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51 Fig X 1 X X Table X 線 を 用 いた 試 験 の 概 要 X Fig. 3 X 1 1 X Table 2 X X 2.2 γ 線 を 用 いた 試 験 の 概 要 Fig Ir CO Table 3

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Academic year: 2021

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Sea Water Science, Japan

1.はじめに

現在,非破壊検査手法には,最新技術も含め 10 種目以 上の手法が用いられており,代表的な検査手法のひとつに 放射線透過試験が挙げられる. 放射線透過試験は主に検査対象物の内部調査を目的とし た検査手法であり,溶接構造物の検査に適用されている. 一般構造物としては製造時の検査,プラント設備では保温 上からの配管撮影など,稼働中検査にも適用されるケース が多く見られる. 近年,プラント設備における建設工事は少なくなってい るが,製塩プラントをはじめ,国内におけるプラント設備 の多くは,建設から 40 年以上が経ち,老朽化に伴うメン テナンスを目的とした要望が多くなってきている.その為, 放射線透過試験ではその特徴を活かし,溶接部の欠陥,腐 食や減肉などを対象とした保守検査に多く用いられるよう になっている. 本文では,当社がこれまでに石油化学等のプラント設備 で行ってきた検査実績をもとに,検査手法の概要や適用事 例,最新技術について紹介する.

2.一般的な放射線透過試験の概要

通常,非破壊検査における放射線透過試験では,フィル ム撮影法で行われ,使用される線源は X 線やγ線が多く用 いられている.X 線やγ線は電磁波の一種であり,Fig. 1 の電磁波の種類に示されるように短い波長を有している1) Fig. 2 は,一般的な放射線透過試験においての撮影配置 を示したものである.X 線発生器から X 線を試験体に照射 して,フィルムに放射線の強度が画像化される仕組みと なっている.欠陥部では透過放射線の強度が健全部より強 くなるため,フィルムの黒化が進み,欠陥像として識別可 能になる. X線とγ線の特徴には大きな違いが 2 点ある. 1点目は,X 線は X 線管によって放射されるが,γ線は 放射線同位元素の原子核の壊変によって放射されることで ある.X 線は,制御器を使用しスイッチやタイマー等で放 特集「非破壊検査技術の現状と今後」 (解説) * 1 関西エックス線株式会社(〒 733-0035 広島市西区南観音 6-3-10)

Kansai X-Ray Co., Ltd., 6-3-10, Minamikanon, Nishi-ku, Hiroshima-shi, Hiroshima 733-0035, Japan * 2 理工サービス株式会社(〒 733-0035 広島市西区南観音 4-5-11)

RIKOH SERVICE Co., Ltd., 4-5-11, Minamikanon, Nishi-ku, Hiroshima-shi, Hiroshima 733-0035, Japan

プラント設備における放射線による検査の現状と今後

永田 博幸

*1

,清水 重之

*2

Present and Future Radiographic Inspection of the Plant Equipment Hiroyuki NAGATA*1 and Shigeyuki SHIMIZU*2

(2)

射線を電気的に制御することが可能であるが,γ線を使用 する際は,線源を格納する容器から遠隔で出し入れする操 作が必要である.これらの装置の構成については 2.1 と 2.2 に紹介する写真を参照して頂きたい. 2点目に,X 線は種々の波長を含んだ連続スペクトルに 対し,γ線は元素固有の 1 個から数個の特定の波長の放射 線しか含まない線スペクトルとなっている.これにより, X線を使用した場合は,管電圧によってエネルギーを変更 することが可能であるが,γ線の場合は,使用するγ線源 の種類により特定されている.この為,放射線透過試験を 行う場合の撮影条件は,試験体の材質及び厚さ等に依存す るため,放射線源により露出時間の設定が調整される. 尚,フィルム撮影法では,工業用 X 線フィルム(以下フィ ルムとする)が使用され,プラント設備では,主に Table 1 の表に記載したフィルムが使用されている. 2.1 X 線を用いた試験の概要 X線装置を使用する場合は,Fig. 3 の写真に示すように, X線発生器,制御器,電圧ケーブルで構成される.通常,エー ジングといわれる初期運転を行い,使用している間も,一 定の装置の休止時間が必要である(撮影 1:休止 1 など). 主にプラント設備で使用される X 線装置の種類と管電 圧による使用用途の例を Table 2 の表に示す. X線装置は撮影状況によって,発生器がセッティング出 来ない場合(特に配管)が多い為,プラント設備では屋外 貯蔵タンクや製作工場など,撮影スペースの確保と発生器 を固定できる環境下で使用されている. 最新型の X 線装置は,これらの問題を解決する為,発 生器と制御器を含め,以前の装置より小型化・軽量化が進 んでおり,作業し易い装置として日々改良されている. 2.2 γ線を用いた試験の概要 γ線を使用した場合は,Fig. 4 の写真に示すように,γ 線照射部,線源遮蔽容器,操作器,伝送・操作管で構成さ れている. プラント設備で撮影に使用される線源は,イリジウム 192(192Ir)とコバルト 60(60CO)の線源が多く使用され ており,主な性能は Table 3 の表に示す. Fig. 2 撮影配置 Table 1 工業用 X 線フィルムの特徴 フィルム種類 フィルム性質 使用用途 富士 IX80 相当 超微粒子・低感度 鋼溶接部(微細な欠陥等) 富士 IX100 相当 微粒子・中感度 鋼溶接部,鋼母材部 富士 IX150 相当 粗粒子・高感度 厚肉鋼母材部,鋳鋼品等 Fig. 3 X 線装置一式 引用文献 (2) より抜粋

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γ線源は,携帯性に優れ,線源の配置が容易で,一定の 高線量下で使用可能な為,プラント設備における放射線透 過試験では,最も使用されている.γ線源の取扱いについ ては,関係官庁への届け出が必要であり,普段使用してい ない場所での取扱いについては,より計画的に行う必要が ある.

3.中性子を用いた検査手法

5,6) 中性子は,そのエネルギーによって,冷中性子,熱中性 子,熱外中性子,高速中性子の 4 つに分類され,エネルギー の範囲は Table 4 の表に示される.中性子は,低元素(水 素,ホウ素,リチウム)の吸収が大きく熱中性子を透過し にくく,重元素(タングステン,鉛)の吸収が小さいなど の特徴から,X 線では困難な重金属中に存在する軽元素等 の混入の有無などの検査が可能である. 当社が使用する中性子水分計は,Fig. 5 の図に測定原理 を表している. 図に表されるように,外面腐食の要因となる保温材中の 水分の有無を確認する装置であり,保温配管の内部に含有 Table 2 X 線管の特徴 X線装置の種類 定格管電圧 使用用途 軟X線装置 100 kV以下 薄肉鋼板 低エネルギーX線装置 300 kV以下 鋼板全般 中エネルギーX線装置 300 kV∼ 1 MeV 厚肉鋼板,鋳鋼品等 引用文献 (3) より抜粋 Table 3 γ線源の特徴 192Ir 60CO 半減期 74日 5.2年 エネルギー 約 450 keV 約 1.25 MeV 適用可能な鋼板厚さの目安 約 16 ∼ 50 mm 約 36 ∼ 100 mm 引用文献 (3) より抜粋 Fig. 4 γ線装置一式 引用文献 (4) より抜粋 Table 4 中性子の分類 呼吸分類 エネルギー範囲 冷中性子 0.01 eV以下 熱中性子 0.01∼ 0.3 eV 熱外中性子 0.3∼ 10 keV 高速中性子 10 keV∼ 20 MeV 引用文献 (5) より抜粋

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する水分を検出する状況を示している. 主な原理は,中性子源(252Cf 線源)から放出される高速 中性子が,水分によって減速し熱中性子化することを利用 し,熱中性子を測定することで水分を検出する方式である. 中性子水分計と他の放射線検査との大きな違いは,管理 区域を必要としないことである.通常の放射線検査では, 実効線量が 3 カ月間につき 1.3 ミリシーベルトを超える為, 管理区域を設ける必要があるが,本中性子水分計の場合, 2 MBq程度である為,放射線管理区域の設定は不要な強 度レベルとされている. 装置の構成は,Fig. 6 の写真に示しており,検出器と PCという構成になっている.検出器のヘッドは比較的小 型であり,バッテリーで駆動が可能である為,携帯性に非 常に優れている. Fig. 7 は,中性子水分計を使用した際の作業状況を撮影 した写真である.プラント設備では,1 次検査として保温 配管で外面腐食の懸念される箇所,特に保温に隙間等があ り,雨水侵入の可能性がある箇所を中心に利用されている. 1次検査の結果を元に,2 次検査(保温撤去後目視検査及 び非破壊検査)箇所を抽出する大きな役割を果たしている.

4. 保守検査に対応したフィルムデジタイジング法

の活用

フィルムデジタイジング法は,撮影に関しては従来の フィルム撮影法で行われ,撮影したフィルムをデジタイザ でアナログ画像からデジタル画像に変換する方法である. 装置の構成は,Fig. 8 に示すように,デジタイザと解析用 PCという構成になっている. Fig. 5 中性子水分計原理 Fig. 8 フィルムデジタイジング装置一式 Fig. 7 作業状況写真 Fig. 6 中性子水分計装置一式

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この手法の主な特徴は,撮影したフィルムをデジタル化 することにより,コントラストの強調,輪郭の強調等が可 能で,減肉箇所の肉厚を PC 上で計測することが出来る. Fig. 9 のフィルム画像は,実際の配管減肉部を撮影,計測 したものを表す. 従来のフィルムで放射線透過試験が行われる為,現場で のセッティングなども,特に変わった作業をする必要がな い.その為,新しく導入する際も,比較的容易に取り扱う ことが可能である. 放射線透過試験によって得られた透過写真をデジタル化 することで,透過写真での観察とデジタル画像での計測の 両方の良さが得られる.データの管理面でも,透過写真を 保管する必要がない為,管理しやすくなる.

5.DR(デジタルラジオグラフィ)技術

7) DR技術は,主に医療分野で使用されていた技術であり, これまで,開発されていた撮影機器は,人への被爆を低く 抑え,低エネルギーで最適な画像が得られる仕様であった. この為,高エネルギーを使用する工業分野では使用用途が 限られていたが,近年,工業分野に対応した撮影機器が開 発されるようになってきた. DR技術の大きな特徴は,フィルムを使用しないことで ある.フィルムを使用しないことにより,フィルム処理(現 像,停止,定着,水洗,乾燥)が不要になり,撮影時間の 短縮,廃液等の処理の必要も無くなり,撮影環境が大きく 変化した.さらにデジタル機能を活かした解析,計測,デー タ管理など多くのメリットがある. しかし,国内における DR の現状は,規格化までに至っ ておらず,自主検査では,広く利用されている技術である. 一方,海外では,ASME,ASTM 及び EN など規格化が 進んでいる為,国内においても早期の規格化が望まれている. 5.1 CR(コンピューティドラジオグラフィ)法7) 装置の構成は,Fig. 10 に示しているように IP(イメー ジングプレート),カセッテ,読み取り機の構成になって いる.一般的なフィルム撮影法と異なることは,フィルム の変わりにこの IP を使用することである.IP の主な特徴 としては,広いダイナミックレンジ,高感度,繰り返し使 用可能の 3 点である. ダイナミックレンジが広いことで,フィルムによる透過 写真に比べ撮影条件にこだわる必要がなく,肉厚差のある ものでも一枚の画像でカバーすることが可能であり,撮影 の失敗も大幅な減少傾向にある.また,CR は一般に工業用 X線フィルムを使用するより短時間の露出が期待でき,試 験体の厚い物でも露出時間の短縮ができ撮影に有効である. Table 5 は CR 法とフィルム撮影法との特性を比較した ものである. 5.2 FP(フラットパネルセンサー)法 FP法の一番の特徴は,撮影が完了した後ほぼリアルタ イムにデジタル画像を PC 上で確認することが出来る.こ のリアルタイムである点が,他の手法と大きく異なり,撮 Fig. 9 フィルムデジタイジング画像 Fig. 10 CR 装置一式

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影条件の設定や即時の判断が必要な場合に大きな役割を果 たしている手法である. 当社で使用している FP 法では,装置構成は Fig. 11 に 示すように,使用する線源とフラットパネルセンサ,解析 PCという構成になっている.最新の技術では,センサー の電子回路部分が放射線の影響を受けにくい構造に改良さ れており,γ線などの高い線量下でも使用可能であり,落 下などの耐久性も優れた装置が開発されている. Fig. 12 の画像は,配管の開閉バルブをフィルムデジタ イジング法と FP 法で撮影したものである.FP 法で撮影 した画像は,細部(ベローズ部,ネジ部)においても輪郭 がはっきりしているのが確認される.

6.放射線検査の今後

本文の初めに述べてたように,各種プラント設備では, メンテナンスに関する要望が以前より強くなっている.特に, 保温配管などのスクリーニング検査(多くの対象物から異 常のあるものを絞り込む一次検査)手法は,まだ確立され た方法が無く,老朽化設備の維持・管理に向けた検査手法 の確立が早急な課題となっている.これまで放射線検査で は,フィルム撮影法が主流であった為,一定の撮影時間が 必要なことにより,スクリーニング手法には適用されなかっ たが,近年のデジタル技術により,撮影時間の短縮と検査 精度の向上が大きく改善されており,今後は放射線を利用 した新たなスクリーニング技術の開発が期待されている. Table 5 CR 法とフィルム撮影法との比較 特  性 CR IX100フィルム X線量感度 150 kV:約 10 倍300 kV:約 5 倍 Ir-192, Co-60:約 2 ∼ 5 倍 1倍 1倍 1倍 X線量ダイナミックレンジ 1:10,000 約 1:100 空間分解能 50∼ 100 µm 50∼ 100 µm コントラスト分解能 強調が可能 強調不可 引用文献 (5) の表より抜粋 Fig. 11 フラットパネル装置一式 Fig. 12 撮影画像の比較

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引用文献

1)横野泰和, 溶接・接合部の非破壊試験法と検査 ,溶接 学会誌, 78, 37-47 (2009) 2)株式会社リガク, 工業用ポータブル X 線措置カタログ 3)一般社団法人日本非破壊検査協会, 放射線透過試験Ⅱ , 29-32 (2006) 4)ポニー工業株式会社, γ線装置カタログ 5)一般社団法人日本非破壊検査協会, 放射線透過試験Ⅲ , 96, 121 (2002) 6)株式会社日立パワーソリューションズ, 中性子水分計水 処伝カタログ 7)成川康則, 最新のコンピューテッド・ラジオグラフィに ついて ,非破壊検査, 61, 141-147 (2012) 平 成 26 年 1 月 28 日 受 付 Received January 28, 2014

Fig. 1 電磁波の種類 引用文献  (1)  の表より抜粋

参照

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