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研究の回顧-香川大学学術情報リポジトリ

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99 第ユ0巻第2号(1959) 研 究 の 回 顧 野 呂 突巳次郎 Reminiscences of Studies ⅨimiiiI・O NoRO 緒 駒場の学窓を出て40年、最初は滞賓経常を夢見てこ卒業論文に.ほモ温室構造論並匿泰西の高等栽培を論じて:我国の現 状に及ぶ、と云う六ケ敷いテ−マを原澤先生より頂き,その当時京都山科で温賽葡萄を大経営せられて■いた現愛知県 立園芸試験場長,城山桃次の厳父や大阪府八尾の温室栽培家兼建築家であった遠藤治一別寺々お訪ねして御教導な受 け,豊橋で温室栽培を自営せられていた先輩故服部源助,その他東京砂札京都上加茂,愛知県甚冒寺及び静岡県三 保折戸の名促成栽培家にほ随分衡厄介になった事を覚えでいる. 余が一生閉場に乱且を置き棚察や技術で解決のつかない点を室内実験に移して釆た方針ほ既に40年前に居められて おり,佐渡農事試験場時代に浅見君が来島せられその際僕ほ技術で−・生立って行く積りだと訂した処人の出来ない寧 をするのも面白いなと云っていた事を今尚覚えて−いる. 併し家庭の都合で実現せず遂に40年間を腰弁珪滞に終り,その間園芸の先端を歩み,白2独得の試験や実験を行 い,20∼50年彼の今日湘やく各技術者の認める処となったのか或ほ米国等にて行うに至って初めてその技術を導入す るに至ったのほ痛快で,田中長三郎光雄より柑の蓋をする迄実験な観けて大に発表せよとの激励の弥言葉を頂戴した が全くその通りで実験ほ頂白くて止められない小 過去40年間の内1昨間ほ花王石船会朴の傍系会社の二,三ユ場焦活をなし,民間会社の研究部ほ真剣で商品としセ 役立たない研究ほ一斉するな,商品として有利なる研究なれば如何粁でも研究窒堂を捻出し,副産物の利用と商品化に 全力を注いでいる状態ほ全く膏公立の研究所とほ異なる点で農業技術者たるものは大に心に銘記すべきである・それ 以来余ほ副産物の研究こそ真の研究で,その製品の商品化を行って初めて真の研究の価佃があるのほ閻芸が普通作物 たる米麦とほその趣を異にするものであると.稲感した‖ 副産物の利用があって初めて主産物の生産コストを著しく下 げる事が出来る事ほエ場生活の経験を持たぬ方々には判らぬのも当然で大に原価計節を勉強して頂きたい・前述の商 品化が捷業方面でほ更に行われていない.即ち新製品の使用方法を備付している農産物の缶詰等は一つもない“如何 に蜜柑の伍詰や汐ユー・スが生産きれても食べよ飲めの宣伝でほもの足りない大に料理法を研究し能晋を添付すれば 現在の幾イ書消費が増すかも知れない‖之れが余が研究の方針であって真の学術的研究は旧帝大で行うべきであって現 在の新制大学にてほ実際役に立つ研究に.残額すべきであると.は余の変らない方針であった・ 最近は砧木の系統試験を開始し相木に及ばす影轡は実際に各地に現われており,目下流行の倣環成分の欠乏症が土 壌中にその成分が本当に欠乏していれば全部の樹が同一灘候な現わす許であるが実際問題では斯る園ほ極めて少な く,余は只一・カ所で見たに.過ぎない殆ど全部が一反歩の闘の内点々と何々欠乏症が現われているに過ぎない,且つ 葉内の成分ほ柴の年度に依り著しく異なっておるが(オリブにてほ)我国等の研究者の発表を見るに常緑果樹にて幾 年坐の柴な供試したのか全く不明で大に仏国の文献等も参照して頂きたい次に砂耕試験を行って感じた事は同一増 春液を用いた2鉢のオリブが随分成長が異なり,徽昂成分の欠乏症の出現憫期も異なり,砧木の系統な充分調査しな けれほ凡ての栄樹の実験ほ不Ⅲ経で只斯る傾向があると云う程度で各実験にほ挿木柿木を供試しなけれは真の目的を 達する事不可能であると痛感した之れ全く副産物の獲物である.上述の意味に於て最近ほ倍数体の枯木に贋昧を持 ち,何故に倍数体石占木を使用すれば棉勢が著しく想いか之れが原因の探究が余に掛けられた今後の問題であるい ギリ VヤのCHR。PANETSOSもO16asterの系統分離を数年前から行っており余の許えも数系統釆ているが未だ染色体 をこ依る分類は行っていない 過去40年間に発表した余の文献抄録は私費出版占号≒停年退職記念号。野呂40年間の業績≒を蘭膝下さい国会図 書館始め主なる研究所並に研究者の陶手許にほ贈呈してある

(2)

100 香川大学農学部学術報告 余ほ文献Maniaの嫌いがないでもないが,一つの仕事をするにほ多くの文献を読破せねば本当の研究をする事が 出来ないと抄信念からオリブの文献は随分嚢焦しMaIOCから発イニjされたNotice T工3mentrielledeBibliographie Ol畠icoleを入手出来た時ほ本当に.嬉しかったが,併しDeuxi色met trimestre1956 で寄贈が中止された点から推察す るに内乱の為め廃刊に.なったに違いない山本年1月に前MaTLOCの農林省オリブ主任であったELANTがマルセーユ のオジプ地方局に栄転されてからF占dるratonInternationald,016icultureがマドリーに設立されて全1旦界の文献抄 録雑誌を近,く発行されるからDirectur・q)NAVARROに申込めとの事で1月にEF[込んだ処る月24El附で承認されて, FirstNumberofInternationalMagazineofOlive−treeanditsProduct(英訳)から寄贈を受ける挙が出来る様 なった事ほ余計りでなく我国オリブ産業に.今後如何に扇献するかほ測り難い之れ全く神の狗導せと感謝しているり 文献抄録の価値ほ全世界の文献を全部入手する事ほ辿も不可髄である訂りでなく,例え入手出来ても主として自国 語が用いられ,他国語な一・町使わない国がある例えばギリレイからJj】.る文献ほ更に外国語凌用いていないが単にも 余はPANErSOSの厚志に依りSummary始め図表等の解説は全部英訳されているから有嫌い‖此の意味に於て世界 の文献抄録は是非とも必要なもので従来の山戯的抄録雑誌に掲蔵されている文献は仝慄界発‡う物の一割にも達してい ない事をMaIOCの世界文献袋で知った.今回オリブ国際連盟から発行されるオリブの国際文献抄録雑誌が如何に竃 重なものであるかが知れる余は花王石頗会社時代に学友浅見君から日本の果樹文献抄録をしないか,日々紀文献ほ 得難くなるからと.の軍で梨編と.柿編を完成し,出版会社に交渉した処承諾な得ず今尚東大第州闇芸教室に原稿の億製 本して保存されて−いるが之れ全く古事顆苑に次く1文献抄壕集で何時かほ出版されると思う国の内外を間ほず,文献 抄録ほ最も必要な仕事である事を痛感している..この芯昧に於て世男のオリブ鶴献集を目下編相中である・ 謝 辞 駒場にて御指導に預った.削市原燕先払卒菜後今日に至る迄何かと御厄介になっている学友浅見頚大名誉教授,静 岡断肱柑橘の試験等で御指導を受け・た世罪的柑橘ゐ辟威名桂川唱三郎先珪,弓或後文献不足勝ちの新種々探索に・御援 助下さいました凍大杉山教授,岩田助教緩並に蔦兼技術研究所西技筈その他に厚く御礼申すと同時に実地指導を恭し た故富樫常治並び砿全国一・の技術者たるを自他共に許す九州農一紙の大崎守技′「1に悍■く御礼申す次第である‖ オリブの研究は守ら先進国の馴!り家に瀾厄介になり,大証時代にミは加州大学の老教授F T,BIOLETT了から枯木用 品種並に雅子等の御寄贈紅預り,終戦後ほ同教授の後継者である軋THARIMANNには之れ叉各品種の柁木等を分

譲下さいまして且つほ貴蚤なCalifornia OliveIndustry Newsな時々寄せられ,その他今日に・至る迄不相安和厄 に.なっており,高松のC.ⅠE.創立時代のMiss BoYLAN館長にほ入手全く不可能であるCali董ornia OliveIndus− tI・y NewsをVol1より私的に御取寄せ下さいまして且つ送金劇来ない仏国の単刊本等を幾多御斡旋下さいました. その他前Empire Ch畠rifien(Maroc)のH.ELANr,Cu色NOI瓢艮,Tunisieの前是l隻林省園芸課長IlLouvRIER, G。VADAYRON,Italy,Bariの農辞試倣∵場長VLCARRENTE,ArgentineのD.,FMARSICO,BrasilのCARLOS FuRTADO,PEIOTO,GreeceのAtheneの農村大学CHRPANELTSOS,Espana ZaIagOZaの試験場丙種主任の SANCモ柑Z−MoNGE,Sevillaの油脂並に誘導体研究室文献課長のA…VARGAS(F)の諸氏からiき‡巧な文献その他の寄 贈を受け,台湾大学教授胡菖蛾よりは中国に於けるオリブと.撤概の悪感等詳細に渡り御教示に預り,オリブの研究に 就てほ我国オリブの功ガ者現■日乳畏試の尾崎技官舶常小1=)分場毒せ田並に笠井妓師より多大な御援助碇預り,得難い

加工方面の文献な御凝与下さいましで且つほSANCHEZLMoNGEから御教示に預ったAnchovies Stuffed Olivesの

原料である片ロイワンに.就て称々御・絆旋下さいました県水産課猪又技師に.列し厚く御礼申す次第である 香川罠尊時代より香大農学部に至る満9ケ年軋故り園芸科各教1∃にほ神々衡厄一介に・なり,全く取入である染色体の 検故に.放てほ桑日]教授,山本助教撲匿−・方なりぬ御教導に預り,その仙学内仝教7ヨ一に何くれと.なく御指導に瀾り厚く 御礼申す次第である‖ 灘総菜樹研究室の各助手弛に尊攻吐諸岩にほl自接御援助に与り御礼の申様ありません

研 究 業 績

NORO’S PAPErRS DURING40YEARS

試験並.に調査研究の柴統ほ全部判明しているが通俗的解説ほ判明しないものもあって総数125描で,実験並に調査 研究のもの占2,通俗的のものd5である

発表したものの内には内容は死ど同一で標題が異なっているものも若丁あるから夫等ほ仝・・・・】h物と見倣し原文のもの の下に.雑誌名を入れて一・拝した 且つ総論と新薬及び牒働の品種別に巣雛を線めた.

(3)

第10巻罪2号(1959)

総論.実験並に調査研究 GENERAL REMARKS:EXPERIMENTS AND RESEARCH STUDtES

101

1.野呂契巳次郎:桃≒小林水蜜、の冬季】汚定の根群に

及ばす雄轡,静農試臨報19,昭d,農及薗占(7) :9−2d,昭d

ⅩNoRO:Efiect ofwinterpIunlng On rOOt SyS− tem of Peach モてKobayashiSuimitsu”,Shizuoha Agγ.且咤㌧ Sね‥ 月加19,1951,〃短γ0 ∂γ0∂よ 励曙粛る(7):19−2る,195つ.

2・山梨治保‥緑肥作物の土壌水分並に地温紅及ぼす彩 筆告農及関12(12):5044−8,昭12

首盲㌫蒜㌫忘言:Effectsofgreenmanureplant On the moisturein the solland soiltemperature JVさg一γ♂〃.γ♂∂ゴ助g♂磨12(12ノ):5044≠8,1957〟

5‖柵「

:肺霜予防器(0ⅠChar■d HeateI)の燃料 に就て,静農試臨報20,昭占

−− :On the fuelof the orchard heater 5滋彦g〟∂カβ』g′月お♪ 5′αり,β鋸J.20,1951小

4い一仙

:我国油脂類源調査大日油会社,出版

物,昭15.

:On the researches of oilplantsin TaI〉anかⅣ.y茸C()P〟るJよcα古壷0乃1958 5.∴ ‥南方紅於ける油脂柄物,大日抽会社,出

版物,昭1る

:On t王1e Oilplants of the Southern COuntries ヱ)Ⅳy∴打.Coク〝みJ哀c山木用1941. 占.仰:果物のワックス処理が棚持ちに如何に影

響するか,農技研,9(4):5叫7,咽50

←:Effect of waxing of f川iton thepre− SerVatjon at the shop.NOgyo GiiuiSu Kenhyu. 9(4),1955u

7”天福義元 ‥果物のWaxingに就て,香恩丸学報8 (1),100−9,昭51.

011tIle WaXing of fIuit. 下.HACHIMURA(F)● 肋g脚αAg㌢.Co/..7郎カ.β〝J8(1):100−9, 195占. 総 論通 俗 的 解 説. GENERAL.REMARKS:POPULAR COMMENTARY 1い 山田糞巳次郎:挿花と花井園芸に就て,閤友1る (5):294−る,大9 2.野呂焚巳次郎:果樹園に於ける防風林の効果,教農 5(5):5る8−75,昭11 5山一−−:化学工業より観た聞芸,日間難50(5) :1れ2u 昭15 4.仙 :散在的果樹の管理と.その年産,農技研. 1(5):10−7,昭22

5・叫−

:果籾戴培は経験から.中国 518:1る0 ∼2,昭25 占・叫‥今後の果樹闘芸,囚何の果樹 2:4 仙10,昭25 7・・−一一一}川【:果樹栽培上注芯すべき諸問題,即日の果 樹 4‥4ロー7,昭25 8−】一一:果物の増産を計るにほ一.阿園12:1 −4,昭25 9鵬−こ果物や疏柴ほ且きてい 471一・5,昭2る てm−・− :果樹と.石灰,近農,7(8)25−7・ 昭27 11.−−叫:果樹は林木でない,近凰 る(5):14 −20,昭2るn 12..州…:果樹園の深耕と土壌波蝕防止の新しい問 題,農耕と.闊,9(9):94「る‖ 昭29 15−:酸性.土壌を再検討せよ,中臥594:15 −4,59る:る−8,昭50 14.岬:園芸作物の経営,中国 594:15−4, 59る:る一一8,i閻50 15t岬【一∴果樹及び砧木の系統に.注意せよ,中関 るOD:9−−121昭50巾 つd−仙:アンケ−ト,新柄果樹園の実が成る迄の やりくり,温州蜜柑とオリブの定植から結実迄,農耕 と閲12(5):る8−9昭52 読秦.実験並に調査研究

VEGETrABLE:EXPERIMENTS AND RESEARCH STUDfES

l山田票巳次郎(野呂):十字科析物あぶらな属の交 tion between Brassica(?),JourLinnean Soc

配軋掛て日研きすf55(2):1叫9,大10 Bot.XXXVIII、No一.2る7:557叫49,19D8(TI・anSla− KYAMADA(NoRO):A.WlSuIhTON:Pollinar tion),Ni♪PonEngeiZa,shi55(2):1−9,1921

(4)

102 2“野呂契巳次郎:本邦特有閤芸作物の保護(梵天瓜を 女木島で発見した)椚緋偲 57(る):5−・7,大14 香川大学農学部学術報告 A−SSβCJα♪α乃,18(5,4):257−・−40,1949. 4.仙 :とばうあざみ(菊芋努)栽培い 園大辞Ⅱ K..NoRO:On the protection of the paIticular

hor−ticult11ralplantinJapan,Ifound”Bonten UliH (OriginalmeloninJapan)atMegiLShima,」Ⅵ 助g♂よZα’sゐよ57(る):5−7,1925 5・→:キクイモマガイ(新名)(月βJよα形fん〟S 5 研α・SCOクんγ〃αS WIID.Varい・Sα如α・S)に就て,国学雑 18(5,4):257…40,昭24 ㌧∴On’てKikuimomagai㌔」軌兢α〃才ゐ〝.S∽α− CγOj叫γJJ弘SWIIDい VaI.一Sα如αS…./0〟タ∴ 月b7才 前 菜 通 俗 的 :871−2小 昭25り ∴:Gob6−aZami(Kiku−Gob6),Encyclope− dia ofHorticultuYe(Seibund6,Japan)I[871岬 2,1950 +− :ビメソトの有望品種に就て香大農学部, 学報10(1):14−9,昭54

:Promising VaIiety of Pimiento, ダ“Ⅶ〃.γげAgγ・∬αg(Zぴαび形れTβCれ.飢〟10 (1):14−19一.1959 解 説 VEGE,TABLE:POPULAR⊂OMMENTARY。 1・山田票巳次郎(野呂)‥両屋根式疏菜違の方向に威 4山「:菊芋の利用とその栽培,農技研1(11): て−,園友15(2)‥1γトー5,大8 8−11,昭22 2・野呂焚巳次郎‥本邦に於ける甜爪の将来に就て,日 5−−Ⅶ−一−:きくいも,園大群Ⅱ:dlO−2‖昭25 園雑朗(10):19−25,大作 占+ :新疏菜ピメソト 中国弘7:18帽9ハ 5t・≠−・−−:菊芋の栽培とその利用,農耕と園2(る) :15−4,昭21小 柿..実験並に調査研究

JAPANESE PERSIMMON:EXPERIMENTS AND RESEARCH STUDTES

1.野呂繋巳次

竹 棉 忠 宗誓‥柿の変革定が結果母枝批結果枇 TMAISUBARA :Transpositionsin phy1lotaxy 及ばす静響に就て静農試臨報9,咽る,農及囚占

(5):591−7,昭d

芋二芋三豊2HI‥Effectsofthesummerprun.ngon

the mother fmit branches and fruit spursin the Japanese Persimmon.Shizuoha Agr=Exb。Sta βαJ小9…1951,Ⅳ∂gγ=一γ0∂哀β紹gβよ,る(5):591 −7..1951

2■扁▲ ̄議‥村瀾に於ける葉序の転僅と男定との関 係,農及園15(5),751織る,昭15

OfJapananese persimmon and their relation to winte【Pruning.NOgyo o.yobiEngei,1る(5): 751【一占,1958

㌃ 一一岬−− :果樹に関する二,三の研究(柿に関する 研究),静農試創立50周年記念論文集 4−7,昭25.

:Some studiesonthefrtlittrees.,(Stud− ieso董Japanese persimmon.Shizwka Agr‖ Exb S≠α、肋∽0㌢査αノア〟∂Jfcαわβ〃∂/■50拍A棚直別,Sα㌢.γ 0/ダ0〝〃dα′友0邦,4−7:1950

柿.通 俗 的 解 説 JAPANESE PERSIMMON:POPULAR COMMENTARY

lい野呂発巳次郎‥柿の封建法,上下.教農1(7,8), (1):82−8,旧10.

80ふu12,955−占2,昭7

5仁

:愛宕郁の視察記,l中間 5く娼:29−50,

2小 +

:柿の不結実は如何にするか,農及園10 昭28

梨.実験並に調査研究

JAPANESE PEAR:EXPERIMENTS AND RESE’ARCH STUDIES

pear“Ch8jOro”with specialrefencetohandpolli− nation,dehiscence of anthers and visiting of insects S/tよg〟〃ゐαAg7、見じ♪.5≠αβ〟J29,1954, 〟∂gyo o.γ0∂ま月形gβよ9(1)=54…4る,1954 1‖笑管響題瀾の不結実盲こ断る調査眈実験 (荊の開花,人工交配並に防儀瀾匿関する個査並に実 験,静農試臨報29,農及闊 9(1),54−4る,昭9∼

蓋:.・監…3:StudiesonsterilityoftheJapanese

(5)

弟10巻第2号(1959)

2・⊥

:梨の人工交媒匿関する二,三の調査並に 実験(花粉の多寡,荊の人工開紆父媒其他蜜蜂に関す る事項,静農試臨報5る,昭9,中閻589:る02−7, 590:る95−702,昭10,

−一一−==:Studies on the hand pollination of theJapanese pear で一Ch6jQro”as means of good

Setting.5ん盲g〟0ゐαAgγ.助♪..Sfα,β〟Jり55,1954,

103

C加o g紹gβよ589:占02−7,590:る95−702,1955. 5・・一皿一一一:長十郎 の結実数と粗収入との関係∴農及

薗,11(1):るd−72,昭11小

山山V− :Relations between the fruiting and totalincome Ne・gyO OyObiEngei11(1):66−72, 195占

梨.通 俗 的 解 説 JAPANESE PEAR:POPULAR COMMENTARY

l野呂契巳次郎:長十郎梨の不結実原因と其の対策u

5‥

:静間児下紅於ける島十郎梨の栽培,農及 印忍稚い朋(9)‥1−5,暇7 陸11る(1):259一占8,昭15

2‖−−m¶【¶:梨の品種問題,農作る(12):1519−舶, 4.】−‥梨栽培指導の思出の記,因伯之果樹:4

咽て2 (1):9−15,昭25

柑橘.実験並に調査研究

C]TRUS:EXPERIMENTS AND RESEARCHSTUDJES

lい野呂契巳次郎:湿州蜜柑の交番枝に関する研究(第 中国る02:7几10,昭50, 1…2予報)‖ 静農試臨報1,占曜4

KNoRO:Studies on the bud sport of the

Satsuma oIange(l&JI),Shizuoha AgrExb 5gα…βぴJ・1,1951&る,1951

2・再転遍:温州蜜柑のニ,三系統に就て,静農試臨 報18,咽る.農及図 る(る):92る−52昭る

m山一 :FUKUHARA ORANGE:A new sum− mer orange”Shizuoka Agr.助PSia.Bu156, 1955,5んfz射たα〝0肋乃如sぴ5(1):15鵬5,(2): 20−2,1956,Newvarietieso士FruitandVegetable, Fig.11941,C如0助2gβ壱朗2:7⊥−10,1955 7い一冊:削、卜【蜜柑の像良系統を語る.静岡農軌 順7,12月号 仙−M−− :Stories ofsuperior$trainsofSatsu益a OIange,S/Lizuokaken Nokai/w,Dec.1952 8い′一一一一 :温州蜜柑の根郡の習性に裁て,薗学謝る (1)41−5,汀射0,中国590:714−る昭10

−Ⅷ−M :On the habituation ofthe rootsystem OfSatsuma Orange./♂〝r.戯77′.A.ざざ♂C./α♪α〝占 (1):41−5,1955。C加0β形gβ吏590:714∼る,1955. 9..−−−【¶:温州密柑優良系統並に笛木の配付,静柑

2(1):14−−20,昭10

←:On the superior stIain of Satsuma O王angeanddistribution of young plantShizuoka 矧ク」打払軌如′S〟2(1):14−20,1955

10−−

:県下に栽培されている杉山温州の諷査成 鎖,農業香川2(2),8叩11,昭24

一冊− :On the research studies of Sugiyama Unshiu cultivatedin Kagawaken,NOgyoKagawa, 2(2):8−11,1949

11・・←:果樹に関する二,三の研究(柑橘の系統 調奄,静蔦試創二ぐ7。50周年記念論文集:1−4,昭25

:Some studies on the fruit tree.(Re− SeaChes of strainsofCitrus).Shizuoka Agr.Exb :On some new strains of Satsuma

T.TAKEHf.. 0Ⅰange∴馳転附加= A即助♪Sfα。β〟J18,1951, Ⅳog.γ00叩最j勤都浸 る(る):92る【52,1951 佐藤公一・ 昭1る K.SATO. ニ卑生温州系統比較試験,静ぷ望試臨報49,

:Comparative studies of the strains Of Wase Unshiu.Shizuoka AgY ExpSiaBnl

49,1941.

−− ‥温州蜜柑の変異枝基部に於ける槽に就 て,静農試臨報12,旧占

:Anatomicalstudies on the knurlat the base of the variant jn the Sasuma Orange Sカよg〟0たαAgγ.助♪5Jα.β〝J.12,1951 5}劇−‥夏季用柑橘と.しての福原オレンデ ,風味

(銀座千疋屋発行),福原オレンデ特抑写る月号:2−5 昭7,背果時報85:10−11,昭9

←− :Fukuhara Orange for・Summer,F (Ginza Senbikiya),S?eCialZsSue fbr Fukuhara O,α乃gβ,1952,5♂壷ゐα.†よ/と085:10−11,19,54 る−−−:新晩ヰ柑橘≒福原オレンデ、静農試臨報

5る,li酎0,静柑5(1):15一−5,(2):20−2昭11, 果物疏菜新品種第1園,昭1る,(日本園芸中央会発行),

(6)

104 S′α,加ゎ椚α浸αJf切血行αffo〝¢ノ50摘∵A捌浸鋸γ餌.γ 0/■爪川微ね路抑:1−4,1950 12小←:金柑了(Ciirusleieocarba TANAKA) と.温州蜜柑(C紘用・ざ別朋ざんよがMARCl)との接木雑種㍉ 高木蜜柑。に就て,(予報)香虚大,学報る(1):80■− 占,昭28

仁:P工elminary repo工t On graft hybrid ”Takagj Mikan”of Kinkoji(CiiluSleieocarba TANAXA)andSatsumaOrange(C小unShiu MARC.), ∬αg(7ぴαAg7・.CβJ..r♂Cんいβ〟J.る(1):80−る,1955 香川大学農学部学術報曽 15・姦㌻議:柚砧の温州蜜柑の成長濫・及ぼす影響1一 柚の三倍体に就て,香農大,学報7(1)∴5る≠40, 昭50u

:Effect of therootstock MYuzuり KA丁IMOTO,S.

(Ciわ′uSJunos TANAI(A)on the growth ofSatsu・

ma Orange(C.Unshiu MARCOV).Ⅰ。On the triploid chromosome of“Yuzu”.Kagawa Agr

CoJITβCゐβぴJ.7(1):5る岬40,1955山 柑 橘..通 俗 的 解 説.

CITRUS:POPULAR COMMENTARY

l…野呂契巳次郎;静岡県下に・於ける柑橘栽培の諸問 10、山:香川股,柑橘5(附録,全国柑橘依良系 題,農及関る(1);85−90,昭占.

2…卜

:変異枝を有する温州蜜柑の研究,蘭学雑 2(1):9−25,咽る,大日農報5る0:19−25,昭2, 教農2(1):508−1る,昭8 5.叫:湿州蜜柑茂木の作り方,農及囚8(1): 128−40,昭8,静柑創刊写:19−21,昭9.

4い +

:柑橘の芽接に裁て,静柑1(5):1る−9, l】−’二王9. 5.+ :卑生湿州の将来ほ如何,日園稚,4る(占) :10−−5,昭9い 目国維48(1):7【12,昭11..中国 581:894岬904,昭9 る.州:晩生柑橘の栽培,果樹園芸5(10):5− 9,る(11):51−占,5(12):25−8,昭25 7… −−¶:金柑子と温州蜜柑との接木雑種も高木蜜 柑ミに放て,柑橘占(9):11−15,昭29 β小一−Ⅳ−:本県下に温州蜜柑の巨大系現わる,農共 香川2(2):5・−7.昭25 9.〝叫:温州蜜柑像良系の選抜方法,果樹園 4 (7):2れ占,哨2る 総まくり):24−27,昭28 11l+ ‥初めて輪入された新和橘DweetTangeI, 柑橘4(占):28−50,昭27 12.m肝 :甘夏蜜柑の将来性に裁て,果樹園芸 5 (5):54−5,昭25 15.仙 :柑橘栽培の視察から,柑橘5(5):50 −5,昭28. 14、血:徳島県下の蜜柑を視察して,中国591: 45−4,昭50

15…仙

:小産地香川県に.もいる熱心家,柑橘る(1 の附錬):57−dO,将29 1る・−W:柑橘閲の深耕と粗植に.ついて,柑橘 5 (5):9−12,昭2占ぃ 17.−−:柑橘関に/於ける防風林の効果,静柑,2 (4):12−5,昭10 18・一−・Ⅳ−−−:柑橘股木及び若木のヲ責苦被害樹に対する 菩後策,静柑5(5):15−5,昭11 19,.叫−:柑橘の塞害と.予l妨,日閉経49(11):5 −7,昭12 オリブ,実験並に調査研究

OLIVE:EXPERIMENTS AND RESEARCH STUD且ES

1野呂突巳次郎:オリブ梯の不完全花に放て,農学 報,252:727…一58,大12小

NoRO,K.:On the staminifeIOuS 董lowe工S Of Olive tIeeS‖.Jo加㌢.Scよ…Agγけ5∂C..Jα少α循,252: 727−58,1925

2.−一:Further studies on the staminifer・Ou flowers of the olive tree,With specialreference to the relation of n11trition to the staminiferous floweI/0捉7.ScZAgr50C∴.,./α♪α瑠,289: 507−15,192る

5剛

:オリブの繁殖紅就て,農学掛.291:75 −84,昭2

:On the propagationoftheolivetIeeS

Joα′..5c∴Agγ‖50C./α♪α〝,291:75−−84,1927 4弄i音云:オリブ砧水葬成法と播種前の措置及び発

芽後の形態的研究(Ⅰ).番捷大,学報4し5):159− る9,昭28

i這蒜㌻了:Method of raising olive seedling

in short time.Presowlng treatment Of olive seed and morphologicalstudies after sp工Out(Ⅰ)

(7)

105 Effects of calcium,magneSium and potassiumon the growth of the olive tree.Kagawa AgY”Col TβC・カβ〟J8(1):91−−9,195る

11一−−−−:土壌の反応並濫各種成分がオリブの成育 に.及ぼす影(Ⅱ),土壌のpHと各種成分殊にCaとオリ ブの成長との関係,(砂耕試験予報)杏農大,学稚, 8(2):140仙5占,昭52

__∼ :Effects of the soil工eaCtion and nutr・ ient element on the growth of the olive(Ⅱ) PreliminaryIepOIt On theIelationbetween the soil reaction and nutrient elements, With special reference tO the relation of the calcium to the growth of theolive tree(Sand Culture)Kagawa

4gr.CoJ丁♂Cカ.β以上8(2):140{5占,1957。 12−∴:カ・リブの文献的研究(工】Ⅴ),杏農大, 学稚,2(5):149」札 昭2る5(5):140−r57, 昭27,4(5):195−205,昭28.5(1):る4−−78, 昭28巾る(1):87−97,昭29

−−一冊−− :Bibliographicalstudies on the olive tェeeⅠ−−Ⅴ‖ Kagawa Agr.Col‖Tech.Bul‖ 2

(5):140−るる,5(5):140¶57,4(5):195− 205,5(1):る4−−‘78,る(1):87−97,195ト1954, VトⅩ,Private Publicationト5,1956q1958. 文献的研究ほ香農大,学報に投稿しないこと.になっ たが後輩の為私蟄出版と.して経続する予定.主なる図 書館並に文献交換者には国の内外を問わず寄贈した, 限定版200部,残部なし,希望者に偲マイクロフィル ム作製の上実費にて分譲する 15.−一爪:四倍体Mission Olive石占木が成長に及 ばす影響に就て,杏大農,学報18(1):8−15, 昭54い(Mixoploidを発見す)

u・・・rM :Effect of tetraploid Mission seedling as root stock on the growth of the olive tIee. ダαC.Agγ..,肋g(Zぴα〃αよが.ゴ’gcカ.βαJ.10(1): 8−15,1959. 第10巻第2号(1959) 肋gα紺α Agγ..CoJ,TノβCカ.β〝J,.4(5):159−る9, 1955. 5,−−…−【:果樹に関するニ,三の研究(オリブに閲 する研究),静農試創立50周年記念論文袋:7−11, 昭25 _MN:SomestudiesonthefIuittrees.(Stud ies o董01ive“)Sんよz〟0烏αAgγ‖ 助久5れZ,ルね雛0・ γよαJPαみJ査c弘行の囁0/’50拍ノ如∽紬卯・Sαγ一γ 0ノ■ ダ田川− dα如乃:7−11,1950. る・亮右転云:オリブ各品種含側聞批反当座抽乱杏 農大,学報4(2):152−−5,昭27

:On the oilcontelltin the frujt of INOIJE,T

each variety of the olive and oil yield per tan

(aboutl/4acIe)小助gαぴαAg㌢・トCoJ・・TβCゐ・β〝J・ 4(2):152−5,1952

7l至慧完,,芋・:Morphologicalstudiesofolivetree・

L On the differentiation of the flower−bud and

development of the floIaloIganlKagawa AgY

CoJ。TβCカβ祝J…る(5):15る−9,1952

8.NoRO,K.Preliminary report on the nucleus

division and chromosome numbersin the Olea

♂鎚γ0♪gαL.,助gαぴαAg㌢1CoJ‖TβCゐ。β〝Jい4(5) :180岬4,1955

9.−−∴土壌の反応並に各種成分がオリブの成再 に.及ばす影響(Ⅰ)“土壌の反応と.オリブ樹の発育に関 する研究,香農大,学報,7(5):2515−−る0,昭51

_〟:Effects of the soilreaction and nu

trient elements on the growth of the olive(1)

Studies on the reationin relation to development of the olivein the pot cultuIe Kagawa Agr CoJ7鋸カβ〟/7(5):255−る0,195占

10“−−・−− :土壌の反尤適購.各種成否がオリブ成育に 及ばす緋芋川トCa,Mg,Kのオリブの戊】守に及ほす

影軌香農大,学軌8(1):91−9,昭51

∴:Effects of the soil reaction and

nutrient element on the growth of the olive(Ⅱ)

オ リ ブ.通 俗 的 解 説

OLtVE:POPULAR COMMENTARY

l.山田努巳次郎‥香川県下に於けるオリブ栽培の現状 4い野呂費巳次郎:オリブの将来と加エ,農及園,12

及び将来,日脚距,る5(る)‥5る一−・41,大121 (1):527−49,昭121 2 野呂賛巳次郎:オリプスとオリブ油の使い方,(オ 5り一一−−・椚−:オリブ,園芸大辞典1‥549−55・・昭19 リブ料群法),香農試,通俗出版占大12 る・・∬ :オリブ栽培の将来,果樹5(9)‥5一る, 5記者抄:オリブ油販売部値,日放維,罰(8)=1る る(10);4・−る,旧24 −9,大15(余の調査を記者が抄録した) 7−+:オリブ研究会の概要,果樹5(5);9−

(8)

108 香川大学農学部学術報告 以上夫れに従ほねほならず,場員の反対を受けつゝ8%にしたのが今日の塩蔵の基であると云わねはならぬい夫れと 同時に兼眉の亀屋へも多少宛出荷を始めたl・斯くして塩蔵も軌道に乗り始め大正15年の1月頃に小豆島西村に塩蔵の 工場を新設する誠が庁内に起り新年度より大々的に塩蔵を始めようとした時即ち5月紅静岡農試に.園芸部新設の話が あって余に主任として来いとの事で場長に話をした処課長が明年度西村のオリブ園を分場として君を分場長にするか ら静岡への転任の詰ほ中止してくれとの事で少々困り種々交渉の末,然らば秋迄居て塩蔵を今一度やってさくれと.の詣 で遂に12月迄引き止められ,少なくと.も夏には静岡行きが実現するものと思い変モ−ニングを新調した処役立たず12 月2日に・出発するに優しカシミヤの変モ−エソグを着たと云う珍談になった‖5年間の花の官の試験場幡代より本省 に対し強硬な談判をしたのほ純オリブ池を廃して精製綿実油を混じたオリブ池乾し,純の字を消したおが商品として 歓迎せられると説い・た処藤巻技師日く外国品にほ他抽が混じているかも知れないが我国のほ純オリブ油で通すのだと 云って仲々我を曲げず,此の伝統的方針が今日に・及びオリブ油の普及な粗害しているのは実に残念であるり5P数年前 既に帝国ホテル等にては純オジプ池をマヨネーズにする場合拙な噴い且つフライ池に.する場合鯵速力が強くて不経済 であってその上特殊の皆兵い香いがあるから万人的でない,宜しく精製綿実油を混ずぺきであると称.して:いた.叉大 正時代に−・外人が日本にはオリブ抽が生産されるとの串だが確に純油があるだろうと聞いたと?率だが,純池のある のほ結局技術の進歩していない証拠であるのを意味しているのである. 静岡農試に.赴任したのほ大正も終りを遂げんとした12月中旬であって旬[Iを出でずして年号は.昭和になった,当侍 の場長は全国中の駁高級且つ名場長高石政次郎氏でポット試験を日本で始めたのは僕であると.常に云.って居り,余の 赴任前に.田中良三部先生の説に.従い早生満州の研究を斜面せられ赴任早々大にやれと命ぜられ,我国で駁も変輿枝の 発生が多い三ケ日鞘に.主力を注ぎ且つ全国的の篤農家森田甚−Lの畑を溢州蜜柑系統試験地とし卑生温州50数系統を鬼 集し10ケ年計画で試験を開始したのである, 静岡時代の研究ほ前述の通りであるが今−ゝつ特筆すべきほ故岡田忠取扱師の出張役命砂田こ.今の早生温州軋相当す るものが庵原村にて早大温州と云って知られており,肖江の原水と何れが古いかは拘調査の必要あるに不拘,その後 誰れの手に依っても調査せられず旦つは余が園芸学会雑誌に発表し■たのに余り皆の注恵を引いていないのは極めて残 念であるり 勿論余もその後何等調査しなかったのは申訳けない次男である. 早生温州の変異枝は・一・種のキメラの現象でないかと.思われる点があるRl]ら早生の変異枝から普通の枝が発生し又 早生の枝が発生するのほ早生溢州の笛木に於て2∼5見聞した小 従って如何なる系統紅ても卑生は先祖戻り硯象に腰 したものが現われるものと.余ほ断言する… 此の仮説ほ未だ世界に認められていない,疑問と.して後卜†の研究に残す. 高石名場長ほ昭制7年頃に沖縄県農試の場長として髄転せられたがそのi臥研究に多大の理解があって積極的にツ ァイスの巌高顕微鏡を趣に買え,材を切るミクロトームな買えとか余が希望するものを前以て指示せられ少しの不便 なも感じなかった安東の現試験場へ移転軋際してほ最初の設計通り写真撮影室や暗室も完備され,据付けの標本撮 影寄食機さえ完備し,図書室の豊壌を命ぜられ全部製本しバックナンバーの欠本は之れを補給し今尚我国にて瀾岡農 試の図書室程完備している処はないだろうい安東の試験場が完成した頃には上野場良であったが之れ又学究的の名塀 長であっで余の研究にほ一富も反対せられず全く思う佑の研究を続けた・ その頃麻磯に初めて試炊場廼営の柑橘園が出来,殆ど終日勝機勤務であった・麻機は.系統の観念が最も進歩して おり,母樹1,2及5号を選抜し,1号及2号は全く同山系統であって今[lの杉山温州である.麻機の柑橘品評会が 静岡松坂屋にて毎卿2月に催され,出品数1点1〆目と定められており俗に・1〆目品評会と働こしていた.が,勾準杉山 甚作が俊等に入過するから某省が不ノ臥藩に思い㍉甘の処の忠相慄との木のものかモ と原地調査するに至り始めて母植 1,2号が有名に.なり,蕊に2本の樹を愚母庸一1号,2甘と.称し苗木藩成に全力な注ぎ蘭布するに至った.勿論杉山 系は外観本イ立の系統で品貿ほ第2流に属するものとその当時より許していた・・系統の観念の普及と共に各試験場にて も母樹の遥抜に全力を・注ぐ様になり,杉山は樹勢が弱いとか貯蔵力が劣ると称していたが実力紅は抗じ難く最近査胸 寺清司の調査でほ杉山を県の母樹に指定しているのが12府県に及び今春の脳炎香川に依れば一・地方にて母樹に指定し ており之れを加算すれば15府県に達しているい 如何に杉山温州が現在の系統として最優秀のものであるかが知れる 県母樹が定められたと前後して福原オレンデが現われた,房州の枇杷を視察した際福原ノ馴Zの宅に休憩中庭先にあ るオレンデに気がつき,その当時ほ無名のオレンチで園芸試験場の谷川技師が専心調査していたが判明せず,銀座千 疋屋の斉藤義政が是非早く馴引こて栽培を始めてくれとの謡でソ 清光会の楯上でかが福原オレンヂと命名したのが最 初であって昭和5年9月にマッチ紬イ立の枝を数本分譲な受け大沢清の凶に高接し且つ試験場の圃場で5本芽接した処 5本活着したから興津の園芸試験場及び蒲原町の望月友まに一本宛与えて試験を依頼したのが福原オレンデの民間に

(9)

罪10巻第2号(ユ959) 109 出た巌初である.大沢の福原オレンデほ5年目に美果が結実したがその後小弟になり且つ落果が多く迎も経済的品種 でないと断定され栽培が−・時り1止の状態になった小 神奈川県下に.ても藤田技師の唱導.に依り奨励され,大束が出る様 になって一個は山人舞台であったが,終戦後和歌山麒串本勒高岡省吾ほ福原の栽培に成功し,再び福原熱が全国紅勃 興するに至った.田中良三郎先生並に兎海近畿農試園芸部の松井技師は福原オレンヂが三分ノー温州の汐ユ−・ス中に 入れば決して米国産に劣らないと激為せらるゝに至り福原オレンヂの前途ほ渾たるもので余も昨年果皮より香料の浸 出に成功し合成甘味水に入れゝば立派に合成汐一コ∴−スと.して常用出来,決して米国産のジュイ、一に劣らぬ合成汐ユ叫 スの製造に成功した 静岡罠試時代の柑橘の朝究は主として優良系統の選抜紅重点を置.き,早生変異枝の基部に.於ける瘡は秋季以外の時 でも早生の変異枝である第一の特徴であると断定した… 従来ほ単に枝変りと称していたが余が変異枝なる言葉を使用 するに至り今l三lでは一般化している. 蕗共果樹では梨に全力な注いだ.富士梨は大崎技師が専ら指導し,余は志太梨の産地である志太郡下を指導した・ト 前述の人工交配を全国に先立′:)て行い,柿ほ県の東部は大崎技師,西部ほ余が指導であった..全国に知られている遠 州の治郎柿ほ純然たる散在的栽培で森町農会主催に.て瀾定師の黄成講習会を行い,検定の結果証書を与えたのであっ て,例え散在的栽培と云え周智邸の治郎柿ほ弊定施肥を共同で行い,出荷ほ皆≒遠州の治郎柿≒ と云う統一したレッ テルを用い周智都農会で共同販売を行っていた−その際不結実の老木があり如何に相木に万全の注意を払っても依然 として不結実であると知り砧木の系統が如何に穂木に影響するかを知り,今日の系統分離の基礎を作った.以上の様 に静岡農試時代ほ姫心境研究所長であった矢後正俊技師,県農会の原摂祐技師とは常に連絡を取り病虫害ほ専ら両人 の指導の許に行い,今尚両者と.ほ親交を続けている尚土曜日の午後を利用し興津の園芸試験場へ赴き故谷川利善技 師や大崎守技手に常に厄介になり凡ての点に.於て指導を受け,その当時の興津の場見や練習生ほ余が桜会の会員の様 に今滴恩つてこいられる新津宏技師が野呂さん桜会の会員になって■ほ如何,毎週凍ていては充分会員の督格はあると 云っていたが入会費5円のお金がおしくて遂に入会しなかったい お蔭でその後何れの府県農事試験場を訪わても・一人 ほ余を知っている技術者がいる.何れもその当時興津乾いた人々で,極めて一便利な挙がある尚又県東部艦は富樫技 師が指導していた所があるから富樫技師とも御懇意に勧噸いせねは円満な指導は出来ないと察し,之れ文士曜から日 曜日に掛ナて−御伺いし,冨樫技師日く野呂君よく来たな,如何程でも教えてやるから今晩は僕の家で泊って充分貿旧 し給えの調子で丸で先生が教え子に対する態度であった‘一度神奈川県へ講演を頼まれて−早生削、卜匿就て一席した事 がある㌫樫技師日く男も一\人前の技術老になったなと云/つて師弟の間柄の様であったが今や幽明異にして故谷川技 師と共に御礼の御言葉を捧げる串の山来ないのほ極めて残念である. 昭和12年12月28[‖]けで官界を引退し,竹′鴨り友長派富郎の経営に掛る花王石鹸株式会社の工場である大1]本油脂 に入社し油脂貿油調査並に」衰イ離「算を担当した.我国でほ利用路のないヤプユッケーの実からヤプニッケー脂を搾り チョコレー・トの代用品が出来た.その後合成化学の進歩で専ら合成物に代り,独乙ではコ−・ルタ−・ルから人造バタ− の製造に成功したが我国では或程度以上ほ如何にしても出来ず,山桜の果梗が独乙に.輸出されで或軍需品の原料にせ られ,静岡から災橙からオレンヂ仙を搾ったから使川路ほ.ないかと矧畏jされたが辿も合成香料には敵わず,その他研 究部にては副産物の利用に全力な注いでいた.此の時に初めて農園芸方面も副産物の利用に全力を注がねほならぬと. 痛感した.又レラートニングオイルであるエコナ・の工場イヒと共に製品を森永その他の製灘会社に送り商品としての御 指導を仰ぎ今日の様なクリスコに劣らない優良レヨ−・トニングオイルの製造が可能濫なったu 園芸方面も製品の使用 研究を何故やらないかと.痛感し,今日の余の研究方針ほ全く花王時代に基いている 又傍系会社の工場監査を行って いた際英工場が赤字であった.その筈はないと.思い凡ての率を調べた処全く出鱈日で実績濫敬して原価討罪を行った 処一・変して果字に.なった,現場の技術者の責任が蓮大である事を知った、即ち充分観察力を持たわば頁の率をつかむ 串が出来ない.之れ又余の方針の一つである. 昭和25年に前身香川農専の傾斜地研究所勤務兼良尊敬授の約束で赴任した処全く予定に反し教授専任でオリブと柑 橘即ち龍緑果樹を担当する事に.なった.文献Maniaである余ほ先ず第一・にオリブの世界の状勢を知ろうとして−諸外国 に文献の交換を申込んだ,外国人ほ極めて顆矧で殊にMaIOCのEl.ANTは北阿の仏領諸国へ余を紹介してくれて仏領西 アフリカの熱帯植物園始め各地から何々を送って−くれとの依線状が来ると云う状態で又EspanaのSANCFIEZ−MoNGE からほ】・こ初君の丸猷を送ってくれとの一・枚のカ「ドが縁でその後親交を続ける様になった,同氏ほ趣く親灯で各オリ ブ研究者へ余を紹介してくれて迎も入手困難な独順の文献,数十桂が一度に送られ,その数数百種に達した.今後最

(10)

ユ10 香川大学農学部学術報告 も注目すべきほプラデルのオリブでP6rto Alegreの試験場からは日本語の文献でも差支えないから全部送ってくれ, 日本のオリブの技術を導入したいと云って来た1勿論日本語とポルトガル語に.精通している二世がいるから少しも差 支えないとの串でRio Grande doSul州では.盛に植伺けて−おり一万町歩の大経営者が如何種でもあって今後が期待さ わる.・併しS紬Paulo附近.でほ気温が高過ぎて経済的栽培は不可能であろうと推定していたが,東山農事会社の山 本苗誉司総支配人からの通信でほ物好きが僅か試作していると.の事で余の推定が命中した.只思う様に.文献が入手出 来なかったのほ仏の本国である.栽培面積から云えほ世界・で六,七番目であるが研究ほ群を抜いているい ELANT始め 北阿の植民地にいた技術者が今春殆ど本国勤務となったから今後は思う様仏国の文献も入手出来ると思う.大井上表 が仏国式の技術を導入して栄港週期諭な唱導・したのほ尤もな事である= 是等の技術者の菜椋よりして.既報の各試験を行ったのであって深耕の際天地返しほ大禁物と.あると称しているが余 が方針と.全く・−・致している. 柑橘に威ては系統調査に恵を注ぎ殊に砧木の系統調査即ち倍数体砧木と槻木の成長は最も興味ある問題で余り我国 では行われていない.今後も此の力面の研究に全力を注ぐ予定である. 本年5月15日に小豆島観光協会主催,県後援の許にオリブ栽植50周年記念祭が内海町で盛大に挙行され,余も功労 者の−1人として知事並に観光協会から表彰され身に余る光栄で頂戴した記念品ほ永久に子孫に伝わり一刻も忘れる事 が出来ないだろう… 香川農尊時代より農学部に至る満9ク年ほ幾多の波乱に富み思う様に周場も得られず,従って.顕微鋭的の仕事濫屈 点を置かねばならぬ羽目に陥ったのは丁度浅見君の凍大時代と全く同じで,後輩諸氏の為め新部長には果樹園を自由 に使用出来る様便宜を計られん事を切に切に御願いして止みません・殊にオリブの研究は国家的の仕事であり香大農 学部にで施行しなければ何れの研究所でする′か,50年間農林省の補助金を得ているのほ全国的にオリブの外ないとの 串で,農学部としてオリブ園のないのほ香川県の恥であり且つ日本の胱で大に感情に・走らず公平の日を以て国家的の 仕事に全力を注いで頂きたい… 昭和29年頃同大農学部から果樹の教授として願望されオリブ園一町歩新設,給料は正規に依り一・万円以上増額その 他好条件であったが只一ルつ道三に添わない点があり御断りして終始番犬に御厄介になり,最近5ケ年間に世界的発見を 三つ,我国鼠初の発見三つの業絞を残したのほ全く名教′日が常に御援助下さいました賜で永久軋忘れる事が出来ず, 今後も万難を排し世界人類の為め従来の研究を縫紋する予定ですから不相変御援助の程御願い申します.曽て貴重な 文献を一部紛失したから特定外の方々にほ一・斉私有文献の矧虫を禁じマイクロフィルム作成の上突放分譲しますから 慈からず御恩召下さい…

ACKNOWLE【)GEMENT

The writer wishesto make gratefulacknowledgement to each of the 董01lowlngindividuals:thelate Professor H・HARA,Faculty of Agriculture,TokyoImperial UniveISity who was his overseer at Tokyo ImpeIialUniversity,Dr。YlrAsAMI,his classmate,Emetitus Professor of Tokyo University who was his

adviser during40 years,Dr.CHOZABURO TANAKA,internationalauthority of citrus,alltheinstructors

at Kagawa Agricultural College who helped in Dlanning his experiments

Specialacknowledgement for sending him severalpublications and othersis given to DrTBzoLETTI,

late Professor of California University 50 yeaIS agO,Dr.H.T HARTMANN,Associate Professor of Califomia UniveISity who gave him valuable suggestions,MIhCuENOT and H.,ELANI,Former Chef du Service del,Horticulture,Ministere del’Agriculture et des Forets,Empire Ch岳rifien,Who sent him many

valuable publications and others(assoon as Mr一H ELANTinformed him the establishment of(モF6d6ration

Internationald’01畠iculture”in Madrjd,Espana,Writer prposed to send him the new journalof olive abstractin the world and recently received aletter 土rom the GeneralManagerJESE NAVARROy G‖DE CANALES,in which he states that the first number of ourIntelnationalMagazine on the Olive・tree

andits product was sent),Mr G VALDEYRON,Former Directeur de Service Botanique,Tunisie,Mr。 J..LouvRIER,Former・Le Chef de Station de Re:herches pourl’oleiculture et rArboriculturc,Mr”E,.

BALDINI,1nstituto diColtivazioniArbores,Fir・enZe,Mr.CARlOS FusTADO PEXIXOTO,Chefe Servico Olるicola,Pe.rtoAlegre,MrC血R.PANETSOS,SuperiorCollege of Agr・iculture,Athene,Greece,Who sent

(11)

1⊥1

第10巻第2号(1959)

himmanyValuablescions andseeds of strains of O16aster and cold resistant varieties,Drり SANC=EZ− MoNGE,Chf・PlantBreedl・Dept,Estaci6n Experimentalde Aula Del,Zaragoza,Espana whosent him

some seeds of Pimiento for olives and some new style olives,eSPeCially Anchovies Stuffed Olives which

writer・has not known up to date andintroduced him,tO many rnStitutes of Olive of Espana and A VARGAS RoMERE,DiIeCtOr’てGrasas y Aceites”,Who sent him so many p11blications

NOTICEEEEEE

The wziter descIibed the title of his}Originalpapersllnder、the chapter of”NoRO’s Papers during40

参照

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