散布情報、営農情報を記録し、圃場単位での管理を実現。 ・⽣産者にフィードバックするサービスを構築するため、気象情報や リモートセンシングデータを活⽤し、農作業の適期、病害⾍情報、 ⽣育状況等を解析する。IT・機械(ドローン)導⼊
IT・機械(⼩型ヘリ・ドローン)導⼊
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【戦略2】
⾷の⽣産性の向上
【戦略2】 ⾷の⽣産性の向上 (2)地域資源活⽤促進法
22●地域資源活⽤促進法に基づき、
地域資源(農林⽔産物、産地の技術、観光資源など)を活⽤した新商品・
新サービス(体験型観光含む)の開発⼜は需要開拓
に取り組む中⼩企業者⼜は⼀般社団法⼈等に対して⽀
援。
●法認定事業計画には、「専⾨家による伴⾛型⽀援や⾼度化融資」、「補助⾦」、「政府系⾦融機関による低利
融資」、「信⽤保証の特例」、「地域団体商標の登録料等の減免」等の⽀援メニューを提供。
<< 地域資源促進法に基づく⽀援スキーム >> 中⼩企業者 (地域資源である) 農林⽔産物を活⽤ 新商品・新役務 の開発 販路開拓 販路拡⼤ 地域産業資源活⽤事業計画(開発・⽣産型) 経済産業省ほか 法認定 補助⾦ 北海道 ※市町村ごとに「地域資源」を指定 市町村 ※市町村の積極的関与を法定 ふるさと名物応援事業補助⾦ (地域産業資源活⽤事業) 補助対象経費 <事業費> ①謝⾦ ②旅費 ③借損料 ④産業財産権等取得費 ⑤雑役務費 ⑥委託費 <販路開拓費> ⑦展⽰会等出展費 ⑧マーケティング調査費 ⑨広報費 ⑩委託費 <試作・開発費> ⑪原材料費 ⑫機械装置等費 ⑬試作・実験費 ⑭委託費 補助上限額 500万円(下限50万円)補助率:2/3以内 ※4者以上の共同申請案件の場合には、2000万円 ※3回⽬以降の申請については、補助率1/2以内 (参考)北海道が指定する市町村ごとの地域資源はこちら→→http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/ssg/chiikisigen.htm 地域の優れた資源を活⽤した新商品・新役務の開発や販路開拓等の取組に 要する経費の⼀部を国が補助することにより地域の中⼩企業者による売れる 商 品 づ く り や 地 域 初 の ブ ラ ン ド 構 築 の 実 現を 後 押 し し ま す 。平成29年度:ふるさと名物応援事業補助⾦(地域産業資源活⽤事業)
(採択10事業) 23 補助事業者 事業テーマ (株)ハルキ (森町) 道南スギを⽤いた防⽕⽊材の外装材・内装材の開発・販売 (株)川島旅館 (豊富町) 豊富温泉を中核とした⾷と美容をテーマとする滞在型観光事業 (有)マルマ松本商店 (紋別市) 未利⽤ホタテとホタテの煮汁を活⽤した新商品の開発及びブランディング化事業 (有)マルトシ吉野商店 (寿都町) スッツ・オイスター・ビレッジ整備とスッツの歴史・⽂化・マリンフードを組み合わせた観光事業 どさんこミュゼ(株) (七飯町) 北海道開拓の歴史を背景とした、これまでにない体験観光プログラムの開発と集客⼿法を⽤いたブランド 化及び商品の⾼付加価値化を図る事業 (株)⾖太 (札幌市) 札幌⼤⾖を⽤いた“おからペースト”の加⼯品の開発・製造・販売 (株)丘の上のわくわく カンパニー (鶴居村) 釧路湿原における⾷育、環境、交流を組み合わせた新たな滞在型観光事業の創出と推進 (有)ネイチャーライヴ (⽻幌町) 愛の⿃ケイマフリなどを活⽤した天売島、焼尻島の観光事業 フードプランニングオフィス サレ・ド・シュクレ (札幌市) 100%北海道産原料を使⽤した原料公開型のさっぽろスイーツの製造・全国展開事業 (株)⼭上⽊⼯ (津別町) デザイン性の⾼い⽊⼯商品群の開発及び販路開拓24
ふるさと名物応援事業補助⾦(地域産業資源活⽤事業):⾷関連の採択事例の紹介
未利⽤ホタテとホタテの煮汁を活⽤した新商品の
開発及びブランディング化事業
(有)マルマ松本商店-紋別市
■活⽤する地域資源 ・ホタテガイ ・カニ ■事業概要 これまで加⼯品として活⽤することが困 難であった地域資源「ホタテガイ」とその 加⼯⼯程で発⽣する煮汁を活⽤した新 たな加⼯品の⽣産、販路開拓に取り組 む。 本事業において活⽤するホタテのフレー ク及び煮汁については、研究機関との連 携により開発。性状分析が進められ、そ の旨み成分が他の⾷材の更なる旨みを 引き出すことが判明しており、低コストで 付加価値が⾼く、⾼品質な製品開発が 可能となっている。札幌⼤⾖を⽤いた“おからペースト”の加⼯品の
開発・製造・販売
■活⽤する地域資源 ・札幌圏の⼤⾖ ■事業概要 独⾃開発した「おからのペースト化技 術」を⽤い、地域資源である札幌圏の⼤ ⾖を使った新商品群を開発し、主に百 貨店や⾼級スーパーを利⽤する健康志 向の⾼い顧客層をターゲットに販路開拓 を⾏う。これにより、地域の新たな⼤⾖製 品としてのブランド確⽴・向上を⽬指す。 また、農業者とともに地域資源として 「札幌⼤⾖」のブランド化を図るとともに、 関東や関⻄に販路を持つ事業者との連 携の下、全国に向け新たな⼤⾖製品と してのブランド確⽴を図る。 【地域資源】 札幌圏の⼤⾖ おからペースト(株)⾖太-札幌市
新商品イメージ 【地域資源】 ホタテガイ 新商品イメージ25
【戦略2】
⾷の⽣産性の向上
【戦略2】 ⾷の⽣産性の向上 (3)⼈材育成
(モデル事業)岩⾒沢農業⾼校のグローバルGAP取得を通じた⼈材育成の取組を⽀援
26●当局では、今年度、岩⾒沢農業⾼校の「グローバルGAP(農業⽣産⼯程管理)」認証取得の
取組をモデル事業として⽀援する。
●2017年4⽉17⽇に、専⾨家による「同校の学⽣向けセミナー」 及び「⽣産現場の視察」を実施。
●今後、岩⾒沢農業⾼校は、学⽣の有志によるプロジェクトチームを編成。農業コンサルティングを⾏う
(株)ファーム・アライアンス・マネジメントのサポートを受けて、グローバルGAPの認証取得に向けた作業
を進めていく。同社のITシステム(農業⽣産情報管理)を活⽤し、学⽣は、スマホで⼿軽に作業
記録を⼊⼒し、システムでデータ管理や分析を⾏う。
●当局では、本モデル事業の内容を⾒える化(ウェブサイトでの公開等)し、道内外に情報発信。
「グローバルGAP取得を⽬指す」⼈材の育成に繋げる。また、「⾷の付加価値向上」や、⾼齢化が進む
農業現場の「IT活⽤」、「担い⼿不⾜の解消」なども促し、北海道の⾷の⽣産性の向上に繋げる。
【背景】
・食品の国際情勢では、衛生管理や安全性確保への意識が高まっており、
農産物の輸出拡大やインバウンド
需要への対応強化
のためには、「
農業生産工程管理(GAP/Good Agricultural Practice)
」認証取得の
促進も重要な取組。
・また、
2020東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準にもGAP認証
が位置づけられている。
・このような中、岩見沢農業高校は、
「次世代農業人材の育成」や「東京オリパラへの食材供給のモデル」
を
目的に、国際規格「グローバルGAP」の認証取得(
道内高校では初
)を目指している。
27 4/17岩⾒沢農業⾼校GGAPセミナーの模様 ⽣産現場をチェックし、 グローバルGAPにおける 農産物の安全性や 環境負荷にかかわる リスク評価の考え⽅に ついて助⾔。 <専⾨家紹介> (株)ファーム・アライアンス・マネジメント(東京都) 代表取締役 松本 武 ⽒ ・内閣府規制改⾰会議農業WG専⾨委員を務め、農産物 の安全管理の国際規格である「グローバル GAP」の取得 ⽀援と農業⽣産情報管理システムのフランチャイズサービス を提供。 ・2012年スペインのマドリードで開催されたグローバルGAP サミットでは、「第1回GAPアワード」を受賞するなど、 国内外で⾼い評価を受けている。 ファーム・アライアンス・マネジメントのIT(農業⽣産情報管理)システム
【戦略2】 ⾷の⽣産性の向上 (3)⼈材育成
(モデル事業)岩⾒沢農業⾼校のグローバルGAP取得を通じた⼈材育成の取組を⽀援
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【参 考】 GAPとは
●⽣産者は、農産物の安全を確保するために、⽣産履歴の記帳を中⼼に環境の保全、労働の安全を確保するための点検
などを⽇頃から⾏うケースも増えてきている。
●GAPとは、これらの取組状況を記録簿や掲⽰物によって“⾒える化”しながらより良い農業⽣産を⽬指していく取組のこと。
国内のスーパーやコンビニ、海外の⼤⼿流通などで、GAP認証を要求、推奨し始めている。
●また、GAPは、新たな販路の拡⼤や東京オリンピック・パラリンピック競技⼤会の⾷材調達基準にも位置づけられており、
GAP認証の取得の動きは今後加速化することが⾒込まれている。
グローバルGAP JGAP アドバンス ベーシック 運営主体 フードプラス有限会社(ドイツ) ⽇本GAP協会 国際的な通⽤度 ○ (欧州向けが中⼼) ○ (国際承認申請中) (東南アジアがターゲット) △ (アジアの⼀部のみ) 認証 実績 国内 約400件 52件 約4,200件 海外 約16万件 1件 7件 取引 先例 国内 イオン、⻄鉄ストア セブン&アイ、ローソン、ゼスプリ、コカコーラ(茶) 海外 ウォルマート、カルフールなど欧州⼤⼿流通 東南アジアへ普及させる⽅向 - 取組内容 ⾷品安全、環境保全、労働安全、⼈権、⾷品安全リ スク評価の⽂書化、資材仕⼊先の評価実施、商品トラ ブル時の回収テストの実施、厳格な⽔管理(節⽔) 努⼒など ⾷品安全、環境保全、労働安 全、⼈権、⾷品安全リスク評価 の⽂書化、資材仕⼊先の評価 実施 ⾷品安全、環境保全、労 働安全、⼈権 ※関係機関等の公表資料(2017年3月末時点情報)をもとに、北海道経済産業局が作成29