1
-理科(生物Ⅰ)学習指導案
広島県立広島観音高等学校 教 諭 福 本 伊 都 子 16 11 11 50 12 40 1.日時 平成 年 月5日(金) 第4限目 : ∼ : 2.対象 第2学年文系生物選択 B11組(2年 ・ 組6 7 34人(男子9人 女子25人 )) 3.場所 西館1階 総合理科教室 4.単元名 「刺激の受容と動物の反応」 5.単元について ( )単元観1 私たちヒトは,普段,受容器を通じて外部や内部環境の変化を受容するとともに,その場の状 況に適した反応をしているが,こういった感覚や反応は,眼や耳などの受容器や筋肉などの効果 器が,それぞれ驚くばかりに精密に,合理的に働いて生じるものである。例えば,眼の精巧さは よくカメラに例えられ,光学的にはカメラの方が優れた面もあるが,ヒトの眼の情報は,脳の情 報処理によって補正され,すばらしい視覚の世界を作り上げることができる。しかも,眼は全て 生きた細胞からできており,多少傷ついても自動的に修復することができる。 ヒト以外の動物においても,生息環境に応じて進化し,優れた機能をもつ受容器や効果器をも っている場合がある。例えばコウモリは,真っ暗な洞窟でもヒトが感じることができない超音波 を受容してぶつかることなく飛ぶことができる。また,ホタルは発光によって個体間の情報交換 を行うことができる。 本単元では受容器と効果器の構造と働き,動物の種類の違いによる相違点・共通点を,生息環 境との関連や壮大な生命の歴史を振り返りながら理解させたい。そして,生物体や生命を尊重す る態度を身に付けさせたい。 ( )生徒観2 生徒はおおむね授業や実験に積極的に参加しているが,生物を受験科目とする生徒はごく少数 で,基本知識の定着に差があり,論理的に考察する力は弱い。 中学校理科では「刺激と反応」の単元において,動物が外界の刺激に適切に反応している様子 や,これに関係する眼,耳などの受容器や神経系,効果器の基本的な構造と働きについて学習を している。生徒アンケートによると,中学校理科の学習で関心をもった内容に「眼や耳など,ヒ トの体に関する学習内容」と答えた生徒が多い。実験・観察については,中学校によって実施内 容に差がある。 ( )指導観3 ヒトの体に関する内容が多く,生徒の興味・関心が高い単元であるので,できるだけ生徒自身 が体験できる実験を増やし,関心・意欲をさらに高めたい。 「刺激の受容と感覚」では,刺激を受け取ってから反応までの全体の経路をつかむとともに, 感覚が脳で生じていることや,受容器と適刺激について例を挙げて説明し,理解させたい。 「いろいろな受容器」では,ヒトの受容器の基本的な構造や働きに重点を置き,さらに他の動 物の感覚についても例を挙げて説明する。錯覚や補色残像,盲斑の検出,皮膚感覚など,生徒自 身が体験できる実験や,ブタの眼の解剖実験を行い,眼の構造や働きの巧妙さを実感させるとと もに,構造と働きとの関連を考察させる。他の動物の感覚など,実験・観察ができない場合は, 視聴覚機器や図解を使用し,理解の援助を行う。 「効果器と反応」では,ヒトの骨格筋の構造や働きに重点を置き,さらに腺,発光,発電,体 色変化などの効果器についても基本的な構造や働きを理解させたい。骨格筋の顕微鏡観察,筋収 , , , 縮の模型作り 筋収縮の確認実験 ウミホタルの発光実験やメダカの体色変化の観察実験を行い また,図解などを使用して,理解を深めたい。 単元の学習を終えた時点で,刺激の受容から反応までの経路が理解できており,受容器や効果 器の構造や働きが理解できているようにする。全体を通して,単に羅列的に記憶させることにな らないように,器官の巧妙なしくみを考察させたり,進化の流れの説明を加えることで,生物体 のすばらしさを感じられるように工夫し,生物体や生命を尊重する態度を育成したい。 6.単元の目標 , , , 刺激の受容と動物の反応について観察 実験などを通して探究し 刺激の受容から反応までの経路や受容器 効果器の構造と働きを理解する。 7.単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 観察・実験の技能・表現 知識・理解 ○ 刺 激 の 受 容 と 反 応 に 関 す る ○ 受 容 器と 効 果器 の 働 き ○刺激の受容と動物の反応に関 ○ 刺 激 の 受容 か ら 反応 ま 事 象 に 関 心 を も ち , 意 欲 的 を そ の構 造 に関 連 付 け する観察,実験の技能を習得 で の 経 路を 理 解 し, 受 に 探 究 す る 態 度 を 身 に 付 け て考察する。 し,科学的に探究する方法を 容 体 や 効果 器 の 構造 や る。 身に付け,結果を的確に表現 働 き に つい て 知 識を 身 する。 に付ける。2 -8.指導と評価の計画(全15時間+定期テスト) 評 価 次 時数 学 習 内 容 関 考 表 知 評 価 規 準 評価方法 1 1限 1 刺激の受容と感覚 ◎ ・受容器は感覚細胞からなり,感覚細 ・小テスト ・感覚,受容器と適刺激 胞が興奮するためには,一定以上の 刺激が必要であること,また,感覚 は興奮が脳の感覚中枢に伝えられて 生起することを理解している。 ・受容器の種類によって適刺激が決ま ・小テスト っていることを理解している。 2 2限 2 いろいろな受容器 ◎ ・眼の構造と機能を理解している。 ・小テスト ◎ ・実験プリント ・光の受容と眼の構造と機能 ・実験結果から,眼の構造や視覚が生 ・実験① 錯覚,補色残像, じるしくみをもとに,盲斑や残像現 盲斑の確認 象の理由を考察する。 3限 ・実験② ◎ ・解剖で眼の各部の構造を確認し,ス ・実験プリント ・行動観察 (本時) ブタの眼の解剖 ケッチ(正確に記録)する。 ○ ・眼の解剖や観察に意欲的に取り組 ・実験プリント む。 4限 ・ブタの眼の解剖の考察 ◎ ・盲斑の実験で盲斑の投影図を描くこ ・実験プリント ・実験③ とができ,実験結果から,盲斑の大 盲斑の検出・投影図の作成 きさを算出することができる。 ○ ・前時の解剖の結果やワークシートの ・実験プリント ワークシート 事例から,視覚の成立について考察 ・実験プリント する。 ・盲斑の実験で,盲斑上に像を結んで も知覚できない理由を考察する。 5限 ・明順応・暗順応,遠近調節 ◎ ・明・暗順応,遠近調節の知識を身に ・小テスト 付けている。 6限 ・実験④ 近点・遠点の測定 ◎ ・遠近調節のしくみから,近点と遠点 ・実験プリント の間以外では,まち針が2本に見え る理由を考察する。 ○ ・近点より近い場所で右穴を閉じると ・実験プリント 左側のまち針が消えて見える理由を 考察する。 ・実験プリント ・近点,遠点の測定ができる。 7限 ・音の受容と耳の構造と機能 ◎ ・耳の構造や音の受容に関する知識を ・小テスト 身に付けている。 8限 ・平衡覚,嗅覚,味覚, ◎ ・平衡覚,嗅覚,味覚,皮膚感覚に関 ・小テスト 皮膚感覚 する知識を身に付けている。 ○ ・平衡覚,嗅覚,味覚,皮膚感覚につ ・行動観察 いて関心をもつ。 9限 ・実験⑤ 皮膚感覚(触覚) ◎ ・皮膚感覚に関心をもつ。 ・実験プリント ○ ・実験プリント の2点識別能力の測定 ・2点識別能力の測定ができる。 限 ◎ ・ワークシート 10 ・ヒト以外の動物の感覚 ・他の動物の感覚に関心をもつ。 行動観察 3 11限 3 効果器と反応 ◎ ・骨格筋の構造と収縮のしくみを理解 ・小テスト ・筋肉の種類,骨格筋の構造 する。 と収縮のしくみ 限 ◎ ・実験プリント 12 ・実験⑥ 骨格筋の観察 ・骨格筋を染色して顕微鏡観察し,ス ケッチ(正確に記録)する。 ○ ・骨格筋の構造に関心をもつ。 ・実験プリント 限 ◎ ・実験プリント 13 ・筋収縮の収縮曲線 ・収縮の様子を観察し,収縮の種類を ・実験⑦ 筋収縮 判断する。 ◎ ・模型 ・工作 筋収縮の模型 ・筋収縮の模型を作成する。 限 ○ ・ワークシート 14 ・分泌腺,発電器,発光器 ・いろいろな効果器に関心をもつ。 行動観察 ・実験⑧ ウミホタルの発光 限 ◎ ・実験プリント 15 ・体色変化 ・ウロコを顕微鏡観察しスケッチ(正 ・実験⑨ メダカの体色変化 確に記録)する。 ○ ・ウロコを観察し,周囲の色との関連 ・実験プリント を考察する。
3 -9.本時の展開 (1)本時の目標 ・ブタの眼の解剖を通して眼の各部の構造を確認し,スケッチ(正確に記録)する。 ・眼の解剖や観察に意欲的に取り組む。 (2)観点別評価規準 , 。【 】 ◎ブタの眼の解剖を通して眼の各部の構造を確認し スケッチ(正確に記録)する 観察・実験の技能・表現 ○眼の解剖や観察に意欲的に取り組む。 【関心・意欲・態度】 (3)学習の展開 学 習 活 動 指導上の留意事項 評価規準 評価方法 導入 1.視覚の成立と眼の構造の復習 ・眼の構造や各部の名称 5分 を確認させる。 本時の学習目的を知る。 2. ・実物をしっかり見させ ブタの眼を解剖し,構造をしっか る。 りと見て正確にスケッチしよう。 展開 3解剖 ( )方法1 分 ①解剖方法について理解する。 ・眼球を2つに割る方法 40 ②眼球の外側の余分な脂肪や筋肉を をVTRで見せる。 取り除く。 ・ハサミで怪我をしない ③眼球の外見や視神経 強膜 角膜, , , ように注意させる。 虹彩,瞳孔,結膜を確認する。 ・机間指導。 , ④眼球を切り開いて2つの半球にし ガラス体を少し取り出す。 ⑤半球の内側から眼の各部の構造を ・角膜側の半球の映像を 確認する。 テレビ画面に映し,毛 様体や虹彩を画面と比 ・ブタの眼の解剖を ・実験プリント 較しながら確認させ 通して各部の構造 ・行動観察 る。 を確認し,スケッ ・気分が悪い生徒がいな チ(正確に記録) ( )結果2 いか注意する。 する。 ①確認できた部分について記録やス ・スケッチに特徴や名称 【観察・実験の 】 ケッチをする。 を書き込ませる。 技能・表現 ②水晶体を取り出し,つまんだ感触 ・水晶体が崩れないよう を確かめ,水晶体を通して景色を に気を付けさせる。 見る。 ( )片づけ(時間がない場合は,先に 手は石けんで洗わせ3 ・ まとめをする )。 る。 まとめ 4.まとめ 5分 ( )観察結果を整理し,感想と振り返 ・確認できなかった部分1 ・眼の解剖や観察に ・実験プリント 。 り(自己評価)を書く。 は次回,視聴覚機器を 意欲的に取り組む 【 】 ( )次回の予告2 使って確認させる。 関心・意欲・態度 ・考察は次回に行う。そ れぞれ次回までに考え ておくように指示す る。
4 -☆評価 観点・方法・評価の判断基準 評価の判断基準 観 点 方法 A「十分満足」 B「おおむね満足」 C「努力を要する」 観察・実験の 実験プリント 作 業 の 手 順 を 理 解 作業の手順を理解し, 作 業の 手順 をあ いま 技能・表現 (スケッチ) し,適切に眼を解剖 眼を解剖している。眼 い に理 解し てい る。 行動観察 している。眼の特徴 の構造を正確にスケッ 眼 の構 造を 正し くス 的な構造等に着目し チしている。 ケッチ していない。 て,正確にスケッチ し,さらに特徴など についても書き込ん でいる。 関心・意欲・態度 実験プリント 自己評価が A で「 」 , 自己評価 B または「 」 , 自 己評 価「 C」 であ (感想・ 感想に眼の構造や機 自己評価 A であり「 」 , り ,感 想欄 が未 記入 自己評価) 能についてさらに探 感想や印象が記述され で あ っ た り 「 実 験, 究しようとする姿勢 ている。 が 楽し かっ た」 とい がみられる。 う 程度 で, 実験 の内 容にふれていない。 ☆Cと判断される状況へのはたらきかけ 観察・実験の技能・表現 作業の手順を繰り返し説明し,個別に図説などを使い,スケッチをさせる。 関心・意欲・態度 個別に関心がもてない理由を聞き,意欲が高められるように指導の工夫を行う。