養浜土砂 の移流拡散 を考慮 した等深線変化予測 モデルに関 する研究
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(2) 762. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). を用 い た 場 合 の式 を 以 下 に示 す.. (7) (1) こ こ に,Hshは こ こに,Cgbお. よ び αbsは砕 波 点 に お け る郡 速 度 お よ び. 波 向 き を 表 す.cotβ Kamphuis(1986)に A=Ad/√d50と. は 海 底 勾 配 の 逆 数 で あ る.Aは. 期,kは. 水 深hに 対 す る有 義 波 高,Tsは. 波 数,Cuは. 無 次 元 係 数 で,以. 有義波周. 下 に示 すCsの 値. に よ って 方 向(正 負)を 決 定 した.. よ る 粒 径 に 関 す る 係 数 で あ り, し た.d50は. (8). 中 央 粒 径 で あ る.. (3)投入 土砂の移流拡散 の計算 投入 された土砂 は沿岸方 向 な らびに岸 沖方向 に拡散 し つつ,沿 岸 流 と波 の作用 によ って輸送 され るものと考 え. る.tanβ. る.投 入土砂 の挙動 を表 す2次 元 の移流拡 散方程式 を以. 汀 線 は 前 進,そ. れ以 外 で 汀 線 は後 退 す る と して い る こ と. 下 に示す.. よ り,Cs>18な. らば,漂 砂 は岸 向 き(Cu>0),そ. こ こ に,H0お. よ びL0は,沖. 波波 高お よび沖波波長 で あ. は 海 底 勾 配 で あ る.砂. で 漂 砂 は沖 向 き(Cu<0)と. 村(1980)はCs>18で. れ以外. す る.. (2) こ こ に,qnは. 投 入 さ れ た土 砂 量 で あ る.Us,Vsは. 土 砂 の 岸 沖 方 向 な らび に,沿. 投入. 岸 方 向 の 移 動 速 度,Kx,. Kyは 投 入 土 砂 の岸 沖 方 向 な らび に,沿 岸 方 向 の拡 散 係 数 で あ る.ま. た,C1,C2,C3,C4は. 粒 径 の大 き さ を 考. 慮 す るた め の係 数 で あ り,次 式 で 表 され る. 図‑2(a) 波浪 特性 と岸 沖方 向 にお ける拡散 係数 との関係. (3) (4) (5) (6) こ こに,C1d,C2d,C3d,C4dは 数 で,dd50は. 粒径 の大 きさに関す る係 図‑2(b). 養 浜 砂 の 中 央 粒 径 で あ る.. 波浪特 性 と沿岸 方 向 にお ける拡散 係数 との 関係. a) 土 砂 の 拡 散 係 数 拡 散 係 数 は,Kuroiwaら(1994)の 調 査 結 果 か ら,図‑2に. 蛍 光 砂 に よ る漂 砂. 示 す 波 浪 特 性 と蛍 光 砂 の拡 散 係 数. と の 関 係 か ら求 め た.C1d,C2d,C3d,C4dに 調 査 海 岸 の 中 央 粒 径 が0.2mmの dd50=0.2mmの. つ い て は,. (4) 等 深 線 変 化 の計 算 y軸 を 沿 岸 方 向 に,x軸. を 岸 沖 方 向 に と る と,等 深 線. 変 化 は 次 式 で 表 さ れ る.. 場 合 を基 準 と して お り,. と き にC1,C2,C3,C4が1と. (9). な る よ う決. 定 した. こ こ に,xmはm番. b) 土 砂 の 移 動 速 度 沿 岸 方 向 の土 砂 の 移 動 速 度Vsは,灘 りVs=0.01Vと (1951)よ. し,Vは. り求 め た.岸. 岡 ら(1981)よ. 沿 岸 流 速 で,Inman・Quinn 沖方 向の土砂 の移動 速度 は底面. 水 粒 子 速 度 の最 大 値 の 関 数 と して 与 え る こ と と し,移 動 方 向 に つ い て は,砂 村(1980)のCsパ. ラ メ ー タで 判 定. した.以 下 に岸 沖 方 向 土 砂 の移 動 速 度 式 を示 す.. 目 の 等 深 線 位 置,Qmはm番. 線 の 沿 岸 漂 砂 量,hmはm番 は等 深 線 番 号,Nは. 目 の等 深. 目の 等 深 線 の 移 動 高 さ,m. 等 深 線 の 本 数 で あ る.qは. 養 浜土砂. に よ る寄 与 分 で あ る. ま た,式(2)中. のqnは 体 積 量 で あ る た め,式(9)中. のq. の 単 位 時 間,単 位 長 さ 当 た りの 土 砂 量 に変 換 す る必 要 が あ る.そ こ で 以 下 の よ うな 関 係 を 適 用 した..
(3) 763. 養浜 土砂 の移 流拡散 を考 慮 した等深 線変 化予 測 モデ ルに関 す る研究. (10) (b) 3.3日. 後. (11) こ こ に,△tは 計 算 時 間 間 隔,△yは. 格 子 間 隔 で あ る.. 実 際 の計 算 で は,有 限 差 分 法 を 適 用 し数 値 計 算 した. 3.. モ デル テ ス ト. (1) 養 浜 に よ る 等 深 線 変化 の 計 算 図‑3は モ デ ル テ ス トに用 い た 初 期 地 形 で,沿 2000m,岸. 沖 方 向1000mの. 岸方 向. 態 を 想 定 して い る.土 砂 投 入 は,Case1(汀 深6m),Case3(移. 続 き(土 砂投 入 に よる移流 拡散 の様子). 砂 浜 海 岸 に お い て,両 端 を 固. 定 境 界 と し,流 れ の上 手 側 で 侵 食,下 手 側 で 堆 積 す る状. Case2(水. 図‑4. (a) 3.3日. 後. 線 付 近),. 動 限 界 水 深 付 近)の3ケ. ー. ス計 算 を 行 い,投 入 した 土 砂 は い ず れ も30,000m3で あ る. 用 い た 波 浪 条 件,各. 係 数 を表‑1に 示 す.. (b) 1年 後. 図‑5 図‑3. 初期地 形. 表‑1. 計算 条件. 土砂 投 入 によ る等 深線 変化 の様子. (a)Case1. 図‑4お よ び 図‑5は そ れ ぞ れCase1に. お け る 土 砂 の移 流. 拡 散 お よ び,等 深 線 変 化 の 様 子 で あ る.図‑4の. 凡 例 は単. 位 幅 単 位 時 間 あ た り に 換 算 し た土 砂 量 で あ る.図‑4(a) お よ び(b)よ り,投 入 し た土 砂 は,沖. (b)Case2. 方 向 な らび に沿 岸. 方 向 に 移 動 しな が ら拡 散 して い る様 子 が う か が え る.ま た,図‑5よ. り土 砂 投 入 直 後,投 入 付 近 の等 深 線 は 一 時 的. に 前 進 し,そ の後,後. 退 して い る様 子 が 確 認 で き る.. (c)Case3. (a) 土砂 投入直 後. 図‑6. 養浜 の有無 によ る等 深線 変化 の違 い. 図‑6は 各 ケ ー ス に お いて,養 浜 を 行 っ た場 合 と,行 わ な か っ た場 合 の差 を と っ た もの で あ る.侵 食 域 に お いて, 図‑4. 土砂 投入 に よ る移 流拡散 の様 子. 養 浜 土 砂 が 等 深 線 に 寄 与 した.さ. ら に,汀 線 に近 い と こ.
(4) 764. 海. ろ に土 砂 投 入 を 行 っ た ほ うが,よ. 岸. 工. 学. 論. り効 果 的 で あ る と が 明. らか に示 さ れ て い る.. 文. 集. 第55巻(2008). こ とが わ か る.宇 多 ら(2005)に. よ る と,現 地 の 砂 の 粒. 径 よ り も粗 い粒 径 の もの を 養 浜 す る こ とで,沖 合(水. 深. (2) 粒 径 の違 い に よ る計 算. 6m付. 入 で も,汀 線 付 近 ま で 土 砂 が 運 ば れ,養. 浜. 本 研 究 で は,養 浜 土 砂 の移 流 拡 散 の計 算 に,粒 径 に 関. 効 果 が 高 い と さ れ て い る.今 回 の 結 果 は,水 深6m付. 近. 近)投. す るパ ラ メ ー タを 導 入 し,現 地 の 砂 の粒 径 と養 浜 砂 の粒. に投 入 した 土 砂 が 汀 線 付 近 まで 運 ば れ る に は至 らな か っ. 径 が異 な る場 合 の計 算 を 試 み た.初 期 地 形,波. た も の の,養 浜 砂 の粒 径 を 大 き くす る ほ ど,養 浜 効 果 が. よ び 各 係 数 は 表‑1と 同 様 で,計. 算 はCase1お. 浪条件 お よ びCase2. 高 い と い う結 果 を 示 す こ とが で き た.. につ い て 行 っ た.な お,養 浜 砂 の粒 径 はdd50=0.15mm, dd50=0.25mm,dd50=0.4mmと. 4.. した.. 現地適用. 最 後 に澁 谷 ら(2007)同 試 み た.図‑9は. 年 の 等 深 線 で あ る.こ K1,K2を (a) 汀 線. 様,皆. 生 海 岸 へ の現 地 適 用 を. サ ン ド リサ イ クル が 行 わ れ る以 前 の1989 れ を 初 期 地 形 と し,漂 砂 量 係 数. 求 め る た め に,土 砂 投 入 無 しで5年 後 の再 現 計. 算 を 行 っ た 結 果 が 図‑10で (1999)よ を 用 い,各. あ る.波. 浪条件は佐藤 ら. り,エ ネ ル ギ ー 平 均 波(1997年. の 観 測 値 よ り). 係 数 と と も に表‑2に 示 す.さ. ら に図‑11は 汀. 線 と水 深5mの. 実 測 値 と計 算 値 の比 較 で,図‑12は5年. 間. の 等 深 線 の変 化 量 を 比 較 した もの で あ る.計 算 結 果 は実 測 値 を よ く再 現 して お り,こ れ を も と に サ ン ド リサ イ ク (b) 水 深6m. 図‑7. ル1年 後 の計 算 を 行 う.. 養 浜 砂 の 粒 径 の 違 い(Case1). (a) 汀線. 図‑9. 初期 等深線(皆 生海 岸再 現計 算) 表‑2. 計算条 件. (b) 水 深6m. 図‑8. 図‑7お よ び 図‑8は そ れ ぞ れCase1お を 示 し た もの で,各 よ び水 深6mの. サ ン ドリサ イ クル 後 の計 算 を 行 う際,侵. 養 浜 砂 の 粒 径 の 違 い(Case2). よ び2の 計 算 結 果. 図 の(a)お よ び(b)は そ れ ぞ れ 汀 線 お. 等 深 線 の 粒 径 の違 い を 示 した もの で あ る .. 食域の汀線 お. よ び陸 域 上 の等 高 線1mラ. イ ンを 後 退 させ,土. 表 現 す る も の と す る.沿. 岸 方 向3200mの. 砂 浚渫 を. 汀線 付 近 に. 30,000m3土 砂 投 入 を行 う.土 砂 投 入1年 後 の結 果 が 図‑13 で あ る.図‑6同. 様,サ. ン ド リサ イ クル を 行 った場 合 と行. 図‑7よ り,汀 線 付 近 に土 砂 投 入 を行 った場 合,養 浜 砂 の. わ なか った場 合 の差 を と った もので あ る.土 砂投 入 を行 っ. 粒 径 が 大 き い ほ ど,侵 食 域 に お いて,汀 線 の 回 復 ま た,. た場 合,投. 等 深 線 の 前 進 が確 認 で き る.ま た,図‑8よ. 付 近)に. り投 入 地 点 よ. 入 位 置 か ら流 れ の 上 手 側(沿. か けて 等 深 線 が 前 進 した.図‑14は. 岸 方 向2000m 実 測値 と計. り岸 側 の 汀 線 で は違 い が み られ な い が,投 入 地 点 の 水 深. 算 値 の 等 深 線 の 変 化 量 を比 較 した も の で あ る.等 深 線 の. 6mで. 変 化 量 は概 ね 再 現 す る こ とが で き た.. は養 浜 砂 の粒 径 が 大 き い ほ ど,等 深 線 が 前 進 す る.
(5) 養浜 土砂 の移 流拡散 を考 慮 した等 深線 変化 予測 モデ ル に関す る研究. 5.. 765. おわ りに. 本 研 究 で は,養 浜 砂 の粒 径 を 考 慮 し,養 浜 土 砂 を考 慮 した等 深 線 変 化 モ デ ル を提 案 した.モ. デ ル テ ス トよ り,. 岸 側 に土 砂 投 入 を 行 うほ ど,そ の 効 果 は高 い こ とが 確 認 で き た.ま た,養 浜 砂 の粒 径 が 現 地 の砂 の粒 径 よ り も大 き い方 が,養 浜 効 果 が 高 い とい う,宇 多 ら(2005)と. 同. 様 の 結 果 を示 す こ とが で き た.皆 生 海 岸 に お け る現 地 適 図‑10. 用 で は,土 砂 投 入 位 置 に お い て 等 深 線 が 前 進 す る こ と が. 皆生 海岸 再現 計算 結果(1994年). 確 認 で き,ま た,実 測 値 の変 化 量 を再 現 す る こ とが で き た.最 後 に,投 入 土 砂 の岸 沖 方 向 お よ び沿 岸 方 向 の移 動 速 度 につ い て は,今 後,さ. らに 現 地 デ ー タ との 比 較 を行. い,再 検 討 す る必 要 が あ る.. 謝 辞:本 (1999)を 図‑11. モ デ ル で は,波. 浪 場 の計 算 に お い て,間. 瀬 ら. 参 考 に させ て い た だ き ま した こ と を,こ. こに. 記 して 感 謝 い た し ます.. 計算 値 と実測値 の比 較. 参 (a) 汀線. (b)水 深5m. 図‑12. 図‑13. 計 算 値 と実 測 値 の 変 化 量 の 比 較(1989‑1994). サ ン ド リサ イ ク ル の 有 無 に よ る等 深 線 変 化 の 違 い. (a) 汀線. (b) 水 深5m. 図‑14. 計 算 値 と 実 測 値 の 変 化 量 の比 較(1994‑1995). 考. 文. 献. 小笹 博昭 ・A.H. Brampton (1979): 護岸 のある海浜 のてい線変 化計算, 港湾技術研究所報告, 第18巻, 第4号, pp.77‑104 宇多高 明, 河野茂樹 (1996): 海浜変形予測のための等深線変化 モデルの開発, 土木学会論文集, No539/II‑35, pp .121‑139 宇多高 明 ・清野聡子 ・大矢 忠一 ・安 田武 夫 ・高橋功 ・古池鋼 ・星 上幸良 (2005): 沖合投入土砂の養浜効果予測手法の開発, 海岸工学論文集 第52巻, pp.641‑645 佐藤慎 司 ・古屋 隆男 ・坂根博吉 ・山本幸 次 ・田子洋一 ・牧 野一正 (1999): 弓 ヶ浜海 岸にお けるサ ン ドリサイ クルシステムの 有用性, 海岸工学論文集 第46巻, pp.686‑690 澁谷容子 ・黒岩正光 ・松原雄平 (2007): 養浜土砂の移流拡散を 考慮 した汀線変化予測 モデルに関 する研究, 海岸工学 論文集 第54巻, pp.646‑650 澁谷容子 ・黒岩正光 ・松原雄平 (2008): 移流拡散によ る土砂投 入 を考慮 した等深線変化予測 モデルに関する研究, 海 洋開発 論文集, 第24巻, pp.1249‑1254 砂村継夫 (1980): 自然海浜 にお ける汀線位置の時間的変化 に関 す る予測 モデル, 第27回海岸工学論文集, pp.225‑259 住谷廸夫 ・松浦健郎 ・宇多高明 ・高橋功 ・大木康弘 ・熊 田貴 之 ・ 芹沢真澄 (2005): 粒度組成の平 面変化を考慮 した等深線変 化 モデルの鹿島灘海 岸への適用, 海岸工学論文集 第52巻, pp.546‑550 灘岡和夫 ・田中則男 ・加藤一正 (1981): 蛍光砂 を用 いた砕波帯 内 における局所 的移動 の観測, 港 湾技術研究所報告 第20巻, 第2号, pp.75‑126. 間瀬肇 ・高山知司 ・国富将嗣 ・三島豊秋 (1999): 波 の回折 を考 慮 した多方向不規則波 の変形計算 モデルに関す る研究, 土木 学会論文集, 第628号, II‑48, pp.177‑187 水谷法美 ・許東秀 ・上運天陽次 ・神谷篤史 (2003): 人 口 リー フ と養浜 による礫浜海岸 の汀線変化 の現地調査 とその予測, 海 岸工学論文集 第50巻, pp.581‑585 Inman, D. L. and W. H. Quinn (1951): Currents in the surf zone, Proc, 2nd Conf. on Coastal Engineering. 1951 Kamphuis,J.W., M.H.Devies, R. B.Narin and O.J. Syao (1986): Calculation of littoral sand transport rate, Coastal engineering, Vol.10, pp.1-12 Kuroiwa,M. and H. Noda (1994): Field investigation of sand drift using fluorescent tracer, Proceedings of the international symposium: waves-physical and numerical modelling, pp.1483-149.
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