貞享本『金槐和歌集』改編考 : 定家本との部類配置相違歌をめぐって
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(2) えも相違する程の本文異同のあるものを「異種本」と呼び、ごく部分. に関する研究が、作品批評も文献批判も、多くの先覚によってなされ. が見出せるとすれば、看過してお-わけにほ行-まい。『金塊和歌集』. 貞享本『金塊和歌集』改編考. 的で、量的にもご-小さな本文異同のみが見られるものを、底本に対. 既に諸先覚のなされた整理があることだが、貞享本と定家本の所載. (二). の御研究の成果に負うところ大であることほ言を倹たない。. 本金椀和歌集』(ほ)を参照する。以上の諸文献をほじめとして'諸先覚. 教育大学付属図書館蔵藤原清雄書入れ本を参考にする(ll)。定家本につ いてほ、日本古典全書『金塊和歌集』(S)と、複製本の『藤原定家所伝. 村四郎兵衛板行」本を底本とする日本古典文学大系本と、同板の東京. 本稿の調査ほ専ら岩波文庫改版本によるが、貞草本についてほ'「北. する問題であり、特に歌の配列については、併せ考えることにする。. みる。当然のことながら、これは、歌の出入りや配列の相違とも関連. 本と部類配置の相違する歌に関して、い-つかの事実と私見を示して. 終局の目的とする、筆者の本文研究の出発点である。主として、定家. 本稿は、さような、貞享本『金塊和歌集』の改編の跡を探ることを. つ意味の重大さも関わってか、ごく少数の発言があるに過ぎない(10)0. 二異種本の本文異同の全体的な整理と把握とほ、未だ十分にはなされ ていない。特に、貞草本の改編の問題は、定家本の発見とその本の持. 目ざしたものがある。このように、本文異同の詳しい調査ほあるが、. 載した日本古典文学大系『金塊和歌集』(8)や、二異種本の本文を並記 したとりわけ便利な岩波文庫『金枝和歌集』改版本(9)など、校本を. む本文校訂は数多く、本文研究としても、細部にわたる「校異」を付. たる本文研究ほ、さほど進展していないようである。勿論、注釈を含. て釆てはいる。が、筆者の見るところ、定家本と貞享本との細部にわ. であれ、定家本との比較から、貞享本における改編の方向ないし手法. る、という保証ほ今のところない。しかし、所拠本が如何ようなもの. 識語に柳営亜視の言う「最初錐部類在不審」 「重而改之畢」というこ とが、問題になって-る。勿論、貞享本の改編が定家本を所拠本とす. よいと認めるとき、冒頭に述べた、貞草本における改編、すなわち、. ところで、『金根和歌集』の貞享本と定家本とを異種本と把握して. 件は付-が、ひとまず妥当な行き方としておいてよかろうと思う。. れてきたわけだが、両者とほ全く別の異種本が出現するまでという条. てほ、主として貞享本と定家本との二系統の本文について検討がなさ. ぅである。『金塊和歌集』に関する従前の作品批評や文献批判にあっ. 数多-見出せる。要するに、貞享本と定家本とほ、それぞれ集として の性格を異にするものであるわけで、異種本と把握する必要がありそ. っている。また、詞書の本文の相違も大き-、歌語にも大きな相違が. 配列も全-異なっており、部類配置を異にする歌もかなりの数にのぼ. る。しかるに、貞享本を定家本と比較してみると、歌の出入りが多く、. たものと見てよ-、これを改編したとまでほ見る必要が無さそうであ. とするとき、一つの異本と見ることができる。定家本に改訂が加わっ. -少々の相違が見られるだけである、といった具合で、定家本を底本. に過ぎず、配列・部類配置の相違ほ全-無く、詞書の本文と歌語にご. に付された「一本及印本所載歌」の点ほ別として、歌の出入りは十首. 定家本にあてはめてみるとき、額従本ほ、定家本と比較すると、巻末. この考え方を、『金塊和歌集』の代表的三伝本、貞享本・類従本・. する「異本」と呼んで、異種本とは区別して扱うことにする(7)0. 二.
(3) l方、. 冬Ⅰ秋 冬Ⅰ恋 恋Ⅰ雑 発‥恋. 564. 376 582 578 637 628. 396. 貞享本 他部歌. 以上一首. 以上一〇首. 以上一四首. 以上一首. 以上一首. 以上一首. 以上五三首. 定家本. さきに示した第一表の部類配置相違歌を、貞享本と定家本の部立て. に関わって-る問題でもあり、少々詳し-検討しておきたい。. る、いささか煩雑な検討にはなるが、次節以下の歌の吟味にも、大い. の吟味の前に、数量的な整理をしてお-ことにする。専ら歌番号によ. 置相違歌は、貞草本の歌番号に偏りが見られるのである。つまり、あ る特定の位置への集中性が認められるわけである。そこで、個々の歌. 味が必要になる.が、この第1表のみでも見当が付くように、部類配. するのは、各々の歌の解釈の相違に依るほずであり、一々について吟. い-つかの歌がこのように貞享本と定家本とでその部類配置を異に. (計). 278. 345 581 575. 歌数を見てお-.貞享本にほ、七7九首の歌が収められているo. 三首. 四首四首二首. 秩-悲. 以上. 494. 冬工罪. 562. 以上以上以上. 数が五六首多いのである。この貞享本所載定家本不載歌五六首の中に は、実朝の詠でないものがあるなど、両本の所載歌の異同をめぐる問 題も興味深いが、ひとまず脇に置-として、貞享本と定家本の双方に. 560. EZii望. 定家本. 部. 載る六六三首の歌が、本稿の当面の検討材料になるわけである。. 6 55-5. に従って整理し直すと、次の第一一表のような具合になる。. 定家本. 他部歌. 首. 貞享本と定家本の間にほ、歌の出入りがあるだけでなく、それぞれ. 561. 395 358 580 570. 定家本. 首. 歌の配列が全-異なっている。同一詞書の連作と認めてよい歌群でも、. 275. 629 609 310 423. 不載歌. 0. その順序の異なることが多い。部分的な配列の相違にとどまらず、全. 2 05-. 585. 数. 首 首. 体としても、その配列にほ大きな差異がある。単に歌の配列が異なる. 269 566. 407 379 584 571. 歌. だけではなく、歌によってほ、その部類配置さえ異なるのである。貞. 550 540. 622. 首. 享本ほ、明確な部立てとして、春・夏・秋・冬・恋・雑の六部類が立. 杏. 583. 12. てられており、7方、定家本ほ、春・夏・秋・冬・賀・恋。旅・雑と、. 179 102 13 558 554 543 539. 394. 数. 八部類になっており、賀・旅を特立している。この、南本の部立てを. 早. 624 606 556 314 426 559. 貞享本 歌. 尺度にして各歌を見ると、五三首の歌が、その部類配置を異にしてい. 6・75-6 276. (第二表) 貞享本. 春 立. 夏. 8. -定家本(誌‥窮納蒜縮明) 以上一二首. 立. るのである。土の五三首が、本稿における中心的な検討材料である。. 191 178 101 9 556 553 541 537. 312. 貞享本にも載るものである。つまり、貞享本ほ、定家本よりも、歌の. 雑工冬. 623 605 414 384 325 393 316 307 277 313 425 552 489 269 577 568 459 563. 定家本にほ、六六三首の歌が載せられている。この六六三首は、全て、. 雑Ⅰ夏. 638 142. 部. まず、貞享本と定家本とで部類配置を異にする五三首の歌の実態をI. 221. その歌番号で示してみると、以下のとおりである。. 董. 貞享本『金塊和歌集』改編考. 152. 557. 卓. 190 166 68 8 555 551 547 536. 389 575. 1. 三. 116. 38. 6 65-4. 275. 14. 250. 戻 Ⅰ 莱臣. Ⅰ Ⅰ 乗匡莱臣. 397 378. 3. 首. 春 秋 夏.
(4) 首 首首. 首 首首 170. 首. 18. 首 首 首. 首 首. 恋 冬秋. 一一---・・・・・・・人・・-------、. 夏・秋・冬の四季部に載せられることの多い事実は、納得が行-。し. に、それが定家本のある特定の位置に集中している点である.前掲第. けではない。さらに注目すべきは、定家本の歌番号からもわかるよう. 定家本の夏部歌の数になるはずだが、定家本の夏部にほ、貞草本では. っているわけである。. 一表だけを見ても、定家本の脳番から3LIL,-4番の問の歌が、しかもほぼそ. の順序に従って、貞草本の四季部の所々に配置されている、というこ. 部で、さきの集中の位置からほいささかはずれているのほこの1例の. とが見てとれるo例外ほ、貞享本冬部の3-8番が、定家本ではES;番の雑. 雑とが1五六首、とその数が揃っているのは興味深い.夏と冬も、冬. 番の歌にほ詞書が無く'日本古典全書の頭注にもあるように、「雑」. すなわち、ES番-5-0番が春、脚番-5-4番が夏、5-5番-脚番が秋、湖番 -5-4番が冬、5-5番以後が雑、という具合である。因みに、定家本の5-5. 興味深い事実に気付く。それは、定家本の雑部が、その中で、春・ 夏・秋・冬・雑と、さらに細か-細分されているという事実である。. この事実は、何に起因するのかと、定家本の雑部を検討してみると、. みなのである。. その、貞草本の各部の歌数の定数化傾向ほ、興味深いが、改編者の. 本の定数化傾向に何らかの意図的なものを認めたいところでほある。. ほ各部立ての歌数がまちまちであるという事実と比較するとき、貞享. れているのだとすれば、注目されてもよいところであろう。定家本で. が、貞草本の「重而改之畢」という改編の一端がかような点にも現わ. 傾向が、偶然であるのか、意図的なものの反映なのか、判然としない0. が夏の二倍に二首余るのみである。かような、貞草本の部類歌定数化. ところで、貞享本の各部の歌数を見ると、春と秋が一三二首、恋と. 醐享雛・(相街糾+脱誤)-粥家如・ 他部歌. 貞享本. という具合である。要するに、各部立てにおいて、次の数式が成り立. かも、単に定家本の雑部歌が貞享本でほ四季部に載せられるというだ. 前掲の第一表を見るだけでも、定家本の雑部の歌が貞享本でほ春・. 進めてみることにしたい。. 見当が付こう。事実、そのとおりなのである。いま少し詳し-検討を. 歌のかなりのものが、貞享本でほ四季の部に収められている、という. る、という事実が注目される。この二点のみを見ても'定家本雑部の. て、定家本の兼歌1二八首の中の四一首までが、貞享本でほ他部に載. までが、貞享本の四季歌の場合なのである。これと呼応する事柄とし. 載る、という事実である.両本の部類配置相違歌五三首の中の四二首. から見て取れるのほ、貞草本の四季歌の中に定家本の他部の歌が多-. 意図的定数化という確証ほ無-'ひとまず措くとして、さきの第二表. 四. 夏部以外の部類に配される歌が一首入っており、都合三八首になる、. 夏部以外の部類に載っている。これを差引くと三七首となり、これが. であるが、このうち七首ほ定家本に載っておらず、三首ほ定家本でほ. 雑 旅賀. 1. 4. 貞享本『金塊和歌集』改編考 首 首首. 夏部を例に、この第二表を読んでお-。貞享本の夏部歌は、四七首. (計). 首 首 首首 首 首 首. 141 663 128 24. ll 16. 2. 2 6 19. 132 156 96 7 -9首. 6. 0 0 41 53. 恋 冬秋 雑.
(5) という文字を「やや太字に書く」のであり'この歌までの四季の歌と、. とも、第1表の整理の確認をも含めて、ここで再確認しておきたい.. 歌の5-9番が貞享本5-6番として同じ-恋部に、という二例に過ぎないこ. だけると思う。要するに、定家本にほ、或る種の勅撰集に見られるご. のと、形式の点でも同1であることを考え合わせると、納得していた. れ、その中で四季の扱いをされている事実ほ'重視するのでほあるが0. 勿論、定家本で明確な四季部とは扱われず'あくまでも雑部の歌とさ. 部類配置を異にするという事実ほ、ある意味でほ、容易に納得できる0. ところで、歌集の異種本の問で、ある歌が、雑四季と四季と、その. これ以後の歌とを、明確に区別しているのである。これほ、旅部の冒. とき、雑四季という部立てと共通する考え方が、雑部の中に指摘でき. 従って、この問題ほ、このあたりで止めるが、これと関わる問題が残. 頭にあたるE=番の歌に詞書が無-、「旅」という部類名を太字で書-. るというわけである。. っている。それほ、定家本の雑四季歌で、貞享本でも雑部に収められ 細分される定家本の雑部について、その歌が卓阜本でほ如何ような. るという歌が、何首か存在するという事実である。その歌とは、さき. の第三表の備考で「雑部ノママ」と注記した、雑春・雑秋・雑冬の都. 合九首である。この九首を、第三表の順で貞享本の歌番号に直してみ !S番・川番・Scy,番. 首が、雑秋歌十三首中の十首が、雑冬歌十七首中の十三首が'それぞ れ、貞享本でほ、春・夏・秋・冬の四季部に載せられているのである0 定家本の雑部のしかも雑歌で、貞草本でほ他部に収められているのほ、 さきにも例外として触れた、∽番の歌、貞享本3-8番の冬部の歌のみな のである。それに、定家本の雑四季歌で貞享本でほ四季以外の部類に 4番として恋部に、雑秋. となるo. こう見ると、ここでも、やほ. この場合、銚-棚番と脚-7-9番の二つのまとまり. この点にも、貞享本における編集意識の. (以上、定家本・冬)、棚番(定家本・夏)で. 家本碓四季貞草本雑歌と、定家本恋・冬・夏部貞享本雑歌という、定. 歌とされるものと、かなり近い位置にあることに気付く。つまり、定. ある。こう見ると、これらが'さきの定家本雑四季歌で貞享本でも雑. 紹番・糾番・脚番・脚番. 享本の歌番号で示すと、山番・脳番・脚番・弼番(以上、定家本・恋)、. で雑Ⅰ恋・雑Ⅰ冬・雑Ⅰ夏として示した九首の歌である。それを、貞. ほ雑以外の部に載る歌で貞享本でほ雑部に載せられるという、第一表. いう事実に関連して、思い起こされる事柄がある。それは、定家本で. この、定家本雑四季歌で貞享本でも薙歌とされるものの集中傾向と. ある種のものがあらわれている、という推測ができそうである。. が認められるのであるo. -. (雑冬Ⅰ雑). ると、脳番・7-9番・7-8番(雑春Ⅰ雑)、7-4番・fS番(雑秋Ⅰ雑)、脚番・. 5-2粥川ハ雑部ノママ. りある集中傾向. 貞享本他部歌. 全テ部額配置相違. 6-2ノ,r,部類配置相違. 5-95-2刑S;ハ雑部ノママ. 3首夏・1首恋. 1首冬 〓上41首. 5-55-7ハ雑部ノママ. 考. 10首秋・1首恋. 備. 扱いをされているかを整理すると、以下の第三表のような結果になる0. 首 首首. (第三表). 663 584 567 554 550. 桁家獅歌番号組数 585 568 555 551 536. 要するに、定家本の常春歌十五首中の十二首が、雑夏歌四首中の三. (計). 雑 冬 秋 夏 春. 収められているのほ'雑夏歌の5-2番が貞草本4-. -. 15 17. 首 首. 12首春 13首冬. 4. 首. 13. 番 128 79. (. i ∼ ∼ i. 番 番 番番. 貞享本『金枝和歌集』改編考. 五. 裾 雑 雑 雄 雑.
(6) 貞享本『金椀和歌集』改編考 家本でほ雑歌とされず貞享本で雑歌とされる歌の問に、何らかの共通 性があることになりそうである。とにかく、この両者の中のいくつか. が、貞享本でほかなり近い位置に置かれているという事実は、注目さ れるのである。. この事実と密接に関連して来る事柄なのだが、実は、貞享本の雑部. いる。しかも、弼番と7-4番は、共に、実詠的な詞書だが題詠的要素が. 強い歌であり、7-8番と7-9番ほ、「桜」という題詠歌で、その前後も、. 黒・鶴・千鳥・産という題詠歌であるわけで、いずれも前後の歌との. 関連でここに置かれていることが納得できるのである。さような、前. 雑部の細. 後の歌との関連での位置の検討ほ、後ほど詳し-試みることにする。 ところで、貞享本の雑部が、旅・離別・神武・釈教・賀・述懐・雑. と細分されていることを知ると、それらと定家本の部類. との問の配置相違という問題が、新たに出て-る.そ. 貞足部. 上段が貞享本歌番号、. 貞足部. S----0--. 貞定部. 貞足部. 中段が定家本歌番号で、不載歌には×印を付す。下段ほ定家本の部立. ると、次の第四表のごとき結果が得られる。. 定家本との部類配置相違を吟味するためにその全てについて調べてみ. しているわけでほない。かような問題を含めて、貞享本雑部に関する. 族に、というのほ、ある意味でほ当然のことであるが、その数ほ一致. の旅の部分に収められている.賀部の歌が雑部賀に、旅部の歌が雑部. に載せられている。また、定家本の旅部の二四首ほ全て、貞享本雑部. 四首までが、貞享本雑部の賀に収められており、他の四首ほ雑部神祇. まず、定家本では、賀部が特立されているが、その十八首の中の十. 第二表の貞享本雑における数値の内容分析ということになって-る。. れらについて、いささか言及しておく必要があろう。これは、当然、. 分を含めて. -. も、定家本と同様に、その内部で、部立てに似た、あるまとまりを待 った配置配列がなされているのである。そうして、さきの、定家本発. 四季貞享本雑歌の九首と、定家本恋・冬・夏部貞享本雑歌の九首とい ぅ、貞享本雑部に関わる都合十八首の歌ほ、その貞享本雑部を細分し た中のある特定の部分に限られるという事実が指摘できるのである。. まず、貞享本の雑部を、歌の内容と詞書とに従って細分してみると、 醐-別番が旅、5-;番が離別、m-6-9番が神祇、S-o-SL-番が釈教、. は-脚番が賀、ほ-脳番が述懐、脚番以降が、中に無常を主題とする 歌のまとまり等を含むが、ひとまず雑、となる。因みに、脚番の詞書 ほ「雑歌中に」であり、それ以前の歌とは区別されているのである。. この貞享本雑部の細分に、さきの十八百の歌をあてはめてみると、 IO番。㍑番・脚番ほ離別、紹番. 定家本他部貞享本雑部歌九首のうち、s. -3番。跳番・細番ほ神祇、6. ・6-4番・棚番・脚番・脚番・棚番ほ神武となるoまた、定家本雑四季 貞享本雑部歌九首のうち、脳番・S-番・6. 番・7-4番・7-8番・7-9番ほ雑、ということになる。つまり、定家本他部. 貞定部. (第四表) 貞享本雑部と定家本の部類相違 貞足部. 即諾--。××6 6-16-2. 貞享本雑歌と定家本雑四季貞享本雑歌という十八首は、その大半が神. 貞足部. --晶. 6-4××. 7-2朔. 具体的にほ、恋部. -. 諾賀. 6∼63-0賀. 祇歌であるわけである。他ほ、定家本他部. 六. 6-06-3. の三首で貞享本雑部の離別とされるものが三首、目につく程度である。 定家本でほ雑四季の歌で貞享本では雑部のしかも雑歌というものが、. 弼5-0旋. -. 四首あるが、それも、脚番・7-4番・7-8番・7-9番と、その位置が偏って. てであり、雑四季と雑雑までを区別する。但し、絡 旅 5-45-2旅. -.
(7) 625 624 623 622 368 314 313 355. 626 542. 冬. 春雄賀. 594. 旅. 旅. 617. 616 659. 535. ×. 賀_賀 ∠U. ヽくJ. 崇. G. ′07一. 615. 614. 613. 612. 648 649. 650. 631. l. 2. I.i. 596. 709 548. 708 549. 707 605. 606. 595. 述 懐. 81. ′07一 ′nU. 683 682. 597. ′hU. 685 598. 684. 599. 706 705 621. 春雑春乗臣. 第二表の貞享本雑部で定家本賀・旅・雑部とい. 明確になる。貞享本雑部の定家本他部歌という. 1. 1. 4. 4. 4. 1. 3首 4首. 3. 4. 14. 24. 3. 雑. 2. 2. 1. 4 78. 1. 総数. 首. 定家本 定家本 不載歌春夏秋冬恋賀旅春夏秋冬雑(計). 9. 首. 2斗目. 18. 首. 18. 19 33. 首首. 13. 29. 5. 4. 5. 17. 158 33. 5. 18. 5. 321629. 5. 703 593. かように見ると、貞享本腰部の旅には定家本旅部の歌が、おおむね. 34. その順に並んでいること、賀部の場合も、定家本と密接な関係にある こと、などが判然とする。また、貞享本雑部神祇が、定家本の他部か. 5. ら種々の歌を取り込んでいることも、明確に見てとれる。さような実. 27. 704 565. 秋雄. 態を、数量的に整理し直してみると、次の第五表のごと-になる。. 5. 旅 部. (第五表). 首首首首. 雑 雑. 貞享本. 33. 首. 雑離別. 156. 賀. 雑神砥. 雑. 雑釈教. 雑. (計). 雑述懐. 雑. この整理によって、. う縦の数値の内容が、. 九首は、定家本の夏・冬・恋部の九首であり、それが、貞享本の雑離. 別と雑神祇にわたっていること、定家本賀部歌十八首ほ、貞享本雑神. 祇と雑賀にわたっていること、定家本旅部歌は、全て貞享本雑旅に収. められていること、などが判然とするのである。また、貞草本井部で. 定家本でほ他部という四1首とは、定家本雑部のl二八首から本表の. 雑春・雑秋・雑冬・雑雑八七首を差引いた数値であることもわかる。. 第五表の整理から、いま1つ、問題が生じてくる.雑旅や雑賀ほ、. 七. っヽJ lヽノ. /Dlヽノ. 6-7××. 717 716 715 714 713 712 711 710 608 612 613 620 611 610 609 603. 6-81-2夏 6-75-2冬. lしノ. 6-1××. 718 607. 州外.Iqノ. 6-23-6賀 6-0湖賀 6-93-7賀 6∼8脚賀. 6-5××. 糾××. 6-ぅ××. -=・・. 6-7××. ′nU. ?19 619. H■一[n口. 693 692 691 690 689 688 687 591 588 590 585 600 601 602. ′hU. ′hリ. 694 586. っ■J ntU ′b. 旅. 紙. ∠UryJ. ′01. 莱臣 686. qノ 9.一.I′b ー 58. /hU. 97. ′hU. 3. 旅. 1:;・.:. 岬==.:. ′nV. rV-). ′D 7. 589 527. /∩). 4. 【別山. /0. EiZn. 6-6××. 6-8××. ′hU 0ノOO. 590 528. ・5J刑]. ′0 ′0 4 6-45-6賀. l.ヽノ. ′nU. rY.'. 592 591 640 635. 神. ′nU. -..† OO ′0 4 4「iZ ′04′【U4 ー′0 ′b 4 「山川】5Qノ ′0「ヽノ 4. 7 S-45-0賀 6-13-5賀 fS-73-2賀・S-53-9賀 6-35-7賀 刑3-4賀 6-95-3賀 6-83-5賀 ′0 Eii. )/00. 593 639. ×. ′n). ′ハリ. ■.ヽノ 一「「. 595 534. つ′一l†. ー9. 620 619 618 354 658 656 657. n別山. /八U. 621. 「ヽJ. 釈教. ′n). 653 652 651 650 614 615 616 617. 冬. 596 636. 氾××. 9. ′n〉. 618. 恋. ′n▼. 654. 628 627 494 653. EiiZL. 冬. っヽJ. 賀. ′nリ. 6-7××. 630 629 589 310. っlJ Eii:. 醐××. ・・.T2,-[>:::・・. 貞享本『金枝和歌集』改編考. 6-16 'i. 599 598 597 # 625 627 626 628 624 623 BU. ′0 0 6【且 602 601 600 6-64-6恋 6-54-5恋. 弼5-5旅 5-75-4旅 5-65-5旋. ;a.・・. 6 荊. 州F・:. 5-0××. /0Ei4. 5-ー××. 5hiZ2 5-65-5旅 5-55-2旅 5-4㍑旅 5-5脚旅 湖5-3旅 別5-6旅 脚5-2族 胴5-一族 5-85-0旅 5-75-9旅 5-65-8旅 5-55-7旅 5-45-6旅 5-35-5旋.
(8) 分量である。が'部立てと共通する意識の許でのものとほ言えそうで. 貞享本『金塊和歌集』改編考 定家本に旅部・賀部が特立されているのだから、さほど問題ほ無いが、. ある。広義の部立て相違、と称した所以でもある。. 貞享本と定家本との広・狭両義の部立て相違に従って、南本の間の. 部類相違歌というのも、二段構えで対処する必要が出て来る。まず、. 狭義の部立て相違に応じて把捉できる部類配置相違歌は、都合五三首 である(第1表・第二表)。この五三首ほ'明確な部立てにょってその. 配置が異なるのであるから、最も重視せねばならない。が、この中の. 事実を知るとき、貞草本は、定家本もしくはその転写本を主要な所拠. 本稿の課題とほいささか離れ、改めて検討を加えたいが、かような. という扱いをされているわけだから、狭義の部類配置相違歌というの. に載せられているのである(第三表)。この事実を知ると'共に四季歌. 三八首までが、定家本の雑四季の歌で貞享本ではそれぞれの四季の部. 殆んどが、広義の部立て相違にも関連して来る。すなわち、このうち. 本としていたことが、以上から、ある程度推測できそうなのである。. する。貞草本は、. 春・夏・秋・冬・恋・雑の六部類を立てるが、定家. 冬・恋の部に載り貞享本では雑部に載る、都合九首も、狭義の部立て. 四季以外の部立てに関わって来るのほ、定家本雑夏の5-2番の歌が貞草 4番として収められるもの、雑秋の5-9番の歌が同じ-恋部 本の恋部に4-. 貞享本の冬部に載せられる3-4番の一首、以上の四首である。貞享本の. 享本で冬部に収められる3-5番の7首、同じ-定家本恋部の4-9番の歌で. 秋部に3-7番として載せられる一首、同様に、定家本恋部2-9番の歌で貞. 本冬部に3-8番として収められる一首、定家本恋部の4-9番の歌で貞享本. まず、貞草本四季に関わって-る歌ほ'定家本雑部雑歌紹番で貞享. ほ、その数がかなり少な-なって-る。. 以上の本節について、まとめをしておきたい。. 本は'その他に、. 賀と放とを特立している。これは、いわば狭義の部 ところが、子細に見ると、広義の部立て相違が指摘. また、定家本でほ夏・. 立て相違である。. 相違に関わる部類相違歌である(以上、第三表)。しかし、この九首ほ'. 狭義の部立て相違に関わる部類配置相違歌ほ、広義の部立て相違に. (第四表)0. 貞草本の雑離別および雑神祇に関わるのであるから、広義の部立て相. に脱番として載せられるもの'の二首であるo. できる。これまであまり注目されなかった事柄だが、定家本の雑部に. 違とも関連して来るものでもあることになる るのである。勿論、これらほ、部立てとまでは言えない程度の少ない. は、雑四季と雑部発とでも呼ぶべきものとの明確な区別があり、貞享 本の雑部にも、旅・離別・神武・釈教・賀・述懐・雑という区別があ. 『金塊和歌集』 の二異種本の貞享本と定家本ほ、その部立てを異に. と検討を試みた、. 貞草本と定家本とで部類配置の相違する歌について、数量的な整理. うえで、興味深い事柄でほある。. が一首も無いという事実は、二異種本間の歌の出入りの問題を考える. 部立ての問題とも関わって'貞草本の雑部の井歌にほ、定家本不載歌. 部立てに似た整理が行なわれている、と見た方が良さそうなのである0. 部薙に分けられていると述べたが'定家本の雑部雑歌も、ある程度の. 歌番号は近接している。つまり、さきに、定家本の雑部は雑四季と雑. 家本の雑部雑歌であり、しかも、第四蓑を見てもわかるように、その. それに、貞享本の雑離別や、雑神祇・雑釈教・雑述懐ほ、おおむね定. 雑旅・雑賀の扱いをされているのは、広い意味で部類配置相違である0. それでも'定家本の雑部雑歌が、それぞれ五首・四首と、貞草本でほ. 八.
(9) 貞享本でも雑部に収められる九首が'あるものほ貞草本でほ雑神祇と. ほ多-なることにもなる。定家本で雑四季の扱いをされた歌の中で、. よって、数が減少したが、一方でほ、いま見た九首のごと-、その数. まらず、全巻を通して、歌の配列が著し-異なっているのであるから.. 『金塊和歌集』でも、貞享本と定家本とでほ、ある特定の部分にとど. って問題になるのが、歌の配列である。前節の冒頭に述べたように、. 1体、歌集の歌の配列ということについてほ、大別すると'二つの. 家本そのものであるまとまりほあるにしても、やはり広義の部立て相. が、雑放・雑離別・雑神武・雑釈数・雑賀・雑述懐とされるのも、定. 梅・柳・桜・藤・山吹等の歌題で整理できる歌の集団を、如何なる順. でほない. 問題がある。一つほ、ある歌題. され、あるものほ雑部雑とされるのである。また、定家本の雑部雑歌. 違に関わる部類配置相違歌ということになる。とにか-、定家本でも. 序で如何ように配列するか'という問題である.いま1つほ、各々の. 部類相違歌ということになる。いずれにしても、広・狭両義の部立て. 別・神祇・釈教・賀・述懐とされる四九首も、厳密に言うと、広義の. 合二八首である。さらに、定家本雑部雑で、貞享本でほ雑部の族・離. 首、定家本頼四季歌で貞享本雑神祇および雑雑歌とされる九首の、都. 相違歌ほ、その中の十五首と、定家本賀歌で貞享本雑神武とされる四. 歌集の場合にほ、かよ-な、部立て・歌題にょる配列・個々の歌の配. とあるような、「勤」. な-して、『古今和歌集』. などの問題である。撰んで集めるというだけの雑纂としての撰集では. の歌集団から桜の歌麿の歌集団へ移る際に、その接続を如何にするか、. まれている複数の歌をどのように配列するか、あるいほ、早蕨の歌題. つまり「整理する」(-4)という撰修ともいうべき. の真名序の「部類所奉之歌、勤為二十巻」. 相違を併せて考えると、七七首、厳密にとらえると二五首が、貞享. そこで、本節においては、まず、貞享本『金塊和歌集』における歌. 題の配列と'それに関わる部類配置相違歌について'定家本との比較. にょって、検討してみる.主として、詞書の検討ということになるが'. 当然、詞書にとどまらず'歌の内容にも触れることになって-るo. 『金塊和歌集』 の二異種本、貞享本と定家本ほ、共に、歌題にょっ. て様々な詞書の歌がまとめられ、それが順に配列されている。その、. 歌題にょる歌集団の配列の点にも、また、歌題のまとめ方の点にも、. 「正月一日詠める」から川番の「三月尽」まで、. 相違が見られるのである.まず、春の部について見てみることにする。 定家本ほ、1番の. 各々の歌の吟味から、部類配置相違の持つ意味、つまり、その理由とI. 貞享本『金塊和歌集』改編考. 九. ところで、勅撰集や私家集の編纂の点で'部立てということと関わ. その結果としてあらわれた効果、等の検討ということになってくる。. 置相違歌について'専ら数量的な整理を試みた。次なる問題は、当然、. 前節においてほ、『金塊和歌集』の貞享本と定家本との間の部類配. (三). る。この事実ほ、『金塊和歌集』について考える際に、看過できまい0. の共通歌六六三首の1割強'厳密に言うと二割弱、にあたることにな. 列といった点全てに、工夫がこらされているはずであるのだから。. 歌の配列である。梅なら梅という歌題のもと、様々な詞書にょって詠. にょる複数の歌の集団毎の配列である。春の歌でいえば、. 特定の歌の詞書、という狭い意味. 貞享本でも、共に雑部の雑とされるのは、二九首のみなのである。. -. 本と定家本とでほ部額配置を異にするわけである。これほ、両異種本. 以上要するに、狭義の部類相違歌ほ、五三首であるが、広義の部類. -.
(10) 貞享本『金塊和歌集』改編考 様々な詞書の歌が配列されている。これを、勅撰集や他の私家集、あ. 引用は、底本のままでほな-'本稿筆者の読. るいは、歌合や百首歌などの歌題とされる語にょって整理すると、以 下のごと-である。. ・.. '・・:1. 正月一日詠める. 立春の心を詠める-春の初めの歌 犀風の絵に春日の山に雪降れるところを詠める 若菜摘むところ-雪中若菜といふことを 梅の花を詠める-梅の花咲けるところを詠める. 梅の花風に匂ふといふことを-梅の花を詠める. 花の問の篤といふことを. 春の歌-霞を詠める 柳を詠める-柳 --勝長寿院の梅所々咲きたるを見て-‥. 雨後の篤といふことを 梅花厭雨-故郷梅花. 故郷の春の月といふことを詠める-春月 梅花を詠める. 喚子鳥. 名所桜-山家見花ところ 花散れるところに雁の飛ぶを--雁の鳴-を‥ --山人の花見たるところを---桜を詠める 河辺款冬-山吹の散るを見て. 喚子鳥. -・松に藤掛かるところ-他の辺の藤の花. 正月二つ有りし年三月に時鳥鳴-を聞きて‥‥ 春の暮れを詠める 三月尽. かように整理してみると、定家本では、歌題にょる歌のまとめはあ. -1-. 一〇. かような、同一歌題の分散ほ、全-見られない.梅は梅で、. 39-胡番. 春の初めの歌-海辺立春. 正月一日詠める. おいては、. 一.I. まとめられており、帰雁と桜とも、別々に配置されている。 2-8番. 鴛ほ鷺で、. 三月尽. り、57番は、桜とは関わりの無い歌なのである。しかるに、貞享本に. 11番から18番、27番から32番、36番から40番と、梅の歌ほ散在してお. あり、56番の歌も、帰雁と桜を詠んだものではある。それにしても、. 桜がそれである。尤も、14番と28番は、梅と鷺の双方を詠んだもので. るものの、中にほ、幾箇所かに分かれている歌題も見える。梅・鷺・. 暮春時鳥蘇 ・':I:. 鷲-雨後鷺. 雪中若菜-犀風の絵に若菜摘むところ. 海辺春望. 春山月-海辺春月. 花を詠める-桜を詠める. 柳-雨中柳. -・勝長寿院の梅所々咲きける--梅花咲ける. 犀風の絵に春日山に雪降れるところ-残雪. 雪某. 蕨. 子日. 早蕨. 日 春旦. 春春桜早柳梅残若鴛霞子立元. 望月. 0番 5番 番 番 ':・・. 番 番 番. 菜雪春且. -. みに従って、適宜、漢字をあてるなどの、本文校訂を試みてある. 番番番番番番番番番番番番番番番番番番番番番. 1-7-11-6 1-2 1 9 21-38番 19-20番 ユ7-18番 13-16番 10-12番 44 97-1-一番 45-96番 -2. 7 13 22. 18 26 44. 梅 春月梅鴛梅柳霞梅鷺梅岩残立元 薙 茎菜. 帰桜 雁 山桜 吹. 茎. 1 2 8 9. ∼ ∼ 10 ∼ ?. ll. ?. 15 14 ∼ 19. 2723 42413633. 2928 ∼ ∼ ? 32 4035 ∼ 9658 564543 ∼ ∼ ∼ ? lob 95 57 55.
(11) 2番. ‥-催の鳴-を聞きて詠める---雁の飛ぶを 喚子鳥 維. 喚子鳥. -・松に藤の掛かれるところを-池辺藤花. 正月二つ有りし年-春の気色を-夏見て詠める. 三月尽. 春の暮れを詠める. 河辺款冬-山吹の花を折らせて人の許に--. 量菜鰭. 帰雁 ハ・;..・..・.i':i. あるいほ、歌の用語やイメイジの連想(16)にょって配列する、といっ たことを考える必要があろう。. 実ほ、貞享本の春部の、かような歌題の配列ほ、『掘河院御時百首. 和歌』の春部の歌題の配列と殆んど重なりあうのである。歌の用語や. イメイジの連想ほ、次節に検討するとして'ここでは、他の文献、具. 体的には主として『掘河百首』との関連で見てお-ことにする。まず、. 『掘河百首』の春の題二十題を、『辞書類従』巻第l六七で示すと、. 立春、子日、霞、鷺、若菜、残雪、梅、柳、早蕨、桜、春雨、. ほ歴然とする。春雨・春駒・苗代・杜若の歌題が貞享本で欠けるのみ. 春駒、帰雁、喚子鳥、苗代、室菜、杜若、藤、款冬、三月尽、 という順である。これにあわせて、貞享本の歌題を見ると、その合致. で、その順序までが完全に一致しているのである。尤も、春雨と杜若. の歌ほ、他の歌題中に在るのだが。また、元旦・春月・春望・堆・暮. おむね、かような歌題の順に配列されていると見てよい。勿論、霞の 題として把捉できるのでほな-、他の歌題の歌に詠み込まれている、. の題にほない。これらは実朝の作歌の傾向 春・残春ほ、『掘河百首』. 理を『堀河百首』と合わせるとき'全-無関係であることを見ても、. や量とも関わって-る問題であり、ここでほ括-。さきの定家本の整. ことがかなり明確であって、定家本のごと-、他の歌題にょって分断. 百首歌や歌合で、これほど合致するものほ、管見に入らない。. こう見ると、春部の部類配置相違歌のい-つかが'この. 題を続けているが、ここでも、定家本雑春に「鴛」. 一一. の詞書のもとに置. れも立春の歌題の後に置いたのである。続-霞の歌題の後に、鷺の歌. 春のS-6番であるが、立春の詞書のもと、この位置に置かれたと見てよ い。9番は「子日」 の題で詞書もそのままだが、定家本でほ春部に千 日の歌が無い。貞享本は、定家本雑春の子目の歌5-7番を、春部の、そ. の歌題の配列との関連で、説明が付-。貞草本8番の歌ほ、定家本雑. 『掘河百首』. の配列の合致は、注目できよう.因みに、他の. 貞享本と『掘河百首』. 貞享本『金塊和歌集』改編考. ができない。何らかの基準、例えば、他の文献の歌題の配列にならう、. 若菜・残雪・梅・柳・早蕨・桜と続-歌題の配列順序を説明すること. 原理にょるとも見られる。が、それだけでほ、立春・子日・霞・鷺・. に至るのであるから、時間の経過にもとづ-、いわゆる「進行」(t3)の. ているのかが、次の問題である。元旦二止春から暮春・三月尽・残春. この、貞享本の歌題にょる歌集団の配列は、何を基準としてなされ. 歌題にょって歌をまとめ、それを配列するのが徹底していると言える。. されるということは皆無であることが判然とする。定家本ほ定家本な りの編集方針があってのことであろうが、貞享本は、定家本に比べて、. 以上のごとく整理すると、貞享本では、歌題にょる歌の整理という. と見るのである。かような例は、他にも多いが、ひとまず脇に置-0. 歌や鴛の歌ほ二首あるいほ四首のみでほない。が、他歌の霞や鴛は歌. 三月尽. 暮春山吹蘇 残春. 番 番. 各歌の詞書にょって、さらに細か-分けることも可能であるが'お. -8 1-1-7番 -5 m-1-4番 1-1-11-9-1-0番 1-5-1-8番 1-3-1-4番 1-9-1-2番.
(12) 貞享本『金塊和歌集』改編考. 「犀風の絵に春日の山に雪降れるところを詠める」の歌を残雪と扱い. る歌ほ、厳密に言えば無い。しかるに、貞享本では、定家本の8番の. 後鴛」の歌を配したと言えよう。定家本にほ、若菜に続-残雪にあた. る。定家本が、その関連性の薄い点も、春部と同様なのである。まずI. どではないにしても、やほり、『掘河百首』. みである、と言えな-ほない。が'夏・秋・冬の四季の部ほ、春部ほ. 尤も、貞草本『金塊和歌集』 の歌題の配列が、全て'『掘河百首』 と合致するのでほない。『掘河百首』と完全に合致するのほ、春部の. かれる5-9番と5-0番の歌を置いて13・14番とし、その後に「花間鷺」「雨. 若菜の後に置き、念のために'定家本雑春の「残雪」という詞書を有. 貞享本の夏部について、歌題を整理し、それと『掘河百首』. Ⅶ-M番 ;t]・[e・・・. 夏の初め. 更衣を詠める. 歌題の順序との関係を見ると、以下のごとき結果が得られる。. 待郭公-郭公. 故郷慮橘-慮橘薫夜衣. 五月雨降れるに菖蒲葺-を-菖蒲 五月雨. 蓮露似玉 河風似秋. 蛍火乱飛秋己近といふことを. 夜風涼衣--夕の風簾を動かすを‥. 五月雨. 六月成. 1更衣. の夏部の. の歌題の順序と関連があ. する5-8番をこれに続けている、と解釈してよいと思われる。. 一二. 菖蒲慮橘郭公蛙 卯花初夏更衣. ×早苗26. 28五月雨. \、. x蚊遣火3. ×氷室3. 35荒和成. 『掘河百首』 の十五の歌題の中の十題までが、貞. 夏の暮れに詠める 六月政. × 2 24郭公 22卯花 27照射 25菖蒲 29慮橘 ・i・・.・.・'・'2. 尤も'『掘河百首』との関連で部類配置相違の理由が判るというもの ばかりでもない。65・66・67・68番の四首は、定家本では雑春の駄で. あるが、貞享本でほ、桜の歌題の中程に入れている。97番以後の春月 の歌と'ー-2番の春望の歌ほ、『掘河百首』とほ関係が無い。敢えて言. えば、『掘河百首』は桜に続いて春雨・春駒の歌題を置いて帰雁に移 るが'その歌が『金枝和歌集』にほ無いので、代わりに春月・春望を 置いたのかも知れない。矩の歌題も、同様に、『掘河百首』の苗代に. 代えて、喚子鳥と茎菜の問に配したとも取れる。前節でも触れた春部 の末尾のー-2番も、定家本でほ雑春5-0番である。これは、「犀風に春の 気色を絵かきたるところを夏見て詠める」という詞書でも判るように、 直前のー-一番の「正月二つ有りし年の三月郭公の鳴-を聞きて」と共に、. 6番のl首のみであ. 三月尽よりも時間的に後のこととなる。『掘河百首』との閑適でほな -、『六百番歌合』の春部の最後の「残春」の歌題などとの関連で把 握すべきものであろう.なお、定家本の三月尽ほー-. るが'貞草本では、定家本不載歌ー-9番を加えてー-0番と二首になってい. I.Tl. 夏部においても、. 風. 一:.I. 夏歌卯花 ・:I. 番 番 '・[‥ '・l。.. 番 ・・. 番 y.I.・=. 番. 撫子照射 .;.I.・.. 1-8 r・・E・ホ -3 1-4-1-5番 1-9-1-9番. I-LL'・[i]. ト 1-9 1l 仰 1-8-1-9番 1-1-7番 Ⅵ-1-3番 1-0-1-一番. 撫子照射. 蛍涼蓮. 暮夏夕風. 訓.・.'.i 32蓮. ×. 1. 3. 泉3. 4. ることも、注目しておこう。かような事例が、他にも、26番の梅'4. 番の柳、E番の山吹、といった具合に、植物の歌で見られるのである. の歌題との関連で説明できる. わけではないにしても、その関連は見すごすわけにほ行-まい。. 全ての部類配置相違歌が、『掘河百首』. 1.
(13) 享本で指摘できる。しかも、更衣・卯花・郭公・菖蒲・照射ほ『堀河 百首』 の順序に逆行していない。慮橘・五月雨が、『塘河百首』. の順で、照射の前に置かれている点、蓮と蛍も、『堀河百首』に無い. の道. と貞享本との関連性の高さほ、納得が行-0. 28五月雨. に近. 涼風をほさんで、逆の順に置かれている点、これらが相違点である。 しかし、これとても、次の定家本の歌題の集団の配置と比較するときI やほり'『堀河百首』. 蛙・菖蒲. 暮夏夕風輝 蛍 涼風蓮 郭公. むしろ貞享本よりも『掘河百首』. 1-棚番. 番 番 番 番. の関連は貞享本より小さいと言える0. れは、勅撰集その他の場合でも夏部の末尾に置かれることが多-'必. 六月彼の歌である。六月成ほ、『掘河百首』の夏部の題であるが、こ. の関連で説明することができない。他の二首ほ、夏部末尾のー-8・ー-9番、. の5-一番とされるものである.撫子の歌題は、『掘河百首』に無-、そ. に過ぎない.その1首は、貞享本棚番の撫子の歌で、定家本では雑夏. 夏部の部類配置相違歌は、前節の第1表でも知られるごと-、三首. いるなど、やほり『掘河百首』. いが、合致する歌題が八題と少な-、郭公の歌題が二箇所に分散して. 定家本の場合'歌題の順ほ、. 五月雨. 1-9 1-8 1-7 舶 1-1-Ⅶ番 1-1-一番. ずしも、『堀河百首』と限定して影響関係を説明するわけにほ行くま い。しかし、少な-とも、貞享本が、定家本の夏部では「夏の暮れの. 月成」の詞書を置いて二首配したのは'何らかの他文献を参照した結 果である、とは言えそうである。. 夏部の場合、『掘河百首』の歌題との関連で注目されるのほ'部頬. 配置相違歌よりも、むしろ定家本不載歌である。貞享本夏部には、定. 家本不載歌が七首ある(第二表).その中の、悩・ー-7番ほ、卯花が歌題. である。これほ'定家本の歌題にほ無いもので、貞享本で、この二首. を『掘河百首』にならって、更衣・初夏のあと、郭公の前に配したの JJ'番の照射の歌についても言える。これも、 であるo同様のことほ'2. 定家本に欠ける照射の歌題の歌を、しかもその詞書を添えて、新たに. 加えたらしい。尤も、前述のごと-、その配置は少々違っているが。. の二十題でほ、とうて 秋部は、歌題がきわめて多-、『掘河百首』 い整理がつかない。が、貞享本では、十八題までが『堀河百首』. 七月一日の朝詠める-秋の初に・・. に合うのである。まず、貞享本の秋部の歌題を整理してみる。 1-1-. 2-m番. 秋の初め月明かかりし夜-月さし人. 萩を詠める-曙に庭の萩を見て 夕の心を詠める 野苅萱. 蘭--荒れたる魔の前に蘭の咲ける 女郎花. 故郷の心を. 女郎花. 39女郎花. の題. 鴻・浅茅・露. 霧47. 5番. SO賓× 32蓮24郭公 × × ×. 郭公初夏更衣. 菖蒲. 慮橘. 番 番. 歌」の詞書の歌群中に六月成の歌が有るだけであるのを、敢えて「六. ×. × × 21更衣 29慮橘 25菖蒲 24郭公. 貞享本『金塊和歌集』改編考. 37七夕 36立秋. ×. 42蘭41刈萱 43萩40薄 43萩×. × 48極花. 蘭 刈萱秋夕萩草初七立 花秋夕秋 月. 檀 慕. 一三. 七夕. 草花. 檀 着. 番 番 番 番. 2-4 2-2-2-3番 2-3 2-0-2-2番 杓・・tMtiJ=: 2--2-一番. 221 2-o 2-8-2-9番 2-7. -7 1-0-1-0番 ー-8-1-9番 1.-31-1-m番 ー--1-8番 1-9-1-0番.
(14) 番 番. 貞享本『金枝和歌集』改編考. 露・雁. 夕雁-雁を詠める. '・・'・'・[. 「曙に庭の荻を見て」とあったー-. 5番が、貞享本2. なる、といった、これまでとほ少々異なった配列が見られる点である。. の二首2-2。2-3番で分断され、. 7番から2-8番までの雁の歌が、. 本の歌題を、春部や夏部のごと-整理してみると、かような配列ほ見 られない。萩が、捕番・ー-1-3番と二箇所に、月が、2-1-m番・2--. 「海の辺を過ぐとて詠める」. の歌が、定家本の雑秋の5-8番である点である。こ. 類配置相違歌棚番の場合とも、一脈通じていると言える。. 詞書を改めて、暮秋ととらえ直しているわけであり、恋から秋への部. 三首ほ、定家本では全て「秋歌」という詞書である(2-・湖・抑番)0. みる。因みに、この「暮秋簡」という詞書にょるl連の歌の中の他の. であることも、注目される。これは、次節の、各歌の配置で検討して. かろう。いま一つ、3-7番の「暮秋歌」が、定家本でほ恋部の4-9番の歌. れほ、島と浅茅の双方を詠んだこの歌を、ここに特に配したと見てよ. 2-一番「故郷の心を」. 問題は無い。注目すべきほ、さきに、植物から動物に移る接点とした、. れぞれ定家本雑秋のGL,,・5・焔。湖・醐番、といった具合で、あまり. 後の歌が、定家本の薙秋のE.n番、月歌の2-3。2-5・2・2-・2-8番が、そ. ・脳番、2-0番の虫の歌が、定家本では雑秋の5-7番、抑番の秋風の最. 部類配置相違歌を見ると、ー-0。ー-一番の立秋の歌が、定家本の雑秋の. は、それなりの意味ほあろうが、貞享本はど徹底していないのである。. である、といった具合である。いずれにしても、定家本の歌題の配列. 2-2番は雁が詠み込まれているのでまだしも、2-3番は雁とほ無関係の歌. その中程の. 蜘妹・露× 田家95耗. 2-4番と二箇所に、と分散されていたり、…-. 田家95兼. 祷衣という秋の中心歌題があって、再び菊・紅葉という植物の歌題に. 題が続き、…-8番から、山辺・田家・秋夕・秋風と自然景に移り、月。. 点として、2-2番の野辺露以降に雁・鹿・虫・臆棒・蜘妹と、動物の歌. 一四. 山辺眺望× 田家霜. ×駒迎49 1捧衣. 弘紅葉. 55九月尽. 紅葉・月馳紅葉. 九月尽. -一番では「萩」とある。. 秋部で特徴的であるのほ、2-3番の草花から、2-0番の棲までが植物の -一番の、弟と浅茅を詠んだ「故郷の心を」という歌を接 歌題であり、2. 5. 『堀河百首』 の歌題の配列との相違ほ、この辺に原因があろう。定衣. 'T... .S'.(:. 砿鹿. 野辺露 鹿歌に-夕鹿. 良-故郷虫 嫁蜂-ある僧に衣を賜ふとて 秋の野に置-露は玉なれやといふ‥ 山辺眺望といふことを 田家露. 田家秋夕-秋夕に詠める 夕秋風といふことを-声うち添ふる 月歌とて-八月十五夜の心を 月前梼衣-捧衣を詠める. 月夜菊花を手折るとて-菊を -杵の紅葉時雨に濡る-庵の鳴-杏. 秋の末に詠める 惜秋といふことを. 九月霜降秋早寒といふ心を 暮秋歌. 九月尽の心を人々に仰せて-. 田家秋. .I..・;. 田家秋. 鹿 良. ‥-. ㍊虫 × ×. 50月. 53菊5 × × ×. [:・.. 『掘河百首』 の歌題で貞享本に欠けるのは、荻と穿と駒迎のみであ る。尤も'霧は、これを詠み込んだ歌が多い。また、荻ほ、定家本で. i.・:J!. 番 '1..;I. 番. 紅葉菊 涛衣月 秋風秋夕 暮秋秋霜惜秋. 2-2 加 2--2-0番 2-7 2-1-2-6番 2-3-2-4番 2-8-2-0番 2-2-7番 2-2-5番 ∼:・∵[i・](・・= ‥・f7.一い〓. 3-一 3-7-3-0番 3-1-3-3番 2-5-3-0番 2-2-2-4番 2-7-2-一番 2-0-2-6番 3-4-3-5番.
(15) 続いて、. 冬部について、あらましを見てお-ことにする。. 十月一日詠める-初冬歌の中に 松風似時雨. 水上落葉 霜-深夜霜. ×寒塵61. 57時雨 56初冬 ×. 63凍I;::I;. て指摘できる。しかも、3. 9番「池上冬月」. の歌ほ、寒産の歌でもあり、. とにか-、貞享本でほ、同一歌題の分散は見られない。一方、定家本. 0番と三箇所に、冬月の歌が2-2. 歌題にあたるが、これが貞享本でほ霜と氷に分けられているのだが。. は少々粗い。尤も、3-7・3-8番の「冬歌」というのが霜もし-は寒萱の. -2-3番・3-4-㍑番と二箇所に、と分散されるなど、歌題にょるまとめ. でほ、霜の歌が2-7-2-0番・…-9番・3-9-3-. 65. 池上冬月-月前屈 山辺霞-霞. 千鳥-名所千鳥. 海辺鶴 雪-建暦二年十二月雪の降り侍り‥ 建保五年十二月-小袖を残し置きて 山々に炭焼-を見侍りて-炭竃 仏名の心を詠める. 夜火狩竃楽. 時雨初冬. 『掘河百首』 の冬部十五題のうち九題が、 貞享本に歌題の集団とし. 老人憐歳暮-歳暮. 代鳥鳥. 66 67 69 70. 老人寒を厭ふといふことを. 除炉鷹炭神雪網水干. 菓 月. 仏炭待雪鶴水干霞冬氷霜落 名竃春 鳥鳥. 冬歌. 水鳥. 59霞 62 64 ×. 60 ×. 68 × × ×. 番 番 番 番 番 番 番. また、歳暮を除夜と重ね合わせることを許すと、合致はさらに増す。. -. 貞享本『金椀和歌集』改編考. 四季部では、冬が、部類配置相違歌の最も多い部であり、十六首に. であるが、『掘河百首』等の題. のぼる。そのうち、最も注意すべきは、貞享本3-9番の炭竃の歌である。. これほ、定家本でほ雑冬の歌(5-5番). にならってこれを冬部に置き、しかも、定家本冬部の「冬歌」とだけ. の詞書で収められる3-8番を、貞享本でほ「炭竃」と詞書を改めて3-0番. に配しているわけなのである。他に問題になるのが、定家本でほ恋部. にある歌が一首'貞享本でほ冬に配される点である。3-4番の歌、さき. の整理でほ雪の歌題に入るが、これほ、定家本4-9番「雪中待つ人とい. ふことを」という歌である。雪を重視してのことと思われるが、詳し くほ、次節に検討する.また、定家本の秋部脚番「水上落葉」の歌が、. 貞草本でほ同題で冬部の3-5番に置かれている。これほ、下二句「暮れ. ての後も秋ほ久しき」の解釈に関わって釆よう。貞享本は、時間の経. 過よりも、秋の残存を強-読み取ったものと思われる。貞享本冬部の. 部類配置相違ほ、他ほ、定家本雑冬との関連ばかりである。. 歌題の配列との関連で、部類配置相違歌を見て来たわけであるが、 これほ、四季部においてかなり明確に指摘できるが、恋部では、あま り判然としていない。詳し-ほ、別に稿を成すことにするが、『堀河. の恋部との関連で説明のつ-部分がある. 百首』との関連でほ、殆んど説明がつかない。が、貞享本の歌題や、 その配列に、『六百番歌合』. など、他の歌合や百首歌を参考にして編んだ形跡ほ、い-らでも指摘. できる。雑部については、前節において、定家本でも貞享本でも、あ. る整理がなされていることほ、明らかにしておいた。細部にわたる検. の編者ほ、自己流にこの家集を政. 討は、これも、別に稿を成して、詳し-考えてみたいと考えている。 とにか-'貞享本『金塊和歌集』. 一五. 3-8 3-3-7番 3-4 3-3 3-2 3-9-3-一番 3-9 3-8 3-1-3-7番 3-5 3-3-3-4番 3-2-3-2番 3-7-3-0番 3-9-紬番 3-2-3-8番 脳-3-一番.
(16) 貞享本『金塊和歌集』改編考. てゆくのが当然といってよいほどの組題の典型の確立をここに見. 程よ-網羅されている。その点、後代に到るまで規範となり続け. 編したのではな-して、何らかの参考文献にょって編み直した、とい うことだけほ、間違いない.そ町参考文献の中に、『掘河百首』もし. いものと思われる」と言われる。和歌史に疎い本稿の筆者であるが、 氏の御論文や、峯村文人博士・上野理氏その他(19)諸先覚の『掘河百. そうして、「組題百首の規範の確立の栄誉ほ堀河百首に与えられてよ. ることができる.. のごときものも、参考にされたと思われる。. ほ題の歌ばかりにて、きと物の用に立ちぬべきとか. 首』をめぐる中世和歌の御論を拝読するとき、いま紹介した松野氏の. (玉和集). において、『金塊和歌集』の貞草本の改編を考えるにあたり、『掘河. 「それ. 百首』を持ち出したことほ、あながち無謀でもあるまい。『六百番歌. 御発言に従っておいて、大きな誤りは犯すまいと判断している。本稿. 題の歌ほ、撰集ならずとも、『堀河院百首』『新院百首』、近-は、. 合』も、俊成の判詞の意味するところと共に、中世和歌において、大 きな影響力を持っていることは、ここで改めて論ずることもあるまい。 (四). 勅撰集の歌の配列に関してほ、原理の点でも各集の具体的な配列の. 確立と継承-白河院期から崇徳院期へ-」(1)という御論がある.氏は、. 西甚一博士説の「進行」にょるものほ既に『古今集』において確. それらの研究において最も重要な点は、この配列手法のうち、小. 点でも、講究覚に多-の研究があるoそれらについて、佐藤恒雄氏が、. 「白河院政期の歌界が産み出した文学的成果を歌題の問題に限定して. 立しており、後続の勅撰集はそれを規範にしてほとんど同じ方法. 『掘河百首』 に閲し、最近、松野陽l氏に「紅題構成意識の. 整理」され、「組題の規範が確立したという点」と「麺的な世界の歌. を-り返していること、ところが『新古今集』に至って、その配. 列にほ「連想」の手法が頗著となり、飛躍的に高度な完成がみら. と、適切な整理をしておられる。その進行および連想という原理ほ、. れること、の二つに尽きる(i;)o. ここにほ歌題の歴史の上でほ初めて登場するものもあるが、王朝. 「進行」とは、夙巻博士の指摘された「時間的な推移」にもとづ-. に従って示される、佐藤氏論の補注にょると、 小西博士の御論考eq..) にょって蓄積された和歌的宇宙の公約数的なものが、質量ともに. 的生活意識の上での奇異な歌題ほな-、代々の撰集類の美的伝統. きに示した春部の歌題を掲げられたうえで、次のように述べられる.. 題化が進んだという点」を指摘される.そうして、「組題の規範とい う点でほ何といっても掘河百首に触れなければならない」として、さ. 因みに. はぼ誤りあるまい。. まらず、歌集の編集の面でも、参考にされることが多かったと考えて、. 作歌の手本とされて釆たと見てよい。単に'作歌の手本というにとど. と答えているのであるから、『久安百首』も含めて、かなり早-から、. 題の歌ほ、いとよ-心得ぬべし(17)0. 九条殿の左大将と申し侍りし折の百首など侍るほ。それを見ても、. や」という問いに答えて'第二次の話主の老尼が、. ていることは、周知のところである。既に、『無名草子』において、. 『掘河百首』や『六百番歌合』が、中世の歌に、大きな影響を残し. 触れたが、『六百番歌合』. -はそれに似たものが含まれていたと考えてよかろう。また'時折り. 一六.
(17) 配列原理であり、「連想」とほ、イメイジやことばの飛躍的結合. にょる配列原理を意味する。 ということである。進行の方は、容易に納得していただけると思うの. いかにして野中の松の古りぬらむ昔の人の引かずやありけむ. 大かたに春の釆ぬれば春霞四方の山辺に立ち満ちにけり. 元旦から霞の10番までを示したが、全て'立春を詠んだものともと. れる.これほ'霞の歌題の末尾まで同様である。つまり、ここでは、. 0. の改編の性格の一端を示し、私見を述べることにしたい。. 0. 0. 00. 春春春春春春春春. という、イメイジの分布とことばの連想が指摘できる.1番から4番. 0. 九重の雲居に春ぞ立ちぬらし大内山に霞たなび山里に家居ほすべし鷺の鳴-初声の聞かまほしさに うちなびき春来り-れば轍生ふる片山陰に鴛ぞ鳴-. 00. まで山のイメイジが続き、その中の3番から5番まで鴛のイメイジで. 0. さきと同様に、筆者なりに校訂を試みてある. イメイジと用. で、分析批評で呼ぶ「イメイジ」の語の定義を、小西博士の御論から. あるわけである。が、ことほそれだけにとどまらない。. い-つかの歌題を通して'立春というさらに大きな歌麿にょる統一が. 批評用語としての「イメイジ」は、日常的な使いかたとい-らか. 語の連続と飛躍的結合が密である。即ち、. o. 山谷野霞雪空家業若鳥松風 ことばの連続 0 0. かき-らし猶降る雪の寒ければ春とも知らぬ谷の鷺. 0. でもよいけれど、もともとイメイジの原義が「肖像」ということ 本節においてほ、貞享本『金椀和歌集』の各歌の配列について'こ. d ○. 連続し、その5番と次の6番は雪のイメイジでつながっている。6番. 000. なので'しぜん視覚がいちばん多-使われるようである(S3)0. の進行と連想という原理にてらして、定家本の配列との比較を試みつ. 0. つ、部類配置相違歌の中のい-つかについて検討し、以って、貞享本. 0 引用ほ、. 0. まず、貞享本の冒頭、春部の元旦・立春・子日の歌を見てみる。. の 釜野 人浦宮. 昔塩書. 0. 今朝見れば山も霞みて久方の天の原より春は釆にけり. 0. 00. 1. 0. 2. 朝霞立てるを見れば水の江の吉野の官に春ほ釆にけり. が江と怒り'続-8番の浦へと連想が進んで行-。8番から9番へは、. 貞享本『金椀和歌集』改編考. 一七. 松のイメイジで統-が、ここでは浦が再び野へもどり、10番の山へと. 以後の連続ほ密でないかのごと-であるが、山・谷・野と続いたもの. 10. 塩釜の浦の松風霞むなり八十島かけて春や立つらむ. ば. 春はまづ若菜摘まむと標めおきし野辺とも見えず雪の降れれ. 0. である。この際、感覚ほ、視覚・聴覚・喚覚・触覚・味覚のどれ. 違う。すなわち、「事物の感覚にょる具体的な提示」がイメイジ. 引用してお-ことにする。. 1021 95-7 3 6. 5. 4. -. ll. 7. 8 9. -. 37 22 46 54 65.
(18) 貞享本『金枝和歌集』改編考. 移って行-のである。7番と8番は、吉野官・塩釜滞と、古くからの 歌枕が続いており、それとの関連で9番の「昔の人」も落ち着-0. 5. 0. 00 0. (貞享本15番) を配してもよいはずである。敢えて、定 ・5-0番の歌を配したのは、「筑波嶺」の峯に対して「谷」. 河百首』とも合致する。が、それ以上に'18番と19番の間にほ、「春 日野」と「春日山」 の語の連続、17番の詞書にもある「雪中若菜」と. 18番が若菜、19・20番が残雪'21番以降が梅、と歌題がならび、『掘. 古寺の朽木の梅も春雨にそぼちて花もはころびにけり. 春釆てほ花かと見えむおのづから朽木の仙に降れる白雪. 松の菓の白きを見れば春日山木の芽も春の雪ぞ降りける. 春日野の飛火の野守今日とてや昔かたみに若菜摘むらむ. 前節において指摘した、残雪の歌題の独立も、これで説明がつ-0. 「筑波」と「昔」とも'関連があろう。. を、「木の本」に対して「深草」を、それぞれ連続させたのである。. 家本雑春の5. ことを」. だけを以ってすれば、12番に続いて、定家本14番の「花間の篤といふ. 草深き霞の谷にほぐ-まる鴛のみや昔恋ふらし と、13番以後が鷺の題である。『掘河百首』が霞・篤とならべたこと. 探草の谷の常春ごとにあはれ昔と音をのみぞ鳴-. おしなべて春は釆にけり筑波嶺の木の本ごとに霞たなびく. 一八. さきの十首に続いて、霞の歌題の後に'鴛の歌が配置されているが'. 前節で整理した歌題の配列の接点においても、この'連想やイメイジ の連想や用語の連続もし-は飛躍的結合が見られるのである。例えば、. 定家本の配列は、連想の原理にもとづ-箇所はあるにしても、この ように、それが全巻にまでわたってほいない。しかるに、貞享本でほ、. 歌題の配置の点で、いま1つ'前節において、秋部が植物の歌から. けで、進行の原理も与って続けていることになるのであるo. が、実は梅の花であったとして、それが「ほころびにけり」というわ. 柚」に「朽木の梅」を配したのは当然のこと、「花かと見えむ」白雪. 連想であろう。2. いう古来の題との関連で「若菜」と「雪」とを連続させる、という手. 000. となる。イメイジの連続や連想が、貞享本はど密でないことは、一見. 00. 法が見出せる。19番に続いて、定家本兼寿5-8番の歌を配したのは'. 00. してわかる。特に、3番と4番、5番と6番、8番と9番の接続ほ、. 0. 「白き」「雪」と「白雪」、「木の芽」と「朽木」(個有名詞との掛詞)の 1番以後、梅の歌題に移るのだが、20番の「朽木の. 片岡のあしたの原. 春白野. (張). 春・吉野官. 春・大内山. 香 香 香 香 春. 00 000. の歌. かような、イメイジやことばの連想の点でとらえるとき、8・9番 の、定家本雑春歌が、貞享本でかように配されることの納得が行-0. 4 6. 145-0135-91222 2127205-8198 189. 同様の調べを、定家本の冒頭十首について試みてみると、. 5 4. 連想の原理では説明がつかない。イメイジの連続が無いのである。. 0. ことばの連続 定貞山谷野霞雪空家鷺槻薪江松警. 0 0 0. 2. 1 1 2. 6 3. 3 7 7 9. 8 19 18. 10 17.
(19) 秋深み裾野の真意かれがれに恨むる風の音のみぞする. 3-7番の歌が、定家本で恋部に置かれるのほ、掛詞を'「飽き」「離れ離. 動物の歌に移る接点という言い方をした、ESi番の歌について見てお-0 風を待つ草の菓に置-露よりも徒なるものほ朝顔の花 鳥鳴-古りにし里の浅茅生に幾世の秋の露か置きけむ. れ」「恨むる」と、恋の意味を強-取ったがためである。一方、貞享. だが弟と浅茅、2-2番以降が雁、と移るが、歌題はともか-、三首共に. ある。さような、歌の解釈ほひとまず措-として、「虫の音」と「風. 「広かになりぬ」が「かれが. の音」と、聴覚イメイジを連続させ、薄の「末葉」から「責苦」のそ. れも枯れ葉を連想していることになるo. み」「真書」から「秋萩」を配し、「枯れ枯れ」の薄に対して「下葉の. 『古今和歌集』 の歌との関連で、峯村文人博士がその. 『伊勢物語』. 紅葉移ろひぬ」を出したのである。聴覚イメイジの「風の音」は、「風. の寒さ」と触覚イメイジに転換するように配列していると見てよい.. iEi. iii. 「コ/0. Ei官且. 炭を焼-人の心も憐れなりさても此の世を過ぐる慣らひは. 春待ちて霞の袖に重ねよと霜の衣の置きてこそ行け. 主知れと引きける駒の雪を分けば貿き跡に帰れとぞ思ふ. 降る雪を如何に哀とながむらむ心は思ふとも足立たずして この雪を分けて心の君にあれば主知る駒の例しをぞ引く. 今日もまた独人ながめて暮れにけり頼めぬ宿の庭の白雪. 故郷ほそらさびしともなきものを青野の奥の雪の夕暮れ. て'詳しい解ほ保留にしておいた。この前後ほ'部類配置相違歌が多 く、定家本不載歌も多-、かなり改編の著しいところである。. れも、前節において、「雪を重視してのことと思われる」とだけ述べ. 貞享本3-4番の冬部雪の歌は、定家本でほ恋部に収められている。こ. いな-秋の歌になり切っているのである。. 野とならば弟となりて鳴き居らん仮りにだにやほ君は釆ざらむ. どに'その関連が認められ'2-一番の「秋」は'「飽き」と掛けて、恋 の心さえ読みとれる。それほともか-として、「弟」が2-2番の「雁」 を引き出すものであることほ間違いない。しかも'2-一番の「露」が 2-2番で「雁の涙」となるのほ、. 鳴き渡る雁の涙や落ちつらむ物思ふ宿の萩の上の露 という『古今和歌集』の本歌にょっても、説明がつ-。とにか-、定 家本と部類配置の異なるESi番は、連想の原理にもとづいているo. 「L.J. L人.). 前節の歌題の配置の検討の際'詳しい吟味を保留にした何首かの部 類配置相違歌について、連想の原理を尺度にして検討しておく。その. 一つほ、定家本の恋部の歌で、貞享本でほ秋に置かれるものである。 虫の青もt<かになりぬ花薄秋の末葉に霜や置-らむ 貞草本『金椀和歌集』改編考. 一九. β且=i 3【翌 【∫bl 聖 3EiX. EiX. 3【川王.lれ‖lu 9Lr? 3-8×3-7×跳× 3nO 7. との関連があるかも知れない。2-0番の「風を待つ」「徒なるもの」な. いずれにしても、3-7番の歌は、貞享本で、この位置にあっては、間違. 影響関係を指摘された(g3)俊成の弟の歌'即ち、. 7番の女郎花の歌から続-統一イメイ. 露のイメイジがある。これは、…ジなのである.それに、…-o番の「草の菓」「朝顔の花」の連想で、Ej. 本は、これを、「秋」「枯れ枯れ」「裏」と、秋の風物でとらえたので. 秋萩の下葉の紅葉移ろひぬ長月の夜の風の寒さに. 久方の空飛ぶ雁の涙かも大荒木野の笹の上の露. 3-82-4 3-74-9. 夕来れば野辺の秋風身にしみて弟鳴-なり深草の里(俊成). や. れ」を呼び出すことも、納得できる。しかも'3-8番に移って、「秋深. T. 番に「浅茅生」が配されたのであろう。憶測をた-まし-すれば'. 歌題のみを見れば'訓番が櫨菜、2-一番が「故郷の心を」という詞書. つ′】. 岳■凸. …2ブーnu/ …垂- 23iE【且 LLリ CO 2 ー邑【l皿. 脳2-9.
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