1.はじめに
最低賃金の水準が雇用に及ぼす影響 は、社会的にも関心が深く論争的なテー マである。例えば、民主党政権マニフェ スト2009の各論では、最低賃金の原則を
「労働者とその家族を支える生計費」と して全国最低賃金を800円に設定し、景 気状況に配慮して1,000円を目指すとし ている。そして政策目的を「まじめに働 いている人が生計を立てられるように し、ワーキングプアーからの脱却を支援 する」として脚光を浴びた。民主党政権 では、成長戦略の目標として「実質成長 率2%、名目成長率3%」と設定した。
2012年の選挙を経て自民政党政権は、
デフレマインドを一掃するための「大胆 な金融政策」、「湿った経済を発火させる ための機動的な財政政策」、そして「成 長戦略」の三つの矢によって構成される 政策を公表した。ここで第三の成長戦略 の役割は、企業経営者や国民一人ひとり
の自信を回復し、「期待」を「行動」へ と変えていくことにある。最低賃金との 関連では、経済再生・デフレ脱却を目指 す「日本再興戦略」(2013年)において、
「全ての所得層での賃金上昇と企業収益 向上の好循環を実現できるよう、今後の 経済運営を見据え、最低賃金の引き上げ に努める。その際、中小規模・小規模事 業者の生産性向上等のための支援を拡充 する」として、持続的な経済成長に向け て最低賃金の引き上げのための環境整備 を図るとしている。
他方、日本の相対的貧困率が2012年 で16.1%と21世紀初頭から高まり続け、
OECD諸国の中でも高い水準にあるこ と、男女とも20~24歳をピークに子供貧 困率が高まっていること、若年層の非正 規就業者が増加していること等から、貧 困対策としての最低賃金の引き上げは社 会の同意が得やすい状況にある。法的に 強制力を有する最低賃金を高く設定すれ ば賃金は上昇し、政府の多額の財政支出 1.はじめに
2.最低賃金の経済分析と制度 ⑴ 最低賃金の経済分析
⑵ 最低賃金制度の主旨・目的と生活 保護
⑶ 地域別最低賃金の推移
3.最低賃金の地域に与える影響 ⑴ 最低賃金上昇の労働者に与える影響 ⑵ 地域別最低賃金と平均賃金との乖
離状況
⑶ 地域別最低賃金と賃金分布 ⑷ 最低賃金周辺の雇用労働と地域経済 4.まとめ
最低賃金のもたらす地域経済への影響
The Impact of the Minimum Wage on Regional Economy
野 崎 四 郎
Shiro Nozaki
を伴わなくても労働者の生活は豊かで安 定することが可能となる。しかし、グロー バル化した経済では、国内の低い生産性 を有する中小企業や地域の産業部門に、
最低賃金の引き上げがジリジリと打撃を 与えることになる。
ここでは、最低賃金の地域経済にもた らす影響について考えたい。
2.最低賃金の経済分析と制度
⑴ 最低賃金の経済分析
労働市場を分析する基本的枠組みは、
労働の売り手行動を表す需要曲線と買い 手行動を表す供給曲線、それに賃金に よって構成される。
最低賃金をめぐる経済分析には、下記 の(ⅰ)~(ⅲ)も含めて数多くのモデル が検討されているが、ここでは(ⅰ)の 完全競争モデルを用いて説明する。
(ⅰ)労働市場が完全競争の場合
この場合は、均衡賃金以上に最低賃金 を設定すれば、企業の労働需要の減少を 招き、雇用量は減少する。
(ⅱ)最低賃金近傍に需要が生じた場合 最適賃金近傍に労働需要が生じた場合
で、その形態は地域企業の生産性や地域 の雇用環境によって異なる。
(ⅲ)その他
買い手独占モデル、効率賃金モデル、
人的資源モデル等(鶴光太郎
(6)を参照)
の場合である。
完全競争モデルでは、ア.賃金の増加 に応じて労働需要が減少する、イ.賃金 の増加に応じて労働力が増加する、の2 つを仮定する。
労働市場は図1に示すように横軸に供 給量、縦軸に賃金をとり、供給曲線は賃 金が高くなれば多くの労働力が市場に参 加するため右上がりの曲線となり、労働 需要曲線は賃金が低下すると企業は多数 の労働力を雇用することが可能となるた め右下がり曲線となる。そのため、需要 と供給が自動的に一致する労働量 L*と 均衡賃金W *で均衡点E *で決定される ことになる。ここで、賃金がW
1まで上 昇すると、労働供給量はLSとなり、企 業が必要とする労働供給はLDとなるた め、失業(超過供給)が発生し賃金が低 下することになる。逆に賃金がW
0まで 低下すると労働の超過需要が生じるため 賃金は上昇する。このように、競争市場
準
水 金 賃
需要曲線 供給曲線
E
*労働量
①
0
超過需要 失業(超過供給)
最低賃金
均衡賃金
②
W*W1
LD L* LS W0
図1 完全競争モデル
金 賃
①最低賃金引上げ 量
用 雇
金 賃 低 最
②低賃金雇用
②低賃金雇用 の喪失 の喪失
図2 賃金分布 (完全競争の場合)
では、労働の需要と供給は賃金水準によ り自動的に調節され、L*とW *で安定的
なE *点で均衡することになる。
さて、最低賃金を政府が強制的にW
1に設定したとする。そうすると図1、図 2に示しているように、①のルートによ り均衡賃金のW *から最低賃金がW1ま で引き上げられることにより雇用量が減 少し、②のルートで低賃金雇用の喪失を もたらすことになる。逆に、最低賃金が W0に設定されても均衡賃金がそれより
に設定されても均衡賃金がそれより
高いW *にあるためこの政策は有効では
ない。
以上のことから、市場が完全競争を前 提にした場合には、図2の賃金分布に示さ れるように最低賃金の上昇は低賃金労働者 の失業をもたらす、との結論に達する。
しかしながら、最低賃金の上昇は必ず しも雇用量の喪失をもたらすものではな く、むしろ、雇用を増やした場合の可能 性もあるのではないか、とする完全競争 モデルとは逆の結論も指摘される。最低 賃金に適切な政策手段を組み合わせるこ とにより生産性の向上をもたらし、雇用 量は増大する可能性もありうるのではな いかということである。(ⅱ)の場合が
今回検討する場合であり、最低賃金を引 き上げた時にスパイクあるいはスピル オーバー効果と呼ばれる労働需要によっ て図3-2に示すような喪失した労働力 以上に新たな雇用が発生するかという問 題である。
⑵ 最低賃金制度の主旨・目的と生活 保護
最低賃金制度とは、国が法的強制力を もって賃金の最低額を決め、使用者に対 してその金額未満の賃金で労働者を雇用 することを禁止する制度をいい、短時間 労働者を含むすべての労働者とその使用 者に適用される。1959年に公布された最 低賃金法第一条では、最低賃金の目的を
「この法律は、賃金の低廉な労働者につ いて、賃金の最低額を保障することによ り、労働条件の改善を図り、もって、労 働者の生活の安定、労働力の質的向上及 び事業の公正な競争の確保に資するとと もに、国民経済の健全な発展に寄与する ことを目的とする。」と規定している。
すなわち、労働条件の改善を図ることに よって、労働者の生活の安定を図りつつ、
労働の質の向上や生産活動の公正な競争
金 賃 量
用 雇
金 賃 低 最
金 賃 最低賃金
量 用 雇
図3-1 最低賃金近傍に需要が 生じた場合
図3-2 最低賃金近傍に需要が
大きく生じた場合
の確保により経済の着実な発展を意図し た制度である。
最低賃金には、産業に係わりなく地域 内のすべての労働者に適用される都道府 県の地域別最低賃金と、特定の産業(例:
電気機械器具、製造業、自動車小売業な ど)で働く労働者に適用される特定最低 賃金の2通りの最低賃金がある。後者は、
沖縄に適用される企業が少ないという産 業構造の観点と、そもそも全国的に議論 の余地があることからここでは地域別最 低賃金を検討対象とする。
最低賃金制度は1976年には全都道府県 で施行されるようになったが、地域別最 低賃金が生活保護水準を下回る地域があ ることや世帯主が非正規雇用者である二 人以上の世帯数が大幅に増加したこと、
日本の相対的貧困率がOECD諸国でも高 い水準にあること、それに最低賃金が先 進諸国で低水準にあることも重なり、貧 困問題の解消法として最低賃金制度は衆 目を集めることとなった。
このようなことから、前述の最低賃金 法は、2007年に改正され、2008年の7月 1日から施行された。地域別最低賃金の 原則として①労働者の生計費、②労働者 の賃金、③通常の事業の賃金支払能力の 3つの要素を考慮して決定または改定さ れることになっており、①を考慮するに 当たっては、労働者が健康で文化的な最 低限度の生活を営むことができるよう、
生活保護に係る施策との整合性に配慮す るものとされている。
具体的には、最低賃金が生活保護水準 を下回る「逆転現象」を2012年までに解 消することを目指して、次の2つの概念 値を比較検討して最低賃金の設定を行な うこととなった。次式は、平成26年度中
央最低賃金審議会目安に関する小委員会
(第2回)に使用された生活保護と最低 賃金である。
① 生活保護=生活扶助基準+住宅扶助 生活扶助基準は、12~19歳で単身者が 受け取る1類費+2類費+期末一時扶助費 の人口加重平均で、住宅扶助は都道府県住 宅扶助実績値となっている。生活保護デー タは平成24年度実績を使用している。
② 最低賃金労働者の手取り月収=最低 賃金額×173.8 (標準的な月労働時間)
×0.844
0.844は 時 間 額652円 で 月173.8時 間 働 いた場合の税・社会保険料などを考慮し た可処分所得の総所得に対する比率で、
最低賃金は平成25年度設定値である。
審議プロセスは、中央最低賃金審議会 が地域経済の実態と生活保護との整合性 を保持した「目安」を作成し、それをも とに地方の最低賃金審議会の調査審議を 経て各都道府県の労働局長が決定、また は改定することになっている。
最低賃金改正後の目安制度の特記事項 は下記のようになっている。
目安制度の答申文における特記事項
2008年度:最低賃金法改正の主旨を踏ま え、一定の前提の下での生活保 護と最低賃金の比較を行なう 2009年度:アメリカの金融危機を発端と した世界同時不況により、我 が国の経済・企業・雇用動向 等は、著しく悪化している 2010年度~2012年度:
雇用戦略対話合意について
は、できる限り早期に全国最
低800円を確保。経済成長・
中小企業の生産性、中小企業 支援策に配慮
2013年度:「経済財政運営と改革の基本 方針」及び「日本再興戦略」
に配慮
2014年度:「経済財政運営と改革の基本 方針2014」及び「『日本再興戦 略』改定2014」に特段の配慮
⑶ 地域別最低賃金の推移
最低賃金制度がスタートした時から、
地域の経済状況によって都道府県はA~
Dの4つのランクに分類しており、2014 年10月には最も賃金の高いAランクが5 地域、次に高いのがBランクで11地域、
比較的賃金の低いCランクが14地域、さ らに低いDランクが17地域の構成となっ ている。なお、全国とは全国加重平均値 を指しており、雇用者が多く賃金が高い 都市部の影響を受けることに留意する必 要がある。
次頁の表1は、ランク毎に2地域を選 んだランク別最低賃金推移と、全国を 100とした場合の推移を示したもので、
1990年から2006年にかけてを前半、最低 賃金法が改正された2007年以後を後半と して区分される。
前半の地域別最低賃金は、1990年代前 半、後半、2000年代前半の3つのクラス ターで構成され、経済の鈍化により徐々 に伸び率が低下しておりランク間で差は あるものの、ランク内ではさほど差が生 じてはいない。全体的に全国に対する割 合はほぼ一定しており、この間、最低賃 金は女性一般労働者の上昇率とほぼ同水 準である。1986年代から男女同一賃金等 を骨子とする男女雇用均等法が実施され
たことから、60%以上もある男女間賃金 格差を是正するため女性の賃上げを積極 的に実施しており、最低賃金の「目安」
水準は、そのことも配慮したと考えられ る。
そのような中で所得再分配後のジニ係 数が徐々に高まったこと、最低賃金が生 活保護水準を下回ったことなどから、最 低賃金の本来的な意義が問われ、「逆転 現象」の解消を図るために2007年には14 円の大幅な引き上げとなった。以後、大 幅な引き上げが継続されている。
「逆転現象」の経済的背景として日本 で長く続くデフレや金融危機、労働分配 率の低下等により2000年前半から最低賃 金の伸びが1%以下の水準が続いたこと や地域の高齢化、若者の地域から都市へ の流出が持続し、停滞したC、Dランク で構成される地域部とA、Bランクの都 市部との間で経済成長力に差が生じるよ うになったことが挙げられる。
後半の2007年以降、全国の最低賃金の 年平均伸び率は1.9%、東京が2.7%、大 阪2.1%と高く設定されており、沖縄や 長崎等は1.3%と低い水準である。生活 保護を構成する住宅扶助は地域部よりも 都市部が高いため、逆転現象を解消する には都市部の賃金を上げざる得ないこと も重なりAランクはDランクに比し、年 率で2倍の伸びとなったもので、ランク 間の乖離も明めいりょう瞭 になった。また、最低賃 金上昇の余地がある東京等都市部の上昇 幅が次第に大きくなり地域部との格差が 開く傾向にあること、すなわち雇用状況 が良好な地域ほど最低賃金引き上げが生 じやすいとする最低賃金政策の内生性が 指摘されるようになったのである。
それでも、2011年の「目安資料」(厚
地域別最低賃金の年平均伸び率
(単位:%)
年 1995/1900 2000/1995 2006/2000 2014/2006
全 国 3.44 1.52 0.35 1.86
東 京 3.47 1.58 0.38 2.67
大 阪 3.45 1.53 0.31 2.06
京 都 3.44 1.52 0.32 1.76
富 山 3.39 1.54 0.31 1.39
北海道 4.42 1.55 0.29 1.89
新 潟 3.37 1.58 0.29 1.24
長 崎 3.43 1.61 0.30 1.29
沖 縄 3.43 1.61 0.28 1.31
資料:表1に同じ。
一般労働者賃金の年平均伸び率
(単位:%)
年 1995/1900 2000/1995 2006/2000 2014/2006 一般労働者賃金 2.72 0.74 -0.02 -0.09
うち男 2.58 0.41 0.04 -0.30
うち女 3.34 1.36 0.15 0.84
資料:「賃金構造基本統計調査」厚生労働省より作成。
表1 地域別最低賃金額の推移
(時間額:円)
年 1990 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 ランク 全 国 516 611 659 668 673 687 703 713 730 737 749 764 780 東 京 548 650 703 714 719 739 766 791 821 837 850 869 888 A 大 阪 547 648 699 708 712 731 748 762 779 786 800 819 838 A 京 都 527 624 673 682 686 700 717 729 749 751 759 773 789 B 富 山 502 593 640 648 652 666 677 679 691 692 700 712 728 B 北海道 472 586 633 641 644 654 667 678 691 705 719 734 748 C 新 潟 499 589 637 645 648 657 669 669 681 683 689 701 715 C 長 崎 468 554 600 608 611 619 628 629 642 646 653 664 677 D 沖 縄 468 554 600 608 610 618 627 629 642 645 653 664 677 D
(構成比:%)
年 1990 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 ランク 全 国 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 東 京 106.2 106.4 106.7 106.9 106.8 107.6 109.0 110.9 112.5 113.6 113.5 113.7 113.8 A 大 阪 106.0 106.1 106.1 106.0 105.8 106.4 106.4 106.9 106.7 106.6 106.8 107.2 107.4 A 京 都 102.1 102.1 102.1 102.1 101.9 101.9 102.0 102.2 102.6 101.9 101.3 101.2 101.2 B 富 山 97.3 97.1 97.1 97.0 96.9 96.9 96.3 95.2 94.7 93.9 93.5 93.2 93.3 B 北海道 91.5 95.9 96.1 96.0 95.7 95.2 94.9 95.1 94.7 95.7 96.0 96.1 95.9 C 新 潟 96.7 96.4 96.7 96.6 96.3 95.6 95.2 93.8 93.3 92.7 92.0 91.8 91.7 C 長 崎 90.7 90.7 91.0 91.0 90.8 90.1 89.3 88.2 87.9 87.7 87.2 86.9 86.8 D 沖 縄 90.7 90.7 91.0 91.0 90.6 90.0 89.2 88.2 87.9 87.5 87.2 86.9 86.8 D
資料:厚生労働省、各都道府県労働局より作成。
生労働省)では、12の地域が生活保護水 準を下回る状況にあり、「逆転現象」の 解消には至っていないことから2014年に はすべての地方最低賃金委員会で13円以 上の引き上げが答申され、生活保護水準 との乖離が初めて解消される見込みと なった。
Dランクの沖縄の最低賃金は1990年の 468円から、2014年の677円と伸びは緩や かであり、全国とは当初48円の差があっ たが、2014年には103円と急速に拡がっ ている。最も高い東京都との対比をみる と1990年から2006年まではほぼ85%で安 定していたが、2014年には76%まで低下 している。前述の②式を用い(10p参照)
最低賃金でフルタイムで働いたと仮定し て年収に換算すると、2006年では東京が およそ130万円、沖縄110万円、2014年で は東京156万円、沖縄119万円とおよそ40 万円もの乖離が生じるようになった。
3.最低賃金の地域に与える影響
⑴ 最低賃金上昇の労働者に与える影 響
次に地域別最低賃金の上昇率が労働力 にどれだけの影響を与えるのか、また、
当面の目安とみられる800円の到達可能 性等について静学的に検討する。
厚生労働省のホームページでは、「目 安」に関する小委員会報告の資料に賃金 分布グラフは示されているが、具体的な 賃金分布に関する統計量が示されていな いために、明確な賃金分布は把握できな い。幸いなことに、「最低賃金の引き上 げによる雇用等への影響に関する理論と 分析」(2011年5月)に具体的な統計分 布が記載されており、その資料にもとづ
き分析を行うこととする。ここでの最低 賃金は2008年改訂後の数値が使用されて おり、実質的な影響は翌年に発生するた め2009年版『賃金構造基本統計調査』の 個票を用いて影響をみたものである。
表2で示すように、全国の場合、一般 労働者の最低賃金703円に達しない、い わゆる最低賃金未満の労働者の占める割 合は0.91%となっている。それに対し、
最低賃金に5%を上乗せした(最低賃 金×1.05=739円)労働者割合が1.61%、
最低賃金に1割上乗せした水準未満の割 合が2.44%(774円)、800円を上回る1 割5分上乗せした水準(810円)で3.6%
未満となる。
最低賃金水準が800円を超える地域は、
この時点で東京の最低賃金が5%上昇し た場合と大阪の賃金が10%上昇した場合 が該当し、一般労働者に占める未満割合 はそれぞれ0.84%、2.01%と低い。
その後の実績をみると東京は2010年に 800円を21円上回っており、 2014年の答申 状況では800円を超えるのは東京(888)、
神奈川(887)、大阪(838)、埼玉(802)、
愛知(800)の5地域となっている。全 国加重平均も780円と800円に手が届く水 準まで最低賃金は引き上げられた。
沖縄の場合は、最低賃金627円に届かな い労働者が2.48%と全国で最も多く、5%
賃上げした658円未満の労働者が5.05%お り、10%賃上げ後(690円) 、15%賃上げ 後(721円)の場合には、それぞれ7.54%、
10.27%と高い水準となっている。賃金上 昇に手が届かない労働者は、失業の可能 性が高い労働者として残ることになる。
2014年の沖縄の最低水準は677円であ
り、生活保護水準との乖離は解消されて
いる。しかし、最低賃金の上昇が始まっ
た2007年からの伸びが年率1.3%と低く、
800円の水準を達成するのは、当面、困 難と思慮される。同様なことは新潟や長 崎をはじめとする多くのC、Dランク地 域で共通にいえることである。
さらに短時間労働者の賃金分布をみる と、最低賃金未満の割合は全国やAラン ク、Bランクの地域で1~3%台である が、北海道や長崎、沖縄で5~8%台と 高い。さらに賃金を5%上乗せすると、
3地域にはおよそ20~25%、10%の上乗 せで30%~36%を超える最低賃金未満労 働者が生ずるという強い影響が残ること となる。
以上にみられるように、最低賃金上昇 の影響は地域によってその度合は異なる
が、特に短時間労働者や一部の地域では 地域賃金を決定する要因となっているの は明確であり、早急な賃上げは短時間労 働者の雇用喪失につながりかねず、賃上 げには慎重な検討が必要であることが指 摘される。
⑵ 地域別最低賃金と平均賃金との乖 離状況
2008年の東京、大阪等の大都市で働く 一般労働者の最低賃金と平均賃金の差
(乖離額)は1,000円を超えており、最低 賃金を平均賃金で除したカイツ指標も 0.3台となっている。それに対してCラ ンクやDランク地域の平均賃金との乖離 額は900円以内と相対的に小さく、カイ 表2 地域別低賃金労働者の分布状況(2009年)
一般労働者
最低賃金額未満 最低賃金額の5%未満 最低賃金額の10%未満 最低賃金額の15%未満 労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
全 国 195,032 0.91 346,658 1.61 525,220 2.44 773,774 3.60
東 京 20,231 0.56 30,448 0.84 40,346 1.12 55,266 1.53
大 阪 11,479 0.82 17,877 1.28 28,100 2.01 41,524 2.96
京 都 5,073 1.35 9,417 2.51 13.224 3.53 17.872 4.77
富 山 2,034 0.97 3,376 1.61 4,647 2.21 6,985 3.32
北海道 15,735 1.77 31,927 3.60 54,329 6.12 74,903 8.43
新 潟 4,165 0.93 8,208 1.83 12,531 2.79 19,224 4.29
長 崎 4,041 1.90 9,411 4.42 12,758 6.00 17,547 8.25
沖 縄 5,008 2.48 10,206 5.05 15,428 7.64 20,759 10.27
短時間労働者
最低賃金額未満 最低賃金額の5%未満 最低賃金額の10%未満 最低賃金額の15%未満 労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
労働者数
(人)
全体に占め る割合(%)
全 国 217,619 3.38 638,832 9.91 1,102,887 17.11 1,800,039 27.93
東 京 21,520 2.90 47,883 6.45 77,717 10.48 141,719 19.10
大 阪 15,508 3.57 50,836 11.72 104,097 24.00 152,115 35.07
京 都 3,963 3.15 14.283 11.34 22,521 17.88 37,151 29.49
富 山 828 1.65 3,084 6.15 6,228 12.42 12,398 24.71
北海道 24,198 8.43 71,175 24.81 100,204 34.93 129,103 45.00
新 潟 3,693 2.89 13,184 10.31 21,905 17.13 34,889 27.29
長 崎 3,999 5.79 13,089 18.94 20,610 29.82 29,914 43.29
沖 縄 4,179 7.05 15,287 25.80 21,468 36.23 29,885 50.44
資料:「最低賃金制度の引上げによる雇用等への影響に関する理論と分析」(JILPT資料シリーズNo.90)
2011年5月 独立行政法人 労働政策研究・研修機構にもとづき作成。
ツ指標は0.4を超えている。つまり、平 均賃金と最低賃金の乖離幅が大きくカイ ツ指標が小さいために最低賃金の上昇に よる影響を受けにくい都市部と、逆に平 均賃金との乖離幅が小さいためカイツ指 標が大きく、最低賃金の影響を受けやす い地域部に分けられる。
沖縄の最低賃金と平均賃金の差乖離額 をみると、一般労働者の場合が671円と 全国で最も低く、カイツ指標は0.483と 最も高くなっている。このことは沖縄の 平均賃金が最低賃金水準に直接影響を受 けていることを示す。
短時間労働者の一般的な特徴として、
平均賃金と最低賃金の乖離が小さいため カイツ指標が高くなり、最低賃金の影響 を受けやすい点があげられる。沖縄の場 合は、短時間労働者の平均賃金が810円、
最低賃金との乖離額が183円と全国で最 も低く、カイツ指標は0.774と最も高い。
一般的にCランク、Dランク地域のカイ ツ指標は高く、短時間労働者の賃金は最 低賃金水準によって下支えされている状 況がわかる(表3)。
⑶ 地域別最低賃金と賃金分布 次に、一般労働者と短時間労働者の時 間当たり賃金分布に最低賃金を記入し、
その影響を検討する。47都道府県の中か ら対照的な東京と沖縄の最低賃金近傍の 分布図を示したもので、たて軸は雇用量 を横軸は所定内・時間当たりの賃金を示 したものである。
① 2009年の賃金分布
図4(賃金分布⑴~⑵)は、2009年の 東京と沖縄の一般労働者と短時間労働者 の所定内・時間当たり最低賃金の分布に 2008年度の最低賃金を記載したもので、
500円未満及び1,500円以上の賃金は省略 してある。最低賃金の左側が最低賃金額 未満の賃金が支給されている労働者であ り、右側は最低賃金が設定された後の賃 金分布を示す。
東京の一般労働者をみると最低賃金 766円の近傍には賃金の山はみられず、
賃金が1,300円台まで右肩上がりで伸び ており、その後は大きく減少することな く推移している。Aランクの東京に限ら ず、B~Cランクの多くの地域でも最低
表3 地域別最低賃金額と平均賃金との乖離状況
一般労働者 短時間労働者
最低賃金 平均賃金 額(円)
乖離額
(円)
乖離率
(%) カイツ指標 平均賃金 額(円)
乖離額
(円)
乖離率
(%) カイツ指標 ランク
全 国 704 1,786 1,082 1.536 0.394 993 288 0.409 0.710
東 京 766 2,302 1,536 2.005 0.333 1,148 382 0.499 0.667 A
大 阪 748 1,932 1,184 1.582 0.387 1,049 301 0.402 0.713 A
京 都 717 1,774 1,057 1.474 0.404 1,055 338 0.471 0.680 B
富 山 677 1,573 896 1.324 0.430 947 270 0.398 0.715 B
北海道 667 1,523 856 1.283 0.438 886 219 0.328 0.753 C
新 潟 669 1,516 847 1.267 0.441 919 250 0.374 0.728 C
長 崎 628 1,451 823 1.311 0.433 829 201 0.320 0.758 D
沖 縄 627 1,298 671 1.070 0.483 810 183 0.292 0.774 D
注1)乖離率=(平均賃金額-地域別最低賃金)/ 地域別最低賃金 注2)カイツ指標=地域別最低賃金 / 地域別平均賃金額
資料:表2に同じ。
賃金の近くに明確な山はみられず、最低 賃金の上昇が雇用に与える影響は限定的 である。
他方、沖縄の場合は最低賃金627円近 傍から右方はのこぎり刃の形を示し、
900円~1,000円をピークに右下がりに低 下しており、東京とは対照的な分布と なっている。ここには記載していないが 北海道、長崎等でも沖縄と同様に、最低 賃金が労働者の雇用を支える効果、換言 すると最低賃金以下の労働者を切り捨て る役目を荷っていることがわかる。
次に短時間労働者をみると、東京の場 合は800円、900円、1,000円と100円区切 りで山がみられること、その部分を除 くと最低賃金766円から次第に上昇して 850円~1,000円台をピークにその後は緩 やかに低減していること、の2点が特徴 として挙げられる。概して東京や愛知、
大阪など大都市を擁するAランク地域で は、最低賃金が賃金分布にさほど影響を 与えていないといえよう。
沖縄の場合は、最低賃金が雇用水準の 大きな壁として張り付いており650円、
700円に山がみられるが、賃金の上昇と 共に雇用者が漸減している。このような 分布は、Aランクを除く地域でも同様な 形態がみられ、カイツ指標が高いことか らも推察できるように最低賃金が短時間 労働者の雇用水準を決定している状態に ある。
② 異時点間賃金分布
図4(賃金分布⑶~⑷)は一般労働 者と短時間労働者の賃金分布を2005年と 2012年の異時点間で比較したものである。
ま ず、 東 京 の 一 般 労 働 者 の 場 合 は、
2005年から2012年にかけて最低賃金が沖 縄の3倍(136円)の上乗せがあったに
も拘らず、1,500円まで右肩上がりで上 昇する分布図はこれまでと変わらない。
しかし、短時間労働者の場合は、これ までは正規分布に近い形であったのが、
2012年にはこれまでみられなかった雇用 の壁が生ずるようになっている。
次に、沖縄の一般労働者について2005 年の最低賃金をみると、608円を基点に 700円まで第1の壁、次いで900円辺りに 第2の壁があり、それ以上の賃金では漸 減しているのがわかる。しかし、7年後 の2012年には600円~650円の賃金労働者 を吸収あるいは解雇し、最低賃金653円 を基点にピークが950円辺りまで高まっ ていることがわかる。2012年の最低賃金 近傍は2005年に比し雇用の厚みが増して おり、全体的に賃金が底上げされている と言えよう。短時間労働者の場合は最低 賃金がピークとなっており、そこから賃 金が上昇するに従い、急激に労働者が減 少する分布はこの7年間で変わらない。
沖縄あるいはDクラスの地域に顕著に みられるように、最低賃金の上昇に伴い 最低賃金以下の低賃金雇用量は消滅する が、引き上げられた最低賃金のすぐ右近 傍に賃金上昇により生じたとみられる山 がみられる。その部分が新たな雇用創出 量であり、最低賃金上昇による「スパイ ク」あるいは「スピルオーバー効果」と いわれるものである。この「スパイク」
が注目されるのは、賃上げにより以前か
らあった最低賃金の近傍にあるすべての
雇用が消滅したわけではなく、また、す
べての賃金が上積みされて雇用が継続さ
れたともいえない点にある。
東京(2009 年)
東京(2009 年)
沖縄(2009 年)
沖縄(2009 年)
図4 賃金分布(1)一般労働者
(2)短時間労働者 最低賃金(766円)
最低賃金(766円)
最低賃金(627円)
最低賃金(627円)
注:グラフ内記載額は、2008 年度の最低賃金額である。
資料出所:「2009 年賃金構造基本統計調査特別集計」厚生労働省 HP
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
766円
766円
627円
627円
人数(人)人数(人) 人数(人)人数(人)
500
500
500
500 600
600
600
600 700
700
700
700 800
800
800
800 900
900
900
900 1,000
1,000
1,000
1,000 1,100
1,100
1,100
1,100 1,200
1,200
1,200
1,200 1,300
1,300
1,300
1,300 1,400
1,400
1,400
1,400 1,500円
1,500円
1,500円
1,500円 賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
一般労働者(東京 2006 年)
短時間労働者(東京 2006 年)
一般労働者(東京 2014 年)
短時間労働者(東京 2014 年)
図4 賃金分布(3)-異時点間賃金分布-
最低賃金(714円)
最低賃金(714円)
最低賃金(850円)
最低賃金(850円)
注:グラフ内記載額は、2005年度、2012年度の最低賃金額である。
資料出所:「2007年、2013年賃金構造基本統計調査特別集計」厚生労働省HP
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
35,000
30,000
25,000
20,00
15,000
10,000
5,000
0
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
50,000
45,000
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
714円
714円
850円
850円
人数(人)人数(人) 人数(人)人数(人)
500
500
500
500 600
600
600
600 700
700
700
700 800
800
800
800 900
900
900
900 1,000
1,000
1,000
1,000 1,100
1,100
1,100
1,100 1,200
1,200
1,200
1,200 1,300
1,300
1,300
1,300 1,400
1,400
1,400
1,400 1,500円
1,500円
1,500円
1,500円 賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
一般労働者(沖縄 2006 年)
短時間労働者(沖縄 2006 年)
一般労働者(沖縄 2014 年)
短時間労働者(沖縄 2014 年)
図4 賃金分布(4)-異時点間賃金分布-
最低賃金(608円)
最低賃金(608円)
最低賃金(653円)
最低賃金(653円)
注:グラフ内記載額は、2005年度、2012年度の最低賃金額である。
資料出所:「2007年、2013年賃金構造基本統計調査特別集計」厚生労働省HP
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
10,000
9,000 8,000 7,000 6,000
5,000 4,000 3,000 2,000
1,000 0
608円
608円
653円
653円
人数(人)人数(人) 人数(人)人数(人)
500
500
500
500 600
600
600
600 700
700
700
700 800
800
800
800 900
900
900
900 1,000
1,000
1,000
1,000 1,100
1,100
1,100
1,100 1,200
1,200
1,200
1,200 1,300
1,300
1,300
1,300 1,400
1,400
1,400
1,400 1,500円
1,500円
1,500円
1,500円
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
賃金(円/時間)
⑷ 最低賃金周辺の雇用労働と地域経 済
① 雇用分布の変化と最低賃金 賃金構造基本調査では、雇用者を一般 労働者と短時間労働者に区分している が、就業構造基本調査では正規職員・従 業者と非正規職員に分けて都道府県毎に 公表している。ここでは最低賃金を年収 に換算した低賃金雇用者と地域経済との 関連性を検討したい。
経済の急速なグローバル化に対応した 労働分配率の低下や、1999年に労働者派 遣が原則自由化されたこと、2004年に製 造業の派遣期間を上限1年として解禁し たこと、2007年にその期間を3年に延長 したこと、など一連の雇用制度の変更が あったため、急速に非正規雇用者の割合 が高まった。
全国の名目賃金水準は1997年をピーク に下落基調にあり、その結果、図5-1 に示す県民経済計算の全国雇用者報酬も 当然ながら同様な傾向にある。
山田
(12)は、1997年以降、下落基調に ある名目賃金の変動の内訳を正規雇用 者、非正規雇用者、非正規雇用者比率の 変動に分解しア. 1997~2000年代半ばの ハイペースの賃金下落の主因は非正規雇 用者比率の上昇、イ. 2000年代半ば以降、
賃金上昇テンポが鈍化したのは、非正規 雇用比率の上昇テンポが下落したことを 主因と分析している。
賃金の下落は人件費の削減であり、直 接的に企業所得を拡大し、収益を改善さ せることになる。ところが賃金の下落は、
長期的・間接的には企業収益を圧迫し下 押しとなる側面が強い。賃金下落は家計 の購買力の低下となり、消費や住宅投資 を抑制する圧力が働くため、2002年から 2007年にかけての景気回復局面でも名目 賃金は低下しており、「過当競争による 値下げ競争⇒コスト削減のための賃金削 減⇒家計の低価格志向定着⇒…の悪循環 が生まれた。この過程で企業の付加価値 創造力が低下し、労働分配率が高止まっ
90.0 95.0 100.0 105.0 110.0 115.0
1994 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 2011年
全国名目GDP 県民雇用者報酬 (94年=100)
図5- 1 名目GDP・県民雇用者報酬の推移 ( 全国)
(1994 年= 100)
資料:「県民経済計算」内閣府 経済社会総合研究所
て賃金が抑制され、それが内需低迷で付 加価値を下げる」(山田)という悪循環 が形成されたことになる。
他方、沖縄の場合は(図5-2)、政 府最終消費や公的投資は全国水準を上 回っており、雇用者報酬も2002年から 2004年にかけて急激に落ち込んだがその 後リバウンドし、経済全体としては安定 した推移を示している。しかしながら、
それはみかけであって、2002年から2004 年にかけては失業の増大や非正規雇用化
がさらに増加したことから一人当たり雇 用者報酬は急激に下落し(図5-3)、
その後、戻る気配があったものの再度下 落しているのが実状である。すなわち、
過度に賃金を下げており、その水準は労 働の限界生産性を下回る賃金であった が、多数の低賃金雇用者を雇うことによ り、県民雇用者報酬を増大させたと考え られる。
さて、図6-1は、 「就業構造基本調査」
から全国の雇用者所得の分布に最低賃金
資料:図5-1に同じ。
資料:図5-1に同じ。
95.0 100.0 105.0 110.0 115.0 120.0
1994 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 2011年
県内名目GDP 県民雇用者報酬 (94年=100)
90.0 92.0 94.0 96.0 98.0 100.0 102.0 104.0 106.0 108.0 110.0
1994 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 2011年
一人当たり県内名目GDP 一人当たり県民雇用者報酬 (94年=100)
図5-2 名目GDP・県民雇用者報酬の推移(沖縄)
(1994 年= 100)
図5-3 名目GDP・県民雇用者報酬・
一人当たり雇用者報酬の推移(沖縄)
(1994 年= 100)
ラインを重ねたもので統計数値は付表5 を参照されたい。正規雇用者の所得分布 割合が5%以上のラインをみると、150
~799万 円 の 間 に85.5% が 入 っ て お り、
その中でも300~399万円の所得階層が 19.7%とピークになっている。また、非 正規雇用者の割合は、50万円未満~249 万円に87.3%が入っており、50~99万円 が29.0%と高いピークをつけている。
図6-2の沖縄の正規雇用の場合は、
所得分布割合5%以上が100~599万円 と全国に比し、低く狭い範囲に86.2%
の所得階層が分布しており、非正規雇 用の場合は、50万円未満~249万円の間 に92.8%の階層が分布している。また、
100~149万円の所得階層が30.9%と高い ピークとなっている(付表5参照)。
図6-3は、東京の雇用者所得の分布 である。正規雇用者の所得分布割合が 5%以上は、200~899万円、1000~1499
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
50万円 未満
50~99 100~149 150~199 200~249 250~299 300~399 400~499 500~599 600~699 700~799 800~899 900~999 1000~
1499 1500万円
以上
(%)
最低賃金ライン132.6
雇用者総数 正規雇用者 非正規雇用者
0.0
5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
50万円 未満
50~99 100~149 150~199 200~249 250~299 300~399 400~499 500~599 600~699 700~799 800~899 900~999 1000~
1499 1500万円
以上
(%)
最低賃金ライン115.6
雇用者総数 正規雇用 非正規雇用者
図6-1 雇用形態別の所得分布と最低賃金ライン(全国:2012年)
図6-2 雇用形態別の所得分布と最低賃金ライン(沖縄:2012 年)
注:雇用形態の不詳を含む。
資料:「就業構造基本調査」H24年 総務省統計局
注:雇用形態の不詳を含む。
資料:図6-1に同じ。
万円の間に88.5%が入っており、その中 でも300~399万円の所得階層が18.5%と ピークになっている。また、非正規雇 用者の割合は、50万円未満~399万円に 93.9%となっている(付表5参照)。
次に、雇用者数に占める低賃金雇用 者の割合を示したのが表4である。全 国が132.6万円、沖縄が115.6万円、東京 が150.6万円とかなりの差が生じている。
ここで注目されるのは①三者に共通する のは、低賃金雇用者が20%以上の割合を
示していること、②非正規雇用者の場合、
50%以上の割合にあること、③沖縄の正 規雇用者で、最低賃金の水準が東京や 全国等のおよそ2倍を示していること、
である。③が注目されるのは沖縄の正規 雇用者の割合は全国でも最も低いが、そ の正規雇用者でも低賃金状態にあるのが 7.3%と高く非正規雇用者の所得について も最低賃金ライン近傍に分布している。
地域の所得分布もぼぼ同様と思われる が、付加価値創造力の向上や生産性の向
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0
50万円 未満
50~99 100~149 150~199 200~249 250~299 300~399 400~499 500~599 600~699 700~799 800~899 900~999 1000~
1499 1500万円
以上
(%)
最低賃金ライン 150.6
雇用者総数 正規雇用
非正規雇用者
図6-3 雇用形態別の所得分布と最低賃金ライン(東京:2012 年)
注:雇用形態の不詳を含む。
資料:図6-1に同じ。
表4 雇用者数に占める低賃金雇用者の割合 雇用者総数 低賃金
雇用者
低賃金雇用者割合
%
最低賃金 万円 全国 雇用者(万人) 5,353.8 1,348.0 25.2
132.6 うち正規雇用者 3,311.0 136.0 4.1
うち非正雇用者 2,043.0 1,212.0 59.3 沖縄 雇用者(千人) 533.5 142.0 26.6
115.6 うち正規雇用者 296.0 22.0 7.3
うち非正雇用者 237.5 120.0 50.6 東京 雇用者(千人) 6,056.9 1,394.6 23.0
150.6 うち正規雇用者 3,896.0 137.2 3.5
うち非正雇用者 2,160.9 1,257.4 58.2 注:雇用形態の不詳を含む。
資料:「就業構造基本調査」H24年 総務省統計局
上に向けて適切な施策を講ずる必要があ ることを示している。
② 最低賃金政策の検討
2007年からの貧困解消策としての最低 賃金の引き上げによって何が明らかに なったのだろうか? おおまかに要約す ると、以下の3点が挙げられる。
ア.最低賃金は、2000年から2006年にか けては0.3から0.4と低い水準の伸びで あった。最低賃金法の改正によりA ランクが2%台の伸びで特に東京は 2.7%と高く、Dクラスは1.3%台と乖 離が生じ、最高額、最低額(沖縄など)
の比は2006年の85%から2014年の76%
まで低下している。この傾向が継続す ると地域部から都市部への人口・労働 力の移動に影響を与えるおそれがある。
イ.最低賃金の上昇によって、最低賃金近 傍に新たに雇用が創出される「スパイ ク」が生じており、特に短時間労働者 で顕著である。これには元来あった仕 事が喪失された可能性や企業努力によ り、賃金上昇以上の生産性が獲得され ていた場合とそれに運よく雇用された 場合が考えられる。
すなわち、最低賃金の上昇により労 働者が増加したのか、減少したのか、
数量的に明確ではなく、詳細な検討が 必要であることがわかる。
ウ.非正規雇用者では、低賃金雇用者割 合が過半数を上回っており、沖縄では 正規雇用者の低賃金割合がほぼ2倍と なっている。
積極的に正規雇用化を図ると共に地 域においても高付加価値創造力の向上 等、地域にマッチした適切な施策の実 行が求められている。
以上に対し、アプローチは異なるが
2013年に鶴光太郎等
(6)による最低賃金
改革に関する論文集が発行された。労働 者や企業に対する個表データ、事業所 ベース、大規模ミクロデータを主とした 分析で、ア.10代の若年労働者に絞った 場合は、最低賃金の上昇は負の効果があ る。イ.最低賃金の企業収益に対しても 負の効果がある。ウ.最低賃金の引き上 げは世帯主以外の比較的裕福な労働者に もプラス効果へという3点が明らかに なった。アに関して川口(2009)は、16
~19歳男女の就業率を対象にして、最低 賃金が10%上がるとこの年齢対象の就業 率は5.25ポイント低下すること、すなわ ちこの年齢層は約30%の雇用減少とな り、最低賃金の雇用への弾力性はおよそ 3であることを示している。また、ウは 社会政策としては漏れが生じていること を示すもので、世帯主ではなく主として 子育てを終えた30代~40代の女性労働力 の市場参加によるプラス効果が生じたこ とを示す。これら貴重な研究を踏まえて 最低賃金の在り方を検討する必要がある。
さて、筆者が参加した厚生労働省の最 低賃金に関する都道府県アンケート調査
(2009年)によると、最低賃金を800円に 引き上げた場合、企業は「売上増加・利 益率の向上、コストの削減」が必要であ り、人材投資や設備投資をすべきと回答 している。また、事業の先行きに不安を 感じる場合、大規模事業所では事業規模 の縮小や撤退を検討し、小規模の事業所 は廃業を検討したいとの意見が多い。こ のことは生産性が賃金を上回る質の高い 労働者を企業は求めているのであり、社 内独自の研修支援に対する補助や融資、
設備投資に対する減税の充実等の整備が
必要であることを示している。
沖縄労働局は、県内中小企業の賃金水 準を支援するため、業務改善助成金(中 小企業最低賃金引き上げ支援対策費補助 金)事業を実施している。
今後の中小企業などによる成長市場の 開拓、新規事業進出、輸出等は地方自治 体と政府による政策連携が必要であり、
政府金融機関を通じ融資、指導も併せて 検討する必要がある。
新規卒業者等、若年者の場合は、賃金 に相当する生産性を有しておらず、特に 沖縄の場合は、就職しても職場での技能 形成を組織的に図る企業も増加はしてい るが十分ではない。その結果、基礎的技 術技能を身につけることなく3年以内の 離職率が大学卒者の場合で48.6%、高校 卒業者の場合が61.7%と極めて高い。結 局、離職・再就職を重ねる間に教育・訓 練を受けて技能を高め、企業の正確な情 報を得て20代後半や30代前半に適職をみ つけるという、ジョブリサーチ期間が長 くなる効率の悪いケースに陥りやすい。
4.まとめ
最低賃金制度は、労働者の賃金の最低 額と保障する安全網として機能が強化さ れ、最低賃金の上昇により一部の地域で は実際の効果を雇用の構成や総量に影響 を及ぼしつつある。また、短時間労働者 に対しては都市部でも影響が生じるよう になっている。つまり、最低賃金が上昇 すると、最低水準以下の労働力は削減さ れ、新しい最低賃金近傍に「スパイク」
と呼ばれる雇用者の増大がみられたので ある。しかし、最低賃金の水準が高まる と、非正規雇用で相対的に賃金が低い中 年・既婚女性の雇用が減少することも指 摘されている。最低賃金の上昇による「ス
パイク」の範囲を地域毎に良く見極め、
現在、最低賃金周辺で働く労働者への支 援や労働市場に新規参入、再参入しよう とする生産性の低い層に対し、多様な教 育訓練を実施する必要がある。
現在、中央最低賃金審議会の目安制度 の在り方について中間整理が行われてい る。47都道府県毎の最低賃金を設定する には難解なプロセスを経ているが、次の 諸点も検討する必要があろう。
①最低賃金近傍の賃金労働者の属性を明 らかにし、必要とされる施策を検討す ること。
②答申文の特記事項には最低賃金引き上 げの必要性が記載されている(10頁)。
その重要性は十分認知されており、今 後は地域の実態にも十分配慮する必要 がある。
③企業の賃金支払能力を把握するととも に、業務改善助成等の量的・質的拡充を 図るため国や県、市町村、それに政策金 融機関と連携した方策を検討すること。
謝 辞
『沖縄国際大学経済論集』第9巻第1 号の刊行に際し、退官記念号として私も 寄稿させていただく機会を得ましたこと を大城学長ならびに宮城経済学部学部 長、経済学部紀要編集委員会の皆さまに 衷心より感謝申し上げます。
特に本論文の編集に辛抱強く、最後ま で見守ってくださった湧上編集長に心か ら謝意を表したいと思います。
経済学部紀要編集委員会の皆さま、経 済学部の皆さまの今後ますますのご健勝 とご発展を祈念申し上げます。
2015年5月
野崎 四郎
参考文献・資料
(1) 安倍由起子・田中藍子(2007) 「正 規-パート賃金格差と地域別最低 賃金の役割 1990年~2001年」 『日 本労働研究雑誌』No.568, pp.77-92.
(2) 大竹文雄(2013)「最低賃金改革」
(第7章 最低賃金と貧困対策)
『日本評論社』.
(3) 川口大司・森悠子(2013)「最低 賃金改革」(第2章 最低賃金と 若年雇用)『日本評論社』.
(4) 川口大司・森悠子 (2009)「最低 賃金労働者の属性と最低賃金引き 上げの雇用への影響」『日本労働 研究雑誌』No.593、41-54頁.
(5) 玉田桂子・森知晴(2013)「最低 賃金改革」(第6章 最低賃金の 決定過程と生活保護基準の検証)
『日本評論社』.
(6) 鶴光太郎(2013) 「最低賃金改革」
(第1章 最低賃金の労働市場・
経済への影響)『日本評論社』.
(7) 独立行政法人労働政策研究・研修 機構(2011)「最低賃金制度の引 上げによる雇用等への影響に関 する理論と分析」(JILPT資料シ リーズNo.90) 『独立行政法人労働 政策研究・研修機構』.
(8)東京財団政策研究部(2010)「新 時代の日本的雇用政策 ~世界一 質の高い労働を目指して~」『東 京財団政策研究部』.
(9)野崎四郎(1994)「人的資本に関 する理論と計測」『産業総合研究 所紀要第1号』.
(10)野崎四郎(1994)「失業その構造 と深刻度」 (商経論集第22巻第1号)
『沖縄国際大学商経学部』.
(11) 森川正之(2013)「最低賃金改革」
(第4章 最低賃金と地域間格差)
『日本評論社』.
(12) 山 田 久(2013)「 持 続 的 賃 金 引 き 上 げ へ の 戦 略 」JRIレ ビ ュ ー Vol5.No.6.
(13) 勇上和史(2005)「都道府県デー タを用いた地域労働市場の分析
-失業・無業の地域間格差に関 する考察」『日本労働研究雑誌』
No.539, 5-16頁.
(14) Kawaguchi, Daiji and Ken Yamada
(2007) “The Impact of the Minimum Wage on Female Employment in Japan” Contemporary Economic Policy, 25 (1) , pp.107-118.
(15) 「目安に関する小委員会」各年(中 央最低賃金審議会)『厚生労働省 ホームページ』.
(16) 「労働経済白書」各年『厚生労働省』 .
(17) 厚生労働省(2009)「最低賃金に 関する都道府県アンケート調査」
『みずほ総合研究所』.
付表1 男女、年齢階級別雇用者数,非正規雇用者の推移(全国)
(単位:千人、%)
男女/年齢
1992年 1997年 2002年 2007年 2012年
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 非正規 総 数
雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
実
数 総 数
総 数
48,605 10,532 51,147 12,590 50,838 16,206 53,263 18,899 53,538 20,42735
歳未満
19,323 3,192 20,263 4,268 19,734 5,994 18,650 6,269 16,388 5,78135~54歳 22,376 4,902 22,801 5,289 22,604 6,352 23,217 7,057 25,077 7,905
55歳以上 6,906 2,438 8,084 3,030 8,499 3,861 11,396 5,573 12,073 6,741
男
総 数
28,971 2,862 30,157 3,358 29,245 4,780 29,735 5,911 29,292 6,48335
歳未満
11,218 1,174 11,692 1,517 11,101 2,169 10,281 2,377 8,841 2,23435
~
54歳
13,290 495 13,397 488 12,995 851 12,939 1,100 13,845 1,35755歳以上 4,465 1,193 5,069 1,350 5,149 1,761 6,515 2,434 6,605 2,892
女
総 数
19,634 7,670 20,990 9,231 21,593 11,426 23,528 12,988 24,246 13,94435
歳未満
8,106 2,018 8,571 2,750 8,633 3,825 8,369 3,892 7,546 3,54735
~
54歳
9,087 4,407 9,405 4,804 9,609 5,501 10,278 5,957 11,232 6,54855歳以上 2,441 1,245 3,015 1,677 3,350 2,100 4,881 3,139 5,468 3,849
割
合 総 数
総 数
100.0 21.7 100.0 24.6 100.0 31.9 100.0 35.5 100.0 38.235歳未満 100.0 16.5 100.0 21.1 100.0 30.4 100.0 33.6 100.0 35.3
35
~
54歳
100.0 21.9 100.0 23.2 100.0 28.1 100.0 30.4 100.0 31.555歳以上 100.0 35.3 100.0 37.5 100.0 45.4 100.0 48.9 100.0 55.8
男
総 数
100.0 9.9 100.0 11.1 100.0 16.3 100.0 19.9 100.0 22.135歳未満 100.0 10.5 100.0 13.0 100.0 19.5 100.0 23.1 100.0 25.3
35
~
54歳
100.0 3.7 100.0 3.6 100.0 6.5 100.0 8.5 100.0 9.855
歳以上
100.0 26.7 100.0 26.6 100.0 34.2 100.0 37.4 100.0 43.8女
総 数
100.0 39.1 100.0 44.0 100.0 52.9 100.0 55.2 100.0 57.535歳未満 100.0 24.9 100.0 32.1 100.0 44.3 100.0 46.5 100.0 47.0
35~54歳 100.0 48.5 100.0 51.1 100.0 57.2 100.0 58.0 100.0 58.3
55
歳以上
100.0 51.0 100.0 55.6 100.0 62.7 100.0 64.3 100.0 70.4注1)雇用者総数(役員を除く)は、正規雇用者と非正規雇用者を合計したもの。
注2)1992年及び1997年の結果は千人単位で算出したもの。
資料:「平成24年就業構造基本調査」厚生労働省より作成。
付表 2 男女、年齢階級別雇用者数,非正規雇用者の伸び率(全国)
(単位:%)
男女
/年齢
1992-1997 1997-2002 2002-2007 1992-2012 1997-2012 2007-2012
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数
雇用者 総 数 非正規
雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
非正規 雇用者数
総数 総 数
1.0 3.6 -0.1 5.2 0.9 3.1 0.5 3.4 0.3 3.3 0.1 1.635
歳未満
1.0 6.0 -0.5 7.0 -1.1 0.9 -0.8 3.0 -1.4 2.0 -2.6 -1.635~54
歳
0.4 1.5 -0.2 3.7 0.5 2.1 0.6 2.4 0.6 2.7 1.6 2.355
歳以上
3.2 4.4 1.0 5.0 6.0 7.6 2.8 5.2 2.7 5.5 1.2 3.9男
総 数
0.8 3.2 -0.6 7.3 0.3 4.3 0.1 4.2 -0.2 4.5 -0.3 1.935
歳未満
0.8 5.3 -1.0 7.4 -1.5 1.9 -1.2 3.3 -1.8 2.6 -3.0 -1.235~54
歳
0.2 -0.3 -0.6 11.8 -0.1 5.3 0.2 5.2 0.2 7.1 1.4 4.355
歳以上
2.6 2.5 0.3 5.5 4.8 6.7 2.0 4.5 1.8 5.2 0.3 3.5女
総 数
1.3 3.8 0.6 4.4 1.7 2.6 1.1 3.0 1.0 2.8 0.6 1.435
歳未満
1.1 6.4 0.1 6.8 -0.6 0.3 -0.4 2.9 -0.8 1.7 -2.0 -1.835~54
歳
0.7 1.7 0.4 2.7 1.4 1.6 1.1 2.0 1.2 2.1 1.8 1.955