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このため,PAPR の低減が重要な課題と なっている

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Academic year: 2021

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(1)

直交周波数分割多重(OFDM)波ピーク値と入力信号波形の関係について 

日大生産工(学部)○江口 拓弥  日大生産工     田中 將義  

1.まえがき 

Data Mod S/P IFFT S/P OSC

HPA ANT

π 2 Data Mod S/P IFFT S/P OSC

HPA ANT

π 2

OFDM 方式では, 多数の周波数の異なる 波が合成されるために,振幅変動が大き く , ヒ ゚ ー ク 値 と 平 均 値 と の 比 で あ る PAPR(Peak to Average Power Ratio)が 大となる,このため,非線形特性による 歪や帯域外放射を避けるために,電力増 幅器(HPA)を十分出力バックオフした線 形領域で動作させることが行われてい る.しかし,電力増幅器を高効率で動作 させるためには,出力バックオフを小さ くすることが重要であり,非線形特性に 対する耐性の強い方式が望まれている.

このため,PAPR の低減が重要な課題と なっている

(1,2,3)

. 

Fig.1 Configuration of OFDM system

そこで,本論文では,PAPR 低減を目 的として, OFDM 変調の入力信号となる 一次変調波と OFDM 波の振幅分布ならび に PAPR の関係,キャリア数の影響について 検討を行った. 

2.OFDM 変調の構成と PAPR 

 OFDM 変調の構成を Fig.1に示す.デ ィジタルデータを一次変調(Mod)し,直/並列 変換(S/P)後に IFFT により一括で OFDM 変調を行う.キャリア数を N,シンボル間隔を T と す る と , キ ャ リ ア 周 波 数 fn は , 

NT f

f n

fn= , =1

と な り ,   OFDM 波 x(t)は IFFT 入力を Xn とすると,次式で 与えられる. 

 

 (1) 

( )

t X

(

j f t

)

t NT

x

N

n

n

n ≤ ≤

=

=

0 , 2 exp

1

0

π

一方,OFDM 波の PAPR の定義は,平均 電力に対するピーク電力の比であり,以下 の式で与えられる. 

{ } ( )

2

{ } ( )

2

max x t mean x t

PAPR=

    (2) 

3.一次変調と OFDM 波の振幅分布   OFDM の入力データが常に 1 あるい は 0 である場合を除いて, OFDM の 振幅はデータに応じて確率分布するため,

統計処理を行い,その分布を評価する必 要 が あ る . Fig.2 に 一 次 変 調  (unipolar‑ASK,BPSK,QPSK,16QAM,64QAM

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1

0 1 2 3 4 5

Uni-ASK BPSK QPSK 8PSK 16QAM 64QAM

Normalized amplitude

Probability

Fig.2 Amplitude distribution of OFDM signals for various modulation schemes

A Study on Relationship between OFDM Signal Peak Value and Primary Modulation Scheme Takuya EGUCHI and Masayoshi TANAKA

(2)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0 2 4 6 8 10 12 14

PAPR [dB]

Probability

QPSK

 )後に,キャリア数 256 波で OFDM 変調され た 5000 シンボルの振幅分布を示す. 

振幅はレーレ分布を示し, unipolar‑ASK を除き,分布に大差はなく,平均値で正 規化した標準偏差はほぼ同一である. 

4.PAPR の下限と補累積分布関数(CCDF)  式(2)で定義された PAPR は複数シンボル では確率分布をする.Fig.3 に QPSK 変 調後の OFDM 変調波の PAPR 分布を示す.

最小の PAPR は約 6dB であり,発生確率 は約 8.0dB で最大となる.大きな PAPR 値の特性を把握するために,振幅が特定 の値 PAPR

0

を越える累積確率を示す補累 積分布関数(CCDF)を利用する.CCDF は 次式で与えられる. 

Fig.3 PAPR Distribution of QPSK-OFDM

(

0

)

Pr PAPR PAPR

CCDF = >

   (3) 

Fig.4 PAPR CCDFs of OFDM signal for various primary modulation schemes

0.01 0.1 1

0 2 4 6 8 10 12

PAPR [dB]

CCDF

Uni-ASK BPSK QPSK 16QAM 64QAM

Fig.4 に各一次変調方式に対するキャリア 数 256 波の OFDM 波の CCDF を示している. 

Unipolar‑ASK 以外は,一次変調方式に 関わらず,ほぼ同一分布を示している. 

 5.キャリア数と PAPR の関係 

 OFDM のキャリア数 N を 8, 16, 32, 64, 128,  256, 512 とした時の CCDF を Fig.5 に示 す.キャリア数の増加に伴い,CCDF の曲線 が右にシフトし,大きな振幅値を有する確 率が増加することが分かる. また,N=64 以上では,PAPR を 6 dB 以下に制御する ことが難しいことを示している. 

Fig.5 CCDFs of OFDM signal with various number of carriers

0.01 0.1 1

0 2 4 6 8 10 12

PAPR0 [dB]

CCDF

8 16 32 64 128 256 512

6.まとめ 

 OFDM 波の電力増幅の高効率化に向け,

大きなピーク値の圧縮を目的として,一次 変調と OFDM 波の PAPR ならびにその分布,

キャリア数の影響について検討を行った.そ の結果,一次変調方式の違いによる波形 の分布関数と PAPR の差異は僅かであり,

一次変調方式の選択によるピーク値削減

は効果がないこと,およびピーク値圧縮の 限界値を明らかにした. 

参考文献 

(1)Richard van NEE, Ramjee PRASAD, OFDM for Wireless Multimedia Communications, Artech House Publishers, 2000

(2)L.J.Cimini, & N.R.Sollenberg,, IEEE COMM .Letters, vol.4, no.3 ,March, 2000

(3))土田宗利,田中將義, ,信学総全大, B-5-199, 2004

参照

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