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0 50 100 150 200 250 1997/07/01 1998/07/01 1999/07/01 2000/07/01 2001/07/01 2002/07/010 50 100 150 200 250 -40 -30 -20 -10 0 Compression Extension Cu mu la tive d is p l. ( mm) Rain fa ll (m m) Date G round wate r lev e l (m ) 図-1 F1 ポイントの孔内伸縮計、地下水位、降雨の観測結果 B-05

白山地域における甚之助谷巨大地すべりの変動機構及び運動予測

〇汪 発武・松本樹典・佐々恭二 1.はじめに 甚之助谷地すべりは白山地域における巨大地 すべりである。1962 年に「地すべり防止区域」 に指定されてから,地下水排水工を含めた種種の 対策工事を実施されたにも関わらず,現在でも年 間十数センチの速度で活動をしている。当地域は 石川県の最大河川手取川の源流でもある。甚之助 谷地すべりが一旦破壊すると,下流に建設されて いる手取ダムに被害が予想され,さらに三角州に 密集している住宅地での被災も懸念される。本報 告は近年の観測結果を踏まえ,現地調査及び数値 解析手法を用いた甚之助谷地すべりの変動機構 及び運動予測について述べる。 2.甚之助谷地すべりの地形・地質特徴 白山は 1659 年にも噴火していた一つの活火山 である。甚之助谷地すべりは白山の南西斜面に位 置しており,長さ2,000 m,幅 500 m であり,標 高1,200 m から 2,100 m の間にある。中世代ジュ ラ紀から白亜紀前期の湖成堆積層である手取層 群は頁岩,砂岩,レキ岩から成り,甚之助谷地す べりを含めた白山周辺に広く分布している。また, 甚之助谷地すべりは流れ盤構造を持っている。 3.甚之助谷地すべりの変動 特徴 これまでに,国土交通省が 当地すべりにおいて,ボーリ ング調査とそれを利用した孔 内傾斜計,孔内伸縮計,地下 水変動の観測と共に,地表変 動観測も GPS を利用して行 っている。地表移動の観測結 果からわかるように,地すべ り中央断面では地層の傾斜方 向に沿って移動しており,両 サイドでは,谷向きの移動も 活発である。観測結果の一例 として,孔内伸縮計,地下水 変動と雨量データを図―1に示す。毎年の雨季及 び雪溶け期である7 月では,地下水位は高くなり, それに応じて,斜面変動が活発になる。このボー リング孔では,地下水位が37m より浅くなると, 地すべりが動き出すことが確認される。 3.甚之助谷地すべりの変動機構 現地調査より,当地すべりを構成する手取層群 の中では,砂岩の中に14 層頁岩が含まれており, それに沿って,地すべりが動いていることが確認 できる。これに基づいて,斜面の二次元断面モデ ルを作成し,FLAC3D の地盤解析ソフトを利用し て,斜面変動における砂岩・泥岩の風化による劣 化効果,泥岩の存在による影響,地下水の変動に よる影響について検討を行った。 4.甚之助谷地すべりの運動予測 甚之助谷地すべりは巨大な体積を持つため,対 策できないことも想定される。一旦地すべりが決 壊する場合,どこまで運動するかを予測するのは 非常に重要になってくる。Sassa(1988)によって 提案した地すべり運動モデルに修正を加え,当地 すべりの運動予測も試みた。

参照

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