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Jaih Vol.22_111

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要 旨 タンザニアにおける開発援助協調については、被援助国の組織改革・強化を通じた主体性、持続性ある 新しい援助形態が模索されてきた。特に 2000 年 11 月に貧困削減戦略書が世界で 3 番目に承認・実施され たことからもわかるように、アフリカの途上諸国において最も先鋭的な取り組みが行われており、構造改 革を基盤とする組織改編、被援助国政府の指導力と主体性の向上、援助協力体制の構築、国家的優先課題 の基づく実施計画、多様な援助様式の一元的標準化、さらには国家予算財政への一元的融資といった新し い援助形態が検討・実施されてきた。同時にタンザニア政府は、長期開発計画として「Tanzania Development Vision 2025」、中期開発計画としてタンザニア開発援助戦略書(Tanzania Assistance Strategy, TAS)および貧困削減戦略書(Poverty Reduction Strategy Paper, PRSP)を策定し、これらの国家開発計画 を実効性のあるものとすべく、公共支出レビュー(Public Expenditure Review, PER)及び中期財政収出概 算書(Medium-term Expenditure Framework, MTEF)を整備し、開発援助協調を可能にするシステムを構築 してきた。保健セクターでは、1994 年から推進されてきた保健セクター改革を実現可能にする財政基盤 としてセクター・ワイド・アプローチによる援助協調が実施され、政府保健セクター予算会計システムへ の共通財源融資によるバスケット・ファンドが導入・運用されている。これにより、地方自治体が主体と なって長期的・持続的な地域保健活動を計画・実施することが可能となり、地方分権化とコミュニティ・ レベルでの保健活動が可能となっている。 当論文では、タンザニアの保健セクターにおけるセクター・ワイド・アプローチとその財政基盤である バスケット・ファンドについて、タンザニアにおける開発援助協調の背景、保健セクター改革の展開、セ クター・ワイド・アプローチの適応、バスケット・ファンドの運用を概観し、開発援助協調が抱える諸問 題と展望について考察を加えたい。 キーワード:開発援助協調、セクター・ワイド・アプローチ、保健セクター改革、貧困削減戦略書、 タンザニア 〔特集〕第 20 回日本国際保健医療学会 ワークショップ 「日本の国際保健医療協力:パートナーシップの時代の中で」 ワークショップ 4

タンザニアにおける保健セクター援助協調の現状と課題

杉 下 智 彦 JICA タンザニア・モロゴロ州保健行政強化プロジェクト チーフアドバイザー

連絡先: Tanzania-JICA Morogoro Health Project P.O.Box 1193

MOROGORO, TANZANIA

TEL : +255-23-2614002 FAX : +255-23-2614148 E-mail : [email protected]

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1.はじめに 肥大化する経済のグローバリゼーションとその 世界システムの歪ともいえる開発途上国の貧困問 題は、21 世紀に我々が早急に取り組むべき国際 的課題として、それまでは当該諸国内部での貧困 対策という個別の問題意識から、国際社会が協調 して取り組むべき「地球規模的課題(グローバ ル・イッシュー)」として議論を深めてきている。 この国際社会の意識変化は、一方では国際社会の 恣意的な意図を反映している反面1)、他方でグロ ーバリゼーションによって恩恵を受けえるもしく は受ける権利を持ちえる途上諸国自身からの要求 の高まりを受けて、途上国の一般市民の生活にま で広く浸透してきている2)。そこには、地域の利 害を越えた、まさに地球規模での対応を可能なら しめる新しい世界システム4)の構築が求められ ており、日本を含めた国際社会がこれまでの自国 の経済的発展・外交的優位を基盤としてきた開発 援助政策を再考する必要に迫られている3) タンザニア共和国では、国際社会構成国から見 た戦略的重要性から、開発援助協調を含めた様々 な開発援助様式(モダリティ)の積極的な介入が 行われてきた。同時に、タンザニア政府自身も、 早急に途上国という枠組みから離脱し、国際社会 での発言権・指導力を高めることを目的に、旧来 的な全体主義によって硬直した政府組織の改変・ 改革を急進的に行っている。 タンザニアにおける開発援助協調については、 1990年代から 2000 年にかけて、被援助国の組織 改革・強化を通じた主体性、持続性ある援助手法 の導入と、それに伴う新しい援助形態が計画・実 施されてきた。これは 90 年代半ばまで実施レベ ルでの協力(プロジェクト内部での活動調整など) が主体であった開発援助協調が、ニュー・パブリ ック・マネージメント(NPM)の導入5)による 構造改革を基盤とする組織強化、指導力(リーダ ーシップ)と主体性(オーナーシップ)の向上、 援助関係国・機関・市民社会との協力体制の構 築、国家的課題の優先順位の基づくセクターレベ ルでの援助戦略、多様な援助様式の一元的標準化 といった新しい援助様式として導入・実施されて きた。 これらタンザニアの開発援助政策のダイナミズ ムと経済発展の進捗を検討することは、今後の日 本の開発援助方針を明確化し、事業の効率性、戦 略 性 を 高 め る た め に 大 変 重 要 で あ る 。 つ ま り 1990年代後半から、国際社会における貧困削減 への目標が次々と設定される中で、日本の援助理 念はその基本的戦略において早急な修正を迫られ ている。ODA 予算削減を受けた援助の効率性の 確保、地域別基本援助戦略の策定、省庁再編の流 れの中での予算執行の透明性・迅速性の確立、成 果主義に則った戦略的かつ柔軟な援助政策計画の 立案などの早急な執行が求められている。特に、 国際社会の対アフリカ援助の戦略的重要性が要求 されていることを受け、開発援助協調とその実施 について、国策としての援助姿勢の明確化と、国 際社会の潮流における国益との整合性ついて、現 実的な対応が必要である。 2.タンザニアにおける開発援助協調の背景 タンザニアにおける 1980 年代は「空白の 10 年 間(a lost decade for development)」6)と言われる。

1970年代後半に起きたオイルショック以降の不 安定な世界経済によって、タンザニアの国家予算 は年々削減され、対外輸出貿易も停滞し市場の活 気も後退していった。社会主義政権による国営企 業は操業を停止し、診療所には基本的な常備薬も 全くない状態で、経済発展に成功した隣国ケニア と対照的な政府の対応に国民の不満も高まってい た。 特に 1961 年にタンザニアを独立に導いた初代 大統領ニエレレ政権下で、共同体精神(ウジャマ ー)に則った社会民主主義の実現を謳い、共産圏 諸国からの援助を仰ぎながら医療・教育をはじめ とする福祉基盤の整備に国家予算を過剰投資した 結果、国家財政が破綻してしまった。同時に、中 央・地方政府の官僚主義の徹底化を推し進めた結 果、政府組織の非効率化と権力腐敗が進行してい った。加えて、タンザニア・ウガンダ戦争(1978 − 79)とパン・アフリカニズムに基づく南部ア フリカ諸国解放への過剰な軍事介入による財政負 担によって、自国内の経済再生が立ち遅れ、疲弊 が長引く結果となった。 1985年には第 2 代大統領ムウィニが選出された が、工業化に失敗し自国の農産物輸出に頼らざる を得ない状況下での性急な経済自由化は、かえっ て市場の混乱を招き、1990 年初頭にはアフリカ

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諸国の中でも最悪の経済状態となった。またタン ザ ニ ア ・ ウ ガ ン ダ 国 境 か ら 始 ま っ た と さ れ る HIV/AIDSの蔓延は7)、1983 年に初発患者が同定 されてから急速に拡大し、労働者層である若・壮 年者を中心に感染者・死亡者が増大し、国内生産力 の減退と社会不安の増徴に追い討ちをかけた8) 1980年にタンザニアは IMF ・世銀の構造調整 (SAP)を受けいれた。しかし、SAP は、貨幣価 値や金融市場の安定を偏重重視したため、結果的 には保健や教育といった国民の基礎的ニーズの予 算削減として具現化し、貧窮に拍車がかかる結果 となってしまった9)。(図 1)また他方で構造調整 を受け入れたために、結果的には重責債務に陥る という財政破綻をきたす結果となってしまった。 1987年 UNICEF は構造調整による開発援助を批 判し、「人間の顔を持つ調整(Adjustment with a Human Face)」10)としてブレトンウッズ機関主導 の開発援助のあり方に意義を唱えた。SAP 政策の 失敗は、1990 年代のブレトンウッズ機関の戦略 変換を促したと同時に、国連機関および他の国際 機関や非政府の市民組織が国際社会を先導する形 で積極的に援助政策立案に介入してくる契機とな った。また、これらの教訓が、1990 年代に萌芽 する開発パートナーシップをはじめとする新しい 援助理念への変遷への原動力となっていった。現 在タンザニアにおける性急とも言える構造改革と 援助協調路線が、1980 年代に経験された自国の 厳しい現実から引き出された反動であることに注 目しなければならない。 またタンザニアにける開発援助協調の導入基盤 に は 、 ニ ュ ー ・ パ ブ リ ッ ク ・ マ ネ ー ジ メ ン ト (NPM)の政策的な導入・実施という側面がある。 NPMは、1980 年代に英国などの欧州諸国におい て導入が図られ、行政改革に多大な効果を発揮し た行政管理手法である。これは市場原理、成果主 義、顧客主義を、公共事業や医療福祉などの政府 機能を含む公的セクターに導入する試みであり、 従来の行政の行動原理であった「法令適合性」 「手続き重視」「中央集権」などから、市場原理に 則った「目的重視」「効率性の追求」「民間参入」 「住民の満足度重視」などといった地方分権を基 盤とした市民参加型行政への転換を目的としてい る。 この改革を支えるためには、行政の活性化のた めの民間企業の経営手法の導入と公的機関の民営 化などによる自助努力の促進および政府組織の縮 小化、住民参加を容易にするような予算措置・執 行を含む権限の地方委譲、持続性ある事業の発展 のための自助努力および説明責任ある政府組織へ の積極的な構造改革が必要である。 しかし途上国の開発援助分野において NPM 導 入が重要なのは、これらの NPM 導入による政府 組織の構造改革の進捗が、1990 年代後半から始 まった重債務救済プログラムや貧困削減戦略書と いった新しい財政融資の枠組みに対して、被援助 国が融資を受けるためにクリアしなければならな い一定の基準として採用され、円滑な開発援助運 営の必要条件となってきたことである。 タンザニア政府は欧州諸国に倣い、1990 年初 頭から NPM による政府組織の構造改革・財政基 盤整備を行ってきた。加えて中・長期国家成長戦 略を内外に示し、援助機関からの融資を受けやす い環境を整備し、開発援助協調を受け入れる主体 性ある国家基盤が整備されてきたと言える。 3.タンザニアの保健セクターにおける 開発援助協調 Senは、社会開発による貧困解決は、個人行動 の自由度(freedom)の拡張(entitlement)とそれ を可能にする社会準備(social arrangement)の産 物であり、自由度自身(freedom)は社会参加 (social commitment)の総体として確認されると した11)。この考えは広く支持を得て、貧困削減 は、単なる経済的発展だけでなく市民の社会参加 を可能にしえる社会準備・整備が不可欠であるこ とが途上国の一般的な常識となった。これは政府 の保健セクターにも演繹され、健康指標の改善の ためには、単なる保健事業への投資の増大だけで 図 1 :タンザニアにおける保健セクターの対国家予算比率の変遷

The Social Service Crisis of the 1990’s, Anna Tibaijuka, Ashgate, 1998, P. 137 Budget Execution Report 2000/2001, Ministry of Tanzania, 著者改変

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はなく、市民を巻き込んだ形での包括的なアプロ ーチによる事業実施が必要である。 タンザニアにおいては、この「社会参加」と 「事業の有効性」を実現させるために、1991 年よ り NPM による政府構造改革が実施されてきた。 タンザニア政府における保健セクター改革は、 1994年から現在に至るまで継続的に実施されて おり、これにより、行政・財政機能の地方分権に よって可能になる住民参加の保健事業が促進さ れ、その財政的基盤としての開発援助協調による 地方保健事業の拡大が行われてきた。 保健セクター改革をはじめとする構造改革に平 行し、タンザニア政府は、国家の中・長期開発計 画を次々と実施している(図 2)。1994 年には第 3 者機関による評価チームによって、タンザニアに おける開発援助のあり方が「社会参加」に視点か ら詳細に分析され12)、1995 年に長期国家目標を 定めた「Vision 2025」を発表し、貧困問題に対す る対応を明確に打ち出した。これらの内発的な開 発 計 画 を 受 け る 形 で 、 ブ レ ト ン ウ ッ ズ 機 関 は 2000年 6 月融資援助をクリアするための必要最低 条件を踏まえた Country Assistance Strategy(CAS) を タ ン ザ ニ ア 政 府 に 対 し 、 タ ン ザ ニ ア 政 府 は 2000年末までに 2 つの具体的な中期行動計画書、 Tanzania Assistance Strategy(TAS)13)および貧困

削減戦略書(PRSP)14)を発表した。 TASの副題が「地方の自主発展と開発援助協調 にための中期計画」であるように、国家の開発計 画は、地方分権を可能にする財政的基盤の確立に 重点が置かれ、その実施のための援助協調の実施 に重点が置かれている。TAS では、「現在の援助 形態の多くは、援助国優位プロジェクト(Donor-driven projects)であり、リソースの重複などの無 駄が多い。貧困削減という上位目標に向かってセ クター全体での戦略的協力(Sector-wide strategy) が必要である」とし、援助の透明性、効率性およ び継続性を確保するための中期国家支出計画書 (Medium-term Expenditure Framework、MTEF)を 策定し、中期展望に立った国家の開発計画が財政 上可能としたうえで、その財源としての開発援助 協調を実施できる理念上の政府基盤を整えること に開発の主眼が置かれた。 貧困削減戦略書で示された目標を具体化するた めに、タンザニア政府はまず国家予算の 40% を 医療保健・教育・水資源といった基礎的ニーズに 重点分配することを行った(図 3)。 このような保健セクターでの財政基盤強化の中 で、さらに Millennium Development Goals(MDGs) で示された保健指標を満たすためには、これまで の援助形態を再考し、より効率的かつ効果的な援 助様式としての開発援助協調、特にセクターに限 定 し た 形 で の セ ク タ ー ・ ワ イ ド ・ ア プ ロ ー チ (SWAp)による援助協調が必須な措置として検 討され、他のセクターに先駆けて 2000 年より運 用を開始した。 これは、従来のプロジェクト方式の二国間技術 援助に代わり、被援助国のリーダーシップならび にオーナーシップを尊重し、被援助国の予算会計 機能の強化を通した成果主義に基づく新しい援助 形態である。SWAp は、援助理念の総称であり、 SWApと Sector Wide Approach Programmes (SWAPs)をプロセスと実施プログラムの違いと 区別する援助国もあるが、タンザニアでは一般的 に SWAp がセクターにおける開発援助協調の実施 方策として定着している。 SWAPsは、当該政府および援助国、NGO など の市民組織などが共通の問題意識を持ち、政府の 公 的 支 出 プ ロ グ ラ ム ( Public Expenditure Programme)の中で資金援助を行うことであり、 図 2 :タンザニアの国家および保健セクターにおける中・長期開発計画 図 3 タンザニア政府中期支出概算 (MTEF) における重点分野への配分 1999/00 Actual 162.2 96.3 56.7 28.8 0.0 8.0 51.3 8.3 300.8 247.8 141.3 96.7 42.3 4.8 17.1 91.4 13.8 490.6 347.6 182.8 139.3 101.0 7.3 31.6 181.2 21.0 758.5 432.6 208.3 202.5 100.3 8.3 50.1 260.1 80.6 1034.2 486.9 224.1 224.6 110.8 9.1 54.1 287.3 83.6 1145.6 2000/01 Actual 2001/02 Budget 2002/03 Estimate 2003/04 Estimate 教育 (基礎教育) 保健 (プライマリー・ヘルス分野) (HIV/AIDS) 水資源 道路 司法改革 合計 単位 10 億タンザニア・シリング Poverty Reduction Strategy Paper − Second Progress Report 2001/2002 − The United Republic of Tanzania, 2003 より著者改変

年次 1991 1994 1995 1995 1999 2000 2001 2001 2002 2004 2004 2005 国家政策および保健セクター政策 Public Sector Reform Programs Helth Sector Refrom Policy and Guidelines

Tanzania Vision 2025 Helth Sector Refrom Proposal 1996-2000

Helth Sector Basket Fund Poverty Reduction Strategic Paper (PRSP)

Tanzania Assistance Strategy (TAS) Mid-term Expenditure Framework (MTEF)2002-2004

Public Expenditure Review (PER) National Health Policy Poverty Reduction Strategic Paper II (PRSP II) Mid-term Expenditure Framework (MTEF)2005-2007 National Strategic for Growth and Reduction of Poverty

(NSGRP-MKUKUTA) Joint Assistance Strategy(JAS)

備考 New Public Management 導入

保健セクター改革実施 タンザニア長期開発戦略 SWAp導入を提唱 保健バスケット・ファンド設立 中期開発計画 中期開発計画 中期財政支出計画 年間公共財政管理 11年ぶりに保健政策を改訂 第 2 回中期開発戦略 第 2 回中期財政支出計画 長期(-2010)国家開発戦略 中期援助計画

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以下の特徴がある15)、16)、17) ・被援助国政府のリーダーシップのもとに、共 通の保健・開発課題に対して、被援助国政府、 援助国政府、非政府組織, 市民社会がパー トナーシップを構築し、有効な資金援助と優 先順位の高い問題への戦略的な介入を行うこ と。 ・被援助国の会計システム上で援助国が共通の 予算執行の枠組みを構築し、財政融資を行う こと。 ・上位の共通目標に向かって援助・被援助諸国 が協調を行うことであり、その上位目標に PRSPが、指標には MDGs が、財政的には Medium-term Expenditure Framework(MTEF) が重視されること。 ・被援助国・援助国双方に有効な援助政策のモ ニタリング・評価のシステムを構築し、共通 の枠組みの中で運営・実施・管理・評価を行 っていくこと。 ・問題解決のための能力向上(キャパシティ・ ビルディング)を被援助国・援助国双方が有 効に行っていくこと。 ・最終的には被援助国自身の予算から問題解決 のためのすべての財政支出を行い主体的な発 展を継続すること。 SWApにおける、開発援助協調の最も大きな目 標は、当該被援助国の会計システムの中で当該国 の一元的管理下に、予算立案、執行、評価・モニタ リングを行うことである。これを可能にするため には、段階的な財政管理の発展状態がある(図 4)。 ここで重要なのは、これまでの途上国の政府予 算システムは、回帰的予算(recurrent budget)が 体質的に弱く、政府予算が大幅に削減されたり、 国家財政外のプロジェクト予算が終了したりする と、今まで行ってきた事業への投入が継続できな くなることであった。特に保健分野では予算の継 続性に不安があることは、保健指標の改善という 国家目標を達成する上で致命的な欠陥であった。 つまり開発援助協調が真に目指すところは、単な る事業の効率化や透明性の確保、成果の達成だけ ではなく、政府の予算会計システムとコモン・フ ァンドによる予算会計システムの両立による相互 補完的会計システムを構築することであり、当該 被援助国が「財政的」に強健な体質となることを 目指すものである。 1998年より世界銀行、英国、スイスとタンザ ニア政府が協議を進めてきた SWAp は、1999 年 に保健セクター・バスケット・ファンド(Health Sector Basket Fund, HSBF)として先の 2 カ国・ 1 機関に加え、デンマーク、アイルランド、ノルウ ェーによる 5 カ国・ 1 機関で合意され、後にオラ ンダ、ドイツを加えた 7 カ国・ 1 機関によって 2000年から運用を開始した。これは、保健セク ターに関与する 16 の援助国・機関のうち半数以 上(56%)から支持されたことを意味している。 バスケット・ファンドの総額は年々増加してお り、また保健省全体の予算に占める割合も増加し てきている(図 5、図 6、図 7、図 8)。ただし拠 出国には大きな変化が見られ、2003 年度バスケ ット予算より、英国はすべての財政援助を一般財 政支援(General Budget Support、GBS)に移した ために保健セクター予算として計上されなくなっ た。また 2004 年度バスケット予算より、UNFPA は国際機関に先駆けてバスケットに拠出を開始し た。 図 4 :開発援助協調の財政的段階 図 5 :保健セクター・バスケット・ファンド(HSBF)拠出国 および総額(2000 年) (注 HSBF 開始時点では、ドイツは参加の意向のみで、具体的な拠出額は未定)

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バスケット・ファンドでは、コンセプトに合意 した援助諸国が財政的援助を保健セクターに拠出 し、タンザニア政府(保健省、2005 年より地方 自治省)と拠出国は、バスケット運営委員会にお いて地方自治政府(県政府)から出される予算執 行計画(Comprehensive Council Health Plan, CCHP) を審査した上で、四半期ごとに予算を執行する。 また県政府は、バスケット予算執行に対して四半 期ごとに会計報告を行い、経時的かつ透明性ある 運営が行われている。ここでは、独自の評価マト リックスを用いてファンドの有効利用が評価さ れ 、 地 方 自 治 体 か ら 提 出 さ れ た プ ロ ポ ー ザ ル (CCHP)を総合的に判断し、地域の開発問題に 根ざした問題解決への継続的な資金援助であるか どうかを判定している。(図 9) バスケット・ファンドの使途については、導入 時点では約 80% を地方政府の保健財源に、約 20%を中央政府の保健財源に執行することで開始 され、地方保健予算に関しては、地域の保健医療 問題に対応するために、CCHP による県保健活動 予 算 計 画 を 審 議 し 、 住 民 一 人 当 た り $0.5 per capitaを上限に執行し、中央政府での保健資源の うち公共財と考えられるものに対して、$0.15 per capitaを上限に薬剤や医療機材の調達などに執行 してきた。しかし現在では、バスケット・ファン ド総額の増額を反映して、地方の保健診療施設の 改修費および州保健自主財源(2005 年度より) に使途が拡大している(図 10)。 バスケット・ファンドの導入により地方の保健 セクターは、安定した財源確保による長期的な地 域保健活動が実施できるようになった。特に、今 まで財源を得ることが難しかった現地のニーズに 沿った地域保健活動(コミュニティ IMCI の実施、 無線通信ネットワークの構築、VCT センターの 設立、地方保健医療従事者の再教育など)が行い えるようになってきた。 タンザニアの保健セクターにおける開発援助協 調は、SWAp によるバスケット・ファンド導入と いう財政的協力を中心に発展してきたが、結果的 には以下のような効果が認められた。 ・開発援助に関して、被援助国のオーナーシッ 図 6 :保健セクター・バスケット・ファンド(HSBF)拠出国 および総額(2003 年) 図 7 :保健セクター・バスケット・ファンド(HSBF)拠出国 および総額(2005 年) 図 8 :保健セクター・バスケット・ファンドが 保健省予算総額に占める割合 図 9 :保健セクター・バスケット・ファンドの評価マトリックス 図 10 :保健セクター・バスケット・ファンドの使途(2005 年度)

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プとサステナビリティが形成された。 ・国家の優先課題に沿った開発戦略を、政府と 開発パートナーが一体となって実施できる基 盤が整備された。 ・国家目標達成のためのモニタリング・システ ムを共有することにより、戦略性が明確にな った。 ・地方における保健財源を安定的に確保するこ とによって、長期的な展望にたった地域保健 活動の、継続性と自立発展性の基盤となっ た。 ・政府機能と地方自治体との連携強化によっ て、セクターを越えた総合的な地域開発を行 うことができるようになった。 ・タンザニア政府の一元的な財源管理によっ て、援助の効率性・透明性が向上し、リソー スの有効活用が期待できるようになった。 ・地域主体の保健活動をプロモートすることに よって、現場のインセンティブやモティベー ションが高まり、より活発な保健活動が行わ れるようになった。 現時点では、バスケット・ファンドという開発 援助協調の財政的適応は、保健セクター改革を推 進する上で、政策的基盤の確立、地方マネージメ ント能力の強化と並び、必要不可欠の対応であっ たと考えられる(図 11)。 4.地域保健医療からみた開発援助協調の問題点 開発援助協調が共通財政融資(バスケット・フ ァンド)という形で進展してきたタンザニアにお いて、政府のオーナーシップが強化され、地方分 権を目的としたセクター改革が進展し、地域保健 活動の現場でのモティベーションが向上されてき た。 しかし、被援助国の財政基盤強化による自立発 展を促進する目的で実施されてきた開発援助協調 であるが、理念における援助国側の方針の相違と、 現場における援助財源の一元化の適応には未だ混 乱があり、以下のような課題を抱えている。 ・各援助国の国益・援助理念の相違 ・国際社会の関心と開発イデオロギーの変遷 ・国際的なインフレーションと公共性の確保の 問題 ・地方における保健マネージメント能力の問題 ・地方分権と各セクター開発との整合性の問題 ・国家の全体計画と各セクター開発との乖離 ・ SWAp における説明責任(アカウンタビリテ ィ)形成の問題 ・被援助国内での M&E、監査機能と透明性の 確保の問題 ・さらに新しい援助様式の検討と新たなセクタ ー間の対立 ・保健活動現場と政策論争の乖離 特に地域保健医療からみたバスケット・ファン ド実施の問題点として、予算配分に関する公平性 の確保問題がある。2003 年度の保健セクターレ ビューでは、非公式ながら地方への人頭割り分配 を見直し、バスケット・ファンドの地方財源の内、 70%を人頭割り分配、10% をアクセスの傾斜分配、 10%を貧困状態(poverty index)の傾斜分配、 10%を 5 歳以下死亡率の傾斜分配、とすることが 提案され、現在その実施方策をめぐって協議中で ある。またバスケット・ファンドが一定の成果を 挙げるためには、最低でも $2.0 per capita の地方 財源確保が必要であるとされており18)、人頭割 り配分額そのものを見直す動きもある。そのため の融資の増額と新たな出資国の開拓が模索されて いる。 また地方保健行政官のマネージメント能力不足 の問題も深刻である。ここで言うマネージメント とは、地方自治体および地方保健マネージメン ト・チームが地方住民の声を汲み取った保健政策 の立案、計画、実施、モニタリングできるような 能力である。バスケット・ファンドの執行率は、 その県保健行政担当者のマネージメント能力によ るところが大きく、ファンドの執行率が 50 %を 下回る県も存在する。これは政府機能の構造改革 によって、一方では事業の効率化・地方分権化に よる迅速性・透明性が確保されたとともに、他方 では公的機関の人的資源が減少・高齢化し、開発 図 11 :保健セクター改革を実現させるための 3 つの基盤 保健セクター改革の実現 政策的基盤 貧困削減に向けた 政府の自助努力 財政的基盤 地方保健セクターにおける 自主財源の確保 マネージメント基盤 地方保健行政における マネージメント能力の強化 地方分権を推進するため の組織改変と権限の移譲 開発援助協調(SWAp)によるバスケット・ファンドの導入 地方実施機関の機能強化と人材育成 国家成長目標の設定 (PRSP、MTEF etc) 1999年に開始され、現在 7援助国・機関で運用。 保健予算総額の26%。そ のうち48%が地方保健活 動に使途可能。 パイロット・プロジェクト 県レベルでの実施 (TEHIP、モロゴロ県・ルフィジ県) 州レベルでの実施 JICA(モロゴロ州) 基 盤 内 容 実 施 タンザニアに おける対応

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パートナーシップ構築によって求められている高 い水準の主体的マネージメントシステムを構築す ることに対してネガティブな結果となったという パラドックスである。そのために各援助機関・援 助国は、政府機能、特に地方自治政府機能のマネ ージメント能力向上のためのキャパシティ・ビル ディングがさかんに行われている。このような 「ワークショップ・シンドローム」とも言うべき 現在のタンザニア保健セクターは、ニュー・パブ リック・マネージメント導入の過渡期にあるから かもしれないが、現在のところ大きな展望は見え てこない。 また、セクター間での改革の成熟度が大きく異 なり、セクター間でのコーディネーションが未熟 であるため、地方行政レベルでの行政執行の混乱 が認められる。加えて中央政府およびバスケット 拠出国がバスケット予算消化を重視するが故に、 本来の地域保健活動が散逸してしまい、結局、地 域保健が目指す県レベルでの保健目標を見失って しまう事態も散見される。これはバスケット・フ ァンドが、一方で保健セクター改革によって財源 の地方分権を推し進めながら、他方で融資決定が 中央レベルで行われているという矛盾に因るとこ ろが大きい。これでは真に地方に個別な保健問題 に対して、即効的、効率的かつ実効性のある地域 保健活動を実施するが難しいという、財政援助の 変更を迫るような問題も認められる。 最後に、開発援助協調では、援助国・被援助国 は SWAp という共通の援助スキームの中で、いか に自国の国民に対して説明責任を果たしていくの かが重要な課題である19)。まず援助国側にとっ ては、SWAp 理念への協力理解のコンセンサスを 国内外で構築する作業が必要である。特に自国民 へのアドボカシーは、各国の経済停滞に伴う国家 財政の貧窮による ODA 予算削減の流れの中で重 要である。また、被援助国側にとっては、保健介 入の受益者である住民および市民社会に SWAp の 理念への理解を広く求め、被援助国のリーダーシ ップのもとに市民社会がプログラムへ積極的に参 加できる基盤を構築しなければならない。また同 時に、被援助国は、SWAp を構成する援助機関・ パートナー国に対して、自国の住民の声を反映し たプログラムのモニタリング・評価の結果をフィ ードバックする説明責任がある。このように、被 援助国は、自国民とパートナー国の 2 つの国民に 対して説明責任を負わなければならず、さらなる 自助努力が必要である。 このような新しい援助様式の定着には時間がか かるため、大きな流れで見ていこうとする援助国 の意見がある一方で、SWAp 内部での政府・援助 国双方の全体計画性の無さが、セクター改革すべ てを崩壊させてしまう Killer assumption になりえ るかもしれないことを指摘する援助国もある。つ まり被援助国の自助努力を SWAp に置き換えただ けで、援助国側が問題を解決しようとするには、 あまりに援助国・被援助国のコミットメントと展 望が見えないという意見である。 今後は、タンザニア政府および援助国・機関の 問題解決に向けたコミットメントが強化されるこ とよって、新たな展開が起こる可能性は十分にあ ると期待される。 5.タンザニアにおける開発援助協調の展望 2004年、タンザニア政府は、第 2 次貧困削減戦 略書を発表し、3 年間の中期目標を設定した。こ れに伴い、これまでのすべての国家政策の進捗お よびその評価・提言を踏まえたうえで、2005 年 National Strategy for Growth and Reduction of Poverty(NSGRP、スワヒリ語で MKUKUTA)20) を発表した。これは、MDGs で示された 2015 年 の到達目標を実現するための 5 カ年計画(2010 年) である。この中で、貧困削減の指標の達成は、単 一セクターの努力のみでは困難な反省から、第 1 次貧困削減戦略書で示されたセクター別の開発方 針を変更し、達成目標別に 3 つの分野(クラスタ ー)に分類し、クラスターごとに戦略を明確化す ることが示された。3 つのクラスターとは、成長 と収益、社会福利、および良い統治である。これ により保健セクターは、教育・水・環境などの社 会福利サービス・クラスターに統合され、セクタ ー越えた活動と資金の連携が必要とされた。 この長期国家開発計画に対して、タンザニア政 府は中期援助計画として援助諸国と共同で Joint Assistance Strategy(JAS)21)を発表した。これは 2 0 0 0年 に 発 効 し た 初 め て の 中 期 援 助 計 画 (Tanzania Assistance Strategy, TAS)を改訂するも ので、財務省を中心にタンザニア政府主導で計画 が行われた。またタンザニアでは 3 年間の TAS に

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よる援助実施の経験により、政府−ドナー間の開 発援助協調が成熟しつつあるため、同時期に策定 されたザンビア、ウガンダの JAS よりも、より政 府のコミットメントが強く盛り込まれているのが 特徴である22) 特に、今後の開発援助協調に関して、General Budget Support(GBS)への発展を支持しながら (現在、全援助額の 35% を占める GBS を、2010 年 までに 70 %まで引き上げることを目標とする)、 同時にクラスターごとの目標達成のためにはプロ ジェクト方式技術協力も限定的に認める柔軟性を 表明したことは、タンザニアがセクター重視の SWApを超える、さらに新しい開発援助協調を模 索していることの表れであると考えられる。 つまり、GBS への移行期である現在は、援助 諸国が SWAp によるセクター・バスケット・ファ ンドを利用することを推奨した上で、「プロジェ クトは、政策方針を決定するための、人材能力開 発ための、または大きな公共基盤整備のための、 パイロット的・革新的なものに限定して実施され るべきであり、以下のことに留意する必要がある」 とし、プロジェクト実施の条件を以下のように示 した(筆者訳)。 ・政府およびセクターの優先課題に沿って実施 されるべきである。 ・政府・セクター・地方自治の予算管理下に統 制可能な範囲で行われるべきである。 ・なぜこの分野でプロジェクト・アプローチが 必要なのか、どのように政府・セクター・地 方自治の戦略に沿っているのかを説明し、共 通の理解を求めることが必要である。 ・政府の既存の組織構造・システム・規則・手 順に則り、継続性・効率性・自立発展性の確 保に努めなければならない。 それまですべての援助様式をセクター財政支 援、一般財政支援への移行を目指してきたタンザ ニア政府にあって、このようにプロジェクト方式 技術協力の意義が再考され、限定的ではあるもの の認可する姿勢に変わってきたことは、MDGs と いう目標達成のためには、良い成果を得られる援 助形態があるのならば、それをも利用して目標を 達成しようという、開発援助協調を越えたタンザ ニア政府主導の戦略が認められる。 6.結語 タンザニアの保健セクターにおける開発援助協 調は、単に保健医療活動レベルでの効率的・効果 的な統合だけではなく、政府予算会計外で行われ ていたプロジェクト方式技術協力などを、バスケ ット・ファンド導入による地方自主財源の中で統 合化し、透明性と公共性を確保しながら、被援助 国の組織改革・強化を通した主体性・自立発展性 をサポートする新しい援助形態として積極的に模 索・実施されてきた。 しかし、タンザニア政府の主体的マネージメン ト能力が向上する中で、2015 年のミレニアム開 発目標(MDGs)達成に向けた包括的な長期国家 開発戦略(MKUKUTA)が新たに策定され、開 発援助パートナーとの関係も、MDGs という目標 達成のためには、バスケット・ファンドだけでは なく、政府の掌握範囲であれば、どのような援助 形態でも可能である、という開発戦略の柔軟性が 認められるようになってきている。 今後は、援助形態を巡る援助国側の「自国中心 的」な政策議論を超えた、タンザニア政府の長期 開発戦略を達成するための「支援的」なパートナ ーシップ構築が求められており、タンザニア政府 と開発パートナーとの政策対話、開発パートナー 間での連携協議、現場での知見を還元する能力な ど、援助方針策定のための一層の政策分析・政治 手腕が援助国側、被援助国側の双方に要求されて いると思われる。 そしてこれら一連の議論の中で最も大切なの は、援助協調を通して恩恵をうけるべき途上国の 人々の声であり、そのような人々の期待に答える べく被援助国・援助諸国双方が手をとりあって真 剣な議論を進めていかなければならない。 文 献

1)The Umbrella of US Power, Noam Chomsky, Seven Stories Press, 2002.

2)Modernity at Large, Arjun Appadurai, University of Minnesota Press, 2000.

3)Grassroots Globalization and the Research Imagination, Arjum Appadurai, in Globalization, Arjun Appadurai (ed), Duke University Press, 2001.

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Press, 2000.

5)Government of the Future, PUMA Policy Brief No.9, OECD, 2001.

6)The Social Service Crisis of the 1990’s, Anna Tibaijuka, Ashgate, 1998.

7)Slim Disease: A New Disease in Uganda and Its Association with HTLV-III Infection, Serwadda, D. et al., Lancet, 1985 (Oct): 849-52.

8) A Plague of Paradoxes, Philip Setel, The University of Chicago Press, 1999.

9)T a n z a n i a a n d I M F , T h e D y n a m i c s o f Liberalization, Horace Campbell et al. Westview Press, 1992.

10)Adjustment with a Human Face, Giovanni Cornia et al., Clarendon Press, 1987.

11)Sen, A., Development as freedom, Knopf, NY. 1999.

12)Helleiner, Gerald et al., Report of the Group of Independent Advisers on Development Cooperation Issues between Tanzania and Its Aid Donors. Royal Danish Ministry of Foreign Affairs, 1995.

13)Tanzania Assistance Strategy (TAS) A Medium-term Framework for Promoting Local Ownership and Development Partnerships, 2000.

14)Poverty Reduction Strategy Paper (PRSP), The United Republic of Tanzania, 2000.

15)Integrating Vertical Health Programmes into Sector Wide Approaches; Experiences and Lessons., Adrienne Brown, Swiss Agency for Development and Co-operation, 2001.

16)A Guide to Sector Wide Approaches for Health Development Concepts, Issues, and Working Arrangements, Cassels, WHO, 1997.

17)Guidelines for European Commission Support to Sector Programmes, European Commission, 2003. 2.

18)Don de Savigny et al., Fixing Health Systems, IDRC, 2004.

19)Sector Wide Approaches Accountability and CIDA, Mark Schacter, CIDA Ottawa Canada, 2001. 1.

20)National Strategy for Growth and Reduction of Poverty (NGGRP), Vice President’s Office, United Republic of Tanzania, June 2005.

21)Joint Assistance Strategy, United Republic of Tanzania, 2005.

22)Joint Assistance Strategies in Tanzania, Zambia and Uganda, DANIDA, Octorber 2005.

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Sector Wide Approach (SWAp) in the Health Sector of the Government of Tanzania:

The Present and the Future

Tomohiko Sugishita

Chief Advisor, Tanzania-JICA Morogoro Health Project

Keywords: Development Partnership, Sector Wide Approach, Health Sector Reform,

Poverty Reduction Strategy Paper, Tanzania

Abstract

The Government of Tanzania has gropingly urged an enterprise of development partnership between the host government and funding donor agencies by promoting structural reformation and reinforcement of the government administrative functions. While Poverty Reduction Strategy Paper was accepted and implemented since November, 2000, the Government of Tanzania has spearheaded a challenge of uniformity of development modalities through sector reformations, funding integration and good governance by leading other neighboring countries. Hence, issue prioritization, budgetary integration, executive standardization were intensively discussed by the Government of Tanzania and stakeholders throughout an innovative process of development partnership.

Simultaneously, Tanzania has released consecutive development plans such as "Tanzania Development Vision 2025", "Tanzania Assistance Strategy", "Poverty Reduction Strategy Paper" accompanied by the financial arrangement of "Public Expenditure Review" and Mid-term Expenditure Framework". These strategic development dispositions created an attractive environment for development partners to promote integrated financial assistant scheme.

According to the Health Sector Reform in the Government of Tanzania since 1994, a practical application of development partnership has been initiated and implemented by the induction of "Health Sector Basket Fund", which was introduced by the accord of several donor partners and international agencies. This pooling fund mechanism aims to integrate current scattered budgetary systems and to promote transparency, accountability and ownership of the finance in the Health Sector. Indeed, the sector-specific Basket Fund forwarded the decentralization process of the Health Sector Reform in light of evidence-oriented health interventions at the district and community levels.

In this paper, the present condition of the development partnership in the Health Sector of the Government of Tanzania is examined according to the background, adaptation, application, current considerations and future orientation of the development partnership.

参照

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