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産業用熱源システムにおける高効率化技術に関する研究 [ PDF

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(1)産業用熱源システムにおける高効率化技術に関する研究 岡部洋一 冷却塔. 1.はじめに 熱源システムの省エネルギーに関する研究のうち、産業. 連結管. 用熱源システムが対象となることは非常に稀なことであ った。本研究ではこの産業用熱源システムに導入された高 効率化技術の有効性を、実測データを基にしたシミュレー. ターボ冷凍機. ションにより明らかにすることを目的とする。 2.システム概要. フリークーリング用HEX 追掛用HEX. 対象建物はソニーセミコンダクタ九州株式会社熊本テ. 放熱用HEX. クノロジーセンター(以下、熊本 TEC )で、2002 年 4 月. スクリュー冷凍機. に本格操業を控えた半導体工場の産業用施設である。熱源. 図1. システム系統図. 氷蓄熱槽. センターは 2001 年 9 月末(一部 10 月末)に竣工し、生 産棟とは別棟になっている。図 1 にシステム系統図を、表. 表1 機器名称 ターボ冷凍機. 1 に機器表を示す。. スクリュー冷凍機 氷蓄熱槽 12セル系統 冷却塔 21セル系統 冷水フリークーリング用 熱交換器 放熱用 追掛用 1.4MWターボ冷凍機用 4.2MWターボ冷凍機用 冷水ポンプ 2次側供給設備用 冷水フリークーリング用 放熱用 1.4MWターボ冷凍機用 4.2MWターボ冷凍機用 冷却水ポンプ スクリュー冷凍機用 冷水フリークーリング用 スクリュー冷凍機用 ブラインポンプ 放熱用. 3.高効率化技術 熊本 TEC に導入された高効率化技術について、以下に 解説する。 3.1. 統合型冷却塔. 通常、熱源と冷却塔は 1 対 1 の関係であるが、本システ ムでは全ての冷却水系統を統合し、外気冷却限界までの低 温冷却水を製造することを目的とし、統合型冷却塔を導入 した。冷却塔は 3 系統に分かれ、連結管により冷却水を共 有する。図 2 にターボ冷凍機とスクリュー冷凍機の、冷却. 機器表 能力 1.4 MW 4.2 MW 0.8 MW 28.5 MJ 9.0 MW 18.0 MW 1.8 MW 2.6 MW 2.3 MW 152 m3/h 3 454 m /h 3 567 m /h 303 m3/h 3 152 m /h 3 285 m /h 852 m3/h 3 176 m /h 3 433 m /h 3 250 m /h 334 m3/h. 入力(kW) 250 728 220 66 132. 22 37 110 19 22 45 132 26 45 37 75. 台数 2 6 2 2 2 1 1 1 1 2 6 6 1 1 2 6 2 1 2 1. 10 ブライン5℃. 水温度と COP の関係を示す(スクリュー冷凍機はブライ. 9. ン製造温度別に示す)。ターボ冷凍機、スクリュー冷凍機 COP. の冷却水入口温度下限値はそれぞれ 18℃、13℃であり、. ブライン−8℃. 7. ターボ冷凍機. 6. 低温冷却水を用いるほど高効率であることが分かる。. 5. 3.2. 4. 冷水フリークーリング. ブライン−5℃. 8. 3. 2 次側冷水が熱源に入る前にフリークーリング用熱交換. 2 10. 器を介して統合型冷却塔で製造した低温冷却水と熱交換. 15. 20. 25. 30. 35. 冷却水入口温度(℃). を行なう。従来型熱源システムでフリークーリングを行な. 図2. 冷却水温度と COP の関係. う場合、フリークーリング用冷却塔を熱源用とは別に設置. 3.4. する必要があったが、本システムでは冷却水系統を全体統. ターボ冷凍機が複数台運転している場合、1 台をベース 機とし、それ以外の冷凍機の冷水出口温度をベース機の冷. 合しているのでその必要がない。 3.3. ベース機容量制御. 水出口温度より 1℃低い値に設定し運転を行なう。また、 ターボ冷凍機で処理する負荷を全ての冷凍機で等分する. 追掛運転. 本熱源システムではターボ冷凍機とスクリュー冷凍機 の 2 種類の冷熱源を採用しており、通常、ターボ冷凍機は. のではなく、ベース機以外の冷凍機でまず処理を行ない. 夜間の氷蓄熱運転に用いられる。しかし、図 2 に示すよう. (全負荷運転)、残りの負荷をベース機で処理する。この. に冷却水水入口温度下限値が冷凍機によって異なり、それ. 方法により、システム全体の部分負荷率向上を図る。. に伴い COP も変化する。そこで冷却水温度が 18℃以下で、. 3.5. 季節別冷水送水温度変更. かつスクリュー冷凍機で 5℃ブラインを製造し、追掛用熱. 季節により冷水送水温度を変更し、それに伴いターボ冷. 交換器を介して冷水と熱交換を行なう方が、ターボ冷凍機. 凍機(ベース機)冷水出口温度の設定値を、除湿運転が必. で直接 7℃冷水を作るよりも高効率となる場合、スクリュ. 要な夏季は 7℃に、除湿運転を必要としないそれ以外の季. ー冷凍機による追掛運転を行なう。. 節は 9℃に変更し、運転する。. 38-1.

(2) 料金が適用される。そのため、平日は 22 時∼翌朝 8 時ま. 行なうことで蓄熱槽内ブライン温度を−8℃まで冷却する。. 6 12 18 0 11月12日(月). 6 12 18 0 11月13日(火). 図3. 通常蓄熱運転に比べ、蓄熱時間の延長により氷蓄熱槽の蓄. 冷水入口温度 冷水出口温度. 30. 1000. 600. 800. 500. 流量[m 3/h]. 温度[℃]. 200 6 12 18 0 6 12 18 11月12日(月) 11月13日(火). 30. 放熱時間帯に常に放熱させる運転方法である。また、ター. 6 12 18 11月14日(水). 0 0. 熱源本体電力 ポンプ電力. 20. 1000. 600. 800. 500. 600. 400. 3. 温度[℃]. 200. 4 号ターボ冷凍機廻り. 冷却水入口温度 冷却水出口温度. 冷却水流量. 時の 2 次側への冷水送水温度安定化を図る目的として、タ. 300. 0. 流量[m /h]. 図4. 冷水入口温度 冷水出口温度. 0. 400. 100. 冷水流量. 高負荷放熱運転は、夏季の電力ピークシフトを目的とし、. 400. 10. ーボ冷凍機の増・減段によって生じる部分負荷を氷蓄熱槽. 6 12 18 11月12日(月). 図5. ピーク時間帯を含めたその前後の時間とする。 低負荷放熱運転は、中間季・冬季の比較的低負荷時に対. ブライン入口温度 ブライン出口温度. 30. 応する運転方法である。放熱時間帯において、氷蓄熱槽か. 0. 6 12 18 11月13日(火). 0. 300 200. 200. 100. 0. 0. 500. 200. 冷水流量. 0 0. からの放熱でまかなう、可変放熱を行なう。放熱時間帯は、. 6 12 18 0 11月14日(水). 5 号ターボ冷凍機廻り 冷却水入口温度 冷却水出口温度. 熱源本体電力 ポンプ電力. ブライン流量. 流量[m3/h]. 冷却水流量. 200. 0 0. 2 次側冷水送水温度の安定化を図るため、冷水 2 次ポン. 6 1 2 18 11月12日(月). 図6. プ、冷却塔、ターボ冷凍機の台数制御を行なう。以下に、. 30. 制御方法の概略を示す。. 0. 6 12 18 11 月1 3日(火). 0. 0 6 12 18 0 1 1月14 日(水). 冷却水入口温度 冷却水出口温度. 熱源本体電力 ポンプ電力. 500. 温度[ ℃]. 10. 300 冷却水流量. 200. 0 -10. 流れた場合、冷水 2 次ポンプを 1 台増台(減台)する。増. 0. 100 6 12 18 11月 12日 (月). 図7. 台(減台)後、効果待ちタイマー時間以上経過するまで増 減台は行なわない。. 30. 3.8.2. 20 温度[ ℃]. 冷却塔. 冷却水流量により系統の、冷却水温度によりファンの台 数制御を行なう。冷却塔冷却水出口温度下限値は、冷水フ. ブライン高温側温度 ブライン低温側温度. 0. 6 12 18 11月 13日 (火 ). 0. 6 12 18 1 1月 14日 ( 水). 放熱用ポンプ電力. 蓄熱量. それ以下になると順次ファンを停止する。. 0. 50 0. 100. 80. 80. 20 6 12 18 1 1月1 2日 (月). 100. 100. 40. 0. 図8. ターボ冷凍機. 0 0. 60. 10. -10. 150. 2 号スクリュー冷凍機廻り. 0. リークーリング使用時は 13℃、未使用時は 2℃に設定し、. 200. 400. 20. 2 次側冷水流量により冷水 2 次ポンプ 6 台の台数制御を 行なう。増台(減台)流量以上の冷水がある一定時間以上. 0. 1 号スクリュー冷凍機廻り. ブライン入口温度 ブライン出口温度 ブライン流量. 冷水 2 次ポンプ. 50. 電力[kW]. -10. 台数制御. 100. 100. 3. とし、この間に一定の割合で熱量を 2 次側へと供給する。. 150. 6 12 18 0 11月 13日 (火 ). 6 12 18 11 14 日( 水 ). 0 0. 60 40. 電力[kW]. 10. 流量[m /h]. 温度[℃]. 運転を行なう。放熱時間帯は、8 時∼22 時までの 14 時間. 300. 電力[kW]. 400. 20. らの放熱をターボ冷凍機台数制御のベースに組み入れた. 3.8.3. 0. 400. 類がある。. 3.8.1. 50. 0. 600. 10. 放熱運転には、高負荷放熱運転と低負荷放熱運転の 2 種. 3.8. 熱源本体電力 ポンプ電力. 20. 0 0. 100. 1000 6 12 18 0 11月14日(水). 冷却水流量. 放熱運転方法の変更. 150. 冷却塔廻り. 冷却水入口温度 冷却水出口温度. 熱容量が増加し、電力夜間移行率の向上が可能となる。ま. ボ冷凍機部分負荷運転防止による高効率化、及び増・減段. 200. 3. 0 0. 却するのに対し、休日は 20 時∼翌朝 8 時の過蓄熱運転を. 3.7. 250. 2000. 10 冷却水流量. されることもあり、蓄熱運転を行なわない。. 300. 4000 3000. での通常蓄熱運転で蓄熱槽内ブライン温度を−5℃まで冷. た休日前日は、休日の使用電力に全て夜間電力料金が適用. 5000. 電力[kW]. 20. 温度[℃]. 力料金のうち、休日に使用する分に関しては全て夜間電力. 冷却塔ファン電力. 電力[kW]. 電力会社との契約形態により、本システムで使用する電. 電力[kW]. 冷却水入口温度 冷却水出口温度. 30. 流量[m /h]. 過蓄熱運転. 残蓄熱量[GJ]. 3.6. 20 0. 月. 氷蓄熱槽廻り. 8 台の冷凍機は冷水流量により、0、50、100%の 3 段. おり、スクリュー冷凍機は 11 日(日)から 12 日(月)に. 階制御を行なうため、実質 16 段階の増・減段制御となる。. かけて可蓄熱運転を、それ以外の日は通常蓄熱運転を行な. 通常は 2 次側負荷により増・減段判断を行なうが、負荷の. っていた。昼間は氷蓄熱槽からの低負荷放熱運転が行なわ. 急激な変化によっては台数制御が追従できない可能性が. れていたが、追掛運転、冷水フリークーリングは行なわれ. あるので、冷水温度による強制増段、強制減段も行なう。. ていない。熱源ポンプ電力は冷水ポンプと冷却水ポンプ電. 4.運転実績. 力の、放熱用ポンプ電力は氷蓄熱槽関連の冷水ポンプとブ. 11 月 12 日∼14 日までの運転実績結果を図 3∼図 8 に示 す。実測期間中、ターボ冷凍機は 4 号、5 号機が運転して. ラインポンプ電力の、それぞれの合計値である。. 38-2. 表 2 に実測期間中のシステム COP と各熱源 COP の、.

(3) 表2 システム 定格値1 定格値2 実測値 部分負荷率. 2.97 2.76 -. COP 比較. ターボ冷凍機 4号機 5号機 5.99 8.00 5.47 4.39 40% 37%. 各サブシステムモデルで計算した結果を、当該時刻結果. スクリュー冷凍機 1号機 2号機 3.04 5.88 5.81 5.82 105% 104%. として出力する。主な出力項目は熱源電力、ポンプ電力、 ファン電力とする。 START 月ループ. (注)定格値 1 熱源冷却水入口温度が 32℃の場合 定格値 2 熱源冷却水入口温度が実測値と同じ場合 冷凍能力[kW]. 日ループ. システム消費電力[kW]. 時間ループ. システム COP=. ※システム消費電力[kW]. 分ループ. =∑消費電力(各冷凍機、各ポンプ、冷却塔ファン). それぞれの定格値と実測値の比較、及びその時における各. 2次側負荷、外気条件読込み. 熱源機器の部分負荷率を示す。ターボ冷凍機は部分負荷率. 前時刻冷却水温度より 熱源の能力、入力計算. が低かったため定格値 2 の値に比べ COP は低下している. 前時刻冷却水温度及び時刻より 氷蓄熱槽運転方法決定. が、定格値 1 の値は実現できた。スクリュー冷凍機は全負 荷運転が実現できたため、ほぼ定格値 2 の COP を達成す. 蓄熱運転. ることができた。. スクリュー冷凍機 冷却水出口温度、流量決定. 計算モデル. 氷蓄熱槽廻りエネルギー消費量計算. 導入した高効率化技術の有効性を検証するため、2 次側 負荷と外気条件(温度、湿度)を入力とし、エネルギー消. 氷蓄熱槽廻り 2次側負荷と氷蓄熱槽廻りで処理する負荷の差から ターボ冷凍機運転台数決定. 費量を計算するシミュレーションモデルの構築を行なう。. ターボ冷凍機冷水出口温度、流量 及び冷却水出口温度、流量決定. 計算時間短縮のため収束計算は行なわず、前時刻データを. ターボ冷凍機廻りエネルギー消費量計算 ターボ冷凍機廻り 熱源機器廻り. 基に現時刻の計算を行なう。各種パラメータは実際の機器 の値を使用する。図 9 にシミュレーションフローを示し、. 冷却水流量より冷却塔系統運転台数決定 前時刻冷却水出口温度より冷却塔ファン運転台数決定. 以下に各サブシステムモデルについて説明する。 5.1.1. 放熱運転. 各熱交換器 冷水出口温度、流量決定. 5.シミュレーションによる高効率化技術の検証 5.1. 追掛運転. 氷蓄熱槽廻りで処理する負荷決定. 冷却塔出口温度決定. 熱源機器廻り. 冷却塔廻りエネルギー消費量計算 冷却塔廻り. 前時刻の冷却水温度と時刻から、氷蓄熱槽廻りの運転方. 当該時刻結果の出力. 法とその時に処理する負荷を決定する。その後、氷蓄熱槽 廻りで処理しきれなかった負荷から、ターボ冷凍機の運転. END. 台数を決定する。 5.1.2. 図9. 氷蓄熱槽廻り. 5.2. シミュレーションフロー. 計算条件. 導入した高効率化技術毎に 7 つの CASE を想定し、そ. 熱源機器廻りで決定した運転方法に沿って運転し、当該. れぞれについて計算を行なう。入力項目のうち 2 次側負荷. 時刻の氷蓄熱槽廻りエネルギー消費量を計算する。 今回氷蓄熱槽に関してはモデル化を行なわず、運転方法. は 2002 年システム実装時の想定負荷を、外気条件は熊本. 毎にきまったデータのやり取りを行なう。蓄熱運転時は、. 市の標準気象データを用いる。CASE 毎の説明を以下に示. スクリュー冷凍機ブライン入口温度を 0℃とし、−5℃ま で冷却する。放熱運転時は氷蓄熱槽から 0℃のブラインを. し、表 3 に想定 CASE 一覧を示す(太字で示した部分が CASE1 と比べ高効率化技術を導入した部分)。. 取り出し、放熱用熱交換器で 2 次側冷水と熱交換を行なう。 以上の行為を運転時間中、継続して行なう。. CASE1 は従来型熱源システムを想定した。冷凍機と冷 却塔は1対1の関係で、冷却水温度設定値を 32℃とし、. 5.1.3. それ以下になる場合はファンを停止する。フリークーリン. ターボ冷凍機廻り. 熱源機器廻りで決定した運転台数に沿って運転し、当該. グ、追掛運転は行なわない。ターボ冷凍機は、冷却水入口 温度 32℃で COP4.5 となる通常型ターボ冷凍機を用い、. 時刻のターボ冷凍機廻りエネルギー消費量を計算する。 ターボ冷凍機は運転する機器により冷水出口温度・流量、. 季節別に冷水出口温度設定値の変更は行なわず、常にベー. 冷却水流量が決まっており、処理する負荷により冷水出口. ス機 7℃、それ以外の冷凍機 6℃で運転する。また、運転. 温度を、前時刻冷却水入口温度と凝縮機処理熱量より冷却. している全てのターボ冷凍機で同じ負荷を処理する。. 水出口温度を計算する。. CASE2 は統合型冷却塔を採用した。現在のシステムと 同様の統合型冷却塔を用い、外気冷却限界までの低温冷却. 5.1.4. 冷却塔廻り. 熱源機器廻りで決定した冷却水流量から冷却塔系統運. 水を製造する。. 決定し、外気条件より冷却塔冷却水出口温度を計算し、当. CASE3 では冷水フリークーリングを許可する。冷却水 温度が 11℃以下になる場合、冷水フリークーリング用熱. 該時刻の冷却塔廻りエネルギー消費量を計算する。. 交換器を介して 2 次側冷水と冷却水の熱交換を行なう。. 転台数を、前時刻冷却水温度から冷却塔ファン運転台数を. 5.1.5. CASE4 では高効率ターボ冷凍機を用いる。冷却水温度. 結果の出力. 38-3.

(4) が 32℃で COP6.0 となる高効率ターボ冷凍機を用いる。. ×10TWh/年. CASE5 では追掛運転を許可する。冷却水温度が 18℃以 下になる場合、追掛用熱交換器を介して、スクリュー冷凍. 4. 機で製造した 5℃のブラインと冷水の熱交換を行なう。. 3. CASE6 では季節別に冷水出口温度設定値の変更を行な. 2.5. う。ベース機の冷水出口温度を、4 月∼10 月は 7℃に、そ れ以外の月は 9℃に設定する。. 2 1.5. CASE7 ではベース機のみを容量制御させる。ターボ冷. 1. 凍機で処理する負荷のうち、ベース機以外の冷凍機は全負. 0.5. 荷運転させ、ベース機のみを部分負荷運転させる。 5.3. 熱源エネルギー消費量 ポンプエネルギー消費量 ファンエネルギー消費量. 3.5. 0. 計算結果. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7. 図 10、表 4 に CASE 毎の計算結果を示す。CASE2 の統. 図 10. 計算結果. 合型冷却塔、CASE4 の高効率ターボ冷凍機を用いた場合. 表4. 計算結果. の年間エネルギー削減量は、システム全体で CASE1 に比. 電力. べそれぞれ高い値を示しているが、一方 CASE3 の冷水フ. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7. リークーリング、CASE5 の追掛運転を行なった場合の削 減効果はほとんど得ることができなかった。 CASE3 の冷水フリークーリングに関しては、フリーク ーリング用熱交換器の冷水ポンプ容量が全体冷水流量に. 35114942 28440172 28349947 24062651 24230987 23728685 23204730 電力. 比べ小さかったことと、熱源冷水入口温度が下がったにも. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7. かかわらず出口温度を一定に制御したことで、熱源の部分 負荷率が低くなったためである。この対策として、熱源冷 水入口温度が下がった分だけ出口温度を下げ、2 次側供給 設備で設定送水温度に制御する方法が考えられる。この方. 25847496 17359613 17220270 12932590 13271102 12673356 12147968 電力. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7. 法を用いると、熱源の部分負荷率を高い状態で維持するこ とが可能となる。 CASE5 の追掛運転に関しては、追掛用熱交換器の冷水 ポンプ容量が全体流量に比べ小さかったことと、追掛運転. 8912541 8912541 8961659 8962040 8911871 9012861 9013369 電力. 表3. 想定 CASE 一覧. スクリュー冷凍機を用いた、夜間蓄熱運転を行なう 蓄熱運転は全て通常蓄熱運転とし、過蓄熱運転は行なわない 個別冷却塔方式とし、冷却水出口設定温度を32℃とする フリークーリングを行なわない 通常型ターボ冷凍機を用いる 従来型運転 追掛運転を行なわない ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値をベース機7℃、それ以外の機6℃ 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る フリークーリングを行なわない 通常型ターボ冷凍機を用いる 統合型冷却塔 追掛運転を行なわない ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値をベース機7℃、それ以外の機6℃ 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る 冷却塔冷却水出口温度により、フリークーリングを許可する 通常型ターボ冷凍機を用いる 冷水フリークーリング 追掛運転を行なわない ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値をベース機7℃、それ以外の機6℃ 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る 冷却塔冷却水出口温度により、フリークーリングを許可する 32℃冷却水利用時COP6.0の高効率ターボ冷凍機を使用 高効率ターボ 追掛運転を行なわない ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値をベース機7℃、それ以外の機6℃ 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る 冷却塔冷却水出口温度により、フリークーリングを許可する 32℃冷却水利用時COP6.0の高効率ターボ冷凍機を使用 追掛運転 冷却水出口温度により、スクリュー冷凍機の追掛運転を許可する ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値をベース機7℃、それ以外の機6℃ 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る 冷却塔冷却水出口温度により、フリークーリングを許可する 32℃冷却水利用時COP6.0の高効率ターボ冷凍機を使用 冷却水出口温度により、スクリュー冷凍機の追掛運転を許可する 冷水送水温度 ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値を 4∼10月 :ベース機7℃、それ以外の機6℃に設定 11∼3月 :ベース機9℃、それ以外の機8℃に設定 2次側負荷を全ての冷凍機で比例配分する(部分負荷運転許可) 冷却塔を統合し、送水温度限界までの低温冷却水を作る 冷却塔冷却水出口温度により、フリークーリングを許可する 32℃冷却水利用時COP6.0の高効率ターボ冷凍機を使用 冷却水出口温度により、スクリュー冷凍機の追掛運転を許可する ベース機容量制御 ターボ冷凍機の冷水出口温度設定値を 4∼10月 :ベース機7℃、それ以外の機6℃に設定 11∼3月 :ベース機9℃、それ以外の機8℃に設定 2次側負荷をベース機以外でまず処理をし(全負荷運転)、 残りの負荷をベース機で処理する(部分負荷運転). CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7. 共通項目. CASE1. CASE2. CASE3. CASE4. CASE5. CASE6. CASE7. 354902 2168018 2168018 2168018 2048013 2042469 2043393. システム全体 削減率(%) 前CASE比 CASE1比 19.01 0.32 15.12 - 0.70 2.07 2.21. 19.01 19.27 31.47 31.00 32.43 33.92. 熱源 削減率(%) 前CASE比 CASE1比 32.84 0.80 24.90 - 2.62 4.50 4.15. 32.84 33.38 49.97 48.66 50.97 53.00. ポンプ 削減率(%) 前CASE比 CASE1比 0.00 - 0.55 0.00 0.56 - 1.13 - 0.01. 3.57 4.41 4.43 5.21 5.18 5.29 5.41 COP 4.89 7.27 7.25 9.66 9.07 9.97 10.40 COP. 0.00 - 0.55 - 0.56 0.01 - 1.13 - 1.13. ファン 削減率(%) 前CASE比 CASE1比 - 510.88 0.00 0.00 5.54 0.27 - 0.05. COP. COP. - 510.88 - 510.88 - 510.88 - 477.06 - 475.50 - 475.76. を許可する冷却水温度が高すぎたことが挙げられる。現在 追掛運転を許可する冷却水温度を 18℃に設定しているが、 この温度ではターボ冷凍機で 7℃冷水を作る方が高効率 となる。今後追掛運転を行なう冷却水温度の検討が必要で ある。 6.おわりに 本研究では産業用熱源システムに導入された高効率化 技術の有効性を、実測データを基にしたシミュレーション により検証した。実測においては、統合型冷却塔による低 温冷却水を利用した効果が確認でき、またシミュレーショ ンにおいて従来型熱源システムと比較した場合でも、統合 型冷却塔を用いた CASE2 が、エネルギー削減効果が一番 大きくなった。しかし、冷水フリークーリング、追掛運転 を行なった効果はほとんど得ることができなかった。 今後氷蓄熱槽廻りのモデル化を行なうと同時に、更なる 高効率化を目指したシステムの運用方法の検討を行なう。. 38-4.

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