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原 著

看護師のストレス反応に対する「いいね !」シール導入の効果

吉田 えり,山田 和子,森岡 郁晴

和歌山県立医科大学大学院保健看護学研究科

抄録:看護師のストレス反応に対する「いいね !」シー ルの導入の効果:吉田えりほか.和歌山県立医科大学 大学院保健看護学研究科−目的:メンタルへルスの不 調に係る一次予防対策として,職場環境の改善が有効 である.本研究では,相互に感謝の気持ちを伝えるサ ンクスカード,良い点を認め合うOKカードと,ソー シャル・ネットワーク・サービスで使われている「い いね!」ボタンからヒントを得た「いいね!」シールの 導入が,職場の友好性を高め,看護師のストレス反応 を軽減し得るかを検証した.対象と方法:大学病院に 勤務する看護師362名のうち,介入前後のデータ連結に 同意が得られたものは156名(43.1%)で,解析対象者 は151名(有効回答率41.7%)であった.「いいね!」シー ルを用いた介入は8週間行った.対照者は,同病院で今 回と同じ調査項目に回答した者のうち,連続した2年間 のデータを連結できた105名とした.調査項目は,属 性,職業性ストレス簡易調査票,首尾一貫感覚(SOC), ストレス対処特性(BSCP),生活習慣(HPI),「いいね!」 シールの使用枚数であった.介入効果の検証には,二 元配置分散分析を行った.介入に伴う心理的ストレス 反応の変化に関連する要因の検討には,心理的ストレ ス反応の差分を目的変数とし,重回帰分析(stepwise変 数選択法)を行った.結果:「いいね!」シールの使用 枚数は7,010枚で,看護師1人当たり平均19.4枚であっ た.「いいね!」シールには,感謝や承認の言葉を書い たものが多かった.心理的ストレス反応の得点は有意 な交互作用を認め,介入群は上昇がみられたのに対し, 対照群は変化がみられなかった.SOCの処理可能感の 得点は有意な交互作用を認め,介入群は上昇がみられ たのに対し,対照群は変化がみられなかった.重回帰 分析の結果では,心理的ストレス反応に対して,処理 可能感とシールの使用枚数が正の関連を示した.結論: 相互に感謝や承認の気持ちを伝え合う「いいね!」シー ルの導入は,看護師のストレス反応を低減させる方策 として用いることができる可能性が示唆された. (産衛誌 2016; 58(1): 1–10) doi: 10.1539/sangyoeisei.B15002

キーワード:Multiple linear regression analysis, Nurse, Seal, Stress reaction, Thanks

I.はじめに 労働者の心の健康問題,いわゆるメンタルへルスの 不調が取り上げられて久しい.10人以上の常勤労働者 を雇用している事業所で,メンタルへルス対策に取り組 んでいる割合は47.2%である.労働者への教育研修の 実施率は22.0%,管理監督者への教育研修の実施率は 21.1%であるが,職場環境などの評価と改善の実施率は 12.2%であり,教育研修の実施率より低い1).労働者や 管理者への教育研修を見直し,その実施率を高めてい くことも肝要であるが,メンタルへルスの不調に係る 一次予防対策として,職場環境の改善が有効である. 職場においてはストレスの原因を完全に除去するこ とが困難であるため,ストレスの原因を低減させるとと もに,ストレス対処特性などの個人要因を同時に高める ことも必要である.ストレスの原因と個人要因のより 良い変化を同時に推し進めることができる手法として, 参加型アプローチが用いられるようになってきた2).こ の手法では,従業員が集まり,主体的に職場環境にお けるストレスの原因を減らす対策を立案,実施する. しかし,グループ討議やフィードバックなど,人,時間, 場所なども必要となり,検証結果は少ない.別の方法 として,社員間のつながりや友好性を高め,働きやす い職場環境をつくることを目的として,職員相互に感 謝の気持ちを伝えるサンクスカード,良い点を認め合 うOKカードなどが活用されている3, 4).これらのカー ドは,部下と上司,同僚同士など,感謝の気持ちを伝え, お互いに良い点を認める際に送り合い,時には職場内 で公開することで,職場にポジティブな雰囲気を仲間 同士で作り合うものである5).これらのカードは,モチ 2015 年 3 月 3 日受付;2015 年 9 月 16 日受理 J-STAGE 早期公開日:2015 年 10 月 10 日 通信先:吉田えり 〒641-0011 和歌山市三葛 580 番地 和歌山県立医科大学大学院保健看護学研究科 (e-mail: e82yoshi@yahoo.co.jp)

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ベーションを高める効果6)やコーチング・スキルのひと つ7)としても紹介されている.このような実践は職場の 人間関係といった人的環境の改善にもつながり,スト レス反応の低減に効果を期待できるが,量的に実証し た研究は見当たらない. ところで,看護師は,数ある職業のなかでもストレ ス反応が多くなりやすい.看護師が心身の自覚症状を 多く訴え,精神的健康状態が低いことは,すでに報告さ れている8–10).看護師のストレス反応の低減に向けた介 入では,参加型アプローチがよく用いられている11–13) この手法では,介入対象者および介入実施者が集まる 時間,場所,効果発現を認めるまで一定期間のセッショ ンの継続が必要になる.しかし,看護師の70.9%は病 院に勤務しており14),交代制勤務が多いことから,集 合する時間の調整や場所の確保,継続していくことは 難しく,看護師のストレス反応の低減への効果は十分 明らかになっていない.一方,OKカードを新人看護師 の職場適応に用いたものがある15).カードの利点は集 合しなくても職場の中で行えることにあるが,このよ うなカードを用いた効果は十分明らかではない. そこで本研究では,サンクスカード,OKカードを, 病棟看護師が使いやすいように改良した「いいね!」シー ルを考案した.「いいね!」は,ソーシャル・ネットワー ク・サービス(SNS)などで広く普及している,あるコ ンテンツに対する好き,楽しい,支持できるといった 意思を示すプッシュボタンにヒントを得た.このよう なシールの導入が,職場環境のひとつである職場の友 好性を高め,看護師のストレス反応を軽減し得るかを 検証した. II.研究方法 1.協力病院および対象者 協力病院はA大学附属病院で,病床数800床の特定 機能病院である.看護部長へ研究の趣旨・方法を文書, 口頭で説明し,病棟への研究参加の呼びかけを依頼し た.参加は病棟単位であること,参加に同意しない病 棟看護師には,そのことが周囲から分からないようにプ レートの装着を依頼して欲しいことを口頭で説明した. 研究の趣旨・方法に同意の得られた12名の病棟師長へ 研究者が直接文書と口頭で趣旨・方法を説明し,その 意思を再確認後,「いいね!」シールとプレートを手渡 した.病棟看護師362名には文書で参加を呼びかけ,同 時に「いいね!」シールとプレートを手渡した.「いい ね!」シールを使用した者318名を参加者とした(参加 率87.8%)(Fig. 1). 対照者は,同病院で平成24年から毎年2月に行って いる今回の調査内容と同じ調査に回答した者のうち, 平成25年に平成24年のデータとの連結に同意が得られ た者95名(同意率15.3%)と,平成26年に平成25年の データとの連結に同意の得られた者28名とした.平成 26年に同意が得られてもすでに平成25年に連結の同意 を得ていた18名は除外したため,対照者として平成25 年のデータと連結できた者は10名であった.なお,こ の期間にはメンタルへルスに係る具体的な対策は行わ れていない. 2.介入方法 1)「いいね!」シールとは 本研究では,いつでも簡単に気持ちが伝えられる手 段として「いいね!」シール(Fig. 2)を採用した.「い いね!」シールは,25 mm四方の大きさで,シール中央 部に「いいね!」とプリプリントされた上下にメッセー ジの書ける余白が設けられている.このシールは,サ ンクスカード・OKカードと,SNSなどで広く普及し ているLike buttonを発案源としている.このボタンは, 利用者の相互作用を促し,情報交換を簡便に行えるよ うに導入され,通常このボタンを押したユーザー数が コンテンツごとに表示され,好意的な反応を定量的に

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示す手段として用いられている.このシールは,携行 しやすく,サンクスカードやOKカードよりコメントを 書くスペースが少なく,すぐにメッセージの受け渡し ができるという特徴をもっている. 2)「いいね!」シールの活用のし方 「いいね!」シールの活用法は,以下の通りである. 心に残った出来事に関わった看護師,気持ちを伝え たい看護師のプレート(Fig. 2)に「いいね!」シールを 貼ってもらった.「いいね!」シールは,いつでも,どこ でも,思った時に貼ってもらうように依頼した.伝え たいひと言を書くと,思いがより伝わりやすくなるこ とも説明した.記名は求めなかった. 「いいね!」シールを貼り付けるプレートは,ウエス トポーチや勤務中に使うPCキャリーなどへ装着しても らった. 3)介入期間 介入期間は,平成26年1月から3月,あるいは5月か ら7月の8週間であった. 3.介入効果の測定 1)質問紙調査の配布・回収 介入の実施前後に記名式自記式質問紙調査を実施し た.人数分の質問紙を一括して病棟の担当者に手渡し, 対象者への配布を依頼した.対象者が質問に回答後, 添付してある返信用封筒に質問紙を厳封し,病棟内に 設置した回収箱へ投函する方法で回収した. 介入前の調査票の回収数は282(77.9%),介入後の 調査票の回収数は214(59.1%)であった(Fig. 1). 2)質問紙調査 介入効果を判断するために,ストレス反応と,それ に関連する要因について質問紙調査を行った.すなわ ち,職業性ストレス簡易調査票に加え,首尾一貫感覚 (SOC),ストレス対処特性,生活習慣,属性,「いいね!」 シールの使用枚数を尋ねた. ストレス反応は,職業性ストレス簡易調査票で測定 した16).この調査票は,ストレスの原因と考えられる 因子17項目(ストレス要因9因子),ストレスによって 起こる心身の反応29項目(ストレス反応6因子),スト レス反応に影響を与える他の因子11項目(影響因子: 社会的支援9項目,満足度2項目)で構成されている. ストレス反応6因子は,5因子を心理的ストレス反応に, 残り1因子を身体的ストレス反応に再構成される.回答 は4件法で行い,評価は5段階の標準化得点法で行う. 得点が高いと,ストレス要因は少なく,ストレス反応は 低く,支援・満足度は高いと評価される. SOCは,Antonovsky17)が作成した首尾一貫感覚尺度 の日本語版SOC-13で測定した18)SOC-13は個人のス トレス対処能力・健康保持能力の高低を測定するため の質問で,把握可能感5問,処理可能感4問,有意味感 4問の3下位尺度13問で構成されている.各問いには指 示された回答があり,1から7点,反転項目では7点か ら1点を付与する.点数が高いと,ストレス対処能力や 健康保持能力が高いと評価される. ストレス対処特性は,勤労者のためのコーピング特 性簡易尺度(BSCP)で測定した19)BSCPは,気分転 換3問,積極的問題解決3問,他者への情動発散3問, 問題解決のための相談3問,視点の転換3問,回避と抑 制3問の6下位尺度18問で構成されている.各質問の回 答に,「よくある」は4点,「ときどきある」は3点,「た まにある」は2点,「ほとんどない」は1点を付与する. 点数が高いと,用いることが多いと評価される. 生活習慣は,健康習慣指数(HPI)で測定した20) HPIはライフスタイルを総合的に測るもので,8つの健 康習慣(運動,飲酒,喫煙,睡眠時間,朝食,栄養バ ランス,労働時間,自覚的ストレス量)で構成されて いる.実行している習慣が多いと,良い習慣がついて いると評価される(0∼4:不良,5∼6:中庸,7∼8: 良好). 属性では,性別,年齢,配偶者の有無,子どもの有無, 臨床経験年数,役職の有無,現在の勤務部署を尋ねた. なお,データを連結する必要性から氏名を加えた. 「いいね!」シールの使用枚数は,介入後の調査時, 調査参加者の匿名性を確保し,質問紙の提出状況に拘 らず病棟全体の使用枚数を把握するために,病棟の担 当者に尋ねた.

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4.解析方法 介入の実施時期によるストレス反応,SOC,BSCP, HPIの得点に違いがみられなかったため(二元配置分散 分析),2時期12病棟を合わせて介入群とした.介入前 後のデータ連結に同意が得られたもの(記名していた もの)は156名(43.1%)であった. 介入群のうち,臨床経験年数の記載のないもの,1下 位尺度あたり過半数を超える欠損値のあるものなどの 5名を除外したので,解析対象者は151名(有効回答率 41.7%)であった(Fig. 1). 対照者は,平成24・25年のデータを連結した95名と 平成25・26年のデータを連結した10名を合わせた105 名とした.以下,対照群とする. 以後,介入群・対照群ともに,前値をTime 1(T 1), 後値をTime 2(T 2)とする. 介入群と対照群における属性の出現率の比較にはχ2 検定を用いた.各尺度の平均値の比較には t-testを行っ た. 介入効果の検証には,心理的ストレス反応などのT 1・ T 2について,介入実施の有無(群)とその前後(時間) を要因とする,反復測定による二元配置分散分析を行っ た.分散分析において交互作用が有意であった場合, paired t-testによる単純主効果の検定を行った. 介入に伴う心理的ストレス反応の変化に関連する 要因の検討には,T 1・T 2の差分を用い,重回帰分析 (stepwise変数選択法)を行った.ここでは,介入群と 対照群を合わせて検討した.目的変数には心理的スト レス反応におけるT 1・T 2の差分を用い,説明変数に は二元配置分散分析で交互作用を認めた変数の差分と, 病棟別看護師1人当たりの「いいね!」シールの使用枚 数を用いた.「いいね!」シールを貼るプレートは,参 加に同意していない看護師も装着しており,誰もが「い いね!」シールを貼ってもらえる可能性がある.そのた め,病棟単位で尋ねたシールの使用枚数を病棟看護師 数で除して,病棟別看護師1人当たりの「いいね!」シー ルの使用枚数(シールの使用枚数)として割り当てた. 統 計 解 析 ソ フ ト に は,SPSS Statistics 22.0(SPSS Japan)を用い,統計学的有意確率は5%未満とした. 5.倫理的配慮 介入を行う勤務時間は,看護師本来の業務が優先され ることから,プレートの装着,「いいね!」シールの受け 渡しなど,参加者に極力負担の少ない方法で実施した. 病棟には,看護部長を通して,病棟師長に研究の趣 旨・方法などを文書で説明し,自主的参加を呼びかけた. 病棟の参加は師長が同意した.参加者には,研究目的・ 方法,同意しない場合であっても不利益を受けないこ と,本調査への参加は自発的意思で行われること,参 加していなくても周りの者には分からないことなどを 文書で説明し,質問紙の返送をもって同意を得たもの とした. 本研究は,和歌山県立医科大学倫理委員会の承認後 (受付番号1345)開始した.なお,平成24年から実施 している同様の調査は,和歌山県立医科大学倫理委員 会の承認(受付番号1036)を受けている. III.結 果 1.対象者の属性 対象者の属性をTable 1に示す.介入群の属性をみる と,性別は女性が92.1%であった.年齢は21∼29歳が 54.3%と最も多く,中央値は29歳であった.配偶者有 りと回答した者の割合は31.1%で,子ども有りと回答 した者の割合は25.8%であった.いずれの割合も対照 群との間に有意な差を認めなかった. 臨床経験年数は9年までが64.2%と最も多く,中央値 は6年であった.役職無しと回答した者の割合は77.5% であった.いずれの割合も対照群との間に有意な差を 認めなかった. 現在の勤務部署(複数回答可)は,主に外科系の病 棟(以下,外科系病棟)が36.4%で最も多く,次いで 周産期病棟(NICU含む)が15.9%,主に内科系の病棟 (以下,内科系病棟)が12.6%であった.一方,対照群 では,外科系病棟が35.2%で最も多く,次いで内科系 病棟が22.9%,周産期病棟が16.2%で,内科系病棟に勤 務する者が介入群より有意に高かった. 2.「いいね!」シールの使用状況 シールの使用枚数は7,010枚であった.病棟別シー ルの使用枚数の範囲は7.0枚から58.0枚で,全体として 看護師1人当たりのシールの使用枚数は平均19.4枚で あった. シールには,「助かった∼」「薬*食事,ありがとう^^」 「カンファ発言Good!」「頑張ってるね♡新一年生!!」な どの感謝や承認の言葉を書いたものが多かった. 3.介入前後のストレス,SOC,BSCP,HPI 介入前後のストレス要因,ストレス反応,影響因子,

SOC,BSCP,HPIをTable 2に示す.ストレス要因にお

ける介入群と対照群のT 1を比較すると,職場の対人関 係上のストレス,仕事の裁量度は介入群が有意に高かっ た.介入群・対照群のT 1・T 2をみると,いずれも交 互作用は認められなかった. ストレス反応における介入群と対照群のT 1・T 2を みると,身体的ストレス反応では交互作用を認めず, 心理的ストレス反応では有意な交互作用を認め,介入

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群は上昇がみられたのに対し,対照群は変化がみられ なかった. 影響因子における介入群・対照群のT 1・T 2をみる と,上司の支援度で有意な交互作用を認めたが,介入 群,対照群ともに明確な変化はみられなかった. SOC-13における介入群と対照群のT 1を比較すると, 処理可能感は介入群が有意に高かった.介入群・対照 群のT 1・T 2をみると,把握可能感では有意な交互作 用を認めたが,介入群,対照群ともに明確な変化はみ られなかった.処理可能感では有意な交互作用を認め, 介入群は上昇がみられたのに対し,対照群は変化がみ られなかった. BSCPにおける介入群・対照群のT 1・T 2をみると, 気分転換で有意な交互作用を認めたが,介入群,対照 群ともに明確な変化はみられなかった. HPIにおける介入群・対照群のT 1・T 2をみると, 介入群は有意に上昇していたが,交互作用は認められ なかった. 4.心理的ストレス反応の変化に関連する要因 心理的ストレス反応におけるT 1・T 2の差分を目的 変数とし,説明変数として病棟別シールの使用枚数と, 二元配置分散分析で交互作用を認めた変数の差分,す なわち,影響因子の上司からの支援度,SOC-13の把握 可能感と処理可能感,BSCPの気分転換におけるT 1・T 2の差分を用いた重回帰分析(stepwise変数選択法)の 結果をTable 3に示す.心理的ストレス反応には,SOC の処理可能感,シールの使用枚数がモデルに選択され た.心理的ストレス反応に対して,処理可能感とシー ルの使用枚数が正の関連を示した. IV.考 察 1.対象者について 介入群は女性看護師が92.1%を占めており,病院に 勤務する女性看護師の割合(92.4%)14, 21)と同様であっ た.対照群とは内科系病棟の勤務部署を除いて差が認 められなかったことから,介入群と対照群との比較に は属性による補正を行う必要がないと判断した. 2.対象者のストレスの特徴 介入群のストレスの特徴を明らかにするために,介 入前の結果を下光22)が示した成人女性の標準集団8,447 名と比較することにした.ここでは下光が用いた方法 にならい,ネガティブ要因は高得点が高ストレスの状 態を,ポジティブ要因は高得点が良好な状態を示すよ うに再計算した.介入群は,下光22)の成人女性に比べ, ストレス要因では,心理的な仕事の負担(量)・(質), 自覚的な身体的負担度の項目平均値が有意に高かった. 一方,職場の対人関係でのストレス,職場環境による ストレスの項目平均値が有意に低かった.さらに,技 能の活用度,働きがいの項目平均値が有意に高かった. ストレス反応では,疲労感,不安感の項目平均値が有 意に高かった.影響因子では,上司からのサポート, 同僚からのサポートの項目平均値が有意に高かった. これらのことから,介入群の特徴として,心理的な仕 事の負担(量)・(質),自覚的な身体的負担度は高く, 疲労感,不安感は強いが,職場の対人関係や職場環境 によるストレスは低く,上司や同僚からのサポートを 得られた中で,技能を活用でき,働きがいを感じなが ら看護師の仕事をしている状況と考える. 3.「いいね!」シールの使用状況や書かれた内容 全体として看護師1人当たりのシールの使用枚数は 19.4枚であった.1ヶ月の勤務日数を21日とすると23)

Table 1. Basic attributes of the subjects   Intervention (n=151) (n=105)Control n % n % Sex Male 12 7.9 13 12.4 Female 139 92.1 92 87.6 Age (yr) 21–29 82 54.3 53 50.5 30–39 38 25.2 20 19.0 40– 31 20.5 32 30.5 Marital status # Married 47 31.1 33 31.4 Single 104 68.9 70 66.7 Child # Having children 39 25.8 30 28.6 Childless 108 71.5 73 69.5

Nursing career (yr)

–09 97 64.2 63 60.0 10–19 30 19.9 18 17.1 20– 24 15.9 24 22.9 Managerial Position # Holding an office 33 21.9 18 17.1 No specific office 117 77.5 86 81.9 Work place (Multiple answers)

Internal medicine ward 19 12.6 24 22.9

Surgery ward 55 36.4 37 35.2

Perinatal ward (include NICU) 24 15.9 17 16.2 Emergency room (ICU, CCU, HCU) 16 10.6 12 11.4

Mixed 12 7.9 13 12.4

Outpatient department 15 9.9 13 12.4

Operating room 18 11.9 10 9.5

Psychiatric ward 8 5.3 4 3.8

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Table 2. Stressor, stress reaction, influencing factors, SOC, BSCP and HPI before and after the intervention

Intervention (n=151) Control (n=105) Main effect Interaction

T 1 T 2 T 1 T 2 F F

Stressor Quantitative overload 2.5 2.5 2.4 2.3 1.554 0.264

0.8 0.7 0.9 0.8

Mental demand 1.8 1.8 1.7 1.7 0.822 0.001

0.7 0.7 0.8 0.7

Subjective physical burden 1.9 1.8 1.9 1.7 0.165 1.990

0.7 0.7 0.8 0.7

Interpersonal Relations ## 3.4 3.5 3.1 3.0 15.072 1.087

0.8 0.9 1.0 0.9

Stress by workplace environment 3.2 3.3 2.9 3.2 2.228 1.584

1.1 1.1 1.1 1.1

Job control # 3.1 3.1 2.9 2.9 6.953 0.005

0.7 0.6 0.8 0.8

Degree of practical use of skill 3.1 3.1 3.1 3.2 0.737 1.026

0.6 0.6 0.7 0.6

Job fitness 3.0 3.0 2.8 2.8 4.156 0.829

0.8 0.9 1.0 0.9

Work worth 3.5 3.5 3.3 3.3 2.656 0.317

1.1 1.0 1.1 1.1

Stress reaction Psychological symptoms 14.5 15.0* 13.9 13.4 8.402** 7.433**

3.2 3.1 4.0 3.8

Somatic symptoms 3.2 3.3 3.0 3.0 4.187 2.023

1.1 1.1 1.0 1.1

Influencing factors Supervisor support 3.5 3.6 3.4 3.3 9.519** 4.258*

0.8 0.7 0.9 1.0

Coworker support 3.1 3.2 3.2 3.1 0.003 2.137

1.0 1.0 1.1 1.1

Family support 3.7 3.8 3.7 3.7 0.179 0.253

1.2 1.2 1.2 1.3

Satisfaction with work life 3.0 3.1 3.0 3.0 0.054 0.070

0.7 0.7 0.8 0.8

SOC-13 Total scores 53.7 55.0 51.7 51.7 3.882 1.656

10.4 10.7 11.7 12.7 Comprehensibility 19.6 20.2 19.5 19.1 0.970 4.058* 4.4 4.9 5.2 5.8 Manageability # 16.4 17.1* 15.2 14.9 11.914** 4.485* 4.3 4.2 4.3 4.5 Meaningfulness 17.7 17.7 17.0 17.7 0.498 2.940 4.1 3.7 4.6 4.3 BSCP Changing mood 8.5 8.1 8.1 8.5 0.002 5.856* 2.5 2.4 2.6 2.6 Active solution 9.6 9.4 9.3 9.3 0.928 0.694 1.9 1.9 2.1 2.1 Emotional expression 4.6 4.6 4.8 4.7 1.005 0.387 1.6 1.7 1.7 1.9

Seeking help for a solution 9.3 9.2 9.2 8.9 0.973 1.334

2.0 1.9 2.2 2.3

Changing a point of view 7.4 7.6 7.5 7.3 0.420 1.783

1.8 1.9 2.3 2.3

Avoidance and suppression 6.3 6.3 6.5 6.5 0.766 0.040

2.1 2.2 2.1 2.0

HPI 4.0 4.3 3.9 4.1 1.146 0.277

1.6 1.6 1.4 1.6

Mean in the upper section, Standard deviation in the lower section. # and ## in the item column show significant differences at T1

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介入期間中は2日に1枚使用していた.多忙な病棟業務 の中でも比較的取り組みやすく,業務の中に定着させ やすいと考えられた. 「いいね!」シールに,感謝や承認のことばが書かれ ていたことから,シールの受け渡しは,感謝や承認の 気持ちを伝えることに役立っていた.感謝や承認の気 持ちを伝え合うことは,職場の友好性を高めることか ら5),このようなシールを使うことは,職場の友好的な 雰囲気づくりの一助になると考える. 4.介入の効果 1)心理的ストレス反応への効果 介入群では心理的ストレス反応が低下した.心理的 ストレス反応は,対照群と有意な交互作用を認め,病 棟別シールの使用枚数が変化量と有意な関連を認めた. さらに,ストレス反応に関連するストレス要因,影響因 子,BSCP,HPIの項目に変化がなかったことから,心 理的ストレス反応が低下した要因として「いいね!」シー ルが挙げられる.心理的ストレス反応の低下は,「ある 看護師が何枚のシールを使用したか」でも,「ある看護 師が同僚から何枚のシールを受けたか」でも生じると 考えられ,その区別は困難であるため,本研究ではシー ルの受け渡しが効果的であったと考える.本研究で用 いた介入の実施期間は8週間と短期間であり,小さな シールの受け渡しといった簡便な方法であるが,職場 環境の改善につながり,ストレス反応を低減させる効 果が得られたと考える. メンタルヘルス対策には,Semmer24)などが推奨して いる職場環境が挙げられることが多い.この場合の職 場環境は人間関係といった人的環境である.一方,職 業性ストレス簡易調査票で尋ねるストレス要因の項目 には「職場環境によるストレス」も含まれているが,こ の内容は騒音,照明,温度,換気などの物理的なスト レス要因を尋ねるものである.したがって,本研究に おいて,この因子は介入の影響を受けなかったと考え る.また,影響因子の「上司からの支援度」に有意な 交互作用を認めたが明確な変化がみられなかったのは, 交代制勤務を行う看護職員の業務の特徴として,上司 の下で業務に就くよりも看護職員同士で業務に就くこ とも多く,上司の支援より看護職員相互の支援が反映 しやすいからではないかと考える. 2)SOCへの効果 介入群ではSOCの処理可能感が上昇した.処理可能 感は対照群と有意な交互作用を認めたことから,処理 可能感が上昇した要因として「いいね!」シールが挙げ られる.感謝や承認の言葉が書かれた「いいね!」シー ルは,受け渡しの際に「ありがとう」「よかったよ」の 声かけやコミュニケーションが生まれる.また,シール を渡すために,同僚からの支援や同僚の頑張りを意識 して見ようとし,自ら「ありがとう」「よかったよ」と 言うことを心がけることで,組織全体に感謝や承認の 気持ちが拡がっていく6).不安を感じながら仕事をして いる状況で感謝や承認されることにより,仕事へのモ チベーションが高くなり6),あるいは有能感が得られ, 処理可能感の高まりにつながったのではないかと考え る25) 職場環境の改善においては,ストレス要因を下げる という方向に加え,ストレス要因に対する個人要因を 強めることも必要である2).「いいね!」シールの導入は, 職場環境と個人要因の両方の対策を統合できる手法で ある可能性が示唆された. 3)心理的ストレス反応とSOC,シールの使用枚数 本研究では,介入によって変化した要因が心理的ス トレス反応とSOCの処理可能感であり,処理可能感と 病棟別シールの使用枚数が心理的ストレス反応に関連 する要因であったことから,心理的ストレス反応が低 下した要因としてこの2要因の関与が挙げられる.そ こで,介入群,対照群の心理的ストレス反応T 1・T 2, 処理可能感T 1・T 2,シールの使用枚数の変数を用いて, パス解析でそれらの関連を検証した.その結果,介入 群・対照群いずれも,自由度=0の逐次モデルが形成さ れた(Fig. 3). 対照群では心理的ストレス反応T 2に係る直接効果は 0.312,処理可能感を介する間接効果は0.304,総合効果 は0.616であり,処理可能感T 1は処理可能感T 2を介 して,心理的ストレス反応に有意な効果をもたらして いた.介入群では心理的ストレス反応T 2に係る直接効 果は0.394,処理可能感を介する間接効果は0.264,総 合効果は0.657であった.介入群の間接効果はやや低い が,総合効果においては介入群の方が高い結果となっ た.処理可能感T 1は処理可能感T 2を介して,さらに シールの使用枚数は直接的,あるいは処理可能感T 2を 介して,心理的ストレス反応に効果をもたらしていた. これらの結果は,病棟別シールの使用枚数の効果を示 すとともに,吉田ら26)が述べているSOCが直接ストレ ス反応を少なくする可能性を支持する結果となった. 「いいね!」シールの導入は,看護師のストレス反応

Table 3. Results of multiple linear regression analysis by the stepwise method

  Psychological symptoms

β p

⊿Manageability 0.317 0.000

The number of seals used per person 0.141 0.018

Adjusted R2 value 0.126

(8)

の低減に有効であった.今回の「いいね!」シールの受 け渡しは,感謝や承認の気持ちを看護師間で伝えるの に有効である.しかし,このような気持ちは医療従事 者間で共有することも大切であり,たとえば,医師− 看護師間への展開も可能であり,病棟全体の声かけや コミュニケーションの活性化によるさらなる効果が期 待される. しかし,タイミングを逃さずシールを貼るためにシー ルを携行したり素早くコメントを書いたりする困難さ が想定されることから,病棟の現場に適した方法とし てはまだ検討の余地がある.また,各人が記述できる スペースの確保など,シール自体もさらに改善してい く必要がある. 5.本研究の限界 本研究の限界として,今回の調査は1大学附属病院の 看護職員を対象とした調査であり,病院により就業支 援や教育などの就業要因が異なることから,導入後の 効果も異なることが想定される.汎化するには同様の 介入を他の病院の看護職員に対しても行う必要がある. 本研究はクロスオーバーデザインを企画したが,参 加病棟には対照群としての協力が得られなかった.そ のため,本研究は,調査時期と期間を揃えた対照群を もたない介入研究となった.対照群の連結同意率は低 かったが,平成24年の資料を用いて同意した者と全 体を比較した結果では,属性,心理的ストレス反応, SOCに有意な差を認めなかったため,集団の偏りは少 ないと考える.対照群の観察期間は介入群と異なるが, 1年間の観察期間で多くの項目に変化がみられなかった ことから,介入期間に相当する2ヶ月間では変化がみら れないと推察される.また,心理的ストレス反応に関 連する要因の中には,介入群の前値と対照群の前値に 差がみられた項目もあったが,いずれも交互作用がみ られない項目であった. V.結 語 A大学附属病院12病棟に勤務する看護師151名(対 照群105名)に,「いいね!」シールを用いた介入を8週 間行い,ストレス反応に対する効果を検証した結果,以 下のことが明らかになった. 1.「いいね!」シールは,全体として看護師1人当たり 19.4枚使用され,感謝や承認の言葉を書いたものが 多かった. 2.心理的ストレス反応は低下した. 3. SOCの処理可能感は上昇した. 4.心理的ストレス反応の変化量には,処理可能感の変 化量と病棟別看護師1人当たりの「いいね!」シール の使用枚数が正の関連を示した. したがって,相互に感謝や承認の気持ちを伝え合う 「いいね!」シールの導入は,看護師のストレス反応を 低減させる方策として用いることができる可能性が示 唆された. COI開示:本研究に関連し,開示すべきCOI関係にあ る企業などはない. 謝辞:本研究にご理解・ご協力いただき,長期にわた り参加してくださった看護師の皆さまに,深く感謝い たします.本研究を継続するにあたり,ご支援いただ いた皆さまに深く感謝いたします. 文 献 1) 厚生労働省.平成 24 年労働者健康状況調査.[Online]. 2013 [cited 2015 Dec 7]; Available form: URL: http://www. Fig. 3. Pass figures using the factors significantly

relat-ed to psychological symptoms by the multiple linear regression analysis.

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mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html 2) 川上憲人,島津明人,土屋政雄,堤 明純.産業ストレス の第一次予防対策:科学的根拠の現状とその応用.産業医 学レビュー 2008; 20: 175–96. 3) 杉山泰一.日本航空:手書きカードで現場が讃え合う 風 土醸成の鍵は照れや押しつけ感の払拭.日経ビジネス IT Pro 事例データベース.[Online]. 2008 [cited 2015 Dec 7]; Available form: URL: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/ JIREI/20080130/292399/

4) 北中 彰.スリーイーグループ社長日記─サンクスカード 表彰式を開催しました─.エコロジーコロジー・エコノ ミー・e ビジネス.[Online]. 2008 [cited 2015 Dec 7]; Avail-able form: URL: http://www.3egroup.jp/article/13236280.html 5) 島津明人.ワーク・エンゲイジメント−ポジティブ・メン タルへルスで活力のある毎日を.東京: 労働調査会,2014: 72–84, 99–117. 6) 小笹芳央.Refreeze/ 新たな行動が正しいと確信させる. 集団のマジック 集団の力をポジティブに活用する.変化 を生み出すモチベーション ・ マネジメント 6つのマジッ クで思考と行動が変わる.東京・京都: PHP研究所,2011: 148–52. 7) マツダミヒロ.コーチング研修第3章 「ありがとうカード をもらう」.マツダミヒロ監修.はじめてのコーチング∼ ストレスが減るコミュニケーション術∼.大阪: 関西看護 出版,2009: 20–5. 8) 影山隆之,錦戸典子,小林敏生,大賀淳子,河島美枝子.公 立病院における女性看護職の職業性ストレスと精神健康 度との関連.大分看護科学研究 2003; 4: 1–10. 9) 宇田賀津,森岡郁晴.救命救急センターに勤務する看護師 の心理的ストレス反応に関連する要因.産衛誌 2011; 53: 1–9. 10) 眞鍋えみ子,小松光代,岡山寧子,大賀淳子.新人看護師 における就業3年までの職務ストレッサーとストレス反応 に関する研究─看護学士課程卒業後の縦断調査による分 析─.日本看護研究学会雑誌 2014; 37: 123–31. 11) 畑山めぐみ,青木麻樹,波多野純子,菅原明河,斗澤華織, 宮島直子.一般病棟で働く看護師のストレスへの介入─集 団認知療法介入前後のストレス得点の比較─.KKR札幌 医療センター医学雑誌 2011; 8: 47–53.

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(10)

Effect of a “Like!” seal on the stress reactions of nurses in a hospital

Eri Y

oshida

, Kazuko Y

amada

and Ikuharu m

orioka

Graduate School of Health and Nursing Science, Wakayama Medical University, 580 Mikazura, Wakayama 641-0011, Japan

Objectives: Improving the work environment is effective as a primary measure against mental health disorders. The aim of this study was to verify the hypothesis that using a “Like!” seal would promote friendly relations in the workplace, and reduce the stress reactions of nurses in a hospital. The “Like!” seal was inspired by “Thanks” cards conveying appreciation mutually, “OK” cards conveying the recognition of good points, and the “Like” button frequently used in social networking services. Methods: The subjects were 362 nurses working in a university hospital, of whom, 156 (43.1%) permitted the use of data col-lected before and after the intervention. A total of 151 (41.7%) subjects were analyzed. The intervention using the “Like!” seal lasted 8 weeks. The controls were 105 nurses who answered the same questionnaire in the same hospital and who permitted the use of the collected data. The question items comprised: basic attributes, the Brief Job Stress Questionnaire, the Sense of Coherence (SOC) scale, the Brief Scales for Coping Profile (BSCP), the lifestyles (HPI), and the number of uses of the “Like!” seal. To examine the effects of the intervention, a two-way analysis of variance was performed. To examine the factors related to changed psychological symptoms, a multiple linear regression analysis (stepwise method) was performed with the variation as the dependent variable. Results: The number of uses of the “Like!” seal was 7,010 seals in total, and 19.4 seals on average per nurse. Many seals read phrases showing thanks and/or approval. Psychological symptoms showed a significant interaction. The scores increased in the intervention group after the intervention, but showed no change in the control group. Among the subscales of SOC, manageability showed a significant interaction. Increased scores were found in the intervention group after the intervention, but there was no change in the control group. Multiple linear regression analysis revealed that two factors were related to the variation of psychological symptoms. They were: the variation of manageability, and the number of seals used per nurse. Conclusions: The “Like!” seal which encourages mutual conveyance of feelings of thanks and/or approval has the potential to reduce the stress reactions of nurses.

Fig. 1.  Flow chart of the course of the intervention.
Fig. 2.  “Like!” seal (used example) and plate.
Table 2.  Stressor, stress reaction, influencing factors, SOC, BSCP and HPI before and after the intervention

参照

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