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風力発電設備の雷害様相の解明

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

世界の風力発電設備の発電容量は 5000 万 kW にせまり、我国においても 90 万 kW 規模になったが、風力発電 設備の建設、運転にはさまざまの克服すべき課題がある。我国では日本海沿岸など風況の良い地点が雷害をう けやすい地域になることが多く、風車の大型化につれて、ブレードの破損などの雷被害が多発している(図 1)。 風力発電設備に雷害が生じると発電が不可能になるだけでなく、ブレードなど破損個所の修理のためのコスト が大きくなるなど、放置しておけない重大な問題になっている。

目 的

風力発電設備の導入の妨げになる雷害を防止するため、風車ブレードへの雷撃様相を実験的に解明するとと もに、雷撃により電気回路と制御回路に発生する雷サージの様相を明らかにする。

主な成果

1.風車ブレードの雷撃特性実験 塩原実験場の雷電圧発生装置を用いて風車ブレードへの雷撃特性に関する実験を行い、以下を明らかにし た。 (1)絶縁物であるブレードにも放電することがあり、放電は FRP でできたブレードの絶縁を破り、内部の 空洞部分に入り込むことがある(図 2)。 (2)ブレードが塩分で汚損されると、清浄時に比べて容易にブレードに放電するようになる。沿岸地域など 汚損を受けやすい地域では、ブレードの絶縁に大きく期待できない。 2.風車縮小モデルを用いた雷サージ伝搬様相実験 実際の風車のおよそ 50 分の 1 の縮小モデルを用いて雷サージ実験を行い、ブレード雷撃時の風力発電設備 での雷サージ伝搬様相をはじめて明らかにした(図 3)。この結果から、塔脚接地抵抗に起因する電位の上 昇により、風車タワーと外部の引き込み線間に平均的な雷電流で 100 万 V 近い雷過電圧が発生すると推定さ れ、対策がなされないとブレード以外の内部設備にも雷害が生じる可能性が高い。 3.雷ハザードマップと風力発電設備の雷被害 対象地域の落雷密度のみでなく雷電流の大きさを考慮した雷ハザードマップを新たに作成し、雷のリスク の大きいところで、風力発電設備の雷被害が多発していることを明らかにした。

今後の展開

受雷部として先端部に金属物を設けたブレードの雷撃特性や、大電流実験によりブレードの破損のメカニズ ムを明らかにするとともに、コストパフォーマンスの良い風力発電設備の雷害対策手法をできるだけ早期に提 案する。 主担当者 電力技術研究所 首席研究員 横山 茂 関連報告書 「非金属物の放電特性の実験的検討─モデル風車ブレードの放電特性─」、電力中央研究所 報告: T03026(2004 年 3 月) 70

風力発電設備の雷害様相の解明

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4.電力流通/流通設備の社会との調和

71 図1 雷撃により破損した風車ブレード 図2 風車ブレードへの雷撃実験 (雷撃がブレードの絶縁を破り、内部  に入り、また外部に出る) 図3 引き下げ線と外部引き込み線間に発生する雷過電圧 (タワー内地上にある主回路・制御回路・通信 回路がループを形成する場合に発生する過電圧) 外部引込み線(電力連系線、通信線) 引き下げ線 ブレード先端雷撃 (実線の結果) ナセル雷撃 (破線の結果) ① ② ループ導体 ②ループ導体誘導電圧 ①引き下げ線下端− 外部引込み線間電圧 右のグラフは、26kAの雷撃 があった場合に、①および ②の箇所に発生する電圧波 形である。ただし、ブレー ド先端雷撃の場合は波頭長 約0.4μs、ナセル雷端の場合 は波頭長約0.23μsの模擬雷撃 電流を注入した。

参照

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