Title
The Japanese and German Forest Sectors - A Descriptive
Approach to Future Logging Potentials in Japan and an Analysis
of Current International Competitiveness of the German Forest
Sector( 内容の要旨 )
Author(s)
Steffen, Haberbosch
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第212号
Issue Date
2001-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2553
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏
名(国籍)
学
位
の種
類
学
位
記
番
号
学位授与年月
日学位授与
の要件
研究科_及
び専攻
研究指導を受けた大学
学
位
論
文
題
目
審
査
委
.員
Steffen‡aberbosch(ドイツ連邦共和国)
博士(農学)
農博甲第212号
平成13年3月13日
学位規則夢4条第1項該当
連合農学研究科
生物生産科学専攻
信州大学
-TheJapanese and Ger皿an Forest
Sectors-AI)escriptive Approach to Future Logging
PotentialsinJapan and anAmalysis of
,CurrentInternationalCo皿petitiveness of the German Forest Sector
主査
信 州 大
学
教
副査
信 州 大 学
教
教
教
学
学
大
大
岡
阜
静
岐
授.授
授
授
堆邦雄
進
正俊
睦
池
口鴫
小
野
小
林
論
文
の内
容
の要
旨
本研究はEU、米・加、日本中心のアジアという世界木材市場の3極橋造の中におけ るEUのドイツと、アジアの日本を事例に取り両国の木材市場の展開構造及び現状を把 握し、一両国間 の相互交洗の可能性を解明しようと接近した論文である。 本研究は三部構成となっている。 第一部では研究の視角、課賓の設定、研究の方法に厨して、すなわち本学位論文の枠 組みを設定している。 第二部では月本の森林・林業・木材市場に関して考察を加えている。ここではまず最 初に第1章で日本の木材市場の歴史的展開橋造を辿り明らかにした。次に第2章では我 国木材市場の現状を把握することにより将来の国産材供給ポテンシャルに関して考察を加えた。わが国の森林資源の併存状況から国産木材の大きな供給圧が存在するが、果た
してわが国の森林資源の活用が可能かどうかに屈して考察を加えた。その際に着目した
のが、わが国の木材需要で大きな部分を占めている住宅用材である。・住宅用材は現在乾 燥材化は勿論のことエンジニアウッド化という形のエ薫製晶化も進んでいる。近年の一連のわが国の木材商場を巡る住宅品質確保促進法に始まる法的枠組みの整備の中で、住
宅産業と木材市場の結節点に位置するプレカットエ場のアンケート調査及び個別実態調
査着果で実態を把達し、考察を加え解決されなければならない萬問題点を摘出した。-46-第三部ではドイツにおける森林・林業・木材市場に園・して考察を加えている。第1章 ではドイツの森林資源、伐出生産、木材市場の歴史的展開構造を明らかにした。わが国
においては概略の緒介はあったが、とのような研究は初めてであり新知見を提供してい
る。第2章では木材の生産国であり、消費国であり、輸入国であり、輸出国でもあるド イツの木材市場の現状を、国塵材供給、木材生産、輸入、輸出、国内消糞のそれぞれの 構造をわが国では未だに入手きていなかった最新の資料をもとに把握した。ドイツの製材業ゐ最木の課題は製品の輸出を如何にして行なうかという点であろう。第3章ではド
イツ林業及び製材業の国際競争力に関して考察を加えた。まず最初に統計的に問題の所 在を明らかにした上で、ドイツ製材業の製材技一衝革新に伴う構造転換の過程を把握した。 ドイツ国内の大手製材業者に対するアンケート窮査及び個別聞き取り実態調査結果をも とにEU圏内における製材品の最大の輸出国であるスエーデン、フィンランドの現状を も把握する中で、・日本市場への輸出可能性に節して考察を加えた。第4章ではドイツの 森林経営管理方式が法正林から近自然的森林管理方式へと転換する中で、製材産業の餐 営方式の枠組みが近い将来構造転換せざるを待ないし、国際競争力にもこのことが影響 するであろうことを明らかにした。審
査
結
果
の要
旨
前世紀末以来のグローバル化の進展には目を見張るものがある。この動きヰま様々 な部門で見られているが、森林・林業・木材産業の部門においても例外ではなく急 激に進んでいる。世界木材市場は前世紀の80年代未以降は森林資源の賦存状況に 規定されて採取林業段階から育成林業段階への転換がほぼ完了し、.原生林からの採 取林業によって生産された製品が支配していた段階から育成林業から生産された木 材・木製品が支配.する段階へと転換した。現在世界木材市場の枠組みは日本および 東南アジア、米・▲加、EU諸国という3棲構造の中で多国籍林業資本の行動様式と 密接に絡み合う中で展開している。これら多国籍資本は環境への配慮を行いながら生産される人工林材の木材の異に規定されてエ薫製晶化された製材・エンジニアウ
ッド等を生慶し供給しておりこれら資本間の市場獲得競争は益々先鋭化してきてい る・。.またこのことに各国の森林・林業・木材産業の展開が規定されている。.本論文ではこのような国際的な枠組みの中で展観している日本及びドイツの森林・
林業・木材産美の展開構造及び現状に関して考察を加えており、世界の木材市場の 3棲構造の中における、特に日本とE Uの相互関係を明らかにするために、日本と ドイツの木材市場の相互関係を実態調査をも●とに把達することにより明らかにして いる。審査の結果以下の4点が本研究の成果として指摘できる■。-47-1.わが国におけ-る欧・州材輸入及び消費の宕節点にあり中心的役割を果たしてい る全国のプレカット工場の実態調査を行い、プレカット工場の欧州材に●対する行動 様式を明らかにしたこと。 2.ドイツの製材工業の戦後の展開構造を技術革新の観点から明らか■にしたこと。 3.ドイツの製材工業が近年の多国籍林業資本が支配す.る現状の中で、どのよう に生き残りを図り展開しようとしているのかに関して、ドイツ国内で活発に生産活 動を行なっている製材企業た対して個別聞琶取り爾査及びアンケートによる実態調 査を実施し明らかにしたこと。 4.ドイツにおける森林管理の基本原則が法正林経営から近自然的森林管理方式 へと移行したこ●とに伴う製材工業への影響に園して明らかにしたこと。 以上、本論文は、世界木材貿易の3極構造の中におけるEUと日本の関係に関し て個別実態調査をもとに明らかにしており、本領域にかかわる研究が殆ど存在しな