Erosion of Key Currency Dollar: On Function ofVehicle Currency

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Kyushu University Institutional Repository

Erosion of Key Currency Dollar: On Function of Vehicle Currency

深町, 郁彌

九州大学経済学部 : 教授

https://doi.org/10.15017/4492959

出版情報:經濟學研究. 58 (2), pp.15-34, 1992-11-10. Society of Political Economy, Kyushu University

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権利関係:

(2)

基軸通貨ドルの侵食

為替媒介通貨を中心に

I

問 題 の 設 定

1980年代, とくに85年9月のプラザ合意,そ して87年2月のルーブル合意に示されるG5, 

G7

の金融協調のもとで, U.S.ドルの基軸通貨

としての地位はどのように変わってきたであろ うか。ドルは変動相場制のもとで基軸通貨とし て国際通貨体制の中軸に位置づけられて機能し てきた。 80年代の10年,対円のドル為替相場は,

85年2月には1ドル=260円と最高の水準にあ り,プラザ合意の9月には237円,ルーブル合意 の87年2月には153円,そして88年11月には123 円の最低水準と低落を続けてきた。

G7

とは,ア メリカ,西ドイツ,日本,イギリス,フランス,

イタリア,カナダの先進資本主義諸国と

EC

で ある。これらの国ぐにが,外国為替市場への協 調介入とアメリカ以下に西ドイツ,日本などの 金利を押し下げる金利協調の

2

つの金融協調を 行ったにもかかわらず,対円のドル相場は傾向 的に低落することになった。

この章ではG5,  G 7による金融協力によっ て支えられたにもかかわらず, D.マルク,円に たいしてドル相場が低落した「ドル本位制」の もとで基軸通貨ドルの侵食がどのように進行し ているかを探ることを目指している。まずこの

「ドル本位制」がどのような座標軸でとらえら れているか,出発点として確認しておきたい。

{木

町 郁 禰

まず国際通貨制度のレベルでいうと,「ドル本 位制」が完成したのは, 1971年のU.S.ドルの金 交換性停止によって, ドルが国際決済のなかで

「最終的支払手段」化したことによってである。

しかしU.S.ドルという貨幣名は確定された金 分量を代表しないから支払手段としての機能を 果しえていない。

この「ドル本位制」について

2

つの視方を示 しておきたい。ひとつは1981年末に「フィナン シャル・タイムズ」紙に掲載されたブリトン (S.

B r i t t a n )

の「新世界ドル本位制」であった鸞 79 年から80年にはアメリカ,イギリスが第2次石 油価格の3倍化を契機とした 2桁インフレーシ ョンにたいしてマネタリスト流のマネーサプラ イ・コントロールで金融引締めを実施し,金利 を高騰させていた。ブリトンはこのような金融 引締め,金利高騰を背景に, ドルの金交換性停 止の10年後,世界はドルに基礎をおいた体制に 戻りつつあるといっている。レーガン政権は国 内金融政策だけを追求して,対外的にはU.S.ド ルが自らの為替相場水準を見いだすよう放置し ている。アメリカの通貨当局は,無計画に事態 を進行させて,国内のインフレ抑制策だけを追

1)  Samuel Brittan,  "The new world dollar stan‑ dard" Financial  Times, Dec.  10  1981;  深町郁彊

「アメリカの《債務国》への転化とドルの基軸通貨 性の侵食」 『経済学研究』(九大)第53巻第4・5 合併号,参照。

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跡している。その結果,ヨーロッパ諸国と日本 の金融政策は,

1 0

年以上にわたって,各国の通 貨当局の政策よりも,遥かにいちじるしい程度,

ワシントン,ニューヨークの政策と金融状況に よって決定されている。この視方は,

U . S .

ドルが 変動相場制下でも巨大な基軸通貨であって,西 ドイツや日本の通貨にたいして非対称的に大き いことを指摘したものである。

も う ひ と つ の 視 方 は , マ ッ キ ノ ン (R.

I .  

Mckinnon), そしてニューヨーク連銀総裁を78 年8月まで勤めたポルカー (P.A.Volcker)な

どの「三極通貨圏」構想である丸つけ加えてお くと,ブリトンの「新世界ドル本位制」の提唱 にはボルカーの「三極通貨圏」の構想が前提さ れている。70年代変動相場制のもとではこの「三 極通貨圏」が提唱された。それは,商品・サー ビスの取引レベルでのヨーロッパ諸国の契約通 貨 (invoicingcurrency)の自国通貨建が為替リ

スク回避のため用いられた。もっとも契約通貨 としての使用シェアが高い西ドイツでは輸出で

83%, 

輸入は

45%

であった3)。さらに準備通貨,

投資通貨の多様化が進行した。各国通貨当局が

U . S .  

ドル建金融資産としてもっていた準備通貨 は,為替リスク回避のため

D .

マルク建,円建と 分散保有された。この準備通貨,投資通貨レベ ルでの分散,多種通貨建保有が進行し,取引通 貨あるいは銀行間の決済通貨がドルに集中して

2)  Paul A. Volcker, The Political Economy of the  Dollar,  The Banker. Jan. 1979; Ronald I. McKin‑

non, A New Tripartite MonetaAgreementor a  Limping Dollar  Standard ? Essays in  Interna ‑ tional Finance, No.106. Princeton Univ.1974.  三国通貨協定か跛行ドル本位制か?」楊枝嗣朗訳,

岩野茂道監修「ドル本位制と変動相場制』 関西書 店, 1982年,参照。

3)  深町郁彊「現代資本主義と国際通貨

J

岩波書店,

1981 2「『ドルの衰退」と国際通貨の多様化」,

参照。

いる場合,

U . S .

ドルは準備通貨,投資通貨と取引 通貨とのあいだで為替媒介通貨 (vehicle cur‑ rency)として大きくあらわれてくることにな

る。こうした変動相場制下の契約通貨と準備通 貨との多様化・分散化の進行のもとでポルカー は,アメリカはもはや世界の巨人ではなくなっ ており,

U . S .

ドルの金交換性のシステムに戻る ことも,またさらに基軸通貨圏として国際流動 性を供給する負担を負いうる力ももっていない,

と主張している。ボルカーは78年11月のフレッ ド・ハーシュ記念講演の第

1

回でこの「ドルの 政治経済学」を発表した。変動相場制下での

u . s .  

ドル相場の大幅の低落と変動でさえ経常収支 ポジションの積年の不均衡を調整できなかった ことに彼は関心を集中し反省したのである。す でに

D .

マルクを中心にEC域内で固定相場制 をもった欧州通貨制度 (European Monetary  System : EMS)が「局地的通貨統一」 (regional monetary unity)をつくり出している。このEC

(西ドイツ),日本とともにアメリカが形成する

「三国通貨圏」は次のような役割の分担が必要 とされる。「ドル本位制」を維持していくために はアメリカは,反インフレ的な国内政策を守ら なければならない。これまでとは逆である。そ のためにはアメリカのマネタリ・ベースを削減 するシステムをつくり,それに対応させて西ド イツと日本のマネタリ・ベースをコントロール する必要がある。国際決済の赤字国はマネタ リ・ベースを縮小し,黒字国は拡大すべきであ る。西ドイツと日本はドルを用いて介入する役 割を割り当てられる。しかし西ドイツ連銀はド ルの買上げ市場介入を行って取得したアメリカ 商業銀行でのドル預金をニューヨーク連邦準備 銀行の特別勘定に移すことから始まる。それに よってアメリカのマネタリ・ベースは収縮する。

(4)

これで西ドイツのマネタリ・ベースの拡大にア メリカのその収縮が対応することになる。この ように展開していくと,赤字国と黒字国のマネ タリ・ベースの対称的な調整が生じるであろ ぅ4)。基軸通貨国アメリカとその他の国のよう に,双方の行動が非対称的ではないのである。

以上のようにみると,マッキノンやボルガーの

「三国通貨圏」構想のうえにブリトンの「新世 界ドル本位制」がU.S.ドルと他の通貨のいちじ るしい非対称性の現実を反映して構築されてい るのである。

1970年の変動相場制のもとでは「ドル本位制」

は, ドルが「支払手段」化することによって,

完成した。だがその「ドル本位制」で,契約通 貨と準備通貨,投資通貨が多様化・分散化した。

また基礎収支の赤字が続くことによってドルが 加速度的に流出し準備通貨,投資通貨がユーロ ダラーも含めて累増した。これは基軸通貨「ド ルの衰退」といわれた。しかし基軸通貨あるい は国際通貨の機能には,以上の3つのほか,取 引通貨,為替媒介通貨がある。しかし, 70年代

4)  藤田誠一氏は,マッキノンのアメリカ,日本,西 ドイツの金融協調による「修正ドル本位制」につい てこう述べられている。「修正ドル本位制」とは 3国 の協調で支える「ドル本位制」ということである。

それにたいするのは「純粋『ドル本位制』」という言 葉である。それは基軸通貨国アメリカ 1国だけで

n‑1」という基軸通貨国の国際収支について受 動的に行動できる力とドル実質価値を維持する物価 の安定を実現できることを指している。この力をア メリカ1国で実現できなくなって,三国の金融協調 の必要がでてくる。マッキノンの「ドル本位制」管 理を藤田氏は次のように要約している。「① 3ヵ国の マネーサプライの合計の目標伸び率を一定にする,

②3ヵ国は国内信用によるマネーサプライの伸び率 の目標に合意する,③ドル・円し・マルクの間に購買 力平価に基く中心レートを設定する,④日本と西ド イツは非不胎化介入を実施しドル準備を連銀預金の 形態で保有する,⑤アメリカはその影響を不胎化し ない」(藤田誠一「基軸通貨制度と非対称性」 民経済雑誌』(神戸大)第165巻第1 19921 104ページ,参照)。

では,これら 2つの基軸通貨の機能はU.S.ドル に集中されていた。契約通貨と準備通貨,投資 通貨の機能での多様化・分散化と,こうした銀 行間為替市場の取引通貨,為替媒介通貨の集中 とのあいだには,鋭いコントラストがみられた。

本章では, 80年代とくにプラザ合意,ルーブ ル合意に示される G5,G7の金融協調,それに もかかわらずD.マルク,円にたいして低落して いく, U.S.ドル為替相場のもとでは,取引通貨,

為替媒介通貨の機能でマルク,円などから侵食 されているのではないであろうか。ここでは国 際決済銀行 (Bank for  International  Settle‑ ments: BIS)の金・為替会議参加19カ国のうち 17国が実施した1989年4月のロンドン,ニュー ヨーク,東京の三大外国為替市場の売買高調査 を検討することにした凡

5)  本章では次の調査資料を用いている。 Federal Reserve  Bank  of  New York,  "Summary  of  Results of  U.S. Foreign Exchange Market Survey  conducted in April 1989"; Bank for International  Settlements,''Survey of Foreign Exchange Market  Activity", Feb. 1990; "The market in foreign en‑ change in  London", Bank of England Quarterly  Bulleten,  Nov. 1989; "The changing foreign en‑ change markets", op.  cit. Sept. 1986; 日本銀行外国 局『東京,ロンドン,ニューヨーク市場の為替取引 高比較』 1989年11月:小倉泉「急拡大した東京市 場の為替取引高」 『金融財政事情』 19869月29

ここでは19863月のロンドン,ニューヨーク,

東京の三大外国為替市場調査資料も比較のため利用 している。 19894月の調査の対象は次のとおりで ある。ニューヨークでは銀行(bankinginstitutions)  127行,非銀行金融機関(non‑bankfinancial institu‑ tions) 14社,外貨ブローカー (foreign currency  brokers) 14 86年には銀行123行,非銀行金融機 関13社。外貨ブローカす9社。ロンドンでは89年に 銀行(イングランド銀行を含む)355行,外貨ブロー カー986年には銀行347行,ブローカー9社。東 京では89年に外為公認銀行289行,全外為ブローカー

8 86年には主要為替銀行60

以上のニューヨーク市場の非銀行金融機関はイン ベストメント・バンクであった。14社は,BearStear‑ ns Inc.,  Boston Safe Deposit & Trust Co, Com‑

modities Corporations, Dean Witter Reynolds, 

(5)

I I  

為替媒介通貨の機能

(1)  基軸通貨体系における為替媒介通貨機能

1979年 に ブ レ ン ド ン ・ ブ ラ ウ ン (Brendan

Brown)

は,

EC

内での

D .

マルクの

U . S .

ドルと の交替が契約通貨・準備通貨から為替媒介通貨 に進んでいくと予想していた。

OECD

諸国のあ いだでは少なくとも「製造業製品の多量の国際 取 引 は 輸 出 者 の 通 貨 (currency of  the  exporter)で契約される」6)。これがブラウンの 現状認識である。

「ヨーロッパ内部の為替相場の変動を小さく するもうひとつの方法は,ヨーロッパの国際通 貨である

U . S .

ドルにくらべて

D .

マルク,スイ

ス・フランの魅力をもっと増やすことである。

D .  

マルクがヨーロッパの国ぐにの通貨に[共同 フロートによって一一深町]さらに密接に動く ようになれば,フランス人,イタリア人,イギ

Inc., Discount Corporation of New York, Drexel  Burnham  Lambert,  First  Boston,  Inc.,  First  Options Inc., Goldman, Sachs & Company, Lazor‑ d Fr~res & Company, Morgan Stanley & Com‑

pany, lnc., Paine Webber Inc., Shearson Lehman  Hutton Inc. である。

また外貨ブローカー14社はBerisford Capital  Markets, Inc.,  Bierbaun‑Martin, lnc., Debeausse 

& Company, Fulton Prebon Money Brokers, Gfi  Group lnc., Global Centrex Corporation, Harlow,  Meyer, & Savage, Losser Marshall lnc., Noonan,  Astley, & Pearce,  Rada Foreign Corporation,  Trading  Financial  Services,  Tullet & Tokyo  Forex, La., Tulletd & Tokyo Forex, NY, Wallich  Matthes, である(日銀外国局,同上, 2ページ;

FRBNY, ibid Appendix ill(b)。つけ加えておくと,

アメリカの場合インベストメント・バンクは,日本 の証券会社と異なって,外国為替業務を行っている。

これは日本の証券会社と外為公認銀行の外国為替取 引が対顧客取引であるのに,アメリカの為替市場で はインベストメント・バンクも外国為替取引に参加 できるので,銀行間為替市場の取引に分類されてい る。後述するが一言しておきたい。

6)  Brendan Brown,  The Dollar‑Mark  Axix: On  Currency Power, Macmillan 1979, p. 16. 

リス人にたいする

D .

マルクの現実の外的リス クはさらに下ることになろう。/ヨーロッパ域 内貿易で

D .

マルクがヌメレールとして使用さ れることは,いっそう拡大されるはずである。

‑ D .  マルクが貿易でさらに用いられれば,マ ルクの直物為替市場と先物為替市場をいずれも 拡大するであろう。いまの

U . S .

ドルにたいする マルクの取引より,ヨーロッパ諸国の通貨にた いするマルクの取引で近いうちに主要な為替市 場が発展するであろう。これから

D .

マルクにた いしてフランス・フラン,イギリス・ポンドが 直接に市場形成され,それは現在行われている ように,以上の 2国通貨がドルのヌメレールに たいして取引されているよりも,さらに取引コ ストが低められるであろう。

ヨ ー ロ ッ パ 域 内 の 外 国 為 替 相 場 の 浮 動 性 (volatility)が低められ,それによってヨーロ ッパ域内でお気に入りの国際通貨

U . S .

ドルの うえに

D .

マルクをたかく位置づける<わだて には一体どのような利益があるのだろうか。第 1に,外国為替取引コスト (exchangemarket  transaction costs)は,ョーロッパ域内で為替 媒介通貨として

D .

マルクが

U . S .

ドルに交替し ていくことによって,低下させうるはずである。

ヨーロッパ域内の貿易がますます

D .

マルクに よって契約されることになれば,

D .

マルクの為 替取引高は増大するであろう。この取引高の増 大は,ヨーロッパ諸国の通貨の為替相場の浮動 性を低めるとともに,

U . S .

ドルにたいするより

も,

D .

マルクにたいするそれら諸国通貨の市場 形成のさいのリスクを低めるであろう。これに よって買相場と売相場のスプレッド (bid‑offer spreads)は

U . S .

ドルにたいしてよりも

D .

マル

クにたいして低くなるはずである」 7)。 プラウンはこの79年の著作ですでに

D .

マル

(6)

1 輸出入自国通貨建構成の推移

誓 ゜

国通貨建 1988通貨建

誓 ゜

国通貨建

8国通貨建8

フ ラ ン ス 62.5  58.5  33.1  48.9  西 ド イ ツ 82.3  81.5  43.0  52.6  イ タ リ ア 36.0  38.0  18.0  27.0  日 29.4  34.3  2.4  14.1  イ ギ リ ス 76.0  57.0  38.0  40.0  ア メ リ カ 97.0  96.0  85.0  85.0 

(注)西ドイツの輸出,イタリアの輸出入は1987年のデータ。

(出所) G. S. Tavlas and Y. Ozeki,  "The Japanese  Yen as  an International Currency':  IMF Working Paper, 1991, p. 37, より作成。 (S.A. Page, "The Choices of Invoic‑ ing Currency in Merchandise Trade", National Institute Economic Review, No. 

85,  1981, pp. 60‑72; S. W. Black,  The  International  Use  of  Currencies,  Y.  Suzuki, 

J .  

Miyake, and M. Oka be (eds.)  "The Evolution of  the International  Monetary System':  University  of  Tokyo Press,  1990;  W Alterman,''Interna‑ tional Economic Transactions : Issues  in  Measured and EmpicalResearch",  Paper presented at the Conference on Research in Income and Wealth, Nov. 

1989; Ministries of Finance, Germany, Italy, and Japan; and U.S. Bureau of  Labor Statistics). 

クを基軸通貨

U . S .

ドルにたいして副軸通貨と して位置づけている。だがその当時の状況はま だ,契約通貨が輸出者の自国通貨へ転換し,輸 出,輸入でD.マルク建のシェアがもっとも高か ったことである。

U . S .

ドルを別とすると,ョーロ ッパ諸国の通貨では

8 0

年には,

D .

マルクが輸出

82%, 

輸入

43%

ともっともシェアが高い。そし て準備通貨の通貨別の構成も

U . S .

ドル以外の 通貨建への多様化,分散化が進行していた。

1 9 7 0

年に

77%

であった

U . S .

ドル建は

8 0

年 に は

69%

に低下し,そしてD.マルク建は

2%

であったも のが

14%

に増大していた見しかしながら銀行 間外国為替市場での取引通貨あるいは決済通貨 は

U . S .

ドルに集中していた。したがって為替媒 介通貨も

U . S .

ドルに統一されていたとみてよ い。

1 9 7 9

年には各中央銀行の推計では,ロンド

7)  Ibid., pp. 74‑75. 

8)  A.  Lamfalussy and M. Dealtry,  Reserve  and  International  Liquidity,  BIS  Economic  Papers,  1988, p. 8. 

ン外国為替市場では「取引がドルで始められた 為替取引の比率」は

U . S .

ドルが

9.9%,

フランク フルトでは

90%,

チューリッヒでは

9 5 ' " ' ‑ ‑ ' 9 9 %

で あり,パリだけが例外的に

60%

であった。すで に指摘しておいたところである凡

契約通貨,準備通貨の多様化・分散化が進行 していることから,ブラウンは為替媒介通貨の

U . S .  

ドルから

D .

マルクヘの移行を予見したの である。だがこの移行はそれほど容易には進行 していない。ブラウンは

1 9 7 7

' " ' ‑ ‑ ' 7 8

年のドル為 替相場低落, ドル危機が続くと為替媒介通貨が ドルからマルクに転換をはやめると予想してい たのであろう。だが

1 9 7 9

年からドル相場は他国 通貨にたいして上昇し,その状況は

8 5

2

月ま で続いたのである。

7 9

年秋にはインフレーショ ン物価の

2

桁高騰にたいしてアメリカ,イギリ スを先頭にマネーサプライ・コントロールによ

9)  Group of  Thirty,  The Foreign Exchange Mar‑ kets  under Floating Rates, 1980, p. 15 ; 深町郁禰,

前掲書, 302ページ。

(7)

る金融引き締めを行い金利を激変させたのであ る。 77年~88年のドル相場の低落を生ぜしめた ア メ リ カ の 財 政 ・ 金 融 の 緩 和 , そ れ に 続 く

OPEC

2

回目の石油価格引上げが先行して いた。 85年9月のプラザ合意, 87年2月のルー ブル合意に示されたG5, G7の新しい金融協 ヵ,そして

U . S .

ドル相場の低落の趨勢のもとに 基軸通貨ドルの侵食の新しい段階が始まったの である。

しかし, 85年からの現実分析にはいるまえに,

どうして変動相場制のもとで為替媒介通貨が大 きくあらわれてきたかを理論的に述べておかな ければならない。別の言い方をしよう。契約通 貨,準備通貨が多様化すればするほど,どうし て為替媒介通貨は集中化・統一化するかがまず 問題である。

変動相場制のもとで外国為替市場で銀行間の 為替媒介通貨がいちじるしく大きくあらわれて きているところから始めよう。すでに述べたよ うに,変動相場制のもとでは U.S.ドルのアメリ 力通貨当局と

IMF

加盟国の通貨当局のあいだ の金交換性が停止されることによって,「ドル本 位制」が完成した。したがって貨幣制度のレベ ルからいうと,

U . S .

ドルは国際決済にさいして

「最終的支払手段」化したようにみえる。しか し変動相場制のもとでは外国為替取引高が異常 に増大した。商品・サービスの貿易の決済だけ でなく,直接投資,そして証券投資が銀行間の 国際貸借のほかに増大し,それに為替リスク回 避のための資本移動が加重されたのである。世 界の外国為替取引高は商品・サービスの輸出・

輸入の合計の32倍に達していた (89年第1四半 期)。そしてさらに準備通貨が増大したのであ る。世界の外貨準備高は89年末には6241億

SDR

であり,それは72年の4.3倍に達している10)。ち

なみにこの外貨準備高には準備通貨のほかに各 国通貨当局保有の金 (1オンス

35SDR), SDR 

IMF

リザーブ・ポジションが含まれている。

変動相場制は,ブレトン・ウッズ体制の

U . S .

ド ルの金交換性が停止されていることによって,

アメリカの金融緩和を維持させたのである。

1962年から 71年までブレトン・ウッズ体制下で は,外貨進備高の増大にたいする他国の通貨当 局の金交換・流出は26%であったことをつけ加

えておきたい11)

変動相場制下で異常に肥大化した国際的資本 移動は,金利変動,金利市場のグローバル化で 為替リスクの回避のため,

U . S .

ドル建から他通 貨建へ金融資産をシフトする。しかし国際決済 は取引通貨としての

U . S .

ドルに集中している。

U . S .  

ドルと他通貨とのあいだだけではなく,各 国の金利,外国為替相場の変動にともなって他 通貨建相互のあいだで為替リスク回避あるいは 金利裁定のため

U . S .

ドルを媒介として

2

つの 通貨建資産を交換しなければならない。 80年代 初めにおいてもポンド・スターリングを

D .

マル クに転換するためには,ポンド売り・ドル買い,

ドル売り.

D .  

マルク買いという

2

つの外国為替 取引がロンドン外国為替市場でも行われていた のである。この場合

U . S .

ドルはドル買い,ドル 売りと

2

つの為替取引を媒介するので,為替媒 介通貨とよばれたのである。

以上は変動相場制下における為替媒介通貨の 展開を指摘したものである。基軸通貨

U . S .

ドル を金交換性停止と準備通貨の過剰蓄積,国際資 本移動にかかわる為替リスクに関連させて論じ

10)  EconoicReport  of  the  President,  U.S. GPO,  1992, 『大統領経済報告』『エコノシスト』臨時増刊,

104, 296ページ,参照。

11)  深町郁弾,前掲書, 275‑277ページ,参照。

(8)

てきた。しかし為替媒介通貨は金本位制下,ブ レトン・ウッズ体制下においてもその機能存在 が指摘されてきていた。このことは否定できな い。しかし金本位制のもとでは,各国の民間為 替銀行が為替持高調整と資金調整を行うため,

基軸通貨ポンド・スターリングを為替媒介通貨 としていたこと,そして基軸通貨国のロンドン 市場に国際決済を集中していたことが指摘され ている。金本位制のもとで各国銀行券の金交換 性が確保されておれば,変動相場制下のように 準備通貨の為替リスク回避が前面に出てくるこ とはない。周辺諸国為替銀行の為替持高・資金 調整とロンドン貨幣市場,「国際手形交換所」と の関係について述べておこう。

諸国の為替銀行はロンドンの銀行におかれた 当座預金(ノストロ勘定)をはじめとするロン ドン・バランスを通じて為替持高・資金調整を 行った。徳永正二郎氏はこう述べておられる12)

アメリカの為替銀行は, ドイツ,フランス,ォ

12)  徳永正二郎『現代外国為替論』 有斐閣, 1982 3章「取引通貨と為替媒介通貨」, とくに138ペー ジ以下,参照。徳永氏はスウォボダ (A.Swoboda)  をベースに次のように為替媒介通貨を定義している。

(1)為替銀行によってワーキング・バランスとして機 能させられる通貨, (2)為替銀行が一時的に為替持高 として保有する通貨, (3)ひとつの非媒介通貨が別の 媒介通貨と交換されるさいに,その取引を媒介する 通貨,である (A.Swoboda, "Vehicle  Currencies  and the Foneign Exchange Market; the case of the  dollar",  R.  Z.  Aliber  (ed.),  The  International  Market  for  Foreign  Exchange,  Frederick  A.  Prager, 1969. p.  31)。

筆者が変動相場制下で為替リスク回避のため金融 資産選好で動く,と述べていたものは, (3)に該当す る。徳永氏は,本文で述べたことを「消極的な間接 裁定」として,金利裁定による「積極的な間接裁定」

を展開している。同氏は金本位制のもとでも為替媒 介通貨が機能していることを積極的に肯定され,国 際通貨の基礎概念は「為替インターバンク取引にお ける為替媒介通貨」であるとされている(前掲書,

141ページ)。さらに日本がポンド・スターリング圏 に属し,事実上金為替本位制的運営をしていたこと を前提に,日本・インド間でルピー建貿易決済を行 い,日本の対インド貿易収支の赤字にたいしては横

ランダなどに支店あるいはコルレス先銀行をも ち,各国通貨建のバランスを保持していた。そ して短期資金の調達はロンドン貨幣市場,国際 決済はロンドンの手形交換所に集中していた。

こうした状況のもとでは, ドイツにおかれたバ ランスで買持ちつまり資産超過になり,そして フランスのバランスが売持ちであるときには,

アメリカの為替銀行は,ドイツ為替市場で

D .

マ ルクを売却して,ロンドン宛ポンド手形を買い,

次いでそれを売却してフランを買い取った。こ の

D .

マルク売り・ポンド買い,そしてポンド売 り・フラン買いという

2

つの為替取引によって,

アメリカの為替銀行は為替持高調整を行ったの である。ここでポンド・スターリングは為替媒 介通貨として機能したわけである。

IMF

加盟国の通貨当局が

1

オンス

3 5

ドルの 公定価格で

U . S .

ドルを金に交換できたブレト ン・ウッズ体制下では,各国の平均切下げある いは

D .

マルクなどの切上げの予測に関連して 各国の金融市場間,またユーロ市場内で為替リ スク回避の運動,したがって為替媒介通貨が機 能し始めていた。

1 9 6 1

年に通貨の交換性をヨー

浜正金銀行がロンドン市場でインド省手形(ルピー 為替)をポンドで買いとってインドに送り,支払っ ていた。この国際決済システムには中央銀行,政府 が結びついていた(前掲書135ページ以下,また朴浚 健「産業資本成立期における横浜正金の資金循環構 利付為替手形の処理問題を中心として一」

『経済論究』(九大大学院)第82 19923 為替媒介通貨を変動相場制下の為替リスクにかか わるものとして把握したのは次のような労作がある。

山本栄治「戦後の外国為替市場と為替媒介通貨ドル」

(上)(下)『福岡大学商学論叢』 35巻第1 2 19907 9月:片岡手「国際通貨ドル の侵食と日本の資本輸出」「経済研究』大阪市大第 41 巻第 5• 6号;井上伊知郎「いわゆる『クロス取 引』について 為替媒介通貨ドルとの関係におい て一ー」 『産業経済研究』久留米大第31巻第1 19906月:奥田宏司『多国籍銀行とユーロカレン シー市場』同文館, 1988年,第1章「国際通貨,『ド ル本位制』,『ドル体制』,参照。

(9)

ロッパ諸国の資本取引面までとり込み,

6 0

年代 為替リスク回避の中心は増幅された民間の国際 半ばからユーロ市場が成長し出したからである。 資本移動にほかならない。

1 9 6 5

年各国の通貨当局と民間商業銀行との外国

為替保有の割合は,公的為替準備額/輸入額で (2)  U.S. ドルの為替媒介通貨機能の侵食

0 . 4 0 2

にたいして商業銀行為替準備額/輸入額

0 . 1 0 3

であった。

6 0

年代半ばで民間の外国為替 保有が輸入額のわずか

10%

であり,通貨当局保 有の

4

分の

1

であったのである13)。したがって 為替銀行の為替持高・資金調整は自らの国の通 貨当局とのあいだで行われればよかった。ユー 口市場の規模も

1 9 6 4

9 0

億ドル,

6 7

1 7 5

億ド ル,

7 0

5 7 0

億ドルのネット額であった。

6 2

年の 半ばでは

IMF

統 計 局 の ア ル ト マ ン

( 0 .A l t ‑

man)はユーロダラーの3分の2は公的部門か

らのものであったと推定している14)。したがっ てこの

6 0

年代半ばでは,まだ公的準備通貨の運 用が為替リスク回避でなされることが多く,民 間為替銀行の為替持高・資金調整がニューヨー ク市場と結びついて行われることは少なかった

と推測される。

以上の考察で筆者は,準備通貨と投資通貨の 為替リスク回避にかかわる為替媒介通貨の機能 展開が,プレトン・ウッズ体制と変動相場制の もとであらわれることを指摘できた。そしてプ レトン・ウッズ体制では為替リスク回避の中心 は公的な準備通貨であった。これにたいして変 動相場制では,通貨の平価,したがって通貨当 局にとっての外国為替市場への確定された上下 の介入点がなくなっていて,為替市場と金融市 場は国際的にグローバル化している。ここでの

1 3 )  

H. R. Heller, "The Transaction Demand for an  International  Means of  Payment", Journal  of  Political Economy, Jan/Feb. 

1 9 6 8 ,  

p. 

1 4 3 .   1 4 )  

W. M. Clarke, Inside the City, George Allen of 

Unwin, 

1 9 8 0 ,  

p. 

2 0 7 ;  

B. S.  Quinn,  The New Eur‑ omarket, Macmillan, 

1 9 7 5 ,  

p. 

3 7 .  

プラザ合意,ループル合意という

G5,G7

の 金融協力にもかかわらず,

D .

マルク,円などに たいする

U . S .

ドル為替相場は

8 0

年代後半には いちじるしく低落した。この期間に基軸通貨

u . s .  

ドルを中心とする先進工業国のあいだのカレ

ンシー・マップはどのように変わったであろう か。ニューヨーク連邦銀行,ィングランド銀行,

日本銀行の調査資料にもとづいて分析を進めた い。

「イングランド銀行四季報』では,まずロン ドン外国為替市場における

1

日当りの取引高が

1 9 8 6

3

月に

9 0 0

億ドルであったものが,

8 9

4

月には

1 8 7 0

億ドルに増加したことを述べたのち,

U . S .

ドルを含まないクロス通貨取引」

( c r o s s ‑

currency trading not involving the 

U . S .  

dol‑ lar)が

8 6

年の

3%

から

9%

にシェアを増加した

ことを指摘している。

1 9 8 6

年のように,このサーベイは,ロンド ンの主要な取引がポンド対

U . S .

ドル取引

( 2 7

%)そして

U . S .

ドル対

D .

マルク取引

( 2 2 % )

で あることを示している。しかし……ポンド対

u . s .  

ドル取引と

U . S .

ドル対

D .

マルク取引の合計 が全取引に占めるシェアは

8 6

年の

58%

から

49%

に低下したが,その原因は

U . S .

ドルを含まない 取引(「クロス通貨」取引)が

8 6

年の

3%

から9

%に増加した(その

3

分の

1

位はポンド対

D .

マ ルク取引によって説明された)ことである」15)0 

‑22‑

1 5 )  

The market in foreign exchange in London, op.  cit., p. 

5 3 2 .  

(10)

2 三大為替市場の総取引高 (1日平均)

ロ ン ド ン ニューヨーク

(単位億ドル,倍)

東 京

19~

孤 只

I

>

~0}0

~

~

l~:5~2

~:!

(出所) FRBNY, Summary of Results  of  U.S. Foreign Exchange Market Survey,  op.  cit., p. 1:  The market in  foreign  exchange in  London; Bank  of  England  Quarterly Bulletin, Nov. 1989 p. 532 ; 「東京,ロンドン,ニューヨーク市場の為 替取引高比較」日本銀行外国局, 198911 3ページ。

3 三大市場の通貨別構成比率 (1989 (単位:%)

ドル/ポンドドル/マルク ドル/円

二 : ; : ニ ク I  ~: E ~~!~>;

1.  クロス取引は為替媒介通貨U.S.ドルを含まない外国為替取引。

2.  カッコ内は863月の比率に比べての増減。

3.  ニューヨーク市場においては銀行取扱い分のみ。

(出所) The market in foreign exchange in London, op. cit, p. 533; 「東京,

場の為替取引高比較」,前掲, 6ページ。

ドル/含虚

5

クロス取引 9 (+ 6) (n.  a.)  6 (+ 5) 

ヽ`/ヽ`'ノ、.~

1 2 0  

 

 

0 2   1 1  

ロンドン,ニューヨーク市

またニューヨーク連銀の「アメリカ合衆国外 国為替市場サーベイ要約」のプレス・リリース

は,アメリカの外国為替市場における

1

日当り の為替取引高が86年3月の585億ドルが1289億

ドルに増加したこと,次いで,ブローカーの為 替取引高が86年の259億ドルから569億ドルに急 増したことを述べたあと,クロス通貨取引に言 及している。

「1989年のサーベイは,まず参加者に自分達 のクロス通貨(あるいはクロス)取引,すなわ ち取引のいずれの側も U.S.ドルでない取引の 金額を示すよう求めた。銀行によって報告され た総クロス通貨取引は,銀行の総取引高の3.6%

であった。非銀行金融業者の取引高の4.5%,そ してブローカーの取引高の2.2%が同様なクロ ス取引であった。/クロス取引でもっとも取引 される通貨は,報告されたクロス取引全体の一

方の側を95%占めていたドイツ・マルクにほか ならなかった。スイス・フランはクロス取引の 28.2%に含まれており,日本円は25%に,イギ リスのポンドは16.5%に含まれていたのであ る」16)

日本銀行の「東京,ロンドン,ニューヨーク 市場の為替取引高比較」では, 1986年に東京外 国為替市場で

1

日当たり480億ドルであった取 引高が89年には1152億ドルに急増したこと,ま たU.S.ドル対欧州通貨取引のシェアが増加し,

ドル対円取引が減少した多様化現象を述べ,そ のあとに「第

2

の特徴としては全般的にドル以 外の通貨同士の所謂クロス取引のシェアが増加 している点」を指摘している。東京市場では86 年に 1 %であったクロス取引が89年には6 %に

16)  FRBNY, op.  cit., p. 8. 

(11)

増大したのである。そしてこの背景としては「わ が 国 の 機 関 投 資 家 が 利 回 り 志 向 や リ ス ク 分 散 の 観 点 か ら ポ ー ト フ ォ リ オ 戦 略 と し て 加 ・ 豪 ド ル 等 高 利 回 り の 非 ド ル 資 産 の 保 有 を 増 大 さ せ て い る」17)と述べている。後述するように,このこと は1982年 以 降 日 本 の 生 ・ 損 保 を 中 心 と し た 機 関 投 資 家 が ド ル 建 を は じ め 他 国 通 貨 建 で 証 券 投 資 の 資 本 輸 出 を こ れ ま で に な い か た ち で 展 開 し た こ と に 関 連 し て い る 。 ち な み に , 日 本 の 機 関 投 資 家 と は , 資 金 仲 介 の み を 営 ん で 信 用 創 造 を 行 わない金融機関,すなわち生・損保,投資信託,

資 金 運 用 部 , 簡 易 保 険 , 農 協 共 済 で あ る ( 証 券 団 体 協 議 会 内 の 証 券 問 題 研 究 会1971年)。為替リ ス ク 回 避 , 裁 定 取 引 で 利 鞘 を 求 め た ポ ー ト フ ォ リ オ 戦 略 が 言 及 さ れ て い る 。 そ れ に は さ ら に 為 替 リ ス ク 回 避 の た め の ヘ ッ ジ 操 作 が つ け 加 え ら れ る べ き で あ る 。 し か し 機 関 投 資 家 の 先 物 ・ ス ワ ッ プ ・ オ プ シ ョ ン の ヘ ッ ジ 操 作 は , 機 関 投 資 家 の 投 資 勘 定 に た い し て は 行 わ れ ず , 機 関 投 資 家 の 営 業 勘 定 に た い し て 行 わ れ て い る 。 ヘ ッ

ジ ・ コ ス ト の 高 さ が 長 期 保 有 の 投 資 勘 定 の 採 算 と 両 立 し な い か ら で あ る 叫

さ ら に 国 際 決 済 銀 行

( B I S )

が 発 表 し た サ ー ベ

17)  l::l本銀行外国局,前掲書, 6ページ。

18)  日本の82年以降の機関投資家の外貨建とくに

u . s .  

ドル建の証券投資は,円建より U.S.ドル建やカナ ダ・ドル建の金利が高いこと,日本の国内では長期 の証券をはじめ投資できる金融資産が少ないことか ら行われてきた。「(3)この長期資本の対外流出の大部 分は非銀行金融機関によるものでヘッジされていな い。別の言い方をすれば,こうした対外流出に照応 する外貨建の資本の流入はこれまでなかった。 (4)銀 行の活動による外貨の対外流出は外貨の流人によっ てヘッジされてきた。別の言い方をすると,日本の 銀行活動による資本の対外流出は資本の流入によっ てほとんど対応されてきている」。つけ加えておく と,この資本のユーロ市場などからの最大の短期資 本の流入は,各銀行の外国為替のネットの持残高 一ー買持ち,売持ちのいずれでも が各営業日の 終了時で100万ドルに限られる「慎重な規定」がある ことが基本的な理由である。 1000万ドル対外貸付を

イ で は 次 の よ う に ま と め ら れ て い る 。 世 界 の 1989年 4月の外国為替取引高の総計は, 1日当 り

6 5 0 0

億ドル(二重計算調整ずみ)であった。

だ が 次 に 出 て く る 為 替 取 引 高 は 二 重 計 算 が 未 調 整の数字である。

「個々の国の通貨に対応した取引額の合計は,

報 告 さ れ た 総 取 引 高 で は 二 重 計 算 さ れ て

9 3 2 0

億 ド ル に な る 。 ド ル は 外 国 為 替 市 場 で 取 引 さ れ て き た も っ と も 重 要 な 通 貨 で あ る 。 確 認 さ れ た 総 取 引 高 の90%ほ ど は 自 国 通 貨 あ る い は 第3国 通 貨 の い ず れ か に た い し て 取 引 の 一 方 の 側 に ド ル を 含 ん で い る 。 そ の こ と は 為 替 市 場 取 引 高 の

1 0

%をいくらか上回るものが, ドル以外の通貨間 の取引であることを示している。」19)

以上イングランド銀行,ニューヨーク連銀,

日 本 銀 行 そ し て

BIS

の い ず れ の サ ー ベ イ に お いても, U.S.ド ル を 含 ま な い ク ロ ス 取 引 の 増 大

したら,900万ドルかllOO万ドルの範囲で為替リスク 回避のため短期に借り入れて資本を流入させなけれ ばならない。そのほか貿易金融のためのインパク ト・ローン,非居住者への外貨建債務にたいする準 備顎金のゼロに近い低さ,が銀行の短期資本流入の 理由としてつけ加えられている (G.

S .  

Tavlas and  Y.  Ozeki,  The  Internationalization  of  C

rencies  : An Appraisal  of  the  Japanese  Yen,  IMF, Occasional Paper 90, Jan. 1992, pp. 23 24)。 以上は,銀行の短期資本と機関投資家の証券投資 を区別したヘッジ操作の有無の説明である。しかし 投資勘定についてはヘッジされていなかったが,営 業勘定では為替リスク回避のためヘッジ操作が行わ れてきた。 1992年1月の東京外国為替市場では円・

D. マルクの直物取引高は市場全体の8%であり,円・

ドル, ドル・マルクに次いで第3位である。その取 引高は仲介業者経由分で月間238億ドル,そして90年 1月より3%多い。また円・マルク通貨オプションは 100億ドルをこしている。ヨーロッパ向け輸出が多く なり, ドイツの公定歩合,市場金利が高くされたの で, ドイツ債券にたいする投資が拡大したことがそ の背景となっている。ドイツ債券のネットの買越し は2億6000万ドルである。したがって円・マルクの クロス取引が増大している。投資勘定での直物取引 だけでなく,営業勘定の通貨オプションも増大して いることに注目されたい(『日本経済新間』1992年2 月28日)。

19)  BIS, op.  cit.,  p.  6. 

(12)

が等しく指摘されていた。ロンドン為替市場で

9  %, 

ニューヨーク為替市場で

4 %, 

東京市場 で6

%, 

そしてBISによる世界の外国為替市場 における10%強へのクロス取引の増大はU.S.

ドルの取引通貨,為替媒介通貨としての機能の 他通貨,とくに

D .

マルク,円による侵食といえ るであろうか。また

8 6

年以来世界の外国為替取 引高はロンドン,ニューヨーク,東京の

3

大為 替市場で

2

倍以上に増大している。変動相場制 のもとで他国通貨にたいしたドル相場が低落傾 向を示し,アメリカヘの資本流入に為替リスク 回避のためのヘッジ操作を行ったことが大きな

原因といえるであろう。

表4の「総取引高 (A)」,「対顧客取引 (B)」 ではU.S.ドルを含めた外国為替取引が各国別 に示されている。次の「自国通貨対他国通貨 (C)」では,例えばロンドン外国為替市場で自 国通貨ポンドにたいする D.マルク (D), その他 の非ドル通貨 (F)の為替取引高を掲げている。

ポンドのU.S.ドルにたいする為替取引は除か れている。さきにクロス通貨取引をU.S.ドルを 含まない為替取引と述べていたことに対応して いる。「第3国通貨間取引(ドルと自国通貨を含 まない) (G)」は,ロンドン市場における D.マ

4 ドルを媒介通貨としない外国為替取引 (19894

(単位:億ドル)

3) 

間ドルを含ま取ない銀行 総取引高 対引客 自国通貨対他国通貨 (小C+G計)  のクロス

(A)  (B)  (C)  対マルク対ポンド対通他(非F) (H) 

(C‑B)  (H‑B)  (D)  (E)  (G) 

合計 7

580 1140 1241280

384~ 20 2150

1090  430  1286510

128040

『 疇

710 イギリス 2410  260  90  63  n.  a.  27  160  250  ‑170  ‑10  アメリカ 1740〕 100  176670

520 240 910  71 

831

660 71316j  日本 1450  340  74  4  70  10  84  ‑266  ‑256  スイス〔85〕 680  90  135  110  7  18  43  178  45  ‑50  シンガポール 630  (60)  ..  (30)  30  ‑60  ‑60  香 港 600  54  7  7  33  40  ‑47  ‑14  オーストラリア 370  60 

, 

16  ‑51  ‑44  フランス〔95〕 320  50  67  53  14  18  85  17  35  カナダ 180  40 

゜ ゜ ゜ ゜ ゜

‑40  ‑40 

オランダ 160  15  39  30 

, 

46  24  31 

デンマーク〔90〕 150  13  12  10  (2)  (20)  32  ‑1  19  ベルギー〔90〕 120  13  15  10  5  (8)  23  2  20  イタリア 110  14  28  14  1  13  28  14  14  スペイン 59  6  16  11  1  4  1  17  10  11  アイルランド 55  1  3  2  1 

20  23  22 

1.  国名のあとの角カッコ内の数字は全取引をカバーしていない。

2.  丸カッコ内の数字は推定。

3.  取引高は二重計算未調整。

4.  アメリカの「対マルク」「対ポンド」の角カッコは自国通貨U.S.ドルを示す。それらを差引くと「合計」

の欄の角カッコの数字が出る。

(出所) Bank for International Settlements, Survey of Foreign Exchange Activity, Feb. 1990, Table A‑1, C‑1,  C‑2, C‑3より作成。

(13)

ルク対円のような第

3

国通貨のあいだの為替取 引を算出したものである。もうひとつつけ加え ておこう。ニューヨーク外国為替市場での

D .

マ ルク,ポンドにたいする自国通貨

U . S .

ドルの為 替取引は, ドルを除外するためには取り除かね ばならない。角カッコを付しているのはそのた めである。

アメリカのドル対マルク

5 2 0

億ドル,ドル対ポ ンド

2 4 0

億ドルを除外すると,「自国通貨対他同 通貨」の

3

つの為替取引高の合計は

1 4 2 0

億ドル である。これに「第

3

国通貨間取引(ドルと自 同通貨を含まない)」の

4 3 0

億ドルを加えると合 計では

1 8 5 0

億ドルに達する。しかしこのままで はまだ

U . S .

ドルを含まないクロス取引という ことにはならない。銀行間外国為替市場におけ るクロス取引を純粋なかたちで取り出すために は,さらに「対顧客取引 (B)」を「自国通貨対 他国通貨」から,またそれに「第 3国通貨間取 引 (G)」を加えた「小計 (H)」からさらに差し 引かなければならない。「ドルを含まない銀行間 のクロス取引」の (C‑B)は

2 8 0

億ドル, (H‑B) は710億ドルという数字を得ることができる。ク ロス取引を銀行間取引に限ることを提唱したの は井上伊知郎氏であった20)

以上のようにアメリカの自国通貨ドルの,為 替取引を除外すると,クロス・カレンシー取引 の世界の外国為替取引高にたいするシェアを算 出するためには,まず総取引高

9 3 2 0

億ドルから アメリカの為替取引高

1 7 4 0

億ドルを差し引いて

7 5 8 0

億ドルを出し,それにアメリカの「第

3

国 通貨間取引

J

の71億ドルを加えると

7 6 5 1

億ドル となる。次にクロス・カレンシー取引を銀行間 為替市場に限ったので,

7 6 5 1

億ドルから「対顧

2 0 )  

井上伊知郎,前掲論文,

2 1

ページ,参照。

客取引 (B)」の

1 1 4 0

億ドルを差し引いて

6 5 1 1

億 ドルを得ておかなければならない。したがって

「自国通貨対他国通貨(C)」の取引高

2 8 0

億ドル に総取引高

6 5 1 1

億ドルを対比すると

4.3%

のシ ェアが得られる。またそれに「第

3

国通貨間取 引 (G)」を加えた小計 (H)」の 710億ドルに総 取引高

6 5 1 1

億ドルを対比すると,

10.9%

のシェ アが得られる。さきに

BIS

が世界の外国為替取 引高にたいする

U . S .

ドルを含まないクロス・カ レンシー取引のシェアが

10%

を若干上回ると述 べられていたことを示しておいた。

BIS

のこの

10%

強というシェアは,「自国通貨対他国通貨 (C)」プラス「第3国通貨間取引 (G)」マイナ ス「対顧客取引 (B)」に,アメリカを除外した

「総取引裔」を対比したさいのシェア

10.9%

に ほぼ一致している。

III  変動相場制下の先物・オプション取引の 増大

さらに外国為替市場で変動相場制が為替取引 をどう変えたか検討しなければならない。表5 は市場ごとの対

U . S .

ドルを含んだ取引高の形 態別シェアの

1 9 8 6

年と

8 9

年との対比である。ま ず外国為替の取引高は,ロンドン,ニューヨー ク,東京のいずれの市場でも倍増している(表

2

参照)。そして

1 9 8 9

4

月の世界の外国為替取 引高は,

8 9

年第

1

四半期の商品・サービスの輸 出・輸入の合計の

3 2

倍に達していた。三大市場 国をとると,イギリス

6 9

倍,アメリカ

2 5

倍,そ して日本

3 7

倍 で あ っ た 叫 表5に示されている ところでは,直物取引にたいして

8 6

年には先 物・スワップ取引,そして

8 9

年には,さらに通 貨オプションが加わって,ロンドン,ニューヨ

2 1 )  

BIS, op.  cit., p. 

2 1 ,  

Table IIIより算出。

‑26‑

(14)

5 三大外国為替市場における取引形態の比率

(単位:%)

ロンドン市場 ニューヨーク市場 東京市場 64  (‑9)  64  (+ 1)  40 (0)  先物,スワップ 35  (+9)  31  (‑4)  56  (‑4)  通貨オプション

} 1 (0)  4 (+3)  4(+4)0> 

通貨フューチャーズ 1 (0) 

1.  カッコ内は19863月調査との増減比。

2.  「東京市場」の「通貨オプション」は1986年では推計。

3.  「東京市場」では海外との「通貨フューチャーズ」取引は非調査対象(な お東京金融先物取引は調査時点では未発足)。「ニューヨーク市場」につい ては銀行取扱いのみ。

(出所)「東京,ロンドン,ニューヨーク市場の為替取引高比較」前掲8ページ。

ークの両市場では先物・スワップ,通貨オプシ ョンなどが

35%

であり,さらに東京市場では

6 0

%と直物取引を追い越している。東京市場での このシェア逆転を含めて,先物・スワップ,通 貨オプション等が大きくなっている。その理由 が問われなければならない。

BIS

のサーベイは

「むすび」でこう述べている。

1 9 8 9

年以来の取引高の膨張は世界の商品・

サービス取引価値の増大によって説明できるよ りかなり大きい。金融目的で行われた取引はま すます重要になってくるようである」22)0

変動相場制下の為替取引高の商品・サービス 取引高を上回るいちじるしい膨張が「金融目的 で行われた取引

J ,

すなわち先物,スワップ,通 貨オプションなどと密接に関連させられている。

これらの為替取引は企業が商品・サービス取引 上のヘッジ操作を求めるだけでなく,それら企 業の多国籍化,直接投資にともなう為替・金融 取引がヘッジ操作を組みこんで金融子会社を成 立させ,システムとして連動させたのである。

さらに80年代の変動相場制のもとでは機関投資 家による他国通貨建の証券投資が国際的に拡が り,その営業勘定にはヘッジ操作がともなう。

22)  Ibid., p. 9. 

そして最後には銀行の銀行間為替取引に大きな カバー操作が積み重ねられたのである。ちなみ にアメリカ,ョーロッパ諸国にたいする80年代 後半の日本の国際資本移動とヘッジ操作は,「金 融目的で行われた取引」の例にほかならなかっ た。これは国際的な金融取引による為替取引高 の肥大化であった。ところが,

8 9

年にはロンド ン外国為替市場の対顧客取引は

15%,

ニューヨ ーク市場のそれは

14%

であるのに,東京市場の 対顧客取引は

30%

に達していた。この対顧客取 引のシェアの違いは,ロンドン,ニューヨーク の両為替市場は商業銀行以外のマーチャント・

バンク,インベストメント・バンクなどの非銀 行金融機関も銀行間為替市場に直接参加できる

のに,東京市場では銀行,為替ブローカー,日 本銀行だけが銀行間為替市場に参加できて証券 会社はできないことが大きな理由となっている。

したがって日本の為替銀行の対顧客取引には,

証券会社の仲介する機関投資家の証券投資形態 での国際資本移動,それにヘッジ操作も加わっ ていることになる。この場合対顧客取引は,商 品・サービスの輸出入ではなく,貨幣資本の移 動という金融取引である。

外国為替取引のヘッジ操作だけを取りあげる ことになるが,日本の為替市場の先物・スワッ

(15)

プと通貨オプションの取引高は 1日872億 ド ル であり,直物の取引高580億ドルより大きい。イ ギリスの為替市場では先物・スワップと通貨オ プションの取引高870億ドルと等しい。しかしそ の直物取引高1540ドルは日本の580億ドルの2.7 倍である。アメリカの場合,先物・スワップと 通貨オプションは640億ドルで,直物取引高は 1100億ドルであった。ここには日本が,銀行の 短期資本移動,証券投資,そして直接投資が,

円建でなく U.S.ドルその他の外貨建という前 例のないかたちで急速に展開していること,そ して先物・スワップと通貨オプションが金融取 引として層をなして積み重ねられていることを 指摘しておきたい。

ニューヨーク,ロンドンの二大為替市場では,

以上の問題はどうあらわれてきているであろう か。さらにそのなかで

U . S .

ドルの為替媒介通貨 機能はD.マルクなど他通貨にどう侵食され始 めているか。これらを検討しなければならない。

すでに述べたように,ニューヨーク為替市場 での

U . S .

ドルを含まないクロス・カレンシー取 引は4 %であった。こうしたクロス取引のなか でどちらか一方の側に

D .

マルクが出てくるの が95%,スイス・フラン28.2%,円25%, そし てポンド16.5%であった。表6はこのニューヨ ーク市場におけるD.マルクの相手通貨のシェ

アを商業銀行,ィンベストメント・バンクであ る非銀行金融機関,為替仲介機能を果す外貨ブ ローカーの

3

種の金融機関に区別して示してい る。 D.マルクがクロス・カレンシー取引のなか で9.5%とほかの通貨から区別された位置付け にあることはまず指摘されねばならない。だが 次には対円の

D .

マルクの為替取引が非銀行金 融機関で46%,ブローカー経由で34%とシェア が大きいことに注目しておきたい。

表7はニューヨーク外国為替市場における対 D. マルクと円との区別による 3つの金融機関の 為替取引の比較である。この表ではクロス・カ レンシー取引だけでなく,

D .

マルクあるいは円 にたいして

U . S .

ドルが相手通貨である為替取 引も含められている。まず第

1

に,アメリカの 非銀行金融機関すなわちインベストメント・バ ンクの為替取引では対円取引の方が対D.マル ク取引よりもシェアが大きく第

1

位である。直 物と先物,スワップと通貨オプションなどを区 別したそれぞれのシェアには大きな違いはない。

2I

こ,商業銀行,ブローカーの為替取引では,

31%,  42.5%とスワップ取引の対円取引のシェ アが対D.マルク取引より大きい。ここには80年 代後半のアメリカヘの日本のドル建の銀行貸付,

証券投資そしてアメリカの不動産取得が行われ たこと,さらにそれらには大規模なヘッジ,ヵ

6 ニューヨーク市場のクロス取引におけるD.マルクの相手通貨

(単位:%)

非銀行金融機関 ブローカー経由 D. マルク/スイス・フラン 32.4%  12.6%  13.1% 

D. マルク/円 14.6  45.8  33.8  D. マルクIF.フラン 19.2  15.3  6.3  D. マルク/ポンド 11.3  25.2  18.6 

(注)自国取引からの二重計算未調整

(出所) Summary of Results  of  U S.  Foreign Exchange Market Survey  con‑ ducted in April 1989, op  cit., p. 8より作成。

(16)

7 外国為替取引形態の比較 (19894

(単位: 100万ドル,%)

非銀行金融機関 ブローカー

西ドイツ 日 本 西ドイツ 日 本 西ドイツ 日 本

マルク マルク マルク

総 取 引 高 1,000,640  765,984  176,360  201,244  368,185  306,481  100  100  100  100  100  100  直 物 73.9  56.8  51.3  54.2  64.5  53.0  スワップ 18.6  31.0  14.9  14.6  31.4  42.5  先 物 3.4  3.8  8.7  6.2  0.1  0.5  オプション 3.6  7.5  19.1  18.2  4.0  3.9  通 貨 シ ェ ア 32.9  25.2  28.5  32.5  32.4  26.9 

(出所) Ibid.,  Appendix II  (a)より作成。

8 ロンドン外国為替市場の通貨別取引シェア (19894

(単位:%)

取国籍引者たちの イギリス その他EC北アメリカ 日 本 発展途上国 ポンド 30  15  36  6  11  3  D. マルク 14  19  49  6  11  1  12  4  35  43  7  1  スイス・フラン 14 

, 

48  2  26  1  フランス・フラン 15  48  33  1  2 

U.S. ドルの

リラ 7  68  24  1  1 

相手通貨 カナダ・ドル 11  5  79  3  1  デンマーク・クローネ 29  29  35  6 

ベルギー・フラン 12  38  29  19  オーストラリア・ドル 18  3  27  52 

その他通貨 16  25  23  30  6  ポンドの相手 D. マルク 41  21  32  2 

通貨 その他通貨 41  17  25  4  12  11  6  47  32  4  D. マルクの

スイス・フラン 29  4  22  44  相手通貨 フランス・フラン 22  41  33  4 

その他のクロス取引 23  40  27  1  8  1  EC, U 28  35 

, 

4  23 

(出所) The market in foreign exchange in London, Bank of England Quartarly Bulletin, op.  cit.,  Table B, p. 535より作成。

バー操作が先物とスワップならびにオプション の為替取引で展開されたことが示されている。

次はロンドン外国為替市場である。表8はロ ンドン市場の為替取引がどの国の取引者によっ てどの通貨を用いて行われたか,を示したもの である。ロンドン市場の為替取引高は世界第

1

位であるが,

1 9 8 9

年には

U . S .

ドルにたいして自 国通貨ポンドは

27%, D .  

マルク

22%,

円15%で あった。そしてドルを含まないクロス・カレン シー取引のシェアは

9 %

と指摘されていた。こ こで先取りして述べておくと,問題の第

1

は,

U . S .  

ドルの

D .

マルクからの侵食がどうあらわ

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参照

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