Title
Mechanisms of Diazepam-induced Hyperphagia in Rats( 内容の
要旨 )
Author(s)
成瀬, 友裕
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(獣医学) 乙第007号
Issue Date
1997-03-14
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1991
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与 の 要件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 成 瀬 友 裕 (兵庫県) 博士(獣医学) 獣医博乙第7号 平成9年3月14日 学位規則第4条第2項該当
Xechanisms of Diazepam-induced Eyperphagia in Eats 主査 岐 阜 大 学 教 授 大 橋 副査 帯広畜産大学 教 授 西 村 副査 岩 手 大 学 教 授 小 林 副査 東京農工大学 教 授 小久江 副査 岐 阜 大 学 教 授 武 脇 法 数 男一義 秀 昌 晴 栄 論 文 の 内 容 の 要 旨 ジアゼバムは、ベンゾジアゼビン誘導体のうちの代表薬であり、抗不安薬として導入さ れた薬物であるが、最近では睡眠薬として用いられている。本論文は、ジアゼパムの摂食 克進作用とその作用機序をラットを用いて検討した結果について述べている。 最初に、シアゼパムは摂食圭を増加させる作用を持っており、この作用に関しては連続 投与しても耐性が生じないことを明らかにしている。次いで、このジアゼパムの摂食克進 作用は、投与経搾にかかわりなく発現する、非絶食ラットで観察できる、摂食選択性を保 持している、そして餌強化スケジュールで訓練したラットにおいて非絶食下でレバー押し 反応の克進として観察できる、ことをそれぞれ証明している。ジアゼパムの摂食克進作用 のこのような特徴を利用して研究を進展きせている。 ジアゼパムの投与によって血糖値は変動しなかった。ジアゼバムの摂食克進作用は、G ABA-A受容休桔抗薬のピクロトキシンあるいはオピオイド受容体桔抗薬のナロキソンの 腹腔内投与による前処置で抑制されるばかりでなく、ドーパミンD-1受容休措抗薬のSC H23390、選択的ドーパミンD-2受容体桔抗薬のハロペリドールあるいはクレポプリ トの皮下投与による前処置でも抑制された。SCH23390とクレポプリドの皮下投与 による併用前処置で、ヂアゼパムの摂食克進作用は発現しなくなった。 ジアゼパムの摂食克進作用は、ヒスタミンH-1受容体桔抗薬のビリラミン(10または 30〟g)あるいはH-2受容体措抗薬のファモチジン(3または10〟g)の脳室内投与 による前処置で影響を受けなかった。一方、ジアゼ/1ムの摂食克進作用は、ヒスタミンH -3受容体桔抗葉のチオペラミド(10〟g)の脳室内投与による前処置で増強され、同受 容体作動薬である卜αメチルヒスタミン(50〃g)の脳室内投与による前処置で抑制さ れた。
-172-以上の結果に基づいて、申請者は、ジアゼパムの摂食克進作用は、血糖値の変化を介す るものではなく、GABA-A受容休を介する機嫌を通して視床下部の食欲中枢が刺激され るために空腹感が惹起されることによって生じるものであると結論し、内因性オピオイド ペプチド、ドーパミン作動性神経系並びにヒスタミンH-3受容体をヘテロ受容体として有 しているドーパミン神経系とは別の神経系がこの作用の発現に関与レていると示唆してい る。加えて、これら研究成果は、摂食障害患者に対するベンゾジアゼピン誘導体による新 しい治療法の発展につながる可能性の高いことも示唆している。 審 査 結 果 の 要 旨 成瀬友裕君の博士(獣医学)の学位請求論文は、ジアゼバムの食欲克進作用とその作用 横序をラットを用いて検討したものである。ジアゼバムは、ベンゾジアゼピン誘導体のう ちの代表薬であり、抗不安薬として導入された薬物であるが、最近では睡眠薬として用い られている。論文内容とま、以下のようにまとめられる。 1)ジアゼバムは、0・2または2mg/kgの用量で静脈内投与すると、摂食圭を増加さ せる作用を発揮した。ジアゼバム(2mg/kg)を3時間毎に10日間連続静脈内投与して も耐性が生じず、有意な体重増加が認められた。このことば、ジアゼパムをこのような過 用量で連続投与することにより肥満が生じることを示唆している。 2)ジアゼバムの摂食克進作用は、投与経路にかかわりなく非絶食ラットで認められた。 また、摂食選択性はこの作用中も保持されていた。餌強化スケジュールで訓練したラット に非絶食下でジアゼパム(1mg/kg)を皮下投与すると、レバー押し反応は明らかに克進 した。ジアゼバム(2mg/kg)の静脈内投与後、血糖値は変動しなかった。これらの結 果は、ジアゼエバムの摂食克進作用が食欲中枢刺激による空腹感の惹起によることを示唆 している。 3)非絶食ラットにおいて、ジアゼバム(0・2mg/kg)静脈内投与により生ずる摂食 克進作用は、GABA-A受容体桔抗薬のビクtjトキシン(2mg/kg)あるいはオピオイ ド受容体措抗薬のナロキソン(0・4mg/kg)の腹腔内投与による前処置で抑制された。 非絶食ラットにおいて、ジアゼパム(1mg/kg)の皮下投与により生じる摂食克進作用は、 ドーパミンD-1受容体桔抗薬のSCH23390(0・03ng/kg)、選択的ドーパミ ンD-2受容休措抗薬のハロベリドール(0・1∼0・3mg/kg)あるいはクレポプリド (0・1∼0・3mg/kg)の皮下投与による前処置で抑制された。SCrI23390(0 ・01mg/kg)とクレポプリド(0・03mg/kg)の皮下投与による併用前処置で、ヂ アゼパム(1mg/kg、皮下投与)の摂食先進作用は発現しなくなった。 4)ジアゼバム(1mg/kg)の皮下投与で生じる摂食克進作用は、ヒスタミンH-1受 容休桔抗薬のビリラミン(10または30〟g)あるいはH-2受容附吉抗薬のファモチジ ン(3または10〟g)の脳室内投与による前処置で影響を受けなかった。一方、ジアゼ バムの摂食克進作用は、ヒスタミンH-3受容休措抗薬のチオペラミド(10〟g)の脳室 内投与による前処置で増強され、同受容体作動葉である卜αメチルヒスタミン(50〟g)
-173-の脳室内投与による前処置で抑制された。 以上の結果に基づいて、ジアゼバムの摂食克進作用は、GABA-A受容体を介して視床 下部の食欲中枢への直接作用によって生じるものであると結論し、内因性オピオイドペプ チド、ドーパミン作動性神経系並びにヒスタミンH-3受容体をヘテロ受容体として有して いるドーパミン神経系とは別の神経系がこの作用の発現に関与していることを示唆してい・ る。加えて、これら研究成果は、摂食障害患者に対するベンゾジアゼビン誘導体による新 しい治療法の発展につながる可能性の高いことも示唆している。 平成9年1月30日に開催された学位論文書査委員会において、5名の審査委員は、提 出論文について慎重に審議し、学位論文としてふさわしいものであると判定した○