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Academic year: 2021

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A Practical Study of Teaching English to Elementary School Children  Using CLIL 

: Focusing on Arts and Crafts for the Fourth Graders 

教科・領域教育専攻 言語系コース(英語) 篠 原 由 依

1.研究の背景及び目的

小学校外国語活動は,2011年度(平成23年 度)から全国の公立小学校で第5,6年生を対象 として実施されている。文部科学省は, 2013  年(平成 25年)12月に『グローバル化に対応

した英語教育改革実施計画』を発表した。こ れにより,2020年の東京オリンピックに向け て,小学校の中学年から外国語活動が始まる ようになる。さらに,高学年は英語が必修科 目となり,授業時数も増加し,現在の「聞く ことJ

r

話すことJに加え「読むことJ

r

書く こと」の4技能を育成することとされている。

Benesse(20 14)の『中高生の英語学習に関す る実態調査 2014~ や文部科学省(2013) の全 国学力・学習状況調査によると,小学校外国 語活動について,外国や英語に興味をもつこ とができ,英語が好きになったと感じている ことがわかる。しかし,筆者の外国語活動サ ポーター等の経験によって,外国語活動が児 童の学年の段階や発達段階に合った活動・知 識内容になっているのかには疑問があった。

したがって,小学校外国語活動において CLIL(Content  and Language  1ntegrated  Learning)を導入しようと考えた。

そこで,本研究では,小学校外国語活動の 中学年からの開始に向けて,中学年での他教

指 導 教 員 石 漬 博 之

科(図画工作)の内容と関連させたCLILの 指導の効果を明らかにすることを目的とする。

11.研究の概要

第1章の序論に引き続き,第2章では先行 研究の概観として, CL1Lがどのような指導 法であり,これまでのイマージョンやCBIと 比べてどのような違いがあるのかを示してい る。また,これまでに小学校で、行われたCL1L の調査から,小学校でのCLILの有効性を明 らかにした。また, Piagetの発達理論から,

子どもの発達に合った活動や記憶に結びつき やすい学習についても述べている。さらに,

第 3章で行う調査のため,図画工作の学習指 導要領,図画工作は児童の好きな教科である ということを確認し, CLILの調査を実施す る上での注意事項をも示した。

第3章では,徳島県の公立I小学校で, 4  年生を対象に図画工作と英語を統合させた CLILの授業を行うこととし,次の2つのリ サーチ・クェスチョンをたてた。事前と事後 の児童の情意面に関する調査,事前と事後の 英語聞き取り調査及び授業ごとのふりかえり カードの結果をもとに, SPSSで分析し考察

した。

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①図画工作と関連させた外国語の授業 (CLIL)は、児童の英語への興味関心,

意欲などの情意面に効果があることを 明らかにすることである。

②図画工作の内容が基にあり,動作が伴 う活動により,児童が英語を楽しく,

わかりやすく感じ,英語の意味の理解 度に効果があることを明らかにするこ

とである。

事前事後の英語聞き取り調査の分析から,

授業後は児童の単語認知力が上がっているこ とが分かった。

授業後に行ったふりかえりカードの結果か ら, I楽しさJ,I難度J,I興味J,I言い方の理 解J,I聞き取りの理解」の5つの項目すべて において有意差があることが分かった。

また,事前と事後のアンケート調査の結果 か ら は 英 語 へ の 好 意J, I英語への興味J,

「英語学習への意欲」に有意差があり,今回 のCLILの授業が情意に有効であるというこ とが分かった。

事後のアンケート調査では,それぞれの項 目の相関係数を算出し,高い相関をもっ組み 合わせを示した。その結果から,言語学習に おいて,興味を持って楽しく学習するという ことは大変重要な要素であることが分かった。

さらに,事後アンケートの自由記述から,

事後の聞き取り調査の感想、やCLIL授業全体 の感想、,英語の授業へのイメージについて,

肯定的な回答がほとんどで、あった。児童は,

今回の授業を通して,英語学習の楽しさを体 験することができ,もっといろんな教科を英 語で学習してみたいと感じている。特に,児 童は英語の物語を聞いて,内容を理解してみ

たいと考えているようだ。

本研究では, 2つのリサーチ・クェスチョ ンにおいて, CLILの授業が効果をもつこと が明らかになった。

CLILはそれぞれの教育現場に合わせて用 いることができる。小学校,中学校,高校,大学 に上がるにつれて, CLILは言語学習重視か ら内容学習重視へと発展できる。小学校教師 の様々な教科の知識を活かして, CLIL授業 を考えていくことが期待できるであろう。

III.  今後の課題

本研究では,4回の授業という短い期間であ ったが,図画工作と英語を統合させた CLIL の授業が児童の情意面や単語認知力に効果が あることが明らかになった。しかし,学期を通 して,授業カリキュラムの中に長期的なCLIL を組み入れることも重要である。長期的に進 めていくことで,児童は英語を自然に聞き取 ったり,話したりできるようになっていくだ ろうと期待している。

また,調査対象においても,4年生でしか授 業を行えなかったことから,より多様な学習 ができると考えられる高学年でもCLILの授 業を行うことで,英語の音声や文字をも楽し く習得できると考えられる。また,図画工作以 外の教科で調査をしてみる余地もあると考え ている。

最後に,今後小学校の現場でCLILを実践 していくための課題として,他教科などの内 容を通して, 日本語を用いずとも,その英語 の意味を理解できるようにすることが大切だ

と考えている。

参照

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