放射化学 小テスト
June 2, 2010
A5 の用紙を縦に使って,一番上に学籍番号,氏名を書くこと。
必要なら裏面を使用してもよい。
1. 運動エネルギーEを持つ質量 m の粒子 A が,質量 4m の粒子 B と弾性衝突す るとき,粒子 A が失う最大エネルギーは,次のうちどれか。答えを導くま での計算の過程もあわせて示せ。
A. 0.10E B. 0.16E C. 0.40E D. 0.64E E. 0.80E
(2009 年度 第一種放射線取扱主任者試験 物理学より,一部修正)
(解答)
正解:D
解説:粒子 A が失うエネルギーは,粒子 B が受ける反跳エネルギーに等しい。
また,反跳エネルギーが最大となるのは粒子同士が正面衝突するとき,すなわ ち,散乱角θ=180˚のときである。
よって,反跳エネルギーの公式(2010/6/2 配布資料1,教科書 p66)より,
EB
= (1-cos180)E
=
·2E= E
= 0.64 E
2. ウラン系列は U で始まり Pb で終わる。この間の
α
壊変とβ
-壊変の 回数として,正しい組み合わせは次のうちどれか。A.
α
壊変 6 回/β
-壊変 8 回 B.α
壊変 6 回/β
-壊変 10 回C.
α
壊変 8 回/β
-壊変 6 回 D.α
壊変 8 回/β
-壊変 8 回E.
α
壊変 8 回/β
-壊変 10 回(2008 年度 第一種放射線取扱主任者試験 化学より,一部修正)
(解答)
正解:C
解説:
α
壊変では質量数が4,原子番号が2減少する。これに対し,β
- 壊変では質量数は変化せず,原子番号が1増える。これを利用して次のよ うに計算できる。質量数の変化
Δ
A = 238-206 = 32238 92
206 82
2·m·4m (m + 4m)2
8m2
25m2
16 25
よって,
α
壊変は,32/4 = 8 回この α
壊変に伴って起こった原子番号変化 2x8 = 16 に対し,実際の原子番号の変化
Δ
A = 92-82 = 10 であるので,β
-壊変の回数は,16-10 = 6 回 であることが分かる。もちろん,壊変系列の壊変回数を覚えておけばこのような計算をする必要はな いが,覚えていなくても計算から求められる。
3. 希ガスに関する次の記述のうち,正しいものをすべて選べ。
A. 3He がトリチウムのβ-壊変で生成する。
B. 40Ar が40K のβ-壊変で生成する。
C. 85Kr が235U の熱中性子による核分裂で生成する。
D. 220Rn が224Ra のα壊変で生成する。
(2008 年度 第一種放射線取扱主任者試験 化学より,一部修正)
(解答)
正解:A, C, D
解説:A, 正。トリチウム3H はβ-壊変により3He になる。
B, 誤。40K は EC 壊変により40Ar となる(2010/6/2 配布資料10)。
C, 正。熱中性子による235U の核分裂では,質量数が約 70~160 の範囲にある核 分裂断片が生成する(教科書 p102,図 4.1)。85Kr もその一つである。
D, 224Ra はトリウム系列(4n 系列)に属し,α壊変により220Rn(別名,トロン)
が生成する。