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韓国企業の人材育成の新たな展開

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(1)『経営学論集』第 巻第 号, ‐ 頁, 年 月 KYUSHU SANGYO UNIVERSITY, KEIEIGAKU RONSHU(BUSINESS REVIEW) Vol.. 〔論. ,No.. , ‐ ,. 説〕. 韓国企業の人材育成の新たな展開 安. 熙. [要. 卓. 旨]. 本稿は,企業間競争のグローバル化が進展するなど,経営環境の大きな変化の中で韓国企業で は,どのような人材育成に取り組んでいるのか,韓国を代表する. 社の事例を通して,その実態. を明らかにしたものである。 本稿で取り上げた大企業の先進事例企業は, いずれも. 年代に入っ. て,新たな人材育成に取り組んでいる。すなわち,グローバル競争に勝ち残れる中核事業を創り 出し,その主役を担えるコア人材・グローバル人材育成を経営戦略の最重要課題と位置づけてい る。コア人材については,早い段階から選抜し,将来の経営者として育成するための特別管理シ ステムや後継者育成のための Succession Plan が導入されている。また,グローバル人材につい ては,語学や MBA,地域専門家制度といった多様なプログラムを取り入れたグローバル人材育 成体系を確立し,積極的に取り組んでいる。これまでの一律的な人材育成ではなく,差別化され た選択と集中を志向した人材育成戦略を採っているといえる。このような韓国企業の人材育成の 取り組みは,今後,これまで以上に強化されると考えられる。. Ⅰ.はじめに 本稿は,企業間競争のグローバル化が進展するなど,経営環境の大きな変化の中で韓国企業 では,どのような人材育成に取り組んでいるのか,韓国を代表する. 社の事例を通して,その. 実態を明らかにすることである。 多くの経営者が「企業は人なり」といわれるように,厳しい環境下で,企業が発展していく ためには,人材育成が不可欠である。それは企業の競争力を高めるのに人が源泉であるからで ある。人材育成の重要性が高まるのにつれて,人材育成の目標も単に人を育てるのではなく, 生産性や業績といった経営戦略の視点から取り組む企業も増えてきた。 年代に入って,韓国企業は未来を予測しがたい不透明性と企業間の激しい競争という経 営環境の変化により,優秀な人材をいかに確保・育成・維持するかが大きな課題となった。韓 国では「グローバル競争」「無限競争」「人材戦争」という言葉が流行語として広く使われるほ ど,経営環境は大きく変わってきた。大企業を中心にコア人材やグローバル人材の育成に取り 組む企業が多かった。これらの人材は,企業にとってきわめて重要な資産であり,競争優位を.

(2) 安. 熙卓. 生み出す源泉であることが広く認識され,グローバル競争時代をリードする人材育成こそ企業 が生き残れるという危機感があったからである。 これまで韓国企業の人材育成はどちらかといえば,短期的な視点からのアプローチが中心で あった。近年においては,長期的な視点から優秀な人材を早期に発掘・育成し,適時適所に必 要な人材を配置・活用できる体系的な人材育成に力を注いでいる。 以下では,韓国企業の企業内教育の歴史的な変遷を概観した後,韓国企業のグローバル展開 とコア人材・グローバル人材の定義・資質について考察する。そして,韓国大企業. 社の人材. 育成の事例を取り上げ,その取り組みについてみていく。. Ⅱ.企業内教育の変遷 .企業内教育の模倣・導入期( 近代化の初期段階である. − 年代). 年代には,産業再建という大命題のもとで能率的かつ合理的な. 企業経営が切実に要請された。そのもとで,主として米国の経営技法導入の試みがなされた。 米国で発達した科学的管理システムが軍隊を通じて積極的に導入されるようになった。当時, 企業内教育訓練も米国式の教育訓練に倣って散発的に非体系的な短期教育訓練が行なわれた。 年代には,米国で開発された監督者教育プログラムである TWI(Training Industry. for. Supervisor)や管理者教育プログラムである MTP(Management. Within Training. Program)が紹介された。TWI は工場現場における職長,組長などの第一線の現場監督者を 対象に,管理能力を向上させ能率的な作業方法を教えて生産力を高めたり,効果的な人の扱い 方を教えてモラールを高めるためのトレーニングプログラムである。MTP は管理者が自分の 組織を管理していくのに必要な知識・技能のすべてを研修するのではなく,主として組織の長 に必要な管理の基礎を習得させるプログラムである。. 年代末には企業内に教育を担当する. 研修課が設置されるなど,教育訓練への関心が増大した。当時の新入社員に対する教育は会社 の歴史,経営理念,社訓に関するオリエンテーションや組織適応のための教育が中心であった。 年代には石油危機の影響で企業内教育が一時的に停滞したが,従業員の能力開発が不況 打開のための最善の企業体質強化策であるという認識の下で,経営の合理化と能率向上という 観点から,さまざまな教育訓練が推進された。集合教育も階層別・職能別に細分化されて行わ れるようになった。教養教育,語学教育,海外派遣教育,QC(品質管理)教育も行なわれた 。 一方,職務知識や環境変化に対する適応力の向上,良好な人間関係の維持,技術を習得できる 人材を養成しようとする全人主義が志向され,資質中心の精神教育に重点が置かれていた。特.

(3) 韓国企業の人材育成の新たな展開. に,新入社員教育では組織への速い適応と一体化を目指した企業文化教育が多かった。 教育訓練プログラムは,画一的で一定の場所に集まって教育を受ける集合教育が中心であっ た。教育訓練方式は,ほとんどの企業が Off・JT や講義形式の理論的な教育が中心であった。 階層別教育は,人事異動が行なわれた後,新任課長,新任部長,新任役員を対象とした教育課 程など昇進者を対象とした教育を行なうのが典型的なものであった 。 以上のように,. − 年代は,米国の教育訓練技法を模倣・導入し,教育訓練のプログラ. ムの体系化が行なわれ,多様な教育訓練技法を韓国企業に普及させる企業内教育の模倣・導入 期と位置づけることができる。. .企業内教育の強化期(. 年代). 韓国で企業内教育が本格的に活性化したのは, 院が設立されてからである。三星人力開発院が 発院が. 年,LG 仁和院が. 年代以後,大企業を中心にグループ研修 年,現代総合研修院が. 年,大宇人材開. 年にそれぞれ設立された 。このように,財閥の研修院の設立. とその運営に積極的になったのは,いままで系列企業別にそれぞれ実施されてきた研修課程を 統括し,これをグループ全体の総合的な研修プログラムとして再発足させることによって,規 模のメリットとグループ全体としての効率を図るためであった。さらには,長期的・総合的な 社内訓練(研修)投資計画を樹立することにより,グループ内全体の人材を効率的に管理する とともに,総合的な社内訓練を通じ,財閥独特の経営理念と創業精神への追従を徹底させるこ とにより,一層の愛社心をかきたてることを狙ったものである 。 社内訓練とは別に,韓国特有の社外教育訓練として注目されるのが,大企業を中心に克己訓 練 や自社製品の広報・販売などを実施する企業が多かったことである。また,コンピュータ の普及によって,多くの企業の研修課程においてコンピュータ教育は必須となった。 企業によっ てはコンピュータ教育の終了後,社内資格証を与える制度を導入し,全社員のコンピュータ要 員化を推進した。 年代の企業内教育は,他律的・画一的方式で行なわれる中央集権的な集合教育が一般的で あった。集合教育を補うものとして,通信教育が普及し始めた。教育訓練技法としてブレイン・ ストーミング,ロールプレイング,感受性訓練なども紹介・導入された。また,大企業では主 要大学と提携し,外部委託教育が行なわれた。そして,従業員の能力開発のために職務遂行に 必要な自己啓発目標を自ら設定させ,自学自習する自己啓発制度も導入された。 さらに,. 年の民主化のうねりのなかで大型の労使紛争が頻発したため,労使協力と生産. 性向上のための労働教育が活発に行なわれた。労使紛争を予防するために,管理・監督者を対.

(4) 安. 熙卓. 象とした労使関係の教育が活発に行われた。 以上のように,. 年代の企業内教育は,財閥企業の相次ぐ研修所の設立によって企業内教. 育が重視される企業内教育の強化期と位置づけることができる。. .企業内教育の活性化期(. 年代). 年代には,国際化・開放化・情報化など,企業を取り巻く環境変化に対応するため,教 育訓練の重要性がより強調された。職務関連の最新情報や体系的な専門知識を習得させる専門 化教育が行なわれた。大企業を中心に戦略的な視野を重視する管理者教育に重点が置かれた 。 国際化の進展に伴い,MBA(Master of Business Administration)などの海外留学制度と国内 外の語学研修制度が広く普及した 。当初は海外要員育成に向けた語学研修が中心であったが, 徐々に異文化理解を含めた体系的かつ計画的な海外要員育成制度に発展した。海外体験研修教 育,海外有名大学と連携した MBA への派遣が積極的に展開されたのもこの時期である。 年代は人的資源開発の重要性をより明確化し,人的資源開発活動が企業経営のパート ナーとしての企業のビジョンや価値の共有,戦略的コアコンピテンシーの開発,事業成果増進 のための専門技能教育などの企業内教育本来の機能が重視された。職務遂行能力の強化のため, 職能教育や専門教育と呼ばれる教育課程を通じて財務,マーケティング,人事,広報などの専 門技能教育が行なわれたのも. 年代に入ってからである。また,経営者層を対象とした教育. も活発に行なわれた 。 年には経済危機を契機にコスト削減のため,賃金や福利厚生などあらゆる部門で見直し が行われた。企業内教育も例外ではなく,教育訓練費が削減された。企業内教育のアウトソー シングも行われた。 た企業は. 年産業教育の調査によると,. 年対比. 年の教育訓練費を縮小し. 割を占める。また,多くの企業ではリストラクチャリング(事業構造の再構築)や. リエンジニアリング(業務革新)など,経営体質の改善・強化に取り組んだ。その一環として, 人事制度の改革とその再構築が行なわれ,企業内教育にも影響を及ぼすことになった。すなわ ち,多くの企業で生産性向上のための教育が実施された。また,これまでの年功序列人事に代 わる能力主義・成果主義人事の導入に伴って成果・業績達成に向けた年俸制や目標管理制度が 導入された。このような流れの中で,企業内教育も従来の企業内訓練から人事制度や賃金制度 と連動した能力開発という幅広い概念で捉えられるようになった。 以上のように,. 年代は,国際化に対応した教育と階層別・職能別の専門教育そして生産. 性向上教育が積極的に展開された,企業内教育の活性化期と位置づけることができる。.

(5) 韓国企業の人材育成の新たな展開. .企業内教育の転換期(. 年代). 年代はグローバル化・世界化という環境変化の中で,どの企業も優秀な人材確保と育成 に力を入れるようになった。人材戦争(war for talent)という言葉が広く使われるほどであっ た。国内外の競争がますます激しくなる中で,将来の経営幹部を早期に育成する専門能力を備 えたコア人材やリーダー中心の育成に取り組む企業が多かった。. 年全国経済人連合会と. HR コンサルティングが共同で実施した調査によると,コア人材の確保・育成が最も重要な人 的資源管理の政策・戦略として挙げられている。 グローバル化に伴って,海外事業を成功に導くためのグローバル・ビジネス人材の育成も重 視されるようになった。このため,グローバル・コミュニケーション能力の強化プログラム, 海外駐在員の育成プログラム,海外現地人材の育成プログラムを導入する動きが活発化した。 国内外の大学と連携し,MBA 派遣など会社の負担で人材育成が行なわれた。 最近,特に注目されるのがコア人材の育成のための教育課程である。経営環境の変化と危機 増大による経営者の価値創出力量とリーダーシップが重視されるようになった。ビジネス機会 を早期に発見し,ここに資源を適切に投入するビジネスリーダーの役割は,企業の死活を左右 することから,戦略的に思考し,革新を主導するリーダーの養成が求められた。 人材開発のための教育も会社主導の教育から本人主導の自己啓発中心に変化しており ,集 合教育中心からe‐ラーニングといったオンライン教育とブレンディド・ラーニング(Blended Learning),人事教育部署中心から現業部署中心に変わってきた(図表 以上のように,. ) 。. 年代は, 世紀という国際競争が激化する中で人材の重要性が強調され,. グローバル人材やコア人材の育成,そして IT を活用した次世代のリーダー育成に重点を置い た,企業内教育のパラダイムの転換期と位置づけることができる。. 図表. 企業内教育パラダイムの変化 従来型教育訓練. これからの教育訓練. 学習の概念. Training(注入式教育). Learning(問題解決型実践教育). 学習の主体. 会社主導型. 個人・現場主導型. 教育の対象. 全員義務教育. コア人材中心(選択と集中). 学習の形態. テキスト教材中心の講師主導型 集合教育. IT 技術を利用した e-Learning ( : マッチング型及びマルチメディア 教育). 出所:車鍾錫・朴衡根・鄭玄澤(. ) 『成功企業に導く韓国型人材経営』ネクサス BIZ,p.. 。.

(6) 安. 熙卓. Ⅲ.韓国企業のグローバル化と人材育成 .韓国企業のグローバル展開 今日,自由貿易体制の拡大と開放化の動きがますます強まる中で,グローバル経営は一つの トレンドとして定着しつつある。特に,国内市場の成長限界によってこれまで内需市場に集中 してきた企業さえ,危機克服の一環としてグローバル経営に力を入れている。グローバル経営 はいまは選択の問題ではなく,生存のための必須条件となっている。 年の経済危機の際,韓国経済は一時的に大きく低迷したが,財閥系企業の統合・淘汰に より資本の集中と効率化が進み,生き残った企業も経営透明性の確保,財務構造の改善,コア 事業の設定など構造改革に迫られた。これを契機に韓国企業は売上重視の経営から収益重視の 経営に転換し,競争力を向上させた 。 韓国企業のグローバル指向が強い背景には,対外的な環境変化もあるが,韓国経済の貿易依 存度が高いことと関係があるという指摘もある 。韓国企業のグローバル指向は,. 年の経. 済危機を経験した後で,国内市場だけでは生き残れないという危機意識が高まったことに起因 する。グローバル指向は,採用方針にも反映されている。韓国経営者総協会(. )の調査に. よると,新入社員の採用において求める要件として,業務に関わる資格,大学での成績に次い で語学力を重視しており,大企業の新入社員平均 TOEIC スコアは 韓国大企業の経営のグローバル化の始まりは,. 点に達している 。. 年代後半からである。サムスン電子は. 年にアメリカ, 年にポルトガル, 年にイギリス, 年にオーストラリア,カナダ, 年にフランスにそれぞれ販売会社を設立し,. 年ポルトガル, 年にアメリカ, 年にイギ. リス, 年にタイ,メキシコに現地生産法人を設立した。 年代に入ってからは 年, 年に中国に次々と工場を設立した。LG 電子は. 年代に入って. 年, 年,. 年にドイツ,. 年にアメリカ,パナマ, 年にカナダ, 年に日本にそれぞれ販売会社を設立し, 年にはア メリカ, 年にドイツ, 年にタイ, 年にはインドネシア,トルコ,フィリピン, 年に中 国, 年にはメキシコに現地生産のための工場を設立した。現代自動車は 年にアメリカに販売会社を設立し,. 年にカナダ,. 年代末から 年代半ばまでにアジアや NAFTA (北. 米自由貿易協定)に対して,生産・販売を開始した。 年代半ばからは,新興国への進出が顕著になった。サムスン電子は. 年にブラジル,. 年にインドに現地法人を設立した。LG 電子も 年にロシア, 年にシリアに工場を設立し, 年と 年にはブラジル, 年にインドにそれぞれ現地法人を設立した。現代自動車も にトルコ, 年にインドに工場を設立した。. 年.

(7) 韓国企業の人材育成の新たな展開. 年代に入ってからも経営のグローバル化は加速された。サムスン電子は,携帯電話の現 地生産を. 年にブラジルで開始,. 年にスロバキア,. ロシアに生産法人や工場を設立した。LG 電子は, ブラジル,メキシコ,. 年にポーランド,. 年・. 年・. 年に中国,. 年に. 年にトルコとインド,. 年に中国と. 年にインドネシア,ロシア,. 年にサウジ. アラビアに生産法人や工場を設立した。現代自動車は, メリカ,. にメキシコとインド,. 年・. 年にインド,. 年にチェコ,. 年・. 年にア. 年にトルコ,. 年. にロシアに工場を設立した 。そして,韓国最大手鉄鋼メーカのポスコは,新興国の台頭を背 景に鉄鋼需要が世界的に高まっていることから,海外進出を積極的に行ってきた。 ンド,. 年に中国,. 年にベトナム,メキシコ,. と工場を設立し,海外生産に拍車をかけている。同社は. 年にイ. 年にアメリカなど,世界各地に次々 年までにグローバルビック. を目. 指すという目標を掲げている。 韓国主要大企業の主力製品の世界シェアは,トップレベルに達している 。グローバル展開 のスピードの速さは,事業の選択と集中,リスクを恐れない大胆な投資があげられる。今後, 国内市場の縮小が予想される中,海外市場の重要性はますます高まるであろう。韓国ではグ ローバル競争時代を迎えて,人材のグローバル化に政府や企業ともに力を入れてきている 。. .コア人材・グローバル人材の育成 韓国では,前述したように. 年の経済危機後,経営多角化や規模拡大志向から脱却し,中. 核事業の選択・集中及び収益性重視へと経営戦略の転換を図るとともに,構造調整や雇用管理 の柔軟性向上などに取り組む動きが活発化した。それに伴い,人事戦略も大きな変化を見せる ようになった。たとえば,これまでの新卒定期採用中心から中途採用の比重の拡大,グループ 採用から系列企業別採用へと大きく変わってきた。また,年功序列賃金から成果主義賃金制度 として年俸制の導入が大企業を中心に急速に広がった 。 このような動きの中で,. 年代に入っては人事戦略として国籍を問わず,世界から優秀な. 人材の採用や次世代リーダーの早期発掘・養成,人材のポートフォリオ,グローバル化に対応 したグローバル人材の育成など,これまでとは異なった新たな人事戦略が打ち出された。 特に,韓国では,「人材戦争」(war for talent)が 世紀の主要話題となり,大企業を中心 にコア人材・グローバル人材に対する関心が高まった。グローバル競争環境の下で,専門性・ 創造性・挑戦性を背景に経営成果に貢献をもたらす人材を強く求めるようになった。 これらの人材育成のために,多くの企業が体系的な教育研修プログラムや現地化を念頭に置 いた海外研修の仕組みを整備するなど,差別化された人材育成に戦略的に取り組んでいる。.

(8) 安. 熙卓. それではコア人材とグローバル人材とは,どのような人材を指すのか,その定義・資質につ いて整理しておく。. ⑴. コア人材の定義と資質. コア人材の明確な定義はなく,企業によって捉え方はさまざまである。大韓商工会議所 (. )が行った調査によると,大企業が考えているコア人材とは,「中核事業や新事業を展. 開するリーダー」( .%) ,「組織の次世代リーダー・CEO 後継者」( .%) ,「特定職務の 専門家」( .%) ,「主要ポストの担当者」( .%) ,「反復的な高成果者」( .%)の順で ある 。また,watsonwyatt(. )が韓国主要財閥企業を対象に行った調査では,コア人材. とは,①現在優れた成果を出している人材,②リーダーシップ力量が優れており,経営者,リー ダーとしての成長潜在力を持っている人材,③会社の未来ビジョンと戦略実現の中核になれる 人材,④革新意識をもって変化に能動的に対応できる人材,⑤会社の核心力量を保有し,外部 へ流出した場合致命的な打撃を与える人材,をコア人材として捉えている 。 車(. )は,コア人材を大きく「未来リーダー型人材」 ,「専門家型人材」 ,「高成果者型人. 材」に分類している 。「未来リーダー型人材」は,後継者養成という戦略的目的から未来の最 高経営者または役員に成長できる人材,「専門家型人材」は,企業が戦略的に選択した分野の 専門力量を確保する目的から,核心技術または専門分野において企業が戦略的に育成する人材, 「高成果者型人材」は,担当業務を通じて企業に高い収益を創出する人材である。 このように,コア人材の捉え方に相違はあるものの,コア人材とは,一言で言うと「企業の 事業を中核となって支える人材」であるといえる。 コア人材は多くの企業がグループ別に管理を行っている。watsonwyatt( ると,コア人材の区分として, とに区分するタイプ,. つは,Succession. )の調査によ. Planning と結びつけて後継者グループご. つは,現在の職級や役割ごとにコア人材グループを選定するタイプ,. つは,現在卓越な能力を保有した社員と将来成長潜在力が期待される社員に区分するタイプ に分類している 。コア人材の選抜に関しては,ほとんどの企業が内部から選抜しており,選 抜基準は業務成果,リーダーシップ,職務力量,スキル・知識,これまでの経歴・評判などが 最も重視されている。また,コア人材の育成方法としては,MBA などといった社外教育が最 も多く活用されている。この他にも OJT や社内教育,ジョブローテーションが行われる 。 大韓商工会議所の調査(. )によると,コア人材が備えるべき資質として,「組織への忠. 誠心・所属意識」( .%) , 「リーダーシップ・動機づけ能力」( .%) , 「専門的な業務能力」 ( .%) ,「実 行 力・推 進 力」( .%) ,「誠 実 性・責 任 感」( .%) ,「未 来 収 益 創 出」.

(9) 韓国企業の人材育成の新たな展開. ( .%) ,「戦略的で柔軟な思考」( .%) ,「グローバルビジネス能力」( .%) ,「広い人 脈」( .%)があげられている 。. ⑵. グローバル人材の定義と資質. グローバル人材 の定義は,様々な観点から定義がなされている。金(. )は,グローバ. ル人材とは「国家,地域を越え,世界的レベルで市場を洞察し開拓していく人材であるといえ る。すなわち,自分の意識と行動を常にグローバル経営環境にあわせ,必要な専門能力を開発 し,強い推進力で設定した目標を実行できる人材 」であると定義づけている。また,グロー バル人材が備えなければならない要件や資質としては,①グローバルマインドと国際的視野, ②対処能力と調和能力,③社会的関係形成の力量,④事業的洞察力,の 白木(. 点をあげている 。. )は,グローバル人材とは,「多国籍企業のグローバリゼーションを潜在的・顕. 在的に支えるグローバルなマインドセットを有する現有人材ならびに将来の候補生を幅広く指 すと考えられる 」としている。また,経済産業省の産学人材育成パートナーシップグローバ ル人材育成委員会(. )は,グローバル人材とは,「グローバル化が進展している世界の中. で,主体的に物事を考え,多様なバックグラウンドをもつ同僚,取引先,顧客等に自分の考え を分かりやすく伝え,文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗 り越えて,相手の立場に立って互いを理解し,更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き 出して活用し,相乗効果を生み出して,新しい価値を生み出すことができる人材 」であると 広く定義されている。また,産学連携によるグローバル人材育成推進会議(. )は,グロー. バル人材とは,「世界的な競争と共生が進む現代社会において,日本人としてのアイデンティ ティを持ちながら,広い視野に立って培われる教養と専門性,異なる言語,文化,価値を乗り 越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性,新しい価値を創造する能力, 次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間 」であると広範かつ多様な領域 にわたる能力が定義されている。 日本経済団体連合会(. )は,グローバル人材の定義として,「日本企業の事業活動のグ. ローバル化を担い,グローバル・ビジネスで活躍する(本社の)日本人及び外国人人材 」と している。 グローバル人材と類似するが,国際的に活躍している人材は,グローバル人材に限らないと して,「ブリッジ人材」の言葉も使われている。塚崎(. )は,ブリッジ人材とは,「特定の. 二か国のいずれかまたは両方に一定程度長期にわたり生活の拠点を置き,その二か国の間のコ ミュニケーション等の橋渡しをするような働き方をする人材 」とし,グローバル人材と区別.

(10) 安. 熙卓. している。 以上のように,グローバル人材の定義をめぐっては,多義的に使われているが,一言で言う と,「ビジネスのグローバル化に対応できる人材」であるといえよう。. Ⅳ.韓国企業の人材育成の取り組み .コア人材の育成事例 ⑴. L社の事例. L社は,. 年に設立された従業員数 , 人の韓国最大手総合化学メーカーである。同社. はコア人材を,「正しい価値観,仕事に対する強い熱情や実行力,グローバルスタンダードビ ジネス対応能力を備えた担当分野の専門家として事業戦略及び推進に必要な力量を備え,事業 の競争力確保に貢献し,成果を生み出す人材 」であると定義づけている。同社は「ヒトは資 産」である認識の下,組織構成員全員を育成するにはコストがかかることから,全体よりは能 力ある人材を中心に育成することで,人材ポートフォリオの成果や能力の面で卓越なスター育 成に重点をおいた人材育成に取り組んでいる(図表 図表. ) 。. 人材ポートフォリオ(L社) 高 組織維持層. コア人材. 人材 (work horses). 人財 (stars). 人災. 人在. 成果 Out. In. (dead woods) (problem employees) 不要存在(5%) 不満集団 低. 能力. 出所:韓国人事管理協会(. 高. ) 『人事管理』 月号,p. 。. このような人材育成の基本戦略に基づいて,同社では,HPI(High Potential Indiviual)育 成システムと Succession Plan(後継者育成プログラム)を構築,実施している(図表. ) 。. HPI は,世界的な競争力を備えた経営者として成長できる潜在力をもつ高い成果を実現する 若い人材で,未来の事業を担う予備経営者候補群である。いわゆる次世代リーダー pool であ る。HPI が備えなければならないコンピテンシーは,リーダーシップを中心に語学,マネジメ ントスキル,IT,グローバル視野の. つの領域に分かれる。. HPI の選抜は大きくトップダウン方式とボトムアップ方式に分かれる。前者は,課長代理か ら次長級の中で高い潜在力や高い成果を生み出す者を対象に非公開で選抜するものである。選.

(11) 韓国企業の人材育成の新たな展開. 図表. 人材育成体系(L社) CEO. 育成目標. コア人材pool. 事業本部長候補育成. CEO候補pool. 事業部長 候補pool 部長級. 課/次長 IN. 次世代 グローバル 事業リーダー. 予備事業家 候補pool. Succession Plan. 役員. 事業部長候補育成. 担当/工場長候補育成. Out チーム長候補育成. 社員/代理. 出所:L社ホームページ。. 抜基準は人事評価成績が. 年連続で SS,AS,SA の者,語学は TOEIC が. 点以上または LGA. LAP .以上の者となっている。後者は,役職員の社内または社外推薦を通じてコア人材を選 抜するものである。同社は,コア人材の採用に成功した場合,推薦者に対しインセンティブを 支払う制度を導入している。 同社のコア人材の育成は,「コア人材」を対象とするものと,「コア人材 pool」を対象とす るものがあり,HPI 制度,Succession Plan,多様な教育プログラムから構成されている。 HPI 制度の大きな特徴は,①差別化されたプログラムの提供,②業務および体系化された CDP による育成である。HPI プログラムには,. 年程度の中期海外研修課程と海外 MBA 課. 程(Global Executive MBA,Duke MBA,APE-MBA)がある。業務を通じた育成は,職務充 実(意思決定権限や責任付与)と職務拡大(課業の数の増加)を活用している。CDP による 育成の場合,コア人材が力量を最大限に発揮できるよう挑戦的な職務を与えるとともに,職群 や地域を往来するジョブローテーションを通じて「T字型」人材育成を行っている。 また,一度 HPI に選抜された者は,毎年成果,リーダーシップ. 度評価,自己啓発の努力. 度などを総合的に考慮し,人材 ‐Block 評価を基準に人材開発委員会で毎年 In/Out を決定す る(図表. ) 。. 一方,Succession. Plan は,事業遂行のために特に中核となるポジションの後継者を判別し,. コア人材を対象に行われる育成システムである。Succession 支社長,チーム長などコアポストに対して,「. ポスト. Plan は事業責任者,海外法人長,. 後継者」方式で運営される。. 人の. 候補者の中から競争で勝ち抜いた人を後継者として選抜し,育成する。対象者は高い成果を上 げた次長級以上である。 同 社 の コ ア 人 材 の 育 成 課 程 の 中 の 教 育 プ ロ グ ラ ム に は,海 外 MBA 課 程,Functional.

(12) 安. 図表. 熙卓. 人材 ‐Block 評価(L社) 4 3.5 4.5 5 S. Stay out. 成果 A B,C,D リーダーシップ 出所:韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』 月号,p. 。. Specialist 課程,地域専門家課程などがある。Functional Specialist 課程は,財務・法務・人事 部門の専門家を育成するものである。この課程は,事業戦略達成のための体系的な支援体系の 構築にその目的がある。地域専門家課程は,グローバル人材育成のためのものである。国内で 一定期間,語学研修を終えた後,中国,ロシア,ベトナム,インド,ブラジルなど戦略的に主 要国家に派遣し,. 年間現地の言語習得や異文化体験などを行う。これは派遣先の海外駐在員. との連携を通じて市場調査と現地のネットワーク開拓の役割を果たすのが目的である。後継者 を対象に米国ボストン大学と連携し,グローバルビジネスリーダー育成も実施している。 コア人材の処遇については,「High Performance High Return」の原則の下,成果や力量が 卓越なコア人材に対しては,Fast Track の抜擢昇進や多様なインセンティブ制度 が導入され ている。. ⑵. P社の事例. P社 は,. 年に設立された従業員数 , 人の韓国最大手の鉄鋼メーカである。同社が. 求める人材像は,①世界舞台で活躍できるグローバルビジネス力量と多様性を尊重する開かれ た思考を持つ「世界人」 ,②最高水準の目標を達成するため,不屈の意志と熱情で絶えず挑戦 し,独特な視点とアプローチで新たな価値を創出する「創造人」 ,③自己分野に対する専門的 な識見及び技術と健全な職業意識を持って与えられた任務を最後まで成し遂げる「実行人」で ある 。 同社の人材育成体系は,①コンピテンシーに基づく構造的な選抜技法による「優秀人材の確 保」 ,②個人主導の経歴開発と成長のための支援体制の構築による「潜在的人材」 ,③会社主導 で戦略的・体系的に育成していく「検証されたコア人材」の ている(図表. つの人材グループから構成され. ) 。. 同社は,コア人材を「担当分野における専門知識を保有し,戦略的に仕事ができる人材」で.

(13) 韓国企業の人材育成の新たな展開. 図表. 人材育成体系(P社) 選抜. 経歴開発. ・グローバルMBA ・海外留学 ・地域専門家. Succession Plan. 検証されたコア人材 (core talents) HR Session 潜在的人材 (high potentials). 優秀人材の確保 (recruit talents). 教育. 6シグマ ・e-Learning ・終業後の学習 ・資格取得支援. 社内公募. 生涯学習. 新入社員の力量開発支援プログラム. 構造的 選抜技法. 出所:韓国人事管理協会(. 現業併行 留学. 人材開発院教育. ) 『人事管理』 月号,p. 。. あると定義づけている。コア人材は,コア人材管理システムを通じて成長潜在力が優秀なコア 人材を階層別に早期発掘し,育成される(図表. ) 。大卒の %程度がコア人材として育成さ. れる。同社は,コア人材の育成と関連して HR 部署と現業部署が課長代理以上の年俸制適用社 員を対象に,個々人の人事方向を協議する HR Session を毎年実施している。. 図表. コア人材の育成体系(P社) 専門家. 経営リーダー. ・CEO/部門長/役員. 経営 Fellower リーダー. ・若い部・室長∼チーム  リーダーのうち卓越な  人材. ST(Super talents). ・チームリーダークラス  コア人材−部・室長  Successor ・若くて成長潜在力を  保有した人材. 出所:韓国人事管理協会(. DCT (Division Core Talents). Senior Master. Junior Master. HPT (High Potential Talents). ・最高技術力保有者 (役員待遇) ・国内外Top Levelの  技術力保有者 (部長クラス待遇) ・社内Top Levelの  技術力保有者 (チームリーダークラス待遇) ・1∼2年内J. Masterに  成長可能な者 (J. Master Candidate). ) 『人事管理』 月号,p. 。. コア人材の候補者は,将来経営後継者として育成される。コア人材は,勤続 年以上のチー ムリーダーの中から部門別に選抜される。選抜基準は,年. 回実施される目標管理(MBO).

(14) 安. と年. 熙卓. 回の上司・同僚・部下からの多面評価,そしてリーダーシップ力量,グローバル・マイ. ンド,IT 能力,成長可能性,ローヤルティ―,倫理意識などを総合的に評価し,決定する。 コア人材として選ばれた者は,コア人材 pool として特別管理される。ただ,コア人材は. −. 年を通して評価が行われ,コア人材 pool から外されたり,新たに入ったりすることもある。 選抜されたコア人材は,さまざまな教育を受けることになる。代表的な教育としては,① eLeaders Academy 課程,②階層別昇進者教育,③リーダーシップスキル教育がある。人事面 においては,①国内外大学の MBA 留学や海外研修,②グローバル地域専門家として派遣,③ Young Board(青年重役会議)資格などが与えられる。 e-Leaders. Academy 課程は,. 年. 月から未来の経営者育成のために開設されたもので. ある。教育対象者は,成長潜在力を備えたチーム長クラスの中から部門別に優秀な者を対象に 人事部署が. 次選抜し,最高経営者が決定する。年間受講者は 人で上半期と下半期にそれぞ. れ 人ずつである。受講生は全員仕事から離れて. 年間同社の人材開発院でグローバル,デジ. タル時代に相応しい未来志向的なリーダー育成の教育を受ける。 e-Leaders. Academy 課程の重点育成力量は,①リーダーシップ力量,②グローバル力量,. ③デジタル能力,④現業課題解決能力の. つから構成されている。リーダーシップ力量は,高. 級管理者に必要な総合的な経営基礎知識を習得,変化や革新主導能力を強化する教育であり, グローバル力量は,語学,ビジネス実務能力,国際的感覚を備えたグローバル人材育成の教育 である。そして,デジタル能力は,IT 技術や情報活用能力を備えた人材を養成する教育であ り,現業課題解決能力は,Action. learning を通じて学習した内容を現業に適用させる教育で. ある。. .グローバル人材育成の事例 ⑴. H社の事例. H社は,. 年に設立された従業員数 , 人の韓国最大手自動車メーカーである。同社の. 人材像は,「創意(creativity) ,挑戦(challenge) ,熱情(passion),協力(cooperation) ,グ ローバル・マインド(global mind)」の. つのキーワードで示される。同社は,グローバル人. 材を「新たに展開されるグローバル舞台で未来の変化を主導するため,グローバルビジネス能 力と視野を備え,創意と熱情で与えられた仕事に挑戦的に臨み,他部門との有機的な協業を主 導していく人材 」であると定義づけている。 同社のグローバル人材育成のプログラムは,①社内 MBA 課程,②地域専門家課程,③経営 修士課程,④循環勤務制度などから構成されている(図表. ) 。.

(15) 韓国企業の人材育成の新たな展開. 「社内 MBA 課程」は,グローバル人材育成の基本課程である。生産,人事・組織,R&D な どの部門で優秀な人材を対象に国内の大学と連携して行なわれる。主に統合的経営管理能力の 開発及び各分野の専門性の強化に重点が置かれている。 「地域専門家課程」は,新市場への進出または同社の未来成長に重要な地域を対象とした専 門人材の育成課程である。この課程は,現地での早期適応及び教育成果の極大化のため,. 年. 間実施される。教育内容は,国内での現地適応のための語学課程,現地での語学課程,ミニ MBA,現地法人での OJT,そして研究課題の遂行から構成されている。 「経営修士課程」は,国内大学で提供しているグローバル MBA 課程である。国内及び海外 図表. グローバル人材育成体系(H社). 区分. 課程. 育成目的. 教育プロ. 国内外最高経営. 経営戦略の樹立及び経営管理能力. ・全社的な経営視野の形成. グラム. 者課程. を保有した次期経営者を育成する. ・社内外のネットワーキングの支. ための役員育成 社内 コ ア MBA. 現在及び未来のリーダーを育成す. 課程. るためにリーダーシップ及び経営 知識を備えたコア人材の育成. 特徴. 援 ・挑戦課題の解決を通じた実践的 学習の支援 ・リーダーシップ及び経営知識の 涵養. 地域専門家課程. グローバル経営の加速化に対応す るため地域別専門家の育成. 海外技術研修. 経営修士課程. 化的理解の強化. 未来の事業成長に必要な技術を確. ・技術課題解決のプロジェクトの. 保するために領域別に技術専門家. 遂行及び結果の活用可能性の向. の育成. 上. 経営の複雑性の増大に対応するた めに領域別経営専門家育成. 工学修士課程. ・未来進出地域の言語能力及び文. 複合技術の融合ニーズに対応する ための複合技術専門家の育成. ・経営領域(人事・財務等)別の 専門性を強化する学位取得課程 ・技術領域別の専門性を起用化す る学位取得課程. 現業課題. 海外法人循環勤. 海外オペレーションに対する理解. 遂行課程. 務. 向上を通じたグローバル人材育成. 決. 及び動機付け. −海外法人のニーズを反映した. ・海外法人の経営懸案に対する解. 職務別適任者の選抜 ・海外法人派遣( ヶ月) 海外現地採用者 の循環勤務. ・海外法人の現地採用者のうち優 秀人材に対する育成及び動機付 け ・本社と海外法人間の相互理解の 向上. 出所:韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』 月号,p. 。. ・本社に配置,勤務( ヶ月) ・本社及び海外法人のイシュー中 心の解決課題の定義及び課題遂 行.

(16) 安. 熙卓. 法人の現地採用人員のうち,優秀な人材を選抜し参加させている。この課程では,一方的にグ ローバルを志向するのではなく,グローバリゼーションとローカリゼーションの調和に重点を おいて,. %英語講義,自社に特化した科目の開設などをとりいれている。また,この課程. では,最新の経営理論及び実務知識の習得,他社の国内外の優秀な人材とのネットワークの構 築など,グローバル専門家としての資質向上を図っている。さらに,国内と現地で採用した人 を共同参加させ,相互間の理解増進も図っている。 「循環勤務制度」は,国内と現地で採用した人の中から,優秀な人材を対象に行なわれるも のである。本社の優秀な人材の海外循環勤務は,現地法人の経営状況と懸案問題を体系的に理 解させると共に,これを通じて動機づけや能力向上を目的としている。. カ月間海外法人に派. 遣される。また,同社は海外の現地採用者は,本社と海外法人との相互理解を目的に本社に配 置され,. ⑵. カ月間勤務する「逆循環勤務制度」も導入している。. S社の事例. S社は,. 年に設立された従業員数 , 人の韓国最大手電機メーカーである。同社は,. 「人材第一」の経営哲学に基づき,人材育成,とりわけグローバル人材に力を注いでいる。同 社の人材像は,①創意的な人材,②挑戦する人材,③専門人材,④グローバル人材に分かれる (図表. ) 。同社では,グローバル人材を「外国語を駆使して世界の主要リーダーとの完璧な. 意思疎通はもちろん,多様なグローバル顧客の文化やニーズに素早く対応できる人材」である と定義づけている。 図表. 人材像(S社). ① 創意的な人材. ・既存の常識から抜け出した新しい考え方 ・発想と認識の転換を引き出せる創意性 ・目標と危機意識を持った絶え間ない創意的な改善. ② 挑戦する人材. ・難しくて人が忌避する分野に挑戦する開拓精神 ・変化と改革を先導する冒険精神 ・失敗を恐れない. ③ 専門人材. ・特定分野の専門知識を基盤で多様な分野の知識創出 ・専門性を通じた顧客ニーズの把握,技術と市場領域の拡充. ④ グローバル人材. ・優れた外国語スキル ・多様な文化への素早い適応. 出所:安熙卓・張相秀( ) 「サムスンの人材経営とグローバル人材育成」 『経営学論集』 第 巻第 号,p. 。. 同社のこれまでのグローバル人材育成戦略は,役職員全員のグローバル経営に対する理解と.

(17) 韓国企業の人材育成の新たな展開. 図表. グローバル人材育成課程(S社) 国内人材課程. 海外人材課程 ・韓国 MBA 及び学部課程派遣. ・グローバル語学課程 −プレミア外国語生活館. ・Global Scholarship Program. −一般外国語生活館. ・韓国地域専門家. −その他語学教育(On-line,Off-line). ・海外ビジネススクール連携課程. ・海外法人長/駐在員養成. ・異文化適応教育. ・グローバルビジネス実務課程. ・その他語学教育. ・海外ビジネススクール連携課程 ・地域専門家/現場専門家 ・海外学術研修および MBA 出所:韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』 月号,p. 。. 国際化感覚を向上させることに重点が置かれていた。しかし,近年においてはグローバル人材 を育成するためのプログラムを新たに企画・運営している。すなわち,専門性を強調する課程 の新設,分野別に次世代リーダーを育成するグローバル教育課程がそれである(図表. ) 。. グローバル人材育成の主なプログラムは,次のとおりである 。. ①. グローバル語学課程 この課程は,プレミア外国語生活館,一般外国語生活館,その他語学教育から構成されてい. る。特に,プレミア外国語生活館では,最高級の外国語能力,討論スキル,交渉能力などに重 点をおいて,グローバル・ビジネスの中で経験される各種状況を解決できるよう実践中心に行 なわれる。また,一般外国語生活館では,一定水準の現地の外国語能力の習得と異文化理解を 目的とした教育が実施される。この他にも海外法人長養成課程,駐在員養成課程,グローバル・ ビジネス実務課程がある。. ②. 海外ビジネススクール連携課程 この課程は,国内人材を海外現地に派遣し養成する海外研修プログラムである。海外現地法. 人の事業運営と連携しており,同社の米国法人とハーバード大学が提携して実施している Executive Leader Course(ELC)が代表的な課程である。ELC 課程は,現地幹部のマーケティ ングやリーダーシップ能力を向上させるための課程である。この課程は,国内の幹部も参加し, 現地のマネジャーとの意見交換や課題解決などを通して,グローバル・ビジネス感覚を向上さ せるための主要課程として活用される。海外現地の主要大学と連携したプログラムとしては, 米国以外にもフランスの INSEAD (ビジネススクール) ,中国の北京大学,シンガポールの NUS.

(18) 安. 熙卓. (National University of Singapore)などがある。. ③. 地域専門家・現場専門家の派遣 この課程は,戦略的に主要国家を対象に,海外で中長期的に行なわれる研修プログラムであ. る。代表的なものとして「地域専門家制度」がある 。この制度は国内で若手の優秀な人材を 選抜し,海外に. 年間派遣し,現地を経験させる制度で,派遣期間中は現地の語学及び文化の. 習得とともに自由に旅行をしながら現地人との人脈を形成する機会が与えられる。 地域専門家制度は真の国際化を目指し,社員に海外の文化や習慣を習熟させ,その国のプロ となる人材を育てる目的で 対象となり,毎年. −. 年に導入された。入社. 年目以上の代理,課長クラスの社員が. 人が選抜され,アジア,欧米,中東,ロシアと世界各国に派遣され. る。費用は会社が全額負担しており,. 人当たり,約. 億ウォンかかるという。導入初期は先. 進国を中心に派遣してきたが,近年は中国,インド,ロシアなどに拡大している。 は地域専門家制度とは別に,. 年から. カ月間海外現地法人に派遣され,業務と現場体験を併用する「現. 場専門家制度」を導入し,国内グローバル人材 pool をさらに拡大している。. 年までに. の国または地域に,累計 , 人が派遣されている(図表 ) 。 図表. 地域専門家の派遣実績(S社) (76カ国。累計4,415名派遣). 256 選抜( 11) 既養成. [2011年1月, 単位:各]. 4,415. 東 南 亜 中 南 米 西 南 亜 ロ シ ア 東 欧 中 東・ 阿 大 洋 州. 本 北 米 欧 州. 日. 中. 国. 4,159. 出所:安熙卓・張相秀( ) 「サムスンの人材経営とグローバル人材育成」 『経営学論 集』第 巻第 号,p. 。. ④. 海外修士・博士学位課程への派遣 この課程は,次世代リーダー養成のための人材を選抜し,海外の主要大学に派遣する学術研. 修制度や MBA 研修プログラムである。学術研修制度は変化する技術,グローバル・トレンド の習得と多様な人脈の確保のために,先進国に若い研究員を. −. 年間派遣するものである。. これらの人の多くは,将来,役員に抜擢される。MBA 研修課程は,最新の経営トレンドやマー.

(19) 韓国企業の人材育成の新たな展開. ケティング,そして管理分野の主要技法を習得し,海外ビジネス人材とのネットワークを形成 させるために行われるプログラムである。. ⑤. 海外人材のグローバル力量強化の課程 この課程は,海外の現地コア人材を選抜し韓国の MBA 課程に派遣,養成する本社が支援す. る代表的なプログラムである。これは海外で採用したコア人材を対象者とした入社前養成課程 で,国内主要大学と連携した Global Scholarship Program(GSP)を運営している。対象者は 同課程を終え,本社勤務後,海外現地法人でグローバル人材として活躍される。 中国では現地人材を韓国に派遣し,韓国語と韓国文化を理解できるよう「韓国地域専門家課 程」を実施している。いわゆる「逆地域専門家制度」である。この制度は海外採用人材を韓国 内で教育し,再び現地に派遣するものである。このプログラムは,海外法人を現地化させるた め,. 年以上勤務した幹部クラスの現地社員を韓国内に派遣し, カ月間生産,人事,R&D. などの業務知識と共に韓国語や伝統文化を教育する 。そのねらいは,韓国の地域専門家がい くら現地の事情に詳しいといっても,言葉はもちろんのこと,現地のネットワークなども現地 人以上になるのは困難なだけに「韓国化した現地人」を養成することが効果的であるという点 に着目して実施されてきた。. Ⅴ.おわりに 以上,韓国企業のグローバル化に伴う人材育成の取り組みについてみてきた。企業内教育・ 人材育成のあり方は,企業経営を取り巻く環境変化に伴って大きく変わってきている。 本稿で取り上げた大企業の先進事例企業は,いずれも. 年代に入って,新たな人材育成と. して,グローバル競争に勝ち残れる中核事業を創り出し,その主役を担えるコア人材・グロー バル人材育成を経営戦略の最重要課題と位置付けている。コア人材を早い段階から選抜し,将 来の経営者として育成するため,体系的に特別管理を行っている。後継者育成のための Succession Plan も導入されている。また,グローバル人材については,語学や MBA,地域専 門家制度といった多様なプログラムを取り入れたグローバル人材育成体系を確立し,積極的に 取り組んでいる。これまでの一律的な人材育成ではなく,差別化された選択と集中を志向した 人材育成戦略を採っているといえる。 経営環境が変化し,激しい競争が展開されるようになるにつれて,人材育成は企業の競争力 を高めるために不可欠である。人材を育成していくためには,それぞれの企業が求める人材像.

(20) 安. 熙卓. を明確化し,計画的な人材育成の仕組みを整備する必要がある。また,人事処遇面においても 年功序列に関係なく,能力や貢献度を正当に評価し,昇進・賃金等に反映させていく人事シス テムを構築していく必要がある。 人材格差が企業格差を生むといわれる今日,韓国企業の人材育成の取り組みは,今後,これ まで以上に強化されると考えられる。. 注 企業内教育の歴史的変遷については,次の文献に依拠している。①卓熙俊( 訓練に関する研究』国民経済教育研究所,pp. ‐ ,②慎侑根(. ) 『韓国大企業の社内職業. ) 「韓国企業の人的資源管理の評価と. 展望」韓国労働研究院『 世紀韓国の労働』 ,pp. ‐ ,③安熙卓(. ) 「韓国における教育訓練管理の. 歴史と現状⑴」九州産業大学『経営学論集』第 巻第 号,pp. ‐ ,④崔鐘泰( 練管理」佐護譽・安春植『労務管理の日韓比較』有斐閣,pp. ‐ 金星社では日本をはじめとした. カ国に. 。. − ヶ月にわたり派遣を実施した(安春植(. 管理」韓国経営者総協会『労働経済 年史』 ,p. 同上,p.. ) 「韓国の教育・訓 ) 「人事・労務. ) 。. 。. 金在久(. ) 『韓国企業教育・訓練の現況と課題』韓国労働研究院,p. 。. 韓羲泳(. ) 『韓国企業経営の実態』東洋経済新報社,pp. ‐. 。. 克己訓練とは韓国企業独特の研修の一つで挑戦精神の涵養,積極的思考の高揚を目的に軍隊に入って. −. 日の合宿形態で行なわれるものである。 たとえば,金星社の「ビジョン実現の責任を負う管理者育成」 ,三星生命保険の「販売指導力と国際的眼目 を備えた保険人の育成」 ,浦項製鉄の「 世紀先進企業を志向する管理能力の育成」 ,東部製鋼の「経営感覚 で武装した行動型管理者を育成」などである。 (慎侑根( 国労働研究院『. ) 「韓国企業の人的資源管理の評価と展望」韓. 世紀韓国の労働』 ,p. ) 。. 韓国の MBA 課程は全日制の MBA 課程のほかに仕事と学業を併行する夜間 MBA と週末 MBA,. 年間の. MBA があり,同じ会社の社員だけで構成し,別途の MBA 課程を開設する場合もある。詳しくは趙ヨンジュ (. )「MBA の現況と新たな TREND」 」『人事管理』 月号,pp. ‐ 参照。. このようなプログラムとして例えば,三星グループの「 世紀 CEO 課程」,LG グループの「LG 最高経営 者育成課程」,大宇グループの「 世紀経営者育成教育」 ,鮮京グループの「EMD(Executive Management Development)プログラム,浦項製鉄の「IMPAC 海外経営研修課程」などである。 (慎侑根(. ) ,前掲. 論文,p. )。 自己啓発費を支援する企業は %である。自己啓発費の支援方式は毎月一定額限度内で支援するが %で最 も多く,次いで定額制. %,全額支援は %にとどまっている。自己啓発費の支援内容は語学が %で最も. 多く,次いで職務関連教育 %,情報化教育 %の順である。 人当たり,月平均自己啓発費は全体で , ウォンである(韓国職業能力開発院(. ) 『人的資本企業パネル基礎分析報告書』 )。. ブレーディド・ラーニングとは,オンライン上のe‐ラーニングと対面学習や OJT 等のオフライン上での対 面教育を組み合わせて行なう教育方法のことである。 韓国大企業のグローバル競争力の強さについては,深川由紀子(. ) 「日本の国際競争力再構築とグロー. バル人材育成:韓国・中国との競争の観点から」 ,日本国際問題研究所『国際社会における日本の競争力確 保のために必要な政策』同研究所,pp. ‐ 岩渕秀樹(. 参照。. ) 「グローバル人材育成に挑む韓国」日本学生支援機構『留学交流』Vol. , 月号,p. 。.

(21) 韓国企業の人材育成の新たな展開 韓国経営者総協会(. ) 『. 年新入社員採用実態調査』 。. NAFTA(North American Free Trade Agreement)とは,. 年にアメリカ・カナダ・メキシコの. か国. による域内の貿易自由化をめざす北米自由貿易協定のことである。その内容は,関税の引き下げ・撤廃,金 融サービス市場の開放,投資の自由化などが含まれている。 李兌賢(. ) 「サムスン電子のグローバル人材戦略」 『商経学叢』第 巻第 ・ 号,pp. ‐ 引用。. 詳しくは,永井知美 ( 『経営センサ』. 「韓国ライバル企業を追う①―存在感を増す韓国グローバル企業事例①ポスコ―」 ). 月号,東レ経営研究所,永井知美(. ) 「韓国ライバル企業を追う②―存在感を増す韓国. グローバル企業事例②サムスン電子―」 『経営センサ』. 月号,東レ経営研究所,永井知美(. イバル企業を追う―存在感を増す韓国グローバル企業第 レ経営研究所およびみずほ総合研究所( ア・オセアニアインサイト』 月. 回. 現代自動車」 『経営センサ』. ) 「韓国ラ ・. 月号,東. ) 「世界金融危機後の韓国企業躍進の要因を探る」 『みずほアジ. 日参照。. 韓国では,国際化・グローバル時代を迎えて学校教育をはじめ,企業の採用においても語学を重視するよう になった。英語教育に関しては小学校英語教育が. 年から導入された。当初は小学校. 年から週. 時間必. 修教科としての英語教育が実施された。また,韓国では英語教育の一環として英語村が作られている。これ は英語圏「主に米国」の文化を再現した施設の中で,一定期間英語での生活を体験するものである。また, 企業側の採用に関しては,TOEIC といった「スペック」を重視するようになり,大学生は「スペック積み 上げ」に必死であり,留学志向も強い。詳しくは,岩渕秀樹(. ) 『韓国のグローバル人材育成力』 (講談. 社現代新書),講談社。 詳しくは,安熙卓『韓国企業の人的資源管理―その特質と変容―』文真堂, 大韓商工会議所(. 年参照。. ) 『企業の核心人材現況調査』 ,p. 。. 韓素英(. ) 「国内企業核心人材管理実態調査」 『人事管理』 月号,p. 。. 車鐘鍚(. ) 「核心人材の. 韓素英(. ) ,前掲稿,p. 。. つの類型」 『人事管理』 月号,p. 。. 同上,p. 。 大韓商工会議所(. ) 『企業の核心人材現況調査』 ,p. 。. グローバル人材を採用と活用の国によって,. 種類に分けている。すなわち,①広義のグローバル人材を日. 本で採用し海外で活用するアウトバウンド人材,②海外で採用し海外で活用するローカル人材,③国境や国 籍に関係なく適材適所で登用する狭義のグローバル人材である(寺崎文勝( する人事をいかに実現するか」 (第 金範烈(. ) 「グローバル展開に貢献. 回グローバル人事マネジメントの基本) 『労政時報』第. ) 「多国籍職務遂行,グローバル事業遂行を経験させる」韓国人事管理協会(. 号,p. 。 ) 『人事管理』. 月号,p. 。 同上,pp. ‐ 。 白木三秀(. ) 「日本企業のグローバリゼーションと海外派遣者―アジアの現地スタッフによる上司評価. からの検討」『日本労働研究雑誌』No. ,p. 。 産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会(. ) 『報告書∼産学官でグローバル人材の育. 成を∼』,p. 。 産学連携によるグローバル人材育成推進会議(. ) 『産学官によるグローバル人材の育成のための戦略』 ,. p. 。 日本経済団体連合会( 塚崎裕子(. ) 『グローバル人材の育成に向けた提言』 ,p. 。. ) 「グローバル人材の多様性」 『日本労務学会誌』第 巻第 号,p. 。. L社の事例は①韓国人事管理協会(. ) 『コア人材. 事管理』 月号,pp. ‐ ,③韓国人事管理協会( ある。. 彼らは誰なのか』 ,②韓国人事管理協会(. ) 『人. ) 『人事管理』 月号,pp. ‐ に依拠したもので.

(22) 安 韓国人事管理協会(. ) 『コア人材. 熙卓. 彼らは誰なのか』 ,p.. 及び韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』. 月号,p. 。 インセンティブ制度には,Golden. Collar インセンティブと Rインセンティブがある。前者は給与と当該. コア人材の市場価値の違いに対して報償する制度であり,後者は卓越な成果を生み出すコア人材に対して成 果が発生した時点で即時に報償する制度である。 P社の事例は,①韓国人事管理協会(. ) 『HR Best Practice』 ,②韓国人事管理協会『人事管理』. 月号,pp. ‐ ,③韓国人事管理協会『人事管理』 ポスコは,. 年に民営化,. 韓国人事管理協会(. 年. 年 月号,pp. ‐ に依拠したものである。. 年にそれまでの略称であったポスコ(POSCO)へと社名変更した。. ) 『HR Best Practice』同協会,p. 。. つの事例は,安熙卓(. ) 『韓国企業の人的資源管理―その特質と変容―』文真堂,pp. ‐. を加筆. したものである。 H社の事例は,李成植(. ) 「グローバル人材育成は徹底した未来リーダー育成のための選抜教育」韓国. 人事管理協会『人事管理』 月号,pp. ‐ に依拠したものである。 同上,p. 。 S社の事例は,①安熙卓・張相秀( 巻第 号,pp. ‐ ,②安承俊(. ) 「サムスンの人材経営とグローバル人材育成」 『経営学論集』第 ) 「グローバルスタンダードで働き,新たなグローバル経営の標準を. 提示できる力量を向上させる」韓国人事管理協会『人事管理』 月号,pp. ‐ に依拠したものである。 安熙卓・張相秀(. ) ,前掲論文,p. 。. 詳しくは,同上,pp. ‐ 参照。 地域専門家制度は,今日のサムスングループのグローバル経営化とグローバル市場における高い業績を実現 したのに大きく貢献したと言われている。それは現在の李健熙会長兼 CEO のグローバル経営に対する高い 志と情熱の産物ともいえる(安熙卓・張相秀( 李美善(. ) ,前掲論文,p. 。. 参 安熙卓( 安熙卓(. ) ,前掲論文,p. ) 。. 考. 文. 献. )『韓国企業の人的資源管理―その特質と変容―』文真堂。 ) 「韓国における教育訓練管理の歴史と現状⑴」九州産業大学『経営学論集』第 巻第 号,pp. ‐. 。 安熙卓(. )「韓国における教育訓練管理の歴史と現状⑵」九州産業大学『経営学論集』第 巻第 号,pp. ‐. 。 安熙卓(. )「韓国における産業構造の変化と知識人材」福谷正信編『アジア企業の人材開発』学文社,pp. ‐. 。 安熙卓・張相秀(. ) 「サムスンの人材経営とグローバル人材育成」 『経営学論集』第 巻第. 号,. 年,. pp.‐ 。 安春植( 李美善(. )「人事・労務管理」韓国経営者総協会『労働経済 年史』 ,pp. ‐. 。. )「サンスン電子の「新経営」の展開―ブランド戦略と人材戦略を中心に―」 『名城論叢』 ,pp. ‐. 。 李兌賢( 岩渕秀樹( 片山修(. ) 「サムスン電子のグローバル人材戦略」 『商経学叢』第 巻第 ・ 号,pp. ‐ 。 )『韓国のグローバル人材育成力』講談社。 )『サムスンの戦略的マネジメント』PHP ビジネス新書,PHP 研究所。. 韓国経営者総協会(. ) 『. 年新入社員採用実態調査』 。. 韓国人事管理協会(. ) 『コア人材,彼らは誰なのか』 。. 韓国人事管理協会(. ) 『HR Best Practice』 。.

(23) 韓国企業の人材育成の新たな展開 韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』. 月号。. 韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』. 月号。. 韓国人事管理協会(. ) 『人事管理』 月号。. 韓国職業能力開発院(. ) 『人的資本企業パネル基礎分析報告書』 。. 金在久(. )『韓国企業教育・訓練の現況と課題』韓国労働研究院。. 金範烈(. )「多国籍職務遂行,グローバル事業遂行を経験させる」 『人事管理』. 佐護譽・安春植(. 月号。. ) 『労務管理の日韓比較』有斐閣。. 産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会(. ) 『報告書∼産学官でグローバル人材の育成. を∼』。 産学連携によるグローバル人材育成推進会議( 車鐘鍚(. )「核心人材の. 車鐘鍚・朴衡根・鄭玄澤( 白木三秀(. )『産学官によるグローバル人材の育成のための戦略』 。. つの類型」 『人事管理』. 月号。. ) 『成功企業に導く韓国型人材経営』ネクサス BIZ。. ) 「日本企業のグローバリゼーションと海外派遣者―アジアの現地スタッフによる上司評価か. らの検討」『日本労働研究雑誌』No. ,pp. ‐ 。 慎侑根(. )「韓国企業の人的資源管理の評価と展望」韓国労働研究院『 世紀韓国の労働』 。. 全国ビジネス系大学教育会議編( 大韓商工会議所( 卓熙俊(. ) 『グローバル人材を育てます』学文社。. ) 『企業の核心人材現況調査』 。. )『韓国大企業の社内職業訓練に関する研究』国民経済教育研究所。. 張相秀・安熙卓(. ) 「サムスンのグローバル人材の育成」全国ビジネス系大学教育会議編『グローバル人. 材を育てます』学文社,pp. ‐ 崔鐘泰(. 。. )「韓国の教育・訓練管理」佐護譽・安春植『労務管理の日韓比較』有斐閣。. 塚崎裕子(. )「グローバル人材の多様性」 『日本労務学会誌』第 巻第 号,pp. ‐ 。. 寺崎文勝(. )「グローバル展開に貢献する人事をいかに実現するか」 (第. の基本)『労政時報』第 永井知美(. 回グローバル人事マネジメント. 号,pp. ‐ 。. ) 「韓国ライバル企業を追う①―存在感を増す韓国グローバル企業事例①ポスコ―」 『経営セン. サ』 月号,東レ経営研究所,pp. ‐ 。 永井知美(. )「韓国ライバル企業を追う②―存在感を増す韓国グローバル企業事例②サムスン電子―」 『経. 営センサ』 月号,東レ経営研究所,pp. ‐ 。 永井知美(. )「韓国ライバル企業を追う―存在感を増す韓国グローバル企業第. 回. 現代自動車」 『経営セ. ンサ』 ・ 月号,東レ経営研究所,pp. ‐ 。 日本経済団体連合会(. ) 『グローバル人材の育成に向けた提言』 。. 韓羲泳(. )『韓国企業経営の実態』東洋経済新報社。. 韓素英(. ) 「国内企業核心人材管理実態調査」 『人事管理』. 深川由紀子(. 月号。. ) 「日本の国際競争力再構築とグローバル人材育成:韓国・中国との競争の観点から」 ,日本. 国際問題研究所『国際社会における日本の競争力確保のために必要な政策』同研究所,pp. ‐ 福谷正信編(. みずほ総合研究所( イト』. 月. 。. ) 『アジア企業の人材開発』学文社。 日。. ) 「世界金融危機後の韓国企業躍進の要因を探る」 『みずほアジア・オセアニアインサ.

(24)

図表 企業内教育パラダイムの変化 従来型教育訓練 これからの教育訓練 学習の概念 Training(注入式教育) Learning(問題解決型実践教育) 学習の主体 会社主導型 個人・現場主導型 教育の対象 全員義務教育 コア人材中心(選択と集中) 学習の形態 テキスト教材中心の講師主導型 集合教育 IT 技術を利用した e-Learning ( : マッチング型及びマルチメディア 教育) 出所:車鍾錫・朴衡根・鄭玄澤( )『成功企業に導く韓国型人材経営』ネクサス BIZ,p. 。.企業内教育の転換期(年代

参照

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