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巻頭言―新型コロナウイルスとソーシャルデータサイエンス

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Academic year: 2021

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日本ソーシャルデータサイエンス論文誌 第 5 巻 第 1 号(2021 年 3 月)

ⓒ2021 Japan Social Data Science Society

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巻頭言―新型コロナウイルス感染症とデータサイエンス

八卷 直一

†1 a 2020 年は,新型コロナウイルスの世界的流行に襲われ, 疫病の蔓延が人類におよぼす脅威について,改めて知らさ れた年となりました.新型コロナウイルスの流行は,2020 年を迎えても収まる気配がありません.英知を結集して、 早期の収束をみたいものです.医療分野,政治分野にくわ えて,最近の人類の知恵としてデータサイエンス分野の成 果が大いに期待されます. 日本ソーシャルデータサイエンス学会では,2020 年 9 月 20 日に,「データ解析シンポジウム(新型コロナウイルス に関して)」を開催し,データ解析分野からの新型コロナウ イルス蔓延のメカニズムを探求し,予測やシミュレーショ ンに役立てる可能性を検討いたしました.昨今の世情によ り,オンライン開催となりましたが、100 名に達する参加 者により,活発な議論となりました.ここで議論されたモ デルはテレビなどで紹介され,大いなる知見を世に広める 結果となり,当初のシンポジウムの目的は果せたのではな いかと認識しております. シンポジウムの成果を受けて,日本ソーシャルデータサ イエンス学会では,本特集を企画し,ご講演頂いた内容を 論文の形で改めて公開することとなりました.シンポジウ ムでは,パネル討論会も併せて行われ、講演者を中心に非 常に活発で,有意義な議論が展開されました.これについ ても,残された録画から文字起こしをし,可能な限り忠実 に議論を残すべく,合わせて本特集に収納しました.編集 委員会の努力により,臨場感あふれる議論の様子が収録で きたと思います. パネル討論会では,各モデルに出現するパラメータにつ いての,かなり専門的な議論や決定方法などの議論が深ま るかと思えば,政府や報道,あるいは医療関係や学会など による情報発信の揺れなどのお話など,あるいは深くある いは広く活発に議論されました.専門的な事項はさておい ても,この種の情報の社会的影響という側面の課題が浮き 彫りになったことは,大変重要ではないでしょうか.一方 では,専門家の論文などが英語で発表されることが多く, 重要な情報がなかなか一般に広がらないという実態も明ら かになりました.それに加えて,政府や行政,医学関係, データ解析分野などの多方面からの情報は,必ずしも同じ 方向を向いておらず,社会的な情報混乱を起こしていると いう指摘もありました. また,本特集においてはシンポジウムでご登壇いただく 予定であったのですが,直前に新型コロナウイルス感染症 に関係した出張によりやむなくご参加いただけなかった, 花園大学の和田一郎先生にもご寄稿いただきました.和田 先生は厚生労働省クラスター対策班のメンバーでもあり, シンポジウムでのご講演,討論を期待していたので,当日 は残念でしたが,今回寄稿という形で,対策の中枢のいら っしゃった経験などからこの新型コロナウイルス感染症に ついて論じていただきました. 特に,パンデミックなど社会的パニックの要因となる事 態に直面した時,情報の混乱は致命的とすらなるでしょう。 専門的な主張を戦わせることは、最も重要ではありますが, 要所要所で平易に集約して,情報の混乱を避けるような社 会構造が望まれるところでしょう. シンポジウムから半年たってみたとき,講演で紹介され た数学モデルが秋以降に訪れた第3 波を見事に的中させ, データ解析がパンデミックの予測に大きな力になることを 実証して見せたことでしょう. その後も,モデルの分析は着々と進歩していることを、 ご講演者の方々から聞くに及んで,いろいろ力づけられる 思いです.日本ソーシャルデータサイエンス学会では,こ のような形で社会に貢献することが第一の使命と感じ,新 型コロナウイルス感染症についてのデータ解析の新しい知 見を社会に提供する試みを続けたいと思います. †1 (株)ITSC・静岡大学名誉教授 (連絡先:[email protected]

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