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地下埋設変圧器の温度上昇

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Academic year: 2021

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(1)

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地下埋設変圧器の温度上昇

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変圧器を地下孔に収納し温度上昇試験を行なうと,定常状態に達する時間ほ変圧器単体の場合に比べ,はる かに長くなる.。これは変圧器周辺の温度,すなわち地下孔壁の温度が非常に長い時定数で上昇し,その影響を 受けるためである。そこで地下孔設置変圧器の温度上昇値を地下孔壁の温度が一定と仮定したときの比較的時 定数の短い上昇分と,地下孔壁温の上昇による時定数の長い上昇分に分けられるものと考え検討を進めた。 前者については100kVA変圧器を種々の大きさの地下孔に入れ,温度上昇試験を行ないその結果を β=A耶,1(∬/d)〝(二β:変圧器巻線の温度上昇値,Ⅳ:変圧器損失,∬/d:ピットと変圧器との間げき寸法∬/変 圧器寸法d,A,タ刀,乃:ピットの構造によってきまる定数)のような実験式にまとめた。 後者については前者の実験に用いた地下孔のうち,最も径の大きい地下孔で長時間(約2,000時間)連続運転 を行ない,定常温度上昇値は前者の実験結果に一定値(11℃)を加えれば良いことがわかった。また短期間にこ の上昇分の得られる模型実験および一実験から多くの場合の類推を可能ならしめる相似条件を導き,その有用 性を確かめた。

l.緒

地下埋設変圧器設計上の大きな問題の一つとして,変圧器容量が 決められた時必要最小限度の地下孔の大きさを決定することがあ る。すでに地下埋設変圧器の温度上昇に関する論文ほ種々発表され ているが,まだ地下孔および変圧器の寸法と変圧器の温度上昇値と の関係を数式化したものほ見当たらない。そこで本論文では100 kVA変圧器を種々の大きさの地下孔に収納したときの温度上昇値 の実験式について述べる。 地下埋設変圧器の温度上昇値ほ概括的にほ (1)地下孔壁の温度が一定と仮定したときの変圧器の上昇分と (2)地下孔壁の温度上昇による変圧器の上昇分 との和と考えられる。このようにすればかなり時定数の短い変圧器 固有の上昇分と,時定数の長い地下孔壁の上昇による変圧器の上昇 分とに分けて実験・検討が行なえるのできわめて便利である。ただ しどこまでを変圧器固有の上昇分とみなすかということほかなりむ ずかしい問題であるが,変圧器固有の上昇分としてほできるかぎり 長時間経過後の上昇分を用い,その時点からの壁温上昇による分を この値に加え,これをこの地下孔に収納した変圧器の温度上昇値と みなせばよい。

2.変圧器国有の温度上昇値

2.1実 験 方 法 2.1.1ピットおよび変圧器寸法 一般に小容量の変圧器は円形ピットに,大容量のものは長方形 ピットに収納されるので本論文でも図lに示すような円形,長方 形ピットにおける実験を行なった。そして円形ピットには図2 (a)の変圧器を,長方形ピットには図2(b)の変圧器を収納し, それぞれピット寸法の異なる3種類のピットについて温度上昇試 験を行なった。 ピット寸法の表わし方は種々考えられるが,ここではビットと 変圧器との間げき寸法(∬)をいたるところ等しくし,この(ズ)と 変圧器寸法(d)との比(∬/d)で表わすこととした。ただし,変圧 器寸法は図2(b)の場合は二辺の平均値とし,図2(a)の場合は パイプを含むケースの直径とした。また深さは一定とした。 * 日立製作所亀戸工場

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2.1.2 ピットの構造 実際の地下埋設変圧器でほピットのふたの部分に通風がじゅう ぶん行なわれるようなグレーティング構造を採用することが多い

(2)

-13-1100 昭和舶年12月 日 止

第51巻 第12号 20

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12 (長方形ピット 密封,ズ/d=0.725) 図3 外気温による変圧器油温の変化の一例 (a)富封の場合 0 0 (訝空軍町→世讃 (址名) 寧幣【朝粥≠ W±1.69kW W=1.13kW W=0.721【W 0.1 1.0 ピット寸法(Ⅹ/d) (b)完全開放の場合 TW=1・69kW

:TW=1・13kW

100 一nV 2 W=仇72kW \ 0.1 1.0 ピット寸法(Ⅹ/d) 図4 円形ピットにおける変圧器(巻線)の温度上昇値 (a)密封の場合 0 0 (哲ヱ華什丁一 0 2 世諾 2.44klV 1V=1.74いl′ l\・■=1.04klV 0.1 1.0 ピッ トj一法(x′・′d) (b)完全開放の場合 0 0 (Ⅷ名) 0 2 些味→世頭 \

x-\×+w=2.44川

x\×十W=1.74kW

、 \ × \

y-+w=l.04klV

蓑1 実 験 式 ピットの形 ビットの構造 円 形 ピ ッ ト l 長 方 形 ピ ッ 密 封 完 全開放 気 中 β=娼W…15(∬/d)-0・2岬▼0・75 β=43W…59(ズ/d)-0・195W-=65 β=33WO・827(∬/d)-0・3H ♂=29.5WO・825(∬/d)-Ot141 ♂=30WO.さ01 ♂=36WO・703 ただし βニ 変圧器の巻線の温度上昇値(deg) W:変圧器損失(kW) ∬/d:ピット寸法 表2 気中における温度上昇値の比で表わした実験式 ピットの形 ピットの構造 円 形 ピ ビ 密 封 完全開放 β=1.60WO・11▲(∬/d)一0・20-Ⅴ-0・75T(W) β=1.19WO・156(∬/d)-0195W-0・365T′(W) β=1.10WO・026(∬/d) ̄0・3川T(W) β=0.82WO・122(ズ/d) ̄○・141T′(W) J【_l ピット寸法(Ⅹ/d) 図5 長方形ピットにおける変圧器(巻線)の温度上昇値 0 0 (叫名〉撃味→部類 角ケース変b三器! 九ケ【ス変托器

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1.0 10.0 変圧器損失 しkW) 図6 供試変圧器(巻線)の気中における温度上昇値 ただし T(W),T′(W):円形および長方形ピットの実験に使用した変圧器の変圧器損失Wに対 する気中での温度上昇値 が,本実験では厚さ25cmのコンクリートのふた(円形ピットの 場合は厚さ2.3mmの鉄板)で完全におおった場合(密封)と,全 くふたを取り除いた場合(完全開放)の二種類のピット構造につい て実験を行なった。 密封の場合は最も冷却効果の悪いピットであり,完全開放の場 合はグレーティングおよび整流板などの採用により到達しうる目 標値を示す。したがってあらゆる構造のピットにおける温度上昇 値はこの間に入るものと考えられる。 2.1.3 測定法および測定時刻 負荷の供給は短絡法で行なわれ,変圧器の巻線温度は抵抗法に より測定され,油温,地下孔壁の温度,地下孔内空気温,外気温 などはC・C熱電対により測定された。また測定時刻ほ変圧器固 有の温度上昇値がはぼ定常に達する72時間後とした。 2.2 度 地下孔は屋外にあるので周囲温度を試験中一定に保つことは不可 能である。したがって変圧器損失以外に外気温の変化によっても変 圧器の温度が変化する。この外気温による変化分を差引かねばなら ないが,この変化分ほ地下孔に収納した変圧器を無助磁でおいた場 合の外気温による温度変化と等しいものと考えられる。しかし,同 一条件の地下孔2組にそれぞれ試験用変圧器と基準温度用変圧器を 入れて測定することは経済上からも不可能であるので,あらかじめ 地下孔ごとに外気温との関係を測定し,外気温からこの変化分を算 出する方法を見つけることにした。 図3は外気温による変圧器油温の変化の一例を示したものであ る。この測定結果から基準温度を密封式地下孔およぴピット寸法が 0.11以下の地下孔では外気温の24時間平均値とし,また0.11以下 の地下孔を除く完全開放式地下孔では地下孔の影響を受けない油タ ンクの油温とすることにした。 2.3 実 験 式 円形ピットおよび長方形ピットにおける実験結果を図4,図5に 示す。図dは両変圧器の気中における試験結果である。これを実験 式にまとめると表lのようになる。 地下孔に変圧器を収納すると大気中に変圧器をおいた場合よりも 温度上昇値は大きくなるはずで,大気中においた場合の温度上昇値 は各種変圧掛こ対して従来わかっているので,それに対する比率で 表わすと都合がよい。この意味で表1の結果から大気中における温 度上昇値との関係を求めると表2のようになる。

(3)

-14-設

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N 1,365 地表庶 1(油塩) ♯1 /+一-・・・「 +十-‡2 __一一水一・*-l-/ ★ ‡3 ‡4 10 100 時間(h) 1,000 図7 100kVA用ピット各部の過渡温度上昇曲線

3.地下孔壁の温度上昇値

3.1100kVÅ用地下孔による実験 地下孔壁の上昇による変圧器の上昇分はピット寸法と変圧器損失 によって異なるが,ここではその一例として∬/d=0.844(1,800¢)の 円形ピットに厚さ12.5cmのコンクリートのふたをし,変圧器損失 を1.69kW一定として約2,000時間運転したときの各部の温度上昇 値を求めた。図7はその結果を示したものである。これより油温ほ 300時間たつと定常値に達し,72時間後よりも11℃高くなってい る。また壁温は500時間で定常値に達し72時間後よりも15℃高く なっている。これよりそのほかのピットについても壁温上昇による 変圧器の上昇分の見当をつけることができる。 3,2 模 型 実 験 実物ビットを用い壁温上昇による変圧器の上昇分を求めようとす ると3.1のように数千時間を運転しなければならなくなる。これで は個々のピットについて求めることは実際上不可能であるので,も っと短期間に解の得られる模型実験の検討を行なった。 地下孔形状を一般的に図8のように表わし,ピット壁面からの全 放熱量が常に一定であり,また壁温はいたるところ一定であると仮 定すると,次元解析からこの地下孔の勲特性は次の4個の無次元パ ラメータの関数となることがわかる。

輯蕊,

α+打 〝才 方'α2 二=0. ‥(1) ただし 地表面 H:地表面の熱伝達率 // K,ガ / / 郎t) //∴ノ/ / / /′ K:地下孔周辺の土の繋き伝導率 ∬:地下孔周辺の土の温度伝播率 Q:変圧器の単位時間当たりの発熱 且 ♂:地下孔の壁温の上昇値 a:地下孔の代表寸法 J:ふたの厚さ t:時 間 図8 地下孔の一般条件 これからピット間の相似条件は次のようになる。 (a)両ピットの形状が相似であること。 (b)熱伝達率(ガ)と熱伝導率(∬)の比(耳/g)が寸法比(α)に 反比例すること。 (1)式の第4項を見ると時定数は寸法比の二乗に比例している。 したがって短期間に解を得るためには模型の寸法を小さくすれば良 いが,一般に小さくすればするはど誤差が増大するので精度の検討 を行なう必要があろう。そこで今回は原型の約14分の1のモデル ピットと,その中間の約3分の1の二種類のピットを作り,モデル と中間のピットの間で相似則の精度を検討し,次に中間のピットか ら3.1の100kVA用ピットを推定した。その結果おおよその推定 には相似則がじゅうぷん使えることがわかった。

4.緒

言 地下孔に収納した変圧器の温度上昇値を地F孔壁の温度を一定と 仮定したときの変圧器の上昇分と地下孔壁の温度上昇による変圧器 の上昇分との和と考えて実験,検討を行なった。 前者については種々の寸法の円形および長方形ピットを作り,こ れに100kVA変圧器を収納して温度上昇試験を行ない,その結果 を本文の表1のようにまとめた。 後者i・こついては1,800¢円形ピットを約2,000時間連続運転し,前 者の測定時間72時間以後油温が11℃上昇することがわかった。 参 鳶 文 献 (1)E.A.Goodman:Thermalperformance of submersible

distribution transformersin vented undeI官rOundvaults,

Allis-Chalmers(Feb.24,1967) (2)本間:次元解析・最小二乗法と実験式,コロナ社 (3)機械学会編:伝熱工学資料 Vol.52

No.1 昭和44年度における日立技術の成果 一新年特集増大号一 本誌の新年号は,毎年「日立技術の成果+として,愛読者諸兄から多大のご好評をいただいております。 昭和45年の新年特集増大号(Vol.52,No.1)も恒例により 〟昭和44年度における日立技術の成果”号 として発行することになりました。 なにとぞ,ひきつづきご愛読くださいますようお願い申しあげます。

参照

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