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オーストリア情勢月報
(2018年5月)
1.主要経済指標
2.経済情勢
3.政治・社会情勢
4.外交関係
在オーストリア日本国大使館
(注)本資料は 5 月 31 日までに入手した最新のデータ及び情報に基づき作成。2
1.主要経済指標
(1)一般統計
2017 年 2017 年 2018 年 出典 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 (単位) 実質 GDP 成長率 2.9 3.1〔0.9〕 3.2〔0.9〕 3.4〔0.8〕 1(a,d) 労働 標準賃金指数 129.2 129.4 129.4 129.4 129.4 129.7 129.7 131.6 131.7* 131.8* 132.0* 1(b) 失業率 5.5 5.4 5.5 5.4 5.4 5.4 5.4 5.2 5.0* 4.9* 4.9* 1(a) 消費 小売売上高上昇率(自動車除く) 2.9 2.6 2.0 5.2 0.9 4.2 1.5 4.0 1.9 4.2* 1(a,d) 自動車新規登録台数 457 38 36 38 35 35 33 33 32 47 46 1(c) 企業 生産指数上昇率 4.4 5.3 4.2 4.5 4.6 5.4 0.0 7.3 6.7* 3.9* 1(a,d) 景況感 61 64 71 71 2(e) 倒産件数 5,079 1,139 1,366 1,349 3(f) 国外 貿易収支(通関ベース) -57.0* -4.7* -8.1* -4.3* -4.2* -1.1* -7.5* -2.8* 0.2* 1(g) 輸 出 1,419* 115* 108* 121* 127* 132* 107* 118* 118* 1(g) 輸 入 1,476* 119* 116* 125* 132* 133* 115* 121* 118* 1(g) 経常収支 69.6 4.2 22.9 4(g) 外国人旅行客数 2,946 371 376 250 179 111 248 269 315 300 154* 1(h) 日本人旅行客数 ウィーンへの日本人旅行客数 20.8 12.0 2.0 1.0 2.6 1.3 2.2 1.2 2.0 1.2 1.5 0.9 1.3 1.0 1.0 0.6 1.2 0.9 1.5 1.1 - 0.8* 1(h) 5(h) 物価 消費者物価指数(CPI)上昇率 2.1 2.0 2.1 2.4 2.2 2.3 2.2 1.8 1.8 1.9 1.8* 1(a,d) 出典 :1.オーストリア統計局,2.オーストリア産業連盟,3.オーストリア融資保護連盟,4.オーストリア中央銀行,5.ウィーン観光局 (単位):(a) %,(b) 2006 年=100,(c) 1000 台,(d) 前年同期比〔括弧内は前期比〕,(e)「良いという回答の割合」-「悪いという回答の割合」,(f) 件,(g) 億ユーロ,(h) 万人 *暫定値 ・失業率は 5%前後で安定。5 月末現在の失業者数は前年同期比 10%減の約 28 万 6,000 人,研修中を含めた実質失業者数は同 8.9%減の約 36 万人。 ・2 月の輸出は前年同月比 5.3%増の約 117 億 8,000 万ユーロ,輸入は同 2.9%減の約 117 億 6,000 万ユーロで約 2,000 万ユーロの貿易黒字を達成。 ・4 月の CPI 上昇率は+1.8%と比較的高いレベルで安定。物価を引き上げているのは主に家賃(+3.9%),タバコ(+4.3%),軽油(+4.4%),バター(+22.8%)。 ・3
(2)広域概観
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
出典:ウィーン国際経済研究所,オーストリア経済研究所 (注 1)HICP:(欧州)消費者物価指数 (注 2)実質 GDP 成長率と HICP 上昇率は前年比 (注 3)2018 年と 2019 年は予測値2017 年
4.4%
2.4%
2.9%
チェコ
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
2017 年
4.7%
1.6%
4.9%
ポーランド
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
2017 年
3.4%
1.4%
8.1%
スロバキア
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
2017 年
4.0%
2.4%
4.2%
ハンガリー
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
2017 年
2.8%
1.3%
11.2%
クロアチア
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
2017 年
5.0%
1.6%
6.6%
スロベニア
2018 年
3.5%
2.3%
2.9%
2019 年
3.2%
2.0%
2.8%
2018 年
3.8%
2.1%
4.3%
2019 年
3.5%
2.0%
4.2%
2018 年
3.8%
2.0%
7.7%
2019 年
4.2%
1.8%
7.2%
2018 年
3.8%
2.8%
4.1%
2019 年
2.6%
2.9%
4.1%
2018 年
2.7%
1.6%
10.5%
2019 年
3.0%
1.6%
9.5%
2018 年
3.9%
1.8%
6.5%
2019 年
3.5%
1.8%
6.0%
実質 GDP 成長率
HICP 上昇率
失業率
オーストリア
2017 年
2.9%
2.2%
5.5%
2018 年
3.2%
2.0%
5.2%
2019 年
2.2%
2.0%
5.0%
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2.経済情勢(プレスリリース・報道)
①「オーストリア政府が家族補助金の物価水準連動制を閣議決定」 5 月 2 日,オーストリア政府は,家族補助金(注:子供が就業するまで,子供の年齢に応じて一人当たり月額 114~165 ユーロを支給する制度)の物価水 準連動制を閣議決定した。同決定によると,現行では子供が国外に居住している場合もオーストリアに居住している子供に対してと同額を支給しているが, 今後は居住している国の物価に合わせて,減額または増額する。国外に居住する子供に対する支給額は合計で年間約 2 億 7,300 ユーロに上っているが,同決 定により約 1 億ユーロに削減される見通しである。2019 年 1 月 1 日から実施する計画である。 オーストリア首相府(2 日付) ②「オーストリア航空が成田行直行便を再開」 5 月 15 日,オーストリア航空は成田行直行便を再開した。ボーイング 777 型機を使用し,夏ダイヤの期間中のみ週 5 便を運航する。オーストリア航空は, 市場の条件が大幅に改善され,日本からの旅行客に再びポテンシャルが生まれていると見ている。その際,ウィーンでのトランジットの需要も高く,同直行 便を利用する日本人旅行客の約半数がウィーンからオーストリア航空のプラハ便,ザグレブ便,インスブルック便,ミラノ便などに乗り換えると予想されて いる。 オーストリア航空(15 日付) ③「デンツェル・グループが 2017 年に増収増益」 オーストリア最大の自動車輸入業者で三菱自動車の正規輸入代理店であるデンツェル・グループ(本社:ウィーン)の 2017 年の売上げは前年比 12%増の 約 8 億 3,300 万ユーロ,税引き前利益は同 6%増の約 1,830 万ユーロを記録した。同グループは自動車販売業,金融業,不動産業から成るが,3 部門全てで業 績を伸ばした。同グループの従業員数は約 1,300 人,年間自動車販売台数は約 4 万 5,000 台(2017 年)である。 各紙(16 日,17 日付) ④「マーラー元科学・研究・経済相が連邦産業院総裁に就任」 5 月 18 日,ライトル連邦産業院現総裁が任期満了前に辞任したことを受け,連邦産業院総会は総裁補充選挙を実施し,マーラー連邦産業院新総裁を選出 した。マーラー新総裁はシュラムベック・デジタル化・経済立地相から認証され,同日付で総裁に就任し,ライトル現総裁は同じく同日付で総裁を退任した。 マーラー新総裁は元科学・研究・経済相で,国民党の閣僚として自由党との連立交渉に参加した経験を持つ。2000 年から約 18 年間総裁を務めたライトル現 総裁は今後,欧州商工会議所会頭の職に専念する。 オーストリア連邦産業院(18 日付)5 ⑤「ウィーン州の日本人旅行客数は 4 月に前年同月比 20.7%増加」 ウィーン観光局の発表によると,4 月のウィーン州の旅行客数は前年同月比 2.6%増の約 63 万人,旅行客宿泊数は同 1.5%減の約 138 万泊であった。主にド イツ人の減少(旅行客が同 8.7%減,旅行客宿泊数が同 12.6%減)が響き,比較的低調な結果となった。日本人は旅行客数が同 20.7%増の 8,444 人,旅行客宿 泊数が同 16.4%増の 1 万 8,638 泊であった。 ウィーン観光局(22 日付) ⑥「オーストリア政府が社会保険改革を閣議決定」 5 月 23 日,オーストリア政府は社会保険改革を閣議決定した。同改革の柱は社会保険基金の統合で,社会保険基金は統合を通じて,現行の 21 基金から 5 基金に削減される。その際,健康保険基金については,各州にある 9 つの地域基金及び 5 つの企業基金を統合し,オーストリア保健基金とする。年金保険基 金及び一般労災保険基金は原則としてそのまま存続する(注:失業保険は国が運営)。また,公務員保険基金と鉄道・鉱山保険基金を統合し,公務・鉄道会 社保険基金とし,自営業保険基金,農家保険基金,公証人保険基金を統合し,自営業者社会保険基金とする。ただし,一般労災保険基金については,8 月 31 日までに運営方針の提出を求め,存続するかどうかを最終的に決定する。組織の統合に伴い,独立採算の原則は今後も継続しつつ,被保険者に対するサービ スが統一される。同改革により,2023 年までに人件費を中心に合計で 10 億ユーロの予算の節約が見込まれる。同改革の法案は 7 月までに審査に回され,9 月末までの審査を経て,11 月末までに議会に提出される。議決後,2019 年第 1 四半期に移行期間を設けて実施する。 オーストリア首相府(22 日,23 日付) ⑦「オーストリア政府が最低生活保障の統一案を発表」 5 月 28 日,オーストリア政府は,最低生活保障(注:実際の収入に不足分を補填して生活に必要な最低レベルの収入を保障する制度)の統一案を発表し た。州毎に異なる最低生活保障をその原則を定める連邦法に基づき統一するもので,基本コンセプトは「オーストリア人」と「外国人」をより明確に区別し, かつ「就労者」と「非就労者(最低生活保障受給者)」の差別化を図ることにある。その際,外国人については,オーストリアにおける 5 年間の在留を域外 外国人のみならず,域内外国人に対しても給付の絶対条件として適用する。また,月額基本給付額を一律 863 ユーロと設定し(注:物価変動制),このうち 300 ユーロを「就労能力ボーナス」とする。「就労能力ボーナス」の支給条件は「オーストリアにおける義務教育終了」または「統合協定履行かつドイツ語 試験中級レベル合格」である。同居家族については,配偶者がいる場合は本人,配偶者共に月額基本給付額の 70%,本人に扶養義務がある 3 人目以上の成人 は同 40%を受給する。子供は一人目が同 25%,二人目が同 15%,三人目が同 5%を受給する。現行と比較すると,子供に対して新たに逆進性が導入されており, 多子世帯に対する合計給付額が大幅に減少することになる。ただし,母子(父子)家庭に対しては,子供一人目に 100 ユーロ,二人目に 75 ユーロ,三人目 に 50 ユーロが増額される。法案は今後数週間以内に審査に回され,今秋に国民議会で議決される予定である。 オーストリア首相府,各紙(29 日付)
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3.政治・社会情勢(プレスリリース・報道)
①「オーストリア政府が青少年保護条例の統一を閣議決定」 5 月 2 日,オーストリア政府は青少年保護条例の統一を閣議決定した。青少年保護条例は州の管轄であり,現行では各州により扱いが異なるが,これを統 一し,喫煙と飲酒(蒸留酒類)が許される最低年齢を 18 歳に引き上げる(注:現行では詳細が統一されていないが,概ね 16 歳)。また,青少年の保護者な しの深夜外出は 14 歳未満が 23 時,14 歳以上 16 歳未満が午前 1 時までに制限され,16 歳以上は無制限とされる。各州の同意に基づく州法改正を通じて,2019 年 1 月 1 日から実施する予定である。 オーストリア首相府(2 日付) ②「外国人数当たりの帰化数でオーストリアは EU 内で最低」 ユーロスタットの2016年統計によると,オーストリアにおける在留外国人100人当たりの帰化数は0.7人でラトビアと並んでEU内で最低値となっている。 その背景には,他の EU 諸国と比較してより厳格なオーストリアの発給基準以外に役所の発給手続き期間の長さが挙げられる。ウィーン市会計検査院は,2008 ~2013 年にウィーン市 35 課に提出された 1 万 6,000 件超の国籍申請のうち,法律で定められた 6 ヶ月以内に手続き完了を満たしたのは約半数に過ぎず,18% が 1~3 年,13%が約 5 年の期間を要している旨指摘しており,直近でも 5 年半待ったという事例が報告されている。オンブズマンに寄せられた 35 課に対す る苦情件数は 2014 年の 83 件から 2015 年に 118 件,2016 年に 182 件へと増加しており,そのほとんどが手続き期間の長さを理由としている。35 課は,法律 が複雑化する中,増員された人員の研修に時間がかかっている旨説明している。 ヴィーナー・ツァイトゥング紙(4 日付) ③「インスブルック市で緑の党の市長が誕生」 4 月 22 日に実施されたインスブルック市議会選挙で緑の党が 24.16%の得票率で自由党(18.56%),「インスブルックのためのリスト」(16.15%),国民党 (12.17%),社民党(10.32%)を抑えて第一党となった。また同日実施されたインスブルック市長選挙でも緑の党のゲオルク・ヴィリー候補が 30.88%の得票 率で,現職の「インスブルックのためのリスト」のクリスティーネ・オピッツ=プレーラー候補(24.28%)を上回った。最終的にヴィリー候補は 5 月 6 日に 実施された市長選決選投票で 52.91%を獲得して,47.09%のオピッツ=プレーラー候補に勝利し,24 日に新市長として認証された。これにより,オーストリ アの州都で初めて緑の党の市長が誕生した。なお,緑の党は「インスブルックのためのリスト」,国民党,社民党と同市で連立政権を樹立した。 インスブルック市,各紙(6 日,24 日付) ④「オーストリアが国境コントロールを継続」 欧州委は,オーストリア,ドイツ,スウェーデン,デンマーク,ノルウェーが申請していたシェンゲン域内での国境コントロールに対して異議を唱えなか った。欧州委は「許可」という表現を避けたものの,これにより,オーストリアは対スロベニア国境及び対ハンガリー国境でのコントロールを継続する。域 内での国境コントロールは正式には 2017 年 11 月 11 日を以て終了したが,その後,治安等が脅かされているという理由による特例から,5 月 11 日まで半年7 間,今回さらに 11 月 11 日まで継続されたものである。オーストリアは,7 月 1 日から半年間 EU 議長国となるため,必要に応じて対イタリア,対チェコな ど他の国境でもコントロールを実施する計画である。 クライネ・ツァイトゥング紙(9 日付) ⑤「オーストリア国民議会がドイツ語支援特殊学級の導入を議決」 5 月 17 日,オーストリア国民議会は,ドイツ語支援特殊学級の導入を盛り込んだ改正学校組織法を議決した。内容的に 1 月の閣議決定よりやや緩和され た。同法によると,小学校(6~10 歳)及び中学校(10~14 歳)に通常の学級から分離した特殊学級を設置し,統一されたドイツ語試験に合格しなかった生 徒は特殊学級でドイツ語能力を高めて,同試験に合格しなければ通常の学級に入ることは出来なくなる。その際,一部のカリキュラムでのみ通常の学級の生 徒と同じ授業を受けるために,進級には一定の条件が課される。ドイツ語の授業は小学校で週 15 時間,中学校で週 20 時間とし,特殊学級に在籍出来る期間 は最高 2 年とする。特殊学級の設置はこれらの生徒が学校当たり 8 人以上いる場合に義務付ける。2018 年秋学期から導入する。 オーストリア議会(17 日付) ⑥「ウィーン市議会がルートヴィッヒ・ウィーン新市長を承認」 5 月 24 日,ウィーン市議会はルートヴィッヒ・ウィーン市住宅・建設・都市再生・女性担当参事をウィーン新市長とする人事を承認した。24 年間現職に あるホイプル・ウィーン市長が任期満了前に辞任したことを受け,既に 1 月からウィーン州社民党党首に就任している同参事がその後継となったものである。 同時に新たな人事も発表され,7 人の参事のうち 4 人が交代となった。ウィーン市長はウィーン州首相を兼任するため,ルートヴィッヒ市長は 29 日に州首 相としてもファン・デア・ベレン大統領から認証された。 ウィーン市,大統領府(24 日,29 日付) ⑦「ザルツブルク州で国民党,緑の党,NEOS が三党連立で合意」 5 月 25 日,4 月 22 日のザルツブルク州議会選挙の結果を受け,第一党の国民党は緑の党及び NEOS と連立政権を組むことで合意した。これにより国民党と 緑の党の現連立政権に NEOS が加わる形となった(注:NEOS が州レベルで政権参加するのは初めて)。ハスラオアー州首相(国民党)は続投する。 ザルツブルク州(25 日付) ⑧「オーストリア人の半数以上が CETA の批准に反対」 国民議会選挙を仮想した直近の世論調査によると,国民党の支持率は前月より 1 ポイント減少して 32%となった。社民党は同 2 ポイント減の 25%で,同 1 ポイント増の 25%となった自由党と並んだ。NEOS は 7%,緑の党は 6%,リスト・ピルツは 4%。また国民党と自由党が計画している CETA(EU とカナダの自由 貿易協定)の批准について,51%が反対と回答,賛成と回答した 29%を大きく上回った。 プロフィール誌(26 日付)
8 ⑨「オーストリアとバイエルン州が国境コントロールを強化」 キクル・オーストリア内相の発表によると,オーストリア警察とドイツ警察は 6 月 1 日から国境コントロールを強化することで合意した。コントロールが 強化されるのはドイツ・オーストリア国境(道路及び鉄道)とオーストリア・イタリア国境(貨物鉄道)である。ドイツとオーストリアの間で締結されてい る警察協力協定に基づく措置である。 オーストリア内務省(29 日付)
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