イ ン ド 洋 お よ び 南 極 海 に お け る 浮 遊 粒 子 状 物 質 の 化 学 組 成 に 関 す る 研 究
中 口 譲
a,b,c)、 廣 田 晶 子
a)Studies on the chemical composition of suspended particulate matter in the Indian and the Antarctic Ocean
Yuzuru Nakaguchi
a,b,c)and Akiko Hirota
a)a)School of Science and Engineering, Kinki University
b)Research Institute for Science and Technology, Kinki University
c)Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering, Kinki University
(Received 8, January, 2016) Abstract
The origin of particulate matter which collected from the Indian Ocean and the Antarctic Ocean was clarified by individual particle analysis. Iron -rich particle which carried from land was observed at the surface in all sampling stations. Aluminum-dominant and Al-Si particles were observed at ER-5, 8 and 10 in the Indian Ocean sampling stations. These results confirmed that these particles were land origin such as aluminosilicate. A lot of silica dominant particles were observed at ER-14 in the Antarctic Ocean station.
The SEM image of these particulate matter suggested that these particles were originated from diatom. The number of biogenic particles which exist at the surface has decreased with increase of depth.
Keywords: suspended particle, chemical composition, the Indian Ocean, the
Antarctic Ocean, individual particle analysis
1.
緒 言海 水 の 化 学 成 分 は 便 宜 的 に 孔 径
0.2 µm
か ら0.45 µm
の フ ィ ル タ ー を 通 過 す る 成 分 を 溶 存 態 、 通 過 せ ず フ ィ ル タ ー 上 に 残 る も の は 粒 子 態 と 定 義 し て い る 。 海 水 中 の 粒 子 態 成 分 に は 様 々 な 起 源 の 異 な る 粒 子 が 存 在 す る 。 そ の 起 源 と し は 生 物 起 源 粒 子 な ど の 海 生 起 源 粒 子 の ほ か に 大 気 を 通 じ て 運 び 込 ま れ る 陸 起 源 粒 子 が 含 ま れ る 。 海 水 中 の 生 物 起 源 粒 子 は 主 に 動 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 遺 骸 や 排 泄 物 が 含 ま れ 、 陸 起 源 粒 子 に は 流 入 河 川 や 大 気 を 経 由 し て 運 び 込 ま れ る 土 壌 粒 子 や 人 為 起 源 粒 子 が 含 ま れ る 1)。 海 水 中 の 粒 子 状 物 質 は 海 洋 に お い て 様 々 な 役 割 を 担 っ て お り 、 土 壌 粒 子 は 化 学 的 ま た は 物 理 的 反 応 に よ り 元 素 や 物 質 を 吸 着 し 、 鉛 直 輸 送 す る 。 ま た 植 物 プ ラ ン ク ト ン な ど の 生 物 粒 子 は 必 須 性 に よ り 元 素 を 取 り 込 み 、 死 滅 後 鉛 直 方 向 に 輸 送 さ れ 堆 積 す る 一 方 で 、 輸 送 過 程 に お い て バ ク テ リ ア 等 の 酸 化 分 解 に よ り 再 生 ・ 再 利 用 さ れ る 。 こ の よ う に 、 こ れ ら 海 洋 に お け る 懸 濁 粒 子 は 海 洋 の 循 環 メ カ ニ ズ ム を 明 ら か に す る に あ た り 重 要 な 手 掛 か り と な っ て お り 、 ま た こ れ ら の 化 学 的 研 究 は 、堆 積 学 、古 生 物 学 、 地 球 物 理 学 の み な ら ず 、 生 物 学 や 微 生 物 学 と も 密 接 な 関 係 に あ る 。 し か し 、 こ れ ら 粒 子 の 種 類 や そ の 溶 存 物 質 と の 相 互 関 係 に は 不 明 な 点 が 多 く 存 在 す る 。 海 水 中 の 懸 濁 粒 子 の 化 学 成 分 は 海 水 試 料 ろ 過 後 の フ ィ ル タ ー を 混 酸 に よ る 全 分 解 ま た は 粒 子 成 分を 脱 着 さ せ た 後 に 全 分 解 を 行 い 、 各 種 ス ペ ク ト ル 分 析 法 で 分 析 す る が 、 試 料 を 非 破 壊 で 分 析 す る 方 法 も あ る 。 海 洋 の 浮 遊 粒 子 状 物 質 の 同 定 す る 手 法 と し て は 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 - エ ネ ル ギ ー 分 散 型
X
線 分 析 装 置(SEM
-EDX
)、走 査 型 透 過 電 子 顕 微 鏡 - エ ネ ル ギ ー 分 散 型X
線 分 析 装 置(
STEM-EDX
)やX
線 マ イ ク ロ ア ナ ラ イ ザ ー (EPMA
) が あ げ ら れ る 。Jambers
ら はSTEM-EDX
に よ り 北 海 の 浮 遊 粒 子 状 物 質 の 個 別 粒 子 分 析 を 行 っ て い る 2)。そ こ で 本 研 究 で は 、
SEM-EDX
を 用 い て イ ン ド 洋 お よ び 南 極 海 に お い て 採 取 し た 懸 濁 粒 子 物 質 (SPM
) の 化 学 組 成 の 解 析 を 行 い 、 各 試 料 採 取 地 点 に お い て 水 深 別 の 粒 子 の 化 学 組 成 や 粒 径 の 比 較 お よ び 粒 子 起 源 の 解 析 を 行 う こ と を 目 的 と し た 。2.
実 験2.1
試 料 採 取試 料 採 水 点 を
Fig. 1
に 示 し た が 、 海 水 試 料 は 海 洋 研 究 開 発 機 構 所 属 白 鳳 丸KH-09-5
次 航 海 (2009
年11
月~
2010
年1
月 ) に お い て 採 水 し た 。 採 水 は 、 表 層 水 に つ い て は ポ リ エ チ レ ン 製 バ ケ ツ を 、 表 層 よ り 下 層 の 海 水 に つ い て はCTD-CMS
に 取 り 付 け ら れ たNiskin-X
型 採 水 器 を 用 い て 行 っ た 。浮 遊 粒 子 状 物 質 分 析 用 試 料 は 海 水
100
~5,000 ml
を 孔 径0.4
μm
の ヌ ク レ ポ ア フ ィ ル タ ー (Whatman
社 製 ) を 用 い て 船 上 ろ 過 を 行 い 、 ろ 過 後 のフ ィ ル タ ー は 超 純 水
200 ml
を 通 液 さ せ 、 脱 塩 を 行 っ た 後 、 予 め 酸 に よ る 洗 浄 を 行 っ た プ ラ ス チ ッ ク シ ャ ー レ に 移 し 、 ポ リ エ チ レ ン 袋 に2
重 に 包 み 、 冷 蔵 保 存 し て 研 究 室 に 持 ち 帰 っ た 。2.3
海 水 中 の 浮 遊 粒 子 状 物 質 の 形 態 観 察 お よ び 元 素 分 析持 ち 帰 っ た フ ィ ル タ ー は 乾 燥 さ せ た 後 、 約
5mm
各 の 大 き さ に 切 断 し 、 伝 導 性 カ ー ボ ン 両 面 テ ー プ を 用 い て ア ル ミ ニ ウ ム 製 の 試 料 台 に 固 定 し 、 オ ス ミ ウ ム コ ー タ ー ( 日 立 製 作 所 製HPC-30
型 ) を 用 い て オ ス ミ ウ ム を20nm
の 厚 さ と な る よ う 蒸 着 を 行 っ た 。 そ の 後 、 各 採 水 点 に お け る 試 料 か ら 粒 子 を 無 作 為 に 約300
個 選 び 、 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 (SEM
: 日 立 製 作 所 製S-4800
型 )を 用 い て 形 態 観 察 を し た 。 観 察 後 の 粒 子 は エ ネ ル ギ ー 分 散 型X
線 分 析 装 置(EDX
: 堀 場 製 作 所EX-420
)に て 主 要 元 素 組 成 分 析 を 行 っ た 。 な お 、X
線 の 加 圧 電 圧 は20kV
、 分 析 時 間 は60
秒 で 行 い 、 粒子 全 体 に
X
線 が 当 た る よ う 照 射 領 域 を 選 ん だ 。 個 別 粒 子 の 元 素 別 重 量 割 合 を 求 め 、 粒 子 の タ イ プ 別 分 類 を 行 っ た 3)。P(X)=X/(Mg+Al+Si+P+S+K+Ca+Ti+V +Mn+Fe+Co+Ni+Ba+Pb)
Si
を 例 に す る と 、“Si-rich
粒 子 ” に 分 類 さ れ る 粒 子 はP(Si)
の 値 が 他 の ど の 元 素 よ り も 高 い 粒 子 で あ り 、Si-rich
粒 子 の 中 で も 、P(Si)
≧0.65
の 場 合 は “Si-dominant
粒 子 ”、 ま たP(Si)<0.65
か つ 、P(X)
≧0.20
の 粒 子 は“Si-X
粒 子 ”、P(Si)<0.65
で 、他 の ど の 元 素 に つ い て もP(X)<0.20
で あ る 粒 子 は “Si-other
粒 子 ” と そ れ ぞ れ 定 義 す る 。3.
結 果 お よ び 考 察3.1
イ ン ド 洋(ER-5
、ER-8
、ER-10
)、南 極 海 (
ER-14
) の 個 別 粒 子 分 析 の 結 果イ ン ド 洋 お よ び 南 極 海 で 観 察 さ れ た 粒 子 像 を
Fig.2
に 、ER-5
、ER-8
、ER-10
、ER-14
の0 m
、10 m
、1000 m
、Bottom
水 深 に お け る 粒 子 の 主 要 構 成 元 素 分 類 結 果 と そ の 存 在 割 合 をTable 1~4
に そ れ ぞ れ 示 し た 。イ ン ド 洋 の3
地 点 で は 、各 層 でAl-rich
粒 子,
Si-rich
粒 子 が 多 く を 占 め て い た 。Al-rich
粒 子 の 中 で もAl-dominant
、Al-Si
粒 子 が 多 く 、Fig.2
(a
) の よ う な 粒 子 像 の も の が 多 く 存 在 し た 。 そ の 粒 子 像 や 構 成 元 素 か ら 陸 起 源 物 質 で あ る と 考 え ら れ る 。 特 に 、Al-Si
粒 子 の よ う なSi
とAl
を 多 く 含 む 粒( b ) Al-Si
( a ) Al-dominant
( c ) Fe-rich ( d ) S-rich
Fig. 2 Image of particles in the Indian Ocean
Fig. 3 Image of particles in the Indian Ocean ( ER-5 )
子 は ア ル ミ ノ ケ イ 酸 塩 と よ ば れ 考 え ら れ 、 陸 源 性 物 質 つ ま り 土 壌 粒 子 の 指 標 と し 用 い ら れ て い る 。 イ ン ド 洋 の
3
測 点 に お け る ア ル ミ ノ ケ イ 酸 塩 粒 子 に は 、Si
やAl
以 外 の 元 素 も 検 出 さ れ た 粒 子 も 確 認 さ れ た 。 こ の こ と か ら 、 こ れ ら の ア ル ミ ノ ケ イ 酸 塩 粒 子 は 様 々 な 元 素 を 吸 着 し て い る と 考 え ら れ る 。一 方 、Si-rich
粒 子 は そ の ほ と ん ど がSi-dominant
、Si-Al
粒 子 で あ っ た 。Si-dominant
粒 子 は そ の 主 成 分 がSi
で あ り 、Fig.2
(b
) の よ う な 珪 藻 類 を 含 む 植 物 プ ラ ン ク ト ン が 多 く 見 ら れ た 。 こ れ は 珪 藻 類 の 外 殻 はSi
に よ っ て 構 成 さ れ て い る た め で あ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 イ ン ド 洋 か ら 南 極 海 に か け て の 各 測 点 の 表 層 で はFig. 2
(c
)の よ う なFe-rich
粒 子 が 多 く 、ER-5
で6.3 %
、ER-8
お よ びER-10
で14.3%
で あ っ た 。 こ れ は そ の 粒 子 像 や 構 成 元 素 、 粒 子 数 の 少 な さ や 表 層 に 多 く 見 ら れ る と い う 点 か ら 、 粘 土 鉱 物 粒 子 が 大 気 エ ア ロ ゾ ル や 河 川 に よ り 表 層 水 に 供 給 さ れ た 可 能 性 が 高 い と 考 え ら れ る 。 そ し て 、 各 測 点 で 見 ら れ たS-rich
粒 子 に はFig. 2
(d
)に 示 し た よ う な 電 子 ビ ー ム を 照 射 す る と 形 状 が 変 形 す る も の が 多 く 存 在 し 、 こ れ ら は 比 較 的 柔 軟 性 に 富 ん だ 粒 子 で あ る こ と か ら 、 断 定 は で き な い が 、 有 機 物 粒 子 で あ る と 考 え ら れ る 。3.1.2 ER-5
に お け る 解 析 結 果ER-5
の0 m
~100 m
に はCa-rich
粒 子 が 多 く 見 ら れ た 。 特 に10 m
で は 多 く20.8%
で あ っ た 。 こ れ ら は 、Fig. 3
(a
)お よ び(b
)で 示 し た よ う な 大 き く 分 け て2
種 類 の 粒 子 像 の も の が 多 く 、 そ の 構 成 元 素 か ら も 円 石 藻 (Coccolithophorids
) な ど の 炭 酸 カ ル シ ウ ム の 外 殻 を 持 つ 生 物 起 源 粒 子 とCa
鉱 物 な ど の 陸 起 源 粒 子 で あ る こ と が わ か っ た 。Bottom
層 で もCa-rich
粒 子(2.2 %
)は 存 在 し た が 、 そ の 多 く が 陸 起 源 粒 子 と 考 え ら れ た 。 表 層 で 生 物 起 源 のCa-rich
粒 子 が 多 く 見 ら れ た の は 、0 m
~100 m
の 有 光 層 で は 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 活 動 が 活 発 で あ る た め で あ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、100 m
で は 他 測 点 で も ほ と ん ど 見 ら れ な か っ たBa-rich
粒 子 が10.1 %
と 最 も 多 く 見 ら れ た 。 そ の 粒 子 像 お よ び 構 成 元 素 はFig. 3
(c
) の よ う な 特 徴 的 な も の で あ り 、 小 さ な 粒 子 集 合 体 に 見 え る 。 こ の 粒 子 像 や 構 成 元 素 が 重 晶 石(barite
)の 特 徴 に 似 て い る た め 重 晶 石 で は な い か と 考 え ら れ る 。 重 晶 石 は 海 洋 の 至 る 所 に 存 在 す る 。 そ の 起 源 と し て 陸 起 源 は も ち ろ ん 、 火 山 活 動 に よ る も の や 浮 遊 生 物 中 に 選 択 的 に 吸 収 さ れ 濃 集 す る こ と に よ り 生 産 さ れ る こ と も あ る 。 例 え ば 、 放 散 虫 の ア カ ン タ リ ア(
Acantharians
)は そ の 骨 格 に 硫 酸 ス ト ロ ン チ ウ ム を 持 ち 、 死 滅 し 溶 解 す る 際 に 重 晶 石 を 発 生 す る 。 本 研 究 で 見 ら れ たBa-rich
粒 子 は そ の 粒 子 像 や 化 学 組 成 か ら 陸 起 源 粒 子 で あ る と 考 え た 。し か し 本 研 究 で は 、ER-5
の10 m
でFig.3
(d
)の よ う な ア カ ン タ リ ア で あ る と 思 わ れ る 粒 子 の 存 在 を 確 認 し た 。 し た が っ て 、 生 物 源 に よる 重 晶 石 で あ る 可 能 性 も 示 唆 さ れ る 。
5.2.3 ER-8
に お け る 解 析 結 果 こ こ で は 各 層 でSi-rich
粒 子 が 多 く を 占 め て お り 、 下 層 の 方 が よ り 多 く のSi-rich
粒 子 が 確 認 で き た 。し か し 、 こ れ はTable 2
か ら わ か る よ う に 、 植 物 プ ラ ン ク ト ン が 増 え て い る わ け で は な い 。 ま た 生 物 起 源 粒 子 と 陸 起 源 粒 子 の 粒 子 数 の 割 合 は 、 表 層 を 除 く 各 層 を 比 較 し て も 大 き な 変 化 は 見 ら れ な い 。 一 方 、 陸 起 源 粒 子 の 単 位 体 積 当 た り の 粒 子 量 が 表 層 か ら 減 少 し て い る 。 こ れ は 表 層 で は 陸 起 源 粒 子 数 が78.6 %
と 比 較 的 多 く 、ま た 粒 子 径 も3.7 µm
と 大 き か っ た た め 、 粒 子 量 は 大 き く な っ た と 考 え ら れ る 。ま た 、ER-5
やER-10
と 比 較 す る と 、ER-8
はAl-rich
の 陸 起 源 粒 子 数 が 減 少 し 、Si-Al
の 陸 起 源 粒 子 が 増 加 し た 。 し た が っ て 、 起 源 別 粒 子 数 を 比 較 す る とER-5
と 同 様 の 傾 向 を 示 し た 。水 深
100 m
で はCa-rich
粒 子 が15.1 %
と 比 較 的 多 く 見 ら れ た 。 こ れ ら はER-5
のCa-rich
粒 子 と は 違 い 、 そ の ほ と ん ど が 陸 起 源 粒 子 で あ り 、 特 にCa-S
粒 子 が 多 く を 占 め て い た 。 そ の 粒 子 像 は 鉱 物 の よ う な 陸 起 源 粒 子 で あ り 、 構 成 元 素 か ら こ れ は 石 膏(
CaSO
4)で は な い か と 考 え ら れ る 。5.2.4 ER-10
に お け る 解 析 結 果 こ こ で はAl-rich
粒 子 がbottom
で 最 も 多 く 、57.4 %
で あ っ た 。ER-10
のbottom
で はAl-Si
やAl-other
、Al-dominant
粒 子 が 他 層 に 比 べ て 多 く 見 ら れ た 。 そ し て 、 そ の 多 く が そ の 粒 子 像 や 構 成 元 素 か ら 陸 起 源 粒 子 で あ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、bottom
で は 他 層 に ほ と ん ど 見 ら れ な か っ た 陸 起 源 性 のAl-Mg
、Al-P
粒 子 も 見 ら れ た 。こ こ で も100 m
を 除 く 各 層 で 、 陸 起 源 粒 子 の 方 が 多 く 存 在 し て お り 、 イ ン ド 洋 の3
測 点 は 粒 子 起 源 別 粒 子 数 が 比 較 的 似 通 っ て い る こ と が わ か っ た 。5.2.5
南 極 海ER-14
に お け る 解 析 結 果イ ン ド 洋 の
3
測 点 と は 異 な り 、 全 層 でSi-rich
粒 子 が70 %
以 上 を 占 め て い た 。 特 に 、Si-dominant
が 多 く 、 粒 子 像 や そ の 構 成 元 素 か ら そ の ほ と ん ど が 珪 藻 類 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン で あ っ た 。 そ の 理 由 の 一 つ と し て 、 南 極 海 の 複 雑 な 海 流 の 影 響 が 考 え ら れ る 。 そ し て 海 流 だ け で な く 、 南 極 海 深 層 に は 湧 昇 も 見 ら れ 、 こ れ ら の 海 洋 循 環 が 植 物 プ ラ ン ク ト ン の 繁 栄 に 影 響 が あ る の で は な い か と 考 え ら れ る 。 逆 に 、 陸 起 源 粒 子 が 少 な い の は 南 極 大 陸 の 地 形 に よ る 影 響 が あ る と 考 え ら れ る 。南 極 大 陸 は そ の90 %
以 上 が 氷 に 覆 わ れ て い る 。 そ の た め 、 大 陸 か ら の 陸 起 源 粒 子 の 影 響 を あ ま り 受 け な い と 思 わ れ る 。そ し て 、 こ こ で も ま た 表 層 に は
Fe-rich
粒 子 が 多 く 見 ら れ た 。こ れ は 、 イ ン ド 洋 の3
測 点 と 同 様 の も の で あ る と 考 え ら れ る 。B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P.
Mg-rich 0.5 0.4 5.2 0.4 Ca-rich 7.2 0.5 16.9 4.2 0.4 1.9
Mg-dominant 0.7 Ca-dominant 7.2 16.2 4.2 0.4
Mg-Al 0.5 0.4 0.7 Ca-Mg 0.5 0.7
Mg-Si 0.4 0.4 Ca-Al
Mg-P 0.4 Ca-Si 0.4 0.4
Mg-S 2.2 Ca-P 0.7 0.4
Mg-Ca 0.7 Ca-S
Mg-Fe Ca-K
Mg-Cu Ca-Fe
Mg-other Ca-Cu
Al-rich 5.8 32.9 1.4 7.7 7.8 17.0 11.9 23.5 Ca-other
Al-dominant 2.9 22.2 0.7 4.2 3.7 8.5 6.0 15.3 Ti-rich 1.9 0.4
Al-Mg Ti-dominant 0.5 0.4
Al-Si 2.9 6.3 0.7 1.4 3.0 5.2 6.0 8.2 Ti-Mg
Al-P Ti-Al 0.5
Al-S 1.4 0.4 0.7 Ti-Si 0.5
Al-Ca 1.0 0.4 Ti-Ca
Al-Ti Ti-Fe
Al-Cr Ti-other 0.5
Al-Fe 1.4 Cr-rich
Al-Cu 0.4 0.4 Cr-dominant
Al-Zn Cr-Si
Al-other 0.5 0.4 1.9 Mn-rich 0.4
Si-rich 15.5 19.3 43.7 10.6 24.1 39.3 29.1 28.7 Mn-dominant
Si-dominant 10.1 6.8 40.8 7.0 18.5 3.3 14.9 6.3 Mn-Si 0.4
Si-Mg 0.5 0.4 1.5 1.1 1.9 Mn-Fe
Si-Al 5.3 8.7 1.4 4.4 23.0 12.7 20.5 Fe-rich 1.9 4.3 2.2 0.4 2.2
Si-P 0.5 Fe-dominant 0.5 2.9 0.4 0.4
Si-S 1.0 0.7 0.7 0.4 Fe-Mg 0.4
Si-K Fe-Al 0.5 1.0 0.4 0.7
Si-Ca 0.5 2.1 Fe-Si 0.5 0.7 0.4 0.7
Si-Ti 0.4 Fe-P 0.5 0.5 0.4
Si-Cr Fe-S
Si-Fe 1.4 0.7 1.1 Fe-Ca
Si-Cu Fe-Ti
Si-Zn Fe-Cr
Si-Ba Fe-other 0.4
Si-other 0.7 0.7 10.0 Cu-rich 2.1 0.4 1.1
P-rich 1.4 1.4 0.4 1.5 0.4 Cu-dominant 2.1 0.4
P-dominant 0.5 0.7 0.4 0.7 Cu-Mg 0.4
P-Mg 0.7 0.4 Cu-Al 0.4
P-Si 0.4 0.4 Cu-Si 0.4
P-S 1.0 Cu-Ca
P-Ca Zn-rich
P-Fe Zn-dominant
P-other Zn-Si
S-rich 6.8 1.9 6.3 6.3 0.4 0.4 Ba-rich 0.4
S-dominant 3.4 1.0 2.1 1.4 0.4 Ba-dominant 0.4
S-Mg 0.4 Ba-Al
S-Al 3.4 0.5 0.7 Ba-Si
S-Si 0.7 Ba-S
S-P 0.7 Ba-Ca
S-K Ba-Fe
S-Ca 2.1 2.1 Ba-other
S-Ti 0.5 Pb-rich
S-Cr Pb-dominant
S-Fe Pb-Al
S-Cu S-Ba
S-other 0.7 1.4
B.P. : Biogenic particle, T.P. : Terrigeneous particle
100 m 1000 m bottom
Table 1 Number of suspeneded particle categorised using elemental composition
Type of particle Percentage [%]
Type of particle Percentage [%]
0 m 100 m 1000 m bottom 0 m
B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P.
Mg-rich 0.4 0.4 3.1 3.7 Ca-rich 0.4 1.8 13.3 2.7
Mg-dominant 0.4 0.7 0.4 Ca-dominant 0.4 1.5 3.3 1.0
Mg-Al 1.0 Ca-Mg 0.4 0.7
Mg-Si 0.4 0.3 0.8 Ca-Al 0.3
Mg-P Ca-Si 2.2 0.3
Mg-S 0.7 0.4 Ca-P 0.4
Mg-Ca 1.7 Ca-S 6.6 0.3
Mg-Fe Ca-K
Mg-Cu 0.4 Ca-Fe
Mg-other 0.3 Ca-Cu 0.4
Al-rich 3.9 16.2 4.8 7.4 1.4 5.1 6.2 4.1 Ca-other 0.4
Al-dominant 1.7 7.9 3.3 5.2 1.0 2.1 1.7 1.7 Ti-rich 3.1 1.2
Al-Mg 0.4 Ti-dominant 1.3 0.4
Al-Si 1.7 4.8 1.5 0.4 0.3 2.1 1.2 Ti-Mg
Al-P 0.4 Ti-Al
Al-S 0.3 Ti-Si 0.4 0.4
Al-Ca 0.4 Ti-Ca
Al-Ti Ti-Fe 1.3
Al-Cr Ti-other 0.4
Al-Fe 0.4 Cr-rich
Al-Cu 1.7 0.7 0.8 Cr-dominant
Al-Zn Cr-Si
Al-other 0.4 1.3 1.1 0.7 Mn-rich
Si-rich 13.5 33.6 38.7 20.3 38.7 40.4 34.4 41.1 Mn-dominant Si-dominant 10.9 15.3 34.7 12.9 32.9 6.8 29.9 9.1 Mn-Si
Si-Mg 1.3 1.7 3.7 Mn-Fe
Si-Al 2.2 12.7 3.3 2.6 4.8 18.5 4.1 17.0 Fe-rich 0.4 14.0 2.6 2.4 0.4 3.3
Si-P Fe-dominant 10.9 1.5 1.7 0.4 1.2
Si-S 0.9 0.7 0.3 0.7 0.4 Fe-Mg 0.3
Si-K 0.9 0.4 0.3 0.8 Fe-Al 1.3 0.4 0.4
Si-Ca 2.2 0.3 Fe-Si 0.4 0.4 0.4 1.7
Si-Ti Fe-P 0.4
Si-Cr Fe-S
Si-Fe 2.6 0.4 2.4 Fe-Ca 0.4
Si-Cu 1.0 0.4 Fe-Ti
Si-Zn \ Fe-Cr
Si-Ba 0.4 Fe-other 0.9 0.3
Si-other 0.4 0.7 8.6 7.9 Cu-rich 0.9 0.9 1.8 0.3 0.4
P-rich 0.4 1.3 0.7 0.3 2.5 Cu-dominant 0.4 0.9 0.3 0.4
P-dominant 0.4 2.1 Cu-Mg
P-Mg 0.4 Cu-Al 1.5
P-Si Cu-Si 0.4
P-S 0.4 0.9 0.4 Cu-Ca 0.4
P-Ca 0.3 Zn-rich 0.4
P-Fe 0.4 Zn-dominant
P-other Zn-Si 0.4
S-rich 1.7 7.0 6.3 4.5 0.4 Ba-rich 1.7 1.5 1.0 1.2
S-dominant 1.3 3.5 1.8 1.7 Ba-dominant 1.7 1.1 1.0 0.8
S-Mg 1.7 0.4 Ba-Al
S-Al 0.4 Ba-Si
S-Si 0.9 0.4 Ba-S 0.4
S-P 0.4 1.7 Ba-Ca 0.4
S-K Ba-Fe
S-Ca 3.3 1.0 Ba-other
S-Ti Pb-rich 0.4
S-Cr 0.4 Pb-dominant 0.4
S-Fe 0.4 Pb-Al
S-Cu S-Ba
S-other 0.4
Table 2 Number of suspeneded particle categorised using elemental composition (ER-8)
Type of particle Percentage [%]
Type of particle Percentage [%]
0 m 100 m 1000 m bottom 0 m 100 m 1000 m bottom
B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P.
Mg-rich 0.7 1.5 1.1 0.4 0.8 5.8 Ca-rich 1.1 0.5 6.9
Mg-dominant 0.7 0.5 0.4 0.4 1.2 Ca-dominant 0.7 0.5 1.9
Mg-Al 0.4 Ca-Mg 1.5
Mg-Si 0.4 0.4 Ca-Al 0.4
Mg-P 1.2 Ca-Si
Mg-S 0.7 0.4 0.5 1.5 Ca-P
Mg-Ca Ca-S 0.4 2.3
Mg-Fe 0.4 Ca-K 0.4
Mg-Cu Ca-Fe 0.4
Mg-other 1.2 Ca-Cu
Al-rich 10.7 24.0 6.0 18.6 12.4 19.3 20.8 37.7 Ca-other
Al-dominant 6.3 14.8 3.8 16.4 10.4 13.9 13.8 18.8 Ti-rich 1.8 0.5
Al-Mg 0.4 4.2 Ti-dominant 0.7
Al-Si 3.7 1.8 2.2 0.5 1.9 3.5 6.2 5.0 Ti-Mg 0.4
Al-P 0.5 2.7 Ti-Al 0.4 0.5
Al-S 0.5 0.4 0.4 0.4 Ti-Si 0.4
Al-Ca 0.4 Ti-Ca
Al-Ti 0.4 Ti-Fe
Al-Cr 0.5 Ti-other
Al-Fe 1.5 0.4 1.2 Cr-rich 0.5 1.5
Al-Cu 0.7 1.5 Cr-dominant 0.5 1.5
Al-Zn 0.4 Cr-Si
Al-other 3.3 1.2 0.4 5.0 Mn-rich 0.4
Si-rich 13.3 19.9 43.2 7.1 28.6 15.4 16.5 9.6 Mn-dominant 0.4
Si-dominant 9.6 7.4 42.6 2.7 27.4 4.2 12.3 1.2 Mn-Si
Si-Mg Mn-Fe
Si-Al 1.8 7.7 0.5 2.7 0.8 7.7 4.2 5.8 Fe-rich 14.4 0.5 3.1 2.3
Si-P Fe-dominant 7.7 2.3 0.8
Si-S 1.1 0.4 0.4 Fe-Mg
Si-K 0.4 Fe-Al 1.5 0.5 0.4 0.4
Si-Ca 0.4 0.4 Fe-Si 1.5 0.4
Si-Ti Fe-P 0.7 0.4
Si-Cr Fe-S 0.7
Si-Fe 0.4 3.3 0.5 1.5 Fe-Ca
Si-Cu 0.4 0.4 Fe-Ti 0.4
Si-Zn Fe-Cr 0.4
Si-Ba Fe-other 1.5
Si-other 0.7 1.1 2.3 1.2 Cu-rich 0.4 0.7 1.1 1.1 0.8 0.8 1.2
P-rich 0.7 1.6 3.8 0.4 4.6 Cu-dominant 0.4 0.5 0.5 0.4 0.4 0.8
P-dominant 0.4 0.4 Cu-Mg 0.4
P-Mg 0.7 1.1 0.5 4.2 Cu-Al 0.4 0.5 0.5 0.4 0.4
P-Si Cu-Si
P-S 0.5 2.7 Cu-Ca 0.4
P-Ca 0.5 Zn-rich
P-Fe Zn-dominant
P-other Zn-Si
S-rich 2.6 6.3 5.5 7.1 0.4 7.7 0.4 Ba-rich 1.5 0.5 0.5 1.9 0.4
S-dominant 1.5 3.0 4.9 4.4 0.4 0.8 Ba-dominant 0.4 0.5 0.5 1.9 0.4
S-Mg 0.4 1.1 1.1 0.4 Ba-Al
S-Al 0.4 0.5 0.4 Ba-Si
S-Si 0.4 0.4 Ba-S 1.1
S-P 0.5 0.4 Ba-Ca
S-K 0.4 Ba-Fe
S-Ca 0.7 0.5 3.9 0.4 Ba-other
S-Ti Pb-rich
S-Cr Pb-dominant
S-Fe Pb-Al
S-Cu
S-Ba 0.4
S-other 0.7 0.5 1.5
B.P. : Biogenic particle, T.P. : Terrigeneous particle
Table 3 Number of suspeneded particle categorised using elemental composition (ER-10)
Type of particle Percentage [%]
Type of particle Percentage [%]
0 m 100 m 1000 m bottom 0 m 100 m 1000 m bottom
B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P. B.P. T.P.
Mg-rich 1.1 0.7 Ca-rich 0.4 0.3
Mg-dominant Ca-dominant 0.4
Mg-Al Ca-Mg
Mg-Si 0.4 Ca-Al
Mg-P 0.4 Ca-Si
Mg-S 0.4 Ca-P 0.3
Mg-Ca 0.7 Ca-S
Mg-Fe Ca-K
Mg-Cu Ca-Fe
Mg-other Ca-Cu
Al-rich 0.3 1.7 6.1 0.7 9.9 4.7 6.0 Ca-other
Al-dominant 0.3 2.5 5.1 2.6 0.7 Ti-rich 4.4 0.4
Al-Mg Ti-dominant 3.7 0.4
Al-Si 0.3 1.0 2.9 0.4 4.7 0.7 5.0 Ti-Mg
Al-P 0.4 Ti-Al
Al-S 0.4 Ti-Si 0.3
Al-Ca Ti-Ca
Al-Ti Ti-Fe
Al-Cr Ti-other 0.3
Al-Fe 0.3 Cr-rich 0.3
Al-Cu Cr-dominant
Al-Zn Cr-Si 0.3
Al-other 0.7 0.4 0.7 0.3 Mn-rich
Si-rich 65.4 17.4 86.1 2.9 63.5 9.1 68.3 21.7 Mn-dominant
Si-dominant 62.4 7.7 77.1 1.8 59.5 2.9 60.7 6.7 Mn-Si
Si-Mg 0.7 0.4 0.4 Mn-Fe
Si-Al 2.7 3.7 8.2 3.3 3.6 6.7 8.0 Fe-rich 7.4 1.3
Si-P Fe-dominant 5.7 0.3
Si-S 1.0 0.7 Fe-Mg
Si-K 0.4 Fe-Al
Si-Ca Fe-Si 1.3 0.7
Si-Ti 0.3 Fe-P
Si-Cr Fe-S 0.3
Si-Fe 0.3 2.5 0.4 0.3 1.7 Fe-Ca
Si-Cu Fe-Ti
Si-Zn Fe-Cr
Si-Ba Fe-other 0.3
Si-other 1.7 0.4 0.4 0.7 1.5 0.7 5.3 Cu-rich 0.3
P-rich 1.0 0.4 1.1 Cu-dominant
P-dominant 0.3 0.4 1.1 Cu-Mg
P-Mg Cu-Al 0.3
P-Si Cu-Si
P-S 0.7 Cu-Ca
P-Ca Zn-rich
P-Fe Zn-dominant
P-other Zn-Si
S-rich 0.7 0.4 2.1 5.5 Ba-rich 1.3
S-dominant 1.5 Ba-dominant 0.7 2.0
S-Mg 0.4 0.4 0.4 Ba-Al
S-Al 0.4 0.4 Ba-Si 0.3
S-Si 0.4 Ba-S
S-P 0.3 0.7 Ba-Ca
S-K Ba-Fe 0.3
S-Ca 1.4 0.7 Ba-other 0.3 0.7
S-Ti Pb-rich
S-Cr Pb-dominant
S-Fe Pb-Al
S-Cu S-Ba
Table 4 Number of suspeneded particle categorised using elemental composition (ER-14)
Type of particle Percentage [%]
Type of particle Percentage [%]
0 m 100 m 1000 m bottom 0 m 100 m 1000 m bottom
4.
結 語本 研 究 で は 、 海 水 中 の 循 環 メ カ ニ ズ ム を 解 明 す る 重 要 な 手 掛 か り の 一 つ と な っ て い る
SPM
に 焦 点 を 当 て 、SEM-EDX
を 用 い て イ ン ド 洋 お よ び 南 極 海 に お け るSPM
の 構 成 元 素 の 解 析 を 行 い 、 粒 子 起 源 を 解 明 す る こ と を 目 的 と し た 。全 測 点 で 共 通 し て い た の は 、 表 層 に
Fe-rich
粒 子 が 見 ら れ た こ と で あ る 。 こ れ は 、 そ の 粒 子 像 や 構 成 元 素 か ら 大 気 も し く は 河 川 か ら 供 給 さ れ た 粘 土 鉱 物 粒 子 で あ る と 考 え ら れ る 。そ れ ぞ れ の 測 点 を 比 較 し て み る と 、 イ ン ド 洋 の
3
測 点 で はAl-dominant
やAl-Si
な ど の 陸 起 源 性 の ア ル ミ ノ ケ イ 酸 塩 と 考 え ら れ る 粒 子 が 比 較 的 多 く 見 ら れ た 。 一 方 で 、 南 極 海 のER-14
で はSi-dominant
粒 子 が 多 く 見 ら れ 、 そ の 粒 子 像 か ら も そ れ ら の 大 半 が 珪 藻 類 の 植 物 プ ラ ン ク ト ン で あ っ た 。 そ の た め 、 イ ン ド 洋 の3
測 点 で は 陸 起 源 粒 子 数 が 多 か っ た の に 対 し 、ER-14
で は 生 物 起 源 粒 子 数 が 圧 倒 的 に 多 い 結 果 と な っ た 。 こ の 結 果 の 原 因 と し て は 、 南 極 海 に お け る 海 流 の 特 性 や 南 極 大 陸 の 地 理 的 な 特 性 が 影 響 し て い る と 考 え ら れ る 。 起 源 別 に 粒 子 を 見 る と 、 表 層 で は 鉱 物 な ど の 陸 起 源 粒 子 と 比 べ て 植 物 プ ラ ン ク ト ン な ど の 生 物 起 源 粒 子 は 大 き い も の が 多 か っ た 。 し か し 、 下 層 に い く に つ れ て 生 物 起 源 粒 子 の 粒 子 径 は 小 さ く な っ た 。 植 物 プ ラ ン ク ト ン は 有 光 層 で あ る 水 深100 m
ま で を 境 界 と し て 、100 m
以 深 で は 生 命 力 が 低下 す る と 考 え ら れ て い る 。 そ し て 、 下 層 に い く に つ れ て そ れ ら は 高 次 動 物 に 摂 取 さ れ る な ど し て 死 骸 や 排 泄 物 と な っ て 沈 降 し て い く 。 こ の こ と に よ り 、 生 物 起 源 粒 子 の 粒 子 径 は 表 層 で 大 き く 、 下 層 へ い く ほ ど 小 さ く な る 傾 向 を 示 し た と 考 え ら れ た 。
参 考 文 献