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山 口 明 人 *

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Academic year: 2021

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山 口 明 人

Akihito YAMAGUCHI

 大学は学問の伝承の場であるだけでなく、知の創 造の場でもあります。なかでも、大学の附置研究所・

センターは、大学の中でとくに知の創造に特化した 場所として、大きな役割を担っています。ところが、

国立大学法人化以後、独立した高等教育機関として 再定義された大学法人の中で、自前の学生を持たな い附置研究所・センターの役割はやや不明瞭になる 傾向がありました。そこで今回、科学技術学術審議 会の中の研究環境基盤部会の主導により、これまで の全国共同利用研究所制度が見直され、全国共同利 用・共同研究拠点として再募集・再発足することと なりました。新しい拠点は、設備の共同利用だけで なく、共同研究にも力点を置く、また、従来原則的 に一つの学問領域に一つだったものを、複数の拠点 を認めるということになりました。これまで、規模 の大きな研究所であっても、総合理工、総合医科学 といった、多くの大学に設置されている研究所は全 国共同利用研究所ではありませんでしたが、今回の 制度改革により、これらの、各大学で知の創造の第 一線を担っている多くの研究所が、全国共同研究拠 点として再定義されることになる見通しです。現在 その募集と認定作業の真っ最中で、本誌が刊行され る時点ではほぼ決定されています。発足は平成 22 年春からです。

 この制度改革は、学部・研究科における大学院重 点化と同じほどの重みを持つ改革です。この改革に

より、全国の国公私立大学の主立った附置研究所・

センターは、開かれた公募型共同研究の拠点として 生まれ変わります。大学関係者だけでなく、企業の 方々にも、ホームページ等で常時募集されている共 同研究に応募して、大学附置研を使うことが可能に なります。これは、明治以来の大学附置研制度の大 改革になるかもしれません。ちなみに、拠点は、外 部の学識経験者が半数以上入った運営委員会によっ て、共同研究課題の採否を含めて、オープンに運営 されることになっています。

 私の所属する産業科学研究所は、本年創立 70 周 年を迎える、大阪大学でもっとも規模の大きい総合 理工型の研究所です。もともと、関西財界の要望で 設置された経緯があり、大阪大学の産学連携のフロ ントランナーを自負しています。今回の共同研究拠 点制度改革に当たっては、北大電子研、東北大多元 研、東工大資源研、九大先導研と手を結び、全国を 縦断するネットワーク型共同研究拠点という壮大な 試みをしています。これにより、物質・デバイス領 域の幅広い全国の研究者に便利に利用していただけ る共同研究の中核拠点を築きます。目指すは、ナノ テクノロジーを中心とした物質・デバイス学により、

環境・エネルギー・医療・情報などの喫緊の諸課題 の解決に貢献することです。

 ネットワークの中核となる阪大産研には、産業化 のためのインキュベーション研究施設棟を建設し、

中小企業を中心とする企業にも貸しラボとして開放 します。以前のように、大学のシーズを産業化する という一方通行ではなく、企業の側で、自らの開発 研究の初期段階に大学の資源を活用できるオープン イノベーションの仕組みを完備したいと思います。

産学連携の新しい形を推進するネットワーク型共同 研究拠点に、協会の方々の温かいご支援をよろしく お願いいたします。

− 1 − 1948年6月生

東京大学理学部生物科学科卒(1972年)

東京大学薬学研究科博士課程修了

(1977年)

現在:大阪大学産業科学研究所 教授

(所長)     

TEL:06-6879-8545 FAX:06-6879-8549

E-mail:[email protected]

Reorganization of the university-attached insitutes

Key Words:collaboration, network, university, institutes, reorganization

生 産 と 技 術  第61巻 第3号(2009)

巻 頭 言

大学附置研に改革の波

参照

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