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新型コロナウイルス ワクチンの基礎と原理 峰宗太郎 2021 年 3 月 3 日新潟県医師会勉強会

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(1)

新型コロナウイルス ワクチンの基礎と原理

峰 宗太郎

2021

3

3

新潟県医師会勉強会

(2)

COI 開示

登壇者 峰 宗太郎

開示すべき COI はありません

(3)

モデルナのワクチンを打ちました

(4)

ワクチンとは何か

• 身体の免疫を反応させて、病原体の攻撃に 備えさせる医薬品のこと。

• 身体の(獲得)免疫の反応とは、 2 つ - 液性免疫(主に B 細胞・抗体)

- 細胞性免疫(主に T 細胞)

(5)

ACE2

細胞

脂質二重膜

感染

新型コロナウイルスの感染

スパイク タンパク質

スパイクタンパク質をつかって

細胞へ付着し、さらに侵入する

(6)

新型コロナウイルスワクチンでは スパイクタンパク質を狙う

スパイクタンパク質

S

レセプター・バイン ディング・ドメイン

RBD

スパイクタンパク質 に対する免疫反応を 引き起こさせる

… RBD

に対する抗体が

特に中和能を有することが知られている

(7)

ワクチンは中和抗体を作らせる

ウイルスに結合し、ウイルスが細胞に感染する 機能を邪魔する(中和するという)抗体

新型コロナの場合には

表面のスパイクタンパク質に

結合して、 ACE2 とくっつくことを

阻害する抗体だとわかっている

(8)

ワクチンの種類

弱毒化 不活化

タンパク質 成分のみ

生ワクチン 不活化ワクチン

組換えワクチン・ 成分ワクチン

(コンポーネント・サブユニット)

設計図を ウイルス

ベクターワクチン

設計図

DNA

設計図

RNA

DNA

ワクチン

mRNA

ワクチン ウイルス

(SARS-CoV-2)

レプリコンワクチン

生ワクチン以外は 原理的に「感染」

することはない

(9)

新テクノロジーのワクチン

設計図を ウイルスにのせ

ベクターワクチン 設計図

RNA

mRNA

ワクチン ウイルス

(SARS-CoV-2)

レプリコンワクチン

ファイザー・ビオンテック

モデルナ

● VLP therapeutics Japan

インペリアルカレッジロンドン

アストラゼネカ・オックスフォード

ジョンソン・アンド・ジョンソン

● ID

ファーマ

(10)

mRNA ワクチン

DNA mRNA タンパク質

m RNA ワクチン

体内には数日から

1

週間程度残るのみで染色体に組み込まれることもない。

生ワクチンとことなり、長期的な安全性としても懸念されることはほぼない

(11)

mRNA ワクチンの原理

RNA

をおもに免疫細胞内に届け、

その細胞でスパイクタンパク質をつくらせる

体内には数日から

1

週間程度残るのみで染色体に組み込まれることもない。

生ワクチンとことなり、長期的な安全性としても懸念されることはほぼない

(12)

種類別のワクチンの比較

核酸ワクチン ベクターワクチン 成分・不活化ワクチン

開発スピードが速い

カスタムメイド性

低コスト

アジュバント不要

比較的低コスト

細胞性免疫刺激

冷温保存

アジュバント不要

多くの投与実績

冷温保存

投与実績が少ない

保存条件が厳しい

投与実績が少ない

●ベクターへの免疫応答

製造に手間がかかる

高コスト

●開発スピードが遅い

アジュバント必要

(13)

インフルエンザワクチンとの比較

新型コロナウイルス インフルエンザウイルス

● タイプは

1

種類

● ターゲットは

S

タンパク質

● タイプが多い

● ターゲットは主に

HA

16 種類の HA と 9 種類の NA

(14)

mRNA ワクチンに含まれる成分

成分

ファイザー・

ビオンテック

(BNT162b2)

0.43 mg ((4-hydroxybutyl)azanediyl)bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate), 0.05 mg

2[(polyethylene glycol)-2000]-N,N-ditetradecylacetamide, 0.09 mg 1,2- distearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine, and 0.2 mg cholesterol, 0.01 mg

potassium chloride, 0.01 mg monobasic potassium phosphate, 0.36 mg sodium chloride, 0.07 mg dibasic sodium phosphate dihydrate, and 6 mg sucrose. The diluent (0.9% sodium chloride Injection) contributes an additional 2.16 mg sodium chloride per dose

モデルナ

(mRNA-1273)

Lipids (SM-102; 1,2-dimyristoyl-rac-glycero-3-methoxypolyethylene glycol- 2000 [PEG 2000-DMG]; cholesterol; and 1,2-distearoyl-sn-glycero-3-

phosphocholine [DSPC]), tromethamine, tromethamine hydrochloride, acetic acid, sodium acetate, and sucrose

1. RNA

2. 脂質( PEG を含む)

3. 塩類・ショ糖・緩衝剤

アジュバントや保存剤は

含まれていない!

(15)

変異ウイルスはなにが問題なのか

問題となりえるウイルスの性質の変化は主に 3 つ

● 伝播性( transmissibility )の上昇

… 感染がひろがりやすくなる

● 病毒性( virulence )の上昇

… 重症化率・致死率があがる

● ワクチン逃避、薬剤の耐性の獲得

… ワクチンや薬が効きにくく・効

かなくなる

(16)

変異ウイルスはなにが問題なのか

問題となりえるウイルスの性質の変化は主に 3 つ

● 伝播性( transmissibility )の上昇

… 感染がひろがりやすくなる

● 病毒性( virulence )の上昇

… 重症化率・致死率があがる

● ワクチン逃避、薬剤の耐性の獲得

… ワクチンや薬が効きにくく・効

かなくなる

(17)

中和抗体とは(再掲)

ウイルスに結合し、ウイルスが細胞に感染する 機能を邪魔する(中和するという)抗体

新型コロナの場合には

表面のスパイクタンパク質に

結合して、 ACE2 とくっつくことを

阻害する抗体だとわかっている

(18)

ウイルスの変異と選択(圧)

(19)

ウイルスの変異と選択(圧)

• 抗体が反応しなくなる変異をもったウイルスだけ が

免疫から「逃れて」「生き残る」ことができる

→ これを escape (免疫逃避・回避)という

• 選択がなされる状況を選択圧がかかっているとい

(20)

ワクチン逃避変異ウイルス

doi: https://doi.org/10.1101/2020.12.28.424451

回復者の血清のある状態 でウイルス培養を続ける と、

30-90

日程度で 様々な変異が蓄積する

免疫から逃れられる 変異を獲得した

ウイルスが残っていくと いうことを示している

E484K

という

南アフリカ・ブラジルの 変異ウイルスで

確認された変異も入る

(21)

スパイクタンパク質の変異箇所

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.12.31.425021v1

(22)

変異ウイルスに対するワクチンの効果

mRNA

ワクチンによって得られ

抗体の中和能が低下するとの報告 はあるが、極端な低下はない

各社、南アフリカの変異ウイルス に対応する改良ワクチンの開発を 開始している。

Science 29 Jan

2021:eabg6105 NEJM February 17, 2021

DOI: 10.1056/NEJMc2102017 NEJM February 17, 2021

DOI: 10.1056/NEJMc2102179

(23)

以上

(24)

ベクターワクチンの原理

ベクターウイルス をつかい、

DNA

を 細胞内に届ける

細胞内で

DNA

mRNA

となる

mRNA

を元に

スパイクタンパク質 が

作られる

ベクターは増殖せず 分解される

(25)

抗体依存性増強( ADE )とは?

Nature Microbiology volume 5, pages1185–1191(2020)

非中和抗体という

抗体があることによって

余計に強く病態が生じる

-

デングワクチンで生じた

(

治験段階でも発生

) - SARS

ワクチンでも

(動物実験段階)

新型コロナウイルスワクチ ンでは一切確認されていな い

1

つの目安となる

Th1/Th2

比率も問題なし)

(26)

• mRNA は通常の細胞内プロセスによって急速に分解される

(リボソームによって翻訳された直後に分解し取り除かれ る)

・ 動物実験でも 10 日程度までで機能しなくなることがわかって いる

m RNA ワクチンは長く体に残る???

Journal of Controlled Release Volume 217, 10 November 2015, Pages 345-351

RNA Biol. 2012 Nov 1; 9(11):1319–1330.

doi: 10.4161/rna.22269

(27)

DNA mRNA タンパク質

m RNA ワクチン レプリコンワクチン

ベクターワクチン DNA ワクチン

コンポーネント・サブユ ニットワクチン

(不活化・生ワクチン)

基本的にヒト細胞内では RNA は DNA に変換できないため、

mRNA ワクチン が DNA に組込まれることはない

染色体に組込まれる?

(28)

変異ウイルスにワクチンは効くか

doi: https://doi.org/10.1101/2021.01.15.426911

スパイクタンパク質は

1,273

アミノ酸基 がつらなったものである

→ 数個のアミノ酸変異で

大きく抗体活性が損なわれる とは考えにくい

実験室での実証において、

中和能が下がることも示されているが

mRNA

ワクチンについては、

効果が極端に下がるようなものは、

今のところない

ファイザー・モデルナともに

イギリスおよび南アフリカの変異ウイルス に対する中和能があることを確認。ただし、

減弱ありのため変異に対応した

あらたなワクチン開発を開始している。

(29)

開発状況

USA

の状況

The New York Times

(30)

国内のワクチン開発状況

企業 ワクチンの種別

VLP Therapeutics Japan

レプリコンワクチン

(RNA)

塩野義製薬 コンポーネントワクチン(組換えタンパ ク)

第一三共

mRNA

ワクチン

KM

バイオロジクス 不活化ワクチン

ID

ファーマ ベクターワクチン(センダイウイルス)

武田薬品工業(

Novavax

) ペプチドワクチン(タンパクワクチン)

アンジェス

DNA

ワクチン

(31)

レプリコンワクチン

Molecular Therapy Volume 27, Issue 4, 10 April 2019, Pages 757-772

自分で増殖する

RNA

を用いることで、

少量の

RNA

で作用させ る

mRNA

の次の世代の ワクチン

● VLP therapeutics

インペリアルカレッジ

(32)

ワクチン開発 … 大成功

• mRNA

ワクチン

2

ファイザー・ビオンテッ クと

モデルナ社

発症予防率(効果)は ファイザー

95

モデルナ

94.1

重症化予防効果も明白

安全性も大きな懸念なし N Engl J Med 2021; 384:403-416

ウイルス感染を予防するにはワクチンが最も効果的かつ重要

(33)

感染予防効果?発症予防効果?

重症化予防効果??

感染を防ぐ

感染しても

感染して 発症を防ぐ 発症しても

重症化を防ぐ

臨床試験で検討された、

95

%などという数字は、

発症予防効果のこと。

mRNA

ワクチンはいずれにも 重症化予防効果もある。

メカニズム的には、細胞性免疫の刺激と、

IgA

抗体の誘導もあり、

粘膜や体内での感染予防効果もあるはずであり、データの裏付けもある

(治験データおよびイスラエルでの検討等)。

感染予防効果 発症予防効果 重症化予防効果

(34)

開発が速く進んだ要因

● 新しいテクノロジー

● 科学技術の進歩と経験の蓄積

● 大量のリソース投入(人的・資本)

● 社会的要請(パンデミック)

● 治験の簡略化ではない

(35)

臨床試験まわりの用語

臨床研究

臨床試験(介入研究)

治験(薬・ワクチン)

非介入観察研究などもある

(36)

臨床試験の流れ

新薬候補 探索と発見

基礎研究 試験管内・

動物実験

治 験

1

2

3

医薬品医薬品

有効性 安全性

安全性

有効性

用法・用

(37)

開発スケジュール

基礎研究 第一相 第二相 第三相 審査 生産整備・生産

従来のワクチン開発スケジュールの 概要

10

年以上

パンデミック下でのスケ ジュール

基礎研

臨床試験

安全性/投与量決定 安全性効果

生産整備

生産

1

年程度など 安全性 投与量

効果

評価

安全性 効果 緊急承認など

参考:

N Engl J Med 2020; 382:1969-1973

DOI: 10.1056/NEJMp2005630

など

(38)

① 免疫原性( immunogenicity )

被接種者の血清中の抗体のレベル(抗体価)が

感染や発症を防ぐレベルに達した人の割合で評価。

② 臨床試験での有効率( efficacy )

接種群と対照(コントロール)群との発症率の差 を比較。

③ 実社会での有効率( effectiveness )

多くの接種対象者にワクチンが普及したあと、

目的の感染症が実際にどのくらい減少したかを評 価

ワクチンの有効性の評価方法

(39)

ワクチンの効果 90 %

プラセボ(偽薬)群 ワクチン接種群

ここが 90 %減った ということ

発症者

ワクチンの効果

vaccine efficacy (VE)

接種群のプラセボ群に対する相対リスク減少(

%)RRR

(40)

生じうる有害な事象の用語

有害事象

副作 用

治験薬を投与された患者に生じた、

あらゆる好ましくない徴候や症状等のこと

医薬品あるいは医療的処置の、因果関係あり 副次的あるいは望ましくない作用

副反応 ワクチンの場合

(41)

今回のワクチンで生じうる副反応

● 打った場所の反応

・痛み、腫れ、赤くなる … 70- 80 %程度

● 全身の反応

・熱がでる … 1-15 %程度

・体がだるくなる … 40-60 %程 度

・頭痛 … 25-50 %程度

・アナフィラキシー

(42)

・花粉症

・喘息

・アレルギー性鼻炎

mRNA

ワクチンの成分以外 のものに対してのアレル ギー

(薬、食べ物、ペット、虫、ラテックスなど)

→ アナフィラキシーをおこしたことが ある人は接種後30分 待機 それ以外の人は15分 待機

以下の場合は接種を考慮して よい

・授乳中

・妊娠中

・免疫不全のある患者

→いずれも接種後

15

分 待機

・中等度から重度の 急性期疾患のある人

・別のワクチンや注射薬に対 して

即時型アレルギー反応

(

アナフィラキシーなど

)

起こしたことがある人

→ ワクチン接種を取りやめる

専門医に相談

→ 接種する場合、接種後

30

分間 経過観察

1

回目の

mRNA

ワクチン接 種で

重度のアレルギー反応

(アナ

フィラキシーなど)の出た

mRNA

ワクチンの成分

PEG

を含む)

に対して即時型アレルギー 反応

があった人

・ポリソルベートに対して

(軽症を含む)即時型アレル ギーを起こしたことがある人

Based on CDC (https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/info-by-product/clinical-considerations.html)

接種が可能 注意が必要 接種不可(禁

忌)

(43)

アナフィラキシーの頻度

薬剤

100

万患者当たりの

発生率

抗菌薬

ペニシリン系

4,590

スルフォンアミド系

1,510

セファロスポリン系

610

マクロライド系

380

キノロン系

370

NSAIDs 1,300

オピオイド

980

ファイザー

4.7

モデルナ

2.5

インフルエンザワクチン

1.41

(44)

アナフィラキシーの頻度

(45)

妊婦への接種

(46)

① 免疫原性( immunogenicity )

被接種者の血清中の抗体のレベル(抗体価)が

感染や発症を防ぐレベルに達した人の割合で評価。

② 臨床試験での有効率( efficacy )

接種群と対照(コントロール)群との発症率の差 を比較。

③ 実社会での有効率( effectiveness )

多くの接種対象者にワクチンが普及したあと、

目的の感染症が実際にどのくらい減少したかを評 価

ワクチンの有効性の評価方法

(47)

mRNA ワクチン概要

(48)

筋肉注射は怖いのか?

インフルエンザワクチン での比較研究などがある 筋肉注射の方が、

皮下注射よりも、

局所の副反応が軽い。

免疫の反応も良い。

手技としても慣れてしまえば問題なく実施できるもので

ある。

(49)

アメリカでの報道はワクチンを推す

基本的な情報を踏まえて、

数字と事実で報道をしてい る

反ワクチンと言われるよう な

極端な意見や、ワクチン忌 避を誘発するような記事は 一流紙・メディアでみるこ とは

ほぼ無い。

社会正義としても

ワクチンを推進する姿勢

(50)

WHO からの報道むけのヒント集

(51)

Don’t just report the topline トップラインだけで報告しない

発表する前に研究や報告書の全文を読む。

研究の要約に記載されている所見は、

研究全体の所見を真に示すものではない場合がある。

医学雑誌は、通常よりも早くレビューを行い報告をだししているため、

研究結果を正確に報告するためには結果を批判的に読む方法を知ることが 重要。

プレスリリースだけに基づいて報告してはいけない。

必ず研究や研究報告書の全文を読むようにする。

Don’t trust data automatically データを自動的に信用しない

利害関係者やデータ収集方法を意識し、積極的に質問する。

可能であれば生データを要求し、報告書には必ず調査方法の詳細を記載す る。

(52)

Use trusted and reliable sources

信頼できる妥当な情報源(ソース)を使用する

報道はその情報源と同じくらいの価値しかない。

COVID-19

やワクチンに関する記事には、専門家や知識のある情報源を使用 するようにする。新しいワクチンや研究を報道する際には、最新の開発に関す る専門家の評価を得るために、国の科学メディアセンターに相談する。

State the source ソースを記載する

科学的研究や報告書、症例数、ワクチンなどを報告する際には、信頼性を示 すために情報源を明らかにし、読者がその話題についてより多くの情報を検索 できるようにする。

(53)

外国報道の多くは

ソースへのリンクをつけている

(54)

Define the terms 用語を定義する

COVID-19

やワクチンに関する報道では、ある種の科学的な言葉が頻繁に使われて いるかもしれないが、すべての記事で科学的な用語を定義するか、読者が自分自身を教 育できるように用語集へのリンクを張ることが重要。

Use clear language 明確な言葉を使う

ほとんどの読者は科学的な言葉に慣れていない。

いくつかの用語は記事内で定義することができるが、すべての理解度のレベルの読者 が理解できるように、説明を簡略化した用語でフレーム化するように努力する。

Explain the stage ステージを説明する

研究の中には、予備的なデータだけに基づいて、刺激的な結果を示すものがある。

報告書や研究が査読を受けているかどうかを確認し、どの段階にあるかを明記する。

初期段階の研究は、科学雑誌の査読付き論文と同等の報告をすべきではない。

(55)

Report the numbers 数字を報告する

ワクチンの開発段階には、常に数十種類のワクチンがある。

ワクチンや研究を報告する際には、規模、試験された数、試験期間を明記することが重 要。

Disclose the side effects 副反応を開示する

歴史上、最近の

COVID-19

ワクチンほど早く臨床試験と事前承認を通過したワクチンは ない。ワクチンの副反応の可能性を明確に示すことは、ワクチン試験の参加者が経験した 副反応を報告することと同様に、一般の人々に情報を提供し、不安を和らげるのに役立つ。

Use appropriate imagery 適切なイメージを使用する

ワクチンに関する記事のイラストの選択は重要です。ワクチンは恐れるべきものではな いので、泣いている赤ちゃん、不安そうな患者や特大の針などのビジュアルは避ける。

イラストは、ワクチンを投与したり、受け取ったりしている人々の範囲を示すことに よって、すべての読者を表していることを確認する。

(56)

Don’t forget demographics

どのような集団であるかを忘れてはいけない

すべてのワクチンがすべての集団に均等に効果があるわけではない。

臨床試験でワクチンの有効性を報告する際には、試験参加者の集団の特性に注意する。

この情報は通常、報告された研究の表

1

に記載されている。

Remind everyone of the benefits of vaccines ワクチンの効果を忘れないように

潜在的に有効な

COVID-19

ワクチンの報告は、すでに接種を計画している人に知らせるために不可 欠であるが、パンデミック中に誤報が氾濫しているため、すべてのワクチンの重要性を読者に知らせる ことを忘れてはならない。

Tackle vaccine hesitancy by reporting facts and figures on vaccine efficacy in ending epidemics throughout history

歴史的な疫病を終わらせるためにワクチンの有効性を事実と数字で報

告することで、ワクチン躊躇に立ち向かう

(57)

報道の仕方 を裏返せば 情報の受け止め方

トップラインだけで報告しない

データを自動的に信用しない

信頼できる妥当な情報源を使用する

ソースを記載する

用語を定義する

明確な言葉を使う

ステージを説明する

数字を報告する

副反応を開示する

適切なイメージを使用する

どのような集団かをみる

見出しだけで判断しない

内容を鵜呑みにしない

情報源を確認する

一次情報まで読む

定義されていない用語に注意する

理解できない文に注意する

どの段階の研究なのか意識する

数字をしっかりとみて確認する

副反応などの情報も開示されているか

写真やイメージに影響されないように

研究などの背景・限界を意識する

(58)

科学報道・情報 全般を見るときに

しっかりと意識して、

感情・不安・好悪・直感・心 情

などに引っ張られないように する

権威主義・属人主義を排する

科学的な情報の取り方も しっかりと勉強をする

報道を安易に信じない

うかつに情報を広めない

(59)

デマ 不妊になる???

• これは HPV ワクチン などでもひろがっているデマで、

早速コロナワクチンでも同様のデマがひろまっている。

• メカニズムから不妊となりうる機序が考えられるとすれ ば …

胎盤等に対する抗体産生、高リン脂質抗体の産生等

… 今回のワクチンではそういった報告は全くなく、

抗原の交差性も全く確認されていない。

• IDSA も否定

(60)

• mRNA は通常の細胞内プロセスによって急速に分解される

(リボソームによって翻訳された直後に分解し取り除かれ る)

・ 動物実験でも 10 日程度までで機能しなくなることがわかって いる

m RNA ワクチンは長く体に残る???

Journal of Controlled Release

Volume 217, 10 November 2015, Pages 345-351 RNA Biol. 2012 Nov 1; 9(11):1319–1330.

doi: 10.4161/rna.22269

(61)

DNA mRNA タンパク質

m RNA ワクチン レプリコンワクチ

ベクターワクチン DNA ワクチン

コンポーネント・サ ブユニットワクチン

(不活化・生ワクチ 基本的にヒト細胞内では RNA は DNA に変換できないため、 ン)

mRNA ワクチン が DNA に組込まれることはない

染色体に組込まれる?

(62)

ワクチンを打つと検査結果に影響が出るか?

• PCR 検査及び抗原検査に対しては影響はでな い

(基本的に標的配列・抗原ではないため)

• 抗体検査については抗体が産生されるため 影響がでる。

→ ワクチンにより抗体が付いたかの確認

に用いることが出来る。

(63)

COVID-19 以前に開発中だった mRNA ワクチン

開発者 対象病原体

Trial numbers (phase)

Argos Therapeutics HIV-1 NCT00672191 (II)

NCT01069809 (II) NCT02042248 (I)

CureVac AG Rabies virus NCT02241135 (I)

Erasmus Medical Center HIV-1 NCT02888756 (II)

Fundació Clínic per la

Recerca Biomèdica HIV-1 NCT02413645 (I)

Massachusetts General

Hospital HIV-1 NCT00833781 (II)

McGill University Health

Centre HIV-1 NCT00381212 (I/II)

Moderna Therapeutics Zika virus NCT03014089 (I/II) Influenza virus NCT03076385 (I)

Nature Reviews Drug Discovery volume 17, pages261

279(2018)

(64)

ワープスピード作戦

(65)

ワクチンの種類補足

Nature Materials volume 19, pages810–812(2020)

(66)

ワクチンパスポートの話題

(67)

集団免疫( herd immunity )

(68)

集団免疫は理論から

R = (1-p C ) ・ (1-p I ) ・ R 0

実行再生産数 R の式

R 0 : 基本再生産数 新型コロナでは 2.5 ぐらい

R が 1 未満であれば感染は自然収束する

R に 1 を、 p C に 0 を代入して変形すると p I = 1-1/ R 0 となる。

R 0 に 2.5 を代入すると、 p I = 0.6

… つまり 60 % の人が免疫をもつのが閾値

(69)

集団免疫は成立するのか?

集団免疫は理論的にその成立は言及されるが、

現実世界で明らかに成立しているという事例は少ない 新型コロナウイルスの場合

・多数が感染した地域でも流行が続いている事例が ある

(ブラジルのマナウス人口で 76 %の抗体保有者)

・変異ウイルスによる再感染の可能性も示唆されて いる(南アフリカでの Novavax のワクチンの治験か ら)

・実験的に免疫逃避するウイルスも出現しやすい

(70)

宣伝

(71)

参照

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