• 検索結果がありません。

─ 日本の肖像

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "─ 日本の肖像"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本の肖像

――文化と歴史の対立――

福島政裕 

東海大学政治経済学部教授

「文明」No.17, 2012 33-44

序論 国のかたち

世界には,さまざまな種類の資本主義がある.日本やフ ランスの資本主義は,米国の資本主義とは根本的に異なる.

1990

年代の米国は,アジアの新興諸国に対し,アジア的な 資本主義を捨て,米国の資本主義を導入しろと説いたものだ.

ところが,その後に米国の大企業の醜聞が続出し,米国の資 本主義にも重大な欠陥があることが露呈した.現在,世界は 米国発の深刻な経済危機に見舞われている.異なる種類の 資本主義の間の競争と対立をいかにとらえるかは,今日の世 界の大きな課題である.

日本の国のかたちをどう描くか─.喫緊の課題である.

冷戦終焉とともに,独走態勢を築いたはずの資本主義が,そ の内部に激しい対立を露呈した.資本主義間の国のかたち をめぐる新たな思想対立が急浮上したのである.資本主義と

本論文は,『文明』投稿規定に基づき,複数レフェリーの査読を受けたもの である.原稿受理日:2012 年 12 月10 日

Portraits of Japan:

Culture vs. History Masahiro Fukushima

Professor, School of Political Science and Economics, Tokai University

This paper analyzes the basic logic of James Fallows’ Japan revisionism. Fallows is a prominent journalist for the journal The Atlantic. In this paper, I compare the arguments of his article “Containing Japan” that sent shock waves around the world the moment it was published, and his arresting and alarming book Looking at the Sun: The Rise of the New East Asian Economic and Political System, which came out five years after the publication of “Containing Japan.”

The study concludes that the ideas on Japan and on U.S.-Japan relations as presented in “Containing Japan” are completely different from the views in Looking at the Sun. The purpose of “Containing Japan” is to make a case for containing Japan’s expansion. In the article he argues: (1) Japan is different; (2) a different Japan is unfair and dangerous; and (3) to a different Japan, a different response is needed. His views on Japanese culture provide the logical basis for “Containing Japan.”

The central argument of Looking at the Sun is that Western societies, especially America, have been using wrong mental tools to classify, shape, and understand the information they receive about Asia. In Looking at the Sun, Fallows argues: (1) Japan is different; (2) a different Japan is not unfair and not dangerous; and (3) to a different Japan, no different response is needed and only a correct understanding of Japan is needed. His views on history provide the logical basis for Looking at the Sun. A different Japan does not necessarily mean an unfair Japan. A different Japan does not necessarily mean a dangerous Japan. A different Japan does not necessarily lead to a different response to Japan. The basic logic of “Containing Japan” is thus inconsistent with that of Looking at the Sun.

Accepted, Dec. 10, 2012

資本主義の対立が,資本主義と社会主義の対立に取って代 わった.日米貿易摩擦や日欧貿易摩擦が激しさを増すに伴 い,日本型資本主義国家の正当性を疑問視する声が欧米で 高まっていった.日米貿易摩擦問題・日欧貿易摩擦問題の核 心が日本の国のかたちそのものにある

,

と言うのである.クリ ントン政権(

1993

-

2001

年)が誕生すると,日本の国のかた ちを論じる日本異質論は米政権内部の主流派の地位を占め るまでになった1.米国カリフォルニア大学教授チャーマー ズ・ジョンソン(

Chalmers Johnson

)や元米国商務省審議官 クライド・プレストウィッツ(

Clyde V. Prestowitz, Jr.

),オラ ンダの『

NRC

ハンデルスブラッド』紙極東特派員カレル・

ヴァン・ウォルフレン(

Karel G van Wolferen

),米国『アト ランティック』誌ワシントン編集長のジェームズ・ファロー

ズ(

James Fallows

)ら日本異質論者の日本の国のかたち論

は,日米関係・日欧関係に大きな影響を及ぼした.ところが,

1992

年に日本のバブル経済がはじけ,日本経済の低迷が続 くなか,欧米人が日本を脅威と感じなくなるにつれ,欧米人 の日本の国のかたちに対する関心も薄れていった.だが,

21

(2)

世紀の世界の経済成長の中心はアジアと見込まれ,アジアの 多くの国が日本の国のかたちを手本に経済発展を遂げている 現状を見れば,日本の国のかたちをどう描くかが学問的にの みならず,実践的にも最重要な課題の

1

つであることは間違 いない.日本異質論者は日本の肖像をどのように描いている か.

本稿は,この課題への取り組みの一環として,代表的な 日本異質論者ジェームズ・ファローズの日本異質論の論理 の解明をめざすものである.ファローズの日本異質論の論 理を正しく理解できれば,ファローズの日本異質論の理解は 著しく深まる.日本異質論は,大きな反響を呼び,大論争を 巻き起こした.だが,日本異質論をめぐる議論がはなばなし かったわりには,日本異質論の論理の理解はそれほど深まら なかった(福島

2006

参照;福島

2009

II

参照;福島

2010

参照).本稿は,ファローズの日本異質論の代表的著作「日 本封じ込め」(

Containing Japan

)の論理とファローズのその 後

5

年間の日本・アジア研究の成果である『沈まない太陽』

(Looking at the Sun: The Rise of the New East Asian Economic and Political System)の論理の比較検討により,課題の解明 を試みる(

Fallows 1989

;ファローズ

1995

2.検討の対象と なる主要な論点は,日米関係,日本の経済体制,日本の政治 体制,日本人の基本的価値観,日本経済拡大の影響,日本 への対応,および歴史である.これらの論点は,最後の歴史 を除き,「日本封じ込め」のファローズの主張の展開に沿って 配列されている.日本やアジア,欧米の歴史は,「日本封じ込 め」では主たる論点にはなっていないが,『沈まない太陽』で は最も重要な論点になっている.

本稿の目的は,ファローズの日本異質論の全体像を描くこ とではなく,ファローズの日本異質論の論理を明らかにする ことである.日本異質論の論理の理解が日本異質論研究の優 先事項である.先にも述べたように,日本異質論は大論争を 呼んだが,しかし議論は深まらなかった.それは,日本異質 論の論理そのものを十分に踏まえた議論が行われなかったか らである.本稿がファローズの日本異質論の論理の解明に焦 点を絞る理由はここにある.ファローズの日本異質論の全体 像の描写は別の機会に譲らなければならない.ただ,後に見 るように,ファローズの「日本封じ込め」の論理と『沈まない 太陽』の論理は矛盾しているが,その理由についてここで簡 単に触れておくほうが読者には親切であろう.ファローズ自

身は「日本封じ込め」の論理と『沈まない太陽』の間の矛盾に ついて何ら言及していないが,この矛盾は

5

年の間にファロ ーズの日本についての理解が深まったために生じたものであ る.

本稿の

I.

では,米国の金融業界をめぐる最近の動き,米 連邦準備理事会(

FRB

)のグリーンスパン議長の国のかたち 論,現在の経済危機に関する動き,および産業政策の復権 を紹介することにより,日本の国のかたちや米国の国のかた ちを研究する意義を明確にする.

II.

では,ファローズの日本 異質論の論理枠組みを理解する.ファローズの日米関係論 の分析により,ファローズの日本異質論の論理枠組みが明ら かになる.

III.

では,「日本封じ込め」と『沈まない太陽』の主 たる論点について,日本人の基本的価値観を除き,「日本封 じ込め」のファローズの見解と『沈まない太陽』のファローズ の見解を比較検討する.

IV.

では,「日本封じ込め」の論理の 中核をなす日本人の基本的価値観論・日本文化論と『沈まな い太陽』の論理の中核をなす『沈まない太陽』の歴史論を比 較検討する.結論では,ファローズの日本異質論の論理の分 析を総括する.「日本封じ込め」の論理と『沈まない太陽』の 論理の間に論理的整合性があるか否かの判断をする.

I

.ゴールドマンよ,さようなら

はげ鷹が,あばら骨の浮き出た獲物に群がり,肉をついば んでいる.大きく羽ばたき群れから飛び去ろうとする

1

羽の はげ鷹.抜け落ちた羽根が

2

枚,群れの上に舞い落ちる.

「いまの社風はかつてないほど有害で破壊的だ」.米金融 大手ゴールドマン・サックスの現役幹部が

2012

3

14

日 付の米有力紙で自社批判を展開.経営側は直ちに反論,火 消しに躍起となった.批判手記は波紋を広げ,金融規制の 議論にも影響を与えかねない状況になった.

はげ鷹の絵を添えて手記を掲載したのは『ニューヨーク・

タイムズ』(

Smith 2012

).タイトルは「なぜ私はゴールドマ ン・サックスを去るのか」3.筆者はゴールドマン・サックス のエグゼクティブ・ディレクターで米国株式デリバティブ部 門の欧州・中東・アフリカ地域責任者のグレッグ・スミス4

12

年間在職し,

3

14

日に退職した.

手記は「今日が私のゴールドマン・サックス最後の日だ」

の書き出しで始まる.スミスは,ゴールドマンは世界最大の 最も重要な投資銀行だが,自社の金もうけが優先され,顧客

(3)

の利益はわきに置かれていると批判する.会議では顧客を手 助けする時間は一切使わず,最大限稼ぐことだけを話し合う.

「社内で平気で顧客を食い物にする話しをしているのを見て 気分が悪くなる.この

1

年で顧客を『あやつり人形』と呼ぶ 幹部を

5

人見たし,社内メールで目にすることもあった」とも 指摘する.

さらに,顧客にとって正しいことをする文化がゴールドマ ン・サックスの成功の核心だったが,モラルが低下し,その 跡形もないとした.「それは協力や誠実,謙虚な心持ち,顧 客にとって正しいことをすることといったものである.この会 社がすばらしいものになり,

143

年もの長きにわたり顧客の 信頼を繋ぎ止めることができたのは,実はこの文化の賜物な のである」.しかし,「いまやこの文化は跡形もない」.

「この文面で経営陣が目を覚ましてくれればと思う.……金 もうけのことしか頭にない人の会社は長続きしない」と手記 を結んだ.

ゴールドマンは,ロイド・ブランクファイン最高経営責任 者(

CEO

)が自ら声明を発表した.「ただ

1

人の意見が,新聞 の場で,社内の多くの意見より大きく扱われたことは不幸だ」

と反論した(畑中

2012a

MSN

産経ニュース

2012

参照).

ゴールドマンはウォール街の名門である.経営トップだ ったヘンリー・ポールソンがジョージ・

W

・ブッシュ政権

2001

-

2009

年)の下で財務長官に就くなど,政界にも人脈 があることで知られる.

米国では前年秋から,格差是正を求めるデモがウォール 街から各地に広がり,米金融界のもうけすぎへの批判が強ま っていた5.そんななかでスミスの批判手記が『ニューヨー ク・タイムズ』に載り,顧客をあやつり人形と呼んでいたとい った内幕も明かされた.ウォール街の「勝ち組」とされるゴー ルドマンの経営を幹部が公然と批判するのは珍しく,国内の 高い関心を反映して,米メディアは連日大きく報じた(畑中

2012b

).英紙『フィナンシャル・タイムズ』も,その社説で次

のように指摘する.

「手記が注目を集めているのは,スミス氏が新たな犯罪を 告発したからではない.時には顧客よりも会社の利益を優先 するという米大手金融機関のイメージに今さら驚く人が多い とも思えない.衝撃的なのはゴールドマンのような有力企業 が退社した元幹部からここまで痛烈に批判されるべきなのか という点だ」(『日本経済新聞』

2012

ただ,ウォール街の「身内」からは,ゴールドマンをかばう 声が相次いだ.ゴールドマンのライバル米モルガン・スタン レーのジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(

CEO

)は

3

16

日,「特定の社員の意見だけを取り上げたのは驚きで不公 平」と,手記を載せた『ニューヨーク・タイムズ』の方を批判 した(畑中

2012b

).

15

日には,ニューヨークのブルームバー グ市長がマンハッタンにあるゴールドマン本社を訪れ,ブラ ンクファイン

CEO

や社員を激励して回り,「このような不当な 攻撃はすべてのニューヨーク市民に打撃を与えかねない」と 懸念を表明している.一方,

16

日付の『ニューヨーク・タイ ムズ』は,「手記は(ウォール街で)歴史の教訓が学ばれてい ないことを示した」などとする読者の反響を掲載した(柿内

2012

).米国は

1990

年前後の

LBO

(借り入れで資金量を増 やした買収),

2000

年前後のハイテク株,それに今回の住宅 市場とバブルを繰り返したが,ウォール街は常にこれらの中 心にいた.

金融規制改革法の成立に尽力したバーニー・フランク下 院議員はロイターに対し,金融規制改革に反対している金融 業界に「大きな影響」があるだろうと指摘.「ゴールドマン・

サックスなどは,顧客と経済全体にどのような貢献をして いるのか説明する必要がある」と述べた(朝日新聞デジタル

2012

).

手記が『ニューヨーク・タイムズ』に掲載された日,厳しい 金融規制の提唱者,ボルカー元米連邦準備理事会(

FRB

) 議長がワシントンで講演した.スミスの寄稿を読んだと言い,

ゴールドマン変質の指摘に同意した.同社などが自社取引で 巨額をもうけるようになったことについて,経済全般によかっ たという確証はないと批判.銀行は危機には政府に支えられ,

損失が国民負担になる可能性もあるため,銀行に投機的な 投資をやめさせる「ボルカー・ルール」がやはり必要だと結 論づけた.ボルカー・ルールは,金融界や金融界の後押し を受けた議会から反発を受け,

7

月の運用開始が難しくなり つつあった.そんな折のスミスの寄稿は,厳しい規制を後押 しする頼もしい援軍に見えた(山川

2012

;尾形

2010

参照;

御調

2010

参照;矢沢

2011

参照).

アジア通貨危機のさなか,米連邦準備理事会(

FRB

)の グリーンスパン議長がアジア型資本主義に対する米国型資 本主義の勝利を高らかに宣言した.グリーンスパン議長は

1998

1

月,ニューヨーク市内で講演し,「(米国・西欧型の)

(4)

市場資本主義の優越性が鮮明になった」との考えを表明した.

米国型優位の根拠として,

1989

年の東欧諸国の社会主義崩 壊に続き,過去

1

年間に国家の市場介入を是とするアジアの

「重商主義」が崩壊したことを挙げている.具体的には,アジ アの経済体制を,政府が輸入品に対して保護主義をとり輸 出による外貨獲得を奨励した

18

世紀の英国の重商主義に例 え,これよりも米国型の市場資本主義は消費者のニーズや市 場の動向に敏感だと強調した(町田

1998

).米国型資本主義 が世界を制覇する.そう見えなくもなかった.

だが,その後米国型資本主義の旗色は一気に悪くなった.

米国の金融危機が世界経済危機に発展したからである.米 議会の金融危機調査委員会は

2011

1

月,現在の米国の 金融危機の原因をまとめた最終報告書を公表した.金融危 機は回避することができたと結論づけたうえ,当時の金融機 関による無責任な経営や米政府・米連邦準備理事会の金融 規制・監督の失敗などを明確に示した.最終報告では,広 範におよぶ金融の規制・監督の失敗が米国の金融市場を破 壊的な状況にしたと明記.政府が危機に対して準備ができて いなかったとも指摘した.一方で,大手金融機関の企業経営 やリスク管理の失敗が危機の重要な原因になったと批判した.

米連邦準備理事会については,高リスクの住宅ローン担保 証券を普及させたことなどの過失があったとの認識を示した.

グリーンスパン前議長が規制緩和を進め,金融機関の自己 規制に委ねてきたことで,危機を予防する手段がなくなった との見方も示した.米証券取引委員会(

SEC

)やガイトナー 財務長官が当時率いていた米連邦準備理事会傘下のニュー ヨーク連銀なども必要な措置を講じなかったと言及した(御 調

2011

).

政府が関与して強い産業を育てる産業政策が注目されて いる.

1990

年代以降時代遅れとされてきた政策が,金融危 機をきっかけに復権した.産業政策が後退したのは,次の 産業は政府ではなく市場が決めるとの考えが浸透したからだ.

だが,いまや経済再建のために強い産業をどう育てるかに関 心が高まる.日本では,改正産業活力再生特別措置法が成 立し,電気メーカーなどへの公的資本投入が行われている.

背景には,戦略的に重要な企業をいかにして支えるかとの経 済産業省の発想がある(有田

2009

参照).いま,米国の国の かたちの真価が問われている.日本の国のあり方が問われて いる.

II

.日米関係

『沈まない太陽』が「日本封じ込め」を破壊する.「日本封 じ込め」は(

1

)日本は異質である(

2

)異質な日本は不公正 である.異質な日本は脅威である(

3

)異質な日本には,特別 な対応が必要だ─という論理構成をとる.ところが,この

「日本封じ込め」の論理に『沈まない太陽』の論理が挑戦する.

『沈まない太陽』のファローズは(

1

)日本は異質である(

2

) 異質な日本は不公正ではない.異質な日本は脅威ではない

3

)異質な日本には,特別な対応は必要ない.異質な日本に は,正しい理解が必要だ─と主張する.「日本封じ込め」

のファローズの日米関係についての基本的な考え方と『沈ま ない太陽』のファローズの日米関係についての基本的な考え 方の間には矛盾がある.

「日本封じ込め」の序論に該当する部分は日米関係論にな っている.「日本封じ込め」全体の論理はこの日米関係論を 読み解くことで明らかになる.まず,「日本封じ込め」のファロ ーズの日米関係についての見解を見てみる.米国にとって日 本は非常に重要な国であるにもかかわらず,日米関係は極め て脆弱であるから,知日派米国人は日本を批判したがらない.

日米関係は,米国内の露骨な対日偏見と日本国内の国際的孤 立の恐怖症という火薬庫を抱えている.だが,日本からの脅 威が大きくなった現在,日米関係の現実から目をそらすこと はもはや許されない(

Fallows 1989: p. 40

).日本と米国の利 害は根本的に対立しない,との見解は誤りだ.日米関係にプ ラス面がないわけではない.しかし,日米の利害は根本的に 対立する.日米の利害の根本的な対立は,日本がその経済力 の一方的で破壊的な拡大を抑制する能力がないか,抑制す る意志がないか,のどちらかから生じている.日本経済の拡 大は,日本の国際的孤立,自由貿易体制の崩壊,および日米 関係の破綻ならびに米国の力の衰退という深刻な結果を招く

Fallows 1989: p. 41

).日本経済の拡大は米国にとって脅威 であるから,米国は日本経済の拡大を制限しなければならな い(

Fallows 1989: p. 42

).ファローズが描いた「日本封じ込 め」の論理枠組みは,このようなものである.

『沈まない太陽』のファローズの主張は,「日本封じ込め」の ファローズの主張と非常に異なる.『沈まない太陽』のファロ ーズによると,アジアの発展を後押ししているのは経済であ るが,発展の成果は政治,文化,個人の価値,全体の利益

(5)

と広範に及ぶ.アジア経済力の基礎となる政治モデルは,ロ ックやルソーの時代から西欧諸国が掲げてきた理想とは相容 れない性質のものだ.アジア以外の国がこの経済体制を押 しつけられる心配はないし,真似をする必要もない.しかし,

アジアの新しい経済体制がどういう性質のものであるのかは,

アジア以外の国々も知っておかなければならない(ファロー ズ

1995

36

頁).

ファローズは,『沈まない太陽』のはしがき「日本の読者の みなさんへ」(

1994

11

月)のなかで,『沈まない太陽』にお けるファローズの見解は日米関係の絆を損なうものではなく,

強めるものだと書いている.ファローズの読者へのメッセー ジを紹介する.

現在,米国では日本,アジアの興隆,そして世界におけ る米国の位置に関する認識が変化しつつある.

1989

年のベ ルリンの壁崩壊をきっかけに,米国の政策の基礎をなしてき た多くのことがらが見直されはじめている(ファローズ

1995

2

-

3

頁).

21

世紀の経済・社会の現実に合わせて米国の戦略 を修正するためには,東アジア地域に対する米国のアプロー チ,とりわけ日本と中国に対する米国のアプローチを慎重に 見直す必要がある.日本と中国は,米国と東アジア地域との 政治経済関係において,つねに中心的地位を占めてきた.日 本も中国も,米国経済にとってチャンスであると同時にライ バルでもあった.とくに日本は,学校や工場,企業組織を改 革するうえで,米国にとって貴重なアイデアの源だった.米 国経済の将来を真剣に考える人はみな,米国は東アジア地 域への対応をもっと研究する必要があるという認識で一致し ている(ファローズ

1995

3

頁).

ところで,『沈まない太陽』のファローズには,言葉の使い 方に厳密さを欠くという欠点が見られる.例をあげれば,次 のようなものがある.東アジアという言葉はアジアという言葉 と同じ意味で使われる.ただし,アジアも東アジアも日本を 含む概念であることはたしかである.欧米という言葉と英米 という言葉の関係が不明瞭である.また,欧米と西欧の関係 もあいまいだ.『沈まない太陽』の分析では,全体の文脈の なかで重要な言葉の意味を確定する作業が必要である.

要するに,日米関係について「日本封じ込め」のファロー ズの見解と『沈まない太陽』のファローズの見解は根本的に 異なる.「日本封じ込め」のファローズも『沈まない太陽』の ファローズも,日本は異質だと見る点では意見が一致する.

しかし,日本に対する評価と日本への対応の点では意見が著 しく異なる.

III

.日本の国のかたち

日本の経済体制

日本の経済体制について「日本封じ込め」のファローズは,

日本の経済成長は自由貿易論に反する,すなわち一方的で破 壊的であると主張する.一方,『沈まない太陽』のファローズ は,日本の経済体制と米国の経済体制は,経済活動の目的,

権力集中の是非,市場は信頼できるか,および経済に国境は あるか─という

4

つの点ではっきりとした差異があると主 張する.『沈まない太陽』のファローズは,この日米の経済体 制の違いについて,どちらの経済体制が正しくどちらの経済 体制が間違っているかを問題にしているのではないとの立場 をとる.日本の経済体制について「日本封じ込め」のファロー ズの見解と『沈まない太陽』のファローズの見解は大きく異 なる.

まず,「日本封じ込め」におけるファローズの見解を検証 する.自由貿易論と世界における日本の地位との間の緊張は,

明らかである.もしも価格が上がれば,需要は減るというよ うに,たいていの経済的力は自己調整すると想定されている.

ところが,通常の経済的,商業的圧力は日本の貿易収支を均 衡させない.日本の黒字,資産,および産業力は,一方的に 増大し続ける(

Fallows 1989: p. 44

).「日本封じ込め」のファ ローズは日本の経済体制をこのように認識し評価する.

日本の経済成長は不均衡である.第

1

は,日本の輸出の成 功と人為的に抑制された国内消費の不釣り合いである.世界 で最大の余剰資金を持ち,最大の対外投資を行っている日 本が,全般的に物質的な豊かさは先進国のなかで最低であ る.日本の過少消費は,大部分は個人の消費厚生よりも企業 利益と対外投資を重視する以前からの経済的傾向から生じ る(

Fallows 1989: p. 42

).第

2

は,日本の貿易黒字の継続的 な増加である(

Fallows 1989: pp. 42

-

43

).第

3

は,多くの日 本の取引における一方性の継続的な形態である.経営専門 家のピーター・ドラッカーは,価値の高い輸入品に対する妨 害と確立した外国産業の狙い撃ちを特徴とする日本の商売の やり方を「敵対的貿易」と表現する(

Fallows 1989: p. 44

).

次に,『沈まない太陽』のファローズの見解を検証する.『沈 まない太陽』のファローズは,日本の経済体制と米国の経済

(6)

体制の違いを力説する.『沈まない太陽』のファローズによれ ば,欧米の人間,とくに米国人は,東アジア型経済体制(日 本型経済体制)を欧米の経済体制と基本的には同じもの,た だ欧米の経済体制より少し改良され少しエネルギッシュなだ けのものと考えたがる傾向がある.しかし,東アジア型経済 体制は欧米型経済体制とは違うものであり,これまでに前例 のない経済体制だ.東アジア型経済体制は,高い技術力に 支えられ,完全に近代化された生産組織を持ち,しかも欧米 モデルのコピーではない経済体制である(ファローズ

1995

13

頁).

日本型経済体制と米国型経済体制には

4

つの点で大きな 違いがある.第

1

は,経済活動の目的である.アングロ・ア メリカ型経済体制(米国型経済体制)においては,経済活動 は基本的に個々の消費者の生活水準を向上させるためにあ る.しかし,東アジア型経済体制においては,経済活動は集 団としての国の力を向上させるためにある(ファローズ

1995

186

-

190

頁).第

2

は,権力集中の是非である.アングロ・

アメリカ的イデオロギーでは,権力の集中は悪である.した がって,昔から権力を分散させておく精巧な仕組みを考え出 してきた.アジアでは,権力の集中は避けがたい現実と受け とめられている.だから,権力ができるだけ国家の長期的な 利益のために行使されるよう制度を改善してきた(ファロー ズ

1995

186

190

-

192

頁).第

3

は,市場は信頼できるかで ある.アングロ・アメリカ型経済では,意外性こそ経済活動 の鍵だと考える.「勝者を選択」したり「望ましい状態」を定 義したりといった市場の裏をかくような試みは,必ず失敗に 終わる.市場自身に決めさせるのがいちばんいいのだ.一方,

アジア経済は市場を信頼していない.自由競争は企業をいつ も臨戦態勢にさせておく手段のひとつとしては有益だが,し かし社会のあり方や経済の進むべき方向といった大局的な問 題を解決する方法ではないというのがアジアの考え方だ(フ ァローズ

1995

186

-

187

193

-

199

頁).第

4

は,経済に国境 はあるかである.どの国民にも外国嫌いや排他性はある.ア ングロ・アメリカ型経済は,こうした傾向を嘆かわしいもので あり克服すべき短所とみなす.アジア型経済では,こうした 傾向は自然な感情で簡単には変化しないと考える.この世界 は「我々」と「彼ら」なのであって,「我々」が我々自身の面倒 を見ないかぎり誰も面倒を見てはくれないと考えるのである

(ファローズ

1995

187

199

-

208

頁).

この異質な日本の経済体制を『沈まない太陽』のファロー ズはどのように評価するか.どちらの経済体制が正しくどち らの経済体制が間違っているかを問題にしているのではない,

というのが『沈まない太陽』のファローズの回答である(ファ ローズ

1995

205

頁).「いまアメリカと日本のあいだで起こ っている問題は,どちらが正しいとかまちがっているとかいう ことではなく,要するに前提の異なる

2

つの経済体制が接触 した結果なのである(ファローズ

1995

199

頁)」.

日本の政治体制

「日本封じ込め」のファローズは,日本の政治体制を一方 的で破壊的な日本経済の拡大の主たる原因と見る.一方,『沈 まない太陽』のファローズは,日本を単機能国家と見る.日 本の政治体制について「日本封じ込め」のファローズの見解 と『沈まない太陽』のファローズの見解は著しく異なる.

「日本封じ込め」のファローズの日本の政治体制について の見解の検討から始める.「日本封じ込め」のファローズは,

日本政治は日本経済の拡大を制御できないどころか,日本経 済の拡大を促進する主たる原因になっていると主張する.日 本政治は,金の流れ,力の均衡,および思想の基本的構造

─という

3

つの基本的要素によって形成される.「もしも通 常の市場の力が日本の拡大を緩和しないのであれば,直接 的な政治的制御はどうだろうか.……日本の政治の基本的要 素,すなわち金の流れ,力の均衡,および思想の基本的構 造がすべて日本経済を不均衡の方向に押しやっている……

Fallows 1989: p. 44

)」.

金の流れは,金権政治体制の下で歪められる.日本の金 権政治体制は,日本経済の不均衡の主たる原因だ.金権政 治体制は,公金を分捕るために結合した非公式な複数の政 官財同盟から構成される(

Fallows 1989: p. 44

).

日本政治では,力の均衡は大きく崩れている.日本では,

政官財同盟が圧倒的な政治力を有し,強力な保護主義勢力 を形成している.日本政府は,自分自身の利益を促進する ために戦い競争する政官財同盟の集合体以外の何ものでも ない.歪められた巨額の公金の流れと政官財同盟の圧倒的 な政治力は,一方的な日本経済の成長を促進する(

Fallows 1989: pp. 45

-

46

).

日本政治の思想の基本的構造は,外部世界との相互性の 考えを拒否し,破壊的な日本経済の成長を促進している.日

(7)

本は,基本的な世界貿易の相互性理論を信頼せず,敵対的 貿易を推進する資本主義的発展指向型国家である(

Fallows 1989: pp. 47

-

48

).

それでは,『沈まない太陽』のファローズの見解を検討しよ う.日本の政治体制は,日本経済の発展のためには理想的に 機能する.しかし,経済以外の分野では,まともに機能しな い.日本の政治は,多くの日本国民の利益よりも,日本経済 全体の成長を優先する.日本の政策は主として官僚によって 決定され,政治家は金権政治に没頭する.日本は世界にお いて経済大国にふさわしい役割を果たしていない.このよう に,『沈まない太陽』のファローズは日本をまともな国とは見 ない.

戦後日本の統治制度は,日本経済の発展という目的のため には理想的に機能した.けれども,それ以外の分野では,ま ともに機能できなくなってしまった.日本の政治は,個々の 市民,とくに都市部のサラリーマン世帯のニーズを放置して きた.個々の市民の利益よりも,日本製品を売り日本経済全 体を成長させるほうが優先された.日本の政策はおもに官僚 によって決定され,投票で選ばれた政治指導者はひたすら 金権政治に没頭してきた.このような政治体制のなかで,世 界における日本の普通の役割を確立していこうとする責任感 や力を持つ勢力はひとつも出現しなかった(ファローズ

1995

11

頁).日本は普通の国ではない(ファローズ

1995

149

-

155

頁参照).

日本経済の拡大の影響

日本経済の拡大が続いた場合の危険は何か.「日本封じ込 め」のファローズの日本経済の拡大の見解と『沈まない太陽』

のファローズの日本経済の拡大の見解はかなり異なる.「日本 封じ込め」のファローズは日本経済の拡大は米国にとって脅 威だと主張する.日本の経済拡大を制限しない場合,米国に とって重要ないくつかの事柄が危機に瀕する.米国は資本主 義発展指向型国家から挑戦を受けている.日本経済拡大無 害論,すなわち日本経済拡大終焉論,消費者利益増大論・

貿易赤字無害論,日米国境実質消滅論は誤りである.「日本 封じ込め」のファローズは,日本経済の拡大は米国にとって 深刻な結果を招くと警鐘を鳴らしている.『沈まない太陽』の ファローズは,日本型経済体制はアジアを変え,世界を変え ると予想する.日本型経済体制の拡大はさまざまな影響をア

ジアと世界に与える.日本型経済体制の拡大はアジアの環境,

人口移動,および感情論・イデオロギーに影響を与える.さ らに,日本型経済体制の拡大は世界に利益をもたらすととも に,問題も生じさせる.

「日本封じ込め」のファローズは,日本経済の拡大は危険 ではないとする見解に反論を試みる.第

1

は,日本の拡大が 制御できるか否かにかかわらず,日本の拡大は終わりかけて いるという見解である.この制約はまだまったく理論的なもの にとどまっており,成長鈍化の兆しはまだ見えない(

Fallows 1989: p. 53

).第

2

は,日本経済の拡大は消費者の利益を増 大するが,貿易赤字の累積も問題ないという見解である.消 費者に最良の価格を提供しさえすれば,よい社会ができる というものではない.厳密な自由貿易の観点からすれば,負 債の累積さえも心配の種ではない.しかし,実際には,日本 と米国はまだ

2

つの別々の国であり,借金をしないで暮らせ る米国の能力が米国の強さの基礎なのである(

Fallows 1989:

p. 53

).第

3

は,日米間の国境は実質的に間もなく消滅する

という見解である.日本側の社会的抵抗ゆえに,こうした事 実上の合併は不可能だ(

Fallows 1989: pp. 53

-

54

).

日本経済の拡大は危険ではないとの見解は誤りである.し たがって,日本を封じ込めない限り(

1

)外交政策を遂行し,

理想を推進する米国の権威(

2

)世界最有力企業内の米国民 の将来性(

3

)米国が維持してきた自由貿易体制─が危機 に瀕する.自由貿易体制に対する主たる脅威は,日本が示し た手本から生じている.日本と台湾や韓国といったその亜流 は,自由貿易社会と資本主義的発展指向型国家が真正面か ら産業競争を行えば,最後には自由貿易社会が敗れるという ことを証明した.自由貿易を心からはよいと信じない国々が 拡大するにつれ,自由貿易の理想は後退する(

Fallows 1989:

p. 54

).

『沈まない太陽』のファローズは,「第

9

章 アジア型経済 体制のインパクト」で日本型経済体制の影響について論じて いる.日本を中心に急速に拡大しつつあるアジア地域のダイ ナミズムは東アジアの人々の暮らしを変え,やがて世界の状 況も変えると予想される(ファローズ

1995

389

頁).

東アジアの経済成長は環境を食いつぶそうとしている.そ のこと自体はヨーロッパや北米で少し前に起こったことと変わ りないが,アジアの場合は環境破壊の進み方と影響がはるか に深刻である(ファローズ

1995

389-391

頁).人口移動の問

(8)

題は,日本にとってもアジア全体にとっても,古典的なジレ ンマだ.多くの外国人を受け入れれば,日本社会の仕組みが 根本から揺さぶられる.かといって,外国人を受け入れなけ れば,周辺諸国の恨みを買う.東南アジアの隅々にいたるま で人々の暮らしが日本から影響を受けているのに,大多数の 人々が日本の社会に参加することも影響を与えることもでき ないのでは,公平を欠く(ファローズ

1995

391

-

392

頁).

1990

年代の日本にはバランスのとれた本格的な汎アジア 論が出てきている.汎アジア論は,社会は全体の利益よりも 個人の権利を重視すべきだという欧米の理念に対する挑戦 である(ファローズ

1995

392

-

393

頁).近代化が進み物質 的に豊かになっても,アジアの国々はいわゆる「西洋型民主 主義」に傾きすぎないよう政治の舵取りをした.これまでのと ころ,この抑圧的な政治運営が経済的成功の決め手となって いる(ファローズ

1995

393

-

394

頁).

日本型経済体制の興隆は,世界にいろいろな面で利益を もたらす可能性を秘めている(ファローズ

1995

395

頁).第

1

に,現象そのものが興味深い.第

2

に,東アジア型経済 体制の興隆によって,世界の富と機会が従来よりも公平に 分配されるようになった.第

3

に,アジアの興隆は基本的に 平和に資する動きだ.第

4

に,アジアで創出された富は,あ る程度,他の地域にも分配されている(ファローズ

1995

395

-

396

頁).

しかし別の面から見れば,日本型経済体制の成功はライバ ルに難問をもたらすことになる.とくに深刻なのは,一国が単 独で行動できる範囲が縮小しつつあることだ.このプロセス には,次に挙げる

3

つのタイプの変化がかかわっている.第

1

は,産業における依存関係の一方化である.開発途上国は 先進国に追いつくことがむずかしくなる.第

2

は,軍事機器 における依存関係の変化である.第

3

は,議論を抑制し歪め てしまう文化的・思想的風土の変化である(ファローズ

1995

396

頁).上にあげた変化は,どれも日米関係にかかわってく る.十分な経済規模と高い技術水準を達成した日本は,長ら く続いてきた西洋に対する依存関係を逆転させはじめたアジ アの旗手だ.一方の米国は,長い間自由にやってきたが近年 になって政策上の対日依存を深めつつある西側諸国の旗手 だ(ファローズ

1995

397

頁).

日本への対応

日本経済の拡大を制限する必要性を正当化しようとする

「日本封じ込め」の論理と米国に自己改革を強く迫る『沈まな い太陽』の論理は鋭く対立する.「日本封じ込め」の目的は封 じ込めの具体的な方法を論じるのではなく,日本の拡大を 封じ込める必要性を論証することにある.したがって,「日本 封じ込め」のファローズは,日本経済の拡大を制限する具体 的な方法について論じていない.だが,「日本封じ込め」のフ ァローズの日本への対応の方向性ははっきりしている.一方,

『沈まない太陽』のファローズは,米国に自己変革の覚悟と自 己変革の方法の探求を強く求めている.

「日本封じ込め」のファローズによると,「日本封じ込め」の 目的は封じ込めの具体的な方法を論じるのではなく,日本の 拡大を封じ込める必要性を論証することである.具体的な方 法については,別の機会に譲らなければならない.日本と米 国の利害が衝突することを認識することは,それ自体,重要 な一歩である.日米の利害衝突を認識できれば,通常のビジ ネス競争が現在の不均衡を解消してくれるという幻想を払拭 できる(

Fallows 1989: p. 54

).米国は,自らの企業慣行を改 革し,教育を改善し,負債を減らさなければならない.米国 の経済目標は,貿易障壁を高くすることではなく,開放され た自由貿易体制を維持することでなければならない.米国人 は,日本人に不思議な洗練された日本社会をいかに運営する かを教える立場にない.だが,米国人には米国人の利益と価 値を守る権利はあり,米国人の利益と価値は日本の利益と価 値と同じではないのである(

Fallows 1989: p. 54

).

『沈まない太陽』のファローズは,「第

10

章 沈まない太 陽」で米国の日本型経済体制への対応を論じている.日本は,

歴史と制度が許す範囲で大胆な変革を実行した.中国は,そ れができなかった.その結果,ヨーロッパの植民地主義が世 界を覆った時代に,日本は他のどの非西洋諸国よりも行動の 自由を保つことができた(ファローズ

1995, 423

頁).西洋に 追いつこうとした

19

世紀日本の努力こそ,現在東アジアを変 貌させつつある日本型経済体制の発端だった.日本型経済 体制の成功は,いまや欧米諸国にとって脅威になりつつある.

各々の社会とその中で暮らす人々の未来は,世界を支配する 新しいルールにどこまで適応できるかによって決まる.欧米 諸国は,

19

世紀の日本人のように,新しく姿を現した強力な 体制について可能な限りのことを学び,必要な部分について

(9)

自分を変革していけるだろうか.それとも,同時代の清国の ように,心を乱す現実が目の前からはやく消え去ることを念 じるのみで終わるのだろうか.欧米諸国が新しい時代に適応 していけるか否かは,そこにかかっている(ファローズ

1995

423

-

424

頁).

個人は何よりも尊重されるべきであり,きちんとした民主 主義を確立することこそ政治の究極的目標であるという信条 を共有する米国と西欧諸国は,中国,ビルマ,インドネシア,

マレーシアなど欧米の理想から逸脱する国々をこれからも非 難しつづけるだろう.自分自身を偽らないために,欧米諸国 はこうした主義主張を引っ込めるわけにはいかない(ファロー ズ

1995

425

頁).

ただし,他国の文化を作り直そうと考える前に,やるべき ことがある.欧米諸国はまず,自分自身を改革する覚悟があ るのかどうか,あるとすればどのように改革すればよいのか,

よく考えなくてはならない.これは,アジアで成功したテクニ ックをそのまま真似よという意味ではない.アジアとは逆の 方向をめざしたほうがよいケースもある.明治日本の指導者 たちは西洋の列強が達成した結果に着目し,そこに到達する ために日本にいちばんよく合った道筋を選んだ.欧米の国々 も,日本型経済体制が達成した結果にしっかりと着目すべき なのである(ファローズ

1995

425

-

426

頁).

米国は

4

つの自己変革を迫られている.アジアの成功は,

教育,産業政策,貿易政策,および各種の投資の点で米国 に政策の見直しを迫っている.どれも新しく出てきた話題で はないが,アジアの成功はこれらの問題を考えるうえで新し い視点を提供している(ファローズ

1995

426

頁).

1

は教育である.米国の学校教育制度のなかで最も 劣っているのは,アジアの得意分野,すなわち最低レベル の生徒に基礎学力を習得させる分野だ(ファローズ

1995

427

-

428

頁).第

2

は,産業政策である.米国内ではいささ か不遇な産業政策も,現実には各国で経済発展の一翼を担 っている.産業政策に関して問題なのは,産業政策を行う かどうかではなく,産業政策を行っている事実を正面切って 認めるかどうかである(ファローズ

1995

428

-

429

頁).第

3

は,貿易政策である.米国の貿易政策は,世界の国々がいつ かアダム・スミスやデイビッド・リカードが構想した自由な経 済交流を行うようになるだろうという理想に立っていた.こう した信条がもたらした最良の成果は,米国がともかくも自由

貿易を主張しつづけてきたことだ.米国のアプローチの問題 点は,底流に善悪の価値判断が存在することだ.貿易政策 に関する限り,米国は「ベスト」に固執するのをやめ,「ベタ ー」をめざすべきだ.制約ゼロの自由な貿易という「ベスト」

の理想に背を向けたほうが,米国としても経済の見通しを 明るくし,世界貿易を促進できる場合が多々ある(ファロー ズ

1995

432

-

435

頁).第

4

は,投資である.米国の税制は,

消費を促し貯蓄を妨げる仕組みになっている.将来の可能 性をひろげ,現在の国力を維持するために,米国は貯蓄と借 金に対するインセンティブを変えるべきだ(ファローズ

1995

435

-

437

頁).

IV

.文化か歴史か

日本人の基本的価値観

「日本封じ込め」のファローズは,日本の一方的な貿易政 策は日本の権威を尊ぶ文化の反映なのだと主張する.日本が 一方的な貿易政策に後ろめたさを感じないのは,日本政治・

日本社会には普遍的な基本的価値観がなく,普遍的な基本 的価値観に基づく行動指針がないからだ.日本人が欧米人 と異なる行動をとるのは,日本人には非常に個人的な価値観 に基づく行動指針はあるが,しかし欧米人のような普遍的な 価値観に基づく行動指針がないからである.日本の行動指針 は異なる基本的価値観を持つ貿易相手国に大きな影響を与 えるので,日本の貿易相手国は日本に対して対抗措置を講じ る権利がある.日本人は,権威を尊ぶ文化のなかで生きてい る.日本人は,力をなにが公正かの主要な基準にする.日本 政治は一方的で破壊的な日本経済の拡大を制御できないか ら,米国が日本経済の拡大を制限する必要があるが,そのた めには米国は圧倒的な力を保持する必要がある.日本の一方 的な貿易政策は,日本文化の所産である.一方,『沈まない 太陽』のファローズは日本文化を語らない.『沈まない太陽』

のファローズは,現在アジアで進行中の事態を理解するには,

経済学より歴史のほうが有効だと考える.アジア人は,屈辱 の歴史とともに生きている.米国人は,自由な現在とともに 生きている.米国人の歴史感覚とアジア人の歴史感覚の違 いが,米国とアジアの相互理解を困難にする.過去の欧米の 植民地主義が今日なおアジアと欧米の間に暗い影を落として いることに米国人は気づかない.アジアから見れば,欧米が アジアに君臨できたのは,優れた機械と強い軍隊を持ってい

(10)

たからである.経済学の概念は,今日の西欧とアジアの関係 で最も大切な問題である歴史と人間性の問題の理解を困難 にする.日本人の基本的価値観についての「日本封じ込め」

のファローズの見解と『沈まない太陽』のファローズの見解 を要約すれば,こうなる.

「日本封じ込め」のファローズの見解から先に検証する.日 本はなぜ日本の貿易政策の二重基準にこうも無頓着なのだろ うか.それは,日本政治の基本的価値観,あるいはこれらの 欠如と言うべきものと関係がある.日本は非常に信義を重ん じる社会であり,日本社会では個々人は恩,忠誠,敬意の義 務で固く結ばれている.しかし日本社会には,外国人のよう に義務で結ばれていない人々を適切に取り扱うための指針と なる抽象的な原則が欠けている.その結果,日本は公正な競 争について独特な見解を持ち,一方的な行動をやましく思わ ないのである(

Fallows 1989: p. 48

).日本人が欧米人と異な る行動をとるのは,日本人には非常に個人的な価値観に基づ く行動指針はあるが,しかし欧米人のような普遍的な価値観 に基づく行動指針がないからだ.日本人には,普遍的な原則,

すなわち日本人の生活が世界のいかなる人間の生活とも同じ ような原則に従って営まれていると日本人に感じさせる観念 が薄弱だ(

Fallows 1989: pp. 48, 51

).

日本の行動指針は異なる基本的価値観を持つ貿易相手国 に大きな影響を与えるので,日本の貿易相手国は日本に対し て対抗措置を講じる権利がある.日本の貿易のやり方に対す る標準的な不満は,日本のやり方が偽善的だということであ る.日本の製造業者は米国で自由に売れるのに,外国人は日 本で競争するためには公的および私的なカルテルを相手に 奮闘しなければならない(

Fallows 1989: p. 51

).

日本人は,権威を尊ぶ文化のなかで生きている.日本人 は,力をなにが公正かの主要な基準にする.日本社会の原則 に対する関心の欠如は,たいていの米国人がなかなか気づか ない深刻な影響を与える.日本社会の原則に対する関心の 欠如は,ただの力をなにが公正かの主要な尺度にしてしまう.

どこでも力は正義だが,しかし日本が外部世界を取り扱う際 は,全面的にそうだ.「平均的日本人は,愚かな追随者では なく,カトリックの聖職者や海兵隊員のように,権威を尊ぶ 文化のなかで生きているということだ」.日米関係について言 えば,米国の力の外見がたいていの米国人が考えている以上 に重要だということである(

Fallows 1989: p. 52

).

日本政治は一方的で破壊的な日本経済の拡大を制御でき ないから,米国がそれを制限する必要があるが,そのために は米国は圧倒的な力を保持する必要がある.日本の政治体 制は強力な金権集団に掌握されており,日本の慣習と知的伝 統は人々が抗議に立ち上がるのを妨げる.したがって,日本 国内の行動を変えさせる方法として残されているのは,外部 からの圧力である.しかし外圧依存の問題点は,外から圧力 を加える者は誰であれ,圧倒的な力を保持していなければな らないということだ(

Fallows 1989: pp. 52

-

53

).

『沈まない太陽』のファローズは日本人の基本的価値観を どう見るか.『沈まない太陽』のファローズによると,アジア 人は屈辱の歴史とともに生きているが,米国人は自由な現 在とともに生きている.米国には,歴史に対して意識的に無 関心であろうとする性質がある.これは米国の根本的な思潮,

すなわち人は過去に束縛されるべきでなく,それぞれの時代 にふさわしい役割を見いだして進むべきであるという考え方 を反映している(ファローズ

1995

79

頁).

こうした歴史感覚の違いは,米国とアジアの間に溝を作る 原因となっている.何百年も続いた植民地支配の記憶が今日 なおアジアと西洋の関係につねに重苦しい影を落としている という現実は,米国人にとって想像することすらむずかしい.

欧米人は植民地を拡大し,世界地図を塗り変えた.誇り高い 文化を根こそぎにし,自分たちの言葉を広め,自分たちの論 理と道徳と法にもとづく社会システムを押しつけた.勝者の 側にいた者は,こうした行為の結果が敗者の目にどれほどい まいましく映っているか,ほとんど認識していない(ファロー ズ

1995

80

頁).

アジアから見れば,近代史の筋書きは,ヨーロッパ人や米 国人が技術力にものを言わせて何世紀もの間自分たちの意 思をアジアに押しつけてきた,ということになる.ヨーロッパ があれだけ絶対的な優位に立てたのは,アジアよりも文化水 準が高かったからではない.政治体制が立派だったからでも ない.神の恩寵に値するような徳を積んだからでもない.ヨ ーロッパがアジアに君臨できたのは,すぐれた機械と強い軍 隊を持っていたからだ(ファローズ

1995

80

頁).

経済学の概念は,現在の西欧とアジアの関係で最も大切 な問題である歴史と人間性の問題の理解を困難にする.力 で劣っていたことの記憶は,アジアの人々の脳裏に深くはっ きりと刻まれている.しかし,ヨーロッパや米国の人々は,こ

(11)

のことをほとんど認識していない.アジアの人々は,ヨーロ ッパの国々がまったく当然のこととして受けとめている欧米の 植民地主義の多くの面を,恥として受け止めているのである.

今もあいかわらず,欧米の人間は当然のようにアジアとの関 係を「市場開放」,「公平な条件下での競争」,「世界規模の自 由貿易制度」といった経済言語だけで解決しようとする.経 済学から導き出された概念はたしかにいくつかの問題を解決 するかもしれないが,しかし今日の欧米とアジアの関係でい ちばん大切な歴史と人間性の問題を見えにくくしてしまう(フ ァローズ

1995

80

-

81

頁).

「日本封じ込め」のファローズの日本人の基本的価値観に ついての見解と『沈まない太陽』のファローズの日本人の基 本的価値観についての見解は,根本的に異なる.日本封じ込 め論は日本文化論の基礎の上に築かれている.「日本封じ込 め」のファローズは日本社会の本質を権威を尊ぶ文化に見出 した.一方,『沈まない太陽』のファローズは日本社会の本質 を理解する鍵を歴史に見出した.『沈まない太陽』のファロー ズにとって,日本人の基本的価値観を文化で語ることなど論 外なのである.『沈まない太陽』は,欧米はアジアに関する情 報を整理し解釈する際に,これまで誤った論理を適用してき たということを読者に訴える本であるが,ファローズの自省の 書となっている.

結論 未完の肖像

「日本封じ込め」におけるファローズの日本および日米関 係についての基本的な考え方と『沈まない太陽』におけるフ ァローズの日本および日米関係についての基本的な考え方 は,根本的に異なる.ファローズの論文「日本封じ込め」の目 的は,日本の拡大を封じ込める必要性を論証することである.

「日本封じ込め」の論理は(

1

)日本は異質である(

2

)異質な 日本は不公正である.異質な日本は脅威である(

3

)異質な 日本には,特別な対応が必要だ─という形に一般化できる.

「日本封じ込め」の論理は日本文化論の基礎の上に築かれて いる.一方,『沈まない太陽』の目的は,米国はアジアに関す る情報を整理し解釈する際に,これまで誤った論理を適用し てきたということを論証することである.『沈まない太陽』の 論理は(

1

)日本は異質である(

2

)異質な日本は不公正では ない.異質な日本は脅威ではない(

3

)異質な日本には,特別 な対応は必要ない.異質な日本には,正しい理解が必要だ

─という形に一般化できる.『沈まない太陽』の論理は歴 史の基礎の上に築かれている.日米間の差異の認識が,即日 本のマイナス評価に結びつくことはなくなった.また,日米間 の差異の評価が,他国への対応とは異なる日本への特別な 対応の必要性の要求に結びつくこともなくなった.「日本封じ 込め」におけるファローズの日本および日米関係についての 基本的な考え方と『沈まない太陽』におけるファローズの日 本および日米関係についての基本的な考え方は矛盾する.

1日本異質論は,リビジョニズム,修正主義,日本見直し論,

日本特殊論とも呼ばれる.

2 Containing Japanの邦訳としては,『中央公論』に掲載され たものとファローズの同名の著書『日本封じ込め』に収め られたものがある(ファローズ1989a; ファローズ1989b).

また,『沈まない太陽』の原典は(Fallows 1994)である.

3ネット上にはこの一件を茶化し,映画「スター・ウォー ズ」の悪役ダース・ベイダーが銀河帝国軍からの離脱を表 明する寄稿などが続々と登場した(毎日jp 2012).

4スミスのゴールドマンでの肩書はエグゼクティブ・ディレ クターだが,同社には約12,000人のバイスプレジデント,

エグゼクティブ・ディレクターがおり,従業員約33,000 人の36%がスミスと同様の肩書を持っている(朝日新聞デ ジタル 2012).

5「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)のデモとそ の機運が,急速に全米に拡大した.「ウォール街を占拠せ よ」は,2011917日頃に始まった米国の金融システ ムに抗議するデモである.リーマンショック以来の危機か ら立ち直れずにいる米国経済.失業率は高止まりし,ど んなに仕事を探しても職にありつけない人々が方々にい た.さらに追い打ちをかけるように,食糧やガソリンなど の生活必需品の値段が上がり,生活はますます厳しくなっ た.ところが,ウォール街に目を向けると,100万ドルの 年収をもらって当たり前とでもいうような振る舞いが続い た.サブプライムローン問題で世界経済を苦境に陥れた過 去などおかまいなしだ.ウォール街だけではない.大企業 のトップの多くは,相変わらず数百万ドルもの報酬を得て いた.いったい,この貧富の格差は何なのか.政策に大き な影響を及ぼす企業の権力を制限し,民主主義をマネーゲ ームから解放して,普通の人々の生活を守るものに戻して 欲しい─.その思いがデモに参加した人々の動機だった

(瀧口 2011).

参考文献

朝日新聞デジタル(2012)「米ゴールドマン退社社員が経営陣 を批判,NYT紙に寄稿」

h t t p : / / w w w. a s a h i . c o m / b u s i n e s s / n e w s / r e u t e r s / RTR201203150022.html/ (2012/3/21)

有田哲文(2009),「産業政策,復権の兆し」『朝日新聞』6 13日朝刊,12面.

Fallows, J. 1989, Containing Japan,Atlantic Monthly, May,

(12)

pp.40-54.

ジェームズ・ファローズ(1989a)小松修幸訳「日本封じ込め」

『中央公論』7月号: 58-81

ジェームズ・ファローズ(1989b)「日本封じ込め」ジェーム ズ・ファローズ(1989c),96-126頁,所収.

ジェームズ・ファローズ(1989c)大前正臣訳『日本封じ込め』

ティビーエス・ブリタニカ.

Fallows, J. 1994, Looking at the Sun: The Rise of the New East Asian Economic and Political System, New York: Pantheon Books.

ジェームズ・ファローズ(1995)土屋京子訳『沈まない太陽』

講談社.

福島政裕(2006)「日本異質論研究─論争」『東海大学紀要政 治経済学部』第38号:43-62

福島政裕(2009)「日本異質論研究─日本封じ込め」『東海大 学紀要政治経済学部』第41号:61-85

福島政裕(2010)「日本異質論研究─大論争」『東海大学紀要 政治経済学部』第42号:69-86

畑中徹(2012a「『ゴールドマン,顧客より金もうけ』現役幹部

が批判の手記」『朝日新聞』316日朝刊,8面.

畑中徹(2012b)「ゴールドマン元幹部の批判手記 ウォール街

『身内』擁護論」『朝日新聞』318日朝刊,6面.

柿内公輔(2012GS元幹部の手記が波紋モルガンCEOは社 内に回覧禁止令」

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120317/

fnc12031709210000-n1.htm/ 2012/3/21

町田徹(1998)「FRB議長欧米型資本主義優越性が鮮明に ジア “重商主義” 崩壊を指摘」『日本経済新聞』117日夕 刊,2面.

毎日jp2012)「世界の雑記帳:ゴールドマン批判手記のパロ ディー続出,ダース・ベイダー版も」         

h t t p : / / m a i n i c h i . j p / s e l e c t / w o r l d / n e w s i n b r i e f / news/20120316reu00m030002000c.html/ (2012/3/21) MSN産経ニュース(2012)「『客より金もうけ』ゴールドマン

幹部が手記」

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120315/

fnc12031510480003-n1.htm/ 2012/3/21

『日本経済新聞』2012「ゴールドマン元幹部が手記CEOは批 判に応えよ」317日朝刊,6面.

尾形聡彦(2010「途上国に米流政策押しつけ世銀が方針転換」

『朝日新聞』930日朝刊,15面.

御調昌邦(2010「米金融規制法成立へ監督強め危機防止」『日 本経済新聞』716日朝刊,1面.

御調昌邦(2011「米金融危機規制・監督の失敗明示」『日本経 済新聞』128日朝刊,8面.

Smith, G. (2012), Why I Am Leaving Goldman Sachs,New York Times, March 14, http://nyti.ms/xqbIA0/ (March 19, 2012)

瀧口範子(2011)「全米に広がる格差是正デモの驚くべき組織 ウォール街占拠を訴える人々をつなぐもの」

http://diamond.jp/articles/-/14428 (2012/11/13)

山川一基(2012)「金融規制後押しもFRB議長も同調」『朝 日新聞』316日朝刊,8面.

矢沢俊樹(2011)「米金融規制改革法成立1『中身』決まら ず停滞」『日本経済新聞』722日朝刊,6面.

参照

関連したドキュメント

本章では,現在の中国における障害のある人び

(J ETRO )のデータによると,2017年における日本の中国および米国へのFDI はそれぞれ111億ドルと496億ドルにのぼり 1)

Microsoft/Windows/SQL Server は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその

・2017 年の世界レアアース生産量は前年同様の 130 千t-REO と見積もられている。同年 11 月には中国 資本による米国 Mountain

に本格的に始まります。そして一つの転機に なるのが 1989 年の天安門事件、ベルリンの

各テーマ領域ではすべての変数につきできるだけ連続変量に表現してある。そのため

2019 年 12 月に中国で見つかった 新しいコロナウイルスの感染が 日本だけでなく世界で広がってい

の商標です。Intel は、米国、およびその他の国々における Intel Corporation の登録商標であり、Core は、Intel Corporation の商標です。Blu-ray Disc