Elaborate evaluation of serial changes inelectrocardiograms of atrial septal defectsafter transcatheter closure for a betterunderstanding of the recovery process

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Elaborate evaluation of serial changes in electrocardiograms of atrial septal defects after transcatheter closure for a better understanding of the recovery process

姜, 旻廷

http://hdl.handle.net/2324/4110442

出版情報：九州大学, 2020, 博士（看護学）, 課程博士 バージョン：

権利関係：

（様式６－２）

氏 名 姜 旻廷

論 文 名 Elaborate evaluation of serial changes in electrocardiograms of atrial septal defects after transcatheter closure for a better understanding of the recovery process

（経 カ テ ー テ ル 閉 鎖 術 を 受 け た 心 房 中 隔 欠 損 症 に お け る 術 後 回 復 過 程 の よ り 良 い 理 解 の た め の 経 時 的 心 電 図 変 化 の 詳 細 な 評 価 ）

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 後藤 健一 副 査 九州大学 教授 諸隈 誠一 副 査 九州大学 教授 中尾 久子

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

近 年 、 心 房 中 隔 欠 損 症 の 経 カ テ ー テ ル 閉 鎖 術 は 外 科 的 閉 鎖 術 に 代 わ る 第 一 選 択 の 治 療 法 と し て 多 く の 施 設 で 行 わ れ る よ う に な っ た 。本 研 究 は 、経 カ テ ー テ ル 閉 鎖 術 を 受 け た 心 房 中 隔 欠 損 症 患 者 1 0 8 名 を 後 方 視 的 に 抽 出 し 、術 前 後 の 心 電 図 変 化 及 び そ の 他 の 臨 床 指 標 の 経 時 的 変 化 に つ い て 検 討 し た 一 年 間 の 後 ろ 向 き コ ホ ー ト 研 究 で あ る 。

閉 鎖 術 前 の 心 電 図 P Q 間 隔 の 長 さ と 、 閉 鎖 術 後 の 心 エ コ ー 、 胸 部 レ ン ト ゲ ン 、 脳 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ チ ド レ ベ ル な ど の 臨 床 検 査 指 標 と の 関 連 に つ い て 比 較 検 討 し 、さ ら に 閉 鎖 術 前 後 の 心 電 図 P Q 間 隔 の 短 縮 率 と 各 種 臨 床 検 査 指 標 と の 関 連 に つ い て も 検 討 し た 。

閉 鎖 術 前 の 心 電 図 P Q 時 間 が 延 長 し て い た 群 で は P Q 時 間 正 常 群 と 比 べ 、 年 齢 が 高 く 、 心 電 図 異 常 （ Q R S 幅 拡 大 、 右 脚 ブ ロ ッ ク ） が 多 く 、 心 エ コ ー 上 の 左 房 径 や 右 房 面 積 の 拡 大 に 伴 う 心 胸 比 の 拡 大 を 伴 っ て い た 。 ま た P Q 時 間 延 長 群 で は 治 療 を 要 す る 心 不 全 や 発 作 性 心 房 細 動 の 併 存 が 多 く 、 脳 性 ナ ト リ ウ ム 利 尿 ペ プ チ ド レ ベ ル や N Y H A 心 機 能 分 類 も 高 い 傾 向 を 認 め た 。 P Q 時 間 延 長 群 の う ち 閉 鎖 術 後 の 心 電 図 P Q 時 間 の 短 縮 率 が 小 さ い 群 で は 、 閉 鎖 術 後 も 右 脚 ブ ロ ッ ク の 合 併 、 左 房 径 と 心 胸 比 の 拡 大 、 心 不 全 や 発 作 性 心 房 細 動 の 発 症 が 多 く 、利 尿 薬 の 使 用 頻 度 も 高 い こ と か ら 臨 床 的 に よ り 重 症 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。

以 上 の 結 果 か ら 、 心 電 図 P Q 時 間 は 心 房 中 隔 欠 損 症 患 者 の 解 剖 学 的 構 造 変 化 を 反 映 し 臨 床 的 重 症 度 と も 関 連 す る こ と が 示 唆 さ れ た 。 経 カ テ ー テ ル 閉 鎖 術 後 も P Q 時 間 延 長 が 改 善 し な い 患 者 で は 、術 後 も 慎 重 な 経 過 観 察 が 必 要 と 考 え ら れ る 。本 研 究 は 非 侵 襲 的 で 容 易 に 実 施 で き る 心 電 図 検 査 の 経 カ テ ー テ ル 閉 鎖 術 患 者 の 病 態 評 価 へ の 有 用 性 を 示 し た 点 で 看 護 師 な ど の 医 療 ス タ ッ フ に と っ て も 臨 床 的 意 義 も 大 き い 。

予備調査において、各調査委員より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項について 種々質問を行ったが、いずれについても適切な回答をえた。よって本論文は予備調査委員合議の上、

博士（看護学）の学位に値する論文として価値あるものと認める。

主査 後藤健一 副査 諸隈誠一 副査 中尾久子