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<研究ノート>米国スーパービジョンのモデルについ

著者 廣川 進

出版者 法政大学キャリアデザイン学部

雑誌名 法政大学キャリアデザイン学部紀要

巻 17

ページ 105‑122

発行年 2020‑03

URL http://doi.org/10.15002/00023005

(2)

米国スーパービジョンのモデルについて

法政大学キャリアデザイン学部 教授  

廣川 進

1 スーパービジョンモデルの全体像

本稿では、米国のスーパービジョンの基本文献ともいえる Bernard, J, M., &

Goodyear, R.K(2014) の Fundamentals of clinical supervision か ら 概 観 し、

最近の試みについてもふれる。

Garfield(2006)によればメンタルヘルス関連のカウンセリングと精神療法 には 1000 以上のアプローチがある。スーパービジョンの領域でも、1980 年代 から理論的な発達(例、ポスト・モダンアプローチ)、専門家的発達(例、倫 理規定)、カギとなる問題(例、多文化セラピーの専門性とスーパービジョン)

などの用語が中心となってきた。2000 年代から、新たなモデルが出現し、古 いモデルも洗練されてきた。その全体的な見取り図が図1である。

図 1 スーパービジョンモデルの主なカテゴリー

A-1 A-2 A-3 A-4 A-5

B-1 B-2 B-3 B-4 B-5

C-1 C-2 C-3 C-4

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精神療法理論にもとづくモデル、発達モデル、プロセスモデルの3本柱か らなる、第2世代モデルとよばれるもの。これには「組み合わせモデル」「ター ゲットモデル」「共通要因モデル」なども含まれている。これらのモデルの中 から、主要なものを取り上げてまとめた。

■精神療法に基づく確固たるモデル A5)社会構成主義的モデル:

社会構成主義の考え方は、事実と真実は文脈的であり、観察する人の創造 として存在する。真実とは社会的な相互作用に基づいた構成物である。知識 とは対話の中で共有されるだけではなく創造されるものである。それをもた らせるようなカウンセラーとクライアント、スーパーバイザーとスーパーバ イジーの間の関係づくりを重視する。

ナラティブ・アプローチによるスーパービジョンでは、クライアントは人 生を通して発達し続ける物語を語る語り手(storytellers)である。カウンセラー の役割はその物語の編集者(editor)である。スーパーバイザーの役割は、スー パーバイジーがクライアントの物語をうまく編集できるような手助けと、同 時にスーパーバイジー自身が専門家としての物語を発達させる手助けとなる ことである。

解決志向モデルでは、クライアントの病理や欠点ではなくクライアントの 長所、強みを重視し、どうやってクライアントが望むものを手に入れるかに 焦点をあてる。解決志向スーパービジョンでは、大きな課題をかかえるスー パーバイジーにも「今週このクライアントにあなたがやってあげたベストな ことは何でしたか」とか「この状況で手始めにできることは何があるだろうか」

と質問する。

A の精神療法に基づくスーパービジョンの問題は、スーパービジョンにお いて、ひとつの理論的アプローチだけにコミットする状況だと、理論的にも 偏る可能性があり、またセラピーとスーパービジョンの境界があいまいにな り、スーパービジョン関係の質がスーパーバイジーにとって混乱する可能も ある。

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■ B 発達モデル

発達モデルの歴史は新しいものではなく 1950 年代にまで遡れて、さまざま なタイプがある。精神力動発達モデル、線形モデル、認知モデル、社会的学習、

動機づけ理論、人間発達モデルなど多岐にわたるものを統合的発達モデル

(IDM)として集約した。

B1)3段階モデル

The Loganbill, Hardy, and Delworth Model ともいう。3つのステージから なる。

・停滞期:初心者が白黒2分思考や無力感に陥る。

・ 混乱期:不安定、障害、葛藤などの状態になる。何かが問題なのだが解 決の方法がわからない。

・ 統合期:嵐の後の平穏。スーパービジョンで重要な問題をモニタリング し不安定さに気づくことによる新たな認知、柔軟性、安心感が得られる。

B2)統合的発達モデル(IDM)(Stoltenberg & McNeill, 2010)

カウンセラーの発達には以下の4つのレベルがある。

・ レベル1:特定の領域、経験での限定された訓練

・ レベル2:模倣と依存から移行して、スーパービジョンの構造的、支援的、

教育的な環境へ気づく

・ レベル3:セラピーで「自己」を理解して使い、個人に即したアプロー チにより焦点化する

・ レベル3(統合):3つの領域においてレベル3に達していて、それを統 合する課題がある(例、治療、査定、概念化)。自分の長所短所に深く気 づきがある。

このレベルごとに、カウンセラーとして成長するための3つの重要な構造 がある。

 ① 自己−他者の気付き(認知と感情):先入観・自己・クライアントの世 界などへの気付き、自分の認知と感情の両方からの気付きや自覚  ② モチベーション:臨床的な訓練の努力、スーパーバイジーの関心など

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への内省

 ③ 自律:スーパーバイジーの独立、自立、自律の程度についての内省    4レベル×3構造でスーパーバイジーの特性とスーパーバイザーの行

動が記述される。

スーパーバイジーの発達の専門的な機能として8つの領域を上げる。

(Stoltenberg & McNeill, 2010)

1)介入のスキル 2)アセスメント技術 3)対人アセスメント 4)クライアントの概念化 5)個人的な差異

6)理論的な方向付け 7)治療プランと目標 8)専門家としての倫理

B3)6段階モデル

スーパーバイザーの介入に関しては、Heron(1989)の「6カテゴリー介入 システム」がある。

促進的介入

1カタルシス─感情的な反応を引き出す介入 2触媒─自己探索や問題解決を促す開かれた質問 3支援─スーパーバイジーの評価検証

権威的介入

4指示的─アドバイスや示唆をあたえる 5情報提供

6直面化─スーパーバイジーの感情、態度や行動の不一致について指摘する カウンセリングをする際に有効なスキーマを発達させるために Stoltenberg

& McNeill は Schon(1987)の提案したコンセプトを使う。Knowing-in-action

(KIA)はスーパーバイジーの自動的な反応について振り返ること。クライア ントの反応がスーパーバイジーを驚かせたとき、reflection-in-action (RIA)の

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可能性がある。他のクライアントとの対人相互の関係では起こらなかったよ うな違いについてスーパーバイジーが気づき、それに基づき、reflection-on- action(ROA)が起きることをスーパーバイザーが促進する。この一連のプロ セスでスキーマは洗練され、もっと複雑な RIA へ導き、KIA 行動のレパート リーを広げる。これらの概念的なツールが各レベルを超えてスーパービジョ ンを助ける。

システム認知発達モデル(Systemic Cognitive Developmental Supervision, SCDS)は Rigario-Digilio(1997)らが発展させた。4つの方向付けがある。

1感覚運動:転移・逆転移をはじめ、わき起こる感情を重視することは基本で あるが、あまりそれだけにとらわれると、概念的スキルを妨げることもある。

2コンクリート:スーパーバイジーのクライアント理解の仕方があまりに直 線的、原因—結果のレンズに固まっていると幅広い可能性を見落としがち になる。

3公式:公式な方向付けがあまりに支配的になると、実践の場でクライアン トのテーマの理解、翻訳が難しくなる。

4弁証法:ケースの概念化とはスーパーバイジーの仮説にチャレンジするこ とであるが、歴史的、文化的文脈を含んで膨大で複雑な環境から弁証的に 考えると、それらを統合することが難しくなる。

以上、スーパーバイザーはスーパーバイジーが持っているもともとの傾向、

方向付けとまずはマッチさせていく。そこから、方向づけを横断してスーパー バイジーの能力を広げていく。究極の目標はスーパーバイジーが、主要な考 え方は特定の方向付けに基づいていたとしても、4つの方向付けを出たり入っ たり自由にできることである。

この SCDS モデルはあまり広まらなかったが、依然としてスーパーバイジー のカウンセリングの体験化、概念化をする初歩の方法のスタイルを見極める には優れた方法である。

B4)リフレクティブ発達モデル

スーパービジョンで起こるリフレクティングのプロセスは以下のようなも のである。

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・ 引き金となる出来事:スーパーバイジーが驚き、不快になり、困惑する ような状況

・ それらの反応に当てる焦点はスキル/戦略、人間性の問題、概念化

・ スーパーバイジーは状況と自分についての理解、使えるスキルなどを批 判的に評価し直す

・ スーパーバイジーは起こったことについての新しい視点に達する。この 先、似たような状況が起きたとき、うまく対応できるためので出来ごと であったと。

こうしたリフレクティングプロセスを検討するときに3つの観点がある。

1繰り返し:スーパーバイジーのリフレクティングプロセスの各段階を促進 させることをスーパーバイザーは繰り返す。

2自己スーパーバイズ:自己内省のプロセスは自分自身で自分のスーパーバ イスができる力にかかっている。

3発見学習:ユニークな発見をしたとして、それが他の人のいい実践と一致 するとは限らない。スーパーバイジーのリフレクティングは自分自身の内 面のプロセス(困惑、不快など)を含んでいなければならない。しかし究 極的には他の専門家の実践とつながってくるものである。

B5) ライフスパン発達モデル(The Ronnestad and Skovholt LifeSpan Development Model)

このモデルでは卒後1年から 40 年までのカウンセラー 100 人にインタ ビューをして、質的分析から8つのステージ、20 のテーマが抽出された。最 新のデータ(Stoltenberg and McNiell , 2010)では6つのフェイズ、14 のテー マに精選された。

フェイズ1:援助に関心ある人 フェイズ2:初期の学生 フェイズ3:中級の学生 フェイズ4:初心者の専門家 フェイズ5:経験を積んだ専門家 フェイズ6:上級の専門家

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カウンセラーの発達成長のための 14 のテーマ

1)専門職としての自己と個人としての自己の高度な統合

2)焦点を自己の内面から外面へ、さらに内面へと劇的にシフトし続ける 3)内省し続けることが前提条件

4)発達成長のプロセスを推進する学習経の強いかかわり 5)認知的な地図の変化

6)専門家的な発達成長は長く、ゆっくりとときに不安定なプロセスが続く 7)専門家的な成長発達は生涯に渡るプロセスである

8)多くの初心の実践家はその仕事で多くの心配を経験するが、時を経てマ スターされていく

9)クライアントは影響力の主な源であり、最初の先生である

10)個人の生活は専門家の機能に影響を与え、専門的なライフスパンを通し て発達する

11)対人関係の資源の影響は人とかかわらない資源の影響よりも専門家の発 達を推進する。

12)専門分野の新しいメンバーは強い影響をベテランの訓練に与える

13)幅広い苦悩の体験は、人間の変化成長の可能性への高度な感謝と認知、

受容をもたらす

14)実践家にとって「主役は自分」から「主役はクライアント」へと再編す ることが重要

以上、発達モデルはスーパービジョンには不可欠な見方である。スーパー バイジーの発達成長を信じないとしたら、スーパーバイザーは、適性のない ものをこの領域で仕事につかせないといったゲートキーピングの機能だけに なってしまう。精神療法モデルがそれぞれの依拠する理論に分かれているの に対して、発達モデルは、どの理論であってもなりたつような汎理論モデル である。

■ C)スーパービジョンプロセスモデル

スーパービジョンモデルの3つの主要なカテゴリーの中で、精神療法に基

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づくモデルはひとつのセラピーアプローチを中心に置く、発達モデルはスー パーバイジーの学習プロセスの複雑さに中心を置く、プロセスはスーパービ ジョンのプロセスそのものを一歩離れて観察する。以下に4つのプロセスモ デルについて説明する。

C1)弁別モデル(Discrimination Model, DM)

スーパーバイザーは、介入、概念化、個別化に焦点をあてる(Bernard, 1997)。スーパーバイザーは、これら3つの焦点からクライエントとの相互作 用であるカウンセリングにおいてスーパーバイジーをモニタリングする。そ の際に、スーパーバイザーは以下の3つの役割を選ばなくてはならない。

・ 教師:教示、モデリング、直接的なフィードバックをする。

・ カウンセラー:スーパーバイジーの、とくに認知より内的な現実につい ての内省を強化するために想定された役割

・ コンサルタント:スーパーバイジーが自身のケースについての洞察、感 情を信頼して、それに基づいて思考し行動してほしいとき、より平等な 関係の役割をとる

以上、3つの役割と3つの焦点の掛け合わせで9つの象限ができる。

C2) 出来事に基づくスーパービジョンモデル(Events-Based Supervision Model (EBM))

出来事には「開始、中間、終末」がある。すべての出来事は「マーカー、

目印」と共に開始される。マーカーはスキルの不足や弱点、対人関係の問題、

スーパービジョンの特定の問題などスーパーバイジーの発達のすべての領域 に及ぶ。たとえば長い沈黙や予約のすっぽかしなどはクライアント―カウン セラーの役割葛藤を表しているかもしれないし、スーパーバイジーの自信の 危機を反映しているのかもしれない。それが何を意味するものか明確になる までスーパーバイザーは取り組まなくてはならない。これらのマーカーが認 められたら、スーパービジョンは「環境課題」へとシフトする。「一連の相互 関係」を吟味するスーパーバイザーの介入・戦略とスーパーバイジーのパ フォーマンスと反応からなる。たとえば、クライアントに性的な魅力を感じ

(10)

たとスーパーバイジーが報告したとき、環境課題は4つのステージを進んで いく。(a)感情の探索、(b)スーパービジョン関係に焦点化(c)体験の標準 化一般化(d)逆転移の探索

このモデルはスーパーバイジーの発達に逸脱するような問題が起きたとき にとくに役立つモデルである。

C3)7眼モデルと C4)SAS モデル

これは廣川(2019)で詳説しているので割愛した。

2 モデル間の統合のアプローチのいくつか

2019 年の全米カウンセリング教育・スーパービジョン協会(Association for Counselor Education and Supervision (ACES))の大会では、こうしたスーパー ビジョンモデルを統合的な観点から見直す動きが盛んになっている。

「弁別モデルと SAS モデルの統合」については KentB.Provost(2019)らが 発表をした(表2)。

表 2 弁別モデルと SAS モデルの統合

(KentB.Provost ,2019 ; Bernard & Goodyear,2014 ; Hollowoy, 1995)

  機能/役割 焦点/課題

(アドバイザー)教師/ カウンセラー/

(サポーター) コンサルタント 評価者/

(ゲートキーパー)

カウンセリングスキル スキル訓練介入/

あなたがすべき だと分かってい ることを何が妨 げているか

アプローチにつ いての賛否を探 索するワーク

モニターと フィードバック 概念化 知識訓練 個 人 的 な 障 害

(ブロック)の 探索

異なるモデルへ の注目と討議

個別化/感情的気づき 気 づ き の プ レゼンと示唆 自 己 の 気 付 き の認証と探索

第 3 グ ル ー プ の 貢 献 か ら の 探索

専門職の役割 法律的、倫理的、境界的、専門家的な態度の問題

弁別モデルの3×3の表に SAS モデルの観点を加えて統合的な観点にした 4×4の表を提案している。

(11)

また「カウンセラーの発達と統合の理論モデル」については Jayne &

Purswell(2019)が発表した(表3)。前提としてほとんどの発達モデルと同 様に、発達段階は 別々で直線的なものである必要はない。人はその発達段 階のあらゆる異なる段階を出入りしていいと考えられるし、同時に複数の段 階にいると考えてもいいとして、段階を以下の5つに分けた。①「自己への 気付き」の発達、②理論的な知識の発達、③理論の探索、④実践における理 論の応用、⑤洗練と個別化(自分のことに当てはめて考える)。それぞれの段

表 3 カウンセラーの発達と統合の理論モデル

Jayne&Purswell(2019):Association Counselor Education and Supervision(ACES) bi-annual conference

局面 「 自 己 へ の 気 付き」の発達 理論的な知識の

発達 理論の探索 実践における理

論の応用 洗練と個別化

一般的な対象と場

上級の専門職に なる準備訓練 カウンセラー訓 練プログラムと その先

初心〜上級学生 カウンセラー訓 練プログラム 早期生産

上級学生〜初級 専門職 カウンセラーの 訓練プログラム、

卒後研修 出現、登場

上級学生〜経験 ある専門職 カウンセラー訓 練 プ ロ グ ラ ム、

卒後研修、資格 取得後研修、中 程度の熟達

経験ある専門職

〜上級専門職 卒後研修、資格 取得後研修、そ の先

上級の熟達

記述説明

個人のアイデン ティティ、信念、

価値、変化と成 長の哲学につい ての理解と自覚 と発達させる

主要な概念と原 則の知識を含む カウンセリング 理論の発達

初 歩(1 〜 2 こ

の理論)の探索 クライアントに 特定の理論が使 える

セッション内で の理論的なスキ ルと原則の応用 セッション外で の理論を通して のクライアント の概念化

理論においてよ り 自 分 自 身 に なっていく 自身とアイデン ティティに忠実 に理論を表現す

スーパーバイザーの態度

共感 無条件の肯定的尊重 自己一致 あたたかさ ひらかれた心 受容性

スーパーバイザーの知識 個人の内面と対人関係の気づき ・知識の発達(クライエントとカウンセラー)

基本的カウンセリング経験 ・カウンセリング理論の知識 ・スーパービジョンの知識 ・ スーパービジョン実践のスーパーバイズ ・カウンセリング経験の継続 ・調査研究の知 識 ・多文化と社会的正義についての理解と能力

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スーパーバイザーのスキルと練習

臨 床 実 践 に か か わ る 個 人 的 な内省の促進 併 行 プ ロ セ ス の確認

・ 理論的な援助 の提供

・ 主要な理論的 な原則と用語 の特定と使用

・ カウンセラー 理解と理論の 応用の探索の 促進

・ 理論的応用の モデル化

・ 基本的なカウ ンセリングス キルの使用か ら理論に基づ くスキルの意 図的な使用へ の変化の自覚 と促進

・ ス ー パ ー ビ ジョンでの理 論を応用した ロープレ

・ 実践での理論 的な一致/不 一致と概念化 の特定

・ 理論的な援助の 提供

・ 実践での理論的 な一致/不一致 と概念化の特定

・ 主要な理論的な 原則と用語の特 定と使用

・ カウンセラー理 解と理論の応用 の探索の促進

・ 臨床実践の技術 の応用について その意図や理論 的な根拠をきち んと説明できる カウンセラーの 能力の促進

・ 理論的応用のモ デル化

・ 実践での理論 的な一致/不 一致と概念化 の特定

・ カウンセラー 理解と理論の 応用の探索の 促進

・ 臨床実践の技 術の応用につ い て、 そ の 意 図や理論的な 根拠をきちん と説明できる カウンセラー の能力の促進

・ 理 論 的 脱 線、

質 問、 疑 い の 期間の内省の 促進

・ 実践での理論 の一貫した応 用と内省のカ ウンセラーの プロセスと探 索促進

・ 個人の理論を 通して自己と 他者の知識の 統合と探索促

・ カウンセラー のカウンセリ ングの関係性 とスーパービ ジョンの関係 性の間の併行 プロセスの特

・ ス ー パ ー ビ ジョンの関係 性における即 時性の利用

(13)

成長のための資源とツール

・ 個 人 的 カ ウ ン セ リ ン グ

( 個 人 / グ ループ)

・ 記録

・ 信 念 と 価 値 に つ い て の 吟 味 を 促 進

・ 内 省 的 な 文する練習 書と行動

・ カ ウ ン セ リ ン グ 実 践 の 記録をみる

・ 同 僚 や 尊 敬 す る 他 者 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク を もらう

・ 理論的なテキ ストを読む

・ 基本的で役立 つ入手しやす いリソースを 読む

・ 多様な理論的 方向付けのク ラスに出る

・ 理論を対比比 較する

・ 個人の価値や 信念との適合 性から理論を 評価する

・ 基本的な理論的 な 出 典 を 読 む

(議論する)

・ 特定の理論の専 門家を観察する

・ 特定の理論につ い て の ワ ー ク ショップに出る

・ 臨床的スーパー ビジョンやコン サルテーション の理論について 議論する

・ 理論についての 調査研究を読む

・ 臨 床 的 ス ー パービジョン

・ カウンセリン グ場面を録画 して観察する

・ スーパーバイ ザーによるラ イブ観察

・ 臨床的な内省 と面接の記録 のプロセス

・ 理論的なレン ズ か ら み た ケースの徹底 した概念化

・ 理論的に同じ か近い他のカ ウンセラーと の コ ン サ ル テーション

・ 理論的な方向 付けの継続的 学習と訓練

・ 臨 床 的 ス ー パービジョン

・ カウンセリン グ場面を録画 して観察する

・ 臨床的な内省 と面接の記録 のプロセス

・ 理論的なレン ズ か ら み た ケースの徹底 した概念化

・ 個人的カウン セリングか成 長の活動

・ クライアント を  フ ィ ー ド バック 体験、

プ レ イ セ ラ ピーでの結果 などから査定 する

・ 新 し い 研 究、

理論的モデル、

カウンセリン グアプローチ / 技 術 な ど に ついて考える

・ 理論的な方向 付けの継続的 な発展学習と 訓練

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階の詳しい説明として、観点を以下の6つ上げた。①通常起こりやすいこと、

対象と場、②記述説明、③スーパーバイザーの態度、④スーパーバイザーの 知識、⑤スーパーバイザーのスキルと練習、⑥成長のための資源とツール。

それらを組み合わせて統合的に記述したものが表3である。

Elizabeth (2017) は「弁別モデルの共通要因」の観点からスーパービジョン の統合的アプローチを試みた。精神力動のセラピストによる理論的アプロー チではセラピーの結果の1%以下しか説明されないことがわかった(Wampold, 2001)。むしろ肯定的な結果がでたセラピーの共通性を強調し、セラピー的な 変化を説明するのに、治療同盟、共感、肯定的配慮、治療的な関係でのコラ ボレーションなどが役立つとされた。

「 共 通 要 因 弁 別 モ デ ル 」(The Common Factors Discrimination Model, CFDM)とは、カウンセリング・スーパービジョンの共通要因と弁別モデル の構造の特定要因と臨床スーパービジョンの関係性中心アプローチとの統合 を図るモデルである。効果的な共通要因とは次のようなものを含む。(a)強 いスーパービジョン関係を発達させ維持する、(b)スーパーバイジーの新た な知識・スキルの獲得、(c)スーパーバイジーの自己への気付き、内省 (d) スー パーバイジーのニーズの把握と弁別モデルの教義に基づくフィードバックの 提供。

【CFDM を用いたスーパービジョンの架空事例】

メンタルヘルス・カウンセリングの修士課程の Andre(以下 A)は大学のコ ミュニティカウンセリングセンターで臨床の1年生。初学者が悩むように A も セッション中のクライアントとの感情の反射と格闘している。スーパーバイ ザーは A が感情の反射の代わりに、関係ない質問をしたり、話題を変えよう としたりして、感情的なトピックスを避けがちなことに気づいていた。A は感 情の反射を試みるが、読み間違ったりして正確にできない。このことが A と クライアントの間で緊張とフラストレーションをもたらすことが度々だった。

A のケースに CFDM モデルを使うとどうなるか。先に上げた共通要因から みる。

(15)

(a)スーパービジョンの関係性

A が感情の反射が難しいことについてスーパーバイザーは、直面化したり 批判的アプローチを取らずに温かさと受容をもって、教師・カウンセラー・

コンサルタントの役割を果たす。感情面の関係性の役を果たす背景や文化要 因を考慮に入れ、A の個人的な感情体験を探索する。

評価的で権威的なスーパービジョンは傷つきやすいスーパービジョン関係 を壊す可能性がある。

リアルな関係性とは転移逆転移によって変わることがなく、共感、温かさ、

自己一致、無条件の肯定的配慮、信頼などによって特徴づけられる。ユーモ アや楽観主義も推奨される。この要因はスーパービジョン関係で信頼を育み、

スーパーバイジーが弱さや過ちや個人的な事情などを開示できる安全を提供 する上で欠かせない。

(b)新たな知識・スキルの獲得

A のスーパーバイザーは録画ビデオを見ながら教師の役を取る。反射で苦 労している A と直接、ロールプレイを行って、感情の反射の別のやり方を示 すこともある。感情への気づきを増やし、語彙を広げるために「感情を表す 言葉集」や他の関連する資源を提供することもある。

(c)自己への気付き、内省

A の強みや成長の領域に働きかけ、自己内省を促進する協働的アプローチ として interpersonal process recall(IPR)がある(Kagan&Kagan, 1997)。スー パーバイザーとスーパーバイジーはスーパーバイジーのカウンセリングセッ ションの録画を見て、気になったところでその都度、止めながら検討する。A がセッション中、感情の反射を妨げているかもしれない瞬間、A は何を体験 しているのかを探索する。その間もスーパーバイザーは温かさと共感と受容 をもってスーパーバイジーと向き合う。

(d)ニーズの把握とフィードバックの提供。

CFDM のスーパーバイザーは「オーダーメイド」を使う。スーパーバイジー

(16)

の性格、世界観、好みなどに合わせたスーパービジョンを適合させていく。A の感情の自己開示と男性としてのアイデンティティとの関係、スーパーバイ ザーは A についての概念化、A のクライアントへのアプローチの仕方なども 含めねばならない。

スーパービジョンの始まりでスーパービジョンについてのスーパーバイ ジーの独自のニーズ、目標、好みなどの把握が必要である。「オーダーメイド」

は、スーパーバイジーの体験のレベル、学習目標、ジェンダー、人種などの 個人差も考慮して行う。

CFDM はカウンセリングの構造とプロセスの近似性によって「パラレルプ ロセス」を強調するのでスーパービジョンとカウンセリングの線引を曖昧に するかもしれない。スーパービジョンの役割と機能を明確にすることが重要 である。

CFDM は、スーパービジョンのモデル間の差異を強調するよりも成果を上 げる共通要因に着目する倹約型のアプローチである。

以上、米国におけるスーパービジョンのモデルの概観と、近年、盛んになっ ているさまざまなモデルの統合への試みを紹介した。

[参考文献]

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Elizabeth Crunk, Sejal M Barden(2017) : The Professional Counselor. Volume7, Issue1.

Heron, J.(1989). Six-category intervention analysis (3rd Ed.).Surrey, UK: Human Potential Resource Group, University of Surrey.

廣川 進(2019):キャリア支援におけるスーパービジョンに向けて 法政大学キャリ アデザイン学部紀要 第 16 号

Jayne&Purswell(2019): A Model of Theoretical Development and Integration for

(17)

Counselors. Association Counselor Education and Supervision(ACES) bi-annual conference.

Kagan, H.K., & Kagan, N.I(1997): Interpersonal process recall: Influencing human interaction. In C.E.watkins, Jr.(Ed.), Handbook of psychotherapy supervision.

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KentB.Provost(2019): Clinical Supervision: Develop an Intentional and Innovative Supervision Practice. Association Counselor Education and Supervision(ACES) bi-annual conference.

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Wampold, B.E.(2001): The great psychotherapy debate: Models, methods, and findings. Mahwah, NJ: Lawrence Eelbaum Associates.

(18)

ABSTRACT

The Supervision Models in the United States

Susumu HIROKAWA

the purpose of this note is (1) to provide an overview of the supervision models in the United States, and (2) to Introduce a review of the supervision models from an integrated perspective at presentations at conferences of Association Counselor Education and Supervision (ACES).

(1) In this article, we review the basic literature of supervision, Fundamentals of clinical supervision, from Bernard, J, M., & Goodyear, R.K (2014). According to Garfield (2006), there are more than 1000 approaches to mental health- related counseling and psychotherapy.

The second generation model consists of three models: 1) models grounded in psychotherapy theory, 2) developmental models, and 3) process model. This includes “combined models”, “target issue models”, “common factors model”, and the like.

(2) KentB.Provost et al. (2019) announced “integrated discrimination and systems approach to supervision model”. They proposed a 4 × 4 table that has an integrated perspective by adding the SAS model perspective to the 3 × 3 table of the discrimination model. Clinical supervision develop an intentional and Innovative supervision practice.

Jayne&Purswell (2019) proposed “a Model of theorical Development and Integration for Counselors”. As with most developmental models, the developmental phases are not necessarily discrete or linear, rather persons may move in and out different phases throught their development and be in multiple phases at the same time. Jayne & Purswell (2019) divided

(19)

developmental stages into five, 1) Developing Self-Awareness 2) Developing theorical knowledge 3) Exploring theories 4)Applying theory in practice 5) Refining and personalizing. and they raised six perspectives, 1) typically occurs 2) Description 3) Supervisor attitudes 4) Supervisor knowledge 5) Supervisor skills & practice 6) Resources &tools for growth.

Elizabeth (2017) attempted an integrated approach to supervision from the perspective of “The Common Factors Discrimination Model, CFDM)”. It turned out that the theoretical approach by mental therapists explained less than 1% of therapy outcome (Wampold, 2001). Elizabeth (2017) emphasized the commonality of therapy with positive results. Therapeutic alliances, empathy, positive regards, and collaborations in therapeutic relationships can help explain therapeutic changes. The Common Factors Discrimination Model (CFDM) is a model that integrates the common factors of counseling and supervision, the specific factors of the structure of the discrimination model, and the relationship-centered approach of clinical supervision. .

表 2 弁別モデルと SAS モデルの統合

参照

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