確率・統計,確率
1
期末試験
(2012
年度)
森 真 1. X と Y は独立でともに指数分布 Exp(λ) にしたがう (λ > 0),すなわ ち,密度関数が λe−λx (x > 0) であるものとする.このとき,Z = max{X, Y } とおくとき (a) Z の密度関数 fZを求めてください. (b) Z のモーメント母関数を求めてください. (c) E(Z) を求めてください. 解 (a) FZ(z) = P (Z≤ z) = P (X ≤ z, Y ≤ z) = P (X ≤ z) × P (Y ≤ z) より fZ(z) = 2λ(e−λx− e−2λx) (b) MZ(t) = 2λ2 (λ− t)(2λ − t) (t < 0) (c) E(Z) = MZ′(0) = 2λ3 2. 硬貨投げで表と裏が確率 50%ででるものを考える.表が出たときは, [0, 1] の一様分布にしたがう試行,裏が出たときには [0, 2] の一様分布に したがう試行を行うとする.この確率変数を X とするとき, (a) X の分布関数を求めてください. (b) X の密度関数を求めてください. (c) X の期待値と分散を求めてください. 解 硬貨投げを Y ,[0, 1] の一様分布を Z1, [0, 2] の一様分布を Z2と表す. (a) x < 0 のとき FX(x) = P (X≤ x) = 0 (b) 0≤ x < 1 のとき FX(x) = P (Y = 1, Z1< x) + P (Y = 0, Z2< x) = x 2 + x 4 = 3x 4 (c) 1≤ x < 2 のとき FX(x) = P (Y = 1, Z1< x) + P (Y = 0, Z2< x) = 1 2+ x 4(d) x≥ 2 のとき, FX(x) = 1 fX(x) = 0 0≤ x < 1 3 4 0≤ x < 1 1 4 1≤ x < 2 0 x≥ 2 E(X) = 3 4 V (X) = 5 6 − ( 3 4 )2 = 13 48 3. X1, X2, . . . , Xn が Exp(1) にしたがい,独立とする.このとき, ¯X = X1+···+Xn n が確率 95%でとる範囲を (a, b) とするとき,b− a < 1 10とな るには n をいくつ以上にとればよいか. 解 Exp(1) の期待値は 1,分散も 1 であるので,n が十分大きければ ¯ X√−n n は N(0, 1) にしたがうとみなしてよい.したがって, −2 < ∑n i=1Xi− n √ n < 2 の確率が 95%である.これより −√2 n < ¯X− 1 < 2 √ n の確率が 95%である.したがって 4 √ n < 1 10 を解いて,n > 1601 もちろん,2 ではなくて, 1.96 を用いてくれればその方が正確です. その場合,1537 になります. 4. 毎年,M 先生は平均 55 点になるように問題を作っている.ところが, 今年は,50 人の学生に対して,平均が 48 点で,標準偏差が 20 点であっ た.今年の学生は勉強をしなかったのか,以下の問いに答えてください. (a) 帰無仮説を述べてください (授業中に言ったように,これが誤りだ と単位はでません) (b) 確率変数は何を考えればよいか
(c) 中心極限定理をどのように適用すればよいか (d) 有意水準 5% で検定してください. 解 (a) 解答例:通常通り勉強をしたし,問題もいつもの難易度であった. つまり,母平均 m = 55 (b) Xiは i 番目の学生の点数 (c) √X¯−m v/nは正規分布 N(0, 1) にしたがうと考えてよい.したがって, P ( ¯ X− m √ v/n >−1.645) + 0.95 つまり,確率 95% で, 平均点は 55− 1.645 ×√ v 100以上である.こ こで, v+ s2= 100 99 × 20 2= 404.04 これより,平均点は 51.7 以上が信頼区間である.したがって,帰 無仮説は棄却される. このことから,学生さんが勉強をしなかったという結論を出して もいいのでしょうか.確かに帰無仮説は棄却されたのだから,平 均点は下がったと考えてもよさそうですが,その原因を学生の勉 強不足に結びつけるのは総計かもしれませんね.そんなことが書 いてある答案があったら嬉しいなと思って問題にしました.
確率・統計,確率
1
中間試験
(2012
年度)
森 真 1. 確率変数 X, Y の確率分布が X\Y 1 0 1 p q 0 r 0.3 で与えられていて,E(X) = 0.6, E(Y ) = 0.2 とする.このとき,p, q, r を求めてください.X と Y は独立ですか.理由をつけて述べてくだ さい. 解 X\Y 1 0 1 0.1 0.5 0 0.1 0.3 2. X と Y は独立でともに指数分布 Exp(λ) にしたがう (λ > 0),すなわ ち,密度関数が λe−λx (x > 0) であるものとする.このとき,Z = max{X, Y } とおくとき (a) Z の密度関数 fZを求めてください. (b) Z のモーメント母関数を求めてください. (c) E(Z) を求めてください. 解 (a) FZ(z) = P (Z≤ z) = P (X ≤ z, Y ≤ z) = P (X ≤ z) × P (Y ≤ z) より fZ(x) = 2λ(e−λx− e−2λx) (b) MZ(t) = 2λ2 (λ− t)(2λ − t) (t < λ) (c) E(Z) = MZ′(0) = 2λ3 3. 硬貨投げで表と裏が確率 50%ででるものを考える.表が出たときは, [0, 1] の一様分布にしたがう試行,裏が出たときには [0, 2] の一様分布に したがう試行を行うとする.この確率変数を X とするとき, (a) X の分布関数を求めてください.(b) X の密度関数を求めてください. (c) X の期待値と分散を求めてください. 解 硬貨投げを Y ,[0, 1] の一様分布を Z1, [0, 2] の一様分布を Z2と表す. (a) x < 0 のとき FX(x) = P (X≤ x) = 0 (b) 0≤ x < 1 のとき FX(x) = P (Y = 1, Z1< x) + P (Y = 0, Z2< x) = x 2 + x 4 = 3x 4 (c) 1≤ x < 2 のとき FX(x) = P (Y = 1, Z1< x) + P (Y = 0, Z2< x) = 1 2+ x 4 (d) x≥ 2 のとき, FX(x) = 1 fX(x) = 0 0≤ x < 1 3 4 0≤ x < 1 1 4 1≤ x < 2 0 x≥ 2 E(X) = 3 4 V (X) = 5 6 − ( 3 4 )2 = 13 48 4. D ={(x, y): x ≥ 0, y ≥ 0, x + y ≤ 1} とする.この上の確率変数 X と Y の同時密度関数 f(X,Y )(x, y) = Cxy + Dx2 の形をしている.E(X) = 1 2のとき, (a) C と D を求めてください. (b) X の密度関数 fXと Y の密度関数 fY を求めてください. (c) X と Y は独立ですか.根拠を述べてください. (d) V (X), E(Y ), V (Y ), Cov(X, Y ) を求めてください. 解
(a) C = 12, D = 6
(b) fX(x) = 6x− 6x2, fY(y) = 4y3− 6y2+ 2 (c) 独立ではない.
4
月
13
日
1. ∑∞n=0npnを求めてください. 解|p| < 1 のとき, p (1−p)2 2. ∫−xx2et2 dt を微分してください. 解 ex2 + 2ex4x 3. D ={(x, y): x ≥ 0, y ≥ 0, x + y ≤ 1} とするとき,∫D(x2+ y2) dxdy を求めてください. 解 1 64
月
20
日
確率変数 X は, P (X = k) = Ck2−k, (k = 1.2. . . .) の形をしている.このとき,C を求めてください. 解 ∑∞k=1k2−k=(1−1/2)1/2 2 = 2 であるので,C = 1 24
月
27
日
確率変数 X1, X2, X3は独立で 値 1 0 確率 p q とするとき,Y = X1+ X2+ X3の確率分布と期待値 E(Y ) を求めてくだ さい. 解 Y の値 0 1 2 3 Y の確率 p3 3p2q 3pq2 q3 期待値は 3p5
月
13
日
確率変数 X と Y が独立なサイコロ投げとするとき,Z = max{X, Y } の確 率分布と期待値を求めてください. 解 Z 1 2 3 4 5 6 確率 1 36 3 36 5 36 7 36 9 36 11 36 E(Z) =16136, V (Z) = 255512965
月
18
日
ポアソン分布 Po(λ) のモーメント母関数を求め,それを用いて,期待値と 分散を求めてください. 解 P (X = k) = e−λλ k k! (k≥ 0) であるので, E(etX) = ∞ ∑ k=0 etke−λλ k k! = e−λ ∞ ∑ k=0 (etλ)k k = e−λeetλ 微分して,E(X) = V (X) = λ がでる.5
月
25
日
[0,∞) に値をとる 2 つの確率変数 X, Y の密度関数が f(X,Y )(x, y) = Cxe−x−y x, y≥ 0 0 otherwise で与えられるとき, 1. C を求めてください. 2. X の分布関数 FX(x) = P (X ≤ x),および Y の分布関数 FY(y) = P (Y ≤ y) を求めてください. 3. 上の結果を用いて X の密度関数 fX(x) と Y の密度関数 fY(y) を求め てください.4. E(X), V (X), E(Y ), V (Y ) を求めてください.
解 C = 1, FX(x) = 1− (1 + x)e−x, FY(y) = 1− e−y, fX(x) = xe−x,
fY(y) = e−y, E(X) = 2, V (X) = 2, E(Y ) = 1, V (Y ) = 1
6
月
1
日
X, Y は一様分布 U(0, 1) にしたがい,独立とする.このとき Z = 2X + 3Y の密度関数を求めてください. 解 fX(x) = fY(x) = 1 x≥ 0 0 x < 0 なので,0≤ z ≤ 5 を考えればよい. FZ(z) = P (Z≤ z) = P (2X + 3Y ≤ z) = ∫ ∞ −∞ (∫ (z−2x)/3 −∞ fX(x)fY(y) dy ) dx = ∫ 1 0 (∫ (z−2x)/3∧1 0 dy ) dx (1) z < 2 ならば (1) = ∫ z/2 0 (∫ (z−2x)/3∧1 0 dy ) dx = ∫ z/2 0 z− 2x 3 dx = z 2 12 2≤ z < 3 ならば (1) = ∫ 1 0 (∫ (z−2x)/3 0 1 dy ) dx = z 3 − 1 3 3≤ z ≤ 5 のとき (1) = ∫ (z−3)/2 0 (∫ 1 0 1 dy ) dx + ∫ 1 (z−3)/2 (∫ (z−2x)/3 0 1 dy ) dx = −z 2 12+ 5z 6 − 13 12したがって, fZ(z) = z 6 0≤ z < 2 1 3 2≤ z < 3 −z 6+ 5 6 3≤ z < 5 0 otherwise