抗 不 安 薬 ソ ラ ナ ッ ク ス(R)を投 与 し た
舌 痛 症17例
の 臨 床 経 験
草 野 雅 章1)・ 小 松 祐 子1)・ 梶 原 淳 久1)
佐 藤 広 康2)・ 桐 田 忠 昭1)
Clinical
experience
with the anti-anxiety
drug,
Solanex(R),
in the treatment
of 17 glossodynia
patients
Masaaki Kusano 1), Yuko Komatsu 1), Atsuhisa Kajiwara 1),
Hiroyasu Satoh 2) and Tadaaki Kirita 1)
Abstract:
Objective: To present clinical experience with the anti-anxiety drug, Solanax(R), in the treatment of 17 glossodynia patients.
Study design: The patients consisted of 1 male and 16 females, 17 in total, with amean age of
67.9 •} 2.4 years, and CMI testing was performed. Solanax(R) was administered orally to each of the 17
patients for 12 weeks. The clinical examination evaluated oral stimulatory, neuropsychological and
somatic symptoms.
Results: In the CMI test, 19% (3/16) of patients were diagnosed as either provisionally neurotic or neurotic. Tongue pain recovery rates were high after 12 weeks of Solanax(R) administration and 2 and 4 weeks after its completion, with a reduction of symptoms in more than 60% of the patients. The recovery rates for other oral stimulatory symptoms besides tongue pain were also high after 12 weeks
of administration and 2 and 4 weeks after its completion, with improvement observed in more than
55% of cases. There were, however, as side effects, reports of drowsiness (12%: 2/17),
unsteadi-ness on the feet (6%: 1/17) and dry mouth (6%: 1/17).
Conclusion: The results suggest that Solanax(R) may be clinically useful and safe for the long-term treatment of glossodynia patients.
Key words: glossodynia, Solanax(R), anti-anxiety drug, clinical experience
キ ー ワ ー ド:舌 痛 症,抗 不 安 薬 ソ ラ ナ ッ ク ス(R),臨床 経 験
緒
言
舌痛 症 とは,1984年 の 日本歯科 心 身医 学会 に おいて
「
舌痛 を主 訴 と し,他覚 的 に も異 常 が認 め られ ず,ま た,
臨 床検 査 で も特 に異 常 が認 め られ ない に も関 わ らず 慢
性 持 続 的 な表在 性,限 局 性 自発 痛 を舌 に訴 え る もの」
と定義 されて い る1).舌 痛症 で は痛 み を訴 える表現 が
多 彩 で,さ ま ざ ま な表 現 で そ の 痛 み を訴 え る が,通 常 は舌 の 表 面 を 中 心 に ヒ リ ヒ リ と した 限 局 性 の 痛 み を 訴 え る場 合 が 多 い.治 療 と して は,通 常,心 理 療 法 と薬 物 療 法 の 両 面 か ら行 わ れ る.本 報 で は,抗 不 安 薬 ソ ラ ナ ッ ク ス(R)を投 与 し た 舌 痛 症17例 の 臨 床 経 験 に つ い て 報 告 す る. 1)奈 良県 立医 科大 学医 学部 口腔 外科 学講座 (主任:桐 田忠 昭 教授) 2)奈 良県 立医科 大 学医 学部 薬理 学教室 (主任:吉 栖 正典 教授)1) Department of Oral and Maxillofacial Surgery
, Nara Medical
University (Chief: Prof. Tadaaki Kirita)
2) Department of Pharmacology , Nara Medical University
(Chief: Prof. Masanori Yoshizumi)
抗 不安 薬 ソ ラナ ックス(R)を投与 した舌 痛症17例 の臨 床経験
対象 および方法
1.対 象 対 象 は2000年2月 よ り2002年2月 ま で に,奈 良 県 立 医 科 大 学 医 学 部 附 属 病 院 口 腔 外 科 外 来 を 受 診 し,積 極 的 診 断 と除 外 診 断 に よ っ て 舌 痛 症 と 診 断 され た 患 者 で あ る.患 者 は男 性1名,女 性16名 の 計17名,平 均 年 齢 は67.9±2.4歳 で あ っ た.な お 今 回 の対 象 症 例 に お い て は,本 剤 投 与 が 不 適 当 で あ る(1)著 し く体 力 の 衰 え て い る患 者,(2)慢 性 肝 炎 の 肝 機 能 障 害 の あ る者,(3)血 小 板 数15万/mm3以 下 の 患 者,(4)高 齢 者,妊 婦 ま た は妊 娠 の 可 能 性 の あ る 婦 人 お よ び 授 乳 中 の 患 者,小 児, お よび(5)検 討 対 象 と し て ふ さわ し く な い と考 え た 精 神 疾 患,て ん か ん,そ の 他 器 質 性 脳 障 害 の あ る 者,血 清 亜 鉛,血 清 銅,血 清 鉄 欠 乏 疾 患 の あ る者(血 液 検 査 に よ っ て 判 明 し,か つ 症 状 が 出 て い る者),口 腔 内 の 器 質 的 ・機 能 的 障 害,補 綴 的 障 害 の 存 在 す る 者 な ど を あ ら か じ め除 外 し た. 2.方 法 (1)投 与 方 法 抗 不 安 薬 と して,ソ ラナ ッ ク ス(R)(以 降,ソ ラ ナ ッ ク ス)0.4mg錠 を,食 後 に1日3回(1日 量 と し て3錠) 投 与 し,そ の 効 果 につ い て 検 討 し た. 舌 痛 症 に 対 す る治 療 薬 を 選 択 す る に 際 し て は,臨 床 的 に 舌 痛 症 に 効 果 が あ る最 高 度 の 蓋 然 性 を有 す る と い う基 準 を用 い た. 投 与 期 間 は,原 則 と して12週 間 と し た.な お,投 与 期 間 が12週 に 満 た な い 場 合 で あ っ て も,症 状 が 全 く 消 失 し1か 月 以 上 経 過 して も再 発 し な い こ と が確 認 さ れ,主 治 医 に よ り こ れ 以 上 治 療 を要 さ な い と判 断 さ れ た 症 例 は そ の 時 点 で 投 与 を終 了 した. (2)併 用 療 法 自律 訓 練 法,行 動 療 法 な ど の 心 理 療 法 と の 同 時 開 始 は し な い こ と と した.た だ し,既 に 心 理 療 法 を 開 始 して い る に も拘 らず,期 待 した 効 果 が得 られ な い も の につ い て は 問 わ な い も の と した.併 用 薬 剤 と して は,漢 方 薬,抗 精 神 病 薬,抗 うつ 薬,消 毒 薬 は 使 用 しな か っ た. (3)症 状 ・所 見 の 採 取 初 診 時 か ら,舌 痛 症 問 診 票(表1)を 用 い て,患 者 の 口 腔 内 症 状 と全 身 症 状 を記 録 し た.心 理 テ ス トと して Cornel Medical Index test(CMI test)2)を 行 っ た.血 液 検 査 は 通 常 の 末 梢 血 液 検 査,生 化 学 検 査 を一 律 実 施 し た.生 化 学 検 査 と して は,GOT,GPT,ALP,BUN, TP,TIBC,FBS,Na,KC1の 他 に生 体 微 量 金 属 量 の 測表1 舌痛症問診表(初 診用)
【舌 痛 症 問 診 表1-1-A患 者 調 査 表(治 療 前)】[症例 番号]
口腔外科 初診
西暦(和 暦)(平 成)年 月 日 あな た は舌 痛 症 が強 く疑 わ れ ます.舌 痛 症 は ス トレ ス 時 代 と い わ れ る複 雑 な 人 間 関 係 を 背 景 に して増 加 傾 向 に あ る慢 性 疹 痛 性 疾 患 の 一 つ です.治 療 の 参 考 と な るよ う以 下 の3枚 の ア ンケ ー トに お答 え下 さい. 主 治 医: 記 載 時 期:西 暦(和 暦)(平 成)年 月 日 1.氏 名: 2.IDNo: 3.年 齢:歳 4.生 年月日:西 暦(和 暦)(平 成)年 月 日 5.性 別:男 女 6.身 長:cm体 重:kg 7.ど う な さい ま した か(主 訴): 8.異 常 の あ る場 所 は 舌 の ど こで す か(罹 患 部 位): 9.い つ か らで す か(罹 病 期 間): 10.ど ん な痛 み で す か: ピ リピ リ ヒ リ ヒ リ しみ る チ リチ リ 接 触 痛 刺 激 痛 しび れ る 灼 熱 感 その 他()不 明 11.過 去 に持 病 が あ り ま した か(既 往 歴): 無 有() (3枚 組 の1枚 目) 定 検 査 と して 原 子 吸 光 分 析 法 に よ る 血 清 亜 鉛 量 の 測 定,Nitroso-PSAP法 に よ る血 清 銅 量 の 測 定,比 色 法 に よ る 血 清 鉄 量 の 測 定 検 査 を 行 っ た. 口 腔 内 刺 激 症 状(舌 痛,口 腔 粘 膜 異 常 感,味 覚 異 常 感),精 神 ・神 経 系 症 状(不 安,抑 轡,イ ラ イ ラ感,癌 恐 怖),身 体 各 症 状(前 胸 部 圧 迫 感,の ぼ せ 感,悪 心 ・ 嘔 吐,易 疲 労 感,発 汗)は10段 階 か ら な るVAS(Visual analogue scale)を 用 い て 評 価 した.VASの 基 準 は,目 盛 り0を 一(な し:無 症 状),1∼3を 十(弱 い が あ る: 軽 症),4∼7を 十 十(強 い:中 等 症),8∼10を 十 十 十日歯 心 身:第23巻1・2号 2008年12月 【舌 痛 症 問 診 表1-1-B患 者調 査表(治 療 前)】 [症例 番 号] 12.持 病 が あ ります か(合 併症):無 有() 13.現 在 服 用 中の 薬物:無 有() 14.口 腔 内 自覚 症 状: 下 の 線 上 にチ ェ ッ ク を入 れ て下 さい. (1)舌 痛
痛みな し
← 痛みの程度 →
耐 え難い
(2)口 腔 粘 膜 異 常感(灼 熱 感,違 和 感 等) (3)味 覚異 常感 15.精 神 ・神 経 系 症 状: 下 の 線 上 に チ ェ ック を入 れ て下 さい. (1)不 安 (2)抑 諺 (3)イ ラ イ ラ感 (4)癌 恐 怖 (3枚 組 の2枚 目) 症 に対 す る治 療 調 査 表 」(「プ ロ トコ ー ル 」)に は 一,十, 十 十,十 十 十 の4段 階 評 価 を 記 載 し,VASを 同 時 に 記 載 した. (4)副 作 用 副 作 用 が 発 生 す る場 合 は,い っ た ん 投 与 を 中 止 しそ の 原 因 を 解 明 し,そ れ に 対 し,症 例 毎 に 対 策 を施 す.中 心 的 な 検 査 と して は 末 梢 血 液 検 査,生 化 学 検 査 を行 い, 正 常 値 に戻 る の を確 認 す る ま で プ ォ ロ ー した. (5)臨 床 効 果 の 判 定 自覚 症 状 に対 す る 臨 床 効 果 の 評 価 は 投 与 前 値 に 対 す る 投 与 後 の 値 に つ い て,対 応 の あ るt検 定 を 用 い た. 【舌 痛 症 問 診 表1-1-C患 者 調 査 表(治 療 前)】 [症例 番 号] 16.循 環 ・呼 吸 器 症 状: 下 の線 上 に チ ェ ッ ク を入 れ て 下 さい. (1)前 胸 部 圧 迫 感 (2)の ぼ せ 感 17.消 化 器 系 症 状: 下 の 線 上 にチ ェ ッ ク を入 れ て 下 さい. (1)気 持 ち悪 い 感 じ ・吐 き気 18.そ の 他 の 身 体 症 状: 下 の 線 上 にチ ェ ッ ク を入 れ て 下 さい. (1)疲 れ や す い 感 じ (2)汗 をか く 19.痛 み の 程 度:(1)非 常 に 強 い(目 盛 り8-10) (2)強 い(目 盛 り4-7) (3)弱 い が あ る(目 盛 り1-3) (4)な し(目 盛 り0) 20.治 療 開 始 日: 21.備 考 御協 力有 り難 うございま した.奈 良 県立 医科大学 附属病 院 口腔外 科 (3枚 組 の3枚 目) 舌 痛,舌 痛 以 外 の 口 腔 内 刺 激 症 状,精 神 ・神 経 系 症 状, 身 体 各 症 状 に つ い て,以 下 の(a)∼(d)の 効 果 判 定 基 準 に した が い,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 に症 例 毎 に判 定 した3).な お,投 与 終 了 後 ま で 観 察 さ れ て い な い 症 例 は 最 終 観 察 日 で 判 定 し た.複 数 の 項 目 を含 む 場 合 は,1項 目 で 症 状 が増 悪 し た場 合 は 「悪 化 」 と した. (a)治 癒:症 状 が 完 全 に消 失 した 場 合. (b)軽 快:症 状 が あ る程 度 緩 和 され た 場 合. (c)不 変:症 状 に 変 化 が 認 め られ な か っ た 場 合. (d)悪 化:症 状 が よ り増 悪 した 場 合.抗 不安 薬 ソ ラナ ックス(R)を投与 した舌 痛症17例 の臨床 経験 3.デ ー タ の 記 録 方 法 「プ ロ トコ ー ル 」 に,初 診 か ら終 診 まで の デ ー タ を ま とめ て 記 録 し た.具 体 的 に は,性 別,年 齢 等 の 他,痛 み の 部 位 ・表 現 型,背 景 因 子 ・心 身 医 学 的 所 見,末 梢 血 液 ・一 般 生 化 学 検 査 結 果,投 薬 内 容,治 療 結 果,副 作 用,面 接 結 果 を記 録 し た.副 作 用 が 発 現 した 場 合 に は,そ の 症 状 ・発 現 時 期 ・程 度 を記 録 した. C MI test
投与前
図1ソ ラナ ッ ク ス投 与 前 の 舌 痛 症 患 者 のCMI領 域分 布 治 療 前 の舌 痛 症 患 者 のCMI領 域 分 布 状 況 で は,調 査 対 象16例 の う ち,領 域III(神 経 症 で あ る可 能 性 が 強 い)に 入 る者 は,2例 で あ り,領 域IV(神 経 症 者 と判 定 で き る) に 入 る者 は,1例 で あ っ た.そ の 結 果,領 域IIIま た はIV に 入 る者 は19%に 達 した(3/16). 結 果 1.舌 痛 症 患 者 のCMIか ら み た 心 身 医 学 的 所 見 治 療 前 の 舌 痛 症 患 者 のCMI領 域 分 布 状 況 で は,調 査 対 象16例 の う ち,領 域III(神 経 症 で あ る可 能 性 が 強 い)に 入 る者 は,2例 で あ り,領 域IV(神 経 症 者 と判 定 で き る)に 入 る者 は,1例 で あ っ た.そ の 結 果,領 域 IIIま た はIVに 入 る 者 は19%に 達 した(3/16)(図1).舌
痛
図2-1舌 痛 のVASの 経 時 的 変 化 **:p<0 .01 投 与 前 と比 較 し,有 意差 の あ る変 化 が 認 め られ た.口腔粘膜異常感
味覚異 常感
図2-2舌 痛 以 外 の 口腔 内刺 激 症 状(口 腔 粘 膜 異 常 感,味 覚 異 常 感)のVASの 経 時 的 変 化 *:p<0 .05 **:p<0.01 口腔 粘 膜 異 常 感 で は,投 与 前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は 認 め られ な か っ た.味 覚 異 常 感 で は, 投 与 前 と比 較 し,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 に おい て,有 意 差 の あ る変 化 が 認 め られ た.臼歯 心 身:第23巻1・2号2008年12月 2.舌 痛 症 に対 す る 治 療 効 果 (1)VASの 経 時 的 変 化 患 者 の 訴 え る 口 腔 内 刺 激 症 状 は,舌 痛 と味 覚 異 常 感 につ い て,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後,投 与 終 了4 週 後 に お い て,投 与 前 と比 べ る と症 状 の 改 善 が 認 め ら れ た(図2-1,2-2).精 神 ・神 経 系 症 状 は,不 安 に つ い て,投 与12週 後 と投 与 終 了2週 後 に お い て,投 与 前 と 比 べ る と症 状 の 改 善 が 認 め られ た(図3-1,3-2).身 体 各 症 状 は,投 与 前 と比 べ る と症 状 の 改 善 が 認 め られ な か っ た(図4-1,4-2,4-3). (2)ソ ラ ナ ッ ク ス の 効 果 舌 痛 に対 す る 効 果 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に 奏 効 率({(治 癒 例 十 軽 快 例)/全 例}× 100(%))が 高 く,軽 快 を 含 め る と60%以 上 に症 状 の 改 善 が 認 め られ た(図5-1).舌 痛 以 外 の 口 腔 内 刺 激 症 状(口 腔 粘 膜 異 常 感,味 覚 異 常 感)に 対 す る効 果 で は, 投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に奏 効 率 が 高 く,軽 快 を 含 め る と55%以 上 に 症 状 の 改 善 が 認 め ら
不
安
抑
欝
図3-1精 神 ・神 経 系 症 状(不 安,抑 欝)のVASの 経 時 的 変 化 *:p<0 .05 不 安 で は,投 与 前 と比 較 し,投 与12週 後 と,投 与 終 了2週 後 に おい て,有 意差 の あ る 変 化 が認 め られ た.抑 轡 で は,投 与前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は認 め られ なか っ た. イ ラ イ ラ感癌恐怖
図3-2精 神 神 経 系 症 状(イ ライ ラ感,癌 恐 怖)のVASの 経 時 的 変 化 イ ラ イ ラ感 癌 恐 怖 で は,投 与 前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は認 め られ な か っ た.抗不 安薬 ソラナ ックス(R)を投 与 した舌痛 症17例 の 臨床経 験
前胸部圧迫感
のぼせ感
図4-1身 体 各 症 状(前 胸 部 圧 迫 感,の ぼ せ 感)のVASの 経 時 的 変化 前 胸 部圧 迫 感,の ぼせ 感 で は,投 与 前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は認 め られ な か っ た. 悪 心 ・嘔 吐易疲労感
図4-2身 体 各 症 状(悪 心 ・嘔 吐,易 疲 労感)のVASの 経 時 的変 化 悪 心 ・嘔 吐,易 疲 労 感 で は,投 与 前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は 認 め られ な か っ た.発
汗
図4-3身 体 各 症 状(発 汗)のVASの 経 時 的変 化 発 汗 で は,投 与 前 と比 較 し,有 意 差 の あ る変 化 は 認 め られ な か っ た. れ た(図5-2).不 安,抑 馨,イ ラ イ ラ 感,癌 恐 怖 を 含 む 精 神 ・神 経 系 症 状 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に治 癒 と 軽 快 を含 め て40%以 上 に 症 状 の 改 善 が 認 め られ,前 胸 部 圧 迫 感,の ぼ せ 感,悪 心 ・ 嘔 吐,易 疲 労 感,発 汗 を含 む 身 体 各 症 状 で は,投 与12 週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に 治 癒 と軽 快 を含 め て30%以 上 に症 状 の 改 善 が認 め られ た(図6,7). 3― 副 作 用 眠 気 が17例 中2例(12%),ふ らつ き が1例(6%), 口 腔 乾 燥 感 が1例(6%)み られ,副 作 用 の 発 現 は まれ で あ っ た.ま た,副 作 用 の た め,患 者 が 薬 剤 処 方 の 変 更 を 求 め た こ と は な か っ た.日歯 心 身:第23巻1・2号2008年12月
舌 痛
図5-1舌 痛 に対 す る ソ ラナ ッ クス の 効 果 臨 床 効 果 の 判 定 は,患 者 毎 に ソ ラ ナ ッ ク ス投 与 前 と比 較 して舌 痛 が 完 全 に消 失 した 場 合 を治 癒,舌 痛 が あ る程 度 緩 和 され た 場 合 を軽 快,症 状 に変 化 が 認 め られ な か っ た 場 合 を不 変,舌 痛 が よ り憎 悪 し た場 合 を悪 化 と した.奏 効 率 は{(治 癒 例 十 軽 快 例)/全 例}×100%で 求 め る と, 舌 痛 に対 す る効 果 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・ 4週 後 と も に奏 効 率 が 高 く,軽 快 を 含 め る と60%以 上 に 症 状 の 改 善 が認 め られ た.精神 ・神経系症 状
図6精 神 ・神 経 系症 状 に対 す る ソ ラ ナ ック ス の効 果 不 安,抑 轡,イ ライ ラ感,癌 恐 怖 を含 む精 神 ・神 経 系 症 状 で は投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と もに,治 癒 と軽 快 を含 めて,40%以 上 に症 状 の改 善 が認 め られ た.考
察
舌 痛症 の臨 床 的特 徴 は,中 高 年 の 女性 に多 い こと,
痛 み が顕 著 で ない こ とや 器質 的変 化 がみ られ ない ため
に患者 の訴 えが十分 に理 解 されず,治 療 が適切 に行 わ
れ て い ないケ ース が極 めて 多い こ と,癌 恐怖 を伴 う場
舌痛以外の口腔内刺激症状(口腔乾燥異常感 味覚異常感)
図5-2舌 痛 以外 の 口腔 内刺 激 症 状(口 腔 粘 膜 異 常 感, 味覚 異 常感)に 対 す る ソ ラナ ッ ク スの 効 果 舌 痛 以外 の 口腔 内刺 激 症 状(口 腔 粘 膜 異 常 感,味 覚 異 常 感)に 対 す る効 果 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と もに 奏 効 率 が 高 く,軽 快 を含 め る と55%以 上 に症 状 の改 善 が認 め られ た.身体各症状
図7身 体 各 症 状 に対 す る ソ ラナ ック ス の 効 果 前 胸 部圧 迫 感,の ぼ せ感,悪 心 ・嘔 吐,易 疲 労感,発 汗 を含 む 身 体 各 症 状 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・ 4週 後 と もに,治 癒 と軽 快 を含 め て,30%以 上 に症 状 の 改 善 が 認 め られ た. 合 が 多 い こ と,痛 み の 出 現 部 位 は,舌 尖,舌 縁 を 中 心 に し た 部 位 が 大 部 分 で あ る こ と,痛 み の 性 質 の 特 徴 は, ヒ リ ヒ リ,ピ リ ピ リ と い っ た 軽 度 の 自 発 痛 で あ り,か つ,持 続 性,表 在 性,限 局 性 で あ る こ と,摂 食 時 に は 消 失 ま た は 軽 減 す る 患 者 が 極 め て 多 い こ と,神 経 症 的 傾 向 の 強 い 患 者 が 多 い こ と,な ど が 知 られ て い る 広5).抗 不安 薬 ソ ラナ ックス(R)を投 与 した舌 痛症17例 の臨床 経験 舌 痛 症 の 発 症 機 序 に 関 して は,心 因 的 要 因 重 視 説 (A説),身 体 的 要 因 重 視 説(B説),心 因 ・身 体 的 要 因複 合 説(C説),口 腔 顔 面 部 の 癒 痛 性 障 害 説(D説)等 が あ る.A説 の な か で も花 田6)は,舌 痛 症 患 者 の 心 拍 変 動 の 周 波 数 ス ペ ク トル 分 析 か ら,舌 痛 症 に 対 す る 自律 神 経 の 関 与 を示 唆 した.ま た,岩 田 ら7)は,舌 痛 症 に対 す る神 経 ブ ロ ッ ク療 法 の 効 果 か ら,舌 痛 症 に は概 して 心 因 的 要 素 が強 い と述 べ た.さ ら に,綿 貫8)は,舌 痛 症 患 者 に特 徴 的 な 自 律 神 経 機 能 異 常 が認 め られ るの で あ れ ば,そ れ に 見 合 う症 状 が み られ る の で は な い か と 考 え,自 律 神 経 機 能 異 常 に よ っ て 出 現 す る症 状,い わ ゆ る不 定 愁 訴 の観 点 か ら舌 痛 症 患 者 の 自律 神 経 系 の 特 徴 につ い て検 討 を行 い,舌 痛 症 は頭 頸 部 ・口 腔 お よ び 消 化 器 系 不 定 愁 訴 を 中 心 と した 愁 訴 群 の 一 分 症 で あ る 可 能 性 を うか が わ せ る結 果 を示 した.B説 の な か で は, 中 西 ら9)は,舌 に お け る 末 梢 循 環 不 全 が,舌 痛 症 の 病 態 に影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ る と考 え,末 梢 循 環 改 善 作 用 を も つ ニ コ チ ン酸 の 誘 導 体 で あ る ペ リ シ ッ ト錠(R) (1錠 中 ニ セ リ トロ ー ル250mg含 有)を 用 い,舌 痛 症 の 自 覚 症 状 に 対 す る有 用 性 を検 討 した 結 果,効 果 が 期 待 で き る と述 べ た.ま た,小 山 ら10)は,舌 痛 症 を循 環 障 害 に 起 因 す る一 症 状 と考 え,超 音 波 ド ップ ラ ー 血 流 測 定 器 に て 舌 痛 部 の 血 流 循 環 の 変 化 を観 察 し,舌 痛 症 患 者 の 健 常 部 よ り,舌 痛 部 の 舌 動 脈 血 流 は 少 な い こ と を 観 察 し,こ の こ と か ら,舌 痛 症 患 者 の 舌 痛 部 お よ び 異 常 部 の 血 流 循 環 障 害 を考 えた.C説 の な か で は,松 本 菊) は舌 痛 症 患 者 を心 身 両 面 か ら検 討 し,舌 痛 症 の 発 症 に は 身 体 的 要 素 の み な らず 心 因 的 要 素 の 介 入 や 自 律 神 経 機 能 と の 関 連 が 重 要 な 因 子 と な る こ と を 明 ら か に し た.ま た,立 花11)は,加 齢 や さ ま ざ ま な ス トレ ス に よ る慢 性 の 交 感 神 経 系 の 緊 張 状 態 が 持 続 し局 所 の 循 環 動 態 が 低 下 す る と,虚 血 に よ り組 織 が酸 性 化 す る こ とで, 酸 に 感 受 性 を示 す 痛 覚 受 容 体 が 活 性 化 さ れ る た め で は な い か と考 えた.D説 で は,豊 福 ら1島13)は,三 叉 神 経 支 配 下 に あ る舌 以 外 の 歯 や 口腔 内 組 織 の 痛 み が,神 経 回 路 の 混 線(豊 福 ら12)の い わ ゆ る"電 話 回 線 の 混 線") に よ っ て 舌 の 痛 み と して 認 知 され,こ れ が 脳 内 の セ ロ トニ ン や ノル ア ドレ ナ リ ン の 下 行 性 痺 痛 抑 制 系 に よ っ て も抑 制 さ れ な い た め に 舌 痛 症 が 発 症 す る と考 え,選 択 的 セ ロ トニ ン再 取 り込 み 阻 害 剤(SSRI)の パ ロ キ セ チ ン20mg(1× 眠 前)ま た は 選 択 的 セ ロ トニ ン ・ノル ア ドレ ナ リ ン再 取 り込 み 阻 害 剤(SNRI)の ミル ナ シ プ ラ)<30mg(2× 朝 食 後 ・眠 前)を 処 方 し,奏 効 し た と 報 告 し て い る. CMIテ ス トに お い て は,調 査 対 象16例 の う ち,神 経 症 に 属 す る領 域IVの 患 者 が1例,神 経 症 で あ る可 能 性 が 強 い 領 域IIIの 患 者 が2例 存 在 し,そ の 結 果, 領 域IIIま た はIVに 入 る者 が19%に 達 し た こ と を合 ― わ せ る と,舌 痛 症 の 発 症 に 精 神 的 な 要 因 が 大 き く関 与 し て い る 可 能 性 が 考 え られ る も の で あ っ た. ソ ラナ ッ クス の 薬 理 効 果 に つ い て は,GABAA受 容 体 /ベ ン ゾ ジ ア ゼ ピ ン 受 容 体/C1剛 チ ャ ン ネ ル 高 分 子 複 合 体 の ベ ン ゾ ジ ア ゼ ピ ン 受 容 体 に 作 用 し,Cl一 の 細 胞 内 流 入 が 起 こ り,過 分 極 を 呈 して,細 胞 興 奮 を抑 制 し14), 視 床 下 部 な ら び に 扁 桃 核 を 含 む 大 脳 辺 縁 系 に お い て, 不 安 を 惹 起 す る ヒス タ ミ ン(5-HT)神 経 系,ノ ル ア ドレ ナ リ ン(NA)神 経 系,ド ー パ ミ ン(DA)神 経 系 な ど の 神 経 活 動 を抑 制 す る こ と に よ っ て 抗 不 安 作 用 を現 して い る と思 わ れ る14∼16).以 上 の よ うな 抗 不 安 作 用 に よ る血 流 改 善 に よ る組 織 の 酸 性 化 を緩 和 す る こ と に よ っ て 痛 覚 受 容 体 の 活 性 化 を抑 制 し,舌 痛 を緩 和 して い る可 能 性 が あ る.さ ら に,抗 不 安 作 用 を 及 ぼ す 中 枢 神 経 系 と 癒 痛 伝 導 ・伝 達 経 路 に お い て 共 有 部 分 が あ る の で,抗 不 安 剤 の 直 接 的 な鎮 痛 効 果 も否 定 で き な い14∼16). ソ ラナ ッ ク ス の 副 作 用 と して の 眠 気 は,過 剰 な 催 眠 作 用 に よ る も の で あ り,ふ らつ き は,筋 弛 緩 作 用 に よ る17,18).口腔 乾 燥 感 は,唾 液 腺 に存 在 す る ベ ン ゾ ジ ア ゼ ピ ン受 容 体 に 作 用 し て 細 胞 のCl口 の 排 出 を 阻 害 し,唾 液 分 泌 機 能 を抑 制 す る こ と に よ る19∼21). 本 報 で は,口 腔 内刺 激 症 状 だ け で な く,精 神 神 経 症 状 お よ び 身 体 症 状 も呈 す る舌 痛 症 の 発 生 機 序 と し て, 循 環 血 流 動 態 の 障 害,組 織 の 酸 性 化 に よ っ て 活 性 化 さ れ る痛 覚 受 容 体 の 関 与 を 考 え た が,こ れ が 唯 一 絶 対 的 な もの で は な く,現 在 最 も可 能 性 の あ る発 生 機 序 の 一 つ を示 し た.そ の 他 の 要 因 と して は,ケ ミカ ル ・メ デ イ エ ー タ ー,微 量 元 素,ま た,こ れ ら の 加 齢 変 化 等 の 関 与 も否 定 で き ず,こ の 点 は今 後 の 課 題 で あ り,ま た, 症 例 数 を さ ら に増 や し,そ の 他 の 薬 剤 も含 め た 臨 床 研 究 を行 う必 要 が あ る. 結 言 舌 痛 症17例 に 対 し,抗 不 安 薬 ソ ラ ナ ッ ク ス を12週 間 投 与 し,以 下 の 結 果 を得 た. 1.舌 痛 症 患 者 は,CMIに よ る神 経 症 的 傾 向 の 検 索 に お い て,領 域III・IVの 神 経 症 的傾 向 の 強 い 患 者 が 19%(3/16)に 認 め ら れ た. 2.口 腔 内 刺 激 症 状 に対 す る ソ ラナ ッ ク ス の 効 果 舌 痛 に 対 す る効 果 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と もに 奏 効 率 が 高 く,軽 快 を含 め る と60%
日歯 心 身:第23巻1・2号 2008年12月 以 上 に症 状 の 改 善 が認 め られ た.舌 痛 以 外 の 口 腔 内 刺 激 症 状(口 腔 粘 膜 異 常 感,味 覚 異 常 感)に 対 す る効 果 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と もに 奏 効 率 が 高 く,軽 快 を含 め る と55%以 上 に 症 状 の 改 善 が 認 め ら れ た. 3. 精 神 ・神 経 系 症 状 に 対 す る ソ ラ ナ ッ ク ス の 効 果 不 安,抑 轡,イ ラ イ ラ感,癌 恐 怖 を含 む 精 神 ・神 経 系 症 状 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に 治 癒 と 軽 快 を含 め て40%以 上 に 症 状 の 改 善 が 認 め ら れ た. 4. 身 体 各 症 状 に対 す る ソ ラ ナ ッ ク ス の 効 果 前 胸 部 圧 迫 感,の ぼ せ 感,悪 心 ・嘔 吐,易 疲 労 感,発 汗 を 含 む 身 体 各 症 状 で は,投 与12週 後,投 与 終 了2週 後 ・4週 後 と も に,治 癒 と軽 快 を 含 め て30%以 上 に 症 状 の 改 善 が 認 め られ た. 5. 副 作 用 眠 気 が17例 中2例(12%),ふ らつ き が1例(6%), 口 腔 乾 燥 感 が1例(6%)み ら れ た が,副 作 用 の た め 患 者 が 薬 剤 の 変 更 を 求 め た こ と は な く,血 液 検 査 に お け る異 常 値 の た め 処 方 が 変 更 さ れ た 例 は な か っ た. 6. 舌 痛 症 の 発 症 に は,精 神 ・神 経 的 要 因 が 関 与 し て い る た め 治 療 の 際 に そ れ ら を 軽 減 させ る こ と が 重 要 で あ り,そ の 治 療 に は 医 師 と患 者 との 信 頼 関 係 が 最 も 重 要 で あ る こ と が 示 唆 され た. 7. 舌 痛 症 に対 す る ソ ラナ ッ ク ス の 有 効 性 と安 全 性 が 示 唆 され た. 本 論 文 の 要 旨 は 第39回 日本 東 洋 心 身 医 学 研 究 会 学 術 集 会(2003年2月8日,東 京 都)お よび 第48回 日本 口腔 外 科 学 会 総 会(2003年10月22日 ∼23日,富 山市)に て 口頭 発 表 した. 引 用 文 献 1) 佐 藤 田鶴 子: 見 えな い 痛 み を診 る 舌 の痛 み. デ ン タル ダ イ ヤ モ ン ド24: 68-72, 1999. 2) 金 久 卓 也, 他: コ ー ネル ・メデ ィ カ ル ・イ ン デ ッ ク ス. 改 訂版, 三 京 房, 大 阪, 20-26頁, 1997. 3) 細 原 政 俊, 他: 当 科 に お け る舌 痛 症106例 の 臨 床 統 計 的検 討. 岐 阜 歯 科 学会 雑 誌27: 268-272, 2000. 4) 松 本 正 明: 舌 痛 症 の 臨 床 的 研 究 (1). 日 口外 誌28: 671-684, 1982. 5) 松 本 正 明: 舌 痛 症 の 臨 床 的 研 究 (2). 口 口 外 誌28: 685-701, 1982. 6) 花 田 耕 治: 舌 痛 症 と 自 律 神 経 機 能 心 電 図RR間 隔 の 周 波 数 ス ペ ク トル 解 析. 口 病 誌70: 124-130, 2003. 7) 岩 田 敏 男, 他: 当 科 に お け る 舌 痛 症19症 例 の 臨 床 経 験 舌 痛 症 に 対 す る 神 経 ブ ロ ッ ク の 効 果. 慢 性 疼 痛22: 71-74, 2003. 8) 綿 貫 圭: 舌 痛 症 患 者 の 有 す る 不 定 愁 訴 に 関 す る 研 究-舌 痛 症 と 自 律 神 経-. 口 科 誌54: 424-429, 2005. 9) 中 西 孝 一, 他: 舌 痛 症 に 対 す る ペ リ シ ッ ト錠 (R) の 臨 床 使 用 経 験 歯 界 展 望81: 1491-1499, 1993. 10) 小 山 悠 子, 他: 舌 痛 症 に お け る 鍼 治 療 に よ る 舌 動 脈 血 流 量 に 及 ぼ す 変 化. 日歯 心 身3: 53-60, 1988. 11) 立 花 哲 也: 舌 の 痛 み の 病 因 に 関 す る 最 近 の 知 見 舌 の 痛 み と カ プ サ イ シ ン感 受 性 知 覚 神 経 と の 関 係. 日歯 心 身19: 86-91, 2004. 12) 豊 福 明, 他: パ ロ キ セ チ ン が 奏 効 し た 舌 痛 症 の1 例. Pharma Medica 20: 87-90, 2002. 13) 豊 福 明, 他: 舌 痛 症 に 対 す るmilnacipranを 用 い た オ ー プ ン パ イ ロ ッ ト試 験 (An open-label pilot study on the use of milnacipran for glossodynia patients)(英 語): 日歯 心 身17: 119-122, 2002. 14) 山 田 和 夫: ア ル プ ラ ゾ ラ ム の 薬 理 作 用 と 臨 床 応 用 に つ い て. 各 科 臨 床 に み る 自 律 神 経 失 調 状 態. 第2 版, 協 和 企 画 通 信, 東 京, 7-12頁, 1995. 15) 田 中 正 敏, 他: 不 安 と 脳 内 ノ ル ア ド レ ナ リ ン 神 経 系. 臨 床 精 神 医 学21: 585-603, 1992. 16) 山 本 経 之, 他: 抗 精 神 薬 の 作 用 機 序. 医 学 と 薬 学 38: 5-15, 1997. 17) 八 田 耕 太 郎: ベ ン ゾ ジ ァ ゼ ピ ン 系 (中 間 型)(ソ ラ ナ ッ ク ス, レ キ ソ タ ン, ベ ン ザ リ ン). medicina39: 478-480, 2002. 18) 中 山 和 彦, 他: 抗 不 安 薬. CURRENT THERAPY 18: 1287-1292, 2000. 19) 川 口 充: 口 腔 領 域 に 症 状 を 現 す 薬 剤. DENTAL OUTLOOK 98: 722-728, 2001. 20) 和 田 育 男, 他: 唾 液 分 泌 低 下 を き た す 薬 剤 の 機 序. 歯 界 展 望103: 57-64, 2004. 21) 覚 道 幸 男, 他: 図 説 歯 学 生 理 学. 第2版, 学 建 書 院, 東 京, 354-355頁, 1997.
