テナガエビ(Macrobrachiun nipponense)の底質粗度評価について
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(2) 近畿大学段学部紀 要. 26. 第 24号 ( 1. 9. 9. 1. ) ㈲ 100 90 80 70 60 50 10 30 20 10. に敷 きつ め,テナガエ ビを一 尾ずつ放流 して行 った.. 水温 は2. 0° C-2. 4C o として,光 の調節 は行 わ なか った. 水槽 内の放流尾数 は 1, 3, 5, 1,2 0 0尾 の 5段階. 上室 内で飼育 し,甲長 で 1. 0-1. 5mm の範 囲 の もの,杏 使 用 した.. J ( ] t [ t qe q O l d. とした.使 用 したテナガチ ビは琵琶湖南湖漁場 でか ごに よ り漁礎 され た もので,実験 に は漁獲 後 1日以. Ⅰ Ⅰ Ⅰ 結果 と考察 実験結果 を Tabl e lに示 す. 1尾の実験 で は小石. vO. の底 質 に定Tす J y . る傾 向が うかが えた.定群場 の環境 評価 の指標 とな る環 境 密度5 日ま小 石 で 14 . , れ さで 96 . とな り,テナガエ ビが小石側 を好適 な場 として選. 択 してい ることを示唆 してい る.一 万,水槽 内への 放流密度 が高 くな ると小石側 への定宕確率 が低下 し. 2 4 6 8 1 0 1 2 1 4 1 6 1 8 2 0. Numb eroEl n dl vl du a ll snat an. kド. Fl g.1.Obs er ved men a nmb u er sofpr awns t hat s et t l e donteh h al foftet h ankwi t hs maH -)at so tnes( ●)adc n ac lu】t aed vau 一e s( di f f er entpopua lt i ondens i t l e s .. てい る. これ は個体 の一部 が小石側 での個体密度 の 増加 による個体 問相 互作用 の彫轡 を受 けてれ き側 へ. の と推察 され る. アベハ ゼ は個体 に とって悪 い環境 で は個体 間 の干. 移動 し定群 した結果 と考 え られ る. ) を求 め,実験 結果 とあわ 小石側 の理論定宕確率B. 渉 が大 にな る と指摘8 )され てい る.一方,テナガエ ビ. g.1に示す.個体 の小石側 への定宕確率 は計 せて Fi. の場合,隣接 す る底質環境 の物 理的差異, また.水. 罪結果 とよ く一致 してい る.概 は異 な るが, マ コガ. 槽側壁 が個体 問相互干渉 の仕方,程度 に どの よ うな. レイ, イ シガ レイを用 いた実験 にお いて も同 じよう. 影呼 を与 えるか明確 で はないが,本種 にお いで も個. な結 果 が報 告 され てい る7). テナガ エ ビの生息域 は. 体 間相互 に反 発性 が あ ることを実験結果 は示唆 して. 限定 され てお り, かつその場 での個体 の分布様 式 は. い る.. 非塊 中的】 ) であ る.また, 漁業者 に よるテナガエ ビの. 実験例 は少数 であ るが,本研究 はテナガエ ビの生. 漁獲血 は場所 によ り明確 な差 が あ り,れ き底質 に比. 息環境 の場所選択 が環境 密度 と生 息密度 の和 5) で も. べて転石 の場 で多 い ことが報 告 日され て い る こ とか. って説 明可能 で あ ることを示 してい る.. ら,実験 条件 が異 なってい るけれ どt ) ,本部 にお い. 本種 が生息 す る野外条件 は非常 に複雑 で あ り個体. て も好適 な場 での密度 が あ る限界 に達 す る と, その. の分布 は種 々 の要田 に よ り影響 され る.今後種 々 の. 錐団の-部 は環境 条件 の劣 った場 へ移動 して行 くも. 条件下 で実験 を行 い,本唖 の分布機械 に形甘 す る環. Tabl el.Coef f ii cent sus edl p ncac lu) af i ons . N. Nt. Ns. Ps. a. b. Ns -. Ps '. 1. 4 6. 4 0. 08 .7. 01 .5. 0. 0 0. 4 0. 08 .7. 3. 1 8. 9. 1 4. 2. 07 . 5. 03 . 3. 06 6. 1 5. 3. 08 . 1. 3. 3 5. 2 6. 07 .4. 03 .4. 13. 0. 2 7. 07 2. 1 0. 8 0. 5 8. 07 .2. 03 .7. 27 9. 5 6. 07. 0. 2 0. 2 8. 0. 1 8. 5. 0.. 6 6. 05】. L l . 6 2. 1 7. 8. 06 . 3. N I: i : umberofi ndii vdual si nat ank alnumbr e ofi ndii Nt:Tot vdual si nr toduce di nat ank. ・ofi . Ns:Number ndii vdua) ss et t l edl ntes h mal 一so tne Ps:P. r obabi 一 i t y. a:Coef f. ] ce lntCar cuae Ttd i ce intcac luae ltd b.Cuef f. .Numbero ・ fi ndii vdual ss et t l e di nt hes r nal tt sonecac luae lLd ,. Nらl Ps ' .Pr obabHi t luae. ltd ycac.
(3) 27. 山根 :テナガエ ビの底質粗度評価. PA-( EB +N8)/( E,+E8+NA十N8) P8=( EA+NA ) /( E▲十E8+NA十NB). 境要因 を検討す る所存である.. I V 要. 約. 底質の異 なる場の選択性 についてテナガエ ビを使. である.E,, E舟は塀墳条件の悪 さを個体群密度 に換 辞 して評価 した丑 で環境 密度 と呼 ばれ た. ここで. 場底質の選択特性 は底質環境 と生息密度 に彩層 され. NA / N=P.( N) とお くと EA-b/ aC-1,Eb - CEA である.. ることが示唆 された,. ただ し. って室内実験か ら検討 を加 えた. その結果,本棟 の. V 謝. 辞. 本研究 を遂行するにあた り有益な助言 を賜 った本. a-1 / PA ( N)-1 ,b=( N-1)( 1-a) / 2 Cは 1個体 を放 った時 A, B側 に定宕 した個体数の 比 として得 られる.Nは絶数である.. 字農学部津田良平教授 に深謝す る.テナガエ ビの採 袋 は滋賀県立琵琶湖文化館館長林弘和氏,同館学芸 員前畑政督,秋山L #光,松田征也,桑原雅之諸氏の 協力 を得て行 った. また,資料の整理 に本学学生原 徹氏 に協力いただいた. ここに記 して感謝の君 を表 す る.. ⅤⅠ 補. 遺. 森下5 )はア リジゴクを用いた実験 か ら個体 に とっ ての環境評価 はその場の生息密度 と,環境条件の悪 さを生息密度 に換許 して評価 した環境密度 の和で与. VI I文. 献. 1) 原田英司 :甲殻類,大型甲殻類班中間報告,琵. 琶湖生物学調査E S l 一般調査中間報告,近畿地方. 建設局,5 55-603 ( 1 966). .l l I S f ae〃B ca i o l o_ gt l .10.36 0 2) K.M^smKO:IC, -31 4( 1 990) 3) 森下正明 :京都大学生理生態学研究業耕, 6 65,. 1 、1 4 9( 1 95 0). 4 ) 伊 藤 訪 昭 :個 体 群 生 態 学 の 研 究 , 1,. 36 -48 ( 1 952). えられ,個体 はこの値 に反比例 した割合で隣接する. -6 ( 1 95 2). 5) 森下正明 :生理生態,5,1. 場 に分配 され るという仮定で 1式 を導 いた.等面横. ImTA:Sa' LhsI L L c L 7 l eo cl oy g , 1, 39 7. 6) M.M oRS -401( 1 971). で底質粗度 の異なる隣接する場 ( A, B)の A側 に NA尾 ,B側に N8尾個体が定怒 している所 に新 たに 境 目に 1個体放 ち,それが A, B側 に虫終的に定着. ,Phは す る確率 PA. 7) 小坂昌也 :日水誌 ,22,284 -28 8( 1 956). 8) 久保浩洋 :日生接会誌 ,7,80-84( 1 9 57).
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