N-フタロイル-アミノオキシプロピオン酸メチルのメタノールによる開環反応

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N

フタロイノレアミノオキシプロピオン酸メチルのメタノールによる開環即芯 教科・領域教育専攻 自然系コース(理科) 贋 田 将 義 1. はじめに アミノ酸は、アミノ基と酸性基をもっ化合物 の総称であり、酸性基がカノレボキシ基で、あるア ミノカ/レボン酸を指すことが多い。その中でタ ンパク質を構成するアミノ酸の構造は、ほとん どの場合、アミノ基がカルボ、キシ基と同一の炭 素に結合しているαーアミノ酸である。さらに、 この炭素原子に異なる置換基が結合していると、 中心の炭素がキラルで、あり、しかも生体におけ るタンパク質合成経路の初期には、 L型の立体 配置をもっ。アミノ酸は、様々な生理出生を示 すものが知られている。 アミノオキシカルボン酸は、アミノ酸のアミ ノ基をアミノオキシ基で置き換えた構造をもっ 化合物である。そのため、アミノ酸と類似の化 学周五性をもつことが推定できる。アミノ酸は 水溶液中の異なる水素イオン濃度の条件下で電 離平衡を形成する。アミノ基をアミノオキシ基 に置き換えても、同様である。 アミノ酸、アミノオキシカノレボン酸ともに塩 基性条件下では求核性の官官色基但:N-、

H

:N

O

う が生成し、酸性では求核攻撃を受けやすい構造

(

-

C

(

=

O+

H

)

O

H

)

をもっ。しかし、アミノ基とア ミノオキシ基の塩基性や求核性は、酸素(0)がア ミノ基に直蕗謀者合しているかどうか

l

こよって、 異なる可能性がある。塩基性が強いことは H+ との結合が強く、対亥性が強いことを示す。求 核 性 の 強 さ は 、

f

u

N

-

H

>

H

:N

-

O

H

> 指 導 教 員 胸 紐 虎 胤

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N

-

O

C

l

l

i

の1)頃となる。

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c

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+

E

C

4L

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図1 α-アミノオキシカルボン酸の合成経路 以前、この合成経路が試みられ、最終生成物 の合成中間体である Nヒドロキシフタルイミ ド誘導体をメタノールに櫛卒させると、開環生 成物が生成した。この開環反応はNヒドロキシ フタノレイミドを生除する障害となるが、他のフ タルイミド誘導体では知られておらず、興除深 い即忘である。 本研究では、 Nヒドロキシフタルイミド誘導 体の開環反応がメタノールによって進行する反 応条件の検討を行うとともに、本即芯の具備均 な使い道を提案した。 2. 実験方法 (1)

N

フタロイルアミノオキシプロピオン酸 メチルとメタノールの反応による生成物を

TLC

で分離・分析した。国訪日の左から試薬、 試薬と反応液の混合物、反応液をスポットし、 クロロホルムで展開し、検出はUV254n mで

(2)

− 324 − 行ったO この TLCの確認操作を常温で闘志さ せたものと還流させながら反応させたものです

T

った。

ω

Nフタロイルアミノオキシプロピオン酸 メチル(濃度0.10mg/mL)を温度一定に保っ た温度調節器で即芯させた。30分ごとに取り出 し、

5

分間氷で冷やした後、溶媒で

2

0

倍に希釈 した。この同芯液を

2.5μl

打ち込んでHPLC で分析した。また、反応時の温度はそれぞれ30、

3

5

4

0

4

5

0

C

において分析した。 3. 結果と考察 3・1 Nフタロイノレアミノオキシプロピオン酸 メチノレとメタノールとの反応

τ

:

'LCによる追跡

N

フタロイルアミノオキシブ9ロピオン酸メ チルの開環反応がメタノールによって進行する ことを宜

ρ

によって追跡し、反応条件の大枠 を定めることができた。官~C を確認した際にま だ即芯が終わっておらず、原料が残っているよ うに見え、還流しながら反応させてもあまり反 応が早く進むわけではないように思われたが、 これはメタノールの脱離を伴う閉環によって平 衡同副こなっているのではなし、かと考えられる。 3・2 Nフタロイルアミノオキシプロピオン 酸メチルとメタノールとの反応:HPLCによる 追跡 この分析において HPLCで原料の減衰と生 成物の増加を定量的に追跡することができ、反 応の温度効果を調べることにより、反応速度定 数から活性化エネルギーを求めることができた。 活性化エネルギーは

2

9

6

k

J

/

m

o

l

となっ

t

4, 3-3 フタル酸イミド誘導体との即む性比較 フタル酸イミド誘導体とメタノーノレを反応さ せた場合でも開環生成物が発生するかを考える とpKaの晶、によって、 pKa値が大きし、ほど 聞きにくく反応も遅くなると考えられる。ブタ ルイミド、の-NH基はpKaが

8

.

3

0

であるためと ても求核性は強く、ほとんど即芯せず、開環し ないが、 N ヒドロキシフタルイミドの-NOH基 は

p

Kaが

6

.

1

0

であるため少し求核性は弱し、と 考察できる。 4. おわりに 本研究において、 N フタロイルアミノオキシ プロピオン酸メチノレはメタノールによって開環 反応を起こすことが分かった。吸光度計で

uv

吸収値を調べれば、開環しない場合は

uv

吸収 値が高いと推定されるが、それが開環したら

uv

吸収は減少するので、

uv

吸収の減少が起 こればアルコールが存在していたことがわかる。 この開環反応を利用して、

uv

吸収値を調べる ことによってアルコーノレ

f

封t酸基をもっ他の物 質の定量にも応用できるのではなし、かと考えら れる。例えば、モノグリセリドはトリグリセリ ドが生体中のリバーゼによって部分的に加水分 解されることで生成することは、現在の学習指 導要領への改訂後に近年の中学校教科書にま識 されているが、モノグリセリドの生成を検出す る方法(定性、定量を提示している教科書は見 当たらなし L そこで、本研究の開環防志を利用 して、モノグリセリドの定性、定量を具体的な 反応条件等を検討することによって、本研究の 開環反応を教材として利用できるかもしれなしL それは今後の課題である。 5.参考文献 (1)棲庭雅文『アミノ酸の化学その効果を検 証する』、株式会出龍実社、

2

0

0

4

p

.

1

6

5

1

7

1

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