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温水式床暖房と家庭用燃料電池CGSの併用効果に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)温水式床暖房と家庭用燃料電池 CGS の併用効果に関する研究. 中尾 1.. 表1. はじめに 近年、地球温暖化問題やエネルギー枯渇問題への関心. 所在地 用途 建築面積 延床面積 階数 最高高さ 構造 工期. の高まりから、住宅においても様々な省エネルギー対策、 創エネルギー対策が推進されている。その中でも、家庭 用固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム. 美晴. 建物概要 福岡市西区今宿 研究施設・宿泊体験施設 79.49㎡ 119.23㎡ 2階 8.98m 木造 平成21年8月~12月. 写真 1. 建物外観(南東側). (以下、PEFC-CGS)は家庭用の機器として一般販売が開 3600. 7200. 1800. 1800. 洗面所. 浴室. 3600. 2700. 洋室2. ら、住宅の電力需要と熱需要のバランス(熱電比=熱需 3600. 洋室1. 3600. 洋室3. 3600. 便所 3600. (台所). 要/電力需要)が導入効果に大きく影響することが明らか. 900. 吹抜 (居間上部). 1800. 7200. 始されるなど注目を集めている。これまでの研究結果か. LDK. ホール. 5400 ファミリールーム. 10800. 1800. サンデッキ. 10800. 1800. 納戸 (食堂). 合効率を向上させる方法として、温水式床暖房に CGS の. 10800. 便所. にされている。熱需要を創出し熱電比を高め、CGS の総. 果を明らかにすることを目的とする。数値シミュレーシ. 3600. ョンを用いて、温水式床暖房と家庭用燃料電池 CGS との. 3600. (a) 1 階. (b) 2 階 図1. 創エネ住宅. 表2. 本研究で対象としている住宅は、福岡市西区の西部ガ. 発電設備 発電・熱源設備 熱源設備 熱利用設備 暖房設備. ス株式会社総合研究所内に建つ「西部ガス・創エネハウ ス(以下、創エネ住宅)」である。表 1 にその建物概要を、. 3600 7200. 対象住宅の概要. 2-1. 3600. 3600. 7200. 併用システムの導入効果の検討を行う。 2.. 出居. (居間). 導入住宅における家庭用燃料電池 CGS の地域別の併用効. 3600. 排熱を利用する方法がある。そこで本研究では、床暖房. 平面図. 導入設備概要 太陽光発電システム 固体高分子形燃料電池CGS 太陽熱温水器 床暖房,ミストサウナ ガス暖炉. 写真 1 に建物外観を、図 1 に創エネ住宅の平面図を示す。 表3. 本建物は長期優良住宅の普及促進を目的とした住宅への 設備システム開発のための研究施設として、また、長期 優良住宅をエンドユーザーへ PR するための宿泊体験施. 創エネ住宅の部位構成. 構成[mm](内→外) 部位 漆喰[5],石膏ボード[12],断熱材[45],合板[9],通気層,合板[9],壁土[18] 外壁 ガラス[6],中空層[12],ガラス[6] (断熱Low-Eペアガラス) 窓 合板[24],断熱材[95],合板,アスファルトルーフィング[1],スレート[5] 天井(屋根) フローリング[15],合板[24],断熱材[45] 床. 設として計画されたものである。 表4. 1 階はオープンな LDK、2 階は寝室として 3 つの洋室と ファミリールームという構成になっており、LDK には温. 地域区分 外壁 窓 天井 床. 水式床暖房が導入されている。なお、LDK は負荷計算に 際して南側から居間、食堂、台所の 3 室に分けてモデル. 創エネ住宅 Ⅳ 断熱材[45] 変更なし 断熱材[95] 断熱材[45]. 部位構成の変更点 地域別住宅モデルの変更点 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 断熱材[160] 断熱材[95] 断熱材[45] 断熱材[160] 断熱材[160]. 断熱材[160] 断熱材[95]. 断熱材[95] 断熱材[45]. 表 3 に創エネ住宅の主な部位の構成を示す。創エネ住. 化した。切妻屋根の南側には太陽光発電パネルと太陽熱 温水器の集熱パネルが設置されている。. 宅は次世代省エネルギー基準を満たす仕様となっている。. 2-1. 特に、窓仕様については開口部が大きいことから冬期の. 省エネルギー対策. 表 2 に創エネ住宅に導入されている各種設備機器を示. 暖房負荷を抑制するために断熱 Low-E ペアガラスが採. す。太陽光発電システムや PEFC-CGS の創エネシステム. 用されており、熱損失係数 Q 値は立地する第Ⅳ地域の基. の他、床暖房やミストサウナなどの熱利用設備が導入さ. 準値を上回る第Ⅲ地域の基準値を満たしている。本研究. れているのが特徴である。熱源設備の PEFC-CGS と太陽. では地域別の導入効果を検討するため、創エネ住宅を基. 熱温水器は切り替えによって何れかを選択するものとな. 本とし、部位構成を表 4 のように変更することで地域別. っている。. 住宅モデルを設定した。. 32-1.

(2) 表5. 設定条件. エアコン case1 case2 case3 case4 case5 case6 case7 case8 case9 case10. 在室時運転. 終日運転 居間・食堂・台所→なし それ以外→在室時運転. 表6 対象室. case1. エアコン負荷 居間 エアコン負荷 食堂. 床暖房 なし 在室時運転 終日運転 予熱運転 なし 在室時運転 終日運転 予熱運転 在室時運転 終日運転. case2. エアコン負荷 居間吹抜 エアコン負荷 寝室3. case3. エアコン負荷 寝室1 エアコン負荷 寝室2. case4. 床暖房負荷 居間 case5. 床暖房負荷 食堂 床暖房負荷 厨房. case6. エアコン運転スケジュール 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. エアコン運転スケジュール 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. case7. 居間・食堂 洋室1 在室時運転 洋室2 洋室3 終日運転 全空調室. case8 case9. 表7 対象室 在室時運転 終日運転 予熱運転. 3.. 0 1. 床暖房運転スケジュール 2 3 4 5. case10. 床暖房運転スケジュール 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. 厨房 居間・食堂 厨房 居間・食堂 厨房 居間・食堂. 0. 5. 10. 15. 20. 期間積算暖房負荷 [GJ]. 図2. 期間積算暖房負荷. (case1、case5)に比べ暖房負荷が削減される。. 床暖房導入住宅の熱負荷計算 1). エアコンを在室時運転する case1~case4 を比較すると、. 動的熱負荷計算プログラム THERB を用いて床暖房シ ステムをモデル化し、創エネ住宅の熱負荷計算を行った。. 床暖房の運転により床暖房設置室のエアコン負荷が大き. 床暖房設置室は、図 1 に示すとおり居間、食堂、台所と. く削減されている。また、床暖房設置室の上部に位置す. した。エアコンで処理する熱負荷をエアコン負荷、床暖. る洋室 3 においても負荷が削減される。床暖房終日運転. 房への供給熱量を床暖房負荷とする。計算は冬期暖房期. である case3 がもっとも負荷が小さく、case1 に対して. 間(12 月から 3 月)のみとした。. 5.1%の暖房負荷削減率となる。. 3-1. エアコンを終日運転する case5~case8 の場合も同様に、. 計算条件の設定. 床暖房の効果を把握するために、表 5 に示す設定条件. 床暖房によりエアコン負荷が削減され、全体の暖房負荷. でケーススタディを行った。エアコン、床暖房の各運転. も減少する。床暖房終日運転である case7 の負荷が最も小. スケジュールについては、表 6、表 7 に示すとおりであ. さく、case5 に対して 11.4%削減されている。また、在室. る。case1~case4 はエアコンを在室時運転、case5~case8. 時運転(case6)と予熱運転(case8)にはあまり差は見ら. はエアコンを終日運転とし、床暖房の運転スケジュール. れない。. を、運転なし、在室時運転、終日運転、予熱運転とそれ. 床暖房設置室において床暖房のみ運転を行う case9 と. ぞれ設定した。予熱運転とは、在室の 1 時間前から予め. case10 は、全ケースの中でも最も負荷が小さくなってお. 床暖房を運転させるものである。case9、case10 は床暖房. り、最も一般的な空調方法と考えられる case1 と比較する. 設置室のエアコンを運転せず、床暖房のみで暖房を行う. とそれぞれ 15.9%、8.9%削減される。. もので、それぞれ在室時運転、終日運転とした。なお、2. 4.. 階洋室のエアコンは在室時運転を行う。. 4-1. 併用システムの数値シミュレーションの概要 併用システムの概要. 図 3 に併用システムの概要を示す。. 床暖房の運転は流量を 1.0[L/min]、供給水温を 60℃一 定でおこなう。運転スケジュールの中で、床表面温度が. PEFC-CGS は、発電及び排熱回収を行う PEFC ユニット. 25℃以上になると運転を停止し、24℃以下になると再起. と、排熱回収後の温水を貯める貯湯タンクユニットで構. 動するように制御する。床暖房のみで PMV が-0.5 を下回. 成される。家庭内で発生する電力負荷は、まず PEFC-CGS. る場合、エアコンにより PMV が-0.5 以上となるよう制御. からの発電で賄い、不足分は系統電力によって賄う。余. する。床暖房のみで PMV が-0.5 以上となる場合は、PMV. 剰電力が発生した場合は、逆潮流せず放電するものとし. は成行きで推移する。. た。家庭内で発生する給湯負荷は貯湯タンクから賄い、. 3-2. ミキシングユニットで出湯温度に調節される。貯湯タン. 床暖房導入時の熱負荷計算結果. 図 2 に各ケースの日平均暖房負荷を示す。床暖房とエ. ク内の水温が出湯温度に満たない場合は、サブボイラー. アコン暖房を併用すると、エアコンのみで暖房する場合. で追炊きされる。. 32-2.

(3) 排熱回収ポンプ(図 3:P1)は、PEFC ユニットから回. 系統電力. 収された温水が 60℃になるように変流量制御される。な. 照明. お、排熱回収を行う際に排熱回収循環水が 55℃以上にな. 床暖房 ON. PEFC 発電. 給湯負荷. 市水. ・風呂. MU. で放熱される。温水式床暖房を運転するときは、排熱回. 排熱回収 熱交換器. 発電機. SB. ・炊事. P2. 貯湯槽. 収した温水を直接利用して温水式床暖房の循環水を加熱. P1. ユニット. 熱交換器 P1. H2. する。排熱回収温水と床暖房の循環水との熱の受け渡し. 都市ガス. R. 改質器. 市水 排熱回収循環水 ( 貯湯槽 ). PEFC ユニット. は熱交換器によって行う。PEFC の運転制御は、貯湯槽の. 図3. 最下層が 58℃以上になると停止し、最下層が 55℃以下に なると再起動する設定とした(以下、貯湯槽満蓄制御)。. 排熱回収循環水 ( 床暖房 ). シミュレーションプログラムの構築. シミュレーションプログラムの構築を行った。数値シミ ュレーションプログラムは、PEFC-CGS プログラム、建 物の熱負荷計算、貯湯槽や熱交換器等のサブシステムで 構成されており、それぞれ連成している。PEFC-CGS プ. 買電 日平均 1次エネルギー消費量 [ MJ/日]. ログラムは既往研究にて構築したもの 2)を用い、建物の熱 負荷計算は、前項と同様に THERB1)によって行った。貯 2). 湯槽の計算は、温度成層型貯湯槽モデル を用いた。熱交 換器の計算は、対数平均温度差の概念を用いた。床暖房 用循環ポンプの消費電力は 60[W]とし、PEFC-CGS の 排熱回収用循環ポンプの消費電力は、消費量が小さいた. なし. 電力負荷追従運転. 定格運転. 余剰電力. CGSガス. 給湯ガス 450. 400. 400. 350. 350. 300. 300. 250. 250. 200. 200. 150. 150. 100. 100. 50. 50. 0. 0. -50. -50. CASE1. CASE4. CASE7. 図4. 構築したプログラムでは、生活スケジュール自動生成 プログラム SCHEDULE Ver.2.03)を用いて作成した一般電. SB. サブボイラー. R. ラジエータ. キッチンガス. CASE1. (a) 福岡. 地域別入力データ. ミキシングユニット. 床暖房 なし 予熱運転 終日運転 なし 予熱運転 終日運転 なし 予熱運転 終日運転. 450. め無視した。. 床暖房用ポンプ ( 一定流量 ). MU. 設定条件. PEFC CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7 CASE8 CASE9. 排熱回収用ポンプ ( 変流量 ). P2. 併用システム概要図 表8. 併用システムの導入効果を明らかにするために、数値. 4-3. 都市ガス. 床暖房 OFF. ると、循環水が 55℃になるようにラジエータ(図 3:R). 4-2. エアコン. CASE4. CASE7. (b) 札幌. 日平均 1 次エネルギー消費量(床暖房なし). (福岡は 12 月から 3 月、札幌は 11 月から 4 月)とした。. 4). 力負荷と給湯量、拡張アメダス気象データ(標準年) 、. エアコンによる空調は全てのケースで福岡:在室時運転、. 市水温度データを入力として 1 次エネルギー消費量等を. 札幌:終日運転とし、空調設定は 3-1 にならうものとす. 算出し導入効果を求める。地域別の気象データと市水温. る。. 度データを用いることで、全国 5 都市(札幌、青森、仙. 5-2. PEFC-CGS 単体での導入効果. 図 4 に床暖房を運転しない(導入しない)場合である. 台、東京、福岡)の入力データを作成した。. CASE1、CASE4、CASE7 の日平均 1 次エネルギー消費量. 次項では福岡と札幌における併用システムの導入効果 を示す。. を示す。福岡と札幌を比較すると、3 ケースすべてにおい. 5.. て 1 次エネルギー消費量に 2 倍程度の差がある。. PEFC-CGS と温水式床暖房の併用効果. 5-1. PEFC-CGS を導入しない従来システム(CASE1)と. 計算条件の設定. 併用システムの地域別の導入効果を明らかにするため. PEFC-CGS を導入した CASE4、CASE7 を比較すると、電. に、表 8 の設定条件を基にケーススタディを行った。床. 力負荷追従運転の CASE4 は CASE1 に比べ福岡で 19.3%、. 暖房の運転スケジュールは表 7 にならうものとする。. 札幌で 15.4%の 1 次エネルギー消費量が削減される。定. PEFC-CGS の運転方法は、電力負荷追従運転、定格運転. 格運転の CASE7 は余剰電力を考慮しない場合、CASE1. とした。なお CASE1~CASE3 は、電力負荷を系統電力、. に比べ福岡で 6.3%、札幌で 9.5%、余剰電力を考慮して差. 給湯負荷および床暖房への熱供給を都市ガスで賄う(以. し引いた場合、CASE1 に比べ福岡で 18.6%、札幌で 15.7%. 下、従来システム)。. の 1 次エネルギー消費量が削減される。どちらの都市も. 床暖房設置室への供給流量は 1.0[L/min]一定とし、. CASE4、CASE7 ともにサブボイラーのガス消費(給湯ガ. PEFC-CGS と併用しない場合では供給水温を 60℃一定、. ス)がなくなり、PEFC からの排熱のみで給湯需要を賄え. 併用する場合で成行きとした。計算期間は冬期暖房期間. ていることがわかる。. 32-3.

(4) CGSガス. 床暖ガス. キッチンガス. 削減率. 削減率(逆潮流考慮). 実質発電効率. 400. 50. 350. 45. 300. 40. 250. 30. 150. 25. 100. 20. 50 0. 15. -50. 10. -100. 5. -150. 0. 削減率 [%]. 35. 200. 実質発電効率(逆潮流考慮). 40 30 20 10 0 CASE4. CASE5. CASE6. 40. 25 20 15. 100. 削減率 [%]. 30. 200. 10. 0. 5. -100. 0. 20 10 0 CASE4. CASE5. 50 40 30 20 10 0. 日平均 1 次エネルギー消費量と削減率. CASE6. CASE7. CASE8. CASE9. CASE8. CASE9. 60. CASE4. CASE5. CASE6. (b) 札幌. 5-3. 30. (a) 福岡. 60. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7 CASE8 CASE9. 図5. 40. CASE9. 70. 35. 300. CASE8. 排熱利用効率・サブボイラー依存度[%]. 45. 600. 400. CASE7. 50. (a) 福岡 発電効率・系統電力依存度[%]. 日平均 1次エネルギー消費量[ MJ/日]. (a) 福岡 700. サブボイラー依存率. 60. 50. CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7 CASE8 CASE9. 500. 実質排熱利用効率. 系統電力依存率. 60 排熱利用効率・サブボイラー依存度[%]. 売り電. 給湯ガス. 発電効率・系統電力依存度[%]. 日平均 1次エネルギー消費量[ MJ/日 ]. 電力. CASE7. CASE8. 50 40 30 20 10 0. CASE9. CASE4. CASE5. (b) 札幌 図6. PEFC-CGS の発電状況. PEFC-CGS と床暖房の併用効果. CASE6. CASE7. (b) 札幌 図7. PEFC-CGS の排熱利用状況. り熱が不足し、サブボイラー依存率が上昇し、排熱利用. 図 5 に全ての場合の日平均 1 次エネルギー消費量(以. 効率が低下している。定格運転でも床暖房を行うことで. 下、消費量)と、従来システム(CASE1、4、7)に対す. 系統電力依存度は大きく低下し、発電効率は上昇してい. る削減率を示す。床暖房運転スケジュールごとにみると、. るが、排熱利用効率は低下している。. どちらの運転スケジュールの場合も PEFC-CGS 導入によ. 6.. おわりに. り買電分の消費量が削減され、福岡において、電力負荷. 本研究では、数値シミュレーションを用いて床暖房導. 追従運転では 40%程度、定格運転では逆潮流を考慮する. 入住宅における PEFC-CGS と床暖房の併用効果を検討し. と 45%程度と大きな削減率となる。札幌においても、両. た。以下に得られた知見を示す。. 運転方法ともに 30%から 40%程度と大きな削減率となる。. 1. 床暖房の運転によりエアコン負荷が抑制され、暖房負. 電力負荷追従運転の CASE4~CASE6 について比較を. 荷が 5%から 10%程度削減される。. 行う。福岡では、床暖房の運転時間が長いほど、PEFC-CGS. 2. 床暖房とともに PEFC-CGS を導入することで、1 次エ. 運転時間が長くなり、PEFC-CGS(CGS ガス)による消. ネルギー消費量は削減される。. 費量は増加しているが、電力による消費量は大幅に削減. 3. 電力負荷追従運転では床暖房の運転により熱が不足. されている。しかし、CGS からの排熱だけでは賄いきれ. しサブボイラー依存率が高くなるため、容量の検討等. ずサブボイラー(給湯ガス)による消費量が増加するた. が必要である。. め、総量も増加している。一方札幌では、予熱運転の 【謝辞】. CASE5 で消費量が最も少なくなっている。これは、エア. 本研究は、西部ガス株式会社総合研究所と九州大学の共同研究「個. コンを終日運転と設定していることから、電力需要が常. 別分散型電熱源機器と省エネライフスタイル~『長期優良住宅』に. に一定量発生しており、定格運転に近い運転が可能とな. おける省エネルギーシステム導入効果の検討~」の一環として行っ. り、排熱量が十分に確保できているためである。. たものです。研究の実施にあたり関係者の方々に多大な御協力を頂 きました。記して、謝意を表します。. 定格運転の CASE7~CASE9 について比較を行う。福岡. 【参考文献】. では、運転時間が長くなるに従い CGS ガスによる消費量. 1). が増加し、総量も増加している。ただし、余剰電力の逆. Ozaki A.,Watanabe T. and Takase S.:Simulation Software of the. Hydrothermal Environment of Buildings Based on Detailed. 潮流分を差し引くと、床暖房終日運転の CASE9 が最も消. Thermodynamic Models,eSim 2004 of the Canadian Conference on. 費量が小さくなる。札幌でも同様である。. Building Energy Simulation,pp.45-54,2004 2). 図 6 に PEFC-CGS の発電状況として、実質発電効率と. 黒木洋,他 3 名:家庭用固体高分子形燃料電池 CGS の運転方法. と導入効果. 系統電力依存率を、図 7 に PEFC-CGS の排熱利用状況と. 家庭用分散型電熱源の導入効果に関する研究 その 1,. 日本建築学会環境系論文集,No.610,2006 3). して、実質排熱利用効率とサブボイラー依存率を示す。. 空気調和・衛生工学会:シンポジウム「住宅における生活スケ. ジュールとエネルギー消費」テキストと付属プログラム. 電力負荷追従運転では床暖房を行うことで系統電力依存. SCHEDULE Ver.2.0,2000. 率は低下し発電効率が上昇するが、給湯負荷の増加によ. 4). 32-4. 赤坂裕,他 7 名:拡張アメダス気象データ,日本建築学会,2002.

(5)

図 5  日平均 1 次エネルギー消費量と削減率    図 6  PEFC-CGS の発電状況    図 7  PEFC-CGS の排熱利用状況(b)  札幌                              (b)  札幌                          (b)  札幌 -1000100200300400500600700

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