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(1)

マイクロフレームの形状評価に基づくバーナ先端温度の推定

松 岡 常 吉

,中 條 雄

**

,平 沢 太 郎

***

,中 村 祐 二

Estimation of Burner-tip Temperature Based on Microflame Shape

Tsuneyoshi MATSUOKA , Takato CHUJO , Taro HIRASAWA and Yuji NAKAMURA

From the engineering point of view, an image diagnose of burner-tip temperature is highly demanded to avoid thermal damage during operation. This study proposes an estimation method of burner-tip temperature based on shape evaluation of non-premixed microflame. An energy balance model involving the heat transfer through side and top of the burner is considered to derive a simple formula to estimate the burner-tip temperature from the flame shape. The methane microflame is experimentally observed under various conditions of ambient air temperature and fuel velocity. Obtained images are quantified by image analysis and three kinds of parameters which characterize the flame shape are successfully determined; the effective radius, the flame height and the quenching distance. The burner-tip temperature is then estimated by the proposed formula under each experimental condition. The estimated burner-tip temperatures show fairly good agreement the measured temperatures by thermocouple. This result suggests that the proposed method based on observation of the microflame allows reasonable estimation of the burner-tip temperature.

Keywords: Microflame, Micro burner, Burner temperature, Thermal interaction, Flame shape, Quenching gap, Excess

enthalpy combustion, Heat recirculation

1.緒 論

直径数 mm 程度のマイクロフレーム1)と呼ばれる球状の 火炎は,それ単体でスポット加熱源,あるいはアレイ化2) することでワーク形状に合わせた熱流束分布を作り出すこ とができることから,レイアウト制御可能なスマート加熱 源として期待されている. 一般にマイクロ燃焼器では火炎の表面積と体積の比が 大きく,またバーナの壁面と火炎基部の距離である消炎距 離が小さい.それゆえ通常サイズの火炎に比べ,バーナへ の熱損失は大きくなる.したがってマイクロフレームにお いては熱損失に起因する安定範囲の下限界は実用上重要な パラメタであり,これまでに実験や数値解析によって調べ られてきた3–7).さらに,ある特定の条件ではバーナ壁から 未燃ガスへの熱輸送量が熱損失量を上回り,いわゆる超過 エンタルピー燃焼状態となると言われている 8).超過エン タルピー燃焼とは,Weinberg9)によって超希薄予混合気を安 定に燃焼させる方法として提案されたもので,外部から熱 を供給することなく熱交換器を用いて燃焼ガスからの熱を 未燃ガスへと再循環させて予熱する燃焼方法であり,未燃 ガスを予熱することで火炎を安定化することが可能となる. これまでに開発されてきた種々のマイクロ燃焼器では, 安定燃焼を達成するために熱伝導の高い多孔質体などを熱 媒体として用いて熱を再循環させている.一方,マイクロ フレームは複雑な構造を用いることなしにバーナの材質や 大きさ,雰囲気条件を適切に選ぶだけで超過エンタルピー 燃焼を達成できるという点に特徴がある.Fujiwara らは酸 化剤として高温空気を用いて,マイクロフレームでは自律 的な超過エンタルピー燃焼状態になり得るかどうかについ て実験的に検討した10,11).その結果,雰囲気温度の上昇に ともない火炎がバーナに近づくこと,そのとき限界燃料流 量が低下することを示し,バーナサイズと雰囲気温度を適 切に選ぶことで火炎での生成熱がバーナ壁面を介して未燃 燃料ガスに輸送され得ると結論づけた.また,Nakamura らはバーナを断熱あるいは等温とした数値実験を行い,等 温条件において安定性が向上することを示した 6).また, 水素を燃料とする場合には化学的な安定化効果も期待でき ることが Hossain らによって示された12) マイクロフレームを燃焼器として利用する際,安定性や エクセルギー効率を考えれば超過エンタルピー燃焼状態で 運用することが望ましいが,このとき避けられないのがバ ーナの熱損傷の問題である.Gao ら 8)によると,単一のマ イクロフレームが超過エンタルピー燃焼状態になるのは下 限界近傍の条件のときである.このとき火炎はバーナの先 端を覆うように形成され,火炎からバーナへの熱輸送は増 加する.その結果,バーナの先端は目視でも確認できるほ ど灼熱して膨張する(Fig. 3 を参照).運用中の熱損傷を避 けるには,バーナ温度,特にその先端温度を監視・制御す る必要があるが,バーナ先端温度の直接計測はマイクロフ レームの小ささゆえ容易ではない.また,実燃焼器として の運用を考えれば視ただけで診断できるような方法が望ま 原稿受付 2017 年 6 月 30 日 * 正会員 豊橋技術科学大学大学院工学研究科(〒441-8580 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘 1-1) ** 豊橋技術科学大学大学院機械工学専攻(〒441-8580 愛知 県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘 1-1) *** 正会員 中部大学工学部(〒487-8501 愛知県春日井市松 本町 1200) しい.バーナ温度の計測自体はこれまでに Hirasawa ら 13) や Fujiwara ら11)によってなされているものの,その予測手 法については検討されていない. こうした背景を踏まえ,本研究では火炎の形状観察によ る簡便なバーナ先端温度の推定方法を提案し,推定値と実 測値の比較によりその妥当性を検証する.マイクロフレー ムがバーナを覆う楕円形状であることに着目し,バーナ側 面と頭頂部からの熱流入を含めた熱バランスモデルを考え, 火炎形状からバーナ温度を推定するための関係式を導出す る.画像解析により観察された火炎の有効半径,火炎高さ および消炎距離を求めバーナ先端温度を推定し,これを実 測値と比較することで,得られた関係式の妥当性について 議論する.

2.方 法

実験装置の概念図を図 1 に示す.装置の主な部分は過去 に Fujiwara らが用いたものと同じであり10,11),詳細はそち らを参照されたい.以下では装置の概略と実験方法につい て述べる. 燃焼室はクオーツ製であり,中心から外径 1 mm,内径 0.7 mm のマイクロバーナ(SUS304)を挿入した.マイク ロバーナを保護する目的でステンレス製のパイプ(外径 6 mm)を用いた.外部への放熱を抑えるために燃焼室全体 は側面に設けられた観察用の窓を除いて断熱材で覆った. 燃焼室には整流用に 2 mm のセラミックボールが敷き詰め られている.酸化剤として空気を燃焼室底面に接続したガ ラス製円筒から流入させた.燃焼室底面に設置した電熱線 により燃焼室温度 T∞ [K] を室温から 1000 K まで変えて実 験を行った.なお,燃焼室内の温度は電熱線近傍を除いて ほぼ一様であることを事前実験により確認している. 酸化剤は空気,燃料はメタンとし,それぞれ 1 cm/s およ び 13~65 cm/s となるよう流量計を用いて調整した.バーナ 先端から 30 mm 上方の温度が一定となったことを確認し た後さらに 10 分待ってから,メタンガスを着火させた.火 炎の撮影にはマクロレンズ(Micro NIKKOR f/3.5 G, Nikon) を取り付けたデジタルカメラ(D90, Nikon)を用い,火炎 からの発光を捉えやすいように,レンズの前方には中心波 長 430 nm,半値幅 10nm のバンドパスフィルタを設置した. 露光条件は,シャッタースピードを 1/8 s,F 値を 5,ISO スピードを 800 とした.なお,本装置の画素分解能は約 0.0072 mm/pixel である. 撮影した火炎の断面形状を求めるために,得られた画像 に対して Fig.2 に示す手順で画像解析を行った.はじめに 目視で火炎の中心が画像の中心とほぼ一致するよう 799 x 799 ピクセルのサイズで元画像をトリミングした.それを グレースケールに変換した後,非対称アーベル変換コード 14)を適用して断面画像を取得した.ImageJ15)を用いて断面 画像の二値化・ノイズ低減処理を行うことで火炎の輪郭を 抽出し,バンドパスフィルタを通さずに撮影した写真を重 ねることで最終的な解析用画像を作成した. 画像解析プロセスに含まれる 2 つの誤差要因について述 べる.1 つは元画像をトリミングする際,目視によってそ の切り出し範囲を決定したことである.アーベル変換では 画像が軸対称であることを仮定している.そのため,中心 線の位置が左右どちらかに偏っている場合には,火炎形状 や基部位置が変換処理によって変化する.本研究では各画 像の中心位置の決定を目視で行ったため,中心線の位置に は数ピクセル程度の不確かさが含まれていると考えられる. また,バーナの位置を抽出するために,バンドパスフィル タを通さず撮影した画像(バーナ画像)をアーベル変換後 の画像(火炎画像)に重ねる操作を行っている.カメラと 光学フィルタの位置はそれぞれ雲台とホルダを用いて固定 したものの,両者が多少動いてしまうことが避けられず, 実験条件によっては火炎とバーナの画像の相対的な位置関 係がずれてしまった.そのため,写真の重ね合わせ時には 目視による位置補正を行ったが,これも火炎形状を定量的 に評価する上で不確かさの要因となる.

Fig. 1 A schematic image of experimental setup

バーナ先端温度の測定には,火炎の観察に用いたクオー ツ製の燃焼室と同じ形状でステンレス製の燃焼室を用いた. 燃焼室側面に設けられた窓から R 型の熱電対を挿入し,バ ーナ先端近傍に接触させて温度を計測した.空気の流入を 防ぐため,窓はテープで塞いで実験を行った.それ以外の 箇所は観察のときと同様断熱材で覆った.

3.結果および考察

3.1 バーナ先端温度の予測モデル Fig. 3 は燃焼室温度を 300 K から 1000 K まで変化させた ときの火炎の直接写真および,画像解析により得られた断

(2)

しい.バーナ温度の計測自体はこれまでに Hirasawa ら 13) や Fujiwara ら11)によってなされているものの,その予測手 法については検討されていない. こうした背景を踏まえ,本研究では火炎の形状観察によ る簡便なバーナ先端温度の推定方法を提案し,推定値と実 測値の比較によりその妥当性を検証する.マイクロフレー ムがバーナを覆う楕円形状であることに着目し,バーナ側 面と頭頂部からの熱流入を含めた熱バランスモデルを考え, 火炎形状からバーナ温度を推定するための関係式を導出す る.画像解析により観察された火炎の有効半径,火炎高さ および消炎距離を求めバーナ先端温度を推定し,これを実 測値と比較することで,得られた関係式の妥当性について 議論する.

2.方 法

実験装置の概念図を図 1 に示す.装置の主な部分は過去 に Fujiwara らが用いたものと同じであり10,11),詳細はそち らを参照されたい.以下では装置の概略と実験方法につい て述べる. 燃焼室はクオーツ製であり,中心から外径 1 mm,内径 0.7 mm のマイクロバーナ(SUS304)を挿入した.マイク ロバーナを保護する目的でステンレス製のパイプ(外径 6 mm)を用いた.外部への放熱を抑えるために燃焼室全体 は側面に設けられた観察用の窓を除いて断熱材で覆った. 燃焼室には整流用に 2 mm のセラミックボールが敷き詰め られている.酸化剤として空気を燃焼室底面に接続したガ ラス製円筒から流入させた.燃焼室底面に設置した電熱線 により燃焼室温度 T∞ [K] を室温から 1000 K まで変えて実 験を行った.なお,燃焼室内の温度は電熱線近傍を除いて ほぼ一様であることを事前実験により確認している. 酸化剤は空気,燃料はメタンとし,それぞれ 1 cm/s およ び 13~65 cm/s となるよう流量計を用いて調整した.バーナ 先端から 30 mm 上方の温度が一定となったことを確認し た後さらに 10 分待ってから,メタンガスを着火させた.火 炎の撮影にはマクロレンズ(Micro NIKKOR f/3.5 G, Nikon) を取り付けたデジタルカメラ(D90, Nikon)を用い,火炎 からの発光を捉えやすいように,レンズの前方には中心波 長 430 nm,半値幅 10nm のバンドパスフィルタを設置した. 露光条件は,シャッタースピードを 1/8 s,F 値を 5,ISO スピードを 800 とした.なお,本装置の画素分解能は約 0.0072 mm/pixel である. 撮影した火炎の断面形状を求めるために,得られた画像 に対して Fig.2 に示す手順で画像解析を行った.はじめに 目視で火炎の中心が画像の中心とほぼ一致するよう 799 x 799 ピクセルのサイズで元画像をトリミングした.それを グレースケールに変換した後,非対称アーベル変換コード 14)を適用して断面画像を取得した.ImageJ15)を用いて断面 画像の二値化・ノイズ低減処理を行うことで火炎の輪郭を 抽出し,バンドパスフィルタを通さずに撮影した写真を重 ねることで最終的な解析用画像を作成した. 画像解析プロセスに含まれる 2 つの誤差要因について述 べる.1 つは元画像をトリミングする際,目視によってそ の切り出し範囲を決定したことである.アーベル変換では 画像が軸対称であることを仮定している.そのため,中心 線の位置が左右どちらかに偏っている場合には,火炎形状 や基部位置が変換処理によって変化する.本研究では各画 像の中心位置の決定を目視で行ったため,中心線の位置に は数ピクセル程度の不確かさが含まれていると考えられる. また,バーナの位置を抽出するために,バンドパスフィル タを通さず撮影した画像(バーナ画像)をアーベル変換後 の画像(火炎画像)に重ねる操作を行っている.カメラと 光学フィルタの位置はそれぞれ雲台とホルダを用いて固定 したものの,両者が多少動いてしまうことが避けられず, 実験条件によっては火炎とバーナの画像の相対的な位置関 係がずれてしまった.そのため,写真の重ね合わせ時には 目視による位置補正を行ったが,これも火炎形状を定量的 に評価する上で不確かさの要因となる.

Fig. 1 A schematic image of experimental setup

バーナ先端温度の測定には,火炎の観察に用いたクオー ツ製の燃焼室と同じ形状でステンレス製の燃焼室を用いた. 燃焼室側面に設けられた窓から R 型の熱電対を挿入し,バ ーナ先端近傍に接触させて温度を計測した.空気の流入を 防ぐため,窓はテープで塞いで実験を行った.それ以外の 箇所は観察のときと同様断熱材で覆った.

3.結果および考察

3.1 バーナ先端温度の予測モデル Fig. 3 は燃焼室温度を 300 K から 1000 K まで変化させた ときの火炎の直接写真および,画像解析により得られた断 実験力学 Vol. 17, No. 3(2017 年 9 月) 211

(3)

部の熱伝導による熱流束を表す.なお,バーナからの輻射 熱損失の影響については後述する. 火炎頭頂部からの熱流束 Q1と火炎基部からの熱流束 Q2 の比をαとすると,Eq.(1)の左辺(LHS)は, LHS = + 1 ≈ + 1 (2) となる.ここで Lg [mm] は気相の熱伝導に関する代表長さ, Sg [mm2] はバーナ先端の受熱面積,λg [W/m· K] は気体の熱 伝導率である.一方,火炎に囲まれたバーナ先端部はほぼ 一定温度であると考えられることから Q4を無視して, Eq.(1)の右辺(RHS)は, RHS ≈ = ! " #$− #& (3) となる.ここで Nuiはバーナ内部の流れのヌセルト数,T0 [K] は燃料ガスの流入温度である.なお,式 (3)の導出に 際して,メタンの熱伝導率と空気のそれとは等しいと考え て,両者をλgとした.ただし,実際には大気圧下ではメタ ンの熱伝導率は空気に比べて約 1.3 倍(300 K)から 2 倍(700 K)大きい16)

Fig. 4 Heat balance model of non-premixed microflame

さらにバーナの受熱部の長さを Lbとし,Sg = πROLb,Si = πRiLbと表すことができると仮定する.この仮定は,バーナ を介した熱の授受がマイクロフレームに覆われた先端近傍 のみで行われていることを意味する.Fig.4 ではバーナは火 炎に囲まれた部分以外においても赤熱していることを考え ると,これはかなり乱暴な仮定であるが,本研究の目的で ある画像情報のみによってバーナ温度を推定するため,な るべく単純な関係式を得ることを優先し採用する.このと き Eq.(2)および Eq.(3)より,バーナ先端温度を以下の式で 見積もることができる. #$= '('() (4) 書ける.ここで,A は火炎の形状の違いによる影響を含ん だバーナからの熱損失量を表す無次元形状ファクタであり, * ≡ ,-" .' !/ (5) とおいた.Eq.(4)から,バーナの先端温度は火炎の温度と 形状ファクタ A によって決まることが分かる. 3.2 長さスケールの評価 バーナの温度を推定するには,Eq.(5)で定義される形状 ファクタを決めなければならない.本研究では Fig.5 に示 す次の 3 つの長さスケールを定義し,画像データから火炎 の形状を定量化する.すなわち, 1. 火炎の有効半径 Rf = (af·bf)1/2 (afおよび bfはそれぞれ火炎を楕円と見なしたときの水平 方向および鉛直方向の半径) 2. 火炎高さ Hf 3. バーナと火炎基部との最小距離δf(以下ではこれを消炎 距離と呼ぶ) である. Fig.6 に画像から取得したそれぞれの長さスケールを示 す.Uf = 48 cm/s や 65 cm/s では,有効半径および火炎高さ は 1000 K までほぼ一定であった.一方で Uf = 22 cm/s では これらのスケールは雰囲気温度の上昇とともに減少する傾 向が見られた.また,Uf = 13 cm/s では火炎高さは減少傾向 を示したが,有効半径は大きな変化は見られなかった.雰 囲気温度に対するこれらの傾向の違いは,定性的には反応 物質の拡散と対流の相対的な大きさを考えることで説明で きる. 拡散火炎では火炎面は燃料と酸化剤の混合分率が量論 となる等値面に形成される.流速が大きい条件では対流が 卓越するために拡散速度に対する温度の影響が現れず,火 炎の有効半径や高さはほとんど変わらない.流速が小さい 条件では拡散速度が相対的に大きくなるため,拡散係数の 温度依存性の影響が顕著に現れる.このときバーナ内部を 流れるメタンに比べて周囲を流れる空気の方がその温度が 高く,したがって拡散速度の上昇分も空気の方が大きくな る.その結果,火炎はバーナに接近して形成されるため, 有効半径,火炎高さともに温度上昇とともに減少したと考 えられる.ところが,Uf = 13 cm/s のように消炎限界近傍の 条件では,火炎は平坦でバーナと同程度の大きさとなって いるため,温度上昇による有効半径の変化がほとんど見ら れなかったと考えられる.一方,同じ温度条件で比較する と,有効半径と火炎高さは燃料流速の上昇に伴って大きく なった.拡散速度が一定であり,かつマイクロフレームで は浮力の影響が小さいことを考えると,これらの長さスケ ールの増加は慣性力が相対的に大きくなったことによるも のと考えられる. 消炎距離については流速による大きな違いは見られず, T∞の上昇に対してはほぼ直線的に減少した.この関係を外 挿すると,燃焼室温度が約 1500 K で消炎距離がゼロとなる ことから,この線形傾向は物理的に受け入れられるもので あると考えられる.消炎距離が燃料流速に対してほぼ変化 しないのは,バーナ出口から上流側への物質輸送は主に拡 散によってなされ,燃料流速の影響が小さいからであると 考えられる.ここで楕円状火炎の扁平率を af > bfのとき(af – bf)/ af,または,af < bfのとき(bf – af)/ bfとすると,今回実験

(4)

部の熱伝導による熱流束を表す.なお,バーナからの輻射 熱損失の影響については後述する. 火炎頭頂部からの熱流束 Q1と火炎基部からの熱流束 Q2 の比をαとすると,Eq.(1)の左辺(LHS)は, LHS = + 1 ≈ + 1 (2) となる.ここで Lg [mm] は気相の熱伝導に関する代表長さ, Sg [mm2] はバーナ先端の受熱面積,λg [W/m· K] は気体の熱 伝導率である.一方,火炎に囲まれたバーナ先端部はほぼ 一定温度であると考えられることから Q4 を無視して, Eq.(1)の右辺(RHS)は, RHS ≈ = ! " #$− #& (3) となる.ここで Nuiはバーナ内部の流れのヌセルト数,T0 [K] は燃料ガスの流入温度である.なお,式 (3)の導出に 際して,メタンの熱伝導率と空気のそれとは等しいと考え て,両者をλgとした.ただし,実際には大気圧下ではメタ ンの熱伝導率は空気に比べて約 1.3 倍(300 K)から 2 倍(700 K)大きい16)

Fig. 4 Heat balance model of non-premixed microflame

さらにバーナの受熱部の長さを Lbとし,Sg = πROLb,Si = πRiLbと表すことができると仮定する.この仮定は,バーナ を介した熱の授受がマイクロフレームに覆われた先端近傍 のみで行われていることを意味する.Fig.4 ではバーナは火 炎に囲まれた部分以外においても赤熱していることを考え ると,これはかなり乱暴な仮定であるが,本研究の目的で ある画像情報のみによってバーナ温度を推定するため,な るべく単純な関係式を得ることを優先し採用する.このと き Eq.(2)および Eq.(3)より,バーナ先端温度を以下の式で 見積もることができる. #$= '('() (4) 書ける.ここで,A は火炎の形状の違いによる影響を含ん だバーナからの熱損失量を表す無次元形状ファクタであり, * ≡ ,-" .' !/ (5) とおいた.Eq.(4)から,バーナの先端温度は火炎の温度と 形状ファクタ A によって決まることが分かる. 3.2 長さスケールの評価 バーナの温度を推定するには,Eq.(5)で定義される形状 ファクタを決めなければならない.本研究では Fig.5 に示 す次の 3 つの長さスケールを定義し,画像データから火炎 の形状を定量化する.すなわち, 1. 火炎の有効半径 Rf = (af·bf)1/2 (afおよび bfはそれぞれ火炎を楕円と見なしたときの水平 方向および鉛直方向の半径) 2. 火炎高さ Hf 3. バーナと火炎基部との最小距離δf(以下ではこれを消炎 距離と呼ぶ) である. Fig.6 に画像から取得したそれぞれの長さスケールを示 す.Uf = 48 cm/s や 65 cm/s では,有効半径および火炎高さ は 1000 K までほぼ一定であった.一方で Uf = 22 cm/s では これらのスケールは雰囲気温度の上昇とともに減少する傾 向が見られた.また,Uf = 13 cm/s では火炎高さは減少傾向 を示したが,有効半径は大きな変化は見られなかった.雰 囲気温度に対するこれらの傾向の違いは,定性的には反応 物質の拡散と対流の相対的な大きさを考えることで説明で きる. 拡散火炎では火炎面は燃料と酸化剤の混合分率が量論 となる等値面に形成される.流速が大きい条件では対流が 卓越するために拡散速度に対する温度の影響が現れず,火 炎の有効半径や高さはほとんど変わらない.流速が小さい 条件では拡散速度が相対的に大きくなるため,拡散係数の 温度依存性の影響が顕著に現れる.このときバーナ内部を 流れるメタンに比べて周囲を流れる空気の方がその温度が 高く,したがって拡散速度の上昇分も空気の方が大きくな る.その結果,火炎はバーナに接近して形成されるため, 有効半径,火炎高さともに温度上昇とともに減少したと考 えられる.ところが,Uf = 13 cm/s のように消炎限界近傍の 条件では,火炎は平坦でバーナと同程度の大きさとなって いるため,温度上昇による有効半径の変化がほとんど見ら れなかったと考えられる.一方,同じ温度条件で比較する と,有効半径と火炎高さは燃料流速の上昇に伴って大きく なった.拡散速度が一定であり,かつマイクロフレームで は浮力の影響が小さいことを考えると,これらの長さスケ ールの増加は慣性力が相対的に大きくなったことによるも のと考えられる. 消炎距離については流速による大きな違いは見られず, T∞の上昇に対してはほぼ直線的に減少した.この関係を外 挿すると,燃焼室温度が約 1500 K で消炎距離がゼロとなる ことから,この線形傾向は物理的に受け入れられるもので あると考えられる.消炎距離が燃料流速に対してほぼ変化 しないのは,バーナ出口から上流側への物質輸送は主に拡 散によってなされ,燃料流速の影響が小さいからであると 考えられる.ここで楕円状火炎の扁平率を af > bfのとき(af – bf)/ af,または,af < bfのとき(bf – af)/ bfとすると,今回実験 実験力学 Vol. 17, No. 3(2017 年 9 月) 213

(5)

を行った範囲内では,火炎の扁平率は最大でも T∞ = 500 K, Uf = 13 cm/s のとき 0.31 であり,この結果からも本研究で

観察された火炎はいずれもほぼ真円と見なせるような形状 であったことが分かる.

Fig. 5 Definition of the characteristic lengths. The image is corresponding to Uf = 22 cm/s, T∞ = 300 K Fig. 7 に燃焼室温度を変えたときのバーナ先端温度の実 測値(黒塗りのプロット)を示す.ただし,温度計測の実 験は前述までの実験と異なりステンレス製の燃焼室を用い て行ったものであり,この実験では燃焼室の温度を約 630 K までしか上げることができず,したがって実測値もこの 温度範囲内で得られたものであることに注意されたい.ま た,温度計測実験における最小の燃料流速は 17 cm/s であ る. いずれの燃料流速の場合においても,バーナ先端温度は 燃焼室温度に対してほぼ直線的に上昇したが,その傾きは 消炎限界近傍である Uf = 13 cm/s や 22 cm/s の場合において 大きくなった.そのため,燃料流速ごとのバーナ先端温度 の差は燃焼室温度の上昇とともに小さくなった.T∞ > 630 K でのデータは得られていないため詳細は不明であるが, 燃焼室温度がある程度大きい条件ではバーナ先端温度があ る値に収束する可能性があることを示唆している. Fig.7 にはマイクロフレームの画像から得られた形状パ ラメタから Eq.(4)を用いて推定したバーナ先端温度も示し た.バーナ先端温度を求めるにあたり,気相の熱伝導を決 める代表長さは火炎とバーナ先端との最小距離である消炎 距離とし,バーナ上部と側壁からの熱輸送の比であるαは バーナと火炎との距離の関数であると考えてα = δ/Hfとし た.また,本装置の構造上マイクロバーナは燃焼室底面に 設置された電熱線によって底面から予熱されており,した がって燃料ガスの流入温度 T0は T∞ = 300 K 以外の実験では, 室温よりも高くなっていたはずである.そこで,本研究で は流入温度 T0を T0 = 0.7T∞として見積もり,さらに壁温度 一定のもと燃料ガスへの熱伝達が行われると考え Hausen の式より Nu = 3.6617)とした. Eq.(4)を用いて画像データから推定したバーナ先端温度 は,実測値に比べやや過大となったものの,熱電対による 計測値にも画像データにも不確かさがあることを考えれば, 両者は定性的によく一致している.この結果から,火炎の 画像からバーナ先端の温度を推定することが可能であると 言える. 以下では,画像データや温度計測値の不確かさ以外の推 定値と実測値の差の要因として,バーナからの熱損失の影 響および火炎形状の影響について検討する. 上述したように本研究では,バーナからの輻射による熱 損失を考慮していない.その理由は,輻射を考慮しないモ デルであっても Fig.7 に示したように定性的にはバーナ先 端温度を予測可能で,かつこの場合にはバーナ先端温度を 簡単な 1 次方程式で与えることができ,実用上有用と考え たからである.とは言え,Eq.(4)による推定値が実測値よ りも大きいという結果は,バーナからの熱損失が過小評価 されていることを示唆する.そのため,バーナからの輻射 熱損失を考慮することでどの程度先端温度が変化するか検 討しておくことは重要である. バーナを灰色体としてバーナ壁面から周囲への輻射熱 損失を考慮した場合,バーナ先端温度 Tbは次の 4 次方程式 の解として与えられる. 012+ 3 4 + 5 01− 306+ 072+ 3407 = 7 (6) ただし,B は, 3 ≡ 8'5 9: ;<=: (7) とおいた.ε [-] は放射率,σ [W/m2· K4] はステファン・ボ ルツマン定数である.ε = 0.5(SUS304 製バーナ),λg = 0.104 W/m·K(0.1 MPa,700 K のメタン)とすると,Eq.(6)を用 いて求めたバーナ先端温度は輻射を考慮しない場合に比べ て低くなる.例えば Uf = 22 cm/s の場合,T0 = 300 K では約 44 K,T0 = 1000 K の場合では約 200 K 低い(その他の流速 条件についても同程度).輻射熱損失を考慮したモデルでは 特に高温側において低いバーナ先端温度を与えることから, バーナ先端温度を正確に推定するには輻射を考慮するべき であると言える.しかし,概算ではなく正確に輻射熱損失 を見積もろうとすれば,運用中のバーナ放射率を把握して おかねばならず,またバーナの内側の壁面からの輻射など も考慮する必要がある.この難しさを考えれば,バーナ先 端温度を過大評価するということは燃焼器の過熱状態につ いて安全マージンを取った予測が可能であるとも言えるた め,輻射を考慮しないモデルによる推定は燃焼器の安全設 計・運用を考える上では有効であると考えられる. Eq.(4)がバーナ先端温度を過大評価する要因の一つとし て,形状ファクタ A が小さく見積もられていることも考え られる.ここで,燃料の流入温度と火炎温度が A に対して 独立であるとすると,Tbの A に対する感度因子は,Eq.(4) を A で偏微分して > >( = ) (' ? (8) である.A のオーダーが O(1)であり,Eq.(8)右辺の温度差 のオーダーが O(3)であると考えられるので,A の変化に対 して Tbは極めて敏感に変化する.したがって,A の値を適

Fig. 6 Characteristic lengths as a function of T

切に定めることがバーナ温度を推定する上で重要であるこ とが分かる. また推定値の雰囲気温度に対する傾きは,計測値のそれ と比べ小さい.この理由として,消炎距離だけでは,消炎 限界近傍において雰囲気温度を上昇させた際に見られる火 炎の形状変化による熱流入の変化を表すことができていな いことが考えられる.Uf = 13 cm/s や 22 cm/s では,T0が低 いとき火炎はバーナの上端から浮き上がって形成されてい る(Fig.3).雰囲気温度が上昇すると火炎はバーナを取り 囲むようにして形成されており,このときバーナの先端温 度は急激に上昇する.この形状変化によるバーナへの熱流 入量の増加は,消炎距離の減少による増加分よりもおそら く大きいと考えられる.Fig.4 に示したモデルは火炎がバー ナを取り囲むように形成された状態を考えているため,消 炎限界近傍で火炎が浮き上がるような場合に対しては本モ

Fig. 7 Comparison of the burner tip temperature

デルが適用できない可能性がある. 本研究では,バーナ先端温度の簡単な推定式を導出する ため,バーナからの輻射や空気流による熱伝達,バーナ管 壁内部の熱伝導を無視し,さらに燃料流による熱伝達につ いては代表長さを Lbとしてその大きさを見積もった.しか し,特に燃焼室温度が低くバーナ先端がそれほど高温とな らないような場合には,それらの熱損失項は無視できず, またバーナの代表長さも長くなると考えられる 8).画像デ ータからの推定はそれほど正確ではないとは言え,温度計 測の困難さを考えれば,Eq.(4)のような単純な関係式によ っておおよその温度を推定できることは実用上有用である と言える.

4.結 言

本研究では,マイクロフレームが存在するときのバーナ 先端温度を推定する方法について検討を行い,火炎の形状 パラメタとバーナ先端温度の関係式を導出した.室温から 1000 K まで燃焼室温度を変えた実験を行い,火炎の有効半 径,火炎高さおよび消炎距離の温度依存性を明らかにした. また,実験的に得られた画像データから関係式を用いて推 定したバーナ先端温度と,熱電対による実測値を比較した. 両者が定性的に一致することから,火炎の形状観察に基づ いてバーナ先端温度を推定できることを示した.さらに, バーナ先端温度の予測値が実測値よりも大きくなる要因と して,バーナからの輻射熱損失および火炎形状の影響につ いても検討した.先端温度を精度良く見積もるためには輻 射による熱損失について考えるべきであるが,実用上は輻 射を考慮せずに得られた簡単な関係式を燃焼器の安全設 計・運用に用いることができる.ただし,消炎限界近くで 見られる浮き上がり火炎に対しては,本研究のモデルは適 用できない可能性があることに注意されたい.

(6)

Fig. 6 Characteristic lengths as a function of T∞ 切に定めることがバーナ温度を推定する上で重要であるこ とが分かる. また推定値の雰囲気温度に対する傾きは,計測値のそれ と比べ小さい.この理由として,消炎距離だけでは,消炎 限界近傍において雰囲気温度を上昇させた際に見られる火 炎の形状変化による熱流入の変化を表すことができていな いことが考えられる.Uf = 13 cm/s や 22 cm/s では,T0が低 いとき火炎はバーナの上端から浮き上がって形成されてい る(Fig.3).雰囲気温度が上昇すると火炎はバーナを取り 囲むようにして形成されており,このときバーナの先端温 度は急激に上昇する.この形状変化によるバーナへの熱流 入量の増加は,消炎距離の減少による増加分よりもおそら く大きいと考えられる.Fig.4 に示したモデルは火炎がバー ナを取り囲むように形成された状態を考えているため,消 炎限界近傍で火炎が浮き上がるような場合に対しては本モ

Fig. 7 Comparison of the burner tip temperature

デルが適用できない可能性がある. 本研究では,バーナ先端温度の簡単な推定式を導出する ため,バーナからの輻射や空気流による熱伝達,バーナ管 壁内部の熱伝導を無視し,さらに燃料流による熱伝達につ いては代表長さを Lbとしてその大きさを見積もった.しか し,特に燃焼室温度が低くバーナ先端がそれほど高温とな らないような場合には,それらの熱損失項は無視できず, またバーナの代表長さも長くなると考えられる 8).画像デ ータからの推定はそれほど正確ではないとは言え,温度計 測の困難さを考えれば,Eq.(4)のような単純な関係式によ っておおよその温度を推定できることは実用上有用である と言える.

4.結 言

本研究では,マイクロフレームが存在するときのバーナ 先端温度を推定する方法について検討を行い,火炎の形状 パラメタとバーナ先端温度の関係式を導出した.室温から 1000 K まで燃焼室温度を変えた実験を行い,火炎の有効半 径,火炎高さおよび消炎距離の温度依存性を明らかにした. また,実験的に得られた画像データから関係式を用いて推 定したバーナ先端温度と,熱電対による実測値を比較した. 両者が定性的に一致することから,火炎の形状観察に基づ いてバーナ先端温度を推定できることを示した.さらに, バーナ先端温度の予測値が実測値よりも大きくなる要因と して,バーナからの輻射熱損失および火炎形状の影響につ いても検討した.先端温度を精度良く見積もるためには輻 射による熱損失について考えるべきであるが,実用上は輻 射を考慮せずに得られた簡単な関係式を燃焼器の安全設 計・運用に用いることができる.ただし,消炎限界近くで 見られる浮き上がり火炎に対しては,本研究のモデルは適 用できない可能性があることに注意されたい. 実験力学 Vol. 17, No. 3(2017 年 9 月) 215

(7)

謝 辞

本研究は JSPS 科研費 JP26289041 および財団法人岩谷直 治記念財団の助成を受けて行われた.また,本研究の遂行 にあたっては中国科学院 青島バイオエネルギー・バイオプ ロセス技術研究所の Gao 准教授から多くのアドバイスを受 けた.ここに記して謝意を表する.

参 考 文 献

1) Ban, H., Venkatesh, S. and Saito, K.: Convection-diffusion controlled laminar micro flames, J. Heat Transfer, 116-4 (1994), 954-959.

2) Nakamura, Y. and Hirasawa, T.: Compact quantum control heeating device by array technology of microflame (in Japanese), Denshizairyo (supplementary volume), 7 (2010), 155-163. 3) Ida, T., Fuchihata, M., and Mizutani, Y.: Microscopic diffusion

flame structures with micro flames, Proc. Third International

Symposium on Scale Modeling (ISSM-III), (2000), E3.

4) Matta, L.M., Neumeier, Y., Lemon, B., and Zinn, B.T.: Characteristics of microscale diffusion flames, Proc. Combust. Inst.,

29-1 (2002), 933-939.

5) Cheng, T.S., Chao, Y.-C., Wu, C.-Y., Li, Y.-H., Nakamura, Y., Lee, K.-Y., Yuan, T., and Leu, T.S.: Experimental and numerical investigation of microscale hydrogen diffusion flames, Proc.

Combust. Inst., 30- (2005), 2489-2497.

6) Nakamura, Y., Yamashita, H., and Saito, K.: A numerical study on extinction behaviour of laminar micro-diffusion flames, Combust.

Theory Model., 10-6 (2006), 927-938.

7) Kuwana, K., Tagami, N., Mizuno, S., and Ida, T.: Extinction of laminar jet diffusion microflames, Proc. Combust. Inst., 32-2 (2009), 3115-3121.

8) Gao, J., Hossain, A., Matsuoka, T., and Nakamura, Y.: A numerical study on microscale jet diffusion flames of methane: achieving heat-recirculation assisted combustion at near-extinction conditions,

Combust. Flame, 178 (2017), 182-194

9) Weinberg, F.J.: Combustion temperatures: the future?, Nature, 233 (1971), 239-241.

10) Fujiwara, K., Nakamura, Y., and Hirasawa, T.: Development of “tiny” droplet flame simulator: “super-stabilized” micro-jet flame in a hot air, J. Therm. Sci. Technol., 6-2 (2011), 235-246.

11) Fujiwara, K., and Nakamura, Y.: Experimental study on the unique stability mechanism via miniaturization of jet diffusion flames (microflame) by utilizing preheated air system, Combust. Flame,

160-8 (2013), 1373-1380.

12) Hossain, A., and Nakamura, Y.: Thermal and chemical structures formed in the micro burner of miniaturized hydrogen-air jet flames,

Proc. Combust. Inst., 35-3 (2015), 3413-3420.

13) Hirasawa, T., Sumi, M., and Nakamura, Y.: Effect of burner size and material on extinction of methane diffusion microflame, J. JSEM, 13 (2013), s75-s79.

14) Yatsu, S.: Asymmetric Abel Transform Code (abelinv) (in Japanese),

Hokkaido University Information Initiative Center News, 29-3

(1997), 21-59.

15) ImageJ: https://imagej.nih.gov/ij/

16) The Japan Society of Mechanical Engineers (ed.): JSME data book:

thermophysical properties of fluids (in Japanese), The Japan Society

of Mechanical Engineers (1983).

17) Holeman, J.P.: Heat transfer (in Japanese), Translated by Hirata, M., Brain Tosyo Shuppan (1993), 189-197.

濾過燃焼の低次元模型実験

—数値シミュレーションとの比較検討—

遊 佐 真 弓

,船 島 康 史

,増 山 紋 加

,桑 名 一 徳

**

,櫛 田 玄 一 郎

***

Reduced-dimensional Model Experiment of Filtration Combustion

—Comparison with Numerical Simulation—

Mayumi YUZA, Koshi FUNASHIMA, Ayaka MASUYAMA, Kazunori KUWANA and Genichiro KUSHIDA

In filtration combustion, an exothermic reaction wave propagates in a porous medium through which there is gas filtration. Filtration combustion of carbon, for example, is used in various industrial processes such as underground coal gasification, in situ combustion for residual oil recovery, roasting and sintering of ores, blast furnace, and direct reduction of iron from beneficiated iron ores. A previous stability analysis found that there is a cellular solution to the Saffman-Taylor formulation, where mass diffusion is destabilizing. Insights into stability conditions are important for designing industrial processes, and numerical simulations are often conducted. The numerical models generally rely on certain assumptions, and their validity must be tested before using them. However, the 3-D nature of filtration combustion makes comparison between experimental data and numerical predictions difficult; detailed experimental observation requires sensing inside a porous medium, while 3-D numerical simulations are computationally expensive. This paper considers smoldering combustion of a thin paper in a narrow channel, which has been studied in the context of fire safety, and the governing equations are similar to filtration combustion. Since the phenomenon is essentially 2-D, comparison between experimental observations and numerical predictions is straightforward, enabling a simple check of the model assumptions.

Keywords: Filtration combustion, Smoldering combustion, Surface oxidation, Fingering instability, Pattern formation

1.緒 論

濾過燃焼(filtration combustion)は多孔質媒体中に気体を 流通させながらその媒体を酸化させる燃焼技術であり,石 炭の地下ガス化や鉄鉱石の焼結,燃焼合成などで活用され ている 1), 2).中でも炭素を濾過燃焼する事例が多く報告さ れており 2),このとき炭素は表面反応により酸化される. 濾過燃焼に関する理論的研究も行われているが,なかでも 興味深いのは,条件によっていわゆる Saffman-Taylor 不安 定性のようなフィンガリング不安定性を示すことである3) 濾過燃焼技術を活用するためには,このような不安定燃焼 挙動を示す条件について理解しておくことが重要である. 濾過燃焼プロセスにおける燃焼挙動を理解するために, 数値シミュレーションがしばしば実施される.しかし,多 孔質媒体中で酸化反応が起こる濾過燃焼プロセスは複雑な 現象であり,多くの仮定のもとに導出された基礎式を用い るのが一般的である.例えば,固相と気相の熱的平衡など が代表的な仮定として挙げられる. これらの仮定は条件によっては妥当でなくなるため,数 値シミュレーションを実施する際にはあらかじめ仮定の妥 当性について検証することが不可欠である.しかし濾過燃 焼は一般に 3 次元的な現象であるうえに,多孔質媒体中の 燃焼挙動を観察しなければならないため,詳細な実験デー タの取得が容易ではない.また,3 次元数値シミュレーシ ョンは計算負荷が高く,多くの条件でシミュレーションを 実施するのも困難である.これらのことから,濾過燃焼の 数値モデルの妥当性について十分に検討されているとは言 い難いのが現状である. 一 方 , 火 災 安 全 の 分 野 で は 固 体 の 燻 焼 ( smoldering combustion)が広く研究されている4).火災時に,木材や紙 類,綿製品などが燻焼することが多いためである.燻焼で は,固体が熱分解して可燃性気体が生じるものの気相で燃 焼することはほとんどなく(発生した熱分解ガスの温度が 低下して凝縮すれば白煙として見える),残った固体炭素が 表面燃焼により酸化される.したがって,反応機構に関し て燻焼と濾過燃焼には共通するところが多い.例えば,紙 巻きたばこの燻焼は濾過燃焼の一形態と捉えることができ る.紙や木材は有炎燃焼(熱分解ガスが気相で燃焼する現 象)する場合もあるが,酸素供給が制限された条件などで は燻焼を起こす. 紙に沿った燃え拡がり現象は火災安全分野の一大テー マであり,数多くの研究が行われている 5).通常の燃え拡 がり実験では紙は有炎燃焼するが,例えば狭い空間 6)で実 験したり微小重力環境 7)で実験したりすると酸素供給を制 限できるので(微小重力環境では空気が燃焼領域に向かう 自然対流が生じない),燻焼実験が可能である.このような 紙の燻焼燃え拡がり実験でもフィンガリング不安定性が観 原稿受付 2017 年 6 月 30 日 * 山形大学(〒992-8510 山形県米沢市城南 4-3-16) ** 正 会 員 山 形 大 学 ( 〒 992-8510 山 形 県 米 沢 市 城 南 4-3-16) *** 愛知工業大学(〒470-0392 愛知県豊田市八草町八千草 1247)

Fig. 1  A schematic image of experimental setup
Fig. 4  Heat balance model of non-premixed microflame
Fig. 4  Heat balance model of non-premixed microflame
Fig. 5  Definition  of  the  characteristic  lengths.    The  image  is  corresponding to Uf = 22 cm/s, T ∞  = 300 K  Fig
+2

参照

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