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施工管理特性値としてのコンクリートの凝結時間に関する研究

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(1)

【論  文

1

UDC :691

32 :69

001

2 日本建 築 学 会 構 造 系 論 文報 告 集 第 362 号

昭 和 61 年 4月

特性

と し

ク リ

時 間

正 会 員 正 会 員

藤    泰

   嘉

* *  

1.

序  通常

コ ン ク リ

トに は セ メン トお よ び骨 材 粒 子 間 隙 を満た す の に 必要な最小量 以 上の水 を加え ている

型 わ くに打 設さ れ たコ ン ク リ

ト中の余 剰 水の

部は ブリ

ジング現象によ り排 出され

他の

部は骨 材や鉄 筋の下 面あ るいは, 凝結 過 程において形 成されるフ ロッ ク構 造 の 内部に留 まる

後 者はコ ン クリ

トが硬 化

乾 燥し た 後, 空隙 を 形成し, コ ン ク リ

ト構 造 物の力 学 性 能の低 下の

因と なる

e  コ ンクリ

ト打 設後,

定時間経過し た後コンク リ

トを再 振 動す れば, フロ ック構 造の破 壊お よび粒子の再 配列が行われ そ れ らの余剰 水

は取り除か れ る。  また, 打 設 後の経 過 時 間 が 数 時 間 以 内の打継ぎ に おい て は

振 動 機に よ る締め 固 め に よっ て

ル ドジ ョ イ ン トの発 生を低 減す ること がで き る。 これ は

主と して 振 動 を加え ること に よ り, 先打ちコ ンク リ

ト表層 部に 生 じ た ブリ

ジン グ水の拡 散や

レイタン ス層の攪 乱が 行わ れ こ の こ と によ り上下層の

体化が行わ れ るこ と による

 凝 結 過 程におけるコ ン クリ

ト工 事で は 振 動 機に よ る締め固めを行い そ れ に よ り硬 化コ ン クリ

トの品質 改 善 を期 待 する場 合 が 多いが, これ らに対す る施 工管理 特 性 値とし て は

貫 入 抵 抗 試 験による貫 入 抵 抗 値が用い られて い る

こ れ らに関する研 究の例 をあげれ ば   1) 最 適 振 動 締め固め時 期 とし て

竹 本らvは, 貫入     抵 抗 値80

120psi (5

6

8

4kgf/cm2 ) を 与え て     い る。

 2

C.

A

 Vollick2)

最 適 振 動 締め固め時 期と して    注 水後の経過時間

1− 2

時間を与えて い る が

こ の     間では ま だ貫入 抵抗 値は測 定さ れ る状 況に至っ て い    ない  

3

) 烏田3) は

振 動機を用い る場 合の打 継 許 容 限 度を

  貫 入抵 抗 値で

0,

1kgf/cm2

1kgf/cm2 の囲 を与え     て い るQ 本 研 究の

部 を日本 建 築 学 会研 究 報 告

九 州 支 部

昭 和60年 3月に発表し た

 ’ 九 州 大 学   助 教 授

九 州 大 学   助 手

    〔昭 和 60 年 7 月 8 日原稿 受理 )  ま た

笠 井町よコ ンクリ

トの ひずみ性 状の経 時 変 化 特 性や鳥田3〕の研 究 等か ら凝 結の 始 発 判 定と し て 1

kgf

cm 遊提 案し ている

同じく始 発 判 定 として町 田ら5 〕 はコ ン ク リ

トの再 振 動 特 性などか ら10

45psi (0

7

3

2kgfcmZ し て い る

  以 上

コ ンクリ

トの再 振 動 特 性に関 連 する管 理 特 性 値は

各 研 究 者 間に よっ て異なっ た値が提 案 されて いる。 これは

振 動の効 果と貫入抵 抗 値との間に必 ずしも明確 な対 応 関 係が存 在 して い ない こ とに起 因 するもの と考え ら れ

貫入抵抗試験に よ る凝結 時間の定義の難か し さ と 同時に

,一

律に貫入抵抗値の

定値を施工管 理 特 性 値と して利 用す る際に

危 険 側の結 果を与え る場 合があるこ と を示して いる。  振 動の効 果は, 加 振 時にお け るコ ンク リ

トの 流 動化 性 能と接なわ り を有する す な わ ち

コ ン ク リ

ト が振 動 を受け る場 合, 振 動エ ネル ギ

の大き さ に応じ て セ メ ン トや 骨 材 粒 子 等の分 散 速 度 と 凝 集 速 度 とが平 衡 状 態に ある が そ の態に おい て 子 間結 合力や内部摩 擦が小さい ほど流 動 化が容 易に行わ れ, ま た, 流動化の およぶ範 囲 も大き く

振 動 を止めて か ら後の 回復 時 間 も 長い

 以 上の ことか ら推 察し て, 凝 結 過 程に お け る施 工要因 に対 する管 理 特 性 値とし て の凝 結 時 間は コ ン クリ

ト の粒 子 間結 合 力や内部 摩 察 を反 映し た試験 法によっ て決 定 され る必 要がある

 粒 子 間結 合 力 や 内部 摩 察は

マク ロに見た場 合

そ れ ぞ れ 材 料の せ ん断ある い は へ き開強度お よび粘度に よっ て知ること ができる。 筆 者らは

それ らの代 用 特 性 値と し て動 的ずり弾性率お よ び動

ずり粘 性 率に着 目 し

既報6 )におい て

そ れ らの基 本 性 状を調べ た

対 象 は水セメ ン ト比27% の セ メ ン トペ

ス トで 練り混ぜ 後

7

時間までの動的粘 弾性諸係 数を継 続 的に測 定し

そ の経 時 変 化 特 性お よ び 周波 数 依 存性につ い て討 し た

得ら れ た動 的ずり粘 弾 性 率の経 時 変 化を両 対 数グラ フ上 に表 示し た場 合

いず れも練り混ぜ後の

定 時 間 を境 界 と して

動 的 ずり粘 弾 性 率が緩やか な増 加を示す前 半 部 分 お よ び 急 激 な 増 加 を 示 す後 半部 分の 2つ の ス テ

ジに 明確に区分 で き ることを確認 し た

(2)

  本 論 文におい て は

数 種 類の調 合に よ る セメ ン トペ

ス トお よ びモ ルタル に関する実 験 を行い 動 的 ずり粘弾 性 率並 びに

上記 境 界 時 間におよぼ す 水セメ ン ト比, 骨 材混入 量等の影 響につ い て検 討し

こ の境 界 時 間の物 理 的意味

並びに再 振 動に対す る施工 管 理特性 値 と して の 適用 性につ い て考 察 を行っ た

さ らに

JISA

 6204

コ ンク リ

トの凝 結 時 間 試 験 方 法

(以後

貫入抵抗 試 験 と呼ぶ )につい て検 討し

その問 題点を 示 し た

 

2.

実 験の

般事項  2

1 試 験 方 法  動 的 ずり粘 弾 性 率の測 定 方 法お よ び装 置は既 報6 }に示 し たとお りである ので, 詳細につ いてはこ こで は省 略 す る。   手 順の概 略は次の よ う で あ る

 混 練りを行っ た後 直ちに発受振子 間に試 料を セ ッ ト し

その後30分ごとに横 波パル スを 試料 中に透過 さ せ る

同 時にオ シロス コ

プ上で伝 播 速度 お よ び 減衰 率の 測 定を行い それら の値によ り動的ずり粘性率お よ び動

      40       丿 U 1  

 

       

 

        1        

 

       

 

  1  

竃 \ 唱 童

b

辭 挈 獄 q 貼 図

1 201O

5

   

1

   

2

 

345

 

経 過時間 t h。urs 動 的 ずり弾 性 率の周波数依存性 (セ メン トペ

ス ト:w/c

27%)

        O ●   ● ●   ●     ■       ●       ●   ●     ●

 

 

 

、 10

 

、 10

 

10

露 爿 。

e

ト 隠

9 も 租 贏 ,      

O.

5

   

1

   

2

 

3

 

45

      経 過 時間 thours

2 動 的ず り粘 性 率の周 波数依 存 性       〔セ メ ン トペ

wfc

27

12

的 ずり弾性 率を算 定す る

  本研究に おい て は

横 波 発 生 周 波 数 を100kHz と し て行っ た。 これ は

試 料の場 合

動 的 ずり粘 弾 性率 の経 時 変 化 曲線にお け る特異 点が周 波 数に よ らず, ほぼ 同

時刻にれ るこ と

(図

1

2)

また, 周 波 数

100

kHz

以 上で は

動的ずり弾 性 率が横 波 伝 播 速 度の みの 関 数で ある略算式に よっ て計算 し て も精 解とほ ぼ

致 しfi), こ の場 合

減 衰 率の 測 定 を行 う必 要 がない た め測 定 装 置の箇略化が行え ること等の理 由による

 

2,

2

実 験条件

 

練り ま ぜ は ミキサ

に よる機 械 練りとし, モルタルの 場 合は,

2

分間 空練り, 注 水 後 3分 間の練り混ぜを行っ た

試 料の練り上り温度は20±2℃ とし た

試 験はす べ て温度 20土

1

°

C ,

相 対 温 度 65土5%躙 注 室 内で行っ た

 3.

動 的ずり弾 性 率の単 位 水 量 依存性  通常の コ ン ク リ

トの場 合, 練り混ぜ後し ばら くの間 は

セメ ン ト粒 子は水に よっ て取り 囲 ま れ

ま た

骨 材 は セ メン トペ

ス トによっ て取り囲 ま れ た状態にあると 考えられる4L7 )

こ のよ うな子 分剛性 発 現の メ カニ ズム は溶 媒 和に よ る考え方で説 明さ れ よう。 すな わ ち

セメ ン トおよ び 骨 材 粒 子が周囲の水をフ ァ ン デ ル ワ

ル スカにより緩やか に固 定する こ と によ り, 大き な 径を持つ 準 固 体 粒 子とし て の性 状 を示し, こ れら が さ ら に粒子 間引力に よ り結 合し

連 続 体と して の剛 性 を 持つ よ う に な る

 こ こ で

同 質の等 径 球 形粒 子 が 溶 媒中に均

に分散し た溶液を考え る と

剛 性 率 すなわ ち本 論 文にお け る動 的 ずり弾 性 率は粒 子 間 引 力に依 存し, 粒子 間 引 力は ま た粒 子 間 距離に依 存 する。 粒 子 間 引 力は粒子間 距離

ioeoA

以 下では粒 子 間 距 離の 2乗に 2000A 以 上で は粒子 間 距 離の 3に それぞ れ逆 比 例する こ と が示され てい るB〕 。 ま た

粒 子 間距 離は固 体 粒 子の占め る単 位 容積す な わ ち 逆の見方をす れば単位水 量に依 存 する値で ある

し た がっ て, 動 的 ずり弾性 率が単 位 水 量に深い関 わ り を 有 す る こと が う か が え る

 次 章 以 下で得ら れ た実験結果を整 理 して

一3

お よ び図

4に示 す

こ れ ら は

注水後の経 過 時 間が それ ぞ れ 1時間お よび 4時 間の結 果 を 示 し た もの だがこ れ は

後で述べ るよ うに

セメ ン トの水 和反応の潜 伏 期と加 速 期に お け る性 状を代 表 するもの として選ん だ

 注 水 後 1時 間で は

動的 ずり弾 性 率は単位 水量の みに 依 存し, 水セメン ト比 お よ び骨 材 混 入の有 無によ る差は 顕 著でない

す な わ ち, 単位 水量 が少ない試 料ほど動 的 ずり弾 性 率 は 大 き く

実 用 的な調 合の範囲におい て

両  (

脚 注} 貫 入 抵 抗 試 験 は

JISA A 6204で は湿 度80% 以 上の 試験 室 内で行う よ うに規 定さ れて い る が

本 試 験 法との比 較 検 討を容易にる た め に 上記 雰 囲気 下で試 験を行っ た

(3)

600 500

4co

遒 3009 翻 200 1   ○ 口

  囗 脚 ’

      t

lhr    十 セ メン

. ‘ 量 標 準モ ル タ ル Oa

川 砂モ ル タ ル 6 十

ム 十

4 \ . 0    300     400     500     600    700        単 位 水 量 〔 kg / MI  

3 動的ずり弾性率の単位水量依存性

\ 哨 章

O 陦 塑 獄 9   300    400    500    600       単 位 水量 〔kg/ 

4 動 的 ずり弾 性 率の単位量依 存 性 者にほ ぼ直線 関 係が認 め られる

700

 

柴田 ら9) は

不 攪 乱 粘 性 土に対し て 動 的 ずり弾 性率 が 間隙 率の

次 関 数で与え ら れ る ことを実 験的にして い る

土の

間 隙 率は水 隙 率 と 空 隙 率の和で与え ら れ る が

これ は

コ ンク リ

ト等で は単 位 水 量 と 空 気 量 の和に相 当 す る

こ こで

空気量 を

定とすると本実験 の結 果と柴田ら の結果は同 質のもので あ る とい うこと が で き よう。  

注水 後4時 間の場 合

明 らか に水 セメ ン ト比の 影 響が 見 ら れ

単 位 水量であっ て も水セ メ ン ト比が 小さい試料ほど 動的ずり弾性 率は大きい。 これは

水 和 反 応の影 響に よる もの であり, こ の場合

動 的ずり弾性 率は単 位 水量 と 水 セメ ン ト比の関数とな る

 

4.

凝結の始発 時 間につ いて

 

セ メン トの水和反応過 程において

誘 導 期か ら加 速期 に移行す るメカニ ズム につ い て 定性 的に は

誘導 期に おい て

CSH

ゲル のが次 第に形 成さ れ, そ れ が加 速 期 に入 り結晶化す ることで説 明さ れてい る

 セメ ン トの 水 和速度に及ぼす水セ メン ト比のにつ い て は

水 和 率が水セメ ン ト比に依存し ないと す るもの お よび水和率が水セメ ン ト比が増 大す るにっ て低下す る と す る 異 な る結 果が出さ れ て い る]O〕

こ こ では

凝結 の始 発時 間にぼ す水セメ ン ト比の影 響につ いて実験検 討 を行っ た

 

試 料は セ メ ン トペ

ス トお よ びモ ル タ ル と し た。 セメ ン トペ

ス トは

セメ ン ト比 を27

35,

40

45

55

%の 5種 類

モ ル タ ル は

水セメ ン ト比 を45,

55,65

%の 3種類 と し

細 骨 材を容 積 比で

定 量 (40%)加 え た

セ メ ン トは普通ボル トラ ン ドセ メ ン ト, 細骨材は 豊 浦 標 準 砂 を使 用 し た

 

動 的 ずり弾 性率お よ び動 的ずり粘 性 率の経時変化曲線 を図

5

8にす。  両対 数グ ラフ上に表 示し た場 合

動 的 ずり粘 弾 性 率の 経 時 変 化は いずれ も 測定 時 間 内に おい て特 異 点 を持つ 折 線で表すこと がで きる

 セ メン トの水 和 反 応が見 掛 上ほ と ん ど 進行し ない と さ れ る潜 伏期におい て も

粒子間 引 力によ り セメ ン ト粒 子 が凝 集 し

次 第に内部構造渉形 成さ れて い くが, 加 速 期 に入ると 水 和 生 成物が多量 に析 出し

これに より内 部 構 造の強 化が行われる

動 的 ずり粘 弾性 率の経 時 変 化 特 性 を

以 上の よ う な セメン トの水 和 反 応 過 程に対する定性 的 な説 明にあて は め る と

動的 ずり粘 弾 性 率 が緩や か な                 ー

0

\ 伯 脳 図

O 蘭 坦 獣 9

■ WC α。)  

27o35

♂ A40 ム 45 o ● 655 ノ o ’

ム7 ● Ao

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ノ ’ !●

凸ノ

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0.

5

   

1234567

経過 時 間t (hOur 〕 図

5 G

t

w/c関係 (セメ ン トペ

ス ト)

一 13 一

(4)

§

哨 脳 ぎ

O 104

1 華 獄 9 弘 呂 贏 W/C(%} ●

45

色 55 ● ■ ■

65

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▲ ● 圏 / ! ■ !

〆 / / (  

3

別 離 週 翼 9 も 留 欟        

  210    

0

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   1   

2

 

3

 

4567

      経 過 時間thour ♪ 図

一6

 

G

t

w/c関 係 (モ ル タル)  図

7   w ’c(°ん) ・ 27 。 35 ’ ・

40

・45

ロ 55 ● o

6

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500

囗 ’ 100 50

 

 

 

 

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O.

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1

   

2

  

3

 

45678

     経過 時 間t hours η  t

w/c関係 (セ メ ン トペ

ス ト〉

・ の

ε

3

ト 樹 撃 巽 9

04

● ● W’

C

(%)

●45

55

65

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1

03

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1

弟 ノ

1

邑    

O.

5

  1   2 

34567

     経 過時 間 tth 。ur

8 v

t

w/c 関係 (モ ルタル) 増 加 を示す前 半 部分が潜 伏 期に 急 激な増 加 を示す後 半 部 分が加 速 期に そ れ ぞれ対 応し てい るこ と が推 察さ れ る

な お, この境 界 時 間 を動 的 ずり弾 性 率によっ て 求め る場 合, 水セ メ ン ト比が 27

65% の試 料で, 約 1時間

30

分か ら3時 間の範 囲に現れ るが, これは, 既 往の研 究11}

12}

13 }

14}

よ る

CsS

の水 和 発 熱 速 度 が再 び大き く なる時 期と 比較 的 良く

致し

その妥 当性が うか が え る

  潜 伏 期に おい て は固 体 粒子の多く は水 膜 を介 して接し て お り

その粒子間 結 合 力は比 較 的 小さい

し たがっ て 振 動 を与え る こ と に よっ て容 易に流 動 性を 回復する こ と がで きる

。一

方, 加 速 期に移 行すると, 比 表 面 積の大き いす なわ ち

表 面 自由エ ネルギ

が大 きい水 和 物 が 生 成 され11 )

次 第に粒子間に架 橋が行わ れ るよ うに な るが

その ことによ り流 動 性 を回 復する ことは次 第に困 難 とな る

こ の こと は, 文 献

15

),

16

),

17

) 等の結 果か ら も うかがうこと がで きる

し た がっ て

加 速 期 以 降に おい て打継ぎを行う場 合, 振 動を与え ても先 打ちコ ン ク リ

ト表 層の脆 弱 部 を改 善する ことが困 難 とな り

,一

体 化が 損なわ れ るよ うに な る

また

振 動 締め固めを効 率 よく 行う た めには

再振 動によ る 流 動化が容易に行え

し か も

ブリ

ジングが

定 程度以上進行して い るこ と が 必 要であるが

上 述し た よ うに

潜 伏 期に お い て は流 動 性 の回 復が容 易で ある こと

並びに

ブ リ

ジング終 了 時 期が

般に 2

4時間で あ ること な ど から

潜 伏 期の終 了時 期あ た り が再 振 動を行う時 期と し て適 してい る とい え る。  以上の よ う な 理由に より

こ こ では潜 伏 期か ら加 速 期 に移 行す る境 界 時 間す な わ ち

動 的ずり粘 弾 性 率が急 激 な増 加を始め る時 間を

凝 結 開 始 時 間

と呼び

,一

般に 使 用さ れて い る

始 発 時 間

と区 別する。  セ メン トペ

ス トの凝 結 開 始 時 間を動 的ずり粘 性 率よ り求め る場 合

動 的ず り弾 性 率より求め る場 合より 30 分から60分 程 度 遅く な る が

両 者の遅 速の関 係か ら見 れ ば

動 的 ずり弾 性 率の方が潜 伏 期か ら加 速 期へ 移 行 す る ことに起 因す る系の変化に

よ り敏 感であるとい う こ とができ よ う。 こ こで は

動 的 ずり弾 性 率 より得ら れ る 時 間を凝 結 開 始 時 間と定義す る。 な お

動 的 ずり弾 性 率 に よ る場 合は

計 測 技 術の面で以 下の よ うな点が ある

   動 的 ずり弾 性 率は動 的 ずり粘 性 率に 比べ 測 定 値   ばらつ き がいゆ脚庄 。    動的ずり弾性率のみの測定であ れば

2 章に述べ た    ように試 験 装 置の簡 略 化が行え る。  な お

モ ル タル試料に関しては

次章に示す よ う に(図

6 , 図

8 , 動 的 ずり弾 性 率お よび動 的 ずり粘性率か ら得ら れ る凝 結開始 時間は ほ ぼ

致し, こ の場合, いず れに よっ て も特に問 題ない と考える

こ の点は 通 常の コ ク リ

トの モ ルタル成 分に関する実 験18忙お い ても 同 様に認 め ら れ た

 {棚 斟  動 的ずり粘性率e

は次 式に示す よ うに吸収 係 数 a に 大き く依 存す る物理 量 で あ る。      

  

11

  2(4π2∫2)     η

ρv      

α       〔4π

7i

+α2が>        p :試 料の密 度        v :横 波 伝 播 速 度      

f

;周 波 数  吸収 係 数 a は試 料と振 動 子との接 触 状 態や 試料の不均

さ (特に骨材 混入 に よ る影 響 が 大きい )の影 響 を敏 感に受 け

こ れ ら が 動 的ずり粘 性 率のばらつ きの原 因 と な る

一 14 一

(5)

 凝 結 開始 時間は水セ メン ト比に依 存し

水セ メン ト比 の小さい試 料ほど早い

た だ し

水セ メ ン ト比が異な る 場 合の動的ずり粘弾性 率の 経 時 変 化 曲 線はそ れ ぞ れ時間 軸 を平行移 動さ せ た よ う な曲 線と な り, 類 似し た増加傾 向 を示す

こ の ことに より

水 和 反 応が再 び 活発 と な り 始める時期セメン ト比が小 さい もの の方が早いが, その後の加 速度は水セメ ン ト比に あ まり依 存し ない こ とが う かがえる

 

5.

凝結開始 時間に お よぼ す 骨 材 量の影 響  骨 材は化 学 的に活性な材 料であ る ため

セ メン トの 水 和 反 応に は影 響 を及 ぽ すこ とは無い

し か し, 貫 入抵 抗 試 験よ り得られ る コ ン ク リ

トの凝 結 時 間は骨 材 混入 量の影 響 を受け, 混入量が多いほ ど凝 結 時 間が早 くな る こと が報 告され ている19〕

2鵬

 

こ こ で は 混 入 量 が動 的ずり弾 性 率お よび 凝結開 始 時 間に及ぼ す影 響につ い て検討し た。  試 料は 水セメ ン ト比が45

55お よ び 65%の 3種 類の モ ル タル で, そ れ ぞ れ につ い て細 骨 材 を容積比で, 30

40お よ び50 % 加え る ことによ り作製 し た。

 

セ メン トは普通ボル トラン ドセ メン ト

細骨材は豊 浦 標準 砂を使 用し た。

 

動的ずり弾 性 率の経 時 変 化 を図

一9

か ら図

一11

に示 す

これ ら の図に見ら れ る ように

動 的 ずり弾性率は骨 材混 入 量 が多い ほ ど大きい

すな わち, 各時刻にお け る モ ル タル の 剛 性骨 材 混 入 量が多い試料ほど大き く な る

 た だ し

凝 結 開始 時 聞は水セ メ ン ト比が同

場 合

骨材混入 量に よ らず

定と な る。 すな わ ち, 凝結開 始 時

は試料の水セ メン ト比のみによっ て定 まり

骨材混入 量の影 響 を 受 け ない

こ の に関し て は 川 砂を使 用し た モ ル タル お よ びコ ンク リ

トに関 する実 験において も 同様の結 果が得ら れ ているIS)

104          

 

梨 弋 舶 脳 名 ご ● 斟

紮 9 鮎

盈 102  

0.

5

   

1

   

2

  

3

 4 

567

    経 過目寺

間 t hour )     図

9 G

t

V

関 係 Wに:45 ¶. 粕 (%) ●

50

畠 ■ 4030

▲ 閣 8 /

羮 慰 き

こラ 麺 103D  

6.

貫 入抵抗試験 と凝結開始 時間の関係  コ ン ク リ

トの凝 結 試 験 方 法と して

JIS

化され た唯

方 法抵抗試験が あ る 。 貫 入 抵 抗は, 貫 入 棒の 先端抵抗と周 面 摩 擦の作 用によるが, 貫入抵 抗 値が測 定 さ れ る よ う な領 域におい て は抵 抗 値は貫入棒の先端 積に ほ ぼ比 例し

前 者の影 響が大 きい

貫入抵 抗 値は, 初めて測 定 値とし て感 知さ れ る ご く初 期の頃か ら 硬化開 始時 期 あ たりまで

経過時 間と

定の関 係 を保っ て増加 す ること か ら

同 試 験によ る始 発お よ び終 結は材 料の物 性変化の異点で はな く

適 宜 定め られ た もの であ り

その材料 特 性 値と しての 意 味は明確で な い

こ の ことは 多くの研 究 者に よっ て指摘さ れてい る。  こ こ で は

施 工 管 理 特 性 値と して貫入抵 抗 値を 用い る 場 合の

凝 結 開 始 時 間との対 応 性につ い て検 討す る

 実 験は,

5

章で示し た豊浦標準砂に よ る モル タル試 料 お よ び, 川 砂 (最 大 粒 径5mm

 

f・

m2

55 )による モ ル タル試 料につ いて行っ た

後者の 調 合を表

1に示す。 これ は, 粗骨材を加え標準 的な調 合のコンクリ

トと し 表

1 モ ルタル の調 合 表

W

C

(° ’。)

VS

燕 (° ん》  

W

k9

  (

kg

C

’  )   

S

k

’m5 )

flOW

(mm )

45

O3237181103233

4547

53086851164225

50

02946521225207

52

52796201286192

50

03175771225243

5552

530254812a6227

55

02865191348213

57

52704911409203

52

53194911286258

6555

57

O3034661348239

52864401409211

60

O2694141470197

※骨 材 容 積 比

04WC

55

 

C

ん} 悔 (%) ●

50

ム 40

30 ■

03

020

5

    1234567   経過時間t ur ) 図

10 G

t

Vs関 係 io4                     310

憑 \ 嵐 己 せ 鮒 翅 獄 9 102  

0.

5

   1   

2

 

3

 456 フ      経過 時 間 thour 丿     図

11G

t

V』関 係

WC ・

65

Vs(°

1

。) ●

50A40

30

● ■ ●

    1

15

(6)

た場 合

それぞれの水セ メ ント比に おい て

細 骨 材量 が 最 大の もの がス ラ ンプ約

8cm ,

最 小の もの が約

21

 cm の コ ンク リ

トに相 当す る。 な お

すべ て の調合に おい て

,AE

剤をセ メ ン ト重量の 0

04

%添 加し た

 

貫 入 抵 抗 試 験 結 果の

を図

12に示 ず

。 貫入抵抗 の経 時変化を片 対数グラフ上に表 示し た場合

いずれ も 相関係数 0,99 以上の精 度で直線近似す ること ができ る

こ こで は

測 定 誤 差を除く た め

直 線 近 似に よ る貫入抵 抗 値を用いた。  貫入抵 抗 試 験におい ては

周 知の よ うに

貫入棒 をモ ル タル試 料中

定深さ まで貫入 さ せ た状態で抵抗値の 読み取 り を行 う。 この間

貫入抵抗値は貫入棒下 面部の 試料が 圧密さ れることにより増加す る

測定時におい て は

凝結 過 程で形 成さ れ た内 部構 造は破 壊さ れ

試料に は塑 性 変 形が生じ る。 この場合の貫入抵抗 値は

固体粒 子 実 質 部の弾 性 変 形に寄 与す る有効応力と間 隙水圧の和 で与え ら れる。  凝 結 過 程におい て形 成さ れ る内部構造 に よ り

圧密過 程で起る水の移 動が困 難と な り

その

間 隙圧 が 上 昇し, 貫 入 抵 抗 値は凝 結の進行と共に増加する

 貫入抵 抗の発 現 機 構を以 上の よ う に モル タル試料の圧 密現象と仮定す れば

貫入抵 抗 値は

特に凝 結 初 期に お い て モ ルタル の間 隙 率に依 存 する。 lo3

1

1

1♂

iE

 1δ’

 

1

δ

2 図

12 ! 〆 ■ / / 8 ! ‘/ WC (%} ● 456  558  

65

1   

2

   

3

   4   5   6   7         経 過 時 間tくhoしlr ) 貫入抵 抗 値の経 時変化 (標準砂モ ル タル)  注 水 後 2時 間お よ び3時 間にお け る貫入抵抗値と間 隙 率の代 用特性 値と して の単 位 水量 との関 係を図

13お よび図

14に示す。  注 水 後 2

3時 間 程度では 同

骨材 を使用 し たモ ル タ ル の貫 入 抵 抗 値は単 位 水 量のみに依 存し, 上 記仮定を裏 づけ

 

て いる。  水セ メ ン ト比 が 45お よび55% のモ ル タル の場 合

経 過 時 間3時 間で は

すで に加速期に移 行してい る にも か か わ らず (図

9,

10

), 貫入抵抗値に は その影 響が現れ て お らず

貫入抵 抗 値が水 和 反 応に鈍 感な物 理 量である ことを示 して いる。  標 準 砂 使 用モ ル タル と川砂使用モ ル タ ル と を比較し た 場 合

貫入抵抗値は前 者あ 方が1 桁程 度値が大きい

こ れは主と して骨 材の表 面積のい に よ る もの であ ろ う

すな わち

単 位 体 積あ た り の骨材 表面積は粒径のさ な 標 準 砂の方が大き く

その

骨材 表 面に吸着さ れ る 水 量が増 加

ることによ り相 対的に 自由水減少する

ま た

骨 材 間 隙を水が移動す る際の摩 擦 抵 抗が増 加し, こ の こ とに よ り間 隙 水 圧は上 昇 する

さ らに

吸水性 状 の違い とい うこ とも考え ら れ よ う。  前 述し た よ うに

誘 導 期 間にお け るコ ン ク リ

トの凝 結 機 構は主 として固 体 粒子の凝 集に よっ て生じ

こ の場 合に は内部振 動な どに より容 易に凝 集 構 造を解き ほ ぐ す

100 10 1 韜  

0

K

  α01 図

14 α

oo

     

300

   

350       単 位 水 量 〔k2/

lm

)   貫入抵 抗 値の単 位 水 量 依 存 性 (川 砂モ ルタル〉 監丶 ● .

丶 駅

hr

● A ■

WC

(%)  45  

55

 

65

   ‘           ・ A

   

2hr

      ●

国 ●

● ■ 亀 ● 

埋 輯 韜 く 1 10  1 丶o 丶   ■ 6 \

h    ‘

WC

〔¶。) ・ 45 ‘ 55 ■

65

2 ト

0.

1 0

01 ゜ \     ‘ 璽 \

0.

0

  ■         250 

300

   

350

  400  450  

50

匸)        単 位 水 量 (ke/rf

13 貫入抵 抗 値の単 位 水量依 存 性 (標 準 砂モ ル タル〉 10   −              

 

』          

O

愚 鯉 紙 職 く 弧 ■

0.

Ol

 

260

 

270

  

280

 

290

 

300

 

310

  320 

330

       単位水 量

Ck

f

. SJ 図

15  凝結 開始 時 間に対 応する貫 入 抵 抗値 ■ ■ ■ 亀 ●   ▲   圏   ● WC (%) 455565 ■

一 16 一

(7)

ことが 可 能で あ り

ま た

こ の行 為は硬 化コ ンク リ

ト に対 し て何等悪影 響を およぼすもので は ない と考え ら れ る こと, 加速期 以 降では凝集構造も次第に強 固 と なり

また

そめ変化 速 度 も大 きい た め

わずか な時 間の遅れ に よっ て作 業性 が著し く異な る恐れ が あ るこ とな どか ら コ ンク リ

ト工事における すべ て の作 業 (打 継ぎ や 再 振 動など)は基 本 的に は セメン トの水和 反応の誘 導 期 間 内に終 らせ るべ え ら れ る

 

以上の考え に基づ き

15に貫入抵 抗 試 験に よ る 凝 結の始 発 判 定 を

凝結開 始 時 間に対 応す る貫入抵抗値 に よっ て示す

 

以上の よ うに

貫入抵 抗値は凝 結 開 始 時 間 前 後の において水和 反応に鈍 感な物 理量 で あ り

ま た

水 セメ ン ト比の場 合

凝 結 開 始 時 間は

定と なる にもか か わ らず,

入 抵抗 値は単 位 水量が小さい試 料ほど 大き な 値を示す

し た がっ て

貫 入 抵 抗 試験に よっ て施 工 管 理 特 性 値 として の凝結の始 発 時間 を定め る場 合に は こ れ らの点につ いて考 慮する必要が あ る。

 

一15

は, 貫入抵 抗 試 験に よ る凝結の始 発 判 定 を 動 的 ずり弾 性 率の経時変化 特 性によっ て得られる凝 結開 始 時 間に対 応す る貫入抵 抗 値に よっ て示 し たもの であ る。

 

一15

に み ら れ る ように

凝 結 開始時間に対 応する 貫 入 抵 抗 値は水セメ ン ト比および単位 水量に依 存し 約 O

05

10kgfcmZ の範 囲に分布す る。

 

序 論に紹介し た各 研 究 者によ る提案値は

いずれ も筆 者 らが 提 案す る範囲内に ある

その他, D

H

 Sawyer ら17 )は適振 動締め時 期 とし て, 注 水後

3

時 間 を提 案し

て いる

ま た, 仕入 ら !a)潜 伏 期 終了 時 期を貫 入 抵 抗 値がユOO psi (7kgf /cm2 に達した時 点と して い る

こ れら につ いて も同様で ある

ただし, これ ら は

いずれ もすべ て の調合に対し

,一

定 値で定 義して いるた め

水 セ メ ン ト比が小さい試料ある い は単 位 水量の大 き な試 料 に対し て は危険

結 果 を与える場 合が生 じ る。例え ば

町 田 ら5〕貫 入 抵 抗 値

定 値 (45 psiに達 し た時に 再 振 動を行い

その直 後の 入抵 抗 値 を測 定して い る。 こ の 場 合の貫入抵 抗値の低 下 量 (流 動性の回復量 と関係 が あ ろ う〉は水セ メ ン ト比のさい試料ほど小さい こと が同結果よ り読み取れる

い い換え れば

の流 動 性 の回 復 量 を得る ため に は セメ ン ト比の小さ な試料ほ ど貫入抵抗 値が小さな時に振動を行わ なけれ ば な ら な い

これ は筆者らの提 案 (図

15 )を支持する もの である

 7

ま とめ

 

再 振 動によ るコ ン ク リ

トの流 動 性の回復 程度は 動 締 め 固めの効 果やコ

ル ド ジョ イン トの低 減 率に寄 与 す る ところ が大きいが

これ は

加える振 動エ

定の場 合

と し て固体粒 子の粒 子 間結 合 力に依 存 す る

。一

動 的ずり弾 性 率は粒子間 結 合 力と密接な関 係にあり, し た がっ て, 動 的 ずり弾性率は再振動の効 果 にす る評価 値と して適 切な指標で あ る といえ る

 

本論 文におい て

超 音 波 横 波 法によっ て求め た 凝結 過 程にお け るセ メ ン トペ

ス トお よ びモ ル タル の動 的 ず り弾性率の経 時 変 化 曲線 より

セ メン トの水和 反 応 過 程 の潜 伏期か ら加速 期に移 行す る時 期を特 定できる ことを 明ら かに し

この時 間を凝 結の発 時 間す な わち 凝 結 開 始 時間と定義し た。 ま

凝 結 開 始 時 間が

振 動 機 を用 い る場 合の コ

ル ドジョ イン トを避け得る打 継 許 容 時 間 お よ び最 適 振動締め固め時 期に応す ることを示 した。   セメ ン トペ

トおモ ル に よ る試 験 結

動 的 ずり弾性 率お よ び凝 結 開 始 時間 に 関 して以 下の よ うな知見が得ら れ た

 

1) 凝 結 開始時間は水セ メ ン ト比に依存し, 水セ メ ン

  

ト比 が 小さい試料ほ ど早い。 温 度

20

湿度 65 %

  

の室 内におい て

普通ボル トラ ン ドセメ ン トを使 用

  

す る場合, 水セメ ン ト比 が45,

55

, お よ び

65

%の

  

モル タ ル で

,凝結開始 時 間は

そ れ ぞ れ 2時 間15分

  

2時 間30分

,3

時間と なる

た だ し

凝 結 開始 時 間    は セ メ ン トの水和 速 度に依 存 する値で あ る ため

  

湿 度 等の環 境条件や

セメ ン トの種 類, 粉末度 等が

  

異な れ ば

これ らの値はそれに応 じて異 な る と考え     ら れ る。

 

2

)凝 結 開 始 時 間は 骨材の種 類および混 入 量に依らず    

定と な る

  3

) セメ ン トペ

ス トお よ びモ ルタル の動的ずり弾 性

  

率は単 位 水 量に依存し, 単位水 量 が 少ない ほ ど大き

  

な値を示 す

凝結開始時間 以 前に おい て は

両 者 間

  

に ほ ぼ直 線 関係が認め ら れる。

方, 凝 結 開 始 時 間

  

以 降において は水セ メン ト比の影 響が顕著とな る

 

ま た

JISA

 6204

コ ン ク リ

トの凝 結 時間試験方 法

につ いては以 下の よ う な問題 点が存 在 すること を明ら か に し

本論 文で提 案し た動的ずり弾 性 率に よ る凝結開 始 時間の有効性を示 し

 

ユ) 凝結 初 期の貫 入 抵 抗値は水セメ ン ト比に依存せ

  

ず, 単位 水 量の み に よっ て支配さ れる。

 

例えば

水セメ ン ト比45% の モ ル タ ル の場 合

注 水 後 3時 間で はすで に凝 結 開 始 時 間よ り45分が経 過し て い る にもか か わ らず

貫 入 抵 抗値に は そ の影 響 が見ら れ ない。 し た がっ て

すべ て の調 合の コ ン ク リ

トに対し, 画

的に凝 結の始 発 判 定に対する入抵 抗 値 を定 義し, これに よっ て施工管理 を行 うことは , 水セ メン ト比が小 さい コ ンク リ

トに対し危 険側の結 果 を

えるこ とにな るQ

 

2) 水セ メ ン ト比が 小 さい場 合, ま た

単 位 水 量が多

  

場 合 凝 結 開 始 時 間 前 後で は

抵 抗 値が ま だ

  

小さ く, 現行の試 験 装 置で は測 定 値と し て 感 知で き    ない場 合があ る

(8)

 謝 辞  本 論 文 作 成に当り

佐治泰次教授に は種々御 教 示 をい た だいた

また, 実 験 実 施に当 り

大 学院生の小川 満 弘 君の力 を得た。 こ こ に感 謝の意を表し ま す

参考 文 献 1) 竹 本 国 博

斎 藤 鶴 義

,一

家 惟 俊

石 川 巌 :収 縮 低 減 材    を 混 入 し たコ ン ク リ

トの最適 振 動 締 め 固 め時 期の検 討

   セ メ ン ト

ク リ

No

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2)

 C.

A

 Vollick二Effects of Revibrating C(:

ncrete

 

J.

 of

   A

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1

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Sio

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 Yoshihito Kawakami :Astudy on

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コ ンク リ

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日本建築学 会 学 術 講 演梗     概 集

昭53

9 2   仕入豊和

地 濃 茂 雄 : コ ン ク リ

トの凝 結

硬化 に お よ    ぼ す温 度 条 件 (20

90℃ の影 響

日本 建 築 学 会 論 文 報     告 集

第313号

昭 57

3

18

(9)

"

SYNOPSIS

UDC:691.32:69.001.2

'

A

STUDY

ON

THE

SETTING

TIME

OF

CONCRETE

FOR

CONTROLLING

THE

PROGRESS

SCHEDULE

OF

CONCRETE

WORKS

by

Dr. YASUNOR] MATSUFU", Assoc. Prof.of Kyushu

Univ., and YOSHIHrl]OKAWAKAM], Assist., of Kyvshu

Univ.

,

Members of A,I.

J

AIthough theconsistency of concrete can be increasedbyadding vibration, the effect of vibration

is

continually

lowering

inthe setting process of concrete, and therate

increase

rapidly according as the

hydration

of cement

actively. The hydrationprocess of cement

is

divided

into

dormant

period and acceleratory periodaccording to

its

charactoristics.

Inthispaperwe have

discussed

thatthe expiration of

dormant

period can

be

clearly specified

by

the characteristics of the change with time of the

dynamic

shear modulus of cement paste and mortar, and that the

properties

of revibrated concrete show theremarkable change according to the timewhen thevibration

is

added;that

is

dormant

periodor acceleratory period.

Thus

the

boundary

time was

defined

as the

initial

set.

It

iscleared thatthe initialsetisaffected

by

awater-cement ratio of mixtures;i, e, the

iower

thewater-cement ratio,

the

lqter

the time of initialset, and that the

initial

set isindependent of the content of aggregate.

Furthermore

we

have

discussed

on the standard method of test

for

thetime of setting of concrete mixtures

by

penetrationresistance, then followingwere cleared.

The

penetration resistance isinsensibleto

hydration

of cement

(as

is

estimated

from

the

fact

thatthe penetration

resistance

is

independentof

water-cement ratio of mixtures).

Therefore

theprogress schedule of concrete works may

'

not

be

controlled well by a fixedvalue of penetrationresistance. To

provide

a practicalusage

for

penetration resistance test method, the penetration resistance

for

initial

set must

be

classified according tothe mix ofconcrete.

'

参照

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