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食品におけるListeria monocytogenesの疫学解析に関する研究

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Academic year: 2021

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Title 食品におけるListeria monocytogenesの疫学解析に関する研究( 内容と審査の要旨(Summary) ) Author(s) 下島, 優香子 Report No.(Doctoral Degree) 博士(獣医学) 乙第147号 Issue Date 2016-09-26 Type 博士論文 Version ETD URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/55524 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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学位論文の内容の要旨 Listeria monocytogenes に汚染された乳肉食品などの喫食による重篤な健康危害が欧米で は特に問題となっている。本菌に汚染された食品の喫食による事故を防ぐためには,市販 食品の本菌汚染率および汚染菌量を把握することが重要である。また,リステリア症患者, 食品および食品製造環境から分離された株の型別を行い,疫学解析を行っていくことは, 汚染の拡大を防ぎ,集団発生を未然に防ぐために不可欠である。 本研究では,第一章で東京都内に流通する食品,特に調理済み食品の L. monocytogenes 汚染状況を明らかにした。その結果,ナチュラルチーズ等乳製品626 検体から 2 検体,食 肉製品等1491 検体中 26 検体,魚介類・魚介類加工品 718 検体中 21 検体,野菜の漬物 145 検体中3 検体から検出された。その汚染菌量は,最大でも 2.3 MPN/g と少量であったが, 増殖が起こりえる pH と水分活性値の食品が一部存在した。したがって,本菌の 2 次汚染 防止およびの食品の低温での温度管理が重要であると示唆された。次に,牛内臓肉におけ る本菌の汚染状況を調べた結果,104 検体中 22 検体(21.2%)からと高率に検出された。 そのほか,ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)は 24.0%,Campylobacter jejuni/ coli は 48.1%, サルモネラは 3.8%の検体から検出された。糞便系大腸菌群陰性検体は 19 検体と少なかっ たが,汚染指標菌が陰性であっても,L. monocytogenes や食中毒細菌が検出される検体もあ った。牛内臓肉はL. monocytogenes を含む食中毒菌に高率に汚染されていることが明らか となった。 第二章では,国内での食品からのL. monocytogenes 検出法が旧 IDF 準拠の平成 5 年通知 法から,ISO 法準拠の平成 26 年通知法に変更したため,平成 5 年通知法と新たな ISO 法を 比較検討した。その結果,従来法およびISO 法による定性試験法では,多くの食品で検出 結果が一致した。一部,魚介乾製品においてISO 法の 2 段階増菌が平成 5 年通知法よりも 有効である可能性が認められた。 第三章では,L. monocytogenes 分離菌株の分子生物学的血清型別法として新たに開発され 氏名(本(国)籍) 下 島 優香子(東京都) 推 薦 教 員 氏 名 東京農工大学 教授 藤 川 浩 学 位 の 種 類 博士(獣医学) 学 位 記 番 号 獣医博乙第147号 学 位 授 与 年 月 日 平成28年9月26日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第2項該当 研 究 科 及 び 専 攻 連合獣医学研究科 獣医学専攻 研究指導を受けた大学 東京農工大学 学 位 論 文 題 目 食品におけるListeria monocytogenes の疫学解析に関する 研究 審 査 委 員 主査 東京農工大学 教 授 藤 川 浩 副査 帯広畜産大学 教 授 小 川 晴 子 副査 岩 手 大 学 教 授 鎌 田 洋 一 副査 東京農工大学 教 授 竹 原 一 明 副査 岐 阜 大 学 教 授 石 黒 直 隆 (3)

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たPCR serogrouping に関して,その有用性を検討した。最初に PCR serogrouping について, さらに迅速性を高めるために各種条件(プライマー濃度,反応条件,使用試薬)を改良し た。次に,日本国内で分離されたL. monocytogenes 菌株 187 株について PCR serogrouping

を実施した。その結果,186 株は従来の血清型と矛盾を生じない既知の血清群に群別され た。残りの1 株(2010 年に国産牛から分離された血清型 4d 株)は,未報告の PCR profile を示した。さらにその菌株について解析を行った結果,PCR serogroup IVb の PCR profile のうち,orf2110 のバンドに 201 bp の欠損がある PCR serogroup IVb のバリアントと推察さ れた。このように,簡易・迅速で再現性のある疫学解析ツールであるPCR serogrouping の 有用性を示すことができた。 以上,本研究では都内に流通する食品のL. monocytogenes 汚染実態の一端を明らかにす るとともに,本菌の公的検査法を比較検討し,さらに新たな型別法であるPCR serogrouping の有用性を確認した。本研究により得られた知見は,本菌による食品汚染対策および小中 毒事件の解明に有益な情報を提供するものであると結論される。 審 査 結 果 の 要 旨 Listeria monocytogenes に汚染された食品の喫食による健康危害を防ぐためには,市販食 品の本菌汚染率および汚染菌量を把握することは極めて重要である。また,リステリア症 患者,食品および食品製造環境から分離された株の型別を行い,疫学解析を行っていくこ とは,汚染の拡大を防ぎ,集団発生を未然に防ぐために不可欠である。 本研究では,第一章で東京都内に流通する食品,特に調理済み食品の L. monocytogenes 汚染状況を明らかにした。その結果,ナチュラルチーズ等乳製品626 検体中 2 検体,食肉 製品等 1491 検体中 26 検体,魚介類・魚介類加工品 718 検体中 21 検体,野菜の漬物 145 検体中3 検体から検出された。その汚染菌量は,最大でも 2.3 MPN/g と少量であったが, 増殖が起こりえる pH と水分活性値の食品が存在した。次に,牛内臓肉の本菌の検出状況 を調べた結果,104 検体中 22 検体(21.2%)からと高率に検出された。 第二章では,国内での食品からのL. monocytogenes 検出法が旧 IDF 準拠の平成 5 年通知 法から,ISO 法準拠の平成 26 年通知法に変わったことから,平成 5 年通知法と ISO 法を比 較検討した。その結果,従来法およびISO 法による定性試験法では,魚介乾製品において ISO 法の 2 段階増菌が有効である可能性が考えられたものの,大きな違いは認められなか った。 第三章では,分子生物学的血清型別法として新たに開発されたPCR serogrouping の有用 性を検討した。最初に,PCR serogrouping についての測定条件を改良した。次に,日本国 内で分離されたL. monocytogenes 菌株 187 株の内 186 株は,PCR serogrouping によって従 来の血清型と矛盾を生じない既知の血清群に群別された。残りの1 株(2010 年に国産牛か ら分離された血清型4d 株)は,未報告の PCR profile を示したため,解析を行った結果, PCR serogroup IVb の PCR profile のうち,orf2110 のバンドに 201 bp の欠損がある PCR serogroup IVb のバリアントと推察された。 以上,本研究により都内流通食品のL. monocytogenes 汚染実態の一端を明らかにすると ともに,本菌の公的検査法を比較検討し,さらに新たな型別法であるPCR serogrouping の 有用性を確認した。本研究により得られた知見は,本菌による汚染対策に有益な情報を提 供するものであると結論された。 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位論 文として十分価値があると認めた。

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基礎となる学術論文

1)題 目:東京都内に流通する牛内臓肉からの糞便系大腸菌群,ベロ毒素産生性大 腸菌, Campylobacter jejuni/coli, Salmonella および Listeria monocytogenes 検出状況

著 者 名:下島優香子,井田美樹,西野由香里,石塚理恵,黒田寿美代,仲真晶子, 平井昭彦,貞升健志,甲斐明美

学術雑誌名:日本食品微生物学会雑誌

巻・号・頁・発行年:32(4):209-214,2015

2)題 目:Multiplex PCR serogrouping of Listeria monocytogenes isolated in Japan 著 者 名:Shimojima, Y., Ida, M., Nishino, Y.,Ishisuka,R., Kuroda, S., Nakama, A., Hirai,

A.,Sadamasu, K.and Kai, A.

学術雑誌名:The Journal of Veterinary Medical Science 巻・号・頁・発行年:78(3):477-479,2016

3)題 目:Prevalence and contamination levels of Listeria monocytogenes in ready-to-eat foods in Tokyo, Japan

著 者 名:Shimojima, Y., Ida, M., Nakama, A., Nishino, Y., Fukui, R., Kuroda, S., Hirai, A., Kai, A. and Sadamasu, K.

学術雑誌名:The Journal of Veterinary Medical Science 巻・号・頁・発行年:78(7): - ,2016 既発表学術論文 1)題 目:東京湾の海水,海泥および貝からの病原ビブリオの検出と分離された腸 炎ビブリオ菌株の諸性状 著 者 名:小西典子,尾畑浩魅,八木原怜子,下島優香子,柴田幹良,畠山薫, 鈴木浩,池内容子,秋場哲哉,門間千枝,矢野一好,甲斐明美,諸角聖 学術雑誌名:日本食品微生物学会雑誌 巻・号・頁・発行年:22(4):138-147,2005

2)題 目:A novel method for estimating viable Salmonella cell counts using real-time PCR 著 者 名:Fujikawa, H., Shimojima, Y. and Yano, K.

学術雑誌名:Shokuhin Eiseigaku Zasshi

巻・号・頁・発行年:47(4):151-156,2006 3)題 目:カナマイシンに感受性を示すウエルシュ菌による食中毒事例と分離菌 株の性状 著 者 名:門間千枝,下島優香子,小西典子,尾畑浩魅,石崎直人,仲真晶子, 甲斐明美,柳川義勢,山田澄夫 学術雑誌名:日本食品微生物学会雑誌 巻・号・頁・発行年:25(2):76-82,2008

4)題 目:Estimation of viable Salmonella cell numbers in meat and meat product using real-time PCR

著 者 名:Fujikawa, H. and Shimojima, Y.. 学術雑誌名:Shokuhin Eiseigaku Zasshi

参照

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