サスペンション特性の旋回時車両運動及びドライバ官能の解析
武馬修一* 東山正志**
Analysis of Vehicle Dynamics and Driver-functional on Cornering by Changing Suspension Characteristics
Shuuichi BUMA* Masashi HIGASHIYAMA**
In this study, By changing the suspension characteristics "spring constant, dumping coefficient, etc", We was evaluated the vehicle dynamic performance and the driver's functional characteristics by using the simulation (CarSim DS).
As a result, we report on the relevance of the driver sensory evaluation and the response of the driver and the vehicle.
Keyword Automobile, Vehicle Dynamics, Human Engineering, Human Vibration, Biomechanics
1.序論 1.1 目的
近年,自動車産業の普及により,交通手段として車やバ スなどの自動車は日常生活に必要不可欠なものとなった.
しかし,フォード社が導入した流れ作業による大量生産方 式により,1910 年頃からヨーロッパで大衆化され,100 年 を超える歴史を持つ自動車にも改善すべき課題がいくつ かあり,その中でも,「意のままに扱える車」の開発は永遠 のテーマである.その開発の中で人間特性と車両の運動特 性の関連付けは目標特性を導出する上で必要なプロセス である.
Fig.1 Simulation (CarSim DS)
今回は乗用車のサスペンションを構成するばね,アブソー バ等の特性を変える事によって,連続的に旋回するパイロ ンスラローム走行において,車両の運動性能とハンドル操 作をするドライバの官能特性を Fig 1 に示す,シミュレー ション CarSim DS を使って評価した結果,ドライバの官能 評価とハンドル操作及び車両の応答性との関連性につい て報告する.過去においてドライバの操舵特性と頭部挙動 などを調べた論文1)~2) はあるが車両挙動と官能評価との 関連付けの論文は無いので今回はシミュレータを使って その傾向を見る.又今後の調査研究の可能性を検証する.
2.評価内容
CarSim DS のシミュレーション上で,車両諸元の異なる 仕様の車を運転し,車両運動性能を評価する.
運転した際に 4 つの項目について,官能評価と定量評価 の関係について調査しその関係を解析する.
2.1 実験方法
車両諸元は 3 種類 オリジナル仕様と Sporty 仕様と Comfort 仕様.評価は Sporty 仕様と Comfort 仕様につい て行う.運転は 3 回に分ける.1 回目は Carsim のオリジナ ル仕様で運転練習を行い,2 回目と 3 回目は Table 1 の Sporty 仕様と Comfort 仕様設定値の車で運転を行う.
走行コースは,舵角,ロール,ヨーレート,横加速度などを 評価しやすいパイロンスラロームで実験を行った.
*近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科
**近畿大学工業高等専門学校
総合システム工学科 機械システムコース
2.2 実験条件
車両のばね定数,減衰係数,ステアリングギヤレシオ,アン チロールバーによるロール剛性の値を Table1 1 のように 設定した Sporty 仕様と Comfort 仕様をそれぞれ運転する.
Table1.Vehicle
2.3 実験コース
連続的な運転操作による車両の挙動が計測できるパイト ンスラロームをコースに選定し評価を行う.
・パイロン間隔は、30mに配置
・車速の目安は 40km/h
2.4 評価項目
各試験における官能評価値と定量評価値について評価す る.
(1)ハンドルフィーリング:ハンドルの操作性と 車の応答性を評価する.
(2)ロール応答:ハンドルの操作性とロールの大きさや 早さを評価する.
(3)ヨー応答:ハンドルの操作性と,車両のヨー方向旋回 応答を評価する.
(4)運転のしやすさ:安定してスラローム走行を行い, パイロンををよけることができるかを評価する.
3.実験結果
官能評価と定量値との関係を解析し,関連性についてまと める. Fig.2 はハンドルフィーリングと舵角の相関関係を 示す. Fig.3 はロール応答とロール角の相関関係を示す.
Fig2. Relationship of handle feeling rate and steering angle (peak to peak)
Fig3. Relationship of roll feeling rate and roll angle (peak to peak)
以上 Fig.2, Fig.3 から定量評価と官能評価の強い相関を 確認した.
4.結論
(1)ハンドルフィーリングと舵角の大きさとの相関関係は 強く,舵角が小さいと,ハンドルフィーリング評価の官能 評価値が高くなる.
(2)ロール応答の官能評価と定量評価の相関関係は強く, ロールが小さいと,ロール応答の官能評価値が高くなる.
(3)今後,各種走行条件についても検討する.
(4)シミュレータを使っての車両の状態量とドライバの官 能評価の相関の傾向をつかむ事が出来,その結果,目標性 能の検証に今後,利用範囲を広げる事の可能性を明らかに した.
(5)この結果,実車についても同様に相関が得られる可能 性があるので,特に相関の優位差がある特性について実車 検証への可能性を示す事が出来た.
参考文献
1)武馬修一,梶野英紀,趙在成,高橋経範,土居俊一 旋回ロール時のドライバ挙動の解析と考察,
自動車技術会論文集,Vol.40,No.2,March,2009, pp.277-282 2)武馬修一,矢萩孝志,神田亮,高橋経範,土居俊一
スラローム走行時のドライバ頭部挙動と操舵行動の解 自動車技術会論文集,Vol.40,No.5,Sept,2009, pp.1197-1202
0 200 400 600 800 1000
0 1 2 3 4 5
Handle feeling rate[-]
Steering angle(peak to peak)
hard soft
R=0.65
[deg]