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ハードウェアスケジューラによるLinux上での近細粒度並列処理の高速化

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Academic year: 2021

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(1)社団法人情報処理学会研究報告. 2006-ARC-170(5). 2006/11/28. IPSJSIGTbchnicalReport. ハードウエアスケジューラによるLinux上での近細粒度並列処理の高速化 大原_輝↑ 大野和彦↑. 佐々木敬泰↑. 近藤利夫↑. 近年,SMTやCMPプロセッサが高性能計算機だけでなく,一般的なパソコンや組込み用途まで. 幅広く利用されるようになりつつあり,今後は1つのコンピューターシステムに多数のプロセッサコ アが搭載されるようになると考えられる.そのような状況において,ソフトウェア開発の現場におい ては,あらかじめプロセッサコア数が与えられなくても多数のコアを有効活用できることが強く求め られている.我々はそのような状況に際し,近細粒度並列処理が有効と考える.一方で,近年,高性 能計算機による科学技術計算から組込み用途まで幅広く利用できるOSとして,Linuxが普及し始め ている.しかしながら,Linuxは近細粒度処理を前提として設計されていないため,通常のLinux上 でタスク切り替えが頻繁に発生する近細粒度並列処理を適用すると,スケジューリングを含むコンテ キストスイッチのオーバーヘッドが問題となる.そこで,本稿では著者らの提案しているハードウェ アスケジューラSSH(SchedulingSupportHardware)をLinuxに適用することで上記問題を解決. することを目指す.. AccelerationfbrfinegrainedparallelprocessingonLinuxwithhardwaresclleduler KAzuKIOHARA,tnkKAHIRoSAsAKI,↑KAzuHIKoOHNot andTosHIoKoNDoT. Recentyears,SMTorCMPprocessorsareusednotonlyhighperfbrmancecomputingbut alsogeneralpersonalcomputerorembeddedcomputer・InthenearfUture,onecomputer systemwillhavemanyprocessorcores、Inthissituation,itisrequiredfbrsoftwaredevelop 、enttoutiUzemanycoreseflicientlyb園cingthissituation,wethinkthefinegrainedparallel processingispromising、Ontheotherside,LinuxisusedasgeneralOSfbrfromhighperfbr邑. mancecomputingtoembeddedsystems、Butifweadoptthefinegrainedparallelismintothe. genera1Linuxsystemsjtheconteg[tswitchoverheadincludingschedulingoverheadbecomes. aseriousproblem、so,inordertoⅡeducetheoverhead,weintroducetheSSH(Scheduling SupportHardware)weproposedintoLinuxsystem.. 末,各種制御装置などの組込用途でも同様である.. 1.はじめに. 近年,SMTやCMPプロセッサ等の普及が始まり, 1つのコンピューターシステムに複数のプロセッサコ. アが搭載され,その数はシステムにより異なるという 状況になりつつある.今後はローエンドとハイエンド のシステムが搭載するプロセッサコアの数はさらに大 きく異なってくるものと考えられる.そのような状況 においてはソフトウェアの開発時点でシステムに搭載 されているプロセッサコア数が与えられていなくても 多数のコアを有効活用できることが求められる.この. ような状況は,高性能計算機やパソコンだけでなく, 高性能化,高機能化の進むデジタル家電やモバイル端. この様な状況に際し,我々は近細粒度並列処理が有 効であると考えている.近細粒度並列処理では数百か ら数千サイクルで完了するスレッドをプロセッサ数よ りも圧倒的に多く生成する.そして,これらを実況条 件の整ったものからプロセッサに割り当て,アイドル 状態になるプロセッサを発生させないようにする. 一方,高性能計算機による科学技術計算から組込み 用途まで幅広く利用できるOSとしてLinuxが着目 されている.しかしながら,この細粒度並列処理を Linux上で用いる場合,スレッドの生成,スケジュー リング)コンテキストスイッチが多発し,これらによ るオーバーヘッドが大きくなる.そこで,本研究では 著者らが提案しているハードウェアスケジューラであ. るSSH(SchedulingSupportHardwaJ,e)')'2)を利用. ↑三重大学大学院工学研究科補報工学専攻. GraduateSchoolofEngineering,MieUniversity. し,ユーザープログラムの実行と並行してハードウェ. -25-.

(2) アでスケジューリング処理を行い,スケジューリング. 慨。||shaz.。、。エ. 時間を隠蔽する.本稿では予備評価としてLinuxのス. Bus. ケジューラの性能評価とSSHの利用による性能向上 の見積もりを行ったので報告する.. 2.関連研究 且迪包. マルチプロセッサ用のタスク・スケジューリング方. SEE巴munI②zBuS ハzbiEez. 式に関する研究3)~5),7),8)は広く行われているが,そ. 図ユマルチプロセッサアーキテクチャ. の多くはOSやマルチスレッド・ライブラリ等,ソフ トウェアでタスクのスケジューリングを行うものであ. 3.1SSHを利用したマルチプロセッサアーキテク. る.また,タスクスケジューリング;あるいはOS全. チャ. 体のハードウェア化による高速化の研究も行われてい. るが,その多くはユニプロセッサを対象としている.. 仲野らによるSTRONg)''0)は,リアルタイムOSで ある’1TRONの-部をハードウェア化することで高 速化を目指したものである.STRONでは,OSの支. 援を行うハードウェアを導入することで高速化を行っ. SSHは集中,または分散共有メモリのマルチプロ. セッサ環境において,スレッドのスケジューリングを ハードウェアで行うものである.SSHを用いたマルチ. プロセッサアーキテクチャを図1に示す.アーキテク. チャは,CPUとSSH-sを含む複数のPE(Processing. E1ement),スケジューリングを行うSSH-m,SSH-s. ている.しかしながら,導入しているハードウェアは. とSSH-mを結ぶスケジューラバス,スケジューラパ. ハードウェアで実現したサブルーチンであり,CPU. ス調停機,メモリパス調停機,共有メモリから成る.. と協調処理を行うわけではない.一方,本稿で提案す. SSH-sは各CPUとSSH-mとのインターフェースを. る手法では,CPUで実行されるソフトウェア部分と. 提供するもので,CPUの動作と並行して次に実行す. 専用ハードウェアで実行される処理が並列に動作する. るスレッド情報の取得,新しいスレッド情報の送信等. 点が異なる.これにより,ハードウェアによる高速化. を行う.CPUとSSILsはオンチップでの実装を想定. だけでなく,処理時間の隠蔽も可能にしている.. しており,メモリマップド10で接続する.. 本研究の様に,Linuxのマルチプロセッサ環境でス ケジューリングをハードウェア化するものとしては. スレッドのスケジューリングはSSH-mで行う.SSH-. mはSSHsを介してCPUから送られて来たスレッ. BostonOircuits社のgCORE11)がある.gCOREは. ド情報を管理し,優先度に従ってスケジューリングを. ネットワーク環境を模して相互接続した複数のプロ. 行う.SSH-sから要求があると,もっとも優先度の高. セッサコアを内蔵するマイクロプロセッサアーキテク. いスレッド情報をSSHsに返す.. チャでワンチップでグリッドコンピューティングを実. SSH-mとSSH-sは調停器を備えた専用のスケジュー. 現する.gCOREはCPUへのスレッド割り当てを専. ラパスによって接続される.この調停器は,SSHmか. 用回路,TimeMachineで行う.TimeMachineでは スレッド情報の送受信をCPU間ネットワークを介し て行うが,このCPU間ネットワークはメモリアクセ. らのパス使用要求を最優先とし,それ以外のSSH-sか らの要求はラウンドロピンにより決定する. a2SSHの内部アーキテクチャ. ストランザクション,I/Oアクセストランザクション. SSHはスケジューリングなどの処理を行うSSH. の送受信にも使用するため,スケジューリングが多発. mとCPUとSSH-mのインターフェースを提供する. する近細粒度並列処理ではメモリアクセス性能低下. SSH-sから構成される,SSHはクライアント・サー. を招く恐れがある.一方,我々のSSHは専用のスケ. パーモデルになっており,SSH-mがサーバー,SSH-s. ジューラバスを備えるためスケジューリングの多発に. がクライアントとして動作する.本節ではこれらの詳. よりメモリアクセス性能が低下することはない.. 細なアーキテクチャについて述ぺる. 3.2.1SSH-m. 3.SSH. 本節では著者らの提案しているSSHについて概括 する.. 図2にSSH-mのブロック図を示す.SSHmはス レッドのスケジューリングを行うHardwareScheduler. とスレッド情報を保持するG1obalQueueから成る. SSHはスレッドごとに4ワードのスレッド情報を保持 する.この内1ワードは優先度やスレッドの状態等,. -26-.

(3) CPU. SharedMemorYBus SSH-m Bus. Snooping. Unit. [⑩goHD. 0口①ロ。. Hardware. Schedu1er. SchedulerBus 図zSSH-m. 図3SSH-B. SSHがスケジューリングを行うための情報を保持し,. に送信する.. 残り3ワードはOSやスレッドライブラリがコンテキ. 3.3SSHの動作. スト情報へのポインタ等の任意の情報を保持させるこ. SSHの動作例を示す.初期条件として,実行開始か. とができる.G1obalQueueは優先度ごとに実行可龍 状態のスレッドを保持するReadyQueue,待ち状態 のスレッドを保持するWaitQueueをSRAMを用い. ら十分に時間が経っており,G1obalQueueには既に実 行待ちのスレッドがあり,あるSSHsのReadQueue, WriteQueueは共に空であるとする.ユーザープログ. て実装する.. ラムがタイムスライスを使い切り,別のスレッドにコ. HardwareSchedulerはSSH-sからのコマンドに応. じてG1obalQueueヘスレッド情報のエンキュー,デ. ンテキストスイッチする際の動作を示す.. STEP1:CPUではユーザープログラムが動作して. キューを行う.. いる.これに並行してReadQueueが空であるこ. 3.2.2SSILs. とを検出したSSH-sはスケジューラパスの使用. 図3にSSH-sのブロック図を示す.SSH-sはCPU. 権を確保し,SSH-mに次に実行すべきスレッド. とSSH-mのインターフェースを行うCPU-SSHIn‐. terfaceUnit,スケジューラパスを介してSSH-mと. 情報を要求する.. S狂EP2:SSH-mはGlobalQueueの中で最も優先. 通信を行うSSH-SSHInterfaceUnit,SSH-mから取 得したスレッド情報及び,SSH-mに送信するスレッ. 度が高いスレッド情報をSSH-sに返す. STEP38SSH-sはスレッド情報を受け取り,Read. ド情報を保持するためのRegisterUnitから成る.. Queueに格納する.. RegisterUnitはSSHsおよび,SSH-mへのコマン ドや,次に実行すべきスレッド情報を格納するRead. STEP48OSはスレッドがタイムスライスを使い切っ. たことを検出するとWriteQueueに現在のスレッ. Queue,新規に作成したスレッド,あるいは実行権限 を手放したスレッド情報をSSHmが送信されるまで. ド情報を書き込む.. STEP5:SSHsはWriteQueueにデータが書き込. 保持しておくWriteQueueから成る.. まれたのを検出し,パスの使用権を取得後,Write. OPU-SSHInterfaceUnitはCPUが発行したロー. QueueのデータをSSH-mに送信する.OSは. ド・ストア命令のメモリアドレスをRegisterUmtに. ReadQueueからから次に実行するスレッド情. マッピングし,内部レジスタの書き込み,読み出しを 仲介する.. 報を取得し,コンテキストスイッチを行う.. SrEP6:SSH-sからスレッド情報を受け取ったSSH-. SSH-SSHInterfDceUnitはRegisterUnitを監視 し,ReadQueueが空になると,SSH-mに要求を出 し,次に実行すぺきスレッド情報を取得する.また, WriteQueueに有効なスレッド情報が入るとSSH-m. -27-. mは,これを優先度別に適切なキューへ追加する.. (以後,再びSTEP1からの動作を繰り返す.).

(4) 4.SSHのLinuxへの適用. レッドの管理方法をそのままハードウェア化する.す. なわち,SSH-mにG1obalQueueを2セット用意し,. 4.1方針. 片方をタイムスライスが残っているスレッド情報を保. Linuxは汎用OSとして設計されているため,通常. 持するキュー(ReadyQueue),もう片方をタイムスラ イスを使い切ったスレッドを保持するキュー(Expired. のタスクは優先度に応じてCPUの割当てを行う変動 プライオリティ型ラウンドロピンでスケジューリング. を行っている.一方,従来のSSHでは,ハードウエ. Queue)とする.SSHsに送信するスレッド情報の選 択はReadyQueueから行い,タイムスライスを使い. アスケジューラではすべてのタスクをFIFOポリシ. 切ったスレッド情報はExpiredQueueに格納する.そ. でスケジューリングし,スレッドライブラリ,あるい. してReadyQueueが空になったことを検出した時点. はOS側でタイマー割り込みの使用,あるいは動的な. で2つのキューの役割を交代させる.. プライオリティの変更をすることで,ラウンドロピン. これにより,各プロセスに定期的にCPUが割り当. は変動プライオリティ型ラウンドロピンの実現をして. てられることが保証される.そして,各スレッドにタイ. いた.. ムスライスが割り当てられる回数が等しくなり,割り. ここで,従来のSSH用pthread互換スレッドライ プラリユ)では,変動プライオリティ型ラウンドロピ. また,従来のSSHでは,全スレッドが待ち状態になっ. ンをCPUの占有時間の長いスレッドの実効優先度を. 当てられるCPU時間のバランスが崩れることを防ぐ.. 徐々に下げていき,優先度の低いスレッドにもCPU時. てもタスクキューが溢れないように待ちキュー(Wait Queue)をReadyQueueと同程度の大きさを確保し. 間が与えられるようにすることで実現していた.しか. ていた.一方,本稿で実装するLinuxスケジューラ. し,この手法では優先度が高いスレッドと低いスレッ. では本質的にWaitQueueが不要になるため,従来の. ドの間の優先度が差が大きい場合に優先度の高いス. WblitQueue分のメモリをReadyQUeueに割当てる. レッドの実効時間が著しく長くなるという問題があっ. ことで,ハードウェア量を増やすことなくLinuxス. た.一方,Linuxでは一度タイムスライスを使い切っ. ケジューラを実現できる. 4.2改良型SSHの動作. たスレッドはシステム上の他のスレッドもタイムスラ. イスを使い切るまでは,新たにタイムスライスを割り 当てないようにすることでこの問題を解決している.. 改良型SSHではSSHmがReadyQueueとEx‐ piredQueueの二つの優先度別のキューを持つ.SSH. また,我々のpthreadライブラリでは割り当てられ. mの構造を図4に示す.改良型SSHではタイムスラ. るCPU時間の長さが各スレッドに割り当てられた優. イスを使い切ったか否かという情報と共にSSILsから. 先度ではなく,他のスレッドの優先度との差に比例す. スレッド情報が送れてくる.SSH-mはこれにより,タ. るという性質があった.しかし,Lmuxではタイムス. イムスライスが残っているものはReadyQueue,使 い切ったものはExpiredQueueの該当する優先度の. ライスの長さはユーザーが与える静的優先度★によっ てのみ決定される.. 従来のpthreadライブラリの実装をそのままLinux. キューに挿入する.一方,SSH-sからスレッド情報の. 要求があると,ReadyQueueの空でない最も優先度. に適用しても,静的優先度の高いスレッドも時間経過. が高いキューの先頭からスレッド情報を取り出し,要. と共に一時的に動的優先度を下げていくため,低い静. 求したSSH-sに返す.. 的優先度のスレッドが永久に実行されないという問題. この動作を繰り返すとやがてReadyQueueの全て のキューが空になる.SSH-mはこれを検出し,Ready QueueとExpiredQueueの役割を交代させる.. は発生しないしかしLinuxの標準のソフトウェアス. ケジューラと比較すると,各スレッドに割り当てられ るCPU時間のバランスが大きく崩れてしまう可能性. 5.性能見積もり. がある.これらの問題はもともと従来のpthread互換 スレッドライブラリ及び,SSHがタイムスライスの. SSHを利用することでLinuxはスケジューリング. 概念をもたないため,タイムスライスを使い切ったス. を行う際に次に実行するスレッドを決定する処理と従. レッドをうまく扱えないことに起因している.. 来ソフトウェアで実現してたReady/ExpiredQueue. そこで本研究ではSSHを改良し,Linuxのスケ. に関する操作に要する時間を削減することができる.. ジューラが採用するタイムスライスを使い切ったス. 本節では評価環境を示したあと,タイマー割り込み ごとに発生するタイムスライス更新に関する処理と. ★niceシステムコールによってのみその値が変更される.. Linuxのスケジューリング処理を受け持つschedule. -28-.

(5) SSH-m. 上imeslice. nreadhas. imes1iCe「. 表3schedule関数の処理に要するサイクル数とその内訳. ReadyQueueBwitchabユロBxpiredQueue (orrayorFェFoB) ̄ぃrrnyofFェFOB). プロファイル情報更新. 唾二三+lii. Ready/ExpiredQueue操作 次スレッド決定. 動的優先度再計算 コンテキストスイッチ. その他 計. 麺狸麹蛭唖》|趣. 上hreadhas. schedulerbus. Linuxの標準のソフトウェアによるReady/Expired. 図4改良型SSH-m. Queue実装ではCPUごとにキューを用意し,各スレッ. ドが同じCPUのReady/ExpiredQueueに保持され. 表1評価環境 CPU. R3000互換プロセッサ2台. 1ih作周波数. 10MHz. 主記憶. 64MB. OS. mirlux2、6.10. コンパイラ. GCC3.4.4. Verilogシミュレータ. VOS7.0. 続ける様になっている.これにより,スレッドが複数. のCPUの間を動き回ることを避け,キャッシュメモ リのヒット率を上げている.しかしこの手法では各プ ロセッサに割り当てられたスレッド数に偏りが生じる. 場合があるため,偏り大きくなったことが検出される と負荷の高いCPUから低いCPUにスレッドを移動 させバランスをとる.タイマー割り込みハンドラの中. 表2タイマー割り込みに要するサイクル数とその内訳 割り込みハンドラ起動処理. 1337. でもこのパランシング機構に関連した処理が行われる.. プロファイル情報の更新 タイムスライス更新. }霊;. Queueを使用するのでこのパランシング処理は必要. ソフト割り込みハンドラ. 531. ない.これによりタイマー割り込み処理に要するサイ. その他. 3235. 計. 11107. パランシング処理. しかし,SSHでは全CPUで共通のReady/Expired. 3607. クル数を約32%削減できる.また,このパランシング. 処理はプロセッサ数に対しO(、)で計算時間が増加す るアルゴリズムを含んでいるのでプロセッサ台数が増. 関数のそれぞれについてどの程度の性能向上が期待で. 加するとSSHによる高速化率はさらに上がる.. きるか議論する.. 5.3schedule関数. 5.1評価環境諸元. schedule関数は次に実行すべきスレッドを決定し,. 評価環境の概要を表1に示す.. コンテキストスイッチを行う関数で,スレッドがタイ. CPUにはR3000互換のⅢScプロセッサを2台搭 載する.このプロセッサはTbst-and-Set型の独自のア. ムススライスを使い切ったときや,何らかの原因でブ. ロックされるときに呼び出される.schedule関数にか. トミックなロード・ストア命令を備え,マルチプロセッ. かるサイクル数とその内訳を表3に示す.. サに対応する.キャッシュコントローラは現在開発中 であるため,今回はキャッシュのヒット率を100%と. に対する操作,次に実行すべきスレッドの決定Au理を数. 仮定して評価を行った.また,主記憶は64MBとす. サイクルで終えることができる.これによりschedule. る.この環境をVerilogHDLを用いて実装し,シミュ 5.2タイマー割り込み処理. 関数に要するサイクル数を約18%削減できる.更に著 者らの提案しているコンテキストスイッチ支援ハード ウエアCSSを適用することで,最大で35%の削減を. 標準ではLinuxは毎秒1000回★のタイマー割り込. 期待できる.. レータ上で動作させ評価を行った.. みを発生させる.しかし,本評価環境は動作周波数が 低いので割り込み処理に要するサイクル数を減らすた. SSHを使用することにより,Ready/ExpiredQueue. また,ソフトウェアによるReady/ExpiredQueue. 実装ではschedule関数内でCPUがアイドル状態で. め,これを100回に落として評価を行った.本評価環 境ではタイマー割り込み処理一回当たり11000サイ. あることを検出すると他の負荷の高いプロセッサを探 し,そのプロセッサに張り付いているスレッドを奪う. この処理はパランシング処理と同様にプロセッサ台数. クル程度要した.その内訳を表2に示す. ★2.6.13以降は250回. に対しO(、)で計算時間が増える.SSHではこのよう な処理は必要ないためプロセッサ台数が増えた場合に. -29-.

(6) }まさらなる高速化が望める.. 6.結論と今後の展望 SSHを利用してLinuxのスケジューリングを行う方. タイムOSチップの性能評価と分散OSへの拡. 張,電子情報通信学会技術報告書,VOLOPSY51,pp23-30(1998). 10)Nakano,T、,Komatsudaira,Y、,Shiom,Aand lmai,M、:PerfbrmanceEvaluationofSTRON: AHardwarelmplementationofaReaルTime OS,IEIOEnalmsactions,Vol・E82-A,No.11,. 法を検討し,高速化が可能であることを示した.現在, SSHを利用してスケジューリングを行うスケジューラ. を実装中であり,完了次第,詳細な評価を行う予定で ある.. また,現在のSSHはLinuxの標準のスケジューラ で行われていた,スレッドのCPUへの貼り付けが考 慮されていない.今後はこの点も考慮してスケジュー リングを行い,キャッシュヒット率の向上をねらう.. 参考文献. 1)佐々木敬泰,西村直已,弘中哲夫,吉田典可:. マルチプロセッサ用スケジューリング支援ハード. クでCPUコアをつなぐマルチコア型マイクロプ. withSchedulingSupportHardwarefbrOperatingSystemonMultiprocessorSystem,Asia andSouthPacificDesignAutomationConfer-. ence2000(ASP-DAO2000),pp29-30(2000). 3)DStein,D・Shah:ImplementingLightweight Threads,USENIXOonferenceProceedings,. ppl-10(1992). 4)KIEuraandA・Ybnezawa:Fme-grainmul‐. tithreadingwithminimalcompilersupportacosteHectiveapproachtoimplementingeflicientmultithreadinglanguages,Proceedingsof thel997AOMSIGPLANOonfbrenceonPro‐. grammingLanguageDesignandlmplement趾. tion,pp、320333(1997). 5)ML・PowelleM.:SunOSMulti-threadAr‐ chitecture,USENIXOonferenceProceedings, pPl-13(1991).. 6)飯田全広,久我守弘,末吉敏則:マルチスレッド制. 御ライブラリのハードウェア化によるオンチップ・. マルチプロセッサの構成,並列処理シンポジウム (JSPP'971PSJSymposiumSeries),pp337L344 (1997) 7)坂本力,宮崎輝樹,桑山雅行,最所圭三,福田 晃:並例性と移植性をもつユーザレペルスレッドラ. イプラリーPPLの設計および実装,電子情報通信 学会論文誌,VOLJ80-D-I,Nol,pp、42-49(1997), 8)小熊寿,海江田章裕,森本浩通,田村友彦,. 鈴木貢,中山泰一:SMP型計算機を活用する 軽量プロセス・ライブラリ,情報処理学会論文誌, VOL39,N09,pp、2718-2725(1998). 9)仲野巧,小松平良樹,塩見彰陸,今井正治リアル. -30-. ●. △m一一 (叩叩》 (叩皿》 (四二]. 。ⅢB■〃〃. ロセッサを開発,日経BP日経エレクトロニクス 9月26日号ppl79-186(2006). 12)DanielP・Bovet,MarcoCesati:詳細Linux カーネル第2判,オライリー・ジャパン(2003). 13)JoshAaB;UnderstandingtheLmux2、6.8.1 OPUScheduler,h伽:(/ツosh.tmnce3q/f⑩….com/1伽uZ/ (2005). 14) 高橋和宏:Linuxカーネル2.6溺騨室第1回プ ロセススケジューリング,ソフトパンクパブリッ シングUNIXUSER2004年6月号pp,89106 〃80Ⅱ、. ウェアの提案とシミュレーション評価,電子情報通 信学会論文誌,VbLJ84D-I,No.11,ppl515-1531 (2001). 2)NaokiNishimura,IhkahiroSasakiandlbt‐ suoHironaka:PrototypeMicroprocessorLSI. pp2375-2382(1999). 11)AronKurland,片岡裕之,梅村誠:ネットワー.

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参照

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