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関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 の 新 た な 展 開 を 目 指 し て

（ サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン ）

【 案 】

平 成 １ ８ 年 ２ 月

関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン 策 定 委 員 会

委 員 名 簿

委 員 長 井 村

い む ら

裕 夫

ひ ろ お

委員長代理 鈴 木

す ず き

胖

ゆたか

委 員 荒 巻

あ ら ま き

禎 一

て い い ち

関西文化学術研究都市建設推進協議会会長

梶 本

か じ も と

徳 彦

の り ひ こ

大 阪 府 副 知 事

佐 村

さ む ら

知 子

と も こ

京 都 府 副 知 事

立 石

た て い し

義 雄

よ し お

田 中

た な か

久 幸

ひ さ ゆ き

独 立 行 政 法 人 都 市 再 生 機 構 理 事

辻 井

つ じ い

昭

あ き

雄

お

関 西 経 営 者 協 会 会 長

長 尾

な が お

真

まこと

西 尾

に し お

哲 夫

て つ お

奈 良 県 副 知 事

端

は た

信 行

の ぶ ゆ き

八 田

は っ た

英 二

え い じ

同 志 社 大 学 学 長

林

はやし

敏 彦

と し ひ こ

村 橋

む ら は し

正 武

ま さ た け

立 命 館 大 学 理 工 学 部 教 授

安 田

や す だ

國

く に

雄

お

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 学 長

安 原

や す は ら

敬

ゆ き

裕

ひ ろ

国 土 交 通 省 大 臣 官 房 審 議 官

（ 敬 称 略 ： 委 員 長 、 委 員 長 代 理 以 外 は 五 十 音 順 ）

社 団 法 人 関 西 経 済 連 合 会 副 会 長

財団法人関西文化学術研究都市推進機構理事長

財 団 法 人 先 端 医 療 振 興 財 団 理 事 長

京 都 大 学 名 誉 教 授

独 立 行 政 法 人 情 報 通 信 研 究 機 構 理 事 長

京 都 大 学 名 誉 教 授

兵 庫 県 立 大 学 副 学 長

大 阪 大 学 名 誉 教 授

ス タ ン フ ォ ー ド 日 本 セ ン タ ー 理 事 長

大 阪 大 学 名 誉 教 授

京 都 橘 大 学 文 化 政 策 学 部 教 授

国 立 民 族 博 物 館 名 誉 教 授

「 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 の 新 た な 展 開 を 目 指 し て 」

（ サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン ）

【 案 】

～ 目 次 ～

は じ め に ･･････････････････････････････････････････････････････････････ 第 Ⅰ 部 学 研 都 市 の 目 指 す べ き 方 向 ･････････････････････････････････････ 第 １ 章 こ れ か ら の 学 研 都 市 の 課 題 ･･･････････････････････････････････ １ ． 学 研 都 市 に お け る 現 状 の 課 題 ･･････････････････････････････････････ ２ ． 新 た な 時 代 に 向 け た 課 題 ･･････････････････････････････････････････ 第 ２ 章 学 研 都 市 の 理 念 ･････････････････････････････････････････････ １ ．学 研 都 市 の 理 念 ･････････････････････････････････････････････････ ２ ．サ ー ド・ス テ ー ジ・プ ラ ン で の 視 点 ････････････････････････････････ 第 Ⅱ 部 理 念 の 実 現 化 に 向 け た 取 り 組 み の 方 向 ･･･････････････････････････ 第 １ 章 学 研 都 市 発 の 新 た な 文 化・学 術 研 究・産 業 の 創 造 を 目 指 し て ･･････ １ ．「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 （ sustainability science ）」（ 副 題 「 地 球 － 人 類 共 生 の た め の 科 学 」）（ 仮 称 ）の 推 進 ･･･････････････････････ ２ ．国 際 研 究 開 発 拠 点 と し て 学 術 研 究 の 推 進 ･･････････････････････････････ ３ ． 産 学 官 連 携 の 推 進 に よ る 新 産 業 の 創 出････････････････････････････････ ４ ． 文 化 拠 点 の 高 度 化 と 新 た な 文 化 学 術 研 究 の 推 進 ･･･････････････････ 第 ２ 章 ア ジ ア を は じ め 世 界 に 開 か れ た 都 市 を 目 指 し て ･････････････････ 第 ３ 章 未 来 を 拓 く 知 の 創 造 都 市 の 形 成 ･･･････････････････････････････ １ ．目 指 す べ き 都 市 像 －「 知 の 創 造 都 市 」･････････････････････････････ ２ ． 良 好 な 街 並 み ・ 都 市 的 サ ー ビ ス の 向 上 に 向 け て ･･･････････････････ ３ ． 自 然 環 境 の 保 全 ・ 市 民 活 動 の 展 開 ･･･････････････････････････････ ４ ． 学 研 都 市 に お け る 「 フ ィ ー ル ド の 多 様 な 展 開 」 ･･･････････････････ 第 ４ 章 学 研 都 市 の 活 動 を 支 え る 都 市 基 盤 、 交 通 基 盤 の 整 備 促 進 ･････････ １ ． 都 市 基 盤 整 備 の 推 進 や 未 利 用 地 の 有 効 活 用 ･･･････････････････････ ２ ． 道 路 ・ 鉄 道 等 の 交 通 基 盤 の 整 備 促 進 ･････････････････････････････ 第 ５ 章 本 格 的 な 都 市 活 動 を 支 え る 「 都 市 運 営 」 の 新 た な 展 開 ･･････････････ 今 後 に 向 け て ･･････････････････････････････････････････････････････････ 1 2 2 2 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 9 10 10 12 12 13 14 14 15 16 17

「 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 の 新 た な 展 開 を 目 指 し て 」

（ サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン ）

【 案 】

は じ め に

関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 （ 以 下 「 学 研 都 市 」 と い う 。 ） は 、 「 文 化 、 学 術 及 び 研 究 の 中 心 と な る べ き 都 市 を 建 設 し 、 も っ て 我 が 国 及 び 世 界 の 文 化 等 の 発 展 並 び に 国 民 経 済 の 発 達 に 資 す る 」 こ と を 目 的 に そ の 建 設 が 進 め ら れ て き た 。 初 め て 学 研 都 市 の 構 想 が 動 き 出 し た の は 、1978年 の「 関 西 学 術 研 究 都 市 調 査 懇 談 会 」 （ 奥 田 懇 談 会 ）の 提 言 か ら で あ り 、そ の 後 1983年 に 京 都 、大 阪 、奈 良 の ３ 府 県 、 （ 社 ） 関 西 経 済 連 合 会 な ど に よ っ て 設 置 さ れ た 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 建 設 推 進 協 議 会 の も と 、 構 想 が 具 体 化 さ れ 、 1987年 の 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 建 設 促 進 法 の 公 布 施 行 を 経 て 、 我 が 国 に お け る 国 家 プ ロ ジ ェ ク ト と し て 本 格 的 に 都 市 建 設 が 進 め ら れ る こ と に な っ た 。 現 在 で は 進 出 機 関 ・ 企 業 数 は 約 2301_{に 達 し 、 産 学 官 連 携 に よ る 多 く の 成 果 も} 生 ま れ 、 我 が 国 の 文 化 学 術 研 究 の 進 展 に 大 き く 貢 献 し て い る と こ ろ で あ る 。 ま た 人 口 も 約 22万 人2_{に 達 し 市 民 に よ る 活 動 も 年 々 盛 ん に な り 、緑 と の ふ れ あ い や} 知 的 で 文 化 的 な 交 流 な ど 、 学 研 都 市 ら し い ラ イ フ ス タ イ ル も 生 ま れ つ つ あ る 。 し か し な が ら 21世 紀 を 迎 え た 今 日 、世 界 の 潮 流 は 新 た な 動 き を 見 せ 始 め て い る 。 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 や 情 報 通 信 技 術 の 不 断 の 進 展 は 、 国 境 な き 人 、 モ ノ 、 情 報 の 交 流 を 生 む 一 方 、 世 界 規 模 で の 地 域 間 競 争 を 激 化 さ せ 、 ま た BRICs3_{を は} じ め と す る 各 国 の め ざ ま し い 経 済 発 展 や 世 界 人 口 の 増 大 が 引 き 続 き 予 想 さ れ る 中 、 地 球 環 境 問 題 の さ ら な る 激 化 と 食 糧 危 機 、 エ ネ ル ギ ー 危 機 が 現 実 味 を 帯 び て 語 ら れ る よ う に な っ て き た 。 一 方 我 が 国 は 人 口 減 少 時 代 を 迎 え 、 さ ら に 超 少 子 高 齢 社 会 と も 言 う べ き 時 代 に 突 入 し よ う と し て い る が 、 こ う し た 中 、 社 会 経 済 面 で の 活 力 を 維 持 し つ つ 先 進 国 の 一 員 と し て 、 世 界 規 模 の 諸 課 題 に 対 す る 処 方 箋 を 先 導 し て 示 し 、 人 類 に 貢 献 し て い く 責 務 が あ る 。そ の た め 我 が 国 の 文 化 を さ ら に 磨 き 上 げ る と と も に 、 自 然 科 学 の み な ら ず 人 文 ・ 社 会 科 学 の さ ら な る 進 展 と そ の 総 合 化 に 取 り 組 み 、 物 質 的 充 足 の 追 及 か ら 精 神 的 豊 か さ の 希 求 へ と シ フ ト さ せ る よ う な 、 新 た な 価 値 観 を 探 求 ・ 発 信 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 近 畿 圏 は 我 が 国 の 文 化 学 術 経 済 の 一 大 集 積 地 で あ り 、 そ の ポ テ ン シ ャ ル は 世 界 ト ッ プ 10の 主 要 国 に も 匹 敵 す る と と も に 、 ア ジ ア 諸 国 と の 歴 史 的 文 化 的 な 交

流 の 深 さ や 地 理 的 な 近 接 性 と い っ た 特 長 を 有 し て お り 、 我 が 国 が 果 た す べ き 世 界 的 な 責 務 を 担 っ て い く 中 心 地 の 一 つ で あ る 。 な か で も 学 研 都 市 は 文 化 学 術 研 究 の 拠 点 と し て 他 の 地 域 と 連 携 し な が ら 我 が 国 の 社 会 経 済 の 発 展 に 寄 与 し 、 世 界 的 責 務 を 先 導 し て 果 た す 役 割 を 担 っ て い る 。 こ の よ う な 背 景 と 視 点 の も と 、 今 回 策 定 す る サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン 「 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 の 新 た な 展 開 を 目 指 し て 」 は 、 2004年 度 に 行 わ れ た 「 関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 の 明 日 を 考 え る 懇 談 会4_{」の 提 言 を 踏 ま え 、長 期 的 な 確 た る 理} 念 に 基 づ い て 、 今 後 概 ね 10年 間 に お け る 学 研 都 市 の 新 た な 展 開 を 示 そ う と す る も の で あ る 。 本 プ ラ ン が 学 研 都 市 に 関 わ る 関 係 者 の 共 通 認 識 や 市 民 の 街 づ く り へ の 参 画 に 資 す る と と も に 、 こ れ か ら の 学 研 都 市 の 建 設 や 高 度 な 都 市 運 営 、 都 市 活 動 に 係 る 諸 施 策 に 反 映 さ れ る こ と を 期 待 す る 。

第 Ⅰ 部 学 研 都 市 の 目 指 す べ き 方 向

こ れ か ら の 学 研 都 市 の 課 題 を 把 握 し た 上 で 、学 研 都 市 の 理 念 及 び サ ー ド ・ ス テ ー ジ・プ ラ ン で の 視 点 を 整 理 し 、サ ー ド・ス テ ー ジ に お け る 目 指 す べ き 方 向 を 示 す 。

第 １ 章 こ れ か ら の 学 研 都 市 の 課 題

学 研 都 市 は 着 実 に 都 市 と し て の 機 能 や 施 設 の 集 積 が 図 ら れ 市 民 や 立 地 機 関 を は じ め と し た 多 様 な 交 流 連 携 も 活 発 に 行 わ れ る よ う に な っ て き た が 、一 方 で 産 学 官 連 携 に よ る 総 合 力 の 強 化 や 都 市・交 通 基 盤 の 整 備 充 実 な ど に つ い て は 、 ま だ ま だ 十 分 な 状 況 に は な っ て い な い 。 ま た 新 産 業 の 創 出 や 国 際 化 の 進 展 、さ ら に は ラ イ フ ス タ イ ル の 多 様 化 や 都 市 運 営 の 高 度 化 な ど 新 た な 取 り 組 み に つ い て も 、 対 応 が 十 分 な 状 況 に な い 。 １ ． 学 研 都 市 に お け る 現 状 の 課 題 （ １ ） 都 市 と し て 総 合 力 の 発 揮 が 不 十 分 今 日 学 研 都 市 で は 我 が 国 を 代 表 す る 大 学 や 研 究 機 関 、企 業 の 集 積 が 進 み つ つ あ る も の の 、近 畿 圏 各 地 の 研 究 機 関 や 産 業 集 積 地 と の 連 携 、学 研 都 市 内 外 へ の 情 報 発 信 や こ れ を 支 え る 体 制・組 織 な ど は ま だ 不 十 分 な 状 況 に あ り 、学 研 都 市 と し て 総 合 力 が 発 揮 さ れ る ま で に は 至 っ て い な い 。 （ ２ ） 都 市 の 賑 わ い や 機 能 の 不 足 こ こ 数 年 学 研 都 市 で は 、交 通 基 盤 の 整 備 や 商 業 施 設 の 立 地 が 進 み 、日 常 生 活 の 利 便 性 も 徐 々 に 向 上 し て き て は い る が 、 市 民 や 研 究 者 か ら は 引 き 続 き 、 福 祉 施 設 、ス ポ ー ツ・レ ク レ ー シ ョ ン 施 設 、文 化 施 設 等 の 充 実 に つ い て 要 望 が 寄 せ ら れ て い る と こ ろ で あ り 、都 市 と し て の 集 客・交 流 機 能 等 で ま だ 不 足 し て い る 状 況 が 伺 え る 。ま た 精 華・西 木 津 地 区 な ど で も 未 利 用 地 が 残 っ て お

り 、都 市 と し て の 機 能 や 賑 わ い の 発 揮 と い っ た 面 で 、ま だ 不 十 分 な 状 況 に あ り 、 景 観 形 成 上 か ら も 課 題 を 残 し て い る 。 （ ３ ） ク ラ ス タ ー5_{整 備 の 遅 れ} 今 日 ま で 12地 区（ 3,600ha）の ク ラ ス タ ー の う ち 10地 区（ 2,364ha）で 事 業 が 着 手 さ れ 、全 体 で 1,632haが 整 備 済 み ま た は 概 成6_{と な っ て い る 。し か し な} が ら 未 整 備 の ク ラ ス タ ー も 依 然 あ り 、施 設 の 誘 致 や 周 辺 市 街 地 と 一 体 と な っ た 街 づ く り の 推 進 、さ ら に は ク ラ ス タ ー 間 の 道 路 ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 等 で 大 き な 支 障 と な っ て い る 。 （ ４ ） 交 通 基 盤 整 備 に お け る 課 題 学 研 都 市 で は 京 奈 和 自 動 車 道 や 第 二 京 阪 道 路 の 一 部 供 用 、近 鉄 け い は ん な 線 の 開 業 等 に よ り 、以 前 に 比 べ 移 動 性 が 大 幅 に 改 善 さ れ て き た と こ ろ で あ る 。 し か し な が ら 一 方 で ま だ 整 備 を 必 要 と す る 区 間 も 多 く 、道 路 で は 広 域 幹 線 道 路 の 第 二 京 阪 道 路 の 大 阪 側 区 間 や 学 研 都 市 連 絡 道 路（ 一 般 国 道 163号 ）7_、ク ラ ス タ ー 間 を 連 絡 す る 道 路 な ど が 未 整 備 で あ る た め 、学 研 都 市 内 外 の 交 流 連 携 に と っ て 大 き な 支 障 と な っ て い る 。鉄 道 に お い て 公 共 交 通 サ ー ビ ス や 利 便 性 と い っ た 面 で 、ま た バ ス 路 線 に お い て 鉄 道 と の 接 続 や 各 ク ラ ス タ ー 間 の 連 絡 等 で 、 検 討 す べ き 課 題 と な っ て い る も の が 見 ら れ る 。 ２ ． 新 た な 時 代 に 向 け た 課 題 （ １ ） 新 産 業 の 創 出 近 年 、企 業 で は 大 き く ス タ イ ル が 変 化 し 、研 究 開 発 か ら 事 業 化 産 業 化 に 至 る ま で の 各 段 階 が 同 時 並 行 的 に 行 わ れ る よ う に な り 、ま た 研 究 開 発 の 段 階 で あ っ て も 試 作 生 産 機 能 が 必 要 に な っ て き て い る 。 学 研 都 市 で は 、こ れ ま で 研 究 開 発 段 階 に お い て は「 知 的 ク ラ ス タ ー 創 成 事 業8_{」 等 の 共 同 研 究 に よ り 大 き な 成 果 を 挙 げ て き た が 、 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン}9 か ら 事 業 化 産 業 化 に 至 る 段 階 に お い て は 取 り 組 み が ま だ 試 行 的 な 状 況 で あ り 、必 ず し も 体 制 が 整 っ て い な い 。ま た 学 研 都 市 内 外 に お け る 産 学 官 連 携 を 促 進 す る た め の 体 制 や 、 ベ ン チ ャ ー1 0_{を は じ め と し た 企 業 の 支 援 ・ 育 成 な ど} に つ い て も 、今 後 学 研 都 市 が 新 産 業 の 創 出 に 向 け て 取 り 組 む べ き 課 題 で あ る 。 （ ２ ） 新 た な 文 化 の 広 が り 、 創 造 的 な 都 市 活 動 の 展 開 学 研 都 市 で は 、 文 化 拠 点 と し て 高 度 な 文 化 施 設 の 集 積 や 文 化 歴 史 研 究 な ど の 推 進 に 加 え 、 最 近 で は け い は ん な 造 形 ・ 芸 術 祭 や プ チ コ ン サ ー ト な ど 地 域 に 密 着 し た 市 民 文 化 が 活 発 に な っ て き て い る 。 今 後 多 彩 で 魅 力 的 な 街 を 目 指 し て 様 々 な 活 力 あ る 人 材 が 集 い 創 造 的 な 都 市 活 動 が 展 開 さ れ て い く た め に は 、 デ ザ イ ン や 映 像 情 報 な ど の コ ン テ ン ツ1 1

を は じ め と し た 新 た な 産 業 文 化 や 、高 度 な 文 化 学 術 研 究 機 関 と 恵 ま れ た 自 然 環 境 、里 山 環 境 の 近 接 し た 地 域 の 資 産 の 活 用 な ど 、幅 広 い 取 り 組 み に つ い て 推 進 し て い く こ と が 求 め ら れ る 。 （ ３ ） 国 際 化 の 著 し い 進 展 国 際 化 の 著 し い 進 展 の 中 、 世 界 の 研 究 機 関 と 協 調 し な が ら 戦 略 的 に イ ノ ベ ー シ ョ ン1 2_{を 創 出 し さ ら に 国 際 競 争 力 を つ け て い く こ と が 重 要 に な っ て き} て い る 。 し か し な が ら 学 研 都 市 で は 、 現 在 の と こ ろ 都 市 全 体 と し て 、 国 際 競 争 力 の 向 上 に 向 け た 戦 略 的 な 体 制 と い っ た も の は な く 、ま た 外 国 人 が 居 住 す る 上 で も 生 活 面 に お け る 受 け 入 れ 環 境 な ど に つ い て 十 分 な 状 況 に は な い 。 （ ４ ） 新 た な 都 市 の 運 営 学 研 都 市 で は 、立 地 す る 研 究 機 関 や 企 業 、ま た は 都 市 で の 人 口 が 増 加 し 、 そ れ ぞ れ の 活 動 が 活 発 化 す る 中 で 、産 学 連 携 や 企 業 誘 致 、国 際 交 流 、高 度 な 都 市 サ ー ビ ス の 提 供 な ど 、新 た な 都 市 運 営 の ニ ー ズ が 高 ま っ て き て い る 。こ れ ま で の 都 市 建 設 を 中 心 的 課 題 と し た 段 階 か ら 、新 た に 都 市 運 営 に つ い て も 高 度 に 展 開 す る 段 階 に 入 っ て き て い る が 、学 研 都 市 で は そ の た め の 体 制 が ま だ 十 分 に は 構 築 さ れ て い な い 。

第 ２ 章 学 研 都 市 の 理 念

学 研 都 市 の 当 初 よ り 続 く 建 設 の 基 本 的 な 考 え 方 を「 学 研 都 市 の 理 念 」と し て 整 理 し 、そ の 実 現 に 向 け て 特 に 重 視 す べ き 点 を「 サ ー ド・ス テ ー ジ・プ ラ ン で の 視 点 」 と し て 整 理 す る 。 １ ． 学 研 都 市 の 理 念 今 日 人 類 の 生 存 に 関 わ る 諸 問 題 が 懸 念 さ れ る 中 、 世 界 で は 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 向 け て 文 化 学 術 研 究 の 一 層 の 推 進 が 求 め ら れ て い る と こ ろ で あ る 。 学 研 都 市 は 建 設 の 当 初 よ り こ う し た 課 題 に 対 し 、 地 球 規 模 で の 環 境 に 関 す る 研 究 や 自 然 科 学 と 人 文・社 会 科 学 と の 融 合 に よ る 文 化 学 術 研 究 、さ ら に は パ イ ロ ッ ト ・ モ デ ル 都 市 と も 言 え る 時 代 を 先 取 り し た 多 様 な 試 み な ど に つ い て 積 極 的 に 取 り 組 ん で き た と こ ろ で あ る 。 サ ー ド・ス テ ー ジ・プ ラ ン で は 、建 設 当 初 よ り 連 綿 と 続 く 学 研 都 市 の 基 本 的 な 考 え で あ る「 文 化 学 術 研 究 の 中 枢 と し て 、地 球 規 模 の 課 題 に 関 す る 科 学 な ど に 先 導 的 に 取 り 組 み 、国 際 社 会 へ 貢 献 し て い く 」こ と に つ い て 、改 め て 学 研 都 市 の 理 念 と し て 以 下 の 三 点 に 集 約 し と り ま と め る 。な お こ の 理 念 は 今 後 も 長 期 に わ た り 求 め 続 け ら れ る も の で あ る 。 ① 文 化 学 術 研 究 の 新 た な 展 開 の 拠 点 づ く り

近 畿 圏 に お い て 培 わ れ て き た 豊 か な 文 化 学 術 研 究 の 蓄 積 を 生 か し 、歴 史 、 文 化 、 自 然 環 境 に 恵 ま れ た 京 阪 奈 丘 陵 に お い て 、 創 造 的 か つ 、 国 際 的 、 学 際 的 、 業 際 的 な 文 化 学 術 研 究 の 新 た な 展 開 の 拠 点 づ く り を 目 指 す 。 ② 世 界 及 び 我 が 国 の 文 化 学 術 研 究 の 発 展 、 国 民 経 済 の 発 達 へ の 寄 与 新 し い 近 畿 の 創 生 に 貢 献 す る こ と は も と よ り 、 世 界 及 び 我 が 国 の 文 化 学 術 研 究 の 発 展 並 び に 国 民 経 済 の 発 達 へ 寄 与 す る 。 ③ 未 来 を 拓 く 知 の 創 造 都 市 の 形 成 （ 仮 称 ）1 3 文 化 学 術 研 究 の 諸 活 動 の 成 果 を 取 り 入 れ 、 地 球 環 境 へ の 負 荷 が 低 く 、 新 た な 試 み が 積 極 的 に 展 開 さ れ 、 市 民 や 研 究 者 が 持 て る 力 を 最 大 限 に 発 揮 す る こ と で 創 造 さ れ る 新 た な 知 識 や 文 化 に よ っ て 、 確 か な 未 来 へ 先 導 し て い く 都 市 の 形 成 を 目 指 す 。 ２ ． サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン で の 視 点 新 た な 課 題 や 時 代 変 化 を 踏 ま え 、 行 政 間 や 立 地 機 関 間 の 連 携 さ ら に は 市 民 間 の 交 流 を 深 め 、高 度 な 都 市 運 営 の も と 総 合 力 を 高 め て い く こ と が 学 研 都 市 に 求 め ら れ て い る 。 そ こ で サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン で は 、 学 研 都 市 の 理 念 の 実 現 に 向 け て 特 に 重 視 す べ き 点 を 以 下 の 三 点 に 集 約 す る 。 ① 学 研 都 市 の 総 合 力 の 強 化 文 化 学 術 研 究 機 能 や 都 市 機 能 の 向 上 を 図 り 、 新 産 業 の 創 出 に よ る 地 域 経 済 の 振 興 や 、 情 報 発 信 の 強 化 に よ る 「 学 研 都 市 」 と し て の ブ ラ ン ド の 確 立 を 通 し て 、 学 研 都 市 全 体 と し て の 総 合 力 の 強 化 を 目 指 す 。 ② 交 流 連 携 を 通 し た 一 体 性 の 確 立 学 研 都 市 と し て の 着 実 な 都 市 形 成 を 踏 ま え 、 今 後 文 化 学 術 研 究 分 野 に お け る 広 域 的 な 交 流 連 携 や 市 民 の 多 様 な 交 流 を 通 し て 、 学 研 都 市 全 体 と し て の 一 体 性 を 高 め て い く 。 ③ 都 市 運 営 に 重 点 を お い た 取 り 組 み 学 研 都 市 と し て の 活 動 の 活 発 化 や 学 術 研 究 機 能 の 強 化 、 さ ら に は ア ジ ア を は じ め と し た 国 際 交 流 や 市 民 ・ 研 究 者 へ の 都 市 サ ー ビ ス の 提 供 な ど 、 今 後 高 度 な 都 市 運 営 に 重 点 を お い た 取 り 組 み を 進 め る 。

第 Ⅱ 部 理 念 の 実 現 化 に 向 け た 取 り 組 み の 方 向

理 念 の 実 現 に 向 け 、学 研 都 市 が 世 界 に 開 か れ た 文 化・学 術 研 究・産 業 の 中 心 を 目 指 し 、魅 力 的 な 活 動 拠 点 と し て の 機 能 を 最 大 限 に 発 揮 す る た め 、以 下 の 方 向 に 沿 っ て 取 り 組 み を 展 開 す る 。

第 1 章 学 研 都 市 発 の 新 た な 文 化 ･学 術 研 究 ･産 業 の 創 造 を 目 指 し て

１ ．「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 （ sustainability science）」 （ 副 題 「 地 球 -人 類 共 生 の た め の 科 学 」）（ 仮 称 ）1 4_{の 推 進} （ １ ） 学 研 都 市 の 統 合 的 ・ 戦 略 的 な 研 究 分 野 設 定 の 必 要 性 地 球 規 模 で の 環 境 問 題 の 深 刻 化 や 、 こ れ か ら の 食 糧 問 題 や エ ネ ル ギ ー 問 題 な ど が 予 想 さ れ る 中 、 世 界 全 体 の 持 続 的 な 発 展 を 確 保 す る こ と は 人 類 の 直 面 す る 最 大 の 課 題 と 言 っ て も 過 言 で は な く 、 そ の 実 現 に 向 け て 世 界 の 英 知 を 結 集 さ せ て い く こ と が 求 め ら れ て い る 。 学 研 都 市 は 、 当 初 よ り 「 創 造 的 か つ 国 際 的 、 学 際 的 、 業 際 的 な 文 化 学 術 研 究 の 新 た な 展 開 の 拠 点 づ く り を 目 指 す 」 こ と を 理 念 と し 、 そ の 推 進 に 努 め て き た と こ ろ で あ る 。 特 に 日 本 を 代 表 す る 豊 か な 歴 史 や 文 化 を 有 す る こ の 地 に お い て 、(財 )国 際 高 等 研 究 所 や (財 )地 球 環 境 産 業 技 術 研 究 機 構 等 を は じ め 、 我 が 国 を 代 表 す る 自 然 科 学 系 、 人 文 ・ 社 会 科 学 系 の 大 学 、 研 究 機 関 が 多 数 立 地 し 、 国 内 で も 類 を 見 な い 多 様 な 知 の 集 積 が な さ れ て い る と こ ろ で あ る 。 こ れ ら の 研 究 能 力 を 最 大 限 に 発 揮 し 、 学 研 都 市 全 体 と し て 総 合 力 を 高 め る と と も に 、 学 研 都 市 の 求 心 力 や 中 枢 性 を 高 め る た め に も 、 持 続 可 能 社 会 の 実 現 に 関 連 す る 研 究 分 野 に つ い て そ の 推 進 を 図 る こ と が 望 ま れ る 。 （ ２ ） 学 研 都 市 に お け る 「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 」（ 地 球 -人 類 共 生 の た め の 科 学 ） の 展 開 以 上 の よ う な 観 点 か ら 学 研 都 市 で は 、今 後 都 市 内 外 の 文 化 学 術 研 究 機 関 が 連 携 協 働 し て 、「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 」（ 地 球 － 人 類 共 生 の た め の 科 学 ）を 統 合 的・戦 略 的 な 共 通 の 研 究 テ ー マ と し て 積 極 的 に 取 り 組 み 、 新 た な 文 化 学 術 研 究 分 野 を 先 導 し て 切 り 拓 い て い く こ と と す る 。 学 研 都 市 で は 既 に 30 近 い 機 関1 5に お い て 、地 球 科 学 、自 然 環 境 、食 糧 、 農 業 、ラ イ フ サ イ エ ン ス1 6_{等 、持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 係 わ る 幅 広 い 学 術} 研 究 分 野 に 取 り 組 ん で い る と こ ろ で あ る 。 今 後 学 研 都 市 内 外 の 基 幹 的 な 大 学 や 研 究 機 関 を 中 心 に 、「 け い は ん な 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 （ 地 球 － 人 類 共 生 の た め の 科 学 ） 推 進 会 議 」 と も い う べ き 学 際 的 な 研 究 交 流 の 場 を 設 け 、人 文・社 会 科 学 系 の 分 野 も 含 め た 総 合 的 な 科 学 と し て の「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 」（ 地 球 － 人 類 共 生 の た め の 科 学 ） の 推 進 を 図 っ て い く 必 要 が あ る 。 特 に こ の よ う な 推 進 会 議 で は 、 研 究 者 間 の 交 流 連 携 や 共 同 体 制 の 構 築 、 京 都 や 大 阪 等 の 大 学 や 研 究 機 関 と の 連 携 等 に つ い て 検 討 す る と と も に 、 交 流 会 議 や 学 術 会 議 等 を 開 催 し 随 時 情 報 の 発 信 を 行 っ て い く こ と が 望 ま れ る 。 ま た 、 こ の 分 野 に 関 連 す る 学 術 研 究 機 関 の 誘

致 を 積 極 的 に 図 っ て い く こ と も 必 要 で あ る 。 ２ ． 国 際 研 究 開 発 拠 点 と し て 学 術 研 究 の 推 進 ま た 学 研 都 市 で は 、情 報 通 信 、環 境 、バ イ オ1 7_{、物 質 ・ 光 量 子}1 8_{、ロ ボ ッ ト} 等 の 分 野 に お い て 、 我 が 国 を 代 表 す る 高 度 な 学 術 研 究 機 関 が 集 積 し 、 日 本 の 未 来 ひ い て は 人 類 の 未 来 に 関 わ る 新 た な 学 術 研 究 や 新 産 業 の 創 出 な ど が 先 進 的 に 進 め ら れ て い る と こ ろ で あ る 。 今 後 学 研 都 市 が 得 意 と す る こ れ ら の 分 野 に お い て 学 術 研 究 を 一 層 進 め る と と も に 、 高 度 な 学 術 研 究 機 関 の 誘 致 を 図 る 。 ま た 近 畿 圏 の 各 研 究 機 関 や 産 業 集 積 地 及 び 世 界 各 国 の 学 術 研 究 都 市 と 緊 密 に 連 携 す る こ と に よ り 、 い わ ゆ る 近 畿 リ サ ー チ ・ コ ン プ レ ッ ク ス1 9_{に お け る 中 核 と し て 、 さ ら に は 国 際 研 究 開} 発 拠 点 と し て 、 我 が 国 の 学 術 研 究 の 進 展 や 経 済 の 活 性 化 に 大 き く 貢 献 し て い く こ と が 期 待 さ れ る 。 ３ ． 産 学 官 連 携 の 推 進 に よ る 新 産 業 の 創 出 世 界 や 我 が 国 に お け る 文 化 学 術 研 究 及 び 産 業 分 野 で は 、新 産 業 の 創 出 を 目 指 し て 基 礎 研 究 と 市 場 と の 距 離 が 縮 ま る 傾 向 に あ る と と も に 、科 学 と 技 術 が 先 端 領 域 で 重 な り あ い な が ら 進 化 し て い く 状 況 に な っ て き て い る 。 こ の よ う な 中 、学 研 都 市 で は 、今 後 産 学 官 連 携 の 推 進 体 制 の 強 化 、研 究 開 発 型 産 業 施 設 や 生 産 施 設 の 立 地 促 進 、 ベ ン チ ャ ー を は じ め と し た 企 業 の 支 援・育 成 な ど を 行 い 、新 産 業 の 創 出 や 地 域 経 済 の 発 展 に つ な げ て い く こ と が 重 要 で あ る 。 （ １ ） 産 学 官 連 携 の 一 層 の 推 進 2002年 か ら 始 ま っ た 産 学 官 連 携 に よ る 知 的 ク ラ ス タ ー 創 成 事 業 は 、 100を 超 え る 機 関 が 参 加 し て 特 許150件 、技 術 移 転 15件 、ベ ン チ ャ ー 企 業 設 立 8件2 0 な ど の 成 果 を あ げ て き た 。2005年 に は(財 )関 西 文 化 学 術 研 究 都 市 推 進 機 構 や (株 )け い は ん な （ 以 下 「 中 核 的 機 構 」 と い う 。 ） 等 に よ る 学 研 都 市 全 体 の 産 学 官 連 携 組 織 で あ る「 け い は ん な 新 産 業 創 出・交 流 セ ン タ ー 」（ 以 下「 交 流 セ ン タ ー 」 と い う 。 ） が 設 置 さ れ た 。 特 に 今 後 は 交 流 セ ン タ ー を 核 と し て 、学 研 都 市 内 外 の 関 係 機 関 や 大 学 の リ エ ゾ ン 組 織2 1と 連 携 を 図 る な ど 、よ り 強 化 し た 産 学 官 連 携 体 制 を 構 築 し て い く 必 要 が あ る 。 ま た 近 鉄 け い は ん な 線 や Ｊ Ｒ 大 阪 外 環 状 線2 2、第 二 京 阪 道 路 の 整 備 に よ っ て 、東 大 阪 や 大 阪 都 心 さ ら に は 大 阪 湾 岸 地 域 等 の 産 業 や 流 通 の 集 積 地 へ の 移 動 時 間 が 大 幅 に 改 善 さ れ る こ と に な る 。今 後 学 研 都 市 と こ れ ら の 産 業 集 積 地

や 大 阪 都 心 部 等 と の 共 同 開 発 や 人 材 の 交 流 等 に お け る 一 層 の 連 携 強 化 が 期 待 さ れ る 。 （ ２ ） 研 究 開 発 型 産 業 施 設 や 生 産 施 設 の 立 地 促 進 学 研 都 市 で は 、文 化 学 術 研 究 施 設 に 加 え 、今 後 は 新 産 業 創 出 に 向 け た 試 作 生 産 機 能 を 有 す る 研 究 開 発 型 産 業 施 設 や 研 究 成 果 を 活 か し た 生 産 施 設 等 に つ い て も 、 立 地 促 進 を 図 っ て い く こ と が 重 要 で あ る 。 特 に 全 国 的 に 企 業 誘 致 競 争 が 強 ま る 中 で 、引 き 続 き 税 制 の 優 遇 措 置 や 低 利 融 資 制 度 を 維 持 す る と と も に 、規 制 緩 和 も 含 め た 地 域 独 自 の 立 地 促 進 策 を 講 じ る な ど 、地 域 及 び 関 係 機 関 が 一 体 と な っ て 学 研 都 市 と し て の 優 位 性 を ア ピ ー ル し な が ら 一 層 強 力 に 誘 致 活 動 等 を 展 開 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 （ ３ ） ベ ン チ ャ ー を は じ め と し た 企 業 の 支 援 ・ 育 成 新 産 業 の 創 出 や 産 業 構 造 の 変 革 、研 究 成 果 を 社 会 還 元 す る た め の 原 動 力 と し て 、研 究 開 発 型 ベ ン チ ャ ー を は じ め と し た 企 業 の 活 動 が ま す ま す 重 要 に な っ て お り 、起 業 活 動 に 係 る 環 境 整 備 を 推 進 す る と と も に 、技 術 面 、人 材 面 な ど 包 括 的 な ベ ン チ ャ ー 支 援 策 の 強 化 が 一 層 必 要 に な っ て き て い る 。 学 研 都 市 で は 、先 進 的 な 研 究 情 報 や 快 適 な 研 究 環 境 な ど か ら 企 業 の 進 出 が 相 次 い で い る が 、新 技 術 へ の 事 業 化 意 欲 が 高 い ベ ン チ ャ ー を は じ め と し た 企 業 に 対 し て 、オ ー プ ン ラ ボ2 3や イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン 施 設 等 に よ り 研 究 開 発 支 援 や 起 業 支 援 を 行 っ て お り 、ま た ベ ン チ ャ ー の 立 地 促 進 を 目 的 と し た「 け い は ん な ベ ン チ ャ ー ビ レ ッ ジ2 4」の 建 設 も 進 め て い る と こ ろ で あ る 。今 後 は こ れ ら の 施 設 の 整 備 充 実 を 図 り 、企 業 活 動 の 活 性 化 に 伴 う 学 研 都 市 内 で の 新 産 業 の 創 出 を 目 指 す 。ま た 大 学 等 に よ る 人 材 育 成 カ リ キ ュ ラ ム や 研 究 情 報 の デ ー タ ベ ー ス 化 、 交 流 サ ロ ン 等 に よ る 交 流 促 進 を 図 る こ と が 望 ま れ る 。 ４ ． 文 化 拠 点 の 高 度 化 と 新 た な 文 化 学 術 研 究 の 推 進 （ １ ） 文 化 拠 点 の 高 度 化 に 向 け て 学 研 都 市 は 日 本 固 有 の 文 化 の 中 心 で あ る 京 都 や 奈 良 と い っ た 歴 史 地 域 に 囲 ま れ 、 豊 か な 歴 史 文 化 と 先 進 的 な 文 化 学 術 研 究 の 融 合 し た 都 市 で あ り 、 学 術 研 究 と と も に 文 化 機 能 の 充 実 が 必 要 で あ る 。 中 で も（ 財 ）国 際 高 等 研 究 所 、国 立 国 会 図 書 館 関 西 館 、私 の し ご と 館 な ど 、 我 が 国 を 代 表 す る 文 化 学 術 機 関 で は 、 芸 術 ・ 技 能 に 関 す る 研 究 や 歴 史 的 な 資 料 収 集 、 産 業 文 化 と し て の 職 業 情 報 の 提 供 な ど 様 々 な 活 動 が 行 わ れ 、 そ れ ぞ れ の 分 野 に お け る 拠 点 と し て の 役 割 を 果 た し て い る と こ ろ で あ る 。 特 に 国 立 国 会 図 書 館 関 西 館 で は 、 収 蔵 能 力 の 拡 大 に 向 け て 二 期 事 業 の

推 進 を 図 る と と も に 、 我 が 国 に お け る ア ジ ア 関 連 情 報 や デ ジ タ ル ア ー カ イ ブ2 5_{情 報 の 拠 点 を 目 指 し た 取 り 組 み な ど が 期 待 さ れ る と こ ろ で あ る 。} （ ２ ） 文 化 に 関 す る 研 究 の 推 進 ・ 国 際 貢 献 学 研 都 市 が 位 置 す る 地 域 は 我 が 国 の 歴 史 の 宝 庫 で あ り 、こ れ ま で よ り 、文 化 遺 産 に 関 す る 保 存 修 復 、研 究 活 動 が 積 極 的 に 展 開 さ れ て い る と こ ろ で あ る 。 特 に 奈 良 文 化 財 研 究 所 は 世 界 有 数 の 文 化 遺 産 保 護 技 術 を 有 し て お り 、引 き 続 き ア ジ ア を 中 心 に 文 化 遺 産 の 保 存 修 復 な ど に よ る 国 際 的 な 活 動 、国 際 貢 献 が 求 め ら れ る 。 ま た 平 城 宮 跡 に つ い て は 、朱 雀 門 に 引 き 続 き 第 一 次 大 極 殿 院 の 復 原 事 業 の 推 進 を 図 る 。な お 2010年 に は 平 城 遷 都 1300年 を 迎 え 様 々 な 記 念 事 業 が 検 討 さ れ て い る が 、そ の 一 環 と し て 最 新 の バ ー チ ャ ル 技 術 を 駆 使 し た 平 城 宮 の 再 現 な ど 、学 研 都 市 に お け る 先 進 的 な 科 学 技 術 と 歴 史 的 研 究 の 融 合 に よ る 事 業 展 開 が 期 待 さ れ る 。 （ ３ ） 自 然 科 学 と 人 文 ・ 社 会 科 学 の 融 合 に よ る 文 化 学 術 研 究 の 推 進 こ れ か ら の 文 化 学 術 研 究 に お い て は 、「 持 続 可 能 社 会 の た め の 科 学 」（ 地 球 － 人 類 共 生 の た め の 科 学 ） を は じ め と し て 自 然 科 学 と 人 文 ・ 社 会 科 学 の 融 合 に よ る 取 り 組 み が 強 く 必 要 と さ れ て い る 。 学 研 都 市 で は 自 然 科 学 系 の 大 学 や 研 究 機 関 の 立 地 に 加 え 、 学 研 都 市 内 外 に 多 く の 人 文 ・ 社 会 科 学 系 の 大 学 研 究 機 関 が 集 積 し て お り 、 各 機 関 の 交 流 連 携 に よ り 文 化 遺 産 の 保 存 活 用 、 多 言 語 に よ る 通 信 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 、 ロ ボ ッ ト 支 援 技 術 等 新 た な 文 化 学 術 研 究 の 取 り 組 み が 行 わ れ て い る と こ ろ で あ る 。 今 後 さ ら に 生 活 環 境 、 医 療 福 祉 、 コ ン テ ン ツ 等 、 よ り 拡 が り を も っ た 分 野 に お い て 取 り 組 み が 期 待 さ れ る 。

第 ２ 章 ア ジ ア を は じ め 世 界 に 開 か れ た 都 市 を 目 指 し て

学 研 都 市 で は 国 立 国 会 図 書 館 関 西 館 や 奈 良 文 化 財 研 究 所 に お い て 、ア ジ ア 地 域 を 中 心 と し た 国 際 貢 献 活 動 な ど が 行 わ れ て い る 。 今 後 我 が 国 に お け る 国 際 研 究 開 発 拠 点 と し て 、海 外 の 学 術 研 究 拠 点 と の 交 流 連 携 、 国 際 会 議 の 開 催 等 、 海 外 に 向 け た 戦 略 的 体 制 を 構 築 す る と と も に 、 外 国 人 研 究 者 に 向 け た 生 活 支 援 等 の 都 市 環 境 の 整 備 を 図 る こ と が 重 要 で あ る 。 （ １ ） 国 際 化 に 向 け た 学 研 都 市 の 活 動 展 開 社 会 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 に 相 応 し 、文 化 学 術 研 究 活 動 の 面 に お い て も 国 際 化 の 推 進 が ま す ま す 重 要 に な っ て き て い る 。 特 に 近 畿 圏 で は 古 来 よ り 文 化 か ら 産 業 に 至 る ま で ア ジ ア 諸 国 と 深 い 交 流 の 歴 史 を 有 し て い る 。 ま

た 一 方 、中 国 、イ ン ド 、韓 国 、Ａ Ｓ Ｅ Ａ Ｎ 諸 国 等 ア ジ ア の 急 速 な 発 展 は 、 経 済 面 に お い て 確 実 に 世 界 の 一 極 を 成 す も の と 予 想 さ れ 、 併 せ て 文 化 学 術 研 究 分 野 に お い て も 飛 躍 的 な 発 展 が 期 待 さ れ る と こ ろ で あ る 。 こ う し た 中 、 近 畿 圏 と り わ け 学 研 都 市 で は 、 国 立 国 会 図 書 館 関 西 館 や 奈 良 文 化 財 研 究 所 な ど ア ジ ア を 中 心 に 活 動 を 展 開 し て い る 高 度 な 学 術 研 究 施 設 が 集 中 し て お り 、 ま た 2005 年 に は 北 京 市 中 関 村 科 技 園 区2 6と の 間 で 企 業 支 援 や 共 同 事 業 の 推 進 等 の 交 流 協 定 が 締 結 さ れ た と こ ろ で あ る 。 今 後 学 研 都 市 は 、 ア ジ ア を は じ め 世 界 に 開 か れ た 都 市 を 目 指 し 、 国 際 交 流 や 国 際 貢 献 に つ い て 一 層 そ の 役 割 を 果 た し て い く 必 要 が あ る 。 そ こ で 国 際 化 に 向 け た 戦 略 体 制 の 構 築 を 図 る た め 、ア ジ ア を は じ め 世 界 各 国 の 学 術 研 究 拠 点 等 と 共 同 研 究 や 共 同 開 発 を 推 進 す る と と も に 、 海 外 企 業 の 誘 致 や 投 資 の 促 進 、 ア ジ ア 諸 国 と 連 携 し た 国 際 会 議 の 開 催 、 海 外 か ら の 研 修 生 の 受 け 入 れ 等 、 さ ら に 学 研 都 市 の 活 動 に 関 す る 情 報 を 積 極 的 に 海 外 へ 発 信 す る な ど 、 内 外 に 開 か れ た 国 際 研 究 開 発 拠 点 と し て 、 一 層 の 整 備 を 促 進 し て い く 必 要 が あ る 。 （ ２ ） 国 際 化 に 向 け た 都 市 環 境 の 整 備 外 国 人 研 究 者 の 受 け 入 れ の た め の 環 境 整 備 と し て 、 け い は ん な プ ラ ザ 等 に お け る 相 談 窓 口 や 国 際 交 流 サ ロ ン の 設 置 の 検 討 が 求 め ら れ る 。 ま た 外 国 人 研 究 者 と そ の 家 族 の 滞 在 施 設 と し て 、 大 学 の 宿 泊 施 設 や 都 市 再 生 機 構 の 賃 貸 住 宅 の 活 用 を 図 る と と も に 、 子 弟 ・ 家 族 の た め の 教 育 環 境 の 整 備 に つ い て 検 討 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 さ ら に 今 後 国 際 都 市 と し て の 生 活 環 境 の 形 成 に 向 け て 、 関 係 行 政 機 関 等 と 連 携 し 、 公 共 施 設 の 案 内 板 の 多 言 語 表 記 や 英 語 版 ホ ー ム ペ ー ジ 、 災 害 マ ッ プ の 作 成 等 を 推 進 す る 必 要 が あ る 。 な お 外 国 人 の ニ ー ズ に 対 す る き め 細 か な サ ー ビ ス を 充 実 す る に あ た っ て は 、 国 際 交 流 ボ ラ ン テ ィ ア や 様 々 な Ｎ Ｐ Ｏ 団 体 と の 協 力 が 不 可 欠 で あ る 。 学 研 都 市 内 で は 、 ボ ラ ン テ ィ ア や Ｎ Ｐ Ｏ 団 体 が 中 心 と な っ て 、 こ れ ま で も 多 彩 な 国 際 交 流 イ ベ ン ト や 日 本 語 教 室 等 の 活 動 が 行 わ れ て き た が 、 今 後 と も こ れ ら の 団 体 と よ り 緊 密 な 連 携 を 図 り 、 国 際 交 流 を 一 層 推 進 し て い く こ と が 期 待 さ れ る 。

第 ３ 章 未 来 を 拓 く 知 の 創 造 都 市 の 形 成

１ ． 目 指 す べ き 都 市 像 ― 「 知 の 創 造 都 市 」 学 研 都 市 が 立 地 す る 京 阪 奈 丘 陵 は 、生 駒 山 系 や 木 津 川 を は じ め 、里 山 や 田 園 等 の 豊 か で 多 様 な 自 然・緑 に 恵 ま れ た 地 域 で あ り 、ま た 世 界 遺 産 を 含 め 我

が 国 文 化 財 の 大 半 を 有 す る 歴 史 文 化 の 宝 庫 で も あ る 奈 良 や 京 都 に 隣 接 し 、さ ら に 、高 次 都 市 機 能 の 集 積 す る 大 都 市 大 阪 、京 都 に 近 接 す る と い う 、極 め て 恵 ま れ た 位 置 に あ る 。 学 研 都 市 の 整 備 に あ た っ て は 、文 化 学 術 研 究 機 能 の 拠 点 形 成 と 併 せ て 、こ の よ う に 恵 ま れ た 位 置 、環 境 、ポ テ ン シ ャ ル を 最 大 限 に 活 用 し 、学 研 都 市 と し て 我 が 国 を 代 表 し 世 界 の モ デ ル と な る 都 市 づ く り を 目 指 す べ き で あ る 。こ の た め に は 、計 画 的 に 整 備 さ れ る ク ラ ス タ ー と 周 辺 地 区 を 含 め た 学 研 都 市 全 体 が 調 和 の と れ た 街 づ く り を 進 め る こ と が 不 可 欠 で あ り 、地 域 全 体 が 目 指 す べ き 都 市 像 を 明 確 に 共 有 す る 必 要 が あ る 。 学 研 都 市 は こ れ ま で「 パ イ ロ ッ ト・モ デ ル 都 市 」と し て 、文 化 学 術 研 究 活 動 の 集 積 と 住 宅 建 設 を 一 体 化 し た 21世 紀 に ふ さ わ し い 都 市 建 設 に つ い て 取 り 組 ん で き た と こ ろ で あ る 。今 後 に お い て は 、居 住 者 や 立 地 機 関 が 確 実 に 増 え て い く 中 で 、よ り 都 市 住 民・都 市 生 活 に 焦 点 を あ て 、研 究 者 に よ る 知 の 生 産 や 市 民 に よ る 文 化 の 創 出 が 促 進 さ れ 、日 々 新 し い 価 値 が 創 造 さ れ 続 け る よ う な 都 市 で あ る と と も に 、街 づ く り に お い て も そ の 実 践 と し て「 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 」 を 目 指 し て い く こ と が 求 め ら れ る 。 具 体 的 に は 、施 設 立 地 や 住 宅・宅 地 の 供 給 、さ ら に 周 辺 既 存 市 街 地 の 修 復 整 備 に あ た っ て は 、 省 エ ネ ・ 省 資 源 ・ ゼ ロ エ ミ ッ シ ョ ン2 7_{等 に 配 慮 し た 環 境} 保 全 型 の 整 備 を 進 め る こ と と し 、モ デ ル と な る 地 区 で の 整 備 を 手 は じ め と し て 、独 自 の 景 観 形 成 施 策 の 展 開 も 含 め 、長 期 的 に は 周 辺 地 区 を 含 め 全 域 に お い て そ の 実 現 を 図 っ て い く こ と と す る 。ま た 、街 づ く り に お い て は そ の 基 盤 と な る 交 通 政 策 と の 調 和 が 不 可 欠 で あ る こ と か ら 、交 通 面 に お い て 公 共 交 通 重 視 の 施 策 を 総 合 的 に 推 進 し て い く 必 要 が あ る 。 一 方 、 こ れ ら の ハ ー ド 面 で の イ ン フ ラ 整 備 の み な ら ず 、 個 人 の 住 ま い 方 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 と い っ た ソ フ ト 面 に お い て も「 持 続 可 能 社 会 」に お け る 新 た な ラ イ フ ス タ イ ル を 創 造・発 信 し て い く こ と が 求 め ら れ る 。例 え ば 、周 辺 の 豊 か な 里 山 や 田 園 環 境 を 活 用 し な が ら 自 然 と 共 生 す る 人 々 の 住 ま い 方 の ア イ デ ア を 募 集 し 、 優 良 な 提 案 を 地 域 に 広 く 根 付 か せ る よ う な 市 民 活 動 や 、 公 共 交 通 重 視 に 対 す る 啓 発 活 動 の 推 進 、ま た 研 究 機 関 と 地 域 社 会 の 交 流 を 通 じ て 持 続 可 能 社 会 の あ り 方 を 地 域 が 議 論 し て い く な ど の 地 域 市 民 活 動 の 活 性 化 が 望 ま れ る 。こ の た め の 関 係 公 共 団 体 、機 関 の 支 援 体 制 の 構 築 も 必 要 と さ れ る 。 以 上 の よ う な 施 策 を 総 合 的 、一 体 的 に 進 め 、周 辺 地 区 を 含 め た 都 市 全 体 の 良 好 な イ ン フ ラ 、景 観 、機 能 、交 通 サ ー ビ ス の 実 現 、そ し て 学 研 都 市 の 文 化 学 術 研 究 成 果 、市 民 活 動 、市 民 意 識 な ど も あ わ せ た 総 体 と し て 、新 た な 学 研

都 市 独 自 の ラ イ フ ス タ イ ル 、す な わ ち 近 接 す る 大 都 市 の 高 次 都 市 機 能 サ ー ビ ス と 周 辺 地 区 の 歴 史 文 化 環 境 の 恵 み を 適 宜 享 受 し な が ら 、自 然 共 生 型 で あ り な が ら 先 端 的 学 術 成 果 に 触 発 を 受 け て 生 活 の 中 で 実 践 で き る よ う な 、先 進 的 で 自 律 的 な「 持 続 可 能 社 会 」で の 住 ま い 方 、生 き 方 を 創 造 し 、発 信 し て い く こ と が 望 ま れ る 。 こ の よ う な 街 づ く り と 住 ま い 方 を「 知 の 創 造 都 市 」と し て 学 研 都 市 の 目 指 す べ き 都 市 像 と す る 。 ２ ． 良 好 な 街 並 み ・ 都 市 的 サ ー ビ ス の 向 上 に 向 け て （ １ ） 良 好 な 住 ま い ・ 街 並 み の 形 成 学 研 都 市 は 今 後 の 都 市 づ く り の モ デ ル と な る 、環 境 共 生 や 省 エ ネ ル ギ ー 等 の 先 進 的 な 低 負 荷 型 街 づ く り の 実 現 を 目 指 す と と も に 、 高 齢 者 等 に 配 慮 し た 人 に 優 し い 都 市 空 間 の 形 成 を 進 め て い く 。 ま た 京 阪 奈 丘 陵 及 び そ の 周 辺 の 歴 史 、文 化 、自 然 環 境 と の 調 和 を 目 指 し 、 地 区 計 画 等 に よ る 街 並 み の 形 成 ・ 保 全 を 図 る と と も に 、 シ ン ボ ル 道 路 の 沿 道 や 主 要 駅 前 に お い て 、「 学 研 都 市 ら し い 」良 好 な 景 観 形 成 を 誘 導 す る た め の 仕 組 み を 検 討 し て い く 必 要 が あ る 。 （ ２ ） 生 活 の 利 便 性 ・ 都 市 的 サ ー ビ ス の 向 上 精 華 ・ 西 木 津 地 区 は 、 学 研 都 市 の 中 心 ク ラ ス タ ー と し て 、 市 民 交 流 や 都 市 内 外 に 向 け て の 情 報 発 信 等 、都 市 全 体 の 運 営 に 係 わ る 機 能 の 強 化 を 行 う 。 ま た 各 ク ラ ス タ ー に お い て も 増 加 す る 居 住 者 の 生 活 利 便 性 向 上 の た め 、 地 区 セ ン タ ー と し て 生 活 支 援 施 設 や 市 民 交 流 施 設 の 充 実 を 図 る 。 学 研 都 市 の エ ン ト ラ ン ス ゾ ー ン で あ る Ｊ Ｒ や 近 鉄 の 主 要 駅 を 中 心 に 、 良 好 な 景 観 形 成 を 誘 導 す る と と も に 、 商 業 施 設 等 の 生 活 サ ー ビ ス 機 能 を 充 実 さ せ る こ と に よ り 、 駅 を 中 心 と し た 賑 わ い の 形 成 を 図 る 。 ま た 道 路 整 備 等 に よ り こ れ ら の エ ン ト ラ ン ス ゾ ー ン と ク ラ ス タ ー と の 連 携 を 強 化 し 、 一 体 的 な 利 便 性 や 賑 わ い の 向 上 を 図 る 。 ３ ． 自 然 環 境 の 保 全 ・ 市 民 活 動 の 展 開 （ １ ） 自 然 環 境 の 保 全 ・ 緑 と の ふ れ あ い ク ラ ス タ ー 型 の 開 発 を 進 め る こ と で 、生 態 系 へ の 影 響 を 最 小 限 化 す る と と も に 、 学 研 都 市 内 に お け る 山 林 や 里 山 等 に つ い て 自 然 環 境 の 保 全 、 活 用 を 図 る 。ま た 市 民 農 園 等 の 活 用 や フ ィ ー ル ド ミ ュ ー ジ ア ム2 8_{の 展 開 等 に} よ り 、 市 民 と 緑 が ふ れ あ う 活 動 を 一 層 推 進 す る 。 （ ２ ） 学 研 都 市 の 資 源 を 活 か し た 知 的 交 流 の 推 進

学 研 都 市 に お け る 多 様 な 主 体 間 や 分 野 間 に お け る 知 的 交 流 を 推 進 す る た め 、 市 民 、 Ｎ Ｐ Ｏ 、 企 業 、 行 政 の 交 流 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 を 図 る 。 ま た 市 民 と 文 化 学 術 研 究 機 関 の 連 携 に よ る ラ ・ プ リ マ ベ ー ラ や オ ー タ ム フ ェ ス タ 2 9_{等 の 文 化 活 動 の 展 開 、 及 び 既 存 の ボ ラ ン テ ィ ア や Ｎ Ｐ Ｏ 団 体 と 連 携 し た} 学 研 都 市 の 歴 史 ・ 文 化 振 興 活 動 の 一 層 の 推 進 を 図 る と と も に 、 大 学 や 研 究 機 関 の ネ ッ ト ワ ー ク に よ る 市 民 大 学 等 の 開 設 、 科 学 イ ベ ン ト セ ミ ナ ー の 開 催 等 、 学 術 研 究 機 能 を 活 か し た 新 た な コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 に つ い て も 検 討 す る 。 ４ ． 学 研 都 市 に お け る 「 フ ィ ー ル ド の 多 様 な 展 開 」 （ １ ） 時 代 を ひ ら く 「 実 証 実 験 都 市 」 実 証 実 験3 0_{は 、 研 究 分 野 に お け る 成 果 の 検 証 や 産 業 分 野 に お け る 製 品 化} の 可 能 性 の 検 討 、 行 政 分 野 に お け る 政 策 評 価 等 、 い ず れ も 今 日 の 社 会 環 境 に お い て 大 変 重 要 な プ ロ セ ス と し て 位 置 づ け ら れ る 。 学 研 都 市 は 計 画 的 に 整 備 が 進 め ら れ て き た 都 市 で あ る た め 、 良 好 な 都 市 基 盤 、 研 究 所 等 に 隣 接 し た 住 宅 地 の 展 開 、 そ こ で 生 活 す る 市 民 の 先 端 技 術 に 対 す る 関 心 の 高 さ 、 さ ら に は 周 辺 に 既 成 市 街 地 や 農 村 環 境 が 広 が っ て い る こ と な ど 、 様 々 な 環 境 で 実 証 実 験 が 可 能 な 地 域 で あ る 。 こ れ ま で に も 、 環 境 に 優 し い 交 通 手 段 の 利 用 促 進 を 目 指 し た Ｉ Ｔ Ｓ3 1_や 生 活 支 援 ロ ボ ッ ト 等 の 実 証 実 験 を 行 な っ て き た と こ ろ で あ る 。 今 後 は こ れ ら に 加 え て 、 少 子 高 齢 社 会 に お け る 高 齢 者 や 子 育 て 世 代 を 支 援 す る 都 市 環 境 の 整 備 、 環 境 負 荷 の 小 さ な 都 市 の 構 築 、 安 全 ・ 安 心 な 環 境 づ く り な ど の 新 し い 試 み に 関 す る 実 証 実 験 を 展 開 し 、 都 市 づ く り の 面 で 現 代 の 都 市 が 直 面 す る 諸 課 題 の 解 決 に 貢 献 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。 こ れ ら の 展 開 に あ た っ て は 、 今 後 市 民 等 の 協 力 の も と 関 係 者 に よ る 推 進 の た め の 協 議 の 場 を 設 け 、 実 証 実 験 参 加 の モ ニ タ ー の 事 前 登 録 や 実 験 エ リ ア の 指 定 、 実 験 に 伴 う 各 種 規 制 に 対 す る 許 認 可 や 基 準 の 緩 和 等 を 円 滑 に 進 め る た め の 体 制 や 支 援 策 に つ い て 検 討 し 、実 証 実 験 の さ ら な る 展 開 を 図 る 。 （ ２ ） 「 体 験 し 学 ぶ 新 た な 観 光 」 の 推 進 学 研 都 市 で は 平 城 宮 跡 や 私 の し ご と 館 な ど 、25 を 超 す 体 験 型 学 習 施 設 や 視 察 可 能 な 大 学 ・ 研 究 ・ 産 業 施 設3 2_{が 集 積 し て お り 、 体 験 学 習 や 産 業 観 光} と し て 年 間 50 万 人3 3_{を 超 え る 来 街 者 が あ る 。さ ら に 近 鉄 け い は ん な 線 の 開} 業 に よ り 大 阪 方 面 と の ア ク セ ス も 格 段 に 向 上 し 、 来 街 者 の 大 幅 な 増 加 も 期 待 さ れ る 。 こ れ ら の 施 設 の 公 開 は 、 学 研 都 市 に あ る 知 的 資 源 の 社 会 貢 献 と し て 、 ま

た 研 究 活 動 の 情 報 発 信 や 学 研 都 市 の ブ ラ ン ド の 強 化 と し て 重 要 で あ る 。 ま た 来 街 者 の 増 加 に よ り 、 新 た な 人 的 交 流 が 生 ま れ 、 学 研 都 市 の 賑 わ い の 形 成 に 大 き く 資 す る こ と に な る 。 そ こ で 今 後 公 開 可 能 な 施 設 を 中 心 と し た 関 係 者 に よ る 検 討 す る 協 議 の 場 を 設 け 、「 体 験 し 学 ぶ 新 た な 観 光 」の 推 進 に 向 け て 、イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン や 広 報 機 能 の 強 化 、 目 的 別 観 光 コ ー ス の 設 定 、 サ イ ン 計 画 の 取 り 組 み 等 に つ い て 検 討 し て い く 。 特 に 学 研 都 市 は 京 都 や 奈 良 の 修 学 旅 行 の ル ー ト 上 に 位 置 す る こ と も あ り 、 子 ど も 達 に 文 化 学 術 研 究 活 動 や 成 果 を 分 か り や す く 紹 介 す る 試 み を 行 い 、 子 ど も 達 の 科 学 へ の 関 心 を 高 め て い く こ と が 必 要 で あ る 。

第 ４ 章 学 研 都 市 の 活 動 を 支 え る 都 市 基 盤 、 交 通 基 盤 の 整 備 促 進

学 研 都 市 に お け る 研 究 活 動 や 市 民 活 動 を 支 え る た め 、 関 連 す る 道 路 、 公 園 、 上 下 水 道 、 河 川 等 の 公 共 施 設 の 整 備 や 土 地 区 画 整 理 事 業 等 に よ る 面 的 な 基 盤 整 備 を 推 進 し 、 併 せ て 鉄 道 ・ バ ス 等 の 公 共 交 通 サ ー ビ ス の 充 実 ・ 強 化 を 図 る 。 １ ． 都 市 基 盤 整 備 の 推 進 や 未 利 用 地 の 有 効 活 用 （ １ ） 主 要 な ク ラ ス タ ー の 早 期 形 成 整 備 途 上 の ク ラ ス タ ー で あ る 南 田 辺 ・ 狛 田 地 区 や 木 津 地 区 、 高 山 地 区 等 に つ い て は 、 自 然 環 境 や 農 村 環 境 と 調 和 を 図 り な が ら 、 文 化 学 術 研 究 等 の 施 設 の 整 備 を 促 進 す る と と も に 、 安 全 ・ 安 心 で 良 好 な 環 境 を 確 保 し た 住 宅 地 と し て 整 備 を 進 め る 。 な お 事 業 化 し て い な い ク ラ ス タ ー に つ い て は 、 社 会 経 済 情 勢 や ニ ー ズ を 勘 案 し た 上 で 、 今 後 の あ り 方 や 事 業 手 法 を 検 討 し て い く こ と が 望 ま れ る 。 整 備 済 み の 地 区 に あ る 未 利 用 地 に つ い て は 、 早 急 に そ の 解 消 を 図 る た め 個 々 の ク ラ ス タ ー 毎 に 土 地 利 用 の 考 え 方 を 再 整 理 し 、 街 並 み や 景 観 の 保 全 に 配 慮 し つ つ 、大 学 や 研 究 機 関 ま た は 研 究 開 発 型 産 業 施 設 等 の 誘 致 を 行 う 。 ま た 研 究 成 果 の 活 用 を 目 指 す ベ ン チ ャ ー 等 の 立 地 に 向 け た 用 地 の 分 割 や 、 必 要 に 応 じ て 良 好 な 住 宅 ・ 宅 地 等 へ の 利 用 転 換 を 図 る こ と な ど に つ い て も 検 討 が 求 め ら れ る 。 （ ２ ） ク ラ ス タ ー 周 辺 地 区 や ク ラ ス タ ー に 関 連 す る 基 盤 整 備 等 と の 整 合 ク ラ ス タ ー の 周 辺 地 区 に お い て は 、 三 山 木 、 狛 田 駅 周 辺 、 木 津 駅 前 に つ い て 土 地 区 画 整 理 事 業 等 を 推 進 し 、 学 研 都 市 の エ ン ト ラ ン ス ゾ ー ン と し て 都 市 機 能 の 集 積 を 図 る 。 ま た 各 ク ラ ス タ ー と エ ン ト ラ ン ス ゾ ー ン と を 連 絡 す る 南 田 辺 三 山 木 駅 前 線 、 木 津 駅 前 東 線 等 の 道 路 の 整 備 を は じ め 、 公 園 、

上 下 水 道 、 河 川 等 の ク ラ ス タ ー に 関 連 す る 公 共 施 設 の 整 備 を 進 め る 。 ２ ． 道 路 ・ 鉄 道 等 の 交 通 基 盤 の 整 備 促 進 （ １ ） 道 路 の 早 期 整 備 学 研 都 市 の 諸 活 動 や 交 流 連 携 の 推 進 を 支 え る 上 で 、 道 路 ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 は 大 変 重 要 な 要 素 で あ る 。 特 に 学 研 都 市 か ら 国 土 軸 や 関 西 国 際 空 港 、 京 都 、 大 阪 、 奈 良 へ ア ク セ ス す る 広 域 幹 線 道 路 、 及 び 学 研 都 市 の ク ラ ス タ ー 間 や 主 要 な 施 設 間 を 相 互 に 連 絡 す る 学 研 都 市 内 の 連 絡 道 路 の 整 備 は 、 学 研 都 市 の ポ テ ン シ ャ ル を 飛 躍 的 に 高 め る と と も に 、 学 研 都 市 の 一 体 性 の 確 立 や 機 能 の 強 化 を 図 る 上 か ら も 不 可 欠 で あ る 。 そ こ で サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン に お い て は 、 学 研 都 市 か ら 概 ね 関 西 国 際 空 港 へ １ 時 間 、京 都・大 阪・奈 良 へ 30 分 で ア ク セ ス で き る こ と を 目 標 に 、 広 域 幹 線 道 路 に つ い て 、 第 二 京 阪 道 路 、 京 都 高 速 道 路 油 小 路 線 の 早 期 供 用 を 図 る と と も に 、 第 二 名 神 高 速 道 路 や 学 研 都 市 連 絡 道 路 （ 一 般 国 道 163 号 線 ） の 整 備 促 進 を 図 る 必 要 が あ る 。 ま た ク ラ ス タ ー 間 を 連 絡 す る 学 研 都 市 内 連 絡 道 路 に つ い て は 、 山 手 幹 線 、 高 山 東 西 線 等 の 未 開 通 区 間 の 供 用 を 図 り 、 ク ラ ス タ ー 間 の 連 結 を 実 現 す る 。 （ ２ ） 公 共 交 通 サ ー ビ ス の 充 実 強 化 、 利 便 性 の 向 上 鉄 道 や バ ス 等 の 公 共 交 通 は 、 通 勤 通 学 者 や 高 齢 者 に お け る 輸 送 手 段 と し て 、 ま た 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 の た め に も 大 変 重 要 で あ り 、 今 後 サ ー ビ ス の 充 実 強 化 に 向 け 各 種 施 策 を 講 じ て い く 必 要 が あ る 。 そ の う ち 鉄 道 に つ い て は 、 京 都 、 大 阪 、 奈 良 方 面 と の ア ク セ ス 強 化 を 図 る た め 、 Ｊ Ｒ 学 研 都 市 線 な ど 既 存 鉄 道 の 利 便 性 の 向 上 を 図 る 。 ま た 学 研 都 市 の 窓 口 と な る Ｊ Ｒ 及 び 近 鉄 の 主 要 駅 （ 祝 園 、 木 津 、 学 研 奈 良 登 美 ヶ 丘 、 学 研 北 生 駒 、 高 の 原 等 ） に つ い て は 、 駅 舎 の 改 良 、 駅 前 広 場 の 整 備 、 バ リ ア フ リ ー 化 の 推 進 等 、 結 節 点 整 備 を 進 め て い く 。 な お 近 鉄 け い は ん な 線 の 延 伸 に つ い て は 、 今 後 沿 線 の 開 発 状 況 に よ る 需 要 動 向 を 勘 案 し 検 討 し て い く 。 鉄 道 を 補 完 す る バ ス 交 通 に つ い て は 、 特 に 学 研 都 市 内 に お け る 各 ク ラ ス タ ー 間 や 主 要 駅 と の 間 の 路 線 網 の 充 実 を 図 る と と も に 、 市 町 で 運 行 さ れ て い る コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 路 線 網 の 再 編 や 、 企 業 バ ス の 有 効 利 用 方 策 に つ い て 検 討 し 、 公 共 交 通 と し て の 利 便 性 の 向 上 、 利 用 の 促 進 、 公 共 交 通 重 視 の 市 民 意 識 の 啓 発 な ど 、 幅 広 く 施 策 を 展 開 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 ま た 自 家 用 車 の 共 同 利 用 等 使 い 方 を 工 夫 し た り 、環 境 に や さ し く 手 軽 な 移 動 手 段 で あ る 自 転 車 利 用 の 普 及 を 図 る た め 、 レ ン タ サ イ ク ル や 自 転 車

の 共 同 利 用 等 の 仕 組 み に つ い て 検 討 し て い く こ と も 必 要 で あ る 。

第 ５ 章 本格 的 な 都 市 活 動 を 支 え る 「 都 市 運 営 」 の 新 た な 展 開

学 研 都 市 は 、建 設 初 期 の「 構 想 実 現 段 階 」（ フ ァ ー ス ト ・ ス テ ー ジ ）か ら 「 都 市 の 建 設 段 階 」 （ セ カ ン ド ・ ス テ ー ジ ） を 経 て 、 現 在 「 建 設 推 進 ・ 高 度 な 都 市 運 営 の 段 階 」 （ サ ー ド ・ ス テ ー ジ ） を 迎 え つ つ あ り 、 今 後 「 広 域 的 連 携 ・ 協 働 の 確 立 」 や 「 高 度 な 都 市 運 営 体 制 の 確 立 」 が 求 め ら れ て い る 。 （ １ ）「 広 域 的 連 携 ・ 協 働 の 確 立 」 に 向 け て ① 「 近 畿 圏 全 体 で 支 え る 体 制 」 づ く り か つ て は「 関 西 学 術 研 究 都 市 調 査 懇 談 会 」（ 奥 田 懇 ）の よ う に 、専 門 的 ・ 先 進 的 な 立 場 で 、 例 え ば 国 際 高 等 学 術 研 究 所 や 連 合 大 学 院 の 構 想 を 打 ち 上 げ た よ う に 、 学 研 都 市 推 進 の た め の 種 々 の 施 策 を 提 案 し 、 実 現 に 導 い た 推 進 力 の あ る 体 制 が あ っ た が 、現 在 で は そ れ に 替 わ る べ き 体 制 が な い 。 今 後 我 が 国 に お け る 文 化 学 術 研 究 の 拠 点 と し て 学 研 都 市 が 発 展 し て い く た め に は 、 近 畿 圏 の 各 分 野 に お け る 大 学 、 研 究 機 関 、 経 済 界 、 行 政 が 一 体 と な っ て 、 今 日 の 日 本 と 世 界 に お け る 重 要 課 題 を 広 く 討 議 し 、 新 た な 文 化 学 術 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト を 創 出 し 提 案 す る ま さ に 「 近 畿 圏 全 体 で 学 研 都 市 を 支 え る 新 た な 体 制 」 を 作 り 上 げ て い く 必 要 が あ る 。 ② 「 学 研 都 市 の 一 体 性 を 確 保 し た 新 た な 連 携 体 制 」 づ く り 都 市 と し て の 集 積 が あ る 程 度 進 む 中 で 、 学 研 都 市 が 今 後 さ ら に 一 体 性 を 持 っ て 総 合 力 を 発 揮 す る た め に は 、３ 府 県 ８ 市 町3 4_{の 枠 を 超 え た 連 携 が 必 要} で あ る 。 特 に 学 研 都 市 の 建 設 及 び 運 営 に 関 す る 総 合 的 な 計 画 の 推 進 や 、 必 要 な 施 設 の 整 備 促 進 、事 業 の 企 画 立 案 や 情 報 提 供・広 報 等 の 分 野 に お い て 、 学 研 都 市 全 体 を １ つ の 都 市 と も 言 う べ き 同 一 の 視 点 で と ら え 、「 学 研 都 市 」 と し て １ つ の ブ ラ ン ド 力 を 持 っ た も の に 高 め て い く こ と が 重 要 で あ る 。 今 後 国 、 府 県 、 （ 社 ） 関 西 経 済 連 合 会 、 中 核 的 機 構 等 が 一 体 と な っ て 「 新 た な 推 進 体 制 」 を 検 討 し て い く 必 要 が あ る 。 な お 道 路 、 鉄 道 等 の 交 通 基 盤 整 備 や 都 市 環 境 整 備 等 の 広 域 的 な 事 業 に つ い て は 、 特 に 計 画 づ く り や 整 備 プ ロ グ ラ ム に お い て 各 事 業 主 体 間 で の 調 整 が 重 要 に な っ て く る 。 現 在 は 個 別 の 事 業 ご と に 調 整 や 推 進 の た め の 組 織 が あ り 一 定 の 成 果 を 上 げ て は い る が 、今 後 学 研 都 市 全 体 を 鳥 瞰 す る 視 点 か ら 、 関 係 行 政 機 関 等 に よ り 事 業 調 整 が 行 え る 仕 組 み を 構 築 し て い く こ と が 必 要 で あ る 。 （ ２ ） 「 高 度 な 都 市 運 営 体 制 の 確 立 」 に 向 け て ① 産 学 官 連 携 の 推 進 に 向 け た 「 都 市 運 営 組 織 の 強 化 」

学 研 都 市 は 今 後 、 研 究 開 発 拠 点 と の 連 携 に よ る 広 域 ク ラ ス タ ー3 5_{の 形 成 、} 優 れ た 研 究 成 果 の 事 業 化 促 進 、 産 学 官 連 携 等 に よ る 産 業 育 成 、 国 際 交 流 の 推 進 等 、 そ の 機 能 を 強 化 し て い く 必 要 が あ る 。 現 在 学 研 都 市 に は 中 核 的 機 構 が 中 心 と な っ て 2005 年 よ り 運 営 が 開 始 さ れ た 産 学 官 連 携 の た め の 交 流 セ ン タ ー が あ る が 、 今 後 こ の 交 流 セ ン タ ー を 核 に 、 学 研 都 市 内 外 の 文 化 学 術 研 究 機 関 や 大 学 の リ エ ゾ ン 組 織 と の 交 流 連 携 を 深 め る と と も に 、 各 地 の 研 究 機 関 や 産 業 集 積 地 と の 産 学 官 連 携 を 進 め 、ま た 国 際 化 の 推 進 に あ た っ て の 運 営 機 能 の 強 化 な ど 、運 営 組 織 に つ い て 拡 充 強 化 を 図 っ て い く 必 要 が あ る 。な お こ の よ う な 高 度 な 運 営 に あ た っ て は 、 文 化 学 術 研 究 機 関 へ の 技 術 的 か つ 経 営 的 な 助 言 や 研 究 成 果 の 事 業 化 に 向 け た 知 識 及 び 経 験 の 豊 富 な コ ー デ ィ ネ ー タ ー3 6_の 配 置 が 特 に 重 要 で あ る 。 ② 「 新 た な 施 策 を 推 進 す る た め の 体 制 」 の 強 化 今 後 、 社 会 情 勢 の 変 化 に 伴 う 課 題 や 要 請 に 対 し て 、 学 研 都 市 全 体 と し て 時 機 を 逸 せ ず 素 早 く 対 応 で き る 体 制 を 確 保 し て い く 必 要 が あ る 。 そ こ で 今 後 設 置 す る 必 要 の あ る 「 サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン 事 業 推 進 会 議 」 （ 詳 細 は 「 今 後 に 向 け て 」 で 記 述 ） の 中 に 、 迅 速 に 対 応 を 必 要 と す る テ ー マ 毎 に 分 科 会 を 随 時 設 置 で き る よ う に し 、 推 進 に 向 け た 基 本 的 な 枠 組 み に つ い て 合 意 形 成 が 円 滑 に 図 ら れ る よ う に す る こ と が 重 要 で あ る 。 例 え ば 、 今 回 提 案 し て い る 「 実 証 実 験 の 展 開 」 や 「 体 験 し 学 ぶ 新 た な 観 光 」 に つ い て は 、 中 核 的 機 構 、 行 政 、（ 社 ） 関 西 経 済 連 合 会 を 機 軸 に そ れ ぞ れ 関 係 す る 立 地 機 関 や 市 民 、Ｎ Ｐ Ｏ が 参 画 し た「 実 証 実 験 推 進 分 科 会 」、 「 体 験 し 学 ぶ 新 た な 観 光 推 進 分 科 会 」 と い っ た も の を 設 置 し 、 施 策 の 推 進 に 向 け て の 企 画 立 案 や 運 営 体 制 等 に つ い て 検 討 し て い く 必 要 が あ る 。

今 後 に 向 け て

（ １ ） サ ー ド ・ ス テ ー ジ 期 間 で あ る 今 後 10 年 の 重 要 性 ア ジ ア 経 済 の 躍 進 に 見 ら れ る よ う な 経 済 の 急 速 な グ ロ ー バ ル 化 の も と 、 ま た 日 本 経 済 が 回 復 基 調 に あ る 中 、 サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン の 計 画 期 間 で あ る こ れ か ら の 10 年 間 は 学 研 都 市 に と っ て 非 常 に 重 要 な 期 間 と な る 。文 化 、 学 術 研 究 及 び 産 業 の あ ら ゆ る 面 で 革 新 と 協 調 が 必 須 と な る こ れ か ら の 時 代 、 学 研 都 市 が 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 積 極 的 に 貢 献 し 、 ま た 世 界 に 冠 た る 科 学 技 術 立 国 と し て の 日 本 の 地 位 確 立 を 目 指 し て い く た め に は 、 学 研 都 市 全 体 ひ い て は 近 畿 圏 全 体 が 一 丸 と な っ て サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン に 全 力 で 取 り 組 む こ と が 不 可 欠 で あ る 。

（ ２ ） サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン の 実 行 に 向 け て ① 産 学 官 あ げ て の 取 り 組 み の 強 化 学 研 都 市 は 、 近 畿 圏 は も と よ り 我 が 国 の 発 展 に 大 き く 寄 与 す る 国 家 プ ロ ジ ェ ク ト で あ り 、 今 後 と も 国 を は じ め 産 学 官 が そ れ ぞ れ の 役 割 を 果 た し な が ら 連 携 を 一 層 強 化 し 、 文 化 学 術 研 究 及 び 産 業 活 動 の 推 進 に 努 め て い く 必 要 が あ る 。 特 に サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン で は 、 高 度 な 都 市 運 営 の 確 立 が 重 要 で あ り 、 企 画 調 整 や 窓 口 ・ 情 報 発 信 機 能 等 で 中 核 的 機 構 の 担 う 役 割 は 非 常 に 大 き い 。 ま た 高 度 な 都 市 運 営 を 展 開 し 文 化 学 術 研 究 活 動 を 推 進 す る 上 で 、 大 学 ・ 研 究 所 の 、 優 秀 か つ 多 様 な 人 材 や 研 究 開 発 な ど 、 そ の 果 た す 役 割 は 大 変 重 要 で あ る 。 さ ら に 産 業 界 に つ い て も 、 研 究 機 関 等 の 立 地 促 進 や 新 産 業 の 創 出 ・ 育 成 の 面 か ら 学 研 都 市 を 支 え る う え で 大 き な 力 と な る 。 地 域 振 興 や 良 好 な 都 市 環 境 整 備 を 担 う 府 県 、 市 町 、 都 市 再 生 機 構 は 、 そ れ ぞ れ の 役 割 分 担 の 下 、 緊 密 な 連 携 を 図 り な が ら 戦 略 的 な 整 備 を 展 開 し 、 今 後 は 建 設 の み な ら ず 都 市 運 営 の 充 実 強 化 に つ い て も 積 極 的 に 取 り 組 ん で い く 必 要 が あ る 。 ま た 学 研 都 市 で 生 活 し て い る 多 く の 市 民 や 立 地 機 関 は 、 学 研 都 市 な ら で は の 街 づ く り の 推 進 の た め 、 積 極 性 、 主 体 性 を 持 っ て 都 市 運 営 へ の 参 画 を 図 っ て い く 必 要 が あ る 。 ② サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン の 推 進 サ ー ド・ス テ ー ジ・プ ラ ン の 実 効 性 を 確 保 す る た め 、「 サ ー ド・ス テ ー ジ ・ プ ラ ン 事 業 推 進 会 議（ 仮 称 ）」（ 以 下「 推 進 会 議 」と い う 。）と も 言 う べ き 組 織 を 新 た に 設 置 し 、 産 学 官 あ げ た 取 り 組 み を 持 続 的 に 推 進 し て い く 必 要 が あ る 。 特 に 推 進 会 議 で は 、 ア ク シ ョ ン プ ラ ン3 7_{の 策 定 等 具 体 的} な 取 り 組 み に つ い て 実 務 的 な 観 点 か ら 検 討 を 行 い 、 関 係 者 が 共 通 の 認 識 を 持 ち 、 目 標 の 達 成 に 向 け て 行 動 を 起 こ す こ と が 重 要 で あ る 。 ま た 推 進 会 議 で は 、 サ ー ド ・ ス テ ー ジ ・ プ ラ ン の 各 施 策 を フ ォ ロ ー ア ッ プ3 8_{す る} た め 、 ア ク シ ョ ン プ ラ ン に つ い て 絶 え ず 評 価 と 見 直 し を 実 施 す る こ と が 必 要 で あ る 。