筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士前期
課程学位論文抄録集(平成18年度)
雑誌名
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士前期
課程学位論文抄録集
巻
平成18年度
発行年
2007- 03
筑 波 大 学 大 学 院
図書館情報メディア研究科博士前期課程
学 位 論 文 梗 概 集
平成
1
8
年 度
は じ め に
平成1 8年 度 筑 波 大 学 大 学 院 図 書 館 情 報 メ デ ィ ア 研 究 科 図 書 館 情 報 メ デ ィ ア 専 攻 問 士 前 期 課 程 修 了 者 の 修 士 学 位 論 文 梗 概 集 を 刊 行 い た し ま す 。 本 年 度 の 修 士 論 文 提 出 者 は3 6名 で し た 。 こ こ に 皆 様 の 修 士 論 文 作 成 ま で の 努 力 を 讃 え る と と も に 、 指 導 教 員 、 副 指 導 教 員 や 査 読 者 を 始 め と す る 論 文 作 成 に 関 わ ら れ た 教 員 各 位 に 感 謝 申 し 上 げ ま す 。
図 書 館 情 報 メ デ ィ ア 研 究 科 は 、 「 情 報 メ デ ィ ア に よ る 社 会 の 知 識 共 有 と そ の 仕 組 み に 係 る
研究を発展させ、新しい時代に向カ迫って社会をリード、する人材を養成することj を使命と
し て か か げ て お り 、 そ の 達 成 の た め に 「 社 会 に お け る 知 識 ・ 情 報 の 共 有 や 、 そ の 仕 組 み と し て の 図 書 館 や 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク J を 対 象 に し た 、 人 文 学 、 社 会 科 学 、 理 工 学 等 の 多 様 な ア プ ロ ー チ か ら の 総 合 的 ・ 複 合 的 な 教 育 ・ 研 究 を 行 っ て お り ま すD そ の よ う な 多 面 性 を 実 現 す る た め に 、 情 報 メ デ ィ ア マ ネ ー ジ メ ン ト 分 野 、 情 報 メ デ ィ ア 社 会 分 野 、 情 報 メ デ ィ ア シ ス テ ム 分 野 、 情 報 メ デ ィ ア 開 発 分 野 の 四 つ の 教 育 研 究 領 域 を 設 置 し 、 ま た 修 士 の 学 位 も 図 書 館 情 報 学 、 ' 情 報 学 、 学 術 を そ ろ え て お り ま す 。 ち な み に 本 年 度 の 修 士 論 文 提 出 者 3 6 名 の 内 訳 は 、 教 育 研 究 領 域 別 で は 情 報 メ デ ィ ア マ ネ ー ジ メ ン ト 分 野 が 1 3 名、 4情報メディ
ア 社 会 分 野 が 1 ] 名、↑ 青報メディアシステム分野が9 名 、 情 報 メ デ ィ ア 開 発 分 野 が3 名、 学 位 の 種 類 別 で は 図 書 館 情 報 学 が 2 0名 、 情 報 学 が 1 3名 、 学 術 が3名でした。
博 士 前 期 課 程 の 修 了 者 は 、 公 的 機 関 や 企 業 等 で 、 図 書 館 情 報 メ デ ィ ア に 係 る 専 門 家 と し て 実 務 に 携 わ る も の 、 将 来 こ の 領 域 の 先 駆 的 な 研 究 者 に な る べ く 博 士 後 期 課 程 に 進 学 す る も の な ど さ ま ざ ま で す 。 ど の よ う な 職 に つ か れ よ う と も 、 修 了 生 各 位 が 、 本 研 究 科 で 学 ん だ 事 や 修 士 論 文 を 完 成 さ せ る ま で の 研 究 生 活 の 中 で 得 た 知 見 を 活 か し 、 知 識 情 報 社 会 の フ ロ
ンティアとして活躍されることを期待します。
さ て 本 研 究 科 で は こ れ ま で 抄 録 集 を 刊 行 し て ま い り ま し た が 、 修 士 論 文 の 公 開 を 求 め る
声が強く、また折角の成果をより多くの人に知っていただく事が重要というやJ ! 析から、報
{セB
ま し た 。 本 梗 概 集 は そ の よ う な 形 態 と し て の 最 初 の も の で あ り ま す 。 2ペ ー ジ と い う 分 量 は 研 究 領 域 に よ っ て は 不 十 分 で は あ る か も 知 れ ま せ ん が 、 学 会 等 の 講 演 予 稿 集 程 度 の 分 量 で あ り 、 研 究 内 容 の 骨 格 を 知 る に は 十 分 と 考 え ま すc 修 了 生 や 本 研 究 科 の 教 員 ・ 学 生 は も
とより、多方面の方々に参照していただければ幸いです。
2 0 0 7年3月
目
次
<
( 11_ t 士( 図書館情報学) ))
向 田 崇 公共図書館における内部空間の連接に関する研究
一多層型空間構成の可能性- ……. . . ..• ...••. ...1
阿 部晋 典
矢
子
織
慎
葉
香
藤
池
島
却
菊
小
鈴 木 夕子
大 作 光子
回 杏子
中 林 幸子
長 屋 俊
十公 崎 博子
本 圭 以 子
徐 丹
77 ヒ、アナ 新井二
j T 原 つむぎ、
千 錫烈
利 根)11 樹 美 子
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i村 美 千 絵渡
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1楊 恵
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-〉7、 二井
武
Popper 理論の情報学への適用に対する批判的検討
一反証可能性と客観的知識の関連性に着目して- … … … ・ … … … … …
3
読み聞かせにおける絵本の選択規準について ー… … … ・・… … … … …..5
闘病記を用し、た; 吾、者と医療従事者のコミュニケーション分析 …ー…………7
公共図書館における資料提供のための協力に関する研究
一相互貸借の方針と実際- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
社会的知識の構築プロセスに関する研究:
W出i pedi a に対する談話分析を通して ・… … … 11
学校図書館メディア・プログラムにおける偶勿鳴り出型学習
ーワークショッフ。を通した学習環境の検討- ・… … … ・…
1
3
命題的意味とモダリティからみるマニュアルテキストの知識構成 …・…
...1
5
マスメディア効果論の実証的研究 - 血液型を扱うマスメディアから、
人びとが影響を受ける過程に着目して- … … … ・・… … … …. 17
美術館における展覧会の記録 … - 一- … … … - … … … ・…
. . 1
9
2 0
世紀アメリカのライブラリアンそして図書館学者ジェシー
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・シェラ(
1 9 0 3 -
8 2 )
について ・………-……- 一…21
公共図書館における視覚障害者への録音図書サービスと著{ 特在問題 … …
23
中匡
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におけるフォークロアの著作権保護についての研究 .一…….…….一.一…….一…….一…….一…….……….一…….一…….一…….一…….一…….一…….一…….一…….一…….一…….一…….…….一. 2
5
オポ?七ルレトガ、ノルレ王立
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図君書自大学図書古館告宮. の品質( 保呆; 証正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
公共図書館における問題利用者に関する研究
ーアメリカにおける図書館裁判を中心に- … … … …
31
大学図書館の司書月薪111J度確立運動
昭和
2 5
年( 1
9
5
0)
一昭和4
1
年(
1 9 6 6 )
における実態と意味 一……33
戦後日本における図書館員養成教育の問題点に関する考察 … … … …
35
小・中学校図書館に対する市町干す教育委員会の支援 一… … … …37
《修士( 情報学) ))
荒井 千 里
飯田敏成
石川憲
市 原佳 奈
大村 う司444
-際問 泰 弘
TOll l Oko N ari ai
馬 場 こ づ え
吉 川 雅 博
ュセ@ 暁暁
路 碧 鍔j
竹形 誠 司
青 木監 司
《修士( 学術) ))
数王切[ 1 理を月礼、たGr ぬ ner基底のEucl i d幾 何 へ の 応 用 の 研 究 ・・・・………41
計算機によるWe bペ ー ジ 移 動 先 探 索 の 実 用 化 に 関 す る 研 究 …. ' ・・・・…… . . 43
コミュニティのためのドキュメント空間管理システムに関する研ザヒ - ……45
研 究 者 支 援 を 目 的 と し た 画 像 デ ー タ ア ノ テ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 研 究
一錦絵における源氏物語を対象として一一… … 一- … … … 一- _ . ………47
オ ブ ジ ェ ク ト に お け る 三 次 元 動 作 の 関 数 化 と そ の 制 御 に つ い て ・・・・……. 49 旋律の記憶・歌唱における変形についての研究・… … … ・・・・・・… … . . 51
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st udy on pr osodi c f eat ur es of J apanes e Engl i s h ut t er ances i nf er r ed仕o ml anguage dependent i nt onat i on char act er i st i cs
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ment al veri f i cat i on wi t h asynt hesi s" by- anal ysi s s ys t em " ・・・・・・・53
小 説 テ キ ス ト を 対 象 と し た 人 物 情 報 の 抽 出 と 体 系 化 …・…………・・・…・・… . 55
筋 電 位 信 号 を 利 用 し た 手 の リ ア ル タ イ ム 動 作 識 別 と 関 節 角 度 推 定 ・……・' 57
f道 法 舎 元J におけるパーツ関連度の可視化 ・……- …………- …- - . …・…
59
民俗学論文中の引用資料について
一女性と民俗、産育、良部[17 ] 、衣食の論文を中心iこ …・・…・…・……・・・…・…- 61
ソフトウェア機能を対象とした質問応答 … … ・… … ・… ・… … … … - - … ・… 6 3 大 学 公 式¥Vebサイトデザインに関する研究
一神戸市外国語大学サイトのリニューアルを事伊
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こー …-……・・・・…・… . . 65李 華 百
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のフェルミ函とコンブトン・プロフィール ・・- 67王 海 監 中国における村上春樹の受容
鈴木 有
済 南 ・ 北 京 の 大 学 生 調 査 を 中 心 に し て …・・・・・………・・……. 69 「横)11景 三 集J について
-公 共 図 書 館 に お け る 内 部 空 間 の 連 接 に 関 す る 研 究 本 - 多 層 型 空 間 構 成 の 可 能 性 一
1. 研 究 官 景
公 共
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当者:■Q■セセあり( ランプj ナタン, 1931) 、それを担保するために
均質空間をもっ平屋担建築計画論が妥当とされて
きた( 佐藤ら, 1974; 鬼頭ら 198L
J; 木野ら, 1986)。し
かし、大きな災害が起こるたびに改訂される建築法 規によって日木においては成長に対応した施設の 改修を付行大規模な変化自体が事実上国難となっ
H Q Nゥセ 2005) 。また利用形態の側面におい
て は 近 年 内 部 空 間 内 に 館 内 で の 目 的 に 応 じ た 各
種機能空間を用意することが求められているが( 槌
松, 1999; 了ら, 2002) 、平屋型建築計画論がよっ
てたつ、いかなる目的にも合致するような均質空間
を標携する態度= はその必要性に反している。また
延床面積の拡大傾向( 冨江, 1991) と公共図書館 の立地状況が来館者に与える影響( 栗原ら, 1997;
大仰ら, 1999) を鑑みると、もはや一層で公共図書
館空間を計画することは効果的とは言えない。
2 研 究 の 自 的 と 意 義
既 往 研 究 は 主 に 特 定 の 機 能 空 間 相 互 の 関 係 性 を分析してきたが、本研究は既存の公共図書館建 築 の 空 間 構 成 か ら 機 能 空 間 の 連 接 関 係 を 分 析 す る。 加えて
4
幾能空! ?円相互の関係十生を総{ 本的に明ら かにすることによって、それらの関係性を損なうこと なく多層的に展開することの可能性を検討すること を目的としている。この視点は既往研究にはみられ ない。そしてその成果は施設の質の高い空間の必 要性、延j末冨積の拡大傾向、好立地の要求という 近年の傾向に対して有効な示唆を与えると考えら れる。3 . 空 間 構 造 に お け る 中 心 的 空 間 に つ い て
岡 田 崇 ( 学 籍 番 号 200521349)
研究指導教員: 植松貞夫
建築平面図についてグラフ理論を芹! し1ることに よって│ 持該- 行列を作成し、機能空間相互の連
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妥関 係をま-1量化する。それにより平屋型・多層型の空間 構造特性および内部空「よりにおける中心的空間を 検討した。その結果、型別の特徴として平屋型では空間連 接数は少なく、空間構造における中心性は多層型
に比べて各空間に分散していることが分かったO 多
j画型! においては、空間連接数は多くみられ、中心 性は平屋型よりもカウンター・開架書架エリアに集 中していることが分かったO また公共図書館建築の 内部空間においてはカウンタ一、
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持架書架エリア が空関連接の中心的役割を担っていることが分かっ
7
こO4 . 空 間 構 造 の 可 視 化 に つ い て
グラフ理論から算出した隣接行列に評価尺度を 導入することで連接得点比を作成し、機能空間の 連接関係について数値化を行った。そして得られ た数値を多次元尺度構成法とクラスター分析を用 いることで空間構成の可視化を行い、機能空間の 連接関係を総体的に捉えた。
そ の 結 果 、 内 部 空 間 構 造 は 均 一 な 機 能 空 間 の つながりで形成されているのではなく、つながりが 密な空間の組み合わせで構成された3つ の 空 間 群 から形成していることが分かった。具体的には入口 と児童エリアに代表される空間群、開架書架と視聴 覚エリアに代表される空間群、学習エリアに代表さ れる空間群で、あった( 図1) 。これらは一般的に入
仁l・児童エリア空間群、開架書架・視聴覚エリア空 間群、学習エリア空間群の) 1 1 員で、空間の静説性が増 し、プライバシーの度合いも増していることから、各 群 に お け る 空 間 作 り の 差 別 化 が 空 間 構 成 上 有 効 であることが示唆された。
キ " A St udy on the Connect i on of Internal Spaces in H Z・ョ] 」ッ] イョ。] 「ッ イjjセ
Publ i c Li brari es - Possi bi l i ty of Mul t i l ayered Spati al 書架、 bsニ特別図書、 reニレフアレンス、 kiニ児童、y a=
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園 1: 内部空間の連護状態 3 次 元 プ ロ ッ ト 函 平 屋 霊 園 書 館
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5 . 空 間 構 造 の 変 遷 に つ い て
対象館をIIJ変工年によって 3 其I j に分け分析するこ とによって内部空「訂構造においーての機能空間の遷 移を検討した。その結果、 1990 年 代 以 前 は 多 数 の 空間が連なる空間構成を取っていたが、 1990年 代 以降は空間の機能に応じて小規模なクラスターを 作り、それらを統合させる空間構成へと変化してき たことが分かった( 図 2)。
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図 2: 年代目11多次元尺度構成法・クラスター分析結果
3次 元 プ ロ ッ ト 圏 平 屋 型 図 書 館
6 . 結 論
公 共 図 書 館 の 内 部 空 間 構 造 は1990年代までは 各 機 能 空 間 が 相 互 に 均 一 に 連 接 し て い る 傾 向 に
あったが、 1990 年代からはカウンターエリア・開架 書架エリアを中心として連接が密である空間f I=fj 士 が集まった3つ の 空 間 併 の 部 分 集 合 か ら 成 る 構 成
へと変化した。その 3 つの空間群とは入口エリアと
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Z QセQ エャセyZZ , 学習エリアを中心と
した空間群で、あるO
これらのことから、近年の規模の拡大化傾[ 向、質
の 高 い 空 間 の 必 要 性 、 好 立 地 を 優 先 し た 建 築 面 積 の 縮 小i必要性に対して、多層型の空間構成によ っ》て公共図書館を建築する
i
捺には、それらの空間 群を崩すことなく配躍したとで、カウンターエリアと 開架書架エリアに各空間が連接されるようにするこ とが望ましく、また空間i
i
手 別 で 質 の 高 い 空 間 の 計 画を行うことが有効であると考えられることを結論と した。引 用 文 献
[1J S. R iセ。ョァ。ョ←ャエィ。ョ ZjエMMMB 1度辺信一、
深 井 耀 子 、 渋 田 義 行 . 図 書 館 学 の 五 法 則 . 初版. 1::1本図書館協会, 1981, 425p.
[2J 佐 藤 仁 、 西 川 馨 . 公 共 図 書 館 . 初 版 . 井 上 書院, 1974,196p.
[3J 鬼 頭 梓 . 図 書 館 建 築 作 品 集 . 鬼 頭 梓 設 計 事 務 所 1984,163p.
[4J 植 松 貞 夫 、 木 野 修 造 . 図 書 館 建 築 . 初 版 . 樹村房, 1986, 180p.
[5J 植 松 貞 夫 . 図 書 館 の 成 長 ・ 変 化 に 対 応 し た 施設改善. 情報の科学と技術. vo1.55, no. 11,
2005, p.468- 473.
[6J 植松貞夫. 建築から図書館をみる. 初版. 勉 誠出版. 1999, 225p.
[7J 了 圏 、 今 井 正 次 、 中 井 孝 幸 . 複 数 図 書 館 の 選 択 利 用 の 諸 要 件 に 関 す る 研 究 . 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集no. 577,2002, p. 173- 179. [8J 富 江 伸 治 . 公 共 図 書 館 に お け る 面 積 規 模 の
拡 大 傾 向 と 計 画 の 課 題 . 日 本 建 築 学 会 学 術 講演梗概集, 1991
[9J 中 村 恭 三 、 栗 原 喜 一 郎 . 地 域 図 書 館 の 規 模
別利用圏域モデノレ. 日本建築学会計画系論
文集‘ no.496,1997, p. 97- 104.
[ 10J 大 併 俊 泰 、 山 口 浩 範 . 公 共 図 書 館 ま で の 移
動コストと地理的特性の関係. 日本建築学会
Poppe r理 論 の 情 報 学 へ の 適 用 に 対 す る 批 判 的 検 討 本
一 反 証 可 能 性 と 客 観 的 知 識 の 関 連 性 に 着 毘 し て 一
1. はじめに
本 研 究 で は 科 学 哲 学 者Kar.l R. Popperの後期! の 概念、で、ある「客観的知識論Jの再検討を行う口
Popper の 客 観 的 知 識 論 は 、 情 報 学 者 B. C.
Br ookes によって、情報学の哲学的基礎付けとして
適用の作業がなさ才していた。Popper の客観的知識 論 は 、 伝 統 的 な 心 身 二 元 論 に 記 録 物 の 観 点 を 導 入し、拡張したものと理解できる。Popper は世界を 3つに分け、世界 1 を物質的世界、世界之を主観的
知識の世界としたっそして世界3を記録物によって
成立する世界とし、これが Popper のしづ客観的知 識の世界である。 世 界3は記録物によって成立す
ると Popper は言うが、記録内容のみで構成される
世界と換言することもできる。この世界3は 人 間
個々の主体から離れた、イデア的な世界として' 情
報学の研究者たちカもは解されてきた口
1980 年代に行われた Br ookes の論考は、情報 学者のなかで一定のコンセンサスを得たといわれ る。しかし、現在では客観的知識論そのものに言 及する研究はほとんど存在しない。一方で情報学 のディシプリンに対する哲学的基礎付けを求める 運動は、形を変え現在でも繰り返し〆行われている。 その意味で、Br ook es は情報空間の概念を提示し、 情報学に対して哲学的基礎付けを要請した点で、 現代にも通用する先駆的なまなざしを持っと思わ
れる。そこで、 Br ook esが依拠するPopper の本文と、
Popper と同時代を生きた他の哲学者との論争等を
読み解くことにより、従来の研究とは異なる視座の 獲得をめざした。
2. Poppe r の 本 文 の 検 討
科学哲学から政治哲学、脳科学にまで、至るIp高広
*“ Cri ti cal st udi es f or I nf ormat i on Sci ence rel ated to
Popper' s t heory: f ocussi ng on rel at i onshi p bet ween
Fal si fi abi l i ty and Obj ect i ve K nowl edge" by Yuki nori
O K A B E
阿 部 普 典 ( 学 籍 番 号 2 0 0 5 2 1 3 5 0 )
研 究 指 導 教 員 : 後 藤 嘉 宏
いPopper の業績の中で、客観的知識論は Popper
哲学内部から逸脱したものだと一般的に考えられ てきた。また、情報学における Popper 理論の受容 も、客観的知識論のみを抜き出して険討じていると 考えられる。しかし Popper の後期の哲学である客 観的知識論は、Popperの提唱する前期の概念との 連関があると示唆する研究も数少ないながらも存 在するため、木研究では Popper 哲学を体系的に 捉えなおした。具体的には「反証可能性J、f関か れ た 社 会jの概念を中心に検討し、以下の4点を
Popper本文や先行研究の示唆を受け、示した。
( 1) 反証可能性は科学と非科学: の境界設定問題
であるので、Popper は論理実証主義のテーゼ
である検証可能性から遠く離れて位置すること
( 2) Popper の立脚する可謬主義から導出される帰
結として、反証可能性は真偽の確定を行うく 決定的なテスト>ではないこと
( 3) それゆえに、新科学哲学から浴びせられた批 半I j が妥当でないこと
( 4) 反証の構造そのものがホリスティックで、あるた めに、デュエムニクワイン・テーゼとは何ら衝突 しないこと
これらの具体例から、客観的知識論の正確な理 解への基礎- を作ることができた。
3. 対立する哲学者の視座の獲得
以上f 2. Popper本文の検討jの後、 201立紀以降の
哲学のテーマを真理から言語へと大きく変化させ
たL . Wi t t genst ei n を取り上げた。Wi t t genst ei n と
Popper は「火かき棒事件jとしづ著名な事件で激突
している。そこで、 Wi t t genst ei n を媒介にすることに
よって、 Popper の哲学の全体像の把握を行ったo
Popper は、客観的知識の世界の実在について、コ
ペルニクス的転回で、示された「対象が( われわれ
の) 認識に従うJ 射影的な立場から論じている。だ
-が、 Popper が主体について詳述してしも部分は管 見の及ぶ範l I E
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では見あたらない。 Popper はおそら く 無 自 覚 的 に 独 我 論 の 対 概 念 の 一 つ で あ る 共 我 論を想定しているで、あろうが、主体の概念を巡り、 詳細な議論を)][1える必要がある。そこで、 Popper の 哲学を外部から眺めるためにも、 Wi t t genst ei n のく 夜、> やく我々> に関する議論に注目し、独我論、「私的言語J 等に論及した。
4. 共 我 論 的 主 体 を め ぐ っ て
さらに、著名なWi t t genst ei n 研究者で、ある永井二均 の「独在性Jを、独我論と共我論とを繋ぐ手がかりと して扱い、「交換可能な世界への視点」について議 論を行った。 i並 列 的 に 世 界 を 眺 め る 視 点 の 獲 得 は不可能だが、く私> をi司列視することが出来るj
としウ永井の立論は無限後退に陥ることを指摘し、 同時に、無限後退が成立しているがゆえに、永井 の 立 論 は 一 定 の 成 功 を お さ め て い る こ と を 明 ら か にした口これらの作業から導出される結論として、く 私> とく我々〉の水準の違いについては、両者は
近いものの、何かしら解決不能な「謎jが残ってい
ると述べた。
5. まとめと考察
本 研 究 で は Popper の 原 典 を 体 系 的 に 読 み 直 す ことにより、反証可能性や関かれた社会の概念の 正 確 な 理 解 を は か っ たD この作業に応じて、先行 研究の批判的乗り越えを試みた。先行研究では芸 術は反証可能性をもたないが、 Popper は芸術を客 観的知識の住民に含めていると指摘されてきた。 他方、客観的知識は反証可能性と不可分であり、 客観的知識論の破綻が生ずると批判されてきた。 だが、この批判は反証可能性の概念、をラデ、イカル に捉えすぎた場合にのみ生じる批判だと考えられ る。その上で、本研究では哲学上対立する相手の 視座を獲得することにより、Popper の 客 観 的 知 識 論の問題は、むしろ内在的に立ち現れてくることを 示した。当初、Popper は 客 観 的 知 識 論 を 「 認 識 主 体 な き 認 識 論j と見なしていた口しかし、Popper は 実在の根拠として唱える射影論的議論を行ってい る。ここには端的に矛盾があると思われるため、 Popper が無自覚的に想定していると思われる共我 論 的 な 主 体 に つ い て 精 綾 な 哲 学 的 検 討 を 加 え た
上で、はじめて客観的知識の世界の実在が唱えら れると考えられる。
Popper の哲学を体系的に促え症す作業に応じ、 Br ookes の作業の失敗原因のみならず、情報学に おいて散見される諸問題を指摘、解消することが 出来たと考えられる。客観的知識論はく開かれて いる>がゆえに動的で、あり、静的なイデア論とは対 立的概念、であること、世界3が主体から独立して存 在するとし1うのはPopper 理 論 の 一 面 的 理 解 で あ る こと等を示した。その上で、客観的知識論そのもの は問題を苧むものであり、その問題の解決に資す ると思われる言語ゲームへの射程をもっアプロー チをもってしでも、直接的な情報学への援用は難し し1ことを論じた。一方、客観的知識論と不即不離会の
反証可能{ 生から導出される開カ瓦れた社会等の概念
は、情報学にとって有効な議論で、あると示唆した。
文 献
[1] Popper , K. R. 森 博 訳 客 観 的 知 識 - 進 化 論 的アプローチ. 木鐸社,1974.
[2] 村主服英. Kar l Popper の “ 客 観 的 知 識 " 概 念 と そ の 情 報 学 に 対 す る 意 義 . Li br ar y and l nf or mat i on Sci ence. No. 24
,
1986ラp. l - 10[3 J Br ookes , B. C . 岡沢和世¥長田秀一訳. 情報 学 の 基 礎-1- 哲 学 的 側 面 . ド ク メ ン テ ー シ ョ
セN V o1. 32, No. 1 , 1982, p. 12- 23. [4] Fl ori di , L. On def i ni時 l i braryand i nf or mat i on
sci ence as appl i ed phi l osophy of i nf ormat i on. Soci al Epi st emol ogy. vol. 16, no. 1, 2002, p. 37- 49.
[5] 浜 井 修 . カ ー ル ・ ポ パ ー の 客 観 的 知 識 論 . 社 会 科 学 の 方 法 Vol . 8, No. 10, 1975. [6] Popper , K. R. 内 田 詔 夫 , 小 河 原 誠 訳 . 開 か
れた社会とその敵. 未来社, 1980.
[7J Popper , K. R. 小河原誠,蔭[ JJ泰 之 訳 . 実 在 論と科学の目的. 岩波書) 苫,2002.
[8] Wi t t genst ei n, L . 野矢茂樹訳. 論理哲学論考. 岩波文庫, 2003.
[9] Wi t t genst ei nフL 藤 本 隆 志 訳 哲 学 探 究 . ( ウ ィ ト ゲ ン シ ュ タ イ ン 全 集8 ) . 大修館書j苫, 1976.
読み間かせにおける絵本の選択規準
i
こついて*
1. 研 究 背 景
近 年 、 絵 本 の 読 み 聞 か せ ば 子 ど も の 発 達 や 知 識の獲得等、子どもにとって非常に重要なもので、 あると考えられており、図書館等の公共施設だけ ではなく、一般の家庭においても行われている。し かし、読み関かせに用しも絵本を、どのような観点 から選択するのか、あるいはするべきなのかとし1 ¥う ことについて具体的に明らかにしたものは少ない〔 こうした現状を踏まえて、本研究では、読み関か せに用いる絵本を選択する際に、どのような内容 を重視すればよいのかとし¥うことを明らかにし、今 後 一 般 の 家 庭 に お い て も 、 読 み 聞 か せ に 用 い る 絵本を選択することができるような、絵本の選択規 準を作成することを目的とした。
2 研 究 構 成
本 研 究 は 次 の4 段階によって検討を行う。
第 l に、 3"- - 4歳児が好きな絵本、および、嫌いな
絵本や、読み聞かせの際の 3"- ' 4 歳児の様子・反 応についてなど、家庭における読み関かせに関す
SセT
常的な興味・関心等についての情報も同様に収集 する( 研究 1: 調査 1) 。
第
2
に、調査 i で得た3""-' 4歳児が好きな絵本、および携をし¥な絵本、また、加藤
( 2
0
0
5
)
において、図SセT
み留かせによく使用している絵本として挙げられた
絵本それぞれについて、内容分析を行う( 研究 1:
調 査2・3) 。
第
3
に、加藤( 2
0
0
5
)
において作成した、読み関か せ に 用 い る 絵 本 の 選 択 基 準 を 基 に 、 一 部 の 項 目( 主に絵本の「構想」と、登場キャラクターの「性格
描 写jの2つの側面) について検討する( 研究2)。
キ“ The s el ec t i on c r i t er i a of pi c t ur e book s f or r eadi ng" by Shi ny a KATO
加 藤 慎 矢 ( 学 籍 番 号
200521352)
研 究 指 導 教 員 : 鈴 木 佳 苗
第 4 に、調査結果をまとめ、 3----4 歳 児 へ の 読 み
間かせに用いる絵本の選択規準を作成する( 規準
の構築 )Q
3 研 究
1
3. 1 調 査 i
ャ SセT
礎的情報を収集した。調査対象は、つくば市内の
SセT WX
り
、 3" ' 4 歳児が一番好きな絵本、および嫌いな絵
本、自常生活における興味・関心、家庭での読み 聞かせ環境等について質問紙調査を行った。
その結果、好きな絵本を読む場合には「笑顔を 見せるJ
r
絵 本 の 内 容 に つ い て 質 問 す るJ等 の 積 極 的 反 応 を 、 嫌 い な 絵 本 を 読 む 場 合 に は 、 緊 張 する様子を見せたり、強制的に絵本を閉じたりとい った、消極的・否定的反応を見せることが示された。また、3" ' 4歳児の興味・関心については、「遊ぶこ
とjが最も多く挙げられており、その他にf見ることJ
や「触れることJセカ@
¥
った基本的行動を示す項目や、f家族について」や「身の回りの身近なものについ
てjとしりた、身近な存在・環境についての項目も 多く挙げられていた。
3. 2 調 査2・3
調 査2 および調査 3 では、読み関かせに用いる 絵本の特徴を検討するために、「子どもが好む絵 本J、および「子どもが嫌う絵本J、また、「大人の視
点から選ばれた絵本jの内容分析を行った。内容
分 析 で は 、 主 題 に よ る 絵 本 の 分 類 を 行 っ て い る 佐 々 木
( 2
0
0
0
)
の 分 類 項 目 ( 佐 々 木 は 絵 本 を そ の 「主題JI
こよって分類するにあたり、280
の項目を用いている) を枠組みとして用いた。「子どもが好
きな絵本j 、および、「子どもが嫌いな絵本Jについ ては、調査 l で挙げられた 3" ' 4歳児が一番好き な絵本、および嫌いな絵本を対象として分析を行 った( 調査 2)。また、「大人の視点から選ばれた絵 本j については、加藤
( 2
0
0
5
)
において、図書館員-およびボランティア団体が
3
"
"
'-'5
歳 児 の 読 み 関 か せによく使用している絵本として挙げられた絵本を 対象として分析を行った( 調査 3) 。内容分析の結果、
3
---4
歳児において好まれ、 および、読み手である大人が読み関かせに用いる 絵本を選ぶ際に重視されていると思われる内容と して、「笑うjや「楽しむJ といった明るい内容が共 通して見られた。一方、3
"--4
歳児と大人との間で 異なる内容として、3
---4
歳児では、前述した明るい内容とともに、登場キャラクターが「誉められるJ
といった内容を好み、読み手で、ある大人では、絵
本の登場キャラクターが「願望をもっJや「価値観
をもっJといった内容が重視されているとし¥うことが 示されたc
4 研 交
2
研 究2では、研究 l の 調 査2および調査3に基 づいて、加藤
( 2
0
0
5
)
において作成した、読み関か せ に 用 い る 絵 本 の 選 択 基 準 の 中 で 、 表 現 が 具 体 的でなく、実際の絵本選択が難しいと考えられる 項目を具体化した。加 藤
( 2
0
0
5
)
で は 、 絵 本 選 択 の 際 に 考 慮 す べ き 内容として、 6 つのカテゴリー( i 叙述日描画J 1印 刷・造本Jr
構想、J 1性 格 描 写J 1そ の 他J ) が用いら れているD そのうち、「構想jカテゴリーの項白につ いて、調査2 および調査 3 で明らかにされた、 3---4 歳児では、絵本の登場キャラクターが笑ったり、
楽しんだりするといった「明るい内容jや、家族や
住居などといった「身近な存在・環境J についての 内容に興味・関心をもっとしづ内容を規準に取り 入れた口
5. 規 準 の 構 築
最後に、加藤
( 2
0
0
5
)
で 作 成 し た 選 択 規 準 に お ける6 つのカテゴリーを用いて、絵本選択の際に考
慮、すべき内容をまとめた。
SセT
られるjとしづ展開が好まれること、「動物J やf虫j
が登場する絵本が好まれること、 f明るく、優しく、 好奇心が強しリキャラクターが好まれること、繰り返 しの内容として「音の繰り返しj日 時 間 進 行 の あ る 繰り返しj が好まれること、絵本の「題j に登場キャ ラクタ一、特に主人公の名前が含まれている絵本
が好まれることが示された。
最終的に、これらの調査結果をまとめは ' ""4 歳 児 へ の 読 み 額 か せ に 用 い る 絵 本 の 選 択 規 準Jを 作成した。作成した選択規準では、「叩『動物』や
f
虫J
が登場するJ Q ゥ Q 、|セMM関されてし1沼るJ等の項呂を新しい規準として取り入 れた口
この選択規準では、これら6つのカテゴリーに属
する項呂について、その項目の内容が「ある( ある
いは、はし、) Jかfない( いいえ) Jかとしづ形で評価 を行うことができる口したがって、「ある( はい) Jの数 が 多 い 絵 本 が 読 み 関 か せ に 適 し た 絵 本 で あ る と 判断されることになる。
6 本 研 究 の 意 義
本研究の意義としては、次の2点があげられる。
第 i に、質問紙調査、および、絵本の内容分析を行
し¥"
3
---4
歳児の興味・関心や、好まれる内容、ま た 、 大 人 が 絵 本 選 択 の 際 に 重 視 し て い る 内 容 等について明らかにすることができた。第 2 に、これ
SセT
に 用 い る 絵 本 を 選 択 す る 際 に 重 視 す べ き 内 容 に ついてまとめた、
1
3
---4
歳 児 へ の 読 み 関 か せ に 用 いる絵本の選択規準」を作成することもできた。こ のように、本研究では読み聞かせに用しも絵本選 択を行う上で、有用な情報、およびツールを提示 することができたと考える。本研究で作成した、
1
3
---4
歳 児 へ の 読 み 聞 か せ に用しも絵本の選択規準」を用いることにより、今 後 一 般 の 家 庭 に お い て 、 読 み 手 で あ る 保 護 者 が 容易に絵本を選択することができるようになること が望まれる。文 献
[ 1] 加 藤 慎 矢 . 読 み 間 か せ に 用 い る 絵 本 の 評 価 基準の作成. ( 平成
1
6
年 度 本 学 卒 業 論 文 ) [ 2] 佐々木宏子. 絵本の心理学: 子どもの心を理解するために. 東京,新日翠社,
2000
,263p
.
[3J 小 林 斗 志 子 . 小 学 校 児 童 と 母 親 の 絵 本 観 の 比 較 研 究 読 書 科 学
4
7
( 4
)
,2003
,塁 塁 鋳 記 を 用 い た 患 者 と 医 療 従 事 者 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 分 析 *
1
. 研 究 の 背 景 と 巴 的患 者 は 現 在 , 多 く の 医 療 情 報 を 手 に 入 れ る こ と が で き る よ う に な っ た 。 患 者 が 積 極 的 に 病 気 や 治 療 法 に つ い て , 学 ぶ 環 境 が 整 い つ つ あ る と い え る 。 し か し , そ れ ぞ れ の 患 者 が 医 療 構 報 を 読 み 解 き , 自 ら の 身 体 的 ・ 社 会 的 ・ 経 済 的 な 事 情 に て ら し て 情 報 を 取 捨 選 択 す る た め に は ョ 患 者 の 病 気 の 状 態 を よ く 知 っ て お り 専 門 的 な 医 学 知 識 を も っ 医 療 従 事 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が重要となる。
本 研 究 は , 患 者 に よ っ て 病 気 の 経 験 が あ り の ま ま に 記 述 さ れ て お り , 誰 も が 子 に す る こ と の で き る 闘 病 記 を 利 用 し ョ 患 者 と 医 療 従 事 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 成 否 を 左 右 す る 要 素 を 患 者の視点から明らかにすることを目的とする。
2
. 研 究 の 方 法2. 1
研 究 対 象本 研 究 は 乳 が ん の 患 者 3人 が 執 筆 し た 合 計 6
冊 の 闘 病 記 1- 6)を 対 象 と し た 。 一 人 の 患 者 の 連 続的な経験を抽出するため,
2
冊 以 上 を 執 筆 し た 著 者 ( 患 者 ) の 作 品 を 選 択 し た 。 ま た , 研 究 対 象 の 拡 大 が 可 能 と な る よ うF あ ら ゆ る 疾 患 の 中 で 最 も 出 版 点 数 の 多 い 乳 が ん の 闘 病 記 7)を 対 象とした。2. 2
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 の 抽 出本 研 究 で は , 患 者 と 医 療 従 事 者 と の 双 方 向 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 , お よ び そ れ に 続 く 患 者 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 評 価 し て い る 記 述 を 抽 出 し た 。 具 体 的 に はF 双 方 向 の コ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ン 記 述 と し て は , 患 者 と 産 療 従 事 者 と の 会 話 部 分 を 抽 出 しE 内 容 を 理 解 で き る よ う に す る た め に 発 言 の き っ か け や 経 緯 も 抽 出 し た 。 さ ら に , 会 話 に 対 し て 患 者 が 抱 い た 感 想 や 評 価 に つ い て も 抽 出 し た 。 抽 出 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 の 内 容 は , 検 査 ・ 診 断 ・ 治 療 な ど の 医 療 行 為 に 関 わ る も の に 限 定 しE た と え ば , 診 察 当 日 の 天 気 に 関 す る 話 題 な ど は 抽 出 対 象 か ら 除 い たG
そ の 結 果 , 合 計
85
の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述が得られた。* “
A na
l ysi s
o
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uni cat i on bet w
een p
ati e
n
t
and m
edi cal
キッイォ・イセG@by Yoko
K I K UC HI菊 池 葉 子 ( 学 籍 番 号
200521353)
研 究 指 導 教 員 岩 津 ま り 子
2. 3
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 の 分 析本 研 究 で は 質 的 研 究 手 法 の 一 つ で あ る グ ラ ウ ン デ ッ ド ・ セ オ リ-8 )を 用 い て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ヨン記述の分析を行った。
は じ め に 一 つ 一 つ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 について,内容の概念イじを行った。次に患者が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 評 価 し て い る 記 述 を も と に , コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 成 否 の 評 価 つ い て も 概 念 化 を 行 っ たO その上でE 内 容 ( 評 価 対 象 ) 概念と評価概念、との関わりをみるために,クロ
ス 集 計 を 行 っ た 。 ま た2 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 内 容 と 個 別 姓 あ る 患 者 の 評 価 と い う 観 点 か ら ク ロス集計を行った。
3.
結 果関 病 記 か ら 抽 出 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 記 述 を 分 析 し た 結 果E コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 評 価 概 念 に は , ポ ジ テ ィ ヴ な も の と ネ ガ テ ィ ヴ な も の が あ る こ と が 認 め ら れ た 。 ポ ジ テ ィ ヴ な 評 価 と し ては什言頼J
r
受 容Jr
安心Jr
満 足J があり,一 方 で ネ ガ テ ィ ヴ な 評 価 と し て は 「 不 信 感J
r
独 善 的Jr
不安Jr
不満」があることが認められた。 そ れ ら の 評 価 を 導 く に 至 っ た3 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ヨ ン の 内 容 概 念 は3 次 に 示 す5つ に ま と め る こ とができた。① 治 療 的 判 断 の 健 か ら し さ
患 者 に 対 し 伝 達 さ れ る 医 却 の 診 断 や 方 針 に つ い て , 患 者 自 身 が 自 ら の 状 態 に て ら し て “ 適 切 " で あ る と 認 識 で き る こ と
② 説 明 の 適 切 ら し さ
患 者 自 身 が 自 ら に 必 要 な 説 明 を 受 け る こ と が で き た と 認 識 で き る こ と
③ 患 者 ニ ー ズ へ の 適 応 性
患 者 が 具 体 的 に 訴 え ・ 期 待 し た こ と に 対 し 適 切 な 対 応 が な さ れ た と 患 者 自 身 が 認 識 で き る こ と ④ 患 者 感 情 ( 患 者 の 患 い ・ 5郁子との一致) 具 体 的 に 訴 え ・ 期 待 し た こ と を 超 え てE 状 態 や 心 情 ・ 価 値 観 な ど へ の 配 慮 や 理 解 が な さ れ た と 患 者 が 認 識 で き る こ と
⑤ 伝 達 内 容
治 療 の 結 果 や 検 査 の 結 果 な ど , 伝 達 さ れ る 事 実 内 容 そ の も の が 評 価 に 直 結 し た 例 が 当 て は ま る こ れ ら ① ⑤ そ れ ぞ れ の 内 容 概 念 が , コ ミ ュ ニケーションの評価を左右することがわかった。
-評価概念、と内容概念、の関わりを3 図 l および
図2 に記述数を用いたバブルグラフとして示す。
図i にはポジティヴな評価を,図2 にはネガテ
ィヴな評価を受けた記述数の分布を示す。 3 人
の著者の闘病記それぞれにおける記述数はF 円
を重ねることにより示した。
① 治 蝶 的 ② 説 明 ③ 患 者 ⑧ 感 情 ⑤ 伝 達 内 容
判 断 ニーズ 内容概念
図1 .
posi t i ve
コミュニケーション図 i から,
3
人の患者全体の傾向として,適切な説明が行われることと,一人一人の感情に
配慮がなされることが,「信頼J
r
受容Jr
安心」「満足J といったコミュニケーションのポジテ
ィヴな評価に結びついていることがわかった。
① 治 癒 的 ② 説 明 ③ 患 者 ④ 感 情 ⑤ 伝 達 内 容
判 断 ニーズ 内容概念
図
2
.
n
egat i ve
コミュニケーション図
2
からEネガティヴな評価の観点としても,説明が重視されることがわかった。適切な説明
がなされない場合,治療的判断が適切であると
患者自身が認識できず,患者はコミュニケーシ
ヨンに対して「不信感J
r
独善的Jr
不安Jr
不満Jといったネガティヴな評価を行うことがわかっ
た。さらに円の分布のばらつきや円の大きさの
差異から,患者がコミュニケーションを評価す
る際の観点は一人一人異なっていることがわか
った。しかし,適切な説明を重視する点につい
ては,
3
人の著者に共通していた。4.
考 察本研究では,三人の患者の闘病記から抽出し
たコミュニケーション記述についてその内容と
評価を概念化しョコミュニケーションの成否に
関わる要素を患者の視点から明らかにした。そ
の結果3医療従事者により適切な説明が行われF
患者感情に配躍がなされることが,コミュニケ
ーションを成功に導いていることが明らかとな
った。
しかし,本研究では,乳がんの患者
3
人が執筆した闘病記 S 冊を研究対象として,結果を得
ている。乳がん以外の患者の場合,本研究によ
って得られた知見とどのような相違があるのか
を明らかにするため,他の疾患を対象とする研
究が必要である。また分析の観点を拡げ3 職業
や性別などの患者属性とコミュニケーション評
価の関連を明らかにする必要がある。
5.
結 論患者と医療従事者とのコミュニケーションは3
医療従事者によって適切な説明がなされ,それ
を患者が受け止めることができたときに成功す
ると考えられる。良好なコミュニケーションが
実現されるためには,医療従事者による適切な
説明が必要であるとともに3 その説明に耳を傾
け3 理解しようとする患者の姿勢も必要である
と考える。
参 考 文 献 ・ 参 照 文 献
1) 田原節子. がんだから上手に生きる. 東京,
海竜社,
2004. 2
,
238p
ベ
I SB
N
←
7593- 0804- 0)
2
) 田原節子. 遺書笑う乳がん闘病記. 東京,集英社,
2004. 10
,253p. (I S
郎
←
08- 781305- 3)
3
) 小倉恒子. 女医が字しがんになったとき. 東京3ぶんか社,
1997
,221p
.
(I SB
N
4- 8211- 5009- 3)
4)小倉恒子. あなただって「がん」と一緒に生
きられる. 東京,
7
可出書房新社,2002
,208p.
( I SBN
4- 309- 50243
づ)5) 絵門ゅう子. がんと一緒にゆっくりと. 東京,
新潮社,
2003
,244p.
( I S
部4- 10- 129151- 9)
6
) 絵門ゅう子. がんでも私は不思議に元気. 東京3新潮社,
2005
,223p
ベ
I SB
N
←
10- 460102- 0)
7
)
和田美恵子.r
闘病記文庫j は恵、者・医療者に何をもたらすのか一健康情報棚プロジェクト
の多職種協働活動を通して. 情報管理
. 2006
,vol . 49 no. 9
,
pp. 499- 508.
8) 木下康仁. グラウンデッド・セオリー 質的
実証研究の再生. 東京,弘文堂,
1999
,284p
,公共図書館における資料提供のための協力に関する研究
-
相互貸借の方針と実際一本
1 序 論
1.1 研 究 自 的
本 研 究 は 、 県 立 図 書 館 と 市 町 村 立 図 書 館 及 び 市 町 村 立 相 互 の 協 力 関 係 を 、 資 料 の 貸 借 か ら 把 握するとともに、東京都立図書館のこれにかかる基 本方針の変更によって、実際にどのような問題が 発生しているのか明らかにすることを目的とする。
1.2 研 究 方 法
安定した関係が築かれている滋賀県と大きな改 革により大きな変化が予想される東京都における 資料貸借に関する統計データを分析対象とした。
県立図書館全体の資料費がピークであった1996
年度決算額と2005年 度 予 算 額 以1]カ瓦ら減少率を算 出した結果からは、滋賀県は減少率が平均程度で 踏みととずまっているケース、東京都は減少率が大き なケースに属する口
そ し て 、 滋 賀 県 で は 滋 賀 県 立 図 書 館 と 東 近 江 市 立 能 登 )11図 書 館 、 東 京 都 で は 東 京 都 立 図 書 館 と 多 摩 市 立 図 書 館 に お い て 、 数 値 で は 現 れ な い 協 力関係についてのインタビュー調査を行った。
2. 滋 賀 県
2.1 背 景
県 立 図 書 館 は 1980年に現在地に開館して以来、 県内の市町村立図書館への支援を重視している口 市 町 村 立 図 書 館 は 滋 賀 県 に よ る 図 書 館 振 興 施 策 によって1990年代以降次々に開館した。設置率は 高いが、各自治体の規模が小さいため図書館も小 規模なものが多い。
2. 2 滋 賀 県 の 状 況
県 立 図 書 館 は 市 町 村 立 図 書 館 を サ ポ ー ト す る 業務として資料保存センタ一機能を行っている[2]。 図 書 は 市 町 村 立 図 書 館 の 除 籍 資 料 の 中 か ら 県 立 図書館未所蔵のものを県立図書館の蔵書として受 け入れる。雑誌は県内の図書館で、話し合って保存
* “ Cooper at i on f or provi si on of mat eri al s i n publ i c l i brari es
- Pol i cy and fact of i nt erl i brary l oan- " by Kaor i K OJIMA
小 島 香 織 ( 学 籍 番 号
200521355)
研究指導教員:
植松貞夫
する約 200 タイトノレと、それぞれに最終的に責任を
持つ図書館( アンカー館) を決めた。市町村立図書
館は欠号を補充し破損本を差し替えて、県立図書
館に提供する。このように市町利- 立図書館の資料,
を最終的に県全体で保存していくのがこの機能で ある。このような形で資料が集約されているため、 県立国書館は制限なしでほとんど全ての蔵書を市
n
可村立図書館へ貸し/
i¥
す。県 内 の 相 互 貸 借 の 仕 組 み は 、 ま ず 県 立 図 書 館 へ 依頼する。県立図書館は未所蔵の資料も購入して
提供する。入手不可能な場合は! 巣立図書館が所
蔵館を調査し結果を連絡するので、各図書館がi直
接申し込む口所蔵館の調査まで行い、県立図書館 が手摩く支援している口
県 立 図 書 館 か ら の 貸 出 冊 数 は 全 体 と し て 増 加 傾 向にある[ :3J。ただし2005年度は減少しており、それ
は市町村- 合併の影響で函書館が複数館体制にな
り、自治体内で、の充足があるためで、あるO
県立図書館でのインタビューでは、県立図書館 が 基 本 的 に 市
u
司令村立図書館への貸し出しを大変 重要であると考えていることがわかった。能登川図 書館でのインタビューでは、市町村立図書館が県 立 図 書 館 の 方 針 に 対 応 し て 、 県 立 図 書 館 を 最 大 限に利用することを前提にサービスが行われてい ることがわかった。2. 3 まとめ
滋賀県では、県立図書館が資料の貸し出しゃ資 料 保 存 セ ン タ ー 機 能 で 市 町 村 立 図 書 館 を 強 力 に バックアップoしている口しかし、それは県立図書館 からの一方通行の協力ではなく、資料保存センタ ー機能では市町村立図書館も責任の一端を担う口 結果として、県立図書館の蔵書は皆の蔵書で、ある としづ意識を県立図書館も市町村立図書館も共有 する。県立図書館の支援が充実しているため、市 町村立図書館関士の協力関係は必要とされない。
-3 東 京 都
3. 1 背 景
都立│亘書館は、書庫の狭腕化と資料費' のj成績と しづ問題に対応するため、2002 年 に 図 書 館 改 革 を 行った。 [ 1]
3. 2 東 京 都 の 状 況
改革による相互貸借への直接的な影響は、 2 段
階で、起こっている。第 1段階として 2002年 3月に 都立多摩図書館の複本を放出、4 月 以 降 はi タイト ノ
レ 1 1冊の収集になった。その結果、購入タイ1,ル数 の減少と複本を購入しなくなったことで、貸しl土1,
ii-
な く な っ た 資 料 が 増 加 し た 。 今 ま で 多 摩 図 書 館 が 行 っていたレブアレンス資料の貸し出しが仁│ 二i止に、貸 し出しの対象になっていた多摩図書館の雑誌の多 くのタイトノレが収集中止になった。第 2 段階として2003 年 9 月 以 降 は 都 立 図 書 館 か ら 貸 し 出 す 資 料 を制限し、 2003 年 度 末 で 高 仙 な 資 料 な ど を 市 区1I1
J
村立図書{ 甘さからのリクエストで、購入する制度も廃止 された。多 摩 市 立 図 書 館 の 借 受 状 況[5Jを見ると、都立図 書館からの件二数は 2002年度に大きく減少し、2003
は 一 時 的 に 回 復 す る が そ れ 以 降 は 減 少 傾 向 にある。それに対して市区
m
T
i
寸立図書館からの件 数は増加し続け、都立図書館と市区1I1T
村 立 図 書 館 との件数の割合は、 8: 2 から 6: 4 に変化している。 また、借受件数全体を見ると 2002 年度に減少し、2003 年 度 は 一 時 的 に 回 復 す る が そ れ 以 降 減 少 傾 向にある。利用者に資料が提供で、きなくなっている ことが考えられる。
都立図書館でのインタビューで、は、者
s
立 図 書 館 が協力レファレンスや研修の方に重点を置くように なり、市区IlIT村 立 図 書 館 へ の 貸 し 出 し の 比 重 を 大 きく下げ始めていることがわかった。多摩市立図書 館 で の イ ン タ ビ ュ ー で は 、 市 区 町 村 立 図 書 館 は 都 立図書館の方針転換に対応しようとしているが、苦 しい状況で3. 3 まとめ
東京都では財政難によって都立図書館が大きく 方 針 転 換 し 、 物 を 提 供 す る 協 力 か ら 情 報 を 提 供 す る 協 力 へ と 業 務 内 容 が 変 化 し た 。 都 立 図 書 館 は 市
i
玄 町 村 立 図 書 館 へ 自 立 を 求 め て い る が 、 市 区 町 村 立 図 書 館 開 士 で は 補 え な い 部 分 が あ る 。 都 立 図 書 館 の 方 針 転 換 に よ っ て 、 市 区 町 村 立 図 書 館 が 利用者の要求に応えられない部分が出ている。4. 結 論
滋 賀 県 で は 県 立 図 書 館 を 中 心 に 安 定 し た 協 力 関係がで、きあがり、利用者へ良いサーピスが促ー供 できる。資料保存センター機能では
rfilW
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寸立国書 館 も 保 存 の 責 任 を 担 い 、 県 全 体 で 協 力 す る と い う 識ができている。しかし、市IHJ村 立 図 書 館 同 士 の 協 力 関 係 が 必 要 と さ れ て い な い 体 制 で は 、 県 立 図 書 館 が サ ー ビ ス を 維 持 で き な く な っ た 場 合 に 重 大な危険性を有するといえる。東京都のように、市区I ! !
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寸 立 図 書 館 の 規 模 が 拡ョセ○Z
のは当然のことで、あるO 相 互 貸 借 の 中 で 、 市 区 町
村立図書館同士の協力で、できる部分が確かにあるO
しかし東京都では、もともとは滋賀県のような都立 図書館を中心とした協力関係だった中で、市区III了
村 立 図 書 館 同 士 の 協 力 関 係 が き ち ん と 作 ら れ な い う ち に 都 立 図 書 館 が 急 激 な 改 革 を 実 施 し た た め に 問題が起きている口
県内の協力関係を考えると、市区u引寸立図書館
の 協 力 関 係 を 育 て 、 市 区IHlー村立図書館の規模の 拡大と共に徐々に業務を分担していくような、新し し吋: 自主協力のモテ、/ レ構築が必要で、ある。
文 献
[1J 日 本 図 書 館 協 会 図 書 館 調 査 事 業 委 員 会 . 日 本 の 図 書 館 : 統 計 と 名 簿 . 東 京 , 日 本 図 書 館
協会. 各年版より
[2J 北 市 和 彦 . 滋 賀 県 立 図 書 館 に お け る 資 料 保 存
センター業務について. ネットワーク資料保存.
no. 73, 2004, p. 1- 3.
[3J 滋 賀 県 立 図 書 館 " 滋 賀 県 立 図 書 館 事 業 概 要 . 滋 賀 県 立 図 書 館 . ( オンライン), 入 手 先
(ht t p: / / www. shi ga- pr ef - l i br ar y. j p/ d_ out l i η e/ c
m_out l i ne. cf i n) , ( 参照 2007- 02- 14) .
[4J 都 立 図 書 館 あ り 方 検 討 委 員 会 ブ 今 後 の 都 立 図 書 館 の あ り 方 一 社 会 経 済 の 変 化 に 対 応 し た 新 た な 都 民 サ ー ビ ス の 向 上 を 目 指 し て " 東 京 都 教 育 委 員 会 . ( オンライン) , 入 手 先
(ht t p: / / www. kyoi ku. met r o. t okyo. j p/ buka/ s ho
gai / t oshokan. ht m) , ( 参照 2007- 02- 14) .
社 会 的 知 識 の 構 築 プ ロ セ ス に 関 す る 研 究 :
W
i ki pedi a
に対する談話分析を通して本1 研 究 自 的
図 書 館 情 報 学 分 野 に お い て 「 知 識jは 重 要 な
研究テーマのーっとみなされており、様々なかた
ちで研究されてきた。{ yJIえ ば 、 科 学 論 文 の 引 用
関 係 に 着iヨし特定の専│ ヨ1
1
領 域 に お け る 知 識 体系の構造を分析する研究や、研究者の行動に対ー
する調査から知識形成の過程を明らかにしようと
する試みなどが挙げられる。しかし、これまで研
究 対 象 と さ れ て き た の は 、 い ず れ も f 科 学 的 知
識jであり、人々が日常的に共有していると思わ
れる知識にこでは「社会的知識」と呼称する) で
はなかった
O なぜなら、社会的知識は研究対象と
して扱うに足る形式をもっていなかったからで、あ
る。
し か し 今 日 で は オ ン ラ イ ン 百 科 事 典
Wi k i pedi a の 登 場 に よ っ て 、 社 会 的 知 識 を 分 析
対象として扱うことが可能となった。なぜなら、
Wi ki pedi aはこれまで表現されてこなかった“ 人々
が日常生活の中で、知っている、もしくは知りたい
と思う様々な事柄" を彼ら自身の言葉で表現し、
蓄積しているものだからである。そこで、本研究
では、社会的知識の構造とと、それが構築される
フ。プ1ロコセスを i明現らかにすることを自 的l白
3
約守として、羽
Wi出ki pμedi a に文:
編集履歴に対して分析を行しい、、社会的知識が構
築されるフ。ロセスと、編集の結果としてどのような
知識構造が形成されているのかを明らかにした。
* “ Resear ch on Const r uct i on of Soci al
K nowl edge Bas ed on Di scour se A na] ysi s of
Wi ki pedi a円by Yuk o S UZ UK I
2. 分析
鈴 木 夕 子 ( 学 籍 番 号 200521359)
研 究 指 導 教 員 : 歳 森 敦 員I j 研究指導教員: 松林麻実子
Wi ki pedi aを「社会的知識がテクストとして表現
されているものJとみなし、それらに対して談話分
析を行った。記述される知識の内容によって、構
造や構築プロセスは異なると予想されたため、
Wi ki pedi aにおし1て項自数が豊富で、あり、WJ職業』
という属性からジャンノレ分けが可能で、ある f 人物j
を分析対象とし、 10種の職業から各 10名を抽出
した。
まず、各人物に関する記述を「生年月日j、「あ
る ひ と つ の 出 来 事Jといったレベノレで、要素として
切り分け、「記述されている要素J、「要素[ 討の関
係 性J、「記述形式」や「記述の章立てJなどにつ
いて図式化して整理し、最新版の知識構造を明
らかにした。次に、編集履歴を 1版ごとにみていく
ことで、その構造がどのようなプiコセスを経て構
築されたのかを明らかにした。
その結果に関して職業ごとに比較を行い、構
築 プ ロ セ ス の パ タ ー ン や 構 造 に 共 通 点 が あ る か
否かを確認した。それによって、しづ旦れの職業に
も 共 通 す る 特 徴 で あ る の か 、 特 定 の 職 業 に の み
みられる特徴であるのか、それとも個人レベルで
みられる特徴であるのか等について考察を行っ
た。
3
分 析 結 果3.1 知 識 構 造
人物に関する知識は、「プ口ブイーノい経歴( ・
-リスト) J の 2 ( 3) つのパートから成る構造とし て捉えることができる。さらにプロフィールと経歴 に関しては、実際にあった出来事と、それらに関
する詳細な説明や挿話│ 杓なエピソードが付随す
る。業績は経歴と区別されず、経歴仁│二iに 業 績 が 記述されるのがー般的で、あるO ただし、業績が 品としづかたちで残される職業の場合は「著作り スねなどの業績リストが作成される。このような構
造は 10ジャンルし吋ヰれの職業にも共通して見ら
れたため、人物全般に共通のもので、あると考えら れる。
具体的な記述内容やエピソードの種類には、
ョ G Aセ]ェ
った。例えば、プ口ブイーノレは生年jミJ 1:] や 出 身 地 、人物で、あれば誰しもに備わっている情報の 集合であるが、それらの要素のうち何が記述され るか、またどのように記述されるか、とし¥うことは、
j版業によって異なることがわかった。{ ヂ.IJえば、
t
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二 月IJは一般的に記述されない傾向がみられたが、 あ る 職 業 に 関 し て は 半 数 近 く の 人 物 で 記 述 さ れ ていたというような例がみられた。したがって、人物に関する知識は、構造は「記 述対象が人物で、ある」としづ要因によって決定さ れていると考えられ、具体的にどのような内容が 記述されているのかに関しては
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J
践業が何か」と しづ要因によって決定されてし¥ると解釈できる。なお、ジャンルに関わらずエピソードの記述 が多く、上記の構造では説明できない人物がみ られた。これらの人物については、エピソードの みが独立した章としてまとめられる傾向がみられ た口当該人物らは、テレビや雑誌等のマスメデ、イ アにおける露出が多いとしづ共通点があるため、
「著名か否かJによって構造に差異が生じている
と考えられる。つまり、著名人であれば、上記の
イキ o セMMMM
が付
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随泊する到J とι
し¥づう構造を維持しつつも、r
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フ。ロブHIセ
さらにエピソードのみをまとめたノ〈ートが出現す る
J
J
J
としづ独特の構造をもっということが明らかと なった。3. 2構築プロセス
100 名について編集履歴を分析したが、そこ
に特定のパターンはみられなカλったc
ただし、編集回数や記述の増加とし1った量的
な変化に着告すると、著名人や男優など、メディ アにおける露出が多い人物ほど編集担数が多く、 小 説 家 や 法 学 者 は 編 集 回 数 が 少 な い 傾 向 が み られた。また記述量の変化に関しては、著名人
は 1 版自の記述量が少なく、その後の編集で記
述が大幅に上自力[ 1 するといった傾向がみられたO
4. 結 論
人物に関する知識は「フ冶フィーノい経歴( ・業
績リスト) Jとしづ要素にエピソードが付随するとい う共通の構造をもつことが明らかとなった。また、 具体的な記述内容に関しては職業ごとに一一定の
傾向がみられる結果となったO ただし、著名な人
物に関しては、標準的な構造とはやや異なり、エ ピソードのみが独立した章としてまとめられる傾 向にある。ここから、人物に関する知識は、 f記 述 対 象j 、「職業jとし1う二つの要因で構造と記述内
容が決定されており、そこに「知名度jとしづ要国
が加わることで、エヒ。ソードとしづ章が独立する構 造になると解釈される。
構 築 プ ロ セ ス に つ い て は 、 特 定 の パ タ ー ン は みられなかったが、編集回数をみると職業ご、との 傾向がみられ、記述量の変化をみた場合は著名 人に特徴的な変化がみられた口したがって、知識 構 造 が 構 築 さ れ る プ ロ セ ス は 個 々 の 記 述 対 象 に
よdって異なるものであったが、最終的には一定の