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儲かる農業の実現
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1 活動のねらい
完熟きんかんは、省力的で収量及び販売単価も安定しているため、JA宮崎中央管内 においてもマンゴー次ぐ基幹品目として、管内全域で産地が形成されています。
支援対象であるJA宮崎中央ハウス金柑部会(50 戸)は、研修会や出荷目揃え会等 の講習会への参加率も高く、部会員が全員参加しての摘果確認の園地巡回等、部会一体 となった取り組みで高品質果実の出荷を行ってきましたが、近年は、天候不順や高齢化 の進行に伴う栽培管理の不徹底等により、1番花の結実不良が見られるなど、出荷解禁 となる1月中∼2月上旬の出荷量が安定しない状況が見られました。また、部会員の高 齢化と併せて後継者も少ないことから、今後の産地維持が危機的な状況であることも明 らかになってきました。
そこで、今後の産地維持や生産性向上の為の課題や取り組み事項等を明確にするため に同部会における産地ビジョンの策定と新技術導入について支援しました。
2 活動の経過又は普及の関わり
⑴ 産地ビジョンの策定支援
平成 26 年度に部会員を対象として産地維持のため のアンケート調査を実施し、その結果を元に平成 28 年度は産地力アッププロジェクトチームを中心に、産 地ビジョンの原案を作成し、部会役員等と意見交換を 行いながら同年度末に産地ビジョンを策定しました。 産地ビジョンでは、10 年後の農家数や販売金額等の 目標を定め、達成のための具体的な取り組み事項を生 産、販売、産地維持の3項目で整理し、5年間の工程 表を定め取り組みを開始しました。
⑵ 開花期加温技術による出荷早進化技術の普及
当技術は出荷時期の早進化と結果率の向上を目的 に、5月下旬から7月上旬に加温を実施する技術で、 平成 27 年度に実証を開始し、平成 28 年度からは実 証に加え、技術講習会や加温時期の個別巡回により細 やかな温度管理等の指導を強化しました。また、当技
術の普及にあたっては、マトリックス分析を活用して、農家毎に総合的な生産技術の 改善を図るとともに、自動開閉装置の導入等が必要となるため、関係機関と連携し、 補助事業を活用した施設整備等も進めました。
⑶ 産地維持に向けた取組(園地台帳等の整備等)
現在、農家の約4割が 70 歳以上の高齢者であり、5年後のなりゆき予測では、後 プロジェクトチームでの検討
マトリックス分析の活用
ĵ 継者がいない場合、約 60 aの栽培面積の減少が想定されるなど、産地維持の取り組 みが急務の課題であることが、産地ビジョンの策定を進めたことで、改めて部会内で 認識されました。そこで、普及センターが中心となり、第三者継承等を含む、多様な 担い手確保に向け、平成 29 年度は、園地台帳整備や産地維持に向け、意識向上のた めの研修会等の開催を支援しました。また、アンケート調査により、園地情報と併せ て後継者の有無や第三者継承の意思確認を行っています。
3 活動の成果
⑴ 産地ビジョンの策定による部会員の意識統一
産地ビジョンにおいて、生産については、開花期加 温技術やマトリックス分析等を活用した技術格差の是 正等、これまでも部会で実践してきた項目が取組事 項の中心となりました。一方、産地維持については、 新たな取組として、園地継承のための体制整備につい て、部会内の意識統一が進みました。
⑵ 出荷早進化技術の普及による1月出荷量の増加 平成 28 年度は 22 戸、平成 29 年度は 25 戸が開花
期加温技術に取り組み、平成 28 年度は、多くの園地 で1番花の結果率の向上が見られ、部会全体の出荷実 績としても1月の出荷量が前年の 2.7 倍まで増加し、 部会内での当技術に対する理解と普及が進みました。 ⑶ 園地台帳の整備等による園地継承への理解促進 産地維持のための第三者継承は、先進地事例研修の
支援や定期的に開催される講習会の際に、普及センタ ーから理解促進を図っており、現時点で約3割の部会 員が園地継承への理解を示しています。
これらの取組を進めたことで、産地維持や生産性向上に向けた農家の意識が高ま り、平成 28 年産は部会として過去最高の販売額を記録するなど、良い方向へ向かい 始めています。
4 今後の方向
産地ビジョンの実施項目である開花期加温技術の更なる普及を図るとともに、大玉果 率の高い「宮崎王丸」の導入促進を図ることで、更なる産地の生産力向上を支援したい と思います。また、産地維持に向けては、園地台帳整備を進めるとともに、第三者継承 への理解促進をはかり、スムーズな園地継承が行える体制づくりを進めたいと思います。
5 対象集団又は対象農家の声
開花期加温に取り組んだことで、出荷時期が早くなり所得が向上しただけでなく、防 除や収穫後の管理作業の組み立てがスムーズにできるようになった。
産地ビジョンの検討や産地維持に係る研修を受けたことで、後継者が少ない状況の中 では、第三者継承等の新たな担い手確保を進めなければ産地が維持できないことが実感 できた。今後とも関係機関と連携し、産地維持に向けた取組を進めていきたい。