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砕氷抵抗 の破壊成分 の速度依 存性 に関 す る研究
(その1 模 型試験 による破壊成分 の速度依存性の検証)
正員
加
藤
一
行*
正 員
足
立
明
弥*
岸
本
弘
晴*
林
口
清
次*
A Study on Velocity Dependence of Breaking Component in Ice Resistance. Part 1 Experimental Evidence of Velocity Dependence of Breaking Component in Ice Resistance.
by
Kato Kazuyuki,
Member
Adachi Meiya, Member
Kishimoto
Hiroharu
Hayashiguchi
Seiji
Summary
It is well recognized that the ice resistance in continuous breaking mode consists of several
compo-nents. However, the quantitative
recognition
of those components
in the ice resistance
is poorly
understood.
To understand
the ice resistance quantitatively,
the dependency on such factors as a
thickness of ice sheet, a bending strength of ice sheet, a velocity of ship and so on has to be clarified
for each component.
Among those components
in the ice resistance,
it is unanimously
recognized that the breaking
component is of primary importance.
It has been considered by many investigators
that the breaking
component strongly relates to the moment capability of ice sheet, afe and does not depend on the ship
velocity. However, the authors have had doubt on this recognition that the breaking component
is
independent of the velocity of ship. Such doubt comes partly from the experimental
study by Kato et
al. and partly from the theoretical study by Sorensen and Tawara & Horimizu.
In order to clear this doubt, it is necessary to separate the breaking component from other
compo-nents. For this purpose, a new component
separation test-named
the TBI test-was
developed and
employed to the 1/20 model test on medium size icebreaker.
The TBI test can use an almost completely
preserved broken ice field which has been made just before by the test of the same model in intact level
ice. Thus the TBI test employs a realistic breaking patters of ice field. The model experiments were
performed on three different velocities. Six or seven tests were conducted at each velocity under
different combinations of ice thickness and bending strength to verify the prediction.
It was found from
experiments that a relationship
between the breaking component and the moment capability
of ice
sheet is linear when the velocity is specified. It is in agreement with authors' prediction.
A relationship
between the submersion component and ice thickness is not strictly defined, but a linear relation is
again tenable.
Coefficients of both the relationship
between the breaking component and the moment capability of
ice sheet and the relationship
between the submersion component and ice thickness were plotted with
respect to velocity. It was found that both coefficients increase with velocities. This indicates that both
the breaking component and the submersion component increase with velocities.
It is concluded that
the velocity dependence of the breaking component
in ice resistance
has been clearly evidenced.
However, in order to understand the ice resistance more quantitatively,
the authors should concern a
study on the velocity dependency of the breaking component, which was not accomplished
in the
present study.
*
石川島播磨重工業(株)技術研 究所船舶海洋開発 部
原稿 受 理 平成 5 年 7 月 9 日
日本 造 船 学 会 論文 集 第 174 号 1. ま え が き 砕 氷 船 を設 計 す る と きに明 らか にす べ き技 術 的 課 題 は 数 多 くあ るが,平 坦 氷 中 を一 定 船 速 で 航行 す る ときの 推 進性 能 を合 理 的 に評 価 す る こ とは 第 一 義 的 に重 要 な 課 題 で あ る.氷 中航 行 時 の 推進 性 能 を合 理 的 に評 価 す るた め には, 氷 中航 行 時 の 砕 氷 船 の受 け る抵 抗,砕 氷 抵 抗 と呼 ぶ,を 的 確 に推 定 で き る手 法 の確 立 が 必 要 で あ る. これ まで に数 多 くの理 論 的,実 験 的砕 氷 抵 抗 推 定 法(式) が 提 案 され て い る が,そ れ らは す べ て ほ ぼ同 じ骨組 を持 っ て い る.著 者 らは そ の骨 組 み 自体 に長 年 疑 問 を持 っ て い た. 具 体 的 に は,砕 氷 抵 抗 を氷 板 を破 壊 す るの に必 要 な成 分(破 壊 成 分 と呼 ぶ)と 破 壊 され た氷 片 を移 動 させ る の に必 要 な 成 分(サ ブ マ ー ジ ョン成 分 と呼 ぶ)に 分 離 した と きに,破 壊 成 分 が速 度(船 速)に は依 存 し ない と して い る点 に疑 問 を抱 い て い た.本 研 究 で は,そ の 疑 問 に実験 的 に応 え るた め に,新 しい砕 氷 抵 抗 分 離 試験(TBI試 験 と呼 ん で い る) を考 案 し,そ れ を用 い て破 壊 成 分 の 速 度依 存 性 の有 無 を調 査 し,破壊 成 分 が 船 速 に依 存 す る可 能 性 が 高 い こ とを示 す. 本論 文 で は,ま ず 第2章 に お い てい くつ か の在 来 の 実 験 的砕 氷 抵 抗 推 定 式 を紹 介 し,そ れ ら に対 す る著 者 らの 持 つ 疑 問 の根 拠 を述 べ る.第3章 で は破 壊成 分 の速 度 依 存 性 の 有 無 を明 らか にす るた め の方 法 論 を述 べ る.第4章 で は 新 た に考 案 した 砕 氷 抵抗 分 離 試験 一TBI試 験 の方 法 とそ れ を 用 い た試 験 及 び 試験 結 果 に関 して 論述 す る.第5章 で は 試 験 結 果 を基 に破壊 成 分 の速 度 依 存 性 の有 無 を示 し,検 討 を 加 え る. 2. 在 来 の 実 験 的 砕 氷 抵 抗 推 定 式 に 対 す る 疑 問 これ まで に数 多 くの理 論 的 砕 氷 抵抗 推 定 式 が 提 案 され て い る(例 え ば,Milano1),Kotras et aL2),Carter3))が, こ こで 紹 介 す る に は複 雑 す ぎ るの で,以 下 に著名 な 実験 的 砕 氷 抵 抗 推 定 式 を紹 介 す る こ とに す る.理 論 的砕 氷抵 抗 推 定 式 も基 本 的 に は 同様 の 骨 組 み を持 っ て い る と理 解 して も 良 い.
1) Lewis & Edwards4) の式
Lewis & Edwads は 次 の実 験 的 砕 氷 抵 抗推 定 式 を提 案 し てい る. (1) こ こに,R: 砕 氷 抵 抗 B:船 幅 ρi:氷 の 密 度 h: 氷 厚 σf:氷 板 の 曲 げ 強度 v:船 速 ｇ:重 力 加 速度 係 数a,b,ｃ は船 型(摩 擦 係 数 を含 む)に よっ て定 ま る実験 定 数 で あ る.す な わ ち,一 連 の 模 型 試験 あ る い は実 船 試験 の結 果 を用 い て係 数 を定 め る こ とに よ り試験 に供 した 船 の 砕 氷 抵 抗 を推 定 で きる として い る. 2) Tatinclaux5)ら の 式 Tatinclauxら は カ ナ ダ 沿 岸 警 備 隊 のR一c1assの 砕 氷 船 模 型 を用 い たITTCの 比 較 試 験 の結 果 を次 の3種 の 式 で 整 理 す る こ とを試 み た. (2) (3) (4) こ こ で, ρωg:水(海 水)の 単 位 体 積 重量 係数a,b,c,dは 前 項 と同様 で あ る. い ず れ の式 も基 本 的骨 組 み は同様 で,破 壊 成 分(上 記 の 式 で 曲 げ強 度 が 掛 か って い る項)は 船 速 とは独 立 で あ る. 加 藤 ら6)は傾 斜 した 円柱構 造 物 を対 象 と した,氷 海 水 槽 に お け る模 型 実験 を行 い,Fig.1に 示 され た結 果 を得 た.同 図 で縦 軸 は実 験 で 得 た氷 荷 重 を,氷 質 の 多 少 の相 違 を考慮 す る た め に,試 験 氷 板 の 曲 げ破 壊 パ ラ メ ー タ σfh2で正 規化 した量 で あ る.横 軸 は氷 板 の 進 行速 度(実 験 で は曳 引 車 の 進 行 速 度)で あ る.氷 荷 重 は この場 合 氷 板 の 曲 げ破 壊荷 重 (破壊 成 分)と 破壊 さ れ た氷 片 を移 動 させ るの に必 要 な 力 の 和 とし て与 え られ る か ら,こ の 図 か らす ぐに破 壊 成 分 が速 度 に依 存 す る と結 論 で きな い が,少 な くと も破 壊 成 分 が速 度 に依 存 しな い と断定 す るに は疑 問 符 を付 け ざ る を得 な い 結 果 で あ る. 破 壊 成 分 は あ る境 界 条 件 の基 にお け る弾性 支 承 上 の半 無 限 弾 性 板 の 曲 げ破 壊 荷 重 で あ る と考 え る こ とが で きる.静 的 に 考 え た場 合,前 記 の(1)式 等 に 示 され て い る よ う に σfh2にあ る境 界 条 件 に見 合 っ た定 数 を乗 じ た もの とな る. す な わ ち,静 的 に考 えた場 合 に は破壊 成 分 を規 定 す る因 子
Fig. 1 Relationship between velocity and normalized ice force obtained from experiments on inclined pile structure
砕氷抵抗の破壊成分 の速度依存性に関する研究
123 は曲 げ強 度,氷 厚 そ して境 界 条 件(船 型)だ けで あ る.し か し動 的 に 考 えた 場 合,す なわ ち慣 性 力 を考 慮 した 場合 に 事1青が 異 な っ て来 るの で は ない か と予 想 され る.ま た,船 体 の前 進 に よ り氷 板下 の水 圧 が 変 化 す る と,弾 性 支承 の強 さ,す な わ ちバ ネ 定数 が変 化 し,そ の結 果 曲 げ 破壊 荷 重 が 変化 す る こ と も予 想 され る. 慣 性力 の影 響 に 関 して は,Sorensen7)が 弾 性 支承 上 の半 無限 弾性 板 の 自由縁 に一 定 速 度 を持 つ荷 重 が 作 用 した とき の曲 げ破 壊 荷 重 に 関 す る理 論解 を 導 いて い る.彼 の解 析 に よる と,モ ー メ ン ト耐 荷 力 を一定 とした 場 合,荷 重 の速 度 が大 き くなれ ば な る ほ ど曲 げ破 壊 荷 重 は 大 き くな る.す な わ ち,荷 重 の速 度 が大 きい とい う こ とは 船速 が大 き い こ と に対応 す るか ら,船 速 が 大 き くなれ ばな るほ ど破 壊 成 分 が 大 き くな る こ とが彼 の 理 論解 析 か ら予 想 され る. 船体 の 前 進 に よ る氷 板 下 の水 圧 変 化 の影 響 に関 し て は, 俵 と堀 水8)が 砕 氷 船 の前 進 に よ る氷 板 下 の水 圧 変 動 の 曲 げ 破壊 荷 重 に及 ぼ す影 響 を研 究 して い る.彼 らは2次 元 流 場 計算 に よ り船 体 の前 進 に よる氷 板 下 の水 圧 変 化 を求 め,船 速 が大 きい ほ ど氷 板 下 の水 圧 増 加 が大 きい こ とを示 した. 彼 らは弾 性 支承 上 の 梁理 論 にお け る反 力 増 加 と して,そ の 水圧 増 加 を加 えて 解 析 し,弾 性 支承 上 の片 持 梁 の 最 大荷 重 (破壊 荷 重)を 求 めた.そ の結 果,載 荷 点 か ら見 た 曲 げ モ ー メン トが 最大 とな る点(破 断 点)ま で の距 離 は船 速 が大 き くな る と小 さ くな る と言 う結 果 を得 た.こ れ は砕 氷 片 が船 速 と共 に小 さ くな る とい う こ とを示 し,実 船 及 び模 型 船 で の観 測結 果 と一 致 す る傾 向 で あ る.ま た,モ ー メ ン ト耐 荷 力 を一定 とした と きに,破 壊荷 重 は船 速 が 大 き くな る と大 き くな り,そ れ は船 速 の 二 乗 に比 例 す る とい う計 算 結 果 を 得 て い る. 氷板 の 曲 げ破壊 荷 重 が 船速 とい か な る関 数 関係 を持 つ か は さて お き,少 な く とも船速 増 加 に よ る荷 重速 度 の増 大 に 由来 す る動 的 効果,及 び 氷板 下 の水 圧 の増 大 に よ る反 力 増 加 に よ り,砕 氷 抵 抗 の 破 壊成 分 は船 速 に依 存 す る(船 速 と 共 に増 加 す る)と 考 え るべ きで は ない か と思 われ る. さ らに考 慮 すべ き破壊 成 分 の速 度 依存 性 と して,モ ー メ ン ト耐 荷 力 自体 の速 度依 存 性 が 考 え られ る.こ れ に関 して は相 矛 盾 す る試 験 結 果 が提 出 され て お り,定 説 は無 い が, 近似 的 には モ ー メ ン ト耐 荷 力 は速 度 依存 しな い とす る説 が 多 く,本 論 で は と りあ え ず それ に従 う こ とにす る.し か し な が ら,そ れ を完 全 に肯 定 した わ け で は な く,砕 氷 抵抗 の 破 壊 成 分 の速 度 依 存性 を考 え る上 で今 後 明 確 に しな け れ ば な らな い課 題 で あ る と考 え る. 3. 実 験 的 に 破 壊 成 分 の 速 度 依 存 性 を 検 証 す る た め の 方 針 い ま,あ る氷 厚h=hm,曲 げ 強度 σf=σfm,速 度 v=vm で 行 った平 坦 氷 中 の 砕 氷 抵 抗 試 験 か ら得 た 砕 氷 抵 抗 を Ri と し,そ れ が氷 板 を破 壊 す るの に必 要 な成 分(破 壊 成 分)Rb, 破 壊 され た氷 片 を移 動 させ る の に必 要 な成 分(サ ブ マ ー ジ ョン成 分)Rsと 水 に よ る抵 抗Rω の 和,す な わ ち次 式 で 表 現 され る と仮 定 す る. (5) 同 時 に,同 じ氷 厚,速 度 で破 壊 成 分 を除去 した砕 氷 抵 抗 分 離 試験 を行 っ た とす る と,そ の 試験 で 得 た 抵 抗1R'は 次 式 で あ る と考 え る こ とが で き る. (6) 故 に,氷 厚h=km,曲 げ 強度 σf=σfm,速 度v=vｍ で 行 っ た平 坦 氷 中の 砕 氷 抵抗 試 験 にお け る破 壊 成 分 は,次 式 よ り 求 め る こ とが で きる. (7) 次 に,氷 板 の破 壊 荷 重 が 次 式 の よ うな形 で 記 述 で き る と 仮 定 す る.こ の仮 定 は,モ ー メ ン ト耐 荷 力 を一 定 とす る と, 氷 板 の破 壊 荷 重 に 関 す る これ まで の研 究(例 え ば,Neve19)) か ら,十 分 に合理 的 で あ る と考 え られ る. (8) こ こ に,Fb:氷 板 の破 壊 荷 重 α: 境 界 条件 に よ って 定 まる 定数 一 方,サ ブ マ ー ジ ョン成 分 は次 式 の よ うな 形 で記 述 で き る こ と を仮 定 す る.サ ブマ ー ジ ョン成 分 は氷 片 の受 け る浮 力 に強 く関係 す るか ら,こ の仮 定 も合 理 的 で あ る と考 え ら れ る. (9) こ こに,Fs:氷 片 の 移 動 に必 要 な力 ρig:氷 の 単位 体 積 量 β=境 界 条件 に よ っ て定 ま る定 数 水 と氷 の単 位 体 積 重 量 は一 定 値 と見 な せ る か ら,砕 氷 抵 抗 分離 試 験 に よ って 得 られ た抵 抗R'は 次 式 の よ うに 記 述 で きる. (10) も し,あ る速 度 で行 っ た一 連 の 平 坦氷 中 の砕 氷 抵 抗 試験, 砕 氷 抵 抗 分 離 試験 か ら得 られ たRb,R'が それ ぞれ(8)式, (10)式 を満 足 した と した ら,比 例 定 数 α及 び β'の速 度 依 存 性 を調 査 す る こ とに よ り,破 壊 成 分,サ ブマ ー ジ ョ ン成 分 の速 度 依 存性 を調 査 す る こ とが で きる.そ して,そ の結 果 破 壊 成 分 が船 速 と共 に増 大 す る と した ら,第2章 で述 べ た動 的 効 果 に よる慣 性 力 の 影 響,氷 板 下 の 水 圧 増加 の影 響 に よ る破壊 成 分 の速 度 依存 性 が存 在 す る こ と を間接 的 で は あ るが 証 明 で きる. 4. 模 型 試 験 4.1 TBI 試 験 前 章 で述 べ た方 法 論 は,砕 氷 抵 抗 が 破壊 成 分 とサ ブマ ー ジ ョン成 分+水 の 抵 抗 に 分 離 で きる こ とを 前 提 と して い る.す な わ ち,適 切 な砕 氷 抵 抗 分 離 試験 が行 われ る こ と を 前 提 と して い る.最 も良 く行 わ れ る 砕 氷 抵 抗 分 離 試 験 は Pre-sawn試 験 で あ る.こ の試 験 は あ らか じめ氷 板 をあ るパ タ ー ンで切 っ て お くこ とに よ り,破 壊 成 分 を無 くそ う と の ア イ デ アの 試験 で あ る。 しか しな が ら,実 際 の 試 験 に お け る砕 氷 パ ター ンをPre-sawnに よっ て作 り出 す の は 非 常 に困 難 で あ る。Pre-sawnの パ タ ー ンの 多 少 差 異 が 得 られ る抵 抗 に及 ぼ す影 響 は少 ない と言 う研 究 は あ るが,や は り 実際 の砕 氷 パ タ ー ン と異 な る と言 う こ とは気 に な る こ とで あ る. あ る船 型 で は,砕 氷 船 として は 好 ま しい こ とで はな い か も知 れ な い が,破 壊 され た 氷 片 が 周 囲 の健 全 な氷 板 下 に排 出 され ず,多 少 の乱 れ は生 じ るが ほ ぼ そ の ま ま航 跡 に 浮 か び上 が って くる。 す なわ ち,平 坦 氷 中 の試 験 に よ って 生 じ た砕 氷 パ タ ー ンが ほ ぼ完 全 な 形 で保 存 され てい る。 この ほ ぼ完 全 に残 され た砕 氷 パ ター ンを使 用 で きれ ば理 想 的 な砕 氷 抵 抗 分 離 試 験 が で き るの で はな いか と考 え,Pre-sawn 試 験 に代 わ る砕 氷 抵 抗 分 離 試験 と して以 下 に述 べ る試験 法 を考 案 した. 平 坦 氷 中 の試 験 が 終 了 した後 に,試 験 開 始 位 置 まで後 進 す る こ と に よっ て航 跡 に残 され て い た氷 片 は航 跡 か ら排 除 され て し ま う。 それ 故,基 本 的 な 要請 は平 坦 氷 中 の 試験 に よ っ てで きた砕 氷 パ ター ン を残 す に は どう した ら良 い か と 言 う こ とで あ る。 平 坦 氷 中 の 試験 に よ っ て航 跡 に残 され た 砕 氷 片 は 後進 に よ り航 跡 か ら排 除 さ れ て し ま うの だ か ら, 氷 中 を後 進 しな い よ う にす れ ば航 跡 に残 され た 砕 氷 片 は乱 され る こ とは な い。 よ って,平 坦 氷 中の 試 験 が 終 了 した位 置 で 模 型 船 を空 中 に釣 り上 げ,そ の状 態 で 後 進 す れ ば 良 い. この こ と を多少 の試 行 錯 誤 は あ っ たが,最 終 的 に可能 と す る こ とが で きた。 砕 氷 パ タ ー ンは後 進 終 了 後 の 簡 単 な調 整 に よ りほ ぼ完 全 な形 で 保 存 で き,次 に行 う抵 抗 試験 に供 す る こ とが で きた。 著 者 らは この試 験 を,砕 氷 パ タ ー ンが ほ ぼ 完 全 に使 用 で き る こ とか ら,少 し大 げ さ で は あ るが TrueBrokenIce(TBI)試 験 と銘 名 し て い る。 しか し, このTBI試 験 は,氷 片 が 航 跡 に残 され る と言 う砕 氷 船 とし て は好 ま し くな い船 型 の模 型船 の試 験 に しか 行 えな い こ と は明 か で あ り,汎 用 的 な試 験 法 とは 言 え な い。TBI試 験 は 汎 用 的 試験 法 で は ない が,本 研 究 の 目的 で あ る破 壊 成 分 の 速 度 依 存 性 を検 証 す るた め の 方法 論(第3章)に 対 して は ふ さわ しい 試験 法 で あ る と考 え る. 4.2 模 型 試 験 本 研 究 に用 い た模 型 船 は 中 型砕 氷 船 の1/20の 模 型 で あ る。 本船 の主 要 目 をTable.1に 示 した. 模 型 氷 は,0.75%重 量 濃 度 の 尿 素 水溶 液 を,wetseeding の 技 法 を 用 い て初 期 氷 板 を生成 し,所 定 の 厚 さ まで結 水 さ せ た,い わ ゆ る尿 素 氷 で あ る。1回 の試 験 の 手 順 は次 の通 り で あ る。 す な わ ち,1)曲 げ 強度 の測 定,2)平 坦氷 中 の試 験,3)TBI試 験,4)氷 厚 の 測 定 の順 で あ る。 曲 げ強 度 の 測 定 は片 持 梁法 に よ って 行 っ た。 通 常3回 の 測 定 を行 い, それ らの 単純 平 均 値 を その 試験 に お け る曲 げ 強 度 と した。 一 般にそ れ らの ば らつ き は変 動 係 数 で5∼10%の 間 で あ っ た 。 また,載 荷 方 向 は片持 梁 供 試 体 を押 し下 げ る方 向 を用 い た 。氷 厚 は 航跡 に沿 って1mご とに氷 片 を採取 し,そ れ を ノギ ス に よ り直 接 測 定 し,す べ て の 測定 値 の単 純 平均 値 を その 試験 に お け る氷 厚 と した。 氷 厚 の ば らつ きは 変動 係 数 で3%以 内 で あ った. 模 型 船 の拘 束 条 件 は,ヒ ー ブ及 び ピ ッチ が 自由 で,他 は 拘 束 され て い る. 船 速 はU5mm/s,230mm/s,345mm/sの3種 を用 い た 。 これ らは相 似 則(例 えば,Nevello))に よれ ば,実 船 相 当で そ れ ぞ れ1,2,3ノ ッ トで あ る。あ る船 速 に対 して6∼7 回 の 試験 を行 っ た。 氷 質 は第3章 の(8)式,(10)式 を 意識 して,な るべ くプ ロ ッ トが広 い範 囲 に あ る よ う に調整 した が,時 間 的 制 約 か ら氷 厚 に関 して は22.5mmと30mm付 近 が 多 い. 抵 抗RiとR'は,そ れ ぞ れ の試 験 にお い て,模 型 船 が1 船 長 分氷 板 に貫 入 して か ら,曳 引 車 が減 速 す る直 前 までの 模 型 船 進 行 方 向 に 作 用 す る 力 の 時 刻 歴 の 平 均 値 と定 義 し た. Fig.2∼Fig.4に それ ぞ れ の船 速 に対 す る 」Rbと のk2の プ ロ ッ トを示 した 。Fig.5∼Fig.7に はR'とkの プ ロ ッ トを 示 した. Rbと のk2の プ ロ ッ ト上 に描 か れ て い る直 線 は,原 点 を 通 る とい う拘 束 条 件 を付 け て線 型 回帰 解 析 を施 して求 めた 近 似 直線 で あ る。 少 な か らぬ ば らつ きは あ るが,(8)式 の 関係 が満 足 され て い る と結 論 して も良 い と思 わ れ る. R'とkの プ ロ ッ ト上 の 直線 は,同 模 型 船 を用 い て 計 測 した 平 水 中 の 抵 抗 値 がh=0のR'と な る よ う な拘 束 条 件 を付 け,な お か つ か け離 れ て い る点 を除 外 して 行 っ た線 型 回 帰解 析 に よ り得 た近 似 直 線 で あ る。 この 近 似 直線 の 近 似 度 は 高 い もの とは 言 え な いが,定 性 的 に は(10)式 の関 係 が 満 足 され て い る と考 え て も良 い よ うに思 わ れ る.
砕氷抵抗の破壊成分の速度依存性に関する研究
125 5. 討 論 前 章 で 示 し た よ う に,完 全 と は 言 え な い ま で も,今 回 行 っ た 試 験 の 結 果 は(8)式 及 び(10)式 の 関 係 を 満 足 し て い る。 そ れ 故,第3章 で 述 べ た 方 法 論 に 従 え ばFig.2∼Fig.4 及 びFig.5∼Fig.7に 示 さ れ た 直 線 の 傾 き を 船 速 に 対 し て プ ロ ッ トす る こ と に よ りそ れ ぞ れ の 成 分 の 速 度 依 存 性 を 調 査 で き る。 そ れ を 実 行 し た もの が,(8)式 の α に対 し て は Fig.8に,(10)の β'に 対 し て はFig.9に 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の 図 で は α,β'と も船 速 と共 に 大 き くな る と 言 う 関 係 が 明 瞭 に 示 さ れ て い る 。 近 似 直 線 の 精 度 の 悪 さ を 割 り 引 い た と し て も,そ の 関 係 は 肯 定 的 で あ る 。 す な わ ち,砕Fig. 2 Plots of Rb and 6fh2 for v=115 mm/s
Fig. 3 Plots of Rb and (IA' for v=230 mm/s
Fig. 4 Plots of Rb and cYfe for v =345 mm/s
Fig. 5 Plots of R' and h for v=115 mm/s
Fig. 6 Plots of R' and h for v=230 mm/s
氷 抵 抗 の 破 壊 成 分,サ ブ マ ー ジ ョン成 分 と もに速 度 依 存 性 を持 ち,船 速 と共 に増 大 す る とい う結 論 を 実験 的 に得 た と 考 え る.サ ブマ ー ジ ョ ン成 分 に関 して は氷 片 の慣 性 が 関 係 す る とこ ろか ら,従 来 よ り速 度 依 存 性 は 考慮 され て いた が, 破 壊 成 分 に関 して は第2章 で述 べ た よ うに 考慮 され て い る 例 を ほ とん ど見 る こ とが で き な い.し か しなが ら,こ れ も 第2章 で 述 べ た が,理 論 的 に は速 度 依存 性 が あ り,船 速 と 共 に破 壊 成 分 が増 大 す る と考 えた 方 が 自然 で あ る.本 研 究 に よ り得 た 実験 的 結論 は定 性 的 に はそ の 予測 と合 致 し,正 当 で あ る よ う に思 え る.す なわ ち,実 験 的 に船 速 と共 に増 大 す る とい う破 壊 成 分 の速 度 依 存 性 が 検 証 で きた と考 え る. Fig.8,Fig.9に 示 され た α,β'と船速 の 関係 は線 型 的 で あ る.す な わ ち,破 壊 成 分,サ ブマ ー ジ ョン成 分 は船 速 に対 して線 型 的 に増 大 す る.水 の 抵 抗 の 占 め る割 合 は小 さい か ら,砕 氷 抵 抗 は船 速 に対 し ほ ぼ線 型 的 に増 大 す る とい う実 験 結 果 を得 た こ とを意 味 し て い る.し か しなが ら,そ の よ うに結 論 を下 す の は 早計 で あ る よ うに 思 え る.第2章 で述 べ たSorensenの 研 究,俵 と堀 水 の 研 究 は破 壊 成 分 の 速 度 依存 性 は線 型 で あ る こ とを示 唆 して お らず,さ らに 高次 の 速 度依 存 性 を示 唆 して い る.本 研 究 に お け る模 型 試験 は低 速 域 で しか実 施 して お らず,そ の た め に実 験 結 果 が線 型 的 にな った と考 えた 方 が 良 い よ うで あ る.こ の点 に関 して は 今後 の研 究 課 題 と した い と考 え て い る. 著 者 らは破 壊 成 分 の速 度 依 存 性 を支 配 す る因 子 は,動 的 効 果 に よ る慣 性 力 と船体 の前 進 に よ る氷板 下 の水 圧増 加 の 影 響 で あ る と考 えて い るが,本 研 究 で は 直接 的 に証明 され て い な い.単 に それ らの影 響 と考 え られ る破 壊 成 分 の増 加 が 定性 的 に実 験 結 果 に現 れ て い る に過 ぎな い.そ れ らの因 子 の影 響 を直 接 的 に検 証 す る ため には,本 研 究 で 用 い た縮 尺模 型 で は な く,単 純 な形 状 の 模 型 を 用 いた 実 験 か ら出発 す る必 要 が あ る と思 わ れ る. さ らに,今 後 取 り組 むべ き課 題 と して砕 氷 抵 抗 を構 成 す る諸 成 分 の 細 分 が あ る.小 山 らU)は 砕 氷 抵 抗 を下記 に示 す よう に5種 の 成 分 か ら構 成 され て い る として い る. (11) こ こに,RT: 砕 氷 抵 抗(全 抵 抗) RB: 氷 板 を破 壊 す る こ とに よ る抵抗 成 分 Rv: 氷 片 を運 動 させ る こ とに よる抵 抗 成 分 Rs: 氷 片 の 浮 力 に よる抵 抗 成 分 RM: 船 体 運 動 に よる抵 抗 成 分 Rw: 平 水 中の 抵 抗成 分 こ の小 山 らの砕 氷 抵 抗 を構 成 す る諸 成 分 と本研 究 で 仮 定 した諸 成 分((5)式)を 比 較 す る と,TBI試 験 で は船 体運 動 は非 常 に小 さい の で,次 の よ うに な る と考 え られ る. (12) (13) サ ブマ ー ジ ョ ン成 分R,は 砕 氷 抵 抗 分 離 試 験(小 山 らは Pre-sawn試 験 を行 っ て い る)に よ り測 定 され る もの で あ り,本 研 究 で は 分離 して考 えな か っ た.実 験 的 に それ らを 分 離 す る こ とは 困難 な課 題 で あ り,小 山 らが行 っ た よ うに エ ネ ルギ 的 考 察 か ら理 論 的 にア プ ロ ー チす るの が本 質 的 方 法 で あ る と考 え る.理 論 的 考 察 を よ り現 実 的 な もの にす る た め に は,優 れ た砕 氷 抵 抗 分 離 試験 を行 う必 要が あ る.そ の た め に本 研 究 で はTBI試 験 を考案 し,実 施 した が,残 念 な が らFig.5∼Fig.7に 見 られ る よ う にか な りぼ ら つ きが 大 き いの が 現状 で あ る.今 後 はTBI試 験 に改 良 を加 え,ば らつ きの 少 な い試 験 とす る こ とに よ り,サ ブ マ ー ジ ョ ン成 分 の よ り良 き理 解 に取 り組 み た い と考 えて い る. 我 々 が(7)式 よ り算 定 し た破 壊 成 分Rbは,平 坦 氷 中 の 試 験 とTBI試 験 で の 船体 運 動 が 大 き く異 な るの で,小 山 ら の 考 えて い る諸 成 分 の う ち船体 運 動 に よ る抵 抗 成 分RMを 含 んで い る と考 え られ る.そ して小 山 らは この成 分 が速 度 依 存 性 を持 つ と考 え てい る.我 々の 破 壊成 分 の速 度依 存 性 は この た め か も知 れ ない 可能 性 は あ るが,船 体 運 動 に よ る Fig. 8 Relationship between velocity and coefficient a
in equation ( 8 ) indicating velocity dependence of breaking component
Fig. 9 Relationship between velocity and coefficient 9' in equation (10) indicating velocity dependence of submersion component
砕氷抵抗 の破壊成 分の速度依存性 に関する研究
127 抵抗 成 分 の構 成 比 率 は決 して 大 き くは な い か ら,や は り 我々 の実 験 結果 は氷 板 を破壊 す るの に必 要 な成 分((11)式 のRB)が 速 度依 存 す る こ とを 示 してい る と考 え られ る.し か しなが ら,破 壊 成 分 の速 度 依 存 性 を さ らに詳 細 に議論 す るた め には,船 体 運 動 に よる抵 抗 成 分 の分 離 が 不 可 欠 で あ る と考 え られ る. 蛇足 で あ る か も知 れ な いが,低 速域 で あ る とい う条件 を 付 け る と,本 研 究 の結 果 か ら,す なわ ち,Fig.8及 びFig.9 に描か れ て い る関 係 を数 式 化 す る と,次 の よ うな 実験 式 が 与 え られ る. Re=(0.57十1.275v)σfh2十(50+105v)h+Rω(14) こ こで,そ れ ぞれ の単 位 はN及 びmに 立 脚 して い る. この 実験 式 の 近 似度 を検 証 す るた め に,(14)式 に それ ぞ れ の模 型試 験 時 の 条件(氷 厚,曲 げ強 度,船 速)を 代 入 し て算 定 したReと それ ぞれ の模 型 試 験 で 測 定 され た 砕 氷 抵 抗Rを 比 較 した もの がFig.10に 示 され て い る.た だ し,平 水 中の抵 抗Rω は 平水 中の 抵 抗 試験 よ り得 た値,す な わ ち Fig.9の ｙ切 辺 の値,を 用 い た.こ の図 よ り実験 式 は模 型 試 験で 測定 され た砕 氷 抵 抗 を近似 で きて い る と結論 で き る. 6. あ と が き 著者 らは長 年,構 造 物 に作 用 す る氷 荷 重 の研 究 に従 事 し て きた.そ こで は氷 板 の 曲 げ破 壊 荷 重 の速 度依 存 性 はい わ ば常識 で あ り,第2章 で 紹 介 したSorensenの 解 析 が そ の 理 論 的根 拠 と して受 け入 れ られ て きた.砕 氷 船 の砕 氷 抵 抗 の研 究 に着 手 した際 に,氷 板 の 曲 げ破 壊荷 重 に深 く関 係 す る砕 氷 抵 抗 の破 壊 成 分 が 速度 に依 存 しな い と論 ず る多 くの 文献 に接 し,納 得 の行 か な い もの を感 じて い た.Sorensen の解 析 に加 えて,俵 と堀 水 の研 究 を知 るに及 んで,や は り 砕 氷 成 分 は 速 度 に依 存 す べ きで は な い か と考 え る に 至 っ た.こ れ が 本研 究 の動 機 で あ り,偶 然 に も破 壊 され た氷 片 が ほぼ そ の ま ま航 跡 に残 され る と言 う船 型 の模 型船 を入 手 で き,IHIの 氷 海水 槽 で は困 難 で あ っ た砕 氷 抵 抗 分 離 試 験 を実施 で きる こ とに な った こ とが本 研 究 の 契機 で あ る. 著 者 らは,本 研 究 に よ り砕 氷 抵 抗 の 破 壊 成 分 が速 度 に依 存 す る こ とを実 験 的 に示 し得 た と考 え てい るが,一 方,一 抹 の 不 安 もあ る.論 理 的 に は小 山 らが 仮 定 した よ うに砕 氷 抵 抗 の成 分 を5種 に分 け る方 が合 理 的 で あ り,我 々 の破 壊 成 分 に は破 壊 成 分 以 外 の 成 分 が含 まれ てお り,そ して それ が速 度 に依 存 す る と予 想 され る点 で あ る.そ の成 分 の 砕 氷 抵 抗 全体 に お け る構 成比 率 は大 き くは ない と予想 され る も の の,定 量 的 に は不 明 で あ る.実 験 的 には,本 研 究 で 得 ら れ た速 度 依 存 性 がIHI氷 海 水 槽 の特 性,す な わ ち,模 型 氷 の性 質 や計 測 シ ステ ム に 由来 す る もの で は な い か と言 う点 で あ る. 著 者 らは,本 論 文 を問題 提 起 と考 えて い る.本 論 文 は 定 性 的 に 破 壊 成 分 の 速 度 依 存 性 の存 在 を示 した もの に過 ぎ ず,定 量 的 に は未 解 明 の課 題 も多 い.破 壊 成 分 の速 度 依存 性 の要 因 は,動 的 効 果 に よ る慣 性 力 の 影響 と船 体 の 前 進 に よる氷 板 下 の 水 圧 増加 で あ る こと は間 違 い な い よ う に思 わ れ る が,そ れ らの 内 どち らが 主 か とい う課 題 に関 して は 全 く未 知 で あ る.実 験 的 に は それ らの 影響 を分 離 す るの は 困 難 で あ り,理 論 的 あ る い は数 値 解 析 的 手法 を用 い るべ きで は な いか と考 えて い る. 最 後 に,本 論 文 を契 機 に,砕 氷 成 分 が速 度 依 存 性 を持 つ とい う観 点 か ら,他 の経 験 豊 か な 氷 海水 槽 に おい て追 試験 あ る い は既 存 の デ ー タ の見 直 しが行 わ れ,砕 氷 抵 抗 の諸 成 分 の 理 解 に向 け た議 論 が 巻 き起 こる こ とを望 む. 参 考 文 献1)
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Fig. 10 Comparision between experimental iceresis-tance and ice resisresis-tance calculated from empir-ical equation (equation (11) )
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-52
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