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プログラミング教育で育成される手順的思考力の評価方法の検討

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. プログラミング教育で育成される手順的思考力の評価方法の検討 吉田典弘†1,2. 篠澤和久†2. 概要:プログラミング教育で育成される能力を「手順的思考力」とし,この能力を評価する評価問題を作成し事前調査 を実施した.手順的思考力とは, 「順次処理」 , 「分岐処理」, 「繰り返し処理」を踏まえ,手順を正確に出来,最終的に回 答を見つけられるかである.この能力を評価する問題について,文部科学省が実施した高等学校における情報活用能力 の調査と高等学校の教科情報における「情報の科学」の教科書を参考に作問した.この問題を大学における一般情報教 育レベルでのプログラミング教育を受講しているクラスと,プログラミング教育を受講していないクラスにおいて評価 した結果を示す. キーワード:プログラミング教育,手順的思考力. A Method to Evaluate Procedural Thinking Ability Cultivated by Programing Education NORIHIRO YOSHIDA†1,2. KAZUHISA SHINOZAWA†2. Abstract: The ability to be trained in programing, also known as “procedural thinking ability,” was evaluated via a preliminary questionnaire survey. The procedural thinking ability comprises two aspects including, for a given problem, whether a procedure can be accurately designed and whether the solution can be evaluated based on “sequential processing,” “branching processing,” and “repeated processing.” To evaluate the ability, I questioned the information utilization ability of high school conducted by the Ministry of Education and the textbook of "Information Science" in high school subject information. We show the result of the survey both in the classes that are learning programing at the general information education level at universities and in the classes not learning programing. Keywords:. Programming Education, Procedural Thinking Ability. 1. はじめに. いる.一方,以前よりプログラミング教育では,小学校か ら大学まで「手順的な自動処理」を体験,あるいは,これ. 教育段階に合わせたプログラミング教育の手法やその. を利用して教育することが望ましいとされている. 「手順的. 評価方法をどのようにすべきかが検討されている.次期学. な自動処理」に関しては,情報処理学会の情報処理教育委. 習指導要領では,2020 年度から小学校においてプログラミ. 員会が,2005(平成 17)年 10 月に「日本の情報教育・情. ング教育が必修化され,2022 年度からは高等学校の教科. 報処理教育に関する提言 2005」[1]の中で公表している.こ. 「情報」での新設科目において,プログラミングが必修と. の提言では,大学の一般情報教育において, 「手順的な自動. して実施されることが決まっている.現状として,この動. 処理」についての制作体験をさせる.さらに, 「手順的な自. 向に合わせて各教育機関でのプログラミング教育の在り方. 動処理」により,自分が記述したものの論理的帰結が明確. について,様々な方法が検討され,どのように教育すべき. に示され,機械で実行されたものとの両者の差異を確認す. かについて移行期間に向けての準備がなされている.さら. ることができるという利点が挙げられている.このような. に今後は,それぞれの教育段階での評価方法についても問. 提言に関して,大学の一般情報教育のプログラミング教育. われてくると考えられる.大学の一般情報教育においても,. の実践としての報告がある[2].この中では,プログラミン. 教養教育としてプログラミング教育が実施されている.大. グ教育と論理的思考力育成の関係が示されており,その授. 学生の低次年を対象としたプログラミング教育に関する研. 業実践の一例として JavaScript を用いている.. 究では,授業の最終成績が向上するなど,その評価におい. 筆者らは,2013 年度の後期から,プログラミングの授業. て「成績」が向上したとする成果の報告はあるが,プログ. を行い,その授業の前後で論理的思考力を評価する問題を. ラミング教育の授業により,何らかの能力が育成されたこ. 解かせることで,プログラミング教育で育成される能力を. とを,直接的かつ定量的に評価することは難しいとされて. 評価することを検討してきた.評価問題として,国家公務. †1 関西学院大学 教務機構 共通教育センター Kwansei Gakuin University †2 東北大学大学院情報科学研究科 Graduate School of Information Sciences, Tohoku University. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 員Ⅲ種および地方公務初級における採用試験の過去問題の 中から,論理や真偽などを問う問題を選び評価を行った[3]. しかし,この問題がプログラミング教育で育成される「手. 1.

(2) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 順」や,特に手順を追っていく上で必要不可欠な時間的要 因を考慮した問題となっていないので, 「手順的な自動処理」 に関する能力の評価が出来ていなかった.また,事前事後. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. 3.1. 評価問題. 「手順的思考力」を評価する問題として,以下の 3 問を 大問とした(付録参照).. テストによる評価を実施した時期が,5 月と 7 月と間隔が 長かったため,もう少し短い期間の方が得点上昇などの成. ・問 1. 果が得られる可能性があった.そこで,これらのことを踏ま. ・問 2-1. え,2014 年度の前期の授業において 2 回目の評価を行った.. 問). 評価問題としては,高等学校の教科「情報」の教科書に掲. ・問 2-2. 載されていた,4 行 4 列のナンバープレイス(ナンプレ). ロボット掃除機の問題(全 4 問) おはじきを利用した,繰り返しを問う問題(全 5 日本語文による,画面に1から 10 まで表示する. プログラム(全 6 問). を使用し,その解答方法の過程を問題とした.また,事前 事後テストによる評価を実施する時期としては,6 月の受. 上記の内容で計 15 問を出題した.問1は 2017 年1月に. 講時と 7 月の受講時として期間を短くした.しかし,この. 公表された文部科学省の情報活用能力調査(高等学校)[7]. 報告[4]においても評価問題としてナンプレはプログラミ. で使用された問題である.ロボット掃除機の動作を示した. ング教育で育成される能力を評価することは出来なかった.. 要素を置いておき,フローチャートを完成させるものであ. そこで,プログラミング教育によって育成される論理的. る.. 思考力を評価するという立場から,大学の一般情報教育に. 問 2-1 と問 2-2 は,手順的思考力が育成された能力を評. おけるプログラミング教育において,手順的な自動処理を. 価するために新規に作成した問題である.問 2-1 は,過去. 用いることによって育成される能力を「手順的思考力」と. の評価問題が,プログラミング教育を受けたことがない学. して評価することとした.この考えを元に実施した 2016 年. 生には全く分からない記述があったのではないかとの考え. 度前期の事前調査[5]では,プログラミングを行った授業,. から,より分かりやすい内容の問題とした.また,この問. 行っていない授業,両方とも授業後の点数が上昇していた.. 題を解かせた上で,問 2-2 のようなプログラミングの問題. この結果を踏まえ,2016 年度後期に本調査を実施した[6].. に取り組んでもらうようにした.問 2-2 は,高等学校の教. しかし,両方の授業における事前事後テストの分散分析に. 科情報における「情報の科学」の教科書[8]の中にある問題. おいて,有意な結果を得ることが出来なかった.また,評. を引用し,プログラミング教育を受けたことがない学生に. 価問題が,プログラミング教育で育成される能力の一部し. も分かりやすい表現になるように文面を変更した.. か評価をしていない面があった.そこで,本報告では,再 度の本調査の実施に向けて, 「手順的思考力」の評価問題を 新たに作成し,この評価問題を事前テストとて使用した結 果を示す.. 3.2. 評価対象と授業内容. 評価対象は関西学院大学の共通教育センターで開講し ている情報科学科目の履修生とした.この情報科学科目を 履修しているのは,いずれも非情報系学部・学科に所属し. 2. 手順的思考力の定義 「手順的思考力」とは, 「手続きの順番を的確に記述する」 ことを指し,分岐処理,繰り返し処理を利用して,問題を 解決できる手順を記述できる能力を意味する.. ている 1 年生から 4 年生である.また,この科目は選択科 目であり,履修者は希望者が多数のため抽選で決まってい る.授業期間は,2017 年 4 月から 7 月までの春学期の授業 であり,授業回数は 14 回である. 次に授業内容は,プログラミング教育を実践したクラス. また,思考力には論理的思考力,批判的思考力など様々. (A クラス)は,科目名が「コンピュータ言語(Java)」で. なものがあるが,手順的思考力は,他の思考力の中にも存. あり,Java を用いてプログラミング初心者向けの授業を行. 在している能力である.特にプログラミング教育で育成さ. っている.授業は Eclipse を用いて,プログラムをテキス. れるとしている論理的思考力の一部と位置付ける.. ト入力する形式で進めており,順次処理,分岐処理,繰り 返し処理を教えた後に,グラフィックスを用い各自で作成. 3. 手順的思考力の評価 手順的思考力の評価問題を新たに作成し,2017 年 5 月か ら 7 月において,事前事後テストによるこの能力の評価を 行うこととした.ただし,本報告では,5 月に実施した,授 業前の評価結果を示す.. した図形を動かすことを最終課題としている.また,プロ グラミング教育を実施していないクラス(B クラス)は, 科目名が「コンピュータ基礎」で,初心者向けの内容であ り,Word, Excel, PowerPoint 利用して,レポート作成や ゼミ活動,卒業研究で必要となる PC スキルの基礎を教授 する授業である.表1に各クラスの履修人数および評価人 数を示す.. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 2.

(3) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 表1. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. 調査対象のクラスについて. A クラス(Java) B クラス (コンピュータ基礎). は両クラスの調査結果に大差は見られなかった.. 履修人数. 評価人数. 特に,各問題および 3 問のの総得点においても,クラス. 30 名. 29 名. 間での大差が出なったので,この評価問題を使用しことで,. 39 名. 37 名. クラス間の結果に差が出ていないことが分かった.このこ とは,図 5 と図 6 における各クラスの総得点の分布からも 分かる.プログラミング教育を受けている Java クラスにお. 3.3. いて,満点が1名だけであること.また,正解率が 80%以. 評価結果. 表 2 に,Java クラスとコンピュータ基礎クラスの得点の. 上(12 問正解以上)の人数も大差がなく,プログラミング. 平均点を示す.この平均点からは,プログラミング教育を. 教育を受けたクラスの方が,最初から今回の評価問題が出. 受けたクラスと,教育を受けていないクラスでの点数に大. 来る学生が多い訳ではないということも分かる.. 差は無かった.また,両クラスの平均点の差が統計的に有 意かを確かめるため,有意水準 5%で両側検定の t 検定を行. 4.2 問 1 に関して. ったところ,p =0.44 であり,有意な差は見られなかった.. 文部科学省の調査では高等学校の第 2 学年の 4,552 名を. また,表 3 は Java クラスにおける各問題の得点および総得. 対 象 と し て お り , 4 問 の全て が 正 解 で あ っ た 正 答 率 は. 点についての平均と標準偏差である.表 4 は,同様に,コ. 46.2%であった.今回の関西学院大学の調査では対象人数. ンピュータ基礎クラスにおける各問題の得点および総得点. は少ないが,正答率は表 5 の通りである.また,正答した. についての平均と標準偏差である.. 人数は図1と図 2 から分かる.この正答率は決して大学生 だからと言って高い訳ではない.その理由として,中学校. 表2. の技術での内容であっても忘れてしまっていること,また. 手順的思考力の得点結果. Java クラスの. コンピュータ基礎クラスの. 掃除機を日常の生活で利用していても,それを今回のよう. 総得点の平均点. 総得点の平均点. な紙の形式で実施した場合では,誤答する場合があると考. 10.1. 9.8. えられる. (15 点満点). 表3. Java クラスの調査結果. 問1. 問 2-1. 問 2-2. 総得点. N. 29. 29. 29. 29. Mean. 2.8. 4.9. 2.5. 10.1. S.D.. 2.5. 0.3. 1.3. 4.6. 表4. 表5. 問1に関する正答率. Java クラス. コンピュータ基礎クラス. 58.6%. 35.1%. 正答率 4.3 問 2-2 に関して. 3.3 節の評価結果における表 3 と表 4 では,両クラスの 平均点に大差はなかった.また,6 点満点中で,両クラス とも平均点が 3 点以下であったことは,プログラミングの. コンピュータ基礎クラスの調査結果. 記述に慣れていないことを意味していると考える.図 3 と. 問1. 問 2-1. 問 2-2. 総得点. N. 37. 37. 37. 37. Mean. 2.3. 4.8. 2.6. 9.8. 定を行ったところ,p=0.65 であり,有意な差は見られな. S.D.. 2.2. 0.5. 0.6. 3.5. かった.. 図 4 の得点分布を比較しても,点差に開きがなかった状況 が分かる.この問題だけで,有意水準 5%で両側検定の t 検. クラス間で差が出なかった要因としては,この調査は, また,各設問における両クラスの得点分布を図 1 から図. 前述したように Java クラスで順次処理の指導が終了し,分. 6 に示す.ただし,問 2-2 については,両クラスとも平均点. 岐処理を開始する冒頭の 2017 年 5 月に実施しているので,. が満点に近く,満点を取ったものが多かった(Java クラス 29. 両クラスには大きな差が出なかったと考えられる.. 名中 26 名,コンピュータ基礎クラス,37 名中 35 名)ため. ただし,問 2-1 を解かせた上で,問 2-2 を解くようにし. 掲載はしていない.. たのだが,プログラミングらしい記述が入ってくると,両. 4. 考察. クラスでも誤答が目立っている.特に,誤答が多かったの. 4.1 全体の結果 今回の目的は,手順的思考力を評価するための調査で使 用した問題が相応しいかどうかにある.それを確認できる 結果として,表 2 に関するt検定,表 3 と表 4 の結果から. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. は,繰返しのループにおける前判定としての回答群(A)の 配置であった. 今回の調査では,この部分の出来が悪かったが,Java ク ラスにおいては,授業を通してこのような問題に対応でき るなることを期待したい.. 3.

(4) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. 20. 20. 17. 15 人 数. 15. 13. 12 10. 10 6. 人 数. 6. 10. 5. 5. 2. 0 0. 0 1. 2. 3. 1. 4. 2. Java クラスにおける問1の得点分布. 図2. コンピュータ基礎クラスにおける問 1 の得点分布 20. 20. 18. 17 15. 15. 人 数. 10. 4. 得点(点). 得点(点). 図 1. 3. 人 数. 8. 13. 10 5 5. 5 2. 2 0. 1. 0. 0 1 図3. 2. 3 4 得点(点). 5. 1. 6 図4. Java クラスにおける問 2-2 の得点分布. 10. 0. 0. 5. 6. 0 2. 3 4 得点(点). コンピュータ基礎クラスのおける問 2-2 得点分布. 10. 9. 8 8. 8. 6. 人 数. 6. 5. 4. 3. 3. 3. 7. 人 数. 3. 5. 5. 5. 4 4 2. 2. 1. 1 0. 1. 2. 0. 0. 1 0. 0. 0. 0 5. 図5. 6. 7. 8 9 10 11 12 13 14 15 得点(点). Java クラスにおける総得点の分布. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 5 図6. 6. 7. 8. 9 10 11 12 13 14 15 得点(点). コンピュータ基礎クラスおける総得点の分布. 4.

(5) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report 4.4 事後テストの問題について 2017 年 7 月実施予定の手順的思考力を評価する問題は以 下の内容とする予定である. 案1 (分岐処理)テスト結果の判定について,60 点以上 であれば合格,60 点未満であれば不合格とする手順. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. [6]吉田典弘,篠澤和久: “一般情報教育におけるプログラミング教 育で育成される能力の評価結果の分析”,情報処理学会コン ピュータと教育研究会研究報告,CE-139-11,pp.1-6 (2017) [7]文部科学省: “情報活用能力の調査(高等学校)報告書”, http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/af ieldfile/2017/01/18/1381046_02_1.pdf(2017 年 4 月 3 日確認) [8]山際隆編: “最新情報の科学”,実教出版(2014). についてフローチャートを示し,このフローチャー トに入れる文章を回答群から選択させる. 案2 (繰返し処理)変数を用意し,10,20,…,100 で値 を代入し,これらを順番に表示する手順について, 回答群として文章を用意し並ばせる. これらの問題も,現在の高等学校の教科「情報」で使用 されている「情報の科学」の教科書[8]から引用し,プログ ラミングが初めての学生にも分かりやすい表現に変更した ものとする. おわりに プログラミング教育で育成される能力として「手順的思 考力」を定義し,この能力を評価するため問題を新たに作 成し調査を実施した.対象とした二つのクラスにおける得 点の平均点の差はなかった.この調査は 2017 年 5 月実施 の事前テストであったので,2017 年 7 月に事後テストを実 施し,プログラミング教育を受けたクラスだけの得点が向 上し,プログラミング教育を受けていないクラスとの間に 有意な差が出る結果となることを期待すると共に,結果を 報告する予定である. 謝辞. 本研究を進める上で有益な御助言を頂いた,東北大学大. 学院情報科学研究科情報リテラシー教育プログラムの代表・窪俊 一准教授,副代表・静谷啓樹教授,副代表・堀田龍也教授,ならび にメンバーである邑本俊亮教授,徳川直人准教授,和田裕一准教 授に謹んで感謝の意を表します.. 参考文献 [1]情報処理学会情報処理教育委員会:“日本の情報教育・情報処 理教育に関する提言 2005“, https://www.ipsj.or.jp/12kyoiku/proposal-20051029.html (2017 年 6 月 10 日確認) [2]河村一樹: “一般情報教育におけるプログラミング教育の在り方 について“,情報処理学会コンピュータと教育研究会研究報 告,Vol.2011-CE108 No16,pp.1-8(2011) [3]吉田典弘,篠澤和久: “手順的な自動処理による論理的思考力育 成の評価結果の検討”,情報処理学会コンピュータと教育研 究会研究報告,CE-123-4,pp.1-6 (2014) [4]吉田典弘,篠澤和久: “手順的な自動処理による論理的思考力育 成評価結果の検討 part2”,情報処理学会コンピュータと教育研 究会研究報告,CE-126-6,pp.1-8 (2014) [5]吉田典弘,篠澤和久: “プログラミング教育で育成される能力の 評価結果の検討”,情報処理学会コンピュータと教育研究会 研究報告,CE-136-9,pp.1-6 (2016). ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 5.

(6) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-CE-140 No.5 2017/7/8. 付録 問1. 部屋の掃除をするために,掃除機のスイッチをオンにしました.掃除機の中には,ごみの状況を把握(はあく)して,. 出力を調整するセンサとコンピュータがあります.掃除機はどのような作業をしているのでしょうか?作業の流れに合う ように右のカードを左の①~④に入れましょう.. 掃除機のスイッチオン. a.. ゴミセンサに反応があったか. b.. モーターの出力設定をあげる. c.. モーターの出力設定は最大か. d.. 通常のモーター速度で吸い込み. ①. ② いいえ. 設定されたモータ はい. ③. ー速度で吸い込み. はい. はい. いいえ. ④. 問2-1. 問2-2. 花子さんは, 「おはじき」をたくさん持っています.箱に 1. 1 から 10 までの数を,連続して表示する手順について,以. 個から 1 個ずつ増やし,10 個になるまで手元にある「おは. 下の項目を並べ替えてください. じき」を入れる作業をします.以下の作業の手順を並べ替. (パソコンでプログラムを書き,画面に「1. えてください.. 5. 6. 7. 8. 9. 2. 3. 4. 10」と表示することをイメージし. てください) A). 10 個になるまで,箱に入れる作業を繰り返す. B). 箱を用意する. A). 箱 X が 10 以下の間,次の作業を繰り返す. C). 箱に入れる作業を終わる. B). データを入れる,「箱 X」を用意する. D). 前に入れたおはじきの数に1個追加して箱に入れる. C). 箱 X に1を足した値を,箱 X に戻す. E). 箱におはじきを1個入れる. D). 箱 X に1を入れる. E). 繰り返しを終了する. F). 箱 X の中身を表示する. ⓒ2017 Information Processing Society of Japan. 6.

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表 1  調査対象のクラスについて  履修人数  評価人数  A クラス(Java)  30 名  29 名  B クラス    (コンピュータ基礎)  39 名  37 名  3.3  評価結果  表 2 に,Java クラスとコンピュータ基礎クラスの得点の 平均点を示す.この平均点からは,プログラミング教育を 受けたクラスと,教育を受けていないクラスでの点数に大 差は無かった.また,両クラスの平均点の差が統計的に有 意かを確かめるため,有意水準 5%で両側検定の t 検定を行 ったところ,p =0.44
図  1  Java クラスにおける問1の得点分布  図 3  Java クラスにおける問 2-2 の得点分布  図 5  Java クラスにおける総得点の分布  図 2  コンピュータ基礎クラスにおける問 1 の得点分布 図4  コンピュータ基礎クラスのおける問2-2得点分布 図 6  コンピュータ基礎クラスおける総得点の分布 10333395101024681056789 10 11 12 13 14 15人数得点(点)1012213051015201234人数得点(点)1181350005101520

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