統 合 失 調 症 者 の 障 害 認 識 ・受 容 と 社 会 復 帰 後 の 生 活 につ い て の 検 討
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デイケア通所者の面接を通 して 一
奥
村
太
志
1),河
合
洋
子
2),渋
谷
菜穂子
3)
石
井
文
康 4),山
田
浩
雅
5),加
藤
雄
一
6)
要 約 本 研 究 は、 精 神 科 デ イ ケ ア に通 所 して い る12名 の 統 合 失 調 症者 が 、 自 らの 障 害 に対 す る認 識 ・受 容 と社 会 復 帰 後 の 生 活 につ いて 語 っ た内 容 を 検 討 した もの で あ る。 半 構 成 的面 接 を 通 して 、統 合 失 調 症 者 が 不 本 意 な が ら現 状 を維 持 し続 け る理 由 と して 以 下 の こ とが 明 らか に な った。 1.精 神 科 デ イ ケ アに 通 所 して い る統 合 失 調 症 者12名 の 内5名 は、 精 神 障害 とい う病 気 によ って、 自分 が 社 会 的 に 不 適 応 を きた して い る とい う認 識 が な かっ た。 2.自 分 が 体 験 して きた こ とを 精 神 障 害 と認 識 ・受 容 して い る者 が、 必 ず し も社 会 生 活 へ積 極 的 な 姿 勢 を 示 して い な か った 。 3.彼 らは、 社 会 生 活 に適 応 しよ う と 自己 実 現 を 目指 して きた が、 自分 の 障害 を受 け入 れ られ な か った り、 自分 と社 会 との 間 にギ ャ ップ を 感 じ、 矛 盾 や 葛 藤 を 覚 え て い た。 そ の た め、 漠 然 と した形 で 、心 の拠 り所 を 求 め な が ら、 現状 維 持 を続 け安 定 を は か って い た。 4.面 接 を通 して 、統 合失 調 症 者 は 自己 の 生活 状 況 を言 語 化 す る こ とに よ り、 不 本 意 な が ら現 状 を維 持 して い る 自己 を再 認 識 す る機 会 とな った。 現 実 の生 活 を話 し合 う こと は統 合 失調 症 者 の 自 己洞 察 へ の 働 きか け とな った。 キ ー ワー ド: 統 合失 調 症 、 デ イ ケ ア、 障害認 識 ・受 容 、 社 会 復 帰 、 社 会 生 活 1は じ め に 精 神 科 デ イ ケ ア に勤 務 す る看 護 者 は 、 統 合 失 調 症 者 (以 下 、 彼 ら とす る)の 社 会 復 帰 に向 け て様 々 な方 法 を 模 索 して い る1-4)。 看 護 者 と して彼 らに 期 待 す る の は、 彼 らが 病 を抱 え なが らも、彼 ら らし く自分 の 力 を発 揮 し、 社 会 で生 活 して い く こ とで あ る。 そ れ に は、 適 切 な 「共 感 ・受 容 」 と 「情 報 の提 供 」 が援 助 の ポ イ ン トに な る と い わ れ て い る5)。 しか し、 彼 らの 多 くが 、 「この ま ま デ イケ ア に通 所 し続 け る の は よ くな い」 と言 い な が ら も、 現 状 維持 の姿 勢 で 、長 期 間 通 所 して い る のが 実状 で あ る。 「疾 病 に よ って もた ら ざれ た障 害 を 認 識 す る こ と は病 気 、 で あ る こ とを 認 識 す る よ り も容 易 な こ と だ」6)と 言 わ れ て い るが 、 彼 らに と って、 そ れ を本 当 に理 解 す る の は難 し く、 時 間 を要 す る作 業 で あ る。 主 観 的体 験 に よ る障 害 認 識 、 す な わ ち彼 らが 自分 の病 の経 験 を ど の よ うに受 け 止 め て き た の か、 疾 病 が 社 会 生 活 に ど の よ うに影 響 して い る か、 何 が で き て、 何 が で きな い か な ど根 本 的 な と こ ろ が意 識 づ け さ れ て い な い た め、 曖昧 な ま ま 同 じ こ とを 繰 り返 し、 結 局 、 前 進 す る き っか け を見 い だ せ な い で い る の で あ る。 ま た、 看 護 者 や 医療 関係 者 側 に も、 彼 ら と 共 に現 実 的 な検 討 を行 え て い な い状 況 が あ る と言 う こ と もで き る。 そ れ は、 彼 らに と って良 い方 法 だ と思 って 働 き か け て き た ことが 、 結 果 と して彼 らを追 いつ め、 苦 し ませ て しま い、 再 発 ・再 入 院 とい う事 態 を招 い て しま う と、つ い罪 悪 感 や無 力 感 を抱 き、 彼 らに無 理 を させ な い 刺 激 の少 な い方 法 を選 ん で しま い、 新 た な方 向性 を 出 そ うと い う気 力 が 萎 え て しま う こ とで あ る。 1)岐 阜 大 学 医 学 部(精 神 看 護 学) 2)名 古 屋 市 立 大 学 看 護 学 部(小 児 看 護 学) 3)名 古 屋 大 学 医 学 部 保 健 学 科(精 神 看 護 学) 4)名 古 屋 市 立 大 学 病 院(リ ハ ビ リテ ー シ ョ ン部) 5)愛 知 県 立 看 護 大 学(精 神 看 護 学) 6)元 愛 知 淑 徳 大 学 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン研 究 科本 研 究 で は、 自宅 か らデ イ ケ ア に通 所 す る こ と を 日課 と し、 葛 藤 の少 な い安 定 した生 活 を送っ て い る よ う に見 え る彼 らが 、 現 状 を ど の よ うに受 け止 め て い るか 、 今 の 生 活 に満 足 して い るか 、 納 得 を して い る か と い う点 を イ ンタ ビ ュー に よ って彼 ら自身 が 言語 化 す る こ とを試 み た 。 それ に よ って 、 彼 らが 現 状 維 持 を続 け る理 由が 少 しで も 明 らか に な り、 今 後 、 彼 らの状 況 に即 した看 護 ア プ ロー チ に役 立 て られ る こ と を期 待 した い。 な お 、 本 研 究 で は、 「病 識 」 と い う言 葉 を用 い ず 、 濱 田の 「障 害 認 識 」(疾 病 に よ って 何 らか の影 響 を こ うむ っ て い る社 会生 活 能 力 に対 す る認 識 、評 価)を 採 用 した6)。 ま た、 「障 害 を ど う受 け 入 れ て い る か 」 につ い て は 、 池 淵 の 「障 害 受 容 」(障 害 を ど う前 向 き に受 け止 め て い く か と い う方 向 性 を もっ た概 念)と い う言 葉 を用 い た?)。 Ⅱ研 究 方 法 1.対 象 者:デ イ ケ ア に通 所 して い る統 合 失 調 症 者 で、 筆 者 と数 ヶ月 に わ た り交 流 を して き た メ ンバ ー の 内、 本 研 究 の趣 旨 を理 解 し同 意 を得 られ た12名 。 2.研 究 期 間:2002年1月31日 ∼9月19日 3.デ ー タ収 集 方 法:半 構 成 的 面 接 法 を用 い、 対 象 者 が デ イ ケ ア に い る間 に面 接 日時 の調 整 を行 った。 面 接 で は、 今 まで の体 験 や 現 在 の 自分 の生 活 につ い て話 して い ただ くよ う依 頼 し、 約1週 間 後 に面 接 を行 っ た。 面 接 回 数 は1∼3回 。 プ ライバ シー の保 護 や 心 理 的 な抵 抗 を緩 和 す る とい う観 点 か ら、 面 接 場 所 は デ イ ケ ア施 設 の面 会 室 を利 用 した 。 対 象 が 自由 に語 る こ とを大 切 に しつ つ、 彼 ら自身 の 体 験 や 現 在 の 社 会 生 活 とい う内 容 か ら話 題 が ず れ る場 合 は軌 道 修 正 を 行 った。 4.デ ー タ分 析 方 法: ① 各 面 接 で語 られ た 内 容 は、 対 象 の 承 諾 を得 て そ の場 で記 録 に残 した。 ② 精 神 病 理 学 者 に ス ー パ ー ビ ジ ョ ンを受 け、 対 象 者 が 語 った 内容 や体 験 の 意 味 につ いて 解 釈 を加 え、 精 神 障 害 に対 す る認 識 と社 会 生 活 へ の 姿 勢 につ い て整 理 した。 ③ さ らに、 客 観 性 、 妥 当 性 を 高 め る た め に、 精 神 病 理 学 者 や看 護 者 及 び作 業 療 法 士 の 意 見 を加 え、 解 釈 の 偏 りを修 正 し、 多 角 的 視 点 か ら考 察 を行 った。 5.倫 理 的配 慮: ① 面 接 以 前 の配 慮:筆 者 は デ イ ケ ア研 修 とい う形 で デ イ ケ ア活 動 に参 加 し、 そ こで 交 流 を持 った デ イ ケ ア メ ンバ ー20名 を 研 究 対 象 者 の 候 補 と した。 研 究 協 力 病 院 看 護 部 長 が研 究 対 象 者 候 補 の 各 主 治 医 に連 絡 を と り、 面 接 可 能 な対 象 者 を14名 選 定 した。 研 究 協 力 の同 意 につ い て は、 選定 した14名 の対 象 者 に対 して、 文 書 と口頭 で本 研 究 の 趣 旨を 説 明 、 拒 否 の権 利 を保 証 した うえ で協 力 を 依 頼 した 。 結 果12名 の 同意 が得 られ た。(表1) ② 面 接 を行 う上 で の配 慮:筆 者 は同 意 の 得 られ た対 象 者 に対 して、 再 度 、 本 研 究 の 趣 旨 と研 究 方 法 、 対 象
者 の 権利 につ いて 説 明 した上 で同 意(署 名)を 得 た。 面 接 の 日時 に つ い て は12名 の対 象 の都 合 を優 先 し調 整 を行 った。 当 日の キ ャ ンセ ル や面 接 中 の 中 断 に も 応 じた。 ③ 論 文 執 筆 に あ た って は、 対 象 が特 定 で きな い よ うに 配 慮 した。 皿 結 果 イ ンタ ビュ ー の 内容 は文 脈 ご とに 区切 り、 各 ケ ー ス で 同 じ意 味 を表 して い る事 柄 を整 理 し要 約 した。 要 約 の基 と なっ た各 ケ ー ス の発 言 内容 を 「 」 内 に記 載 した。 さ らに項 目 ご と の ま と め を行 った。 全 体 を把 握 す るた め に 一 覧 表(表2)を 作 成 した。 1.障 害 認 識 につ いて 1)障 害 認 識 「有 」:生 活 に障 害 が で る の は、 他 人 や 周 囲 の 状 況 に 原 因 が あ る の で は な く 、 自 分 が 原 因 で あ る と 認 識 して い る 対 象 者 〈 発 言 内 容 〉 ・ 「後 か ら考 え た ら あ の 時 の 自 分 の 行 動 は お か しか っ た 。 あ れ は 自分 自 身 に 余 裕 が な か っ た か ら だ 」(ケ ー スNo.3,No.8) ・ 「自 分 か ら 何 か を す る と い う 意 志 決 定 が で き な い の は 病 気 の 影 響 に よ る も の だ と思 っ て い る」(ケー ス No.4) ・ 「些 細 な こ と で 腹 が 立 っ て トラ ブ ル を 起 こ し た 、 あ れ は 普 段 の 自 分 じ ゃ な か っ た 」(ケ ー スNo.6) ・ 「病 気 が 悪 くな る と す さ ま じい 幻 聴 に 圧 倒 さ れ る 。 そ う い う 症 状 が 出 る と ク ス リを の ん で じ っ と して 、 お さ ま る の を 待つ し か 方 法 が な い 」(ケ ー スNo.9) ・ 「いつ も 人 に 気 を 遣 い 余 裕 の な い 生 活 を して き た の で 、 幻 聴 や 妄 想 が で て 被 害 的 に な っ て い た 」(ケ ー スNo.10)
・ 「病 気 が 悪 くな る と ち ょ っ と した こ と で 頭 の 中 が 真 っ 白 に な り 、 日常 生 活 の こ と も で き な く な る 」(ケ 一 スNo.11) 2)障 害 認 識 「無 」:自 分 が 体 験 し て い る こ と は 事 実 で あ っ て 、 家 族 や 周 囲 が 理 解 し て く れ な か っ た 。 生 活 が し に く い の は 自 分 に 障 害 が あ る わ け で は な い と 認 識 し て い る 対 象 者 〈 発 言 内 容 〉 ・ 「予 知 能 力 の あ る 自 分 に 対 し て 家 族 が 病 気 扱 い して 精 神 病 院 に 入 院 さ せ た た め 、 自 分 の 人 生 が 終 わ っ た 」 (ケ ー スNo.1) ・ 「他 の 人 に は 感 じ取 れ な い テ レパ シ ー が 送 ら れ て き て 苦 し め ら れ た 。 今 も と き ど き あ る。 テ レパ シ ー を 送 る 悪 い 奴 の せ い で 人 生 が め ち ゃ くち ゃ に なっ た 」 (ケ ー スNo.2) ・ 「仕 事 で シ ン ナ ー を 扱 っ て い た の で 、 そ れ を 吸っ た た め に 頭 が お か し く な っ て 病 気 扱 い さ れ た 。 精 神 病 じ ゃ な く て 原 因 は シ ン ナ ー だ っ た と 思 っ て い る 」 (ケ ー スNo.5) ・ 「私 が 何 も し て い な い の に 、 周 り か ら悪 口 を 言 わ れ る か ら怒 れ て く る 」(ケ ー スNo.7) ・ 「誰 も信 じ て く れ な い け れ ど 、 頭 が 溶 け て し ま っ た た め に 今 も考 え る こ と が で き な い 。 ど う しよ う も で き な い 苦 し み が あ る 」(ケ ー スNo.12) 3)障 害 認 識 に つ い て の ま と め 「自分 の問 題 」 と 「他 者 の 問題 」 との 発 言 に よ り 障 害 の認 識 の有 無 を 区分 した。 こ こで い う障 害 認 識 と は、 病 識 の有 無 に加 え、 社 会 生 活 を す る上 で 自分 の問 題 を 自覚 し、 そ れ に ど の よ うに対 処 し、 どの よ うに改 善 して い こ うか と い う こと も含 め た認 識 を い う。 彼 らが語 った発 病 か ら現 在 ま で の体 験 につ い て は、 ① 「自分 自身 の 行 動 や 反 応 が 普 段 と は違 う もの で あ っ. た た め 生 活 の障 害 が 起 き た」 と障 害 を 自分 の 問題 で あ る と と らえ て い る人 ② 「周 囲 が 理 解 して くれ なか った た め」 「他 人 に は理 解 で きな い こ とが 起 こ って 影 響 した た め」 と他 者 や 周 囲 の 問 題 と して 認 識 して い る人 の2つ に分 類 で き た。 表2に は、 障 害 を 自分 の問 題 で あ る と語 った 場 合 を 「有 」、 他 者 や 周 囲 の 問 題 で あ る と語 っ た 場 合 を 「無 」 と 記 載 した 。(12名 中 「有 」 が7名 、 「無 」 が5名) 2.社 会 生 活 へ の姿 勢 に つ い て 1)社 会生 活 へ の 積 極 的 な 姿 勢:デ イ ケ ア に通 う現 在 の 生 活 を 維 持 す る の で は な く、 働 く こ とを 目標 に 生 活 して いる 対 象 者 〈発 言 内 容 〉 ・ 「入 院 中 に ナ イ トケ ア で ず っ と働 い て きた。 働 く自 信 は あ る。 今 は不 況 な の で仕 事 が な い が あ れ ば働 き た い 。 食 事 代 が 浮 くの で デ イ ケ ア に通 っ て い る」 (ケ ー スNo.1) ・ 「有 名 大 学 を テ レパ シー に よ るい じめ の ため に中 退 した。 今 は父 親 の仕 事 を手 伝 って い るが 、 も っ と勉 強 して 将 来 的 に は 自立 して ホ ワイ トカ ラ 一 にな り た い。 そ の た め、 今 も勉 強 して い る」(ケ 一 スNo.2) ・ 「何 度 もサ ー ビス業 の仕 事 で失 敗 して き た。 そ こか ら自分 に合 った仕 事 を選 ぶ こ とが大 切 だ と考 え る よ うに な った。 将来 的 な ことを考 え て職 業訓 練 所 へ通 っ た こ と もあ る。 今 は無 理 しな い よ う に 自分 に あっ た 仕 事 を探 しに職 業 安 定 所 に行 って い る」(ケ ー スNo. 3) 2)社 会 生 活 へ の消 極 的 な 姿 勢:デ イ ケ ア に通 う現 在 の 生 活 を維 持 し、 安 定 した状 況 を続 ける こ とを 目標 に生 活 して い る対 象 者 〈発 言 内 容 〉 ・ 「い ま まで 何 度 も働 い て きた が仕 事 につ いて い けず や め た。 仕 事 に 出 て再 発 して 入 院 した。 これ か ら も 無 理 を しな い で生 活 し よ う と思 う」(ケ ー スNo.6) ・ 「幻 聴 や 妄 想 の影 響 で 仕 事 が 続 け られ な い。 無 理 し て 就 職 して も再 発 再 入 院 にな って しま う。 仕 事 に就 け な いが 仕 方 が な い」(ケ ー スNo.7,No.9) ・ 「以 前、 働 い て い た と き に上 司 に 利 用 され 入 院 す る こ と に な った た め、 他 人 の 評価 が 気 に な り、 社 会 で 働 いて い く自信 が な い。 母 親 の 看病 も あ り今 の ま ま で よ い」(ケ ー スNo.8) ・ 「い ま まで 人 に気 を配 りす ぎて、 自分 の 時 間 も な く 不 安 定 に な って 入 院 した。 入 院 中 は 自由 の 時 間 を 確 保 で き幸 せ で あ った。 退 院後 も気 ま ま に年 金 生 活 を した い」(ケ ー スNo.10) ・ 「の ん で い る薬 の 影 響 で判 断 力 や思 考 力 が悪 く働 く こ とが 出 来 な い。」(ケ ー スNo.11) 3)社 会 生 活 へ の 未 定 な姿 勢:デ イ ケ ア に通 う とい う 新 しい 環 境 に慣 れ る こ とが 現 在 の 目標 に な って い る 対 象 者 〈発 言 内 容 〉 ・ 「休 息 入 院 の 形 で 入 退 院 を繰 り返 して い る。 最 近 よ うや く緊 張 せ ず に過 ごせ る よ うに な った。 デ イ ケ ア が居 場 所 に な って き た」(ケ ー スNo.4) ・ 「デ イケ ア で友 達 をつ くる こ とを 目標 に通 って い る。
だ ん だ ん 交 流 す る人 も増 え て き て 自信 が 出 て き た」 (ケ ー スNo.5) ・ 「デ イ ケ ア に通 所 す る間 に、脳 みそが締 め付 け られ ノ る と い う感 じが 少 な くな って き た」(ケ ースNo.12) 4)社 会 生 活 へ の 姿 勢 につ いて の ま とめ 社 会 生 活 へ の姿 勢 につ い て は、 ① 積 極 的 に生 きて い こ うと い う姿 勢 右 い る 『積 極 型 』 の 人 ② 無 理 を しな い、 諦 め て い る な ど消 極 的 な姿 勢 を示 す 『消 極 型』 の 人 ③ デ イ ケ ア に適 応 す る段 階 に あ り自分 の姿 勢 を示 す 余 裕 の な い段 階 に あ る 『未 定 型 』 の人 に分 類 した。 そ の内 訳 は、 現 在 就 労 して い る1.名 、 及 び就 労 を 目標 に デ イ ケ ア に通 所 して い る2名 、 合 計3名 を 『積 極 型 」。 「発 病 後 に 就 労 経 験 が あ って再 発 ・再 入 院 を 経 験 し た た め 無 理 を しな い」 と語 った2名 、 「精 神 症 状 や 異 常 体 感 が あ る た め に 無 理 を しな い 」 と語 った2名 、 「時 々 強 い幻 覚 や 妄 想 が 出現 す る た め 諦 め て い る」 と語 った2名 、合 計6名 を 『消 極 型』 と した。 他3名 は、 デ イ ケ ア に慣 れ る こと を 目標 と して い る状 況 に あ り社 会 生 活 の姿 勢 を語 る状 況 に は な か った。 3.葛 藤 状 況 と拠 り所 につ いて 前 述 の よ う に、 障 害 の 認 識 の 有 無 や 社 会 生 活 へ の 姿 勢 とい う観 点 か ら分 け た き たが 、 全 体 と して 共 通 する 部 分 も見 え て きた 。 す な わ ち、 彼 らは 自分 の 置 か れ て い る現 状 を 受 け入 れ よ う と して 起 こ る矛 盾 や 葛 藤 の 結 果 、 心 の 拠 り所 を 求 め た り、 歪 ん だ 認 識 に よ って 安 定 を はか らて い た 。 障 害 認 識 と社 会 生 活 へ の 姿 勢 を ふ まえ て 、 彼 らが 現 在 の生 活 で 中 心 的 に 語 っ た内 容 と、 どの よ うな 心 境 に あ るか につ い て 表2で 「葛 藤 状 況 」、 ま た、 彼 らが こ ころ の バ ラ ンス を 保つ た め に語 っ た内 容 を 「拠 り所 」 と した 。 〈発言 内 容 〉 ・ 「親 の 遺 産 の 預 金 が 底 をつ いて きた 。 働 くこ と はで き るが 現 実 的 に 仕 事 が 見つ か らな い 。 金 銭 的 な 不 安 が現 実 に なっ て きた 。 親 や 兄 弟 に精 神 病 扱 い され て きた こ とや 、 この よ うな 生 活 苦 は宗 教 上 の 試 練 と受 け止 め て い る」(ケ ー スNo.1) ・ 「家 業 を 手 伝 うの が 本 当 の 自分 の 仕 事 で はな い 。 エ リー トサ ラ リー マ ンに な るた め に 有 名 大 学 を 受験 し た い。 何 度 も親 元 を 飛 び 出 して 批 判 的 な テ レパ シー に や られ て戻 って きた。 納 得 して い な い が、 今 は家 業 を手 伝 う しか仕 方 が な い 」(ケ ー スNo.2) ・ 「妙 に い らい ら した り投 げ や りに な った り して 何度 も仕 事 上 の トラブル を起 こ して き た。 仕 事 が きつ く て 自分 に合 って い なか った た め に精 神 的 な余 裕 を な く して い た と い うこ とが 最 近 わ か って き た。 不 況 で 難 しいが 、 余 裕 の もて る仕 事 、 続 け る こ とが で き る 仕 事 を じ っ く り探 して い る」(ケ ー スNo.3) ・ 「仕 事 を した経 験 もなか っ た し、 入 院 が 長 か った の で 単 身 で 社 会 生 活 す る こ と に ま った く自信 が な か っ た。 入 院 中 に生 活 技 能 訓 練 に参 加 して き た け ど実 際 に生 活 して み て 本 当 の 自信 に なっ て き たみ たい 。 父 親 の 支 え が あ っ た こ と と単 身 生 活 して い る仲 間 と過 ごす こ とで 安心 で き るよ うに な っ た」(ケ ー スNo.4) ・ 「人 間 関 係 で いつ も失 敗 す る。 デ イ ケ アで 緊 張 しな 、 いで 人 と交 流 で き る よ うに な っ た。 こ こ まで な れ た の も家 族 が い て くれ た か らだ と思 う」(ケ 一 スNo.5) ・ 「今 まで 仕 事 上 の トラブル や 治 療 上 の環 境 改 善 につ いて 努 力 して き た。 の め り込 み す ぎて 精 神 が 不 安 定 に な った と い う経 験 の ため 、 無 理 は しな いで 生 きて い くこ と に した。 食 べ て い くだ けの お 金 もあ る し、 十 分 働 いて き たか ら も う仕 事 は しな い。 で も、 そ れ は逃 げて い るの か もしれ な い。 プ ラ イ ドが ズ タ ズ タ にな って い る今 の 自分 の 支 え は過 去 の栄 光 だ と思 う」 (ケ ー スNo.6) ・ 「幻 聴 が 激 しい と き は ど う しよ う もな くな る。 そ う い う と き は姉 が 強 引 に入 院 させ る。 い つ も入 院 す る と落 ち着 くの で 、 姉 にす べ て を 任 せ て い る。 病気 の た め 仕 事 はで きな い と思 う」(ケ ー スNo.7) ・他人 が 自分 を どの よ うに評 価 す るか い つ も気 にな り、 人 が 自分 を馬鹿 に して いる よ うに思 え て被害 的 に な っ て しま う。 母 親 も高 齢 で 病 気 が ち な の で 、 母 親 の 面 倒 を み るた め に 働 か な いで デ イ ケ ア に通 って い るの が 良 い と思 って い る」(ケ ー スNo.8) ・以 前 か ら激 しい 幻 聴 が あ るた め 仕 事 を 続 け る こ とが で きな か った 。 幻 聴 で ど う しよ う もな くな る と き は 頓 服 の 薬 を の み 症 状 が 治 ま るの を 待つ 。 幻 聴 な どの 症 状 が 出 現 す るた め 働 くこ と は考 え られ な い。 私 の よ うな 不 具 者 で もデ イ ケ アの 仲 間 が い て くれ るの で 救 わ れ る」(ケー スNo.9) ・ 「以 前 は仕 事 や 家 庭 の た め に 精 神 的 に 疲 れ て しま っ た。 精 神 病 院 に 入 院 して 自分 だ けの 時 間 を 確 保 で き 安 定 した 。 退 院 後 も障 害 年 金 で 十分 に 生 活 で き る。 何 も世 間 に 役 に立 た な い で 居 て い い の か とい う思 い はあ る。 残 りの 人 生 は読 書 や 裁 縫 な ど好 きな こ とを して過 ご した い。」(ケ ースNo.10) ・ 「精 神 病 や 薬 の影 響 の た め 状 況判 断 が で きな く、 年 齢 的 に も体 力 が衰 え 働 けな くな った 。 障 害 年 金 で の 生 活 に 慣 れ るま で は経 済 的 に苦 しくて 毎 日が 冒 険 の 連 続 だ った。 友 達 が ア ドバ イ ス して くれ て経 済 的 に
も 安 定 で き た 」(ケ ー スNo.11) ・ 「退 院 して か ら も、 脳 み そ が 圧 迫 され た り締 め付 け ら れ た り す る 苦 し い 感 じ が あ る。 デ イ ケ ア で も最 初 は 脳 の 締 め 付 け が あ っ た が 徐 々 に 感 じ な く な って き た 。 家 族 が 見 守 っ て く れ て い る の で 今 ま で 耐 え る こ と が で き た 」(ケ ー スNo.12) 4.障 害 認 識 の 有 無 、 発 病 後 の 就 労 経 験 の 有 無 、 社 会 生 活 へ の 姿 勢 に 対 し積 極 型 ・消 極 型 ・未 定 型 の 組 み 合 わ せ に よ っ て 以 下 の よ う に 分 類 し た 。(表2を 参 照) パ タ ー ン①:障 害 認 識 「有 」 一就 労 経 験 「有 」 ー 『積 極 型 』 (ケ 一 スNo.3) パ タ ー ン②:障 害 認 識 「有 」 一就 労 経 験 「有 」 ー 『消 極 型 』 (ケ ー スNo.9,No.10,No.11) パ タ ー ン③:障 害 認 識 「有 」 一就 労 経 験 「無 」 一 『消 極 型 』 (ケ ー スNo.7,No.8)' パ タ ー ン④:障 害 認 識 「有 」 一就 労 経 験 「無 」 一 『未 定 型 』 (ケ ー スNo.4) パ タ ー ン⑤:障 害 認 識 「無 」 一就 労 経 験 「有 」 ー 『積 極 型 』 (ケ ー スNo.1,No.2) パ タ ー ン⑥:障 害 認 識 「無 」 ー就 労 経 験 「有 」 ー 『消 極 型 』 (ケ ー スNo.6) パ タ ー ン⑦:障 害 認 識 「無 」 ー就 労 経 験 「無 」 ー 『未 定 型 』 (ケ ー スNo.5,No.12) 5.面 接 に つ い て 普 段 あ ま り 自 分 の こ と を 表 現 す る 機 会 を も た な か っ た 彼 ら は 、 こ の 面 接 を 通 して 、 今 ま で の 生 活 状 況 や 姿 勢 を 言 語 化 す る こ と が で き 、 以 下 の よ う に 、 自 己 洞 察 し た 言 葉 が 聞 か れ る よ う に な っ た 。 ・ケ ー スNo .2「 僕 の 経 験 し て き た こ と を 話 し て き て い る 間 に 、 入 院 前 は か な り 無 理 を し て き た と思 う よ う に な っ た 」 ・ケ ー スNo .3「 医 者 に も 言 っ て い な い 自 分 の 行 動 が 病 気 に よ る も の だ っ た と 思 う よ う に な っ た こ と を 初 め て 話 し た 」 ・ケ ー スNo .4「 本 当 に デ イ ケ ア で や っ て い け て い る の か 不 安 だ っ た け ど 、 話 し て い る と 自 分 で もや れ て い る と 思 う よ う に な っ た 」 ・ ケ ー スNo .6「 本 当 は 仕 事 が し た い け ど 、 や っ て い く 自 信 が な い 。 い ま ま で 十 分 に や っ て き た と 思 う よ う に して い る 」 ・ ケ ー スNo .8「 本 当 は 働 け る の に い ろ い ろ 理 由 を つ け て 自 分 が 避 け て い る と思 っ た 」 IV考 察 近 年 、 ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ンの理 念 の も と、 精 神 疾 患 を持 った 人 た ち は入 院 治 療 か ら外 来 通 院 へ と大 き くシ フ トして き た8)。 こ こで 問 題 な の は、 身 体 疾 患 とち が って 精 神 疾 患 は回 復 の経 過 が 見 え な いば か りか、 病 の原 因 が、 そ の人 の 身 の 回 りの 社 会 的環 境 そ の もの に あっ た り、 病 の影 響 に よ って 失 敗 体 験 を した そ の場 所 に 戻 る こ とで あ る。 デ イ ケ ア はそ の 意 味 で、 彼 らの居 場 所 や 避 難 場 所 の 役 割 を 担 っ て い る2)。 彼 らの 社 会 復 帰 後 の経 過 を ゆ っ く り見 守 る とい う微 妙 な位 置 づ け が、 彼 ら 自身 や 医 療 関 係 者 に と って も長 期 通 所 を生 み 出 す原 因 に な って い るの で は な い か と考 え る。 そ こ で求 め られ る の が 、 彼 らの 本 当 の社 会 生 活 の あ り方 や そ こで の思 い を 的確 に っ か む こ と で あ る。 そ れ は彼 ら 自身 が 自分 と 向 き合 い 、 自 らを 振 り 返 る こ とで あ っ た り、 医 療 者 側 が先 入 観 や思 い 込 み を 持 た ず 、 彼 ら と接 す る こ と で あ る。 「ス タ ッ フ に は、 当 事 者 が 病 気 とい う大 き な挫 折 体 験 を抱 え、 どの よ うな 思 い で デ イ ケ ア利 用 に至 っ た のか 、 想 像 力 と共 感 性 が必 要 で あ る」9)と い う意 見 もあ るが 、 感 傷 的 な イ メ ー ジだ け で 彼 らを 固 定 的 に位 置 づ けて しま う危 険 を避 け るため に も、 彼 ら との接 触 を多 く持 ち、 日常 的 な話 題 を通 して 、 彼 ら を理 解 して い く こ とが 重 要 で あ る と思 わ れ る。 これ まで 、疾 病 の認 識 や 社 会生 活 能 力 な ど につ い て は、 評 価 尺 度 を用 い た 数 量 的 研 究 は多 くみ られ、 「病 識 が あ る ほ ど抑鬱 的 で あ る」10)ことや 「社 会 適 応 能 力 と病 識 の 密 接 な関 連 」11)などが 報 告 され て い るが 、 自 らの 言 葉 で 表 現 した主 体 的 体 験 の実 証研 究 は ほ とん ど見 られ な い。 本 研 究 は、 個 別 の面 接 を通 して 、 彼 らが 語 る主 体 的 体 験 を も と に、 彼 ら自身 が 自 らを統 合 しよ う とす る過 程 を検 証 した もので あ る。 この面 接 の 中 で 「医 者 に は い って い な い こ とだ け ど… 」 と発 言 した人 が い た こ と は とて も興 味 深 か つ た。 統 合 失 調 症 者 は病 識 が な い と広 く言 わ れ 、 病 識 が 乏 し い ゆ え に 何 度 も失 敗 を繰 り返 し、 次 第 に社 会 に出 て 自立 す る気 力 が 失 せ 、 結 果 と して長 期 通 所 に 至 って い る と考 え られ て い る。 しか し、 著 者 が 面 接 を行 った結 果 、 そ の イ ン タ ビ ュー の 内 容 か ら、 障 害 を認 識 して い る人 と認 識 で き て い な い 人 に 分 け る こ とが で き た(そ の発 言 につ い て は 「皿、 結 果 」 に記 述 した)。 そ して 、 社 会 生 活 に積 極 的 な姿 勢 を示 す が 、 障 害 認 識 が な い た め に地 に足 のつ か な い生 活 を して い る人 と、 障 害 の 認 識 が あ りなが ら、 社 会 生 活 に積 極 性 を示 さな い人 、 いわ ゆ る、 無 理 を しな い生 き方 を選 ぶ 人 が い る こ とが 今 回 の面接 で 明 らか にな っ た。 以 下 、 具 体 的 な 内容 を紹 介 し、 比 較 しな が ら論 じ、 彼 ら に と って 現 状 維 持 の意 味 を考 察 す る。
1.社 会 生 活 に積 極 的 な姿 勢 を示 す こ とが 必 ず しも良 い と は限 ら な い。 障 害 受 容が あ って は じめ て 社 会 の 中 で 自分 の 力 を発 揮 で き る。 社 会 生 活 に積 極 的 な姿勢 を示 す 人 に も2通 りあ った。、 1つ は、 発 病 して か ら現 在 ま で に体 験 的 に学 習 して き た ものを 今 後 に活 か そ う と して い るパ ター ン① ケ ー スNo.3の 場 合 。 彼 は 障 害 認 識 が あ って 、 自 己 の 適 応 レベ ル と い う もの を 学 習 して きた 結 果 、 「無 理 は しな い で 自分 に適 した仕 事 を探 す 」 と して い る。 この よ う に 障 害 認 識 が あ り、 しか も就 労 経 験 の あ る人 は 自分 の 能 力 を 正 当 に判 断 し、 一 歩 一 歩 と い う姿 勢 で 適 応 しよ うと す る。 就 労 自立 の 目標 も現 実 的 で あ るの は、 客 観 的 に今 ま で の 自分 を 振 り返 り 自己 確 認 して き た結 果 と 言 え る。 もう1つ は、 今 まで の経 験 を今 後 に活 か せ な いパ タ ー ン⑤ ケー スNo.2の 場 合 。 彼 の 中 に は 「本 来 の 自分 で は な い」 と い うプ ライ ドが あ り、 現 在 の安 定 した生 活 を 受 け入 れ る と 自 己評 価 が 下 が る た め、 今 の仕 事 に納 得 して い な い。 今 の仕 事 に納 得 で き な い の は 自分 に納 得 で き な い ので あ り、 無 鉄 砲 に も、 突 然 親 元 を離 れ る な ど過 度 な 行 動 に出 る。 一 見 積 極 的 に み え る こ の行 為 の背 景 に は、 今 の 自分 に対 す る自 己評 価 の低 さが あ り、 .余裕 が な くな る と体 験 され る批 判 的 な テ レパ シー は、 彼 の 中 の不 安 が投 影 され た もの と解 釈 で き る。 障 害 認 識 は彼 の プ ライ ドの高 さの た め に な か なか 獲 得 で き な い と推 測 で き る。 この よ う に障 害認 識 が な い状 況 で の 「積 極 型 」は 必 ず し も良 い と は限 らな い。 就 労 経 験 を 積 ん で も客 観 的 な視 点 で 自己 を振 り返 る こ とが で きな けれ ば、 無 理 な 目標 を掲 げ て余 裕 を無 く し再 発 す る可 能 性 が 高 くな る。 さ ら にパ タ ー ン⑤ ケ ー スNo.1の 場 合 。 長 期 間 に及 ぶ 入 院 生 活 と ナ イ トホ ス ピ タル に よ る就 労 経 験 か ら、 無理 を しな い 生 活 を 続 けて 安 定 して き た者 で あ った。 近 年 、 親 の 遺 産 で あ る預 金 が 底 をつ き、 障 害 年 金 だ け で は経 済 的 な 不 安 が 出 て き た ため 、 仕 事 に就 く ことが 余 儀 な く され るよ うに な って きた 。 彼 が 現 在 、 就 労 を 目 的 と して い るの は経 済 的 な 理 由 に よ る もの で あ り、 就 労 に対 す る意 欲 も確 か に あ るが 、 障 害 認 識 が な い状 況 で の無 理 な就 労 が懸 念 され る。 彼 は 現 在 の 自分 自身 の状 況 を、 他 人 や周 囲 の無 理 解 に あ る と し、 宗 教 に 拠 り所 を求 め て お り現 実 的 な視 点 で の折 り合 い が つ い て い な い。 経 済 的 な問 題 が 出 て き た もの の、 乗 用 車 で デ イ ケ ア通 所 した り3食 を外 食 した りす る こ とは、 障害 認 識 が な い た め と考 え られ る。 2.社 会生 活 に消 極 的 な 姿 勢 を 示 す こ とが 必 ず しも悪 い とは 限 らな い。 障 害 受 容 を した上 で 無 理 を しな い生 き 方 を 選 択 す る こ と も大 切 で あ る。 社 会 生 活 に消 極 的 な姿 勢 を示 す人 は3通 りあ った。 1つ は発 病 してか ら現 在 ま で に就 労 経 験 を通 して 自 己 の 適 応 レベ ル を学 習 した結 果 、 「就 労 は 自分 に は無 理 で あ りデ イ ケ ア通 所 を維 持 す る」 を 選 択 した パ タ ー ン② ケ ー スNo、9,No.10,No.11 で あ る。 彼 らが 消極 的 とな った 背 景 に は、 過 去 に、 障 害 認 識 が な か った た め 無 理 を して 働 き、 失 敗 した と い う経 験 が あ った。 高 齢 の域 に か か って い る彼 らは、 体 力 や気 力 の面 か ら も自 己 を客 観 的 に と らえ た上 で デ イ ケ ア通 所 の現 状 維 持 を選 択 した と考 え られ る。 障害 受 容 が あ って社 会 生 活 に消 極 的 な姿 勢 を示 す こ とが 必 ず し も悪 い と は限 らな い 。 た だ し、 パ ター ン② ケ ー ス No.9は 、 今 も激 しい 幻 聴 に 圧 倒 さ れ る症 状 が 出 現 す る た め、「不 具 者 」 と 自 己評 価 して い る。 障 害 認 識 が あ って 消 極 的 な 姿 勢 を と る こ とで 安 定 して い る と思 わ れ るが 、 厳 しい 家 庭 に 育 ち、 健 常 者 で な けれ ば 一 人 前 の人 間 で は な い とい う観 念 か ら、現 在 の 自分 を受 容 で きな い で い る と考 え られ る。 2つ め に、 パ タ ー ン③ ケ ー スNo.7は 、 若 年 の 発 病 と知 能 的 な 問題 が あ る た め に、 障害 認 識 ・受 容 や社 会 噺生 活 へ の姿 勢 につ い て十 分 に考 察 で きな い。 パ ター ン ケ ー スNo.8 ,は、 障害 認識 があ りなが ら就労経験 を も たず 、 「母 親 の 世 話 」 を 理 由 に 現 状 維 持 の姿 勢 を と っ て い る。 もと もと 自 己評 価 が 低 い た め に、 他 人 の評 価 を気 に して閉 じこ もる。 そ れが さ らに 自 己評 価 を下 げ る とい う悪 循 環 に な っ て い る。 消 極 的 な姿 勢 を示 す 背 景 に は母 親 との 分 離 不 安 も考 え られ る。 保 護 的 で 葛 藤 の少 な い状 況 を 続 け る こ と は良 い こ と と は考 え られ な い。 最 後 に パ タ ー ン⑥ ケ ー スNo.6の 場 合 は 、 も と も と 積 極 的 で学 生時 代 や会 社組 織 の 中で 中心 的 な役 割 を担っ て きた 人 で あ る。 デ イ ケ ア 通 所 中 の今 も、 「の め りす ぎて精 神 が不 安 定 に なっ た」 と控 え め な言 葉 を使 い な が ら、 人 に指 示 して デ イ ケ ア環 境 の改 善 要 求 を させ る な ど無 理 をす る姿 勢 に変 化 はみ られ な い。 「自分 の 支 え は過 去 の栄 光 だ」 と プ ライ ドが 高 か つた過 去 の 自分 を 拠 り所 と して い る。 ま た 、 「も う十 分 働 い た か らい い」 と、 現 実 的 な葛 藤 を 避 け る傾 向 の 場 合 は 自 己確 認 が な か な か で き な い状 況 で あ る。 この よ うに障 害 受 容 を しな い ま ま葛 藤 を 避 け る場 合 は、 現 状 維 持 を続 け る 可 能 性 が 高 い 。 3.デ イ ケ ア へ の適 応 に は い ろ い ろな パ タ 一 ンが あ るが 、 それ ぞれ に現 実 的 な葛 藤 を 体 験 して い る 。 デ イ ケ ア に適 応 す る段 階 に も2通 りあ った 。 1つ は、 長 期 入 院 か ら社 会 生 活 を 始 め た パ ター ン④
ケ ー スNo.4は 、 依 存 的 で 自 己決 定 が で き ず 、 長 期 間 に わ た り病 院 の 中 で安 定 して きた 。 いわ ゆ る ホ ス ピ タ リズ ム に陥っ て い て、 社 会 で ど う生 活 す るか とい う対 人 関 係 や 生 活 の ス キ ル が 低 下 して い た。 「自分 に 自信 が な い」 た め に入 院 中 も就 労 経 験 が な く、 結 果 と して 社 会 生 活 に馴 染 む ま で に病 院 職 員 や 家 族 の支 えが 必 要 で あ っ た。 入 院 中 に生 活 技 能 訓 練 に 参 加 して い たが 、 「実 際 に生 活 す る こ とで 自信 が つ い て きた 」 と語 り、 退 院 後 の現 実 的 な葛 藤 の 中 で 不 安 を 軽 減 させ 、 自 己 を 確 認 し、 安 定 感 を得 て きて い る。 障 害 受 容 の過 程 と考 え られ る。 ま た 、 パ タ 一 ン⑦ ケ ー スNo.5は 、 障 害 認 識 は な く 「自信 が な い 」 た め に デ イ ケ アで は 仲 間 作 りを 目標 に して い る。 共 通 して い る の は 「自信 の な さ」 で 、 そ れ は 「生 活 上 の ス キ ル や対 人 関係 へ の 不 安 」 で あ り、 デ イ ケ ア環 境 の 中 で 自 己確 認 の た め の 葛 藤 を 抱 え なが ら 過 ご して い る と考 え られ る。 も う1つ は 、 パ タ ー ン⑦ ケ ー スNo.5で は 、 「脳 が 圧 迫 され る」 と い う体 感 異 常 を経 験 し、 そ の 症 状 に翻 弄 さ れ て い る。 しか し、 デ イ ケ アの環 境 に慣 れ る こ とで 、 そ の症 状 が 軽 減 して き た と して い る。 彼 は デ イ ケ ア に 適 応 す る まで の 自己 の 不 安 を体 感 異 常 と して 感 じ取 っ て きた と解 釈 で き る。 こ の よ うに デ イ ケ アに 適 応 す る に は い ろ い ろな パ タ ー ンが あ り、 そ れ ぞ れ に 葛 藤 を 体 験 し、 余 裕 の な い状 態 か ら徐 々 に安 心 感 を 得 て きて い る の が現 状 で あ る。 次 の段 階 で あ る社 会 生 活 へ の 姿 勢 に対 す る判 断 は、 も う少 し時 間 的 な経 過 が必 要 と考 え られ る。以 上 の よ うに、 社 会 で生 活 す る彼 らの多 くは、 そ れ ぞ れ の 環 境 の 中 で 、 生 活 の しづ ら さや対 人 関 係 の 困 難 さ 、 自己 評 価 の 低 下 の た め の 自信 の な さや 不 安 、 あ る い は経 済 苦 な どを 体 験 して い た。 彼 らは 自分 の お か れ た環 境 に適 応 し、 安 定 を はか ろ う と し、 そ れ ぞ れ に葛 藤 状 況 に あ り、 彼 ら は精 神 的 な 安 定 を は か る た め に支 え を求 め て い る。 4.面 接 で 自 己 を語 る こ と は 、 再 認 識 や 洞 察 の 機 会 と な り、 障 害 受 容 につ なが る。 面 接 で は、 統 合 失 調 症 の性 格 特 性 が 影 響 して か 、 彼 ら 自身 の 社 会 生 活 につ い て 日頃 あ ま り語 って い な い現 状 が推 測 で き た。 そ れ は、 自分 の こ とを 語 る と い う面 接 に お い て 彼 らが 表 現 した 「以 前 は か な り無 理 を して い た こ と が わ か っ た」 「医 者 に も言 って い な い 自分 の 行 動 が、 病 気 に よ る も の だ った と思 うよ う にな っ た こ とを初 め て話 し た」 な ど の発 言 で あ る。 角 田 は 、 「社 会 で生 活 して い る統 合 失 調 症 者 の陰 性 症 状 に 対 す る病 識 の成 立 に 関 して は、 彼 らの反 省 力 よ り もむ し ろ、 病 識 の言 語 論 的 構 造 自体 が 決 定 的 で あ る」12)と述 べ て い る。 この面 接 の意 義 もそ こにあ り、彼 らに と って共 感 ・ 受 容 して くれ る存 在 が い れ ば 、 自己 を 再 認 識 し、 洞 察 す る機 会 が 得 られ、 これ が 障 害 認 識 ・受 容 につ なが る と い う こ と を強 調 した い 。 著 者 は、 数 ヶ月 前 か ら彼 らと共 に同 じデ イ ケ ア の 日 課 に参 加 し、 信頼 関 係 を築 い た上 で、今 回 の面 接 を行 っ た。 そ して、 彼 らの語 る体 験 と、 そ の時 ど の よ うな気 持 ちや 考 え を持 って い た か とい う感 情 を引 き 出 し、 そ れ を 繰 り返 し聞 く こ とに よ り、 今 後 の 方 向 性 を、 彼 ら 自身 が 自然 に導 き 出 して い る こ とが 明 らか に な った。 この よ うに、 看 護 者 が 彼 ら との 関 係 を構 築 した上 で、 面 接 を 行 うこ と は、 彼 らの 自己 統 合 の 過 程 に必 要 な ア プ ロ ー チで あ る こ とが 証 明 で きた 。 以 上 の よ うに、 障 害 受 容 や 社 会 生 活 へ の姿 勢 と い う 観 点 か ら、 彼 らに とっ て の現 状 維 持 の 意 味 につ い て考 察 して き た。 看 護 者 は、 彼 らに 対 して 、 現 在 の社 会 生 活 の あ り方 が 病 の影 響 に よ る もの な の か 、 それ と も施 設 に 依 存 す る た め に意 欲 を喪 失 して しま っ た のか 、 或 い は ま た、 葛 藤 が 強 くて社 会復 帰 を 諦 め て しま っ た の か な どの 見 極 めが 必 要 で あ る。 そ れ が あ って 初 め て 援 助 につ な げ られ る と考 え る。 Vま と め 精 神 科 デ イ ケア に通 所 して い る12名 の統 合 失 調 症 者 が 、 自 ら体 験 した精 神 障 害 に対 す る認 識 ・受 容 と社 会 復 帰 後 の生 活 の 関連 に つ いて 検 討 して き た。 そ の結 果 、 統 合 失 調 症 者 が 現 状 を維 持 し続 け る理 由 と して以 下 の こ とが 明 らか に な った。 1.精 神 科 デ イ ケ ア に通 所 して い る統 合 失 調 症 者 の12名 の内5名 は、 自分 の 障 害 を認 識 ・受 容 して お らず 、 自 分 が 社 会 的不 適 応 を 起 こ して い る と い う認 識 が な か っ た。 自分 の現 状 は他 人 や 周 囲 の無 理 解 に あ る と して い た 。 2.障 害 を認 識 ・受 容 して い る統 合 失 調 症 者 の 中 で も、 自分 の 適 応 レベ ル を探 りな が ら積 極 的 に就 職 活 動 を行 う人 と、 無 理 を して再 発 しな よ う に活 動 を控 え て い る 人 とが い た。 必 ず し も認 識 ・受 容 が あ る ものが 、 社 会 生 活 へ 積 極 的 な姿 勢 を示 して はい な か っ た。 3.統 合 失 調 症 者 は、 社 会 生 活 に適 応 しよ う と 自 己実 現 を 目指 した り、 自 己 の安 定 を は か ろ う と して 生 活 して い た。 社 会 適 応 を 目指 せ ば現 実 的 な葛 藤 を 体 験 し、 自 己 の安 定 を 優 先 す れ ば 自 己評 価 を さ ら に下 げて しま う 矛 盾 を経 験 し、 こ こ ろ の拠 り所 を求 め て い た。 4.こ の面 接 を 通 して 、 彼 らは 自 己 の生 活 状 況 を 言 語 化 す る こ とで、 現 状 を 維 持 して い る 自 己 を再 認 識 し、 そ れ な りに洞 察 す る こ とが で き た。
Ⅵお わ り に 彼 らは 、 決 して 現 状 に満 足 して い る わ け で は な く、 で きれ ば 積 極 的 に社 会 に出 て い き た い と思 って い る。 しか し、 そ うな りた い と思 って も、失 敗 して しま うケ ー スや 、 そ うな る前 に不 安 か ら避 けて しま った りす る ケ ー スが あ るの は事 実 で あ る。 彼 らを支 援 す る立 場 にあ る看 護 者 は、 そ うい う彼 らの 困 惑 や 痛 み を理 解 し、 タイ ミング良 く社 会 参 加 に 向 けて 導 いて い く ことが 大 切 で あ る と考 え る。 そ の た め に は彼 ら自身 が 自分 を理 解 し、 自分 の障 害 を受 け入 れ 、 失 敗 を 上 手 く活 か し、 ど う折 り合 い をつ けて い くか が 鍵 で あ る。 自分 の傾 向 や、 何 が で き、 何 が で き な い か を 正 し く把 握 し、 自分 に で き る ことか ら一つ ずつ 体 験 し、 自信 を つ けて い く過 程 こそ 自 己確 認 、 自 己実 現 と 考 え る。 主 体 的 な存 在 と して 、彼 ら自身 が 自分 の意 志 で 、 自分 を 決 定 し、 自分 ら し く力 を発 揮 して い け る よ う、 看 護 者 は対 象 を 理 解 し援 助 して いか な けれ ば な らな い。 謝 辞 本研 究 に あ た り調査 に ご協 力 いた だ い た皆 様、 病 院 長 、 看 護 部 長 、 デ イ ケ ア の皆 様 に深 く感 謝 い た します 。 文 献 1)鈴 木 知 子,鈴 木 忠 夫,加 藤 赫 子 他:当 院 精 神 科 デ イ ケ ア で の 関 わ り を 振 り返 る 一 移 行 モ デ ル を 意 識 して 関 わ っ た 事 例 一,福 井 県 立 病 院 看 護 学 部 研 究 発 表 収 録15年 度,60一63,2003. 2)伊 波 逸 子,儀 間 る み 子,平 田 洋 子 他:長 期 入 院 か ら 単 身 生 活 へ 一体 験 デ イ ケ ア を 利 用 し て ー,日 本 精 神 科 看 護 学 会 誌,45(1),231。234,`2002. 3)古 田 栄 子,佐 藤 礼 子,税 所 三 四 子 他:デ イ ケ ア へ の 取 り 組 み 一 開 設1年4ヶ 月 を 振 り返 り今 後 の あ り 方 を 探 る ー,日 本 精 神 科 看 護 学 会 誌,44(1), 236-239,2001. 4)丸 山 直 子,角 田 秀 彦,土 居 正 幸 他:精 神 障 害 者 が 地 域 で の 生 活 を 継 続 して い く た め の 入 院 中 の 看 護 の か か わ り,日 本 精 神 科 看 護 学 会 誌,45(2),415ー 419,2001. 5)原 田 誠 一:当 事 者 が 力 を 発 揮 す る た め の 援 助 の コ ツ,精 神 科 臨 床 サ 一 ビ ス,4(1),60-64,2004.、 6)濱 田 龍 之 介:統 合 失 調 症 を 有 す る 人 の 病 識 と 障 害 認 識 精 神 科 臨 床 サ ー ビ ス,4(3),298-303,2004. 7)池 淵 恵 実:障 害 の 主 観 的 体 験 と そ の 受 容,精 神 科 臨 床 サ ー ビス,4(3),304-310,2004. 8)高 柴 哲 次 郎:Schizophrenia Frontier,2(1),22ー 28,2001. 9)棚 澤 直 美:デ イ ケ ア の 場 合,精 神 科 臨 床 サ ー ビ ス, 、4(1),65-70,2004. 10)酒 井 佳 永,荻 原 千 香 子,矢 吹 す み 江 他:病 識 水 準 か ら み た 精 神 分 裂 病 患 者 の 抑 う つ に 関 す る要 因, 精 神 医 学 研 究 所 業 績 集,38号,148-153,2002. 11)和 久 津 里 行,繁 田 雅 弘,穎 原 禎 人 他:慢 性 期 精 神 分 裂 病 の 社 会 適 応 能 力 と 関 連 要 因 に 関 す る 研 究 そ の1,社 会 精 神 医 学 研 究 所 紀 要,28(1),26-32, 2000. 12)角 田 京 子:「 精 神 分 裂 病 の 陰 性 症 状 」 を 主 徴 と す る 外 来 症 例 の1群 ー 陰 性 症 状 に 対 す る 病 識 の 構 造 に つ い て,臨 床 精 神 病 理,20(3),211-234,1999. 13)宮 本 歩,金 城 淳 恵 他:デ イ ケ ア に お け る 精 神 分 裂 病 患 者 に 対 す る 就 労 援 助,精 神 医 学,43(10), 1093。1096,2001. 14)池 渕 恵 実:様 々 な 臨 床 場 面 に お け る 面 接 技 法 ー デ イ ケ ア 通 所 中 の 面 接,精 神 科 臨 床 サ ー ビ ス,1(1), 64ー68,2001. 15)池 渕 恵 実:デ イ ケ ア,臨 床 精 神 医 学,増 刊 号,301ー 305,2000. 16)武 田 俊 彦:精 神 病 院 に お け る デ イ ケ ア サ ー ビ ス, 臨 床 精 神 医 学,30(2),119-126,2001. 17)森 文 子,久 米 和 興:中 高 齢 精 神 障 害 者 に お け る 精 神 科 デ イ ケ ア の 利 用 期 間 の 実 態 と 地 域 社 会 生 活 の 特 徴,日 本 看 護 科 学 雑 誌,20(3),103-110,2000. 18)内 野 俊 郎,前 田 正 治:当 事 者 へ の 心 理 教 育,精 神 科 臨 床 サ ー ビ ス,4(3),449-454,2003. 19)武 田 牧 子:「 行 き 場 が 欲 し い 、 働 き た い 」 の 願 い か ら生 ま れ た 作 業 所 の メ ッセ ー ジ,精 神 科 臨 床 サ ー ビ ス,4(1),71-76,2004. り (受 稿 平 成16年10月15日) (受 理 平 成16年12月21日)
An Investigation
into
Disorder
Recognition
and Acceptance
and Life after
Social
Reintegration
for Schizophrenia
Patients:
Through
Interviews
of Day
Care
Service
Users
OKUMURA Futoshi,
KAWAI Yoko,
SHIBUYA Nahoko,
ISHII Fumiyasu,
YAMADA Hiromasa
and KATO Yuichi
1) Gifu University School of Medicine (Psychiatric Mental Health Nursing)
2) Nagoya City University School of Nursing (Pediatric Nursing)
3) Nagoya University School of Health Sciences,
Department of Nursing (Psychiatric
Mental Health Nursing)
4) Nagoya City University Hospital (Rehabilitation)
5) Aichi Prefectural College of Nursing (Psychiatric Mental Health Nursing)
6) Formerly Aichi Shukutoku University, Department of Psychology
and Communication
Abstract
The present study analyzed the contents of interviews in which 12 schizophrenia patients who uti-lized psychiatric day care services talked about recognition and acceptance of their illness and their life after social reintegration. Through semi-structured interviews, the following reasons for schizophrenia patients to reluctantly maintain their current situations were extracted:
1) Five of the twelve schizophrenia patients who were utilizing psychiatric day care services did not realize that their mental disorder had led to social maladjustment.
2) Schizophrenia patients who recognized and accepted their mental disorder did not necessarily have positive attitudes towards social life.
3) While the patients were aiming for self-actualization in adapting to society, some could not accept their disorder, felt a gap between the self and society, or experienced contradictions and conflicts. 4) By verbalizing their living conditions, interviews gave the patients an opportunity to recognize
that they were reluctantly maintaining their current situations. Talking about current living
lowed schizophrenia patients to work toward self-awareness.
Key words: Schizophrenia, day care, disorder recognition and acceptance, social reintegration, social life