Official News Letter
vol.
22.Dec.2005
121
編集・発行 社団法人日本プロサッカーリーグ ホームページ http://www.j-league.or.jpJ.League Official Sponsors
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2005Jリーグディビジョン1(J1)、同ディビジョン2(J2)は、12月3日にそれぞれ第
34節、第44節の最終節を終了した。J1はガンバ大阪が初優勝を飾ると同時に、関西勢として
は初のJ1優勝チームとなった。また、2005Jリーグヤマザキナビスコカップにおけるジェフ
ユナイテッド千葉の優勝に続いて、G大阪がタイトルを獲得したことにより、Jリーグ発足時の
10クラブはすべて、Jリーグ(年間、ステージ)、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯全日本サッ
カー選手権大会のいずれかに優勝の実績を残すことになった。得点王は33ゴールをマークした
アラウージョ(G大阪)。J2への降格は、前号でお伝えしたヴィッセル神戸と、Jリーグ発足時
からのメンバーだった東京ヴェルディ1969。また、柏レイソル(J1の16位)とヴァンフォ
ーレ甲府(J2の3位)によるホームアンドアウェイ制の入れ替え戦は、2試合合計8−3のスコ
アで、甲府が初のJ1昇格を決めた。柏は来季、J2で戦うことになった。J2は前号既報のよう
に京都パープルサンガが優勝を決めた後、アビスパ福岡が2位の座を確保した。
G大阪がJ1優勝
関西勢で初の栄冠
©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOSJ1の優勝争いは、空前の大接戦となった。 最終節を前にして、1位のセレッソ大阪から5 位のジェフユナイテッド千葉の5チームが勝点 2差のうちにひしめき、優勝の可能性を残して いた。最終節は、すべての会場が午後2時の キックオフ。県立カシマサッカースタジアム (鹿島アントラーズ対柏レイソル)、フクダ電 子アリーナ(千葉対名古屋グランパスエイト)、 等々力陸上競技場(川崎フロンターレ対ガン バ大阪)、新潟スタジアム(アルビレックス新 潟対浦和レッズ)、長居スタジアム(C大阪対 FC東京)の5会場で、優勝を目指す戦いが スタートした。 タイトルへの最短距離にいたのはもちろ ん、2位のG大阪に勝点1差をつけていた首 位のC大阪だった。ホームのF東京戦に勝 利を収めることができれば、他の試合の結果 にかかわらず、自力での優勝が決まる。ほと んどがC大阪のファン・サポーターといえる 43,927人の大観衆の前で、3分にFW西澤明 訓が先制のヘディングシュートを決め、幸先 のいいスタートを切った。20分には一度、同 点とされたものの、後半開始直後には再び西 澤がけり込みリードを回復。試合はC大阪が 2−1のスコアを保ったまま、時間が過ぎてい った。 左ひざを故障していたFW大黒将志が4試 合ぶりに復帰したG大阪は、FWフェルナン ジーニョ、MFアラウージョと自慢の攻撃トリ オがそろい、アラウージョが4試合ぶりのゴー ルを決めて先手を取ったが、前半を1−1で折 り返した。 このハーフタイムの時点で首位に立ったの は、3位の浦和だった。第33節でジュビロ磐 田に1−0と競り勝ち望みをつなぐと、アウェ イの新潟戦は前半に2点のリードを奪った。 浦和と同じ勝点56で最終節を迎えた鹿島 は、トニーニョ セレーゾ監督にとってJリー グ最後の試合。6年間にわたりチームを率い た指揮官に有終の美を飾らせようと、やはり2 点差をつけて前半を終了した。 優勝というゴールの見えてきたC大阪は、 それまでのリーグ戦15試合で2 失点以上を喫したことがない堅 守で、タイムアップを迎えるかに 第33節には17位の東京ヴェルディ1969が16位の柏レイ ソルとの直接対決に1−5と大敗し、すでに降格の確定してい たヴィッセル神戸とともに、来季はJ2で戦うことが決まっ た。Jリーグ発足時から2連覇など、草創期のリーグを引っ 張った強豪の降格は、寂しい限りだ。
東京Vが
J2降格
みえた。ところが、ロスタイムに突入する直前、 ゴール前の混戦からF東京に同点ゴールを 許し2−2の引き分け。勝点59で今季の戦い を終了した。 一方、G大阪は後半、DF宮本恒靖がヘデ ィングシュートを決めてリードを奪う。川崎に 再び追いつかれたものの、79分にMF遠藤保 仁がPKを決めて3−2。さらに89分には、ア ラウージョにこの日2点目のゴールが生まれ、 4−2と勝利を確かなものとした。「終了間際 に自分たちがそういう立場(首位)にいると知 って、その中でホイッスルが鳴った」(宮本)と いうG大阪は勝点を60に伸ばし、ゴール寸前 でC大阪を抜き去った。 就任4年目でビッグタイトルをもたらした西野 朗監督は「最後までG大阪のスタイルを、や ってきたことを貫いてくれた。選手たちはよく やってくれた。ただ、それだけ」と感涙に声を つまらせた。終盤戦は実に苦しい戦いだった。 第28節からの2連敗、第31節からの3連敗で 首位から転落し「半分は自分たちの手から離 れた優勝」(宮本)という状況だった。だが、ラ イバルたちも思うように勝点を積み重ねるこ とができず、首位に勝点1差のまま最終節に 臨むことができたのも幸運だった。 最終節で浦和が新潟に、鹿島が新潟にそ れぞれ4−0と快勝、千葉も名古屋に2−1の 逆転勝利を収めたため、5位となったC大阪 だが、後半戦の安定した戦いは称賛に値す る。第19節以来負け知らずで、優勝戦線に 躍り出た。惜しむらくは最終の2節。第33節 の横浜 F・マリノス戦、前述のF東京戦と いずれも試合終了直前に同点とされ、引き分 けにもち込まれた。小林伸二監督はそのあた りを「守りきれれば本当に強いチームだった。 経験が足りなかった」と振り返った。 チーム数が16から18に増加し、2ステージ 制から1ステージ制に移行した今季、数多くの チームが優勝争い、残留争いに絡み、目を離 せぬ展開の連続でリーグは大いに盛り上がっ たといえるだろう。 チーム ガンバ大阪 浦和レッズ 鹿島アントラーズ ジェフユナイテッド千葉 セレッソ大阪 ジュビロ磐田 サンフレッチェ広島 川崎フロンターレ 横浜 F・マリノス FC東京 大分トリ二ータ アルビレックス新潟 大宮アルディージャ 名古屋グランパスエイト 清水エスパルス 柏レイソル 東京ヴェルディ1969 ヴィッセル神戸 勝点 60 59 59 59 59 51 50 50 48 47 43 42 41 39 39 35 30 21 勝 18 17 16 16 16 14 13 15 12 11 12 11 12 10 9 8 6 4 分 6 8 11 11 11 9 11 5 12 14 7 9 5 9 12 11 12 9 敗 10 9 7 7 7 11 10 14 10 9 15 14 17 15 13 15 16 21 得点 82 65 61 56 48 51 50 54 41 43 44 47 39 43 40 39 40 30 失点 58 37 39 42 40 41 42 47 40 40 43 62 50 49 49 54 73 67 得失点差 24 28 22 14 8 10 8 7 1 3 1 -15 -11 -6 -9 -15 -33 -37 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ■ J1順位 ガンバ大阪の初の優勝を心から称えます。 Jリーグ13年目にしての初優勝は、選手、 クラブ関係者そしてサポーターをはじめ、 長く応援してくださった多くの方々にとっ て、感極まる瞬間であったことでしょう。 今季のガンバ大阪は、西野監督の下、爆発 的な攻撃力と強固な守備が融和し、見る者 を飽きさせないダイナミックなサッカーを 展開しました。 ガンバ大阪の強さは一朝一夕で作られた ものではないと思っています。クラブ設立 当初から、Jリーグが理想とする一貫指導 による下部組織の選手育成に力を入れ、多 くの優秀な選手を育ててきた成果が結実し たものとうれしく思います。 最後まで優勝争いに加わったセレッソ大 阪とともに、今後、関西のサッカーが発展 する大きなきっかけになることを期待して います。 順位 1 2 3 3 3 6 6 8 9 10 10 10 選手 アラウージョ ワシントン エジミウソン 佐藤寿人 マグノ アウベス ジュニーニョ 大黒将志 アレックス ミネイロ カレン ロバート 阿部勇樹 巻誠一郎 前田遼一 所属 ガンバ大阪 東京ヴェルディ1969 アルビレックス新潟 サンフレッチェ広島 大分トリニータ 川崎フロンターレ ガンバ大阪 鹿島アントラーズ ジュビロ磐田 ジェフユナイテッド千葉 ジェフユナイテッド千葉 ジュビロ磐田 得点 33 22 18 18 18 16 16 15 13 12 12 12 ■ J1得点ランキング上位■ 5会場で同時にキックオフ
■ 抜け出したのはG大阪
チェアマンコメント
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技術・アカデミー部を新設
opics
T
京都が早々とJ1昇格決める
福岡も続く
J2
甲府が初のJ1昇格決める
入れ替え戦で柏を圧倒
J2の3位を確保した甲府の大木武監督は 「われわれはまだ何も手に入れていない」と、 入れ替え戦に向けて気を引き締めたが、その 決戦の相手は柏レイソル。こちらは2年連続、 入れ替え戦への出場だ。2004年は福岡をホ ームアンドアウェイの2試合とも2−0で破り、 J1残留を決めている。 2005年の入れ替え戦の初戦は12月7日、 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場におけ る甲府のホームゲーム。先手を取ったのは 柏。11分にFWレイナウドのヘディングゴー ルで好スタートを切った。しかし、運動量に 優る甲府も盛り返し、25分にMF倉貫一毅 が同点とすると、後半終了直後にはFWバ レーが逆転ゴール。試合終了直前には停電 により35分間の中断というアクシデントも あったが、第1戦を2−1とものにした。 3日後の第2戦も、リードを奪ったのは甲 府だった。10分に口火を切ったのはバレー。 27分にもPKで1点を決めた彼は、さらに4点 を加え、ダブルハットトリック(一人の選手 が1試合で6得点)の大活躍。甲府は6−2の 大勝により、2試合合計8−3という圧倒的 なスコアでJ1初昇格を決めた。 入れ替え戦から昇格チームが生まれたの は、Jリーグ史上初めてのこと。大木監督 は「来季に向けてさらにレベルアップしたい」 と、J1での戦いに向けて抱負を語った。 また、柏は1995年の昇格以来、初めての降 格となった。愛媛FCが新加入
J2 2006年シーズン
来季はJ1に新たなチームが登場するわ けだが、J2にもニューフェースがお目見えす る。第7回日本フットボールリーグ(JFL)に初 優勝を飾った愛媛FCだ。 JFLもJリーグ同様、12月3日に最終節 (後期第15節)を迎えた。前節にJ2昇格条 件の一つである2位以内を決めていた愛媛 FCは、2位のYKK APに勝点2差をつけて おり、最終節のデンソー戦に臨んだ。そして 2−0の勝利を収め、JFLの初優勝を決めた。 愛媛FCは1970年、松山サッカークラブ として創立。1995年にチーム名を愛媛FC に改めた。JFLに参入した2001年は12位だ ったが、その後は6位、3位、5位と安定した 成績を残し、2005年の優勝への基礎固めを 行った。 四国からのJリーグ加盟は、今季の徳島 ヴォルティスに続いて2番目となる。 ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©©©©©©©©J.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOS©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS
2006年は初めてJ1が18クラブ、J2が12クラブの30クラブによる 編成となりました。 シーズンスタート時は、J1の18チーム1ステージ制の新しいシステ ムが浸透するか、中だるみしないかという心配もありましたが、結果的 には、中だるみの心配は杞憂に終わり、終盤に至っては、5チームが 優勝争いに絡むという盛り上がりを見せてくれました。 今季は何と言っても大阪勢の頑張りでしょう。1993年Jリーグ開幕 時の10クラブ中唯一の無冠クラブであったガンバ大阪が、関西で初と なるタイトルを獲得したことを心から称えたいと思います。一方惜しく も最終節で優勝を逃したセレッソ大阪も最後まで素晴らしい戦いを見 せてくれました。関西での盛り上がりは、Jリーグの長年の課題でし たが、大阪の2チームの活躍が、今後の関西サッカーの発展につなが ることを期待しています。 J1の混戦は大変な盛り上がりを見せましたが、一方で、どのチーム も長丁場を乗り切る安定的な力を発揮したとは言い難く、来季以降も 続く1ステージ制のチーム作りの課題も残しました。 東京ヴェルディ1969、ヴィッセル神戸、さらに柏レイソルは、残 念ながらJ2降格となりました。3クラブともJリーグの中では経営基 盤が安定しているクラブです。各クラブには、この経営基盤の安定を 支えに、あらためてしっかりチームを立て直してほしいと期待しています。 一方、J1への昇格が決定した京都パープルサンガとアビスパ福岡 は、過去にJ1を経験しているクラブです。目先の補強などに走らず、 長期の戦略を立ててチーム作りに取り組み、しっかり力をつけて昇格 を決めたことをうれしく思います。また、J1・J2入れ替え戦で見事 初のJ1昇格を決めたヴァンフォーレ甲府は、クラブ存続が危ぶまれ た時期もありましたが、身の丈に合った経営とたゆみない努力を続け、 ここ数年は常にJ2の上位争いに加わってついに結果を出しました。 来季J1に昇格する3クラブは、Jリーグの目指すべき方向を示して いるといえるでしょう。 J2には今年新たにザスパ草津、徳島ヴォルティスの2クラブが加 わりました。率直な印象としては、JFLからJ2に上がってきたクラブ が、Jリーグになじむには、まだ少し時間がかかるだろうと感じていま す。来季は愛媛FCが新たにJ2に入会しますが、Jリーグのクラブと してチーム力や経営基盤が整うには、やはり少し時間がかかるでしょ う。ぜひ長期的な目線でクラブ作りに取り組んでいただきたいと期待 しています。四国のJクラブが2地域に増えたことで、来季の四国ダ ービーが盛り上がることを楽しみにしています。 伝統あるヤマザキナビスコカップですが、ようやく定着してきたこと を実感する年となりました。ジェフユナイテッド千葉とガンバ大阪の決 勝戦では、国立競技場が45,039人のほぼ満員の観客に埋め尽くされ ました。勝ち上がるクラブによって決勝戦の入場者数が変動すること を危惧しましたが、今年度の盛り上がりはヤマザキナビスコカップ に多くのサポーターが定着したことを証明するものとうれしく感じ ています。 初優勝を決めたジェフユナイテッド千葉にとっては、今年はフクダ電 子アリーナの完成とともに、記念すべき1年となったことでしょう。 今年は、国内外でレフェリーに関して注目が集まった年となりました。 さまざまなレフェリー批判が出たことは事実ですが、レフェリーに対す る関心が高まったことを象徴するものと前向きにとらえています。レフ ェリングがいかに大切か、そして、いかに難しいか。この2点を多くの 方に理解していただくためのスタートラインに立ったと思っています。 レフェリーのレベルが上がり、不満のないレフェリングによって試合 が行われることは、サッカー界にとって永遠の課題といえるでしょう。 1人の人間が、22名のプレーヤーをコントロールするという極めて困 難な状況の下にレフェリーは置かれています。その中でレフェリーの判 定を尊重すること、それも含めてサッカーだということをぜひ理解して いただきたいと思っています。 今年、Jリーグを観るためにスタジアムに足を運んでくださったお 客様は、過去最高の8,539,178人。J1リーグ戦1試合当たりの平均入 場者数は18,765人、J2では7,482人を記録しました。各地のJクラブ が地道に努力を積み重ねてきた結果と感謝しています。 アルビレックス新潟は、J1リーグ戦で、2年連続Jリーグ一の総入 場者数681,945人、1試合当たりの平均入場者数40,114人を記録しま した。首都圏以外で、成績や代表選手の人気などに頼らずに、世界一 の平均入場者数(37,565人)を誇るドイツ・ブンデスリーガ並みの平均 入場者数を記録したことは、特筆に値します。地元の多くのファンが “おらが町のチーム”アルビレックス新潟に共感していることをよく示 しているといえるでしょう。 今季は過密日程への批判も起こりました。日程調整についてはさま ざまな問題が起こりましたが、ヨーロッパではもっと過密な日程が組ま れているのも事実です。ワールドカップ年に限らず日程調整は年々重 要な課題となっており、解決しにくい永遠のテーマでもあります。日程 調整がリーグの運営にいかに大事な要素であるかということを多くの 方に理解していただきたいと思うとともに、選手を無視した興行主義 に走らないよう注意が必要だと感じています。 子供たちの育成とサッカーの普及は、まさに「Jリーグ百年構想」の 柱です。Jリーグ・アカデミーの活動とともに、各クラブの取り組みは 年々真剣になっており、将来に大きな期待を寄せています。地域の理 解が促進されていることも実感しています。 また、現在Jリーグを目指す団体が全国で増えていることも、「Jリー グ百年構想」が広がってきた証しとうれしく思っています。Jリーグが、 それらの団体に対して、今後どのように夢を与えていけるかが重要だと 考えています。 来季以降も引き続き1ステージ制のリーグ戦を実施します。より多く のファン、サポーターの皆様に、1年間を戦い抜く厳しさ、難しさととも に、その魅力を理解していただけるよう、Jリーグ・Jクラブとも引き続 き努力していくことが必要だと思っています。
2005年チェアマン総括
J 1/ J 2
ヤマザキナビスコカップ
レフェリーについて
入場者数
日程について
Jリーグ百年構想
2006年に向けて
©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©©©©©©©©J.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSスイスは1904年に国際サッカー連盟(FIFA) が8カ国で発足したときの初代メンバーだ。し かし、イタリア、スペイン、イングランドなど欧州 のサッカー大国に比べて地味な印象は否めな い。物価の高さは世界有数で、国民の所得も 高い国でありながら、サッカーの市場に投下さ れるお金はあまり多くないのが実状だ。選手 の育成も長年、クラブの自助努力に委ねられ てきたが、オーストリアとの共催で2008年欧州 選手権(EURO 2008)のホスト国に決まった のを受け、スイスサッカー協会(SFV)は独自の 選手育成プロジェクトに着手した。3大会ぶり のワールドカップ出場を決めたスイスの育成へ の取り組み、さらに日本でも制度がスタートし たスタジアムの指定管理者制度の先駆け的な 存在ともいえるバーゼルユナイテッドの運営に ついて紹介する。 これはSFVが推奨するスイス・サッカーの 哲学だ。SFVは、年代別のエリート養成プロ グラムを立ち上げ、クラブもしくは協会選抜の トレーニングチームで実践している。11歳か ら15歳までのゴールデンエイジ前後では1日 500∼1000回のボールタッチで、細かな足技 のテクニックの習熟を勧めている。また、14 歳から21歳では、エリートプログラムを実施 できるクラブを認定し、そのクラブにはレベ ルに応じてSFVの育成基金から年5万∼15万 ユーロの補助金を支給している。クラブは、 選手の移籍金が発生した場合、一人につき 6,000ユーロをこの育成基金に支払う。「自分 たちで選手を育てる」「それでも選手を放出す る場合には、移籍金の一部を国全体の選手 育成のために還元する」というのが協会の基 本理念のようだ。 さらに、E U R O 2 0 0 8 に 向け 0 3 年 から 「Futuro08」プロジェクトを立ち上げ、U-20で 特に優秀な選手を集めた集中トレーニングを 実施している。選手たちは全員プロクラブで 活躍するユース代表選手だが、現在このプロ ジェクトから5人がナショナルチームに選ばれ ている。 こうしたエリートプログラムと並行して、SFV は、多くの子供たちが親の過度な期待や干渉 によって可能性を潰されてしまうことを危惧し、 「ミスプレイを怒らないで」と書かれた親に向け た絵本やカードを作るなどの活動も行ってい る。 FCチューリッヒは、精密機器などの製造業 が盛んなチューリッヒの工場地域の真ん中に 位置する。ホームスタジアムの周りは工場の 煙突に囲まれ、空には白い煙 が立ち込める。 FCチューリッヒは01年夏か ら、「トップにつながる選手育 成」を明確に打ち上げ、地域 のクラブと連携して優秀な選 手の発掘に力を入れている。 年間予算は、1千万スイスフ ラン(約9億円)とスイスの強 豪クラブ、バーゼルFCの4分 の1だが、そのうち20% を育 成に投入している。Jリーグ の下部組織の予算がクラブ 全体予算の5%前後といわれ ているから、若年層の強化へ の力の入れようが分かる。 とはいえ、年間予算の多くは地元飲料メー カーなどの大口スポンサーとスイス有数の実 業家として知られる会長の支援に頼っている。 選 手 獲 得などクラブ 運 営 の 実 務を仕 切る Sportchef フレディー・ビッケル氏は、この現状 を打破すべく、EURO2008に向け、代表選手 を送り込むのと並行して、大会に向けて改修 予定のホームスタジアムの運営とグッズ販売 などのクラブ経営の改革で、大幅な増収を図 るという青写真を描いている。 下部組織から優秀な選手を育て上げるとい う方針は、多くのJクラブに通じるものであろ う。スイスでは「スポーツ選手」という職業が政 府に認められており、地域の学校や職業訓練 校は、選手たちが立派なサッカー選手になれ るように、そしてもしプロになれなくてもスイス の社会で生活していけるように、十分なサポー ト体制を整えている。Jリーグ・アカデミーは サッカー協会や地元のクラブなど地域との連 携を急務としているが、学校を巻き込んだ選手 育成はここでは一歩進んだ形で実現している ようだ。 バーゼル・ユナイテッド(株)は、クラブでも管 理会社でもない、スタジアム経営会社である。 スイスの強豪チーム、FCバーゼルとスタジアム の両方をマネジメントしている。 FCバーゼルは1893年に設立された古豪ク ラブだ。バーゼル・ユナイテッド(株)は1999年 に民間企業からスタジアムの経営権を譲り受 けた。2001年に完成した新スタジアムは、 広々としたセント・ジャコブ公園の中にあり、下 は大型ショッピングセンターになっている。780 台収容の駐車場利用者の半数以上は買い物 客である。 連日多くの視察が訪れるスタジアムには、老 人用アパートが併設されている。入居者は建物 の一角にある特等席から試合を観戦すること ができる。ここに入居しているのはほとんどがサ ッカー好きな老人で、面会に来た孫たちと試合 観戦を楽しむ光景が思い浮かぶ。 年間を通してFCバーゼルが試合にスタジア ムを使うのはたったの30回だが、サッカー親善 試合、他のスポーツ、オペラ、ロック・コンサート、 文化イベント等で、年間1,200回もフルに使用 されているというから驚きだ。半面、天然芝の 維持には相当なコストもかかっている。新スタ ジアム完成当時、経営会社となったバーゼル・ ユナイテッドを危惧(きぐ)する声が周囲から多 く上がったが、CEOのクリスチャン・ケルン氏は 今までにない試みに、内心不安を感じながらも、 自分たちの先見の明を強く信じていたという。 バーゼル・ユナイテッドの経営は見事に成功し て、FCバーゼルも今や押しも押されもせぬスイ ス1、2を争う強豪クラブにのし上がった。02− 03UEFAチャンピオンズリーグでは強豪リバプ ールを倒し、スイスのクラブとしては初めて2次 リーグへの出場も果たしている。 3 1 , 5 0 0 人 収 容 の スタジ アムは 現 在 EURO2008に向けて10,000人ほどの増席工 事中だが、1試合当たりの入場者は平均25,000 人。そのほとんどは年間シートで売り切れ、当日 券が4,000∼5,000人というから、試合の観客 動員においても健闘している。ここまでフル稼働 しているスタジアムを日本では聞いたことがない。 最後にケルン氏は、来年以降スタジアムの人工 芝化を検討していると話してくれた。日本でも、 指定管理者制度が導入され、収益の上がるス タジアム運営に注目が集まるが、人工芝になっ たバーゼルのスタジアムに果たして魅力がある のか否か。サッカーの理想と商業主義の駆け引 きがここでは行われているようだ。
「すべては子供のサッカーから始まる」
スイス・サッカー協会
「自分たちで優秀な選手を育てる」
FCチューリッヒ
Jリーグ・アカデミー海外研修リポート①
《 ス イ ス 》
Jリーグ広報部 入江抄子
バーゼル・ユナイテッド
FCチューリッヒのホームスタジアムLetziground(レツィグラウンド) 老人用アパートが併設されたFCバーゼルの スタジアムJoggeli(ヨッケリ) ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©©©©©©©J.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOSJ.LEAGUE PHOTOS©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS ©J.LEAGUE PHOTOS
「Jリーグニュース」は100% 再生紙を使用しています。 写真提供:©J.LEAGUE PHOTOS 僕はリュックを背負い、朝から晩まで50キロを歩き続けた。足の裏は まめだらけだし、食欲もない。これで終わりならいいのに、1時間半の仮 眠をとったら、残り25キロを歩こうが走ろうがゴールまで勝手に進めとい う。気が遠くなったのを覚えている。 高校1年の晩秋。通称「歩く会」。高校3年間、修学旅行の代わりがこ れだった。作家、恩田陸さんが著した『夜のピクニック』の舞台にもなっ た恒例行事は、衝撃的だった。だって、10キロさえ走ったことがない生 徒に、いきなり80キロ近くの踏破を求めるなんてありえないでしょ? 距離はフルマラソンならぬダブルマラソン。序盤ではしゃいだ友は道 半ばで救護バスに乗りこんだ。仕上げに入った25キロの途中、自力で 歩けなくなった女の子もいた。ゴール手前で力尽き、数人の仲間に肩や 背中を支えられてテープを切った奴もいたなぁ。 今季、Jリーグの取材を重ねる中で、鮮明に蘇ったのが、この「歩き 方」だった。 経験したことがない距離をどう歩き通すか。出発の2カ月前から、体育 の授業は毎回7キロ程度のジョギングになったけれど、75キロを想像す るにはあまりに距離が乏しい。歩き方もペース配分もわからない。飛ば しすぎるとガス欠を起こすだろうし、エンジンの温まりが遅れると最高速 には達しない。考えれば考えるほど頭は混乱していった。 定年を間近に控えた体育の先生はこう言った。彼はもう30回目の「歩 く会」だった。「75キロ全体を見渡してペースを考えろ。上りは小股で。 下りも必要以上の大股は危険だ」。要は、状況に応じて一番疲れない 方法を考えろ、ということだったのだと思う。 昨季まで、Jリーグは前後期、2回のハーフマラソンを走ったようなも のだった。各チームはそれに慣れている。10キロも走ったことがない高 校1年生と同じで、いきなり1シーズンのフルマラソンを走れ、と言われ たって、難しかったのは体験から理解できる。 上位だけ見ても、序盤から飛び出した鹿 島は5−21節まで首位をキープし、昨季ま でなら独走で前期を制している。でも、そ の後はガス欠を起こした。優勝したG大阪 は鹿島と入れ替わって首位を保ちながら、 一時は逆転を許して首の皮1枚だった。 後半戦で、エンジンが温まったC大阪と 浦和は、序盤でともに最下位を経験してい る。結局、優勝をつかめなかったのは、出 足の悪さに起因していたと思う。千葉は中 位をキープしては来たが、ナビスコ杯優勝 後の厳しい日程の影響もあって、最後まで 最高速には達しなかった印象が強い。中位以降を含めた全18チームと も、選手のけがや根本的な疲れの影がちらつき、どこかで必ずつまずい た。 「ひとつひとつ、目の前の試合に集中する」と各チームの監督は口を そろえていた。目の前の坂を上るため、横の相手を追い抜くために全力 を尽くすあまり、フルマラソンを走りきるために残る体力やかけひきなど を強く意識していなかったのが要因だったと感じる。 常に全力で、最高の試合を見せようとする姿勢は、プロとしては当然 だしJリーグの発展を考えるうえで欠かせない要素ではある。否定する つもりはさらさらないが、リーグの方式が変わった以上、戦い方にも変化 が出てきてよかったと思う。 最も顕著なのがホームとアウェイの概念。昨年までは前期、後期とも 各チームと1試合を行うだけで、ホームとアウェイの戦いをトータルで考 える必要がなかった。 でも、1ステージ制となった今季からは、各チームとホーム、アウェイ で1試合ずつを戦った結果がすべて成績に直結する。プロとしてサポー ターを喜ばせたいなら、よりホームの試合で力を入れて勝利を捧げ、ア ウェイでは勝点を奪うという欧州、南米で当たり前の考え方がもう少し 強くあっていい。 横浜FMの岡田武史監督は開幕前、「勝点71ぐらいが優勝ラインか な」と読んでいた。ホーム17試合全勝で勝点は51。アウェイ17試合をす べて引き分ければ勝点17。合計で68になる。ホームとアウェイで勝敗 の出入りがあるとしても、優勝したG大阪は勝点60。あまりに少ない。 慣れないフルマラソンでの息切れに加え、年間を通じた戦い方の戦略、 見通しが明確でなかった結果、とは言えると思う。 ただ、僕たちは3年間で「歩く会」に少しずつ慣れていった。2年目は 最初の10キロで軽く汗をかく程度に体を温め、上り坂は意図的に小股 で歩き筋肉に負担をかけないようにした。 3年目は、下り坂で前を歩く友人の肩に手 をかけ速度が出ない工夫もした。 時を重ねる中で、フルマラソンの走り方 も必ずわかってくる。先行逃げ切りでも、 ゆるやかな追い上げでも、強烈なまくりで もいい。各チームの「歩き方」さえきちん と確立されれば、試合ごとの短期的な妙 味に、レースの駆け引きという長期的な興 味が新たに加わる。それが年間1ステー ジ制の醍醐味。来季はもっともっとワクワ クしたい。 産経新聞社◎