猛烈 な風 を伴 う低気圧 による茨城沿岸 の高潮被害の調査
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(2) 1392. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 最 大 潮 位 ・年 最 大 波 高 を用 い て極 値 統 計 解 析 を 行 な っ た 結 果,今. 回 の低 気 圧 に よ る最 大 潮 位 の 再 現 期 間 は約65年,. 最 大 波 高 の 再 現 期 間 は約50年 とな った.ま. た 潮位 波 形 の. 特 徴 と して,気 象 潮 が 長 時 間 継 続 した こ と が あ げ られ る. 図‑1(a)は,こ. の2006年10月. の 高 潮 時 の気 象 潮(潮 位 偏 差). の時 間推 移 を,図‑1(b)は,既. 往 最 高 潮 位 偏 差(82cm)で. あ る2002年 の 台 風 通 過 時 の 気 象 潮(潮 位 偏 差)を,潮 天 文 潮 と と も に示 した もの で あ る.2002年 半 日 ほ ど で お さ ま っ た が,2006年10月. 位,. の潮 位 偏 差 は. の 高 潮 で は3日 間. 継 続 した.継 続 時 間 が な が か っ た原 因 は,信 岡 ら(2007) に記 載 さ れ て い る沖 合 で長 時 間 に わ た って 強 風 が 吹 き, エ ク マ ン輸 送 が 発 達 した た め で あ る.2006年10月. のよ う. な12時 間 以 上 も継 続 す る長 時 間 の高 潮 が 発 生 す れ ば,必 ず 満 潮 と重 な るた め,高 潮 位 が 発 生 す る確 率 が 大 き く上 昇 す る. 気 象 要 因 を 把 握 で き た1984年 以 降 か っ,茨 城 県 大 洗 港 で30cm以 上 の 偏 差 で あ っ た高 潮 は,台 風 に よ る も の が7 回,低 気 圧 に よ る もの が8回 で あ った.収. 集 で きた デ ー. タが 限 られ た 中 で の 結 果 で は あ るが,低 気 圧 に よ る高 潮 の発 生 確 率 は,相 対 的 に高 い.台 風 は 日本 付 近 を 通 過 す る場 合,偏. そ れ に 比 較 して低 気 圧 の移 動 速 度 は遅 い場 合 が 少 な くな い.以 上 の こ とか ら,今 後,低 な れ ば,特. 図‑2. 茨 城県 沿岸 の被 害分 布(茨城 県資 料 に加 筆). 西 風 の 影 響 で 移 動 速 度 が 速 くな る場 合 が 多 い.. 気 圧 の勢 力 が 増 す こ と に. に北 日本 沿 岸 の多 くの 海 岸 で 設 計 潮 位 の 見 直. しが 必 要 に な る可 能 性 が あ る.. (3) 海 岸 保 全 施 設 の 機 能 不 足 海 岸 保 全 施 設 の機 能 不 足 や 高 潮 時 の 機 能 低 下 に よ る越 波 な ど の 代 表 的 な被 害 形 態 を以 下 に 示 して い く. a) 離 岸 堤 沈 下(北 茨 城 市 磯 原 海 岸) 磯 原 海 岸 の 多 くの と こ ろで 護 岸 を越 波 した との証 言 を. 3. 越 波 お よ び 被 害 状 況 調 査. 得 た.砂 浜 に 降 り る ス ロ ー プ併 設 の護 岸 が 高 波 に よ って (1) 調 査 方 法. 崩 壊 して背 後 の 民 家 の庭 が 浸 水 した.こ の 海 岸 の前 面 に. 茨 城 の 沿 岸 で 被 災 した 海 岸 保 全 施 設 の 情 報 を 茨城 県 か. あ る離 岸 堤 の 一 部 は沈 下 して い た.沈 下 に よ り消 波 機 能. ら入 手 した.他 方,全 般 的 な被 害 状 況 把 握 を市 長 村 が 高 潮 直 後 に 進 め たが,大 規 模 な被 害 が無 か っ た た め,越 水, 越 波 な ど高 潮 に関 す る報 告 は断 片 的 で 少 数 に限 られ て い た.そ. こで海 岸 を 保 有 す る市 町 村 と高 潮 当 日 に現 場 巡 回. が 低 下 して,越 波 を増 長 した 可 能 性 が あ る. b) 擁 壁 崩 壊(日 立 市 東 連 津 川) 河 口で 波 力 が 原 因 と考 え られ る擁 壁 崩 壊 が 発 生 した. 崩 壊 した擁 壁 背 後 に あ る市 道 は,一 時 通 行 止 め と な った.. を し た同 消 防 本 部 を訪 問 して,高 潮 の状 況 に関 す る情 報. こ こ は,こ れ ま で も波 が 何 度 もあ た る箇 所 と地 元 で は言. を 可 能 な 限 り収 集 した.さ. わ れ て お り,今 回 の 高 潮 も し く は,高 潮 に 加 え て 以 前 か. ら に,入 手 した 情 報 を も とに. 高 波 ・高 潮 時 に 被 害 や 大 きな 影 響 を受 け た 場 所 を訪 れ, 地 元 住 民 の 証 言 を集 め る こ とを,延 長180kmを. 越え る茨. 城 沿 岸 の 全 域 で 実 施 した.以 上 を,著 者 の 一 人 が,高 潮 当 日に 現 地 で把 握 した 状 況 とあ わ せ て,沿. 岸の高潮 によ. る被 害 状 況 を ま とめ て い く.. ら蓄 積 され て きた 強 度 疲 労 が崩 壊 の 原 因 と考 え られ る. c) 消 波 工 沈 下(日 立 市 日 高 海 岸) 「しお さ い ロー ド」 と呼 ば れ る海 岸 沿 い の 道 路 前 面 で, 消 波 工 沈 下 と越 波 が お きて,こ. の 道 路 は通 行 止 め に な っ. た.原 因 と して消 波 工 の 沈 下 に よ って 波 の減 衰 が 小 さ く. (2) 広 域 被 害. な る こ とで,大 規 模 な越 波 が 起 こ った と考 え られ る.護. ま ず,入 手 した 資 料,収 集 した 情 報 や 証 言 を も と に,. 岸 に 当 た っ た 波 が 路 面 か ら4m以 上 の 高 さ に先 端 が あ る. 被 災 お よ び越 波 な ど の 陸 側 へ の 影 響 が あ った場 所 を 図‑2. 街 灯 を越 え る と こ ろ ま で 上 が っ て い る,越 波 の写 真 を 自. に示 す.こ. の図 か ら県 内 全 域 の 海岸 で 影 響 が あ った こ と. 治 体 が 監 視 時 に撮 影 して い た.高 潮 当 日,著 者 の一 人 は. が わ か る.地 元 住 民 の 証 言 で も,全 域 で 初 め て 見 る大 き. 日立 の相 賀 海 岸 を 視 察 した が,同 様 の越 波 が 跳 ね上 が る. な波 で あ った と語 る人 が ほ と ん ど で,20〜30年. 前 に一度. 現 象 を 目撃 した.水 面 が護 岸 を 縦 に駆 け 上 が る よ うに あ. だ け,同 じよ うな波 が 来 襲 した と語 る人 は ご く一 部 で あ っ. が り,水 面 が は るか 護 岸 を超 え て 背 後 の 道 路,民 家 に あ. た.. た る状 況 で あ った..
(3) 1393. 猛 烈 な風 を伴 う低 気 圧 によ る茨 城沿 岸 の高潮 被害 の調 査 d) 砂 丘 の欠 損(鉾 田市 勝 下 海 岸). 図‑4(a)〜(e)は,天. 海 へ 注 ぐ排 水 路 に砂 を含 ん だ 海 水 が 逆 流 し,波 の遡 上. setupとwave. 文 潮,wind. setup,wave. setupを 合 わ せ た 気 象 潮,気. setup,wind 象潮 に天 文潮. と合 わ さ って溢 水 した.地 元 の 証 言 に よ る と溢 水 した の. を加 え た 潮 位 の沿 岸 分 布 の 計 算 結 果 を 示 した もの で あ る.. は初 めて で溢 れ た 水 は民 家 の 庭 まで 迫 って い た.こ. wind. の溢. setupの 水 位 に は,気 圧 に よ る 海 面 の 吸 い上 げ効 果,. 水 した原 因 は,被 害 の受 け た 排 水 路 が堤 防 と人 工 砂 丘 の. コ リオ リカ に よ るエ ク マ ン輸 送 の 効 果 も含 ま れ て い る.. 切 れ 目 の場 所 に あ り堤 防 も無 く直 接 海 に注 い で い る こ と. これ ら結 果 の 時刻 は,10月6日. か ら海 の影 響 を 受 け や す くな って い た た め,ま. 岸 の ほ ぼ全 域 で最 高 潮 位 と な った,7日3時. た排 水 路. 内 に砂 が堆 積 した こ と に よ り水 路 の底 面 が 高 くな った た. 茨 城 沿 岸 の南 部,図. め と考 え られ る.. み,最. か ら10月9日 ま で の 間 で沿 で あ る.な お,. で は下 側 に 位 置 す る神 栖 市 の一 部 の. 高 潮 位 が1時 間 遅 れ る 結 果 とな って い た.ま. た,. e) 排 水 能 力 不 足(鹿 嶋 市 荒 野 海 岸). 阿 字 ヶ浦 の南 に 位 置 す る磯 崎 な ど小 岬 の前 で 水 位 が高 く. 越 波 した 海 水 と降 雨 によ り,く ぼ 地 に水 が た ま り海 岸. な る傾 向が 見 られ たが,全 域 で の 潮 位 の最 大 と最 小 の 差. 脇 の民 家 が 床 上 浸 水 した.こ. の地 区 は くぼ 地 の た め も と. も と水 が た ま り や す く海 面 が 上 昇 した こ とで,時. 間当 た. りの排 水 量 が 低 下 して,浸 水 が 起 こ っ た と考 え られ る.. は た か だ か25cm程. 度 で あ っ た.こ. れ らの こ とか ら,高. 潮 の現 象 が 茨 城 県沿 岸 全 域 で 差 が な い,同 等 の もので あ っ た と考 え られ る. 詳 細 に結 果 を 見 る と,海 面 の 吸 い上 げ と エ ク マ ン輸 送. 4. 高 潮 の 沿 岸 分 布 の 推 定. の 効 果 を 含 むwind setupは 北 の 北 茨 城 か ら南 の鹿 島 に向. 沿 岸 に高 潮 被 害 を 及 ぼ す 外 力 に は,「 天 文 潮 」,「風 の. か って や や ゆ る や か な上 昇 が 見 られ る.Wave. setupに つ. 吹 き寄 せ 効 果 」,「気 圧 に よ る海 面 の 吸 い上 げ効 果 」 と. い て は大 洗 か ら南 の鹿 島 灘 海 岸 で ゆ るや か な上 昇 が 見 ら. 「平 均 水 位 上 昇(Wave. れ る.こ れ らよ り海 水 の 運 動 が や や 南 へ 向 い て い た こ と. Setup)」 が 重 な った 水 位,そ. の水. 位 上 に伝 播 す る 「高 波 」 が 一 般 的 に あ げ られ る.ま た,. が 伺 え る.な お,砂 浜 海 岸 な の にWave. 外 力 に対 抗 す る も の に は,「 砂 浜 や 砂 丘 」 な ど 自然 の 消. くな い 理 由 は,波 浪 が 海 岸 線 に対 して 斜 め方 向 か ら来 襲. 波 機 能,護 岸 や 消 波 ブ ロ ッ クな ど 「海 岸 保 全 施 設 」 に よ. した た め と考 え られ る.. る消 波,遮 蔽 機 能 が あ げ られ る.こ れ ら外 力 と防 御 が 海 岸 ご と に拮 抗 し あ っ て,被 害 発 生 の有 無 が き ま る.前 章. setupが比 較 的 高. 越 波 に つ な が る有 義 波 高 の 沿 岸 分 布 の 結 果 を 図‑5(a) に示 す.こ. れ は,風 が 岸 向 きで は なか った こ と に よ り砕. で 示 した よ う に今 回 対 象 と した 高 潮 被 害 が 茨 城 県 内 の 全 海 岸 に及 ぶ広 域 で 発 生 した こ と を か ら,こ こで は県 内 全 海 岸 の外 力 分 布 につ い て 数 値 計 算 を用 い て 算 定 し,被 害 と の関 係 を 検 討 す る. (1) 計 算 方 法 と 精 度 風 と気 圧 分 布 デ ー タ に は,気 象 庁 のGPVメ デ ー タ,海 JODC‑Expert 文 潮 はNAO99. ソ客 観 解 析. 底 地 形 デ ー タに は茨 城 県 所 有 の デ ー タ と Grid data for Geography‑500mを (Matsumoto. 子 で 計 算 して,気. 用 い た.天. et. al., 2000)を 用 い て288m格. 象 潮(高 潮 偏 差)に は信 岡 ら(2007)の エ. ク マ ン輸 送 を 含 ん だ 結 果 を 用 い た.平 Delft工科 大 学 のSWANを. (a) 有 義波 高. 均 水 位 と風 波 は. 用 い て 求 め た が,最 小 領 域 の空. 間 格 子 間 隔 と時 間 方 向 の積 分 間 隔 は48mと20分. と した.. 両 間 隔 と も,SWANの. 適 正 範 囲 を 満 た して い な い が,計. 算 資 源 の制 約 上,ま. た 日本 の 海 浜 勾 配 が 急 で あ り砕 波 点. が 岸 に比 較 的 近 い た め に,こ の よ うに設 定 した.そ. こで,. 追 算 さ れ た 有 義 波 高 と周 期 の 精 度 を確 認 す る た め に 大 洗 港 の観 測 値 と比 較 した の が 図‑3で あ る.波 高 の追 算 結 果 は計 算 を10月3日 か ら開 始 した に も関 わ らず5日 の 波 高 の 精 度 が 低 い が,6日. 以 降 は概 ね 良 く,7日 の 最 大 波 高 も よ. く再 現 で きて い る.一 方,周. (b) 有義波 周期. 期 は8日 以 降 に 観 測 さ れ た. 14秒 程 度 の や や うね り を再 現 で きて い な い 問題 が あ る が, 7日 正 午 まで は良 く再 現 で き て い る. (2) 水 位 ・波 高 ・エ ネ ル ギ ー フ ラ ック ス の 沿 岸 分 布. 図‑3. 波 浪 の推 算制 度(観 測 値,茨 城 県 土木 部 大洗 港 湾事 務 所 提供).
(4) 1394. 海. (a)天 文 潮. 岸. 工. (b)Wind Setup 図‑4. 波 点 が 不 明 瞭 で あ っ た た め,水 深10mよ. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (c)Wave Setup. (d)気象潮. (e)潮 位. 水 位成 分 の茨城沿 岸分 布. り. 浅 い と こ ろ で波 高 が 最 高 と な る地 点 の値 を 抽 出 した も の で あ る.鹿 島 で は防 波 堤 内側 の遮 蔽 域 で 水 深10mに. な るた め波 高 が 低 く. な って い る の で議 論 の 対 象 か ら外 す.時 刻 は図‑4と 同 じ7日3時 で あ る.福 島 県 いわ き 市 の塩 屋 埼,ひ. た ち な か 市 の磯 崎 と海 岸 線. が 沖 に 張 り出 して い る所 の遮 蔽 域 で 波 高 が 0.5か ら1.0mほ ど他 よ り小 さ くな っ て い る. しか し,こ れ ら波 高 が 低 い所 で も,図‑2に 記 して い るよ う に,他 の 地 点 と 同等 の 被 害 を 受 け て お り,有 意 な差 で は な い. 被 害 が 発 生 す る他 の要 因 に,高 波 に よ る 砂 浜 の 侵 食 が 考 え られ,そ. れ はエネルギ ー. フ ラ ック ス に 関 連 づ け られ る.高 潮 ・高 波 期 間 の岸沖 お よび沿 岸 累 積 エ ネル ギ ー フ ラ ッ ク ス の 沿 岸 分 布 を 求 め た 結 果 が 図‑5(b)(c) で あ る.短 時 間 の 砂 浜 侵 食 を 表 す 岸 沖 エ ネ ル ギ ー フ ラ ック ス(正 が 岸 向 き)は,全. 域で. ほ ぼ一 様 で あ る結 果 と な っ た.沿 岸 エ ネ ル ギ ー フ ラ ック ス(負 が 南 向 き)は 多少,南. に (a)有義波高. 行 くほ ど強 くな って い るが 有 意 な差 は見 ら れ な い.. 図‑5. (b)岸沖 累積 エネル ギー. (c)沿岸 累積 エネル ギー. 波 浪 ・累 積 エ ネ ル ギ ー フ ラ ッ ク ス の 茨 城 沿 岸 分 布.
(5) 猛烈 な風 を伴 う低 気圧 に よる茨城 沿岸 の高 潮被 害 の調査 以 上 よ り,海 側 か らの 外 力 は沿 岸 方 向 に ほ ぼ一 様 で あ り,被 害 分 布 と の 関 連 性 は低 か った と考 え られ る.こ の 前 提 に た て ば,被 害 は 長 期 的 な砂 浜 浸 食 や 防 波 ・消 波 機 能 の不 足 も し くは低 下 が 原 因 で あ った と考 え られ る.. 茨 城 沿 岸 で は,台 風 と と も に温 帯 低 気 圧 に よ っ て も高 潮 が 発 生 す る.今 後,低 気 圧 の 勢 力 が増 す な らば,強 い. 擾 乱 候 補 に入 れ て 高 潮 防災 計 画 の見 直 しが 必 要 と言 え る. 2006年10月 の 高 潮 の被 害調 査 か ら,被 災 は局 所 的 で そ の. (1) 2006年 の 茨 城 沿 岸 の高 潮 の 教 訓 を過 ぎて,風. 6. ま と め. 台 風 が 来 襲 し に くい北 日本 沿 岸 で は,低 気 圧 も想 定 気 象 5. こ れ か ら の 防 災 の 考 察. 今 回 の 茨 城 に お け る最 高 潮 位 は,1回. 1395. 目の風 の ピーク. 向 きの 転 換 に よ る微 風 の時 間,2006年10月. 形 態 は多 種 で あ るが,茨 城 全 域 に点 在 して い た.災 害 時 の 海 水 位 は,所. 々 で高 潮 の 上 を伝 播 す る高 波 が 護 岸 を 越. 7日3時 に発 生 して い る.日 立 市 の 日立 港 に注 ぐ瀬 上 川 周. 波 して,背 後 域 が 浸 水 す る レベ ル で あ っ た.そ の 高 潮,. 辺 の 住 民 に は,こ の 時 間 に越 水 に よ り床 上 浸 水 して あ わ. 高 波 の 高 さを 追 算 した 結 果 は,茨 城 沿 岸 の ほ ぼ全 域 で 同. て た と語 る方 が い た.鹿. 島地 区 で は,寝 て い る と こ ろ に. じで あ った.し. た が って 被 害 は,海 岸 ご と に差 が あ る長. 波 が 飛 び込 ん で きた 人 が い る との 話 を複 数 の 住 民 か ら聞. 期 的 な 砂 浜 浸 食 や 防 波 ・消 波 機 能 の 不 足 も し くは 低 下 が. い た.消 防 本 部 の 警 戒 で も,前 日夕 方 の満 潮 の 時 間 に 注. 原 因 で あ っ た と考 え られ る.. 意 を 払 っ た が,こ の7日3時 の 際 に は十 分 な 警 戒 態 勢 を 敷. 本 調 査 か ら得 られ た 今 後 の防 災 対 策 の教 訓 と して,次. た が って. の もの が あ げ られ る.低 気 圧 が 通 過 して 半 日以 上 後 に最. 低 気 圧 が発 達 し エ ク マ ン輸 送 が 卓 越 して 長 時 間 発 生 す る. 高 水 位 と な る こ と も あ る こ と.海 岸 保 全 施 設 に よ る高 潮. けな か った と考 え られ る地 域 も複 数 あ った.し. 高 潮 に つ い て,そ. の存 在 を知 識 と して 沿 岸 域 に広 め る こ. 防御 を 特 に は重 視 で き な い地 域 で は,リ ア ル タイ ムで の. と,数 値 予 測 な ど に基 づ く的 確 な警 報 ・注 意 報 の発 令,. 高 潮 予 測 と そ の伝 達 に よ る,警 戒 お よ び避 難 の 体 制 を整. 伝 達 が 重 要 な 課 題 と考 え られ る.. 備 す る こ と.単 一 お よ び連 続 した 気 象 擾 乱 で 消 波 機 能 の 低 下 と被 害 が 関 連 す る こと もあ る ので,こ. (2) 海 岸 保 全 施 設 の 整 備 と管 理 被 害,も. し くは被 害 が で る直 前 の海 岸 が 多 数 あ った.. れ に注 意 を払. う こ と.砂 浜 や 砂 丘 に防 御 機 能 を 期 待 す る 地 域 で は,海. 茨 城 沿 岸 の 多 くも砂 浜 侵 食 が 大 き な 問 題 で あ る.侵 食 傾. 岸 保 全 施 設 に加 え そ れ らの維 持 管 理 も重 要 で あ る こ と.. 向 に あ る海 岸 で は消 波 ブ ロ ック,離 岸 堤 の 沈 下 も引 き起. 越 波 して も被 害 が 出 な い よ うな 沿 岸 の土 地 利 用 計 画 を推. こ し災 害 を 助 長 す る可 能 性 が あ る.. 進 して い く こ とで あ る.. 護 岸 や 消 波 構 造 物 の 整 備 お よ び再 整 備 も必 要 で あ るが, 短 期 に す べ き こ と と して,現 在 の 防 災 能 力 を把 握 して,. 謝 辞:茨 城 県 土 木 部,生 活 環 境 部,農 林 水 産 部,茨 城 県. 危 険 な 可 能 性 の あ る地 域 を調 べ あ げ,抽 出 さ れ た 地 点 で. 沿 岸 の各 市 町 村,同 消 防 本 部,茨 城 県 沿 岸 の住 民 の 方 々. 特 に警 戒 に あ た る こ とが 重 要 で あ る.2006年10月. か ら2006年10月 の高 潮 に 関 す る貴 重 な 情 報 提 供 を頂 い た.. の高潮. で被 害 が で な か った 所 で も,防 災 能 力 が 低 下 した 場 所 が. こ こ に感 謝 の 意 を表 す る.. 多 数 あ る可 能 性 が 高 い.調 査 を とお して特 に考 え られ た, 参. 今 後 を 含 め た茨 城 沿 岸 の 防災 機 能 の 低 下 に よ る被 害 発 生 の 流 れ を表‑1に ま と め る. また 長 期 的 な 対 策 と して,気 候 変 動 や海 面 上 昇 も考 え た 場 合,護 岸 高 が 不 足 す る こ とが 懸 念 さ れ る.護 岸 を 高 くす る適 応 策 以 外 に も,越 波 して も住 居 な ど まで に影 響 が 及 ば な い よ う に,海 岸 線 か ら住 居 や施 設 まで の距 離 を 離 し,そ の 間 を 道 路 や 自然 空 間 と して活 用 で き る緩 衝 帯 を,排 水 施 設 と と もに整 備 す る こ と も有 効 と考 え られ る.. 表‑1 防災機能 低下 と被 害. 考. 文. 献. 気 象 庁: 予 報 用 語(オ ンラ イ ン), http://wwwjma.go.jp/jma/ kishou/know/yougohp/mokuji.html, 参照2008‑03‑15. 気 象庁(2006): 災害 時 気象 速報, 低 気 圧 によ る平成18年10月 4日 か ら10月9日 にか けて の暴風 と大 雨, 気 象庁, 41p. 清 水勝 義 ・永井 紀 彦 ・佐 々木誠 ・李在 〓 ・久高 将信 ・額 田恭 史(2007): 日本 沿 岸 で観測 され た2006年 の台風 等 によ る 高 波特 性, 海 岸工 学論 文集, 第54巻, pp.326‑330. 武 若 聡 ・EL Sayed Galal (2006): 高波 浪 と既 往 最大 の潮位 上 昇 によ る鹿 島灘南 部 の2006年 秋季 海岸 侵食, 海岸 工学 論 文 集, 第54巻, pp.581‑585. 信 岡 尚道 ・加 藤史 訓 ・武 若聡 ・松 浦 健郎(2007): 2006年 上 旬 の茨城 沿 岸高 潮 の発 生要 因, 海岸 工学 論 文集, 第54巻, pp.306‑310. 橋本 孝 治 ・吉 野 純 ・村 上 智一 ・安 田孝 志(2007): エ クマ ン 輸送 に起 因 す る新 たな外 洋型 の高 潮 発生 機構, 海 岸 工学 論文集, 第54巻, pp.271‑275. Matsumoto, K., T. Takanezawa, and M. Ooe (2000): Ocean Tide Models Developed by Assimilating TOPEX/POSEIDON Altimeter Data into Hydrodynamical Model, A Global Model and a Regional Model Around Japan, Journal of Oceanography, 56, pp.567-581..
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